JP5626247B2 - エンジン駆動補機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンによって駆動される補助機器を制御するエンジン駆動補機制御装置に関する。
従来、エンジンによって駆動される補助機器として、発電機、空調装置、パワーステアリング装置などが知られている。例えば、特許文献1は、エンジンによって空調装置の圧縮機を駆動するシステムを開示している。このシステムでは、エンジンの燃料消費を抑制するためのアイドルストップ制御、またはエコノミーランニング制御によってエンジンが停止されても空調を継続するために、圧縮機を含む冷凍サイクルによって生成される冷温を蓄える蓄冷器を備える。
また、特許文献2は、アイドルストップ制御によってエンジンを再始動するために、圧縮機の駆動負荷を一時的に増加させ、モータの回転数をエンジンの始動に適した回転数に調節する装置を開示する。
さらに、特許文献3は、エンジンを再始動に適した適正範囲内で停止させる装置を開示する。しかも、この装置は、エンジンによって駆動される補助機器の駆動を制限、または禁止した後に、燃料噴射を停止させている。
特開2003−312241号公報 特開2004−68735号公報 特開2007−270676号公報
従来技術の構成では、エンジンの制御と、補助機器の制御とを関連させるために、エンジン制御装置と、補助機器の制御装置、例えば空調制御装置との両方を特別に設計し、互いに関連しながら作動させる必要があった。しかし、このような複数の機器を互いに関連付ける制御は演算処理の負荷が大きい。このため、エンジン制御装置、または補助機器の制御装置の本来の制御機能を圧迫するおそれがある。
また、アイドルストップ制御を採用したエンジンにおいては、エンジンの再始動が迅速に実行されることが求められる。補助機器の制御は、再始動の迅速性を向上するために有効な場合がある。よって、再始動の迅速性を向上するための補助機器の制御に適した制御装置が求められていた。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンを迅速に再始動するための制御に適したエンジン駆動補機制御装置を提供することである。
本発明の他の目的は、エンジンの回転を迅速に低下させることのできる補助機器と、エンジンを再始動するためのエンジン機器、例えばスタータとを関連付けて制御することができるエンジン駆動補機制御装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、エンジン(11)によって駆動される補助機器(21、31)を制御するためのエンジン駆動補機制御装置(3c)において、エンジンの始動を要求する信号(ISS、RQ)を入力するための入力端子(IN1)と、エンジンの回転数(NE)を示す信号を入力するための入力端子(IN2)と、エンジンを始動するためのスタータ(13)を駆動するための信号を出力するためのスタータ出力端子(OUT1)と、エンジンによって駆動される補助機器(21、31)を駆動するための信号を出力するための補助機器出力端子(OUT2、OUT3)と、エンジンの始動が要求され、かつ回転数が負であるとき、補助機器を駆動し、回転数が正になると補助機器を停止する予備駆動部(9、43、50、181−183)と、予備駆動部により補助機器が駆動され停止されたことにより回転数が正に調節された後に、スタータを駆動するスタータ駆動部(4、43、184)とを備えることを特徴とする。
この構成によると、エンジン駆動補機制御装置によってスタータの駆動制御と、補助機器の駆動制御とが実行される。予備駆動部は、エンジンの始動が要求されているが、エンジンの回転数が負であるとき、補助機器を駆動する。つまり、補助機器を、エンジンによって駆動される状態におく。この結果、エンジンの負荷が増加し、エンジンの回転の振動は収束する。補助機器の駆動によって、エンジンの回転は、スタータの駆動に適した正の回転、またはゼロ(0)に安定する。スタータ駆動部は、補助機器が駆動された後に、スタータを駆動する。よって、スタータは、回転数がスタータの駆動に適した状態に接近してから、駆動される。この結果、スタータの駆動に起因する不具合が抑制される。また、スタータの駆動制御と補助機器の駆動制御とがエンジン駆動補機制御装置に集められるから、エンジン駆動補機制御装置の汎用性を高めることができる。
本発明を適用した第1実施形態に係るシステムのブロック図である。 第1実施形態の制御装置のブロック図である。 第1実施形態の制御装置のブロック図である。 第1実施形態の電源制御の処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の熱制御の処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の再始動制御の処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の作動を示すタイミング図である。 本発明を適用した第2実施形態の制御装置のブロック図である。 第2実施形態の再始動制御の処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の作動を示すタイミング図である。 第2実施形態の作動を示すタイミング図である。
以下に、図面を参照しながら開示された発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1において、エネルギ管理システム1は、車両におけるエネルギ消費を抑制するように、車両に搭載された複数の制御システム10、20、30を総合的に制御する。車両には、動力システム10と、複数のエネルギ消費システム20、30とが搭載されている。動力システム10は、車両に搭載された燃料によって動力を供給する動力源を含む。エネルギ消費システム20、30は、動力源によって駆動される補助機器21、31を含む。エネルギ消費システム20、30は、互いに異なる形態のエネルギを利用する。例えば、エネルギ消費システム20、30は、動力システム10から供給される動力を蓄積可能なエネルギに変換して利用する。エネルギ消費システム20、30は、電源システム20、および熱システム30を含む。
動力システム10は、動力源としてのエンジン(ENGN)11を含む。さらに、動力システム10は、エンジン11を操作するためのエンジン機器(EGDV)12とを備える。エンジン11は、内燃機関によって提供することができる。エンジン11は、車両の移動用の動力を供給する動力源である。さらに、エンジン11は、車両に搭載された複数の機器にエネルギを供給するための動力源でもある。
エンジン11の出力は、動力伝達機構2を経由して、電源システム20、および熱システム30に供給される。動力伝達機構2は、例えば、プーリーとベルトとを含むベルト伝達機構、または複数のギヤを含むギヤ駆動機構によって提供することができる。
エンジン機器12は、エンジン11の運転状態を調節するための制御機器を含む。エンジン機器12は、エンジン11を始動するための電動機であるスタータ(STMT)13を含むことができる。スタータ13は、ピニオンギヤなど歯車機構を介してエンジン11の回転軸と連結可能に構成されている。エンジン機器12は、エンジン11の出力を調節するための機器、例えば、エンジン11が吸入する空気量を調節可能なスロットル装置、エンジン11へ供給する燃料量を調節可能な燃料供給装置、およびエンジン11の点火時期を調節可能な点火装置を含むことができる。
電源システム20は、動力システム10から供給される動力によって発電し、電力を蓄える。電源システム20は、車両に搭載された電気負荷に電力を供給する。電源システム20は、発電機(GNRT)21、バッテリ(BATT)22、および電気負荷(ELLD)23を備える。
発電機21は、エンジン11によって駆動される発電機である。発電機21は、オルタネータによって提供することができる。バッテリ22は、二次電池である。バッテリ22は、発電機21によって発電された電力を蓄える。電気負荷23は、車両に搭載された電気的な負荷である。電気負荷23には、エンジン機器12、および後述する空調装置33を含むことができる。発電機21およびバッテリ22は、電気負荷23へ給電する。
熱システム30は、車両において冷熱および/または温熱を利用するシステムである。熱システム30の典型的な例として、空調システムを例示することができる。熱システム30には、車載部品、例えば電池やインバータ回路の温度を調節するために、冷熱を利用する機器温度調節システム、または車両に搭載された物品を加熱するために温熱を利用する加熱システムを例示することができる。以下の説明では、熱システム30として、空調システムを採用した場合を説明する。
熱システム30は、動力システム10から供給される動力によって冷熱および/または温熱を生成し、蓄える。熱システム30は、車両に搭載された機器に冷熱および/または温熱を供給する。熱システム30は、圧縮機(CMPR)31、蓄冷器(CSTR)32、および空調装置(ARCN)33を備える。
圧縮機31は、車両に搭載された蒸気圧縮式の冷凍サイクルの構成部品である。冷凍サイクルは、圧縮機31によって圧縮され、循環される冷媒によって冷熱および/または温熱を生成する。圧縮機31は、運転を断続することにより、または圧縮容量を調節することにより吐出量を調節可能である。
蓄冷器32は、冷凍サイクルによって生成された冷熱および/または温熱を蓄える蓄熱装置である。図示の例においては、蓄冷器32は冷凍サイクルの蒸発器において得られる冷熱を蓄える。蓄冷器32は、貯えられた冷熱を空調装置33に供給する。空調装置33は、冷凍サイクルによって生成された冷熱、および蓄冷器32に貯えられた冷熱を利用して、車両の室内を空調する。空調装置33は、熱システム30における熱的な負荷でもある。
蓄冷器32は、エンジン11が停止されている期間中にも空調装置33に冷熱を供給可能である。例えば、交差点において車両が停車している期間中に、エンジン11は一時的に停止されることがある。このような機能は、アイドルストップ機能、またはエコノミーランニング機能として知られている。蓄冷器32は、エンジン11が一時的に停止している期間中に、空調装置33による空調を継続するために利用される。
動力システム10、電源システム20および熱システム30は、制御装置(ECU)3によって制御される。制御装置3は、ひとつまたは複数の電子制御装置によって提供される。制御装置3に含まれる複数の電子制御装置は、通信回線を介して、互いにデータを送受信可能に接続されている。
電子制御装置は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクによって提供されうる。プログラムは、電子制御装置によって実行されることによって、電子制御装置をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように電子制御装置を機能させる。電子制御装置が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
制御装置3は、車両の利用者からの指令に応じてエンジン11の出力を調節するエンジン制御装置を提供する。制御装置3は、複数のセンサによって検出されるエンジン11の運転状態に応じてエンジン機器12を制御することにより、エンジン11の運転状態を制御する。制御装置3は、後述する燃費データに基づいて、燃料の消費を抑制するようにエンジン11を制御する。制御装置3は、燃費を抑制するために、燃費データに基づいてエンジン11を制御する。燃費データは、エンジン11の運転状態と燃焼消費率との関係を示す。制御装置3は、燃費データに関連する燃費関連データに基づいてエンジン11を制御することができる。燃費関連データには、燃費データそのもの、および/または燃費データに基づいて生成されたデータが含まれる。この実施形態では、燃費データそのものが燃費関連データとして用いられる。
また、制御装置3は、バッテリ22の充電状態を適正状態に維持するように、発電機21の駆動または停止の切換えの制御、および発電機21の出力制御を実行する発電制御装置を提供する。
制御装置3は、複数のセンサによって検出される電源システム20の状態に応じて発電機21を制御することにより、発電機21の発電量を制御する。例えば、制御装置3は、バッテリ22の充電量を検出する。制御装置3は、バッテリ22の充電量が所定の目標充電量に接近するように発電機21を制御する。
さらに、制御装置3は、発電によって消費される燃料量を抑制するように発電機21を制御する。制御装置3は、燃費関連データに基づいて、燃料の消費を抑制するように発電機21を制御する。制御装置3は、発電によって消費される燃料量を抑制するための指標として、発電のための燃料消費量、すなわち発電燃費を利用する。発電燃費は、単位電力量を発電するために消費される燃料量を示す。例えば、電力量をキロワットアワー(kWh)とし、燃料消費量をグラム(g)とすると、発電燃費ECは、EC=g/kWhで表すことができる。以下の説明では、発電燃費を電費ECと呼ぶ。
また、制御装置3は、蓄冷器32の蓄冷状態を適正状態に維持するように、圧縮機31の駆動または停止の切換えの制御、および圧縮機31の圧縮容量の制御を実行する熱制御装置を提供する。
制御装置3は、複数のセンサによって検出される熱システム30の状態に応じて圧縮機31を制御することにより、圧縮機31の吐出量を制御する。例えば、制御装置3は、蓄冷器32の蓄冷量を検出する。制御装置3は、蓄冷器32の蓄冷量が所定の目標蓄冷量に接近するように圧縮機31を制御する。
さらに、制御装置3は、熱エネルギの生成によって消費される燃料量を抑制するように圧縮機31を制御する。制御装置3は、燃費関連データに基づいて、燃料の消費を抑制するように圧縮機31を制御する。制御装置3は、熱生成によって消費される燃料量を抑制するための指標として、熱生成のための燃料消費量、すなわち熱生成燃費を利用する。熱生成燃費は、単位熱量を生成するために消費される燃料量を示す。例えば、生成される熱量をキロワットアワー(kWh)とし、燃料消費量をグラム(g)とすると、熱生成燃費TCは、TC=g/kWhで表すことができる。以下の説明では、熱生成燃費を熱費TCと呼ぶ。なお、この実施形態では、冷熱、すなわち低温の生成を、熱の生成と呼ぶ。熱費は、温熱、すなわち高温の生成にも利用することができる。
制御装置3は、始動制御部(STCM)4、補機制御部(AXDM)5、および同期制御部(SYNM)6を備える。始動制御部4は、エンジン11を始動するためにスタータ13を駆動する。始動制御部4は、アイドルストップ制御を実行するための制御部でもある。始動制御部4は、所定の条件が成立すると、エンジン11を一時的に停止させる。さらに、始動制御部4は、所定の再始動条件が成立すると、再始動の要求を発生する。始動制御部4は、再始動の要求に応答してエンジン11を再始動するための始動制御を実行する。
始動制御においては、再始動の要求に応答して、スタータ13が駆動される。また、エンジン11の停止操作が実行された直後は、エンジン11の回転軸が揺動している場合がある。回転軸が揺動しているとき、エンジン11の回転数NEは、負になることがある。回転数NEが負のときにスタータ13を駆動することは望ましくない。スタータ13の回転方向は、エンジン11の正回転方向であるから、歯車を損傷するなどの不具合を生じるおそれがあるからである。
始動制御においては、補助機器を制御することにより、エンジン11の残留回転の減衰を促進する。補助機器は、エンジン11によって駆動されるから、補助機器を駆動状態に制御することで、エンジン11の負荷が増加する。この結果、回転軸の揺動は早くなり、回転数NEが正となる期間が早期に発生する。また、回転数NEは、迅速にゼロ(0)に収束する。回転数NEが正のとき、または回転数NEがゼロ(0)のときは、スタータ13の駆動に適した状態である。始動制御においては、このような状態が得られてから、スタータ13を駆動する。
補機制御部5は、補助機器としての発電機21および/または圧縮機31を制御する。補機制御部5は、電源システム20を制御するための電源制御部(EPCM)7と、熱システム30を制御するための熱制御部(THCM)8とを備えることができる。電源制御部7は、上述の電費を抑制するように発電機21を制御する電費制御部(ECCM)7aを備える。熱制御部8は、上述の熱費を抑制するように圧縮機31を制御する熱費制御部(TCCM)8aを備える。さらに、補機制御部5は、補助制御部9を備える。補助制御部9は、スタータ13の制御に同期して、発電機21および/または圧縮機31を制御する。ここでは、補助制御部9は、エンジン11の回転数がスタータ13の駆動に適した回転数になるように、発電機21および/または圧縮機31を制御する。以下の説明では、補助制御部9によって圧縮機31が制御される例を説明する。
同期制御部6は、始動制御部4が提供するスタータ13の制御と、補機制御部5が提供する補助機器の制御との間に、同期的な関係を提供する。例えば、スタータ13が駆動される前に、圧縮機31が駆動状態におかれる。また、補助機器としての圧縮機31が停止した後に、スタータ13が駆動される。
図2において、制御装置3のハードウェア上の構成の一例が図示されている。制御装置3は、エンジン11を制御するための主たる制御装置として、主マイクロコンピュータ(MAIN)(以下、主マイコンという)3aを備える。例えば、主マイコン3aは、エンジン11の回転数NEを含む複数の信号を入力する。入力信号には、エンジン11の出力の増減指令を示すアクセル操作量、エンジン11の出力トルクを示すエンジントルクETQなど多様な情報を含むことができる。主マイコン3aは、エンジン11に供給する燃料量を調節するための燃料噴射信号などを演算する。主マイコン3aは、燃料噴射信号を駆動回路(EGDC)3bに出力する。駆動回路3bは、主マイコン3aから与えられた指令信号に基づいて、エンジン機器12を駆動する。
制御装置3は、補助機器を制御するための補機制御IC(AXDC)3cを有する。補機制御IC3cは、エンジン11によって駆動される補助機器を制御するためのエンジン駆動補機制御装置を提供する。補機制御IC3cは、集積回路である。補機制御IC3cは、パッケージ化された集積回路である。ひとつにパッケージ化された集積回路によってエンジン駆動補機制御装置が提供される。補機制御ICは、複数の入力端子と複数の出力端子とを備えるカスタムICとして構成されている。補機制御IC3cは、マイクロコンピュータ回路として構成されている。補機制御IC3cは、演算装置(CPU)3dと、メモリ装置(MMRD)3eとを備えることができる。
補機制御IC3cは、入力端子IN1−IN7を備える。これらの端子には、下記の入力信号が入力される。
(1)入力端子IN1:アイドルストップ制御の状態ISSを示す信号。
(2)入力端子IN2:エンジン11の回転数NEを示す信号。
(3)入力端子IN3:エンジントルクETQを示す信号。
(4)入力端子IN4:圧縮機31の駆動トルクCTQを示す信号。
(5)入力端子IN5:蓄冷器32の蓄冷状態に対応する温度THを示す信号。
(6)入力端子IN6:発電機21の駆動トルクGTQを示す信号。
(7)入力端子IN7:バッテリ22の充電状態に対応する電圧VBを示す信号。
補機制御IC3cは、データ通信用の通信端子COM1、COM2を備える。これらの端子は、下記の用途に主として利用される。
(8)通信端子COM1:主マイコン3aからデータを受信する。
(9)通信端子COM2:主マイコン3aなどへデータを送信する。
補機制御IC3cは、負荷を駆動するための出力端子OUT1、OUT2、およびOUT3を備える。これらの出力端子は、補助機器の作動状態を少なくとも駆動状態と停止状態とに切換えるための信号を出力するための、少なくともひとつの出力端子を含む。これらの端子は、下記の信号を出力するために主として利用される。
(10)出力端子OUT1:スタータ13の作動状態を駆動状態と停止状態とに切換えるための信号。
(11)出力端子OUT2:補助機器である発電機21を駆動状態と停止状態とに切換えるための信号、および発電機21の発電量に対応する調整電圧に相当する信号。
(12)出力端子OUT3:補助機器である圧縮機31を駆動状態と停止状態とに切換えるための信号、および圧縮機31の容量に相当する信号。
補機制御IC3cは、スタータ13と、補助機器との制御を実行できるように構成されている。この構成は、スタータ13の駆動に関連する補助機器の制御をひとつの集積回路によって実行することを可能とする。この構成は、共通の集積回路を、アイドルストップ機能を備える複数の種類のシステムに適用することを可能とする。この結果、低いコストで、再始動の迅速さを向上することが可能となる。また、主マイコン3aの演算処理に与える負担を軽減することができる。
図3において、補機制御IC3cが提供する機能的なブロックの一例が図示されている。補機制御IC3cは、アイドルストップ判定部(ISDM)41を備える。アイドルストップ判定部41では、アイドルストップ制御が実行中であるか否か、逆にいえば、アイドルストップ制御が終了したか否かを判定する。アイドルストップ制御の実行期間は、エンジン11の停止から、エンジン11の再始動の完了までである。アイドルストップ制御の終期において、エンジン11の再始動を要求する要求信号RQが与えられる。回転数処理部(NEPM)42は、回転数NEを示す信号を処理する。
スタータ駆動判定部(STDM)43は、所定の条件が成立するか否かを判定し、スタータを駆動するか否かを判定する。具体的には、要求信号RQと、回転数NEとに基づいてスタータ13を駆動するか否かを判定する。スタータ駆動判定部43は、要求信号RQがあり、かつ、回転数NEが正であるとき、または、要求信号RQがあり、かつ、回転数NEがゼロ(0)であるとき、スタータ13を駆動する。
スタータ駆動判定部43は、エンジン11を再始動するときにエンジン11の回転数NEを調節するために、すなわち迅速に低下させるために、圧縮機31の駆動信号を出力する。この駆動信号は、圧縮機31を駆動状態におくための信号である。
スタータ駆動判定部43は、要求信号RQがある場合、回転数NEがスタータ13の駆動に適した状態にあるか否かを判定する。エンジン11の停止操作が実行された直後は、エンジン11の回転軸が正方向と逆方向とに向けてわずかに揺動することがある。特に、エンジン11の回転軸が逆方向に向けて回転しているときは、スタータ13を駆動することは望ましくない。そのような駆動は、スタータ13と歯車との耐久性を損なうおそれがあるからである。
スタータ駆動判定部43は、回転数NEがスタータ13の駆動に適した状態である場合、スタータ13を駆動する。例えば、スタータ駆動判定部43は、回転数NEがほぼゼロ(0)である場合、スタータ13を駆動する。
一方、スタータ駆動判定部43は、回転数NEがスタータ13の駆動に適した状態ではない場合、スタータ13の駆動を所定期間だけ延期する。例えば、スタータ駆動判定部43は、回転数NEが負の値である場合、スタータ13の駆動を所定期間だけ延期する。スタータ駆動判定部43は、所定期間の間に、補助機器である圧縮機31を駆動し、回転数NEを望ましい状態に移行させる。
燃費推定部(FCEM)44は、燃費データと、エンジン11の運転状態とに基づいて、電源システム20および/または熱システム30を制御するために必要な制御データを算出する。制御データには、現在の燃費、すなわち現在の運転状態における燃料消費率を含むことができる。燃費推定部44は、エンジントルクETQと予め設定された計算式とに基づいて燃費を算出することにより、燃費を推定する。
熱費算出部(TFCM)45は、熱システム30によって消費される燃料量、すなわち熱費TCを算出する。熱費TCは、現在の燃費と、圧縮機31の駆動トルクCTQとに基づいて算出される。ここでは、圧縮機31と冷凍サイクルとによって冷熱を発生した場合の熱費TCが算出される。さらに、ここでは、圧縮機31の作動モード、例えば圧縮容量を変化させた場合の熱費TCが算出される。例えば、圧縮機31を複数の作動モードで運転した場合の、それぞれの作動モードにおける熱費TC(n)が算出される。nは、それぞれの作動モードを示す。例えば、圧縮機31の圧縮容量を変化させた場合の熱費TC(n)が算出される。
熱費算出部45において算出される熱費TCは、圧縮機31によって冷熱を生成しない場合の燃料消費率と、圧縮機31によって冷熱を生成する場合の燃料消費率との差とすることができる。この場合、熱費TCは、冷熱の生成を追加することにより増加する燃料消費率を示す。
蓄冷量推定部(CSTM)46は、蓄冷器32の蓄冷状態、例えば温度THに基づいて、蓄冷器32の現在の実蓄冷量を算出する。目標設定部(TTGM)47は、空調装置33の利用状態などに基づいて、目標蓄冷量を算出する。例えば、目標設定部47は、通信端子COM1から入力される主マイコン3aからの指令に応じて目標蓄冷量を設定することができる。蓄冷量は、蓄冷器32に蓄えられている冷熱量、または蓄冷器32が満蓄冷されている状態を100%とする比率によって表すことができる。
判定熱費算出部(TTHM)48は、実蓄冷量と目標蓄冷量とに基づいて、判定熱費THTを設定する。判定熱費THTは、圧縮機31の停止、または作動を判定するための閾値である。判定熱費THTは、冷熱の生成に伴う燃料消費率の悪化を抑制するように設定される。判定熱費THTは、実蓄冷量と目標蓄冷量との差が大きいときに、圧縮機31の作動が許容されやすいように設定される。これにより、蓄冷量の不足が抑制される。判定熱費THTは、実蓄冷量と目標蓄冷量との差が小さいときに、圧縮機31の作動を抑制するように設定される。これにより、燃料消費率の増加が抑制される。
実蓄冷量と目標蓄冷量とに基づいて、蓄冷率CCRを求めることができる。蓄冷率CCRは、CCR=実蓄冷量/目標蓄冷量で表すことができる。判定熱費THTは、蓄冷率CCRに基づいて設定することができる。判定熱費THTは、蓄冷率CCRが高くなるほど、低く設定される。すなわち、蓄冷器32の蓄冷量が増えるほど、判定熱費THTは低く設定される。言い換えると、蓄冷器32の蓄冷量が増えるほど、圧縮機31は駆動されにくくなる。この結果、熱費の悪化、すなわち増大が抑制される。
圧縮機駆動判定部(CMDM)49は、熱費TCと判定熱費THTとに基づいて圧縮機31によって冷熱を生成するか否かを判定する。よって、圧縮機駆動判定部49は、圧縮機31を作動させるか否かを判定する判定部を提供する。さらに、圧縮機駆動判定部49は、圧縮機31の作動モードを選択する。圧縮機駆動判定部49は、熱費TCの増加を抑制するように、圧縮機31の作動モードを選択する。圧縮機駆動判定部49は、圧縮機31を制御する。例えば、圧縮機駆動判定部49は、圧縮機31の圧縮容量を調節する。この結果、圧縮機31を駆動するための駆動トルクCTQが変化する。一般的には、圧縮容量が大きくなるほど、冷熱の生成のための駆動トルクCTQが増加する。
圧縮機駆動判定部49は、圧縮機31の作動状態を示す信号を通信端子COM2に出力する。これにより、主マイコン3aは、圧縮機31の正確な作動状態を示す信号を得ることができる。主マイコン3aは、圧縮機31の駆動または停止に応じて、エンジン11の運転状態を適正範囲に維持するようにエンジン11を制御する。例えば、圧縮機駆動判定部49は、圧縮機31が実際に駆動状態におれる前に、圧縮機31がまもなく駆動状態におかれることを予告する信号を通信端子COM2に出力するように構成することができる。この構成では、主マイコン3aは、通信端子COM2の信号に基づいて、圧縮機31が実際に駆動状態におれる前に、圧縮機31がまもなく駆動状態におかれることを知ることができる。主マイコン3aは、圧縮機31を駆動するための駆動トルクCTQが実際に増加するまえに、エンジン11を予備的に制御することができる。
論理和処理部(ORGT)50は、スタータ駆動判定部43から出力される圧縮機31の第1駆動信号と、圧縮機駆動判定部49から出力される圧縮機31の第2駆動信号との論理和を出力端子OUT3に出力する。ここでは、第1駆動信号が圧縮機31の駆動を示すとき、または第2駆動信号が圧縮機31の駆動を示すときに、圧縮機31を駆動するための信号が出力される。
論理和処理部50は、スタータ駆動判定部43からの信号と圧縮機駆動判定部49からの信号とを選択的に出力端子OUT2に出力する選択部を提供する。この構成によると、効率的な制御のための信号と、エンジンの再始動のための信号とをひとつの出力端子OUT2から提供することができる。スタータ駆動判定部43から圧縮機31を操作する信号は、アイドルストップ制御の実行中にだけ出力されるから、選択部は、エンジン11を一時的に停止させた後に自動的に再始動させるアイドルストップ制御の実行中は、スタータ駆動判定部43からの信号を出力端子OUT2に出力するように構成することができる。この構成によると、アイドルストップ制御に応答して、スタータ駆動判定部43、すなわち予備駆動部による圧縮機31の制御を有効化することができる。
電費算出部(EFCM)51は、電源システム20によって消費される燃料量、すなわち電費ECを算出する。電費ECは、現在の燃費と、発電機21の駆動トルクGTQとに基づいて算出される。ここでは、発電機21によって発電した場合の電費ECが算出される。さらに、ここでは、発電機21の作動モードを変化させた場合の電費ECが算出される。例えば、発電機21を複数の作動モードで運転した場合の、それぞれの作動モードにおける電費EC(n)が算出される。nは、それぞれの作動モードを示す。例えば、発電機21から出力される電圧、すなわち調整電圧を変化させた場合の電費EC(n)が算出される。
電費算出部51において算出される電費ECは、発電機21によって発電しない場合の燃料消費率と、発電機21によって発電する場合の燃料消費率との差とすることができる。この場合、電費ECは、発電を追加することにより増加する燃料消費率を示す。
蓄電量推定部(EPSM)52は、バッテリ22の充電状態、例えば電圧VBに基づいて、バッテリ22の現在の実蓄電量を算出する。目標設定部(ETGM)53は、電気負荷23の利用状態などに基づいて、目標蓄電量を算出する。例えば、目標設定部53は、通信端子COM1から入力される主マイコン3aからの指令に応じて目標蓄電量を設定することができる。蓄電量は、バッテリ22に蓄えられている電力量、またはバッテリ22が満充電されている状態を100%とする比率によって表すことができる。
判定電費算出部(ETHM)54は、実蓄電量と目標蓄電量とに基づいて、判定電費EPTを設定する。判定電費EPTは、発電機21の停止、または作動を判定するための閾値である。判定電費EPTは、発電に伴う燃料消費率の悪化を抑制するように設定される。判定電費EPTは、実蓄電量と目標蓄電量との差が大きいときに、発電機21の作動が許容されやすいように設定される。これにより、蓄電量の不足が抑制される。判定電費EPTは、実蓄電量と目標蓄電量との差が小さいときに、発電機21の作動を抑制するように設定される。これにより、燃料消費率の増加が抑制される。
実蓄電量と目標蓄電量とに基づいて、蓄電率ECRを求めることができる。蓄電率ECRは、ECR=実蓄電量/目標蓄電量で表すことができる。判定電費EPTは、蓄電率ECRに基づいて設定することができる。判定電費EPTは、蓄電率ECRが高くなるほど、低く設定される。すなわち、バッテリ22の蓄電量が増えるほど、判定電費EPTは低く設定される。言い換えると、バッテリ22の蓄電量が増えるほど、発電機21は駆動されにくくなる。この結果、電費の悪化、すなわち増大が抑制される。
発電機駆動判定部(GRDM)55は、電費ECと判定電費EPTとに基づいて発電機21によって発電するか否かを判定する。よって、発電機駆動判定部55は、発電機21を作動させるか否かを判定する判定部を提供する。さらに、発電機駆動判定部55は、発電機21の作動モードを選択する。発電機駆動判定部55は、電費ECの増加を抑制するように、発電機21の作動モードを選択する。発電機駆動判定部55は、発電機21を制御する。例えば、発電機駆動判定部55は、発電機21の調整電圧を調節する。この結果、発電機21を駆動するための駆動トルクGTQが変化する。一般的には、調整電圧が高くなるほど、発電のための駆動トルクGTQが増加する。
発電機駆動判定部55は、発電機21の作動状態を示す信号を通信端子COM2に出力する。これにより、主マイコン3aは、発電機21の正確な作動状態を示す信号を得ることができる。主マイコン3aは、発電機21の駆動または停止に応じて、エンジン11の運転状態を適正範囲に維持するようにエンジン11を制御する。例えば、発電機駆動判定部55は、発電機21が実際に駆動状態におれる前に、発電機21がまもなく駆動状態におかれることを予告する信号を通信端子COM2に出力するように構成することができる。この構成では、主マイコン3aは、通信端子COM2の信号に基づいて、発電機21が実際に駆動状態におれる前に、発電機21がまもなく駆動状態におかれることを知ることができる。主マイコン3aは、発電機21を駆動するための駆動トルクGTQが実際に増加するまえに、エンジン11を予備的に制御することができる。
上述の要素44−49は、熱費制御部8aを提供する。上述の要素44、51−55は、電費制御部7aを提供する。
以上に述べたように、補機制御IC3cは、エンジン11の始動を要求する信号を含むアイドルストップ状態ISSを入力するための入力端子IN1と、エンジン11の回転数NEを示す信号を入力するための入力端子IN2とを備える。補機制御IC3cは、エンジン11を始動するためのスタータ13を駆動するための信号を出力するためのスタータ出力端子OUT1と、エンジン11によって駆動される補助機器を駆動するための信号を出力するための補助機器出力端子OUT2、OUT3とを備える。補機制御IC3cの要素43、50は、エンジン11の始動が要求され、かつ回転数NEが負であるとき、補助機器を駆動する予備駆動部を提供する。また、補機制御IC3cの要素43は、補助機器が駆動された後に、スタータ13を駆動するスタータ駆動部を提供する。
予備駆動部は、エンジン11の始動が要求されているが、回転数NEが負であるとき、補助機器を駆動する。つまり、補助機器を、エンジン11によって駆動される状態におく。この結果、エンジン11の負荷が増加し、回転数NEは振動しながらゼロ(0)に向けて収束してゆく。補助機器の駆動によって、回転数NEは、スタータ13の駆動に適した状態に接近する。スタータ駆動部は、補助機器が駆動された後に、スタータ13を駆動する。よって、スタータ13は、回転数NEがスタータ13の駆動に適した状態に接近してから、駆動される。この結果、スタータ13の駆動に起因する不具合が抑制される。また、スタータ13の駆動制御と補助機器の駆動制御とがエンジン駆動補機制御装置に集められるから、エンジン駆動補機制御装置の汎用性を高めることができる。
補助機器は、回転数NEが正になるまで駆動することができる。この場合、スタータ13は、回転数NEが正であるときに駆動される。また、補助機器は、回転数NEがゼロ(0)になるまで駆動することができる。この場合、スタータ13は、回転数NEがゼロ(0)であるときに駆動される。
さらに、補機制御IC3cは、エンジン11の燃料消費を抑制するように補助機器の駆動を制限する補助機器駆動部を提供する要素44−55を備える。この構成によると、補助機器を駆動することが求められる状態であっても、その駆動が制限される場合が生じる。この結果、燃料消費が抑制される。よって、補助機器の駆動を効率化する機能がエンジン駆動補機制御装置、すなわち補機制御IC3cに設けられる。
具体的には、補助機器駆動部としての要素44−55は、エンジン11の効率が良いときに補助機器の駆動を許容するように構成されている。要素44−45は、補助機器の駆動によってエンジン11の効率が所定の閾値を下回るような場合には、補助機器の駆動を禁止する。これにより、補助機器の駆動に起因するエンジン11の効率の低下が抑制される。
さらに、補機制御IC3cは、エンジン11が出力するエンジントルクETQを入力するための入力端子IN3と、補助機器の駆動トルクCTQ、GTQを入力するための入力端子IN4、IN6とを備える。補機制御IC3cは、補助機器によって生成されたエネルギを蓄積するエネルギ蓄積装置22、32に蓄積された蓄積エネルギ量を示す信号TH、VBを入力するための入力端子IN5、IN7とを備える。補助機器駆動部は、エンジントルク、駆動トルク、および蓄積エネルギ量に基づいて、エンジンの効率が良いときを判定する。
図4は、要素44−49において実行される熱制御処理160を示す。熱制御処理160においては、燃費データを受信し、この燃費データに基づいて熱費を抑制するように圧縮機31が制御される。熱制御処理160は、エンジン11の運転効率が比較的高い状態にあり、圧縮機31を駆動しても燃料消費量の増加が比較的少なくときに、圧縮機31の駆動を許容するように構成されている。
ステップ161では、補機制御IC3cは、燃費データを含むデータを受信する。受信された燃費マップは、補機制御IC3cに設けられたメモリ装置3eに記憶される。ステップ162では、補機制御IC3cは、蓄冷制御のために必要なデータを入力する。例えば、蓄冷器32の蓄冷状態を示す温度TH、および容量値が入力される。さらに、ステップ162では、燃費データに基づく処理を実行するために、エンンジン11の運転状態を示すデータが入力される。例えば、エンジン11の回転数NE、エンジン11が出力しているエンジントルクETQなどのデータが入力される。
ステップ163では、補機制御IC3cは、蓄冷器32の実蓄冷量を算出する。ステップ164では、補機制御IC3cは、蓄冷器32の目標蓄冷量を算出する。ステップ165では、補機制御IC3cは、判定熱費THTを算出する。ここでは、実蓄冷量と目標蓄冷量とに基づいて蓄冷率CCRが算出される。さらに、蓄冷率CCRと、予め設定されたマップまたは関数FTとに基づいて、判定熱費THTが算出される。
ステップ166では、補機制御IC3cは、燃費AFCを算出する。ここでは、燃費データに基づいて、現在の燃費AFCが算出される。
さらに、ステップ166では、補機制御IC3cは、熱費TCを算出する。ここでは、圧縮機31の複数の作動モードに対応した複数の熱費TC(n)が算出される。熱費TCは、現在の燃費と、圧縮機31を作動させた場合の燃費との差として表すことができる。
ステップ167では、補機制御IC3cは、圧縮機31のための駆動判定を実行する。ここでは、補機制御IC3cは、ステップ166において算出された熱費TC(n)と、判定熱費THTとを比較する。補機制御IC3cは、比較処理に基づいて、燃費の悪化、すなわち燃料消費率の増加を抑制することができる作動モードが存在するか否かを判定する。
熱費TCの正の値が、燃料消費率の増加を示す場合、補機制御IC3cは、判定熱費THTを下回る熱費TC(n)を特定する。補機制御IC3cは、判定熱費THTを下回る熱費TC(n)を提供できる圧縮機31の作動モードを特定し、その特定された作動モードで圧縮機31を駆動する。すべての熱費TC(n)が判定熱費THTを上回る場合、圧縮機31は駆動されない。
ステップ167には、圧縮機31を運転した場合の駆動トルクCTQと熱費TCとの関係が、実線によって示されている。図示の例では、駆動トルクCTQが許容トルクPTQを下回るように圧縮機31を制御することにより、判定熱費THTを下回るように熱費TCが抑制される。そこで、例えば、熱費TC(i)を提供する作動モードで圧縮機31が駆動される。この結果、圧縮機31を駆動するための燃料消費率、すなわち熱費の過剰な増加が抑制される。
図5は、要素44、51−55において実行される電源制御処理170を示す。電源制御処理170においては、燃費データを含む情報を受信し、燃費データに基づいて電費を抑制するように発電機21が制御される。電源制御処理170は、エンジン11の運転効率が比較的高い状態にあり、発電機21を駆動しても燃料消費量の増加が比較的少なくときに、発電機21の駆動を許容するように構成されている。
ステップ171では、補機制御IC3cは、燃費データを含むデータを受信する。受信された燃費マップは、メモリ装置3eに記憶される。ステップ172では、補機制御IC3cは、電源制御のために必要なデータを入力する。例えば、バッテリ22の充電状態を示す電圧値、および電流値が入力される。さらに、ステップ172では、燃費データに基づく処理を実行するために、エンンジン11の運転状態を示すデータが入力される。例えば、エンジン11の回転数NE、エンジン11が出力しているエンジントルクETQなどのデータが入力される。
ステップ173では、補機制御IC3cは、バッテリ22の実蓄電量を算出する。ステップ174では、補機制御IC3cは、バッテリ22の目標蓄電量を算出する。ステップ175では、補機制御IC3cは、判定電費EPTを算出する。ここでは、実蓄電量と目標蓄電量とに基づいて蓄電率ECRが算出される。さらに、蓄電率ECRと、予め設定されたマップまたは関数FEとに基づいて、判定電費EPTが算出される。
ステップ176では、補機制御IC3cは、燃費AFCを算出する。ここでは、7燃費データに基づいて、現在の燃費AFCが算出される。現在の燃費AFCは、回転数NEとエンジントルクETQとに基づいて、燃費マップを検索することにより求めることができる。
図示されるように、燃費マップは、燃費FCを示す等高線によって表すことができる。図示の例では、燃費等高線FC1は、燃費等高線FC2より燃料消費量が多いこと(FC1>FC2)、すなわち燃費が悪いことを示している。
さらに、ステップ176では、補機制御IC3cは、電費ECを算出する。ここでは、発電機21の複数の作動モードに対応した複数の電費EC(n)が算出される。電費ECは、現在の燃費と、発電機21を作動させた場合の燃費との差として表すことができる。
ステップ167では、補機制御IC3cは、発電機21のための駆動判定を実行する。ここでは、補機制御IC3cは、ステップ176において算出された電費EC(n)と、判定電費EPTとを比較する。補機制御IC3cは、比較処理に基づいて、燃費の悪化、すなわち燃料消費率の増加を抑制することができる作動モードが存在するか否かを判定する。
電費ECの正の値が、燃料消費率の増加を示す場合、補機制御IC3cは、判定電費EPTを下回る電費EC(n)を特定する。補機制御IC3cは、判定電費EPTを下回る電費EC(n)を提供できる発電機21の作動モードを特定し、その特定された作動モードで発電機21を駆動する。すべての電費EC(n)が判定電費EPTを上回る場合、発電機21は駆動されない。
ステップ177には、発電機21を運転した場合の駆動トルクGTQと電費ECとの関係が、実線によって示されている。図示の例では、駆動トルクGTQが許容トルクPTQを下回るように発電機21を制御することにより、判定電費EPTを下回るように電費ECが抑制される。そこで、例えば、電費EC(i)を提供する作動モードで発電機21が駆動される。この結果、発電機21を駆動するための燃料消費率、すなわち電費の過剰な増加が抑制される。
図6は、要素41−43において実行される再始動制御処理180を示す。再始動制御処理180においては、エンジン11の回転数NEをスタータ13の駆動に適した回転数に調節する処理と、スタータ13を駆動することによりエンジン11を再始動する処理とが実行される。
ステップ181では、補機制御IC3cは、再始動要求を含むアイドルストップ状態ISSに基づいて、エンジン11の再始動が要求されているか否かを判定する。ステップ181aでは、補機制御IC3cは、アイドルストップ制御が実行中か否かを判定する。アイドルストップ制御が実行されていない場合、すなわちエンジン11が運転されている場合には、ステップ182へ進む。ステップ181bでは、補機制御IC3cは、エンジン11の始動を求める要求信号RQがあるか否かを判定する。要求信号RQがない場合、ステップ182へ進む。アイドルストップ制御が実行中であり、しかも要求信号RQがある場合、ステップ181cへ進む。ステップ181cでは、補機制御IC3cは、エンジン11の再始動を求めるための要求フラグFLAGをON状態に設定する。
ステップ182では、補機制御IC3cは、回転数NEを求めるための回転数処理を実行する。
ステップ183では、補機制御IC3cは、スタータ13の駆動前に、補助機器を駆動する同期制御を実行する。ステップ183aでは、補機制御IC3cは、要求フラグFLAGがON状態であるか否かを判定する。要求フラグFLAGがON状態ではない場合、同期制御処理183を終了する。要求フラグFLAGがON状態である場合、ステップ183bへ進む。ステップ183bでは、補機制御IC3cは、回転数NEが負であるか否か(NE<0)を判定する。回転数NEが正である場合、ステップ184へ進む。なお、ステップ184へ進む前に、回転数NEが所定の閾値Nthを下回ることの判定ステップを付加することができる。例えば、回転数NEが閾値Nthを下回る場合に、スタータ13の駆動が許容される。
ステップ184では、補機制御IC3cは、スタータ13を駆動する。スタータ13は、エンジン11をクランキングする。制御装置3は、エンジン11を再始動するように燃料供給、点火を再開する。この結果、エンジン11が再始動される。ステップ183bからステップ184へ移行した場合、エンジン11の回転は、スタータ13の駆動に適した状態にある。よって、スタータおよびピニオンギヤなどの歯車が損傷を受けるおそれは小さい。
回転数NEが負である場合、すなわちエンジン11が逆方向に揺動している場合、同期制御処理183は、ステップ183cに進む。ステップ183c−183fは、補助機器によって回転数NEの振動の減衰を促進するための処理を提供する。
ステップ183cでは、補機制御IC3cは、補助機器としての圧縮機31を駆動する期間を定めるための同期条件を設定する。ここでは、回転数NEが正になること(NE>0)が同期条件として設定される。また、回転数NEがゼロ(0)になること(NE=0)も同期条件として設定される。
ステップ183dでは、補機制御IC3cは、補助機器のひとつである圧縮機31を駆動する。圧縮機31の駆動は、エンジン11の回転軸の回転速度を減衰させることができる程度の駆動トルクを与えるように設定される。例えば、圧縮機31が所定の圧縮容量で運転されるように、エンジン11と圧縮機31とが作動的に連結される。これにより、エンジン11の負荷が増加するから、回転数NEの振動が急速に減衰する。
ステップ183eでは、補機制御IC3cは、同期条件が成立したか否かを判定する。ここでは、回転数NEが正になったか否かを判定する。また、ここでは、回転数NEがゼロ(0)になったか否かも判定する。いずれかひとつの同期条件が成立するまで、ステップ183dが繰り返される。いずれかひとつの同期条件が成立すると、同期制御処理183は、ステップ183fに進む。ステップ183fでは、補機制御IC3cは、圧縮機31を停止する。この後、ステップ184に進む。よって、ステップ183d−183fによって回転数NEが正、またはゼロ(0)に調節された後に、スタータ13が駆動される。よって、スタータおよびピニオンギヤなどの歯車が損傷を受けるおそれが抑制される。
図7は、アイドルストップ制御によってエンジン11の停止操作が実行された直後に、エンジン11を再始動する場合の回転数NEの変化を示す。時刻t11においてアイドルストップ制御部としての主マイコン3aによってアイドルストップ制御が開始される。主マイコン3aがエンジン11を停止させるための操作を実行すると、回転数NEは急速に低下する。回転数NEは、ゼロ(0)の近傍において振動する。すなわち、エンジン11の回転軸は、正方向と逆方向とに揺動する。やがて、回転数NEは、ゼロ(0)に安定する。
停止操作の直後に、アイドルストップ制御によってエンジン11の再始動の要求が発生する場合、主マイコン3aは、アイドルストップ状態ISSによって要求信号RQを補機制御IC3cに出力する。補機制御IC3cは、要求信号RQに応答してエンジン11を再始動するための始動操作を実行する。図示の例では、時刻t12において要求信号RQが発生している。時刻t12においては、回転数NEは、まだ振動しており、しかも回転数NEは負である。
回転数NEを安定させるための追加的な措置が採られない場合、破線の波形CMPで示されるように、回転数NEは、時刻t15においてゼロ(0)に安定する。よって、スタータSTMTは、時刻t15において駆動される。この結果、エンジン11は自律回転を開始し、回転数NEが上昇する。
この実施形態では、時刻t12において、回転数NEがまだ振動的であり、負の値を有しているから、NE>0の条件は非成立である。このため、回転数NEを安定させるための追加的な措置が採られる。時刻t12において、補助機器AXDとしての圧縮機31が駆動される。これにより、回転数NEは急速に減衰する。回転数NEは、実線の波形EMBで示されるように、小さい振幅と短い周期で振動する。波形EMBの回転数NEは、波形CMPに比べて、速くゼロ(0)に収束する。
波形EMBに図示されるように、回転数NEは、すぐに、正の値に反転する。回転数NEが正である期間中に、補助機器AXDの駆動が終了される。直後に、スタータSTMTが駆動状態におかれる。図示の例では、回転数NEが正である期間中の時刻t13において補助機器AXDの駆動が終了し、スタータSTMTが駆動される。この結果、エンジン11は自律回転を開始し、回転数NEが上昇する。
なんらかの外部要因によって時刻t13においてスタータ13が駆動されない場合がある。このような場合であっても、この実施形態によると、回転数NEは、時刻t15より前の時刻t14にはゼロ(0)に安定する。よって、補助機器AXDは時刻t14まで駆動され、スタータ13は、時刻t14において駆動される場合もある。
この実施形態によると、回転数NEが振動中に再始動が要求される場合でも、補助機器を駆動することによって、迅速に回転数NEを正の値、またはゼロ(0)に調節することができる。このため、スタータ13および歯車の損傷を抑制しながら、エンジン11の再始動を早期に実行することができる。すなわち、エンジン11の再始動の迅速性を向上することができる。
しかも、補機制御IC3cによって、スタータ13の駆動制御が実行されるだけでなく、回転数NEの振動を減衰させるための補助機器、すなわち圧縮機31の駆動制御が実行される。このため、エンジン11のための制御を実行する主マイコン3aの処理負荷を過剰に増加させることなく、再始動の迅速化が図られる。
さらに、補機制御IC3cは、要求信号RQを受けて一連の始動制御を実行する。すなわち、エンジン11の再始動のためのスタータ13の駆動制御と、補助機器の駆動制御とが、補機制御IC3cに集められている。よって、補機制御IC3cの汎用性が高められる。例えば、同じ補機制御IC3cを複数の種類の車両および/またはエンジンにも利用することができる。
(第2実施形態)
上記実施形態では、回転数NEを監視することにより回転数NEが同期条件を満たすまで補助機器を駆動状態に維持した。これに代えて、回転数NEが特定状態に到達するまでの操作期間を予測して、予測された操作期間だけ補助機器を駆動状態においてもよい。
図8において、補機制御IC3cが提供する機能的なブロックの一例が図示されている。補機制御IC3cは、上記実施形態の構成に加えて、予測設定部(ESTM)252を備える。予測設定部252は、エンジン11の過去の運転状態を示すデータ、すなわち履歴データに基づいて、操作期間Tstbを設定する。スタータ駆動判定部43は、操作期間Tstbが経過した後に、スタータ13を駆動する。圧縮機駆動判定部49は、操作期間Tstbが経過するまで、補助機器である圧縮機31を駆動状態に維持する。
この実施形態では、先行する実施形態の論理和処理部50に代えて、選択スイッチ部(SWGT)250が設けられている。選択スイッチ部50は、選択部を提供する。選択スイッチ部50は、アイドルストップ状態ISSに応じて、スタータ駆動判定部43からの信号と、圧縮機駆動判定部49からの信号とを選択する。選択スイッチ部50は、アイドルストップ状態ISSがON状態であるとき、スタータ駆動判定部43からの信号を選択する。選択スイッチ部50は、アイドルストップ状態ISSがOFF状態であるとき、圧縮機駆動判定部49からの信号を選択する。よって、エンジン11を一時的に停止させた後に自動的に再始動させるアイドルストップ制御の実行中は、スタータ駆動判定部43からの信号を出力端子OUT3に出力する。
図9は、再始動制御処理280を示す。再始動制御処理280においては、ステップ283cにおいて、同期条件が設定される。ここ設定される同期条件は、補助機器が駆動された後に、上記操作期間Tstbが到来したことである。ステップ283cでは、補機制御IC3cは、履歴データに基づいて、操作期間Tstbを設定する。補機制御IC3cは、エンジン11の過去の挙動に基づいて、回転数NEが正になる期間、および回転数NEがゼロ(0)に安定化するまでの期間を予測し、この予測された期間を操作期間Tstbに設定する。
ステップ283eでは、補機制御IC3cは、同期条件が成立したか否かを判定する。ここでは、補助機器が駆動されてからの駆動時間Timeが、操作期間Tstbに一致しているか否かを判定する。駆動時間Timeが操作期間Tstbになるまで、ステップ183dが繰り返される。駆動時間Timeが操作期間Tstbになると、同期制御処理183は、ステップ183fに進む。例えば、駆動時間Timeが、回転数NEが正になると予測される期間に入ると、ステップ183fへ進む。また、駆動時間Timeが、回転数NEがゼロ(0)に安定すると予測される時期に一致するか超えると、ステップ183fへ進む場合もある。
ステップ283cにおける操作期間Tstbの設定処理を実行するために、予測設定部252は、回転数NEが安定化するまでの実期間を計測し、エンジン11の運転状態と関連付けて記憶し、記憶されたデータに基づいて操作期間Tstbを自律的に調節する学習部として構成される。例えば、予測設定部252は、エンジン11の運転状態を示すパラメータとして、回転数NEの振動の振幅Ampを利用する。
図10は、回転数NEが緩やかに変化する場合を示す。予測設定部252は、回転数NEの片側の最大の振幅値Amp1と、回転数NEが安定するまでの期間TstbLとを計測する。期間TstbLは、エンジン11の停止操作が実行された後に、補助機器が駆動されることなく、回転数NEが安定した場合の期間である。この期間TstbLは、通常停止期間、または標準収束時間と呼ぶことができる。予測設定部252は、振幅値Amp1と、期間TstbLとを関連付け、履歴データとしてメモリ装置3eに記憶する。期間TstbLは、回転数NEが安定するまでの最長値として記憶される。期間TstbLは、すでに記憶された値よりも長い値が計測されると、更新して記憶される。
図11は、回転数NEが急激に変化する場合を示す。予測設定部252は、回転数NEの片側の最大の振幅値Amp2と、回転数NEが安定するまでの期間TstbSとを計測する。期間TstbSは、エンジン11の停止操作が実行された後に、補助機器が駆動されることなく、回転数NEが安定した場合の期間である。この期間TstbSは、通常停止期間、または標準収束時間とも呼ぶことができる。予測設定部252は、振幅値Amp2と、期間TstbSとを関連付け、履歴データとしてメモリ装置3eに記憶する。期間TstbSは、回転数NEが安定するまでの最短値として記憶される。期間TstbSは、すでに記憶された値よりも短い値が計測されると、更新して記憶される。
この結果、予測設定部252は、回転数NEが安定するまでの実際の期間の最長値TstbLと最短値TstbSとを蓄積する。最長値TstbLは振幅値Amp1と関連付けられており、最短値TstbSは振幅値Amp2と関連付けられている。この履歴データから、振幅値と期間との相関関係、例えば比例関係が得られる。よって、任意の振幅値に対応する期間を求めることができる。予測設定部252は、回転数NEの実際の振幅Ampを計測する。予測設定部252は、実際の振幅Ampと、上記履歴データから得られた相関関係とに基づいて、期間を算出し、算出された期間を操作期間Tstbに設定する。予測設定部252は、例えば内挿法を利用する。
予測設定部252とステップ283cとは、記憶された収束時間に基づいて、補助機器の駆動期間Tstbを設定する設定部を提供する。この設定部は、エンジン11の停止操作が実行された後に回転数NEが収束するまでの収束時間TstbL、TstbSを計測し、記憶する。この構成によると、実際に計測された収束時間に基づいて補助機器の駆動期間Tstbが設定される。よって、回転数NEがゼロ(0)に収束するように補助機器の駆動期間を過不足なく設定することができる。
収束時間は、最長値TstbLと最短値TstbSとを含み、設定部は、最長値と最短値とに基づいて補助機器の駆動期間Tstbを設定する。よって、収束時間の変動があっても、補助機器の駆動期間を適切に設定することができる。
設定部は、回転数NEの振幅Amp1、Amp2を計測し、計測された振幅を収束時間と関連付けて記憶する。さらに、設定部は、振幅と収束時間とに基づいて補助機器の駆動期間Tstbを設定する。この構成によると、回転数NEの挙動を示す振幅と収束時間との両方に基づいて補助機器の駆動期間が設定されるから、回転数NEの挙動のバリエーションに応じて適切な駆動期間を設定することができる。
この実施形態によると、回転数NEがスタータ13の駆動に適した状態に到達するまでの期間が予測される。そして、この予測された期間だけ補助機器が駆動され、この予測された期間の後にスタータ13が駆動される。よって、微小な回転数NEの変化の継続的な監視を要することなく、補助機器の駆動期間を適切に設定することができる。
(他の実施形態)
以上、開示された発明の好ましい実施形態について説明したが、開示された発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、開示された発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。開示された発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
上記実施形態では、回転数NEの減衰を促進するために、圧縮機31を駆動した。これに代えて、発電機21を駆動することによって回転数NEの減衰を促進してもよい。また、パワーステアリング装置のための油圧ポンプなどの補助機器を駆動状態におくことによって回転数NEの減衰を促進してもよい。また、複数の補助機器を同時に駆動状態においてもよい。
上記実施形態では、補機制御IC3c内に、圧縮機31のための制御機能と、発電機21のための制御機能との両方を搭載した。これに代えて、いずれか一方の制御機能だけを備えてもよい。
上記実施形態では、入力端子IN3−IN7によって種々のデータを入力した。これに代えて、同種の他のデータを入力してもよい。また、エンジントルクETQ、圧縮機31の駆動トルクCTQ、および発電機21の駆動トルクGTQの少なくともひとつは、補機制御IC3c内において算出してもよい。
1 エネルギ管理システム、 2 動力伝達機構、 3 制御装置、
3a 主マイクロコンピュータ、 3b 駆動回路、 3c 補機制御IC、
3d 演算装置、 3e メモリ装置、
4 始動制御部、 5 補機制御部、 6 同期制御部、
7 電源制御部、 8 熱制御部、 9 補助制御部、
10 動力システム、 11 エンジン、 12 エンジン機器、 13 スタータ、
20 電源システム、 21 発電機、 22 バッテリ、 23 電気負荷、
30 熱システム、 31 圧縮機、 32 蓄冷器、 33 空調装置、
41 アイドルストップ判定部、 43 スタータ駆動判定部、
49 圧縮機駆動判定部、 50 論理和処理部、 55 発電機駆動判定部。

Claims (10)

  1. エンジン(11)によって駆動される補助機器(21、31)を制御するためのエンジン駆動補機制御装置(3c)において、
    前記エンジンの始動を要求する信号(ISS、RQ)を入力するための入力端子(IN1)と、
    前記エンジンの回転数(NE)を示す信号を入力するための入力端子(IN2)と、
    前記エンジンを始動するためのスタータ(13)を駆動するための信号を出力するためのスタータ出力端子(OUT1)と、
    前記エンジンによって駆動される補助機器(21、31)を駆動するための信号を出力するための補助機器出力端子(OUT2、OUT3)と、
    前記エンジンの始動が要求され、かつ前記回転数が負であるとき、前記補助機器を駆動し、前記回転数が正になると前記補助機器を停止する予備駆動部(9、43、50、181−183)と、
    前記予備駆動部により前記補助機器が駆動され停止されたことにより前記回転数が正に調節された後に、前記スタータを駆動するスタータ駆動部(4、43、184)とを備えることを特徴とするエンジン駆動補機制御装置。
  2. 前記予備駆動部は、前記エンジンの始動が要求され、かつ前記回転数が負であるとき、前記補助機器を駆動し、前記回転数が正またはゼロ(0)になると前記補助機器を停止し、
    前記スタータ駆動部は、前記予備駆動部により前記補助機器が駆動され停止されたことにより前記回転数が正またはゼロ(0)に調節された後に、前記スタータを駆動することを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動補機制御装置。
  3. 前記エンジン駆動補機制御装置は、パッケージ化された集積回路(3c)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン駆動補機制御装置。
  4. さらに、前記エンジンの燃料消費を抑制するように前記補助機器の駆動を制限する補助機器駆動部(7、8、44−55、160、170)を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジン駆動補機制御装置。
  5. 前記補助機器駆動部(7、8、44−55、160、170)は、エンジンの効率が良いときに前記補助機器の駆動を許容するように構成され、
    さらに、前記予備駆動部からの信号と前記補助機器駆動部からの信号とを選択的に前記補助機器出力端子(OUT2、OUT3)に出力する選択部(50)を備えることを特徴とする請求項4に記載のエンジン駆動補機制御装置。
  6. 前記選択部は、前記エンジンを一時的に停止させた後に自動的に再始動させるアイドルストップ制御の実行中は、前記予備駆動部からの信号を前記補助機器出力端子(OUT2、OUT3)に出力することを特徴とする請求項5に記載のエンジン駆動補機制御装置。
  7. さらに、前記エンジンが出力するエンジントルク(ETQ)を入力するための入力端子(IN3)と、前記補助機器の駆動トルク(CTQ、GTQ)を入力するための入力端子(IN4、IN6)と、前記補助機器によって生成されたエネルギを蓄積するエネルギ蓄積装置(22、32)に蓄積された蓄積エネルギ量を示す信号(TH、VB)を入力するための入力端子(IN5、IN7)とを備え、
    前記補助機器駆動部は、前記エンジントルク、前記駆動トルク、および前記蓄積エネルギ量に基づいて、前記エンジンの効率が良いときを判定することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のエンジン駆動補機制御装置。
  8. 前記予備駆動部は、前記エンジンの停止操作が実行された後に前記回転数が収束するまでの収束時間(TstbL、TstbS)を計測し、記憶するとともに、記憶された前記収束時間に基づいて、前記補助機器の駆動期間(Tstb)を設定する設定部(252、283c)を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のエンジン駆動補機制御装置。
  9. 前記収束時間は、最長値(TstbL)と最短値(TstbS)とを含み、前記設定部は、前記最長値と前記最短値とに基づいて前記補助機器の駆動期間(Tstb)を設定することを特徴とする請求項8に記載のエンジン駆動補機制御装置。
  10. 前記設定部は、前記回転数の振幅(Amp1、Amp2)を計測し、計測された振幅を前記収束時間と関連付けて記憶するとともに、前記振幅と前記収束時間とに基づいて前記補助機器の駆動期間(Tstb)を設定することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のエンジン駆動補機制御装置。
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