JP5625670B2 - ハードコート塗液、反射防止フィルム及びディスプレイ用前面板 - Google Patents

ハードコート塗液、反射防止フィルム及びディスプレイ用前面板 Download PDF

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Description

本発明は、レベリング性に優れたハードコート塗液、そのハードコート塗液を用いて製造した平滑性に優れる反射防止フィルム、及びそれを用いたディスプレイ用前面板に関する。
近年、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(PDP)等に代表される高精細かつ大画面ディスプレイの開発が急速に進んでいる。ディスプレイの表示面には、その視認性を高めるために、画面への蛍光灯など外光の映り込みを防止するため反射防止機能を有する反射防止層を表面に配置する必要がある。
反射防止フィルムなど光学フィルムの製造過程において、塗工方法は、大面積化、および連続生産ができ、低コスト化が可能なウエットコーティング法が注目されている(非特許文献1参照)。また近年、プラズマディスプレイパネルなどの光学フィルムがその一部に用いられているディスプレイを有する、薄型テレビジョンなどの価格競争は極めて熾烈であり、これらに用いられる光学用フィルムのコストダウンの要求も極めて高くなってきている。
しかしながら、溶剤を用いたオールウェット塗布は生産性の観点からは非常に有利である反面、塗布直後の溶剤乾燥を一定に保つことが非常に困難であったり、塗工機の振動等が原因で、面状ムラが生じやすい。ここで言う面状ムラの代表的なものとしては溶剤乾燥速度差に起因する乾燥ムラや乾燥風で引き起こされる厚みムラである風ムラ、振動ムラが挙げられ、これらが周期性をもった凸凹であると、パネル化した際にハードコート層の周期的な凹凸とTVの画素ピッチと干渉することによりモアレが発生し、品質問題となる。
モアレ(仏: moire)とは干渉縞ともいい、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせたときに、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことである。モアレそのものも周期を持ち、この周期は元になる模様の周期の組み合わせで決まる。物理学的にいうと、モアレとは二つの空間周波数のうなり現象といえる。
原崎 勇次著、初級コーティング技術入門、第3章高分子と溶媒、出版社 株式会社加工技術研究会、発行2007年11月29日
オールウェット塗布においてより生産性を向上させるために、塗布速度を高くすることは必須の技術である。だが単純に、塗布速度を高くすると相対的に乾燥風の風速も高くなり、また支持体の高速移動に伴う同伴風の影響も受け、風ムラは悪化することになる。このため、従来では光学性能、膜物性のバラツキを抑えた反射防止膜を得るためには、塗布速度をあまり高くすることはできなかった。
また導電性を付与したハードコートは金属酸化物微粒子または、4級アンモニウム塩などを使用するのが、一般的であるが、それらを用いる場合、微粒子が凝集、偏在することにより、より優れた導電性を付与することができるため、使用する溶剤は蒸発速度の速いものの使用するのが一般的である。また粘度上昇は、それらの微粒子が入っていないものよりも速く、面性が悪いことが問題であり、特性と外観を両立するには技術的に困難な場合が多かった。
一方、前述したムラや表面凹凸を低減させるためには、レベリング性を向上させることが有効であると知られている。レベリング性とは一般に下記式に示すオーチャード(Orchard)の式で表すことができる。式中、tとは塗膜が平滑になるまでの時間を表し、この理論からすると、粘度は低く、表面張力は高く、膜厚は厚いものの方がレベリング性が良いということになる。
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塗膜形成の乾燥過程を考慮した際、オーブンに入るまでの粘度上昇を抑えるために、塗膜の乾燥速度を遅くすること、つまり、塗料の溶剤を遅口化することが平滑な面を得ることに有効である。しかしながら前述したように、ただ遅口化するだけでは、導電性が悪いなどの特性がでない、また残留溶剤の影響などがでてきてしまう。
また、塗料の溶剤選択として干渉縞や白化などの問題から、何種類かを混合することが一般的である。ここで、気をつけなければならないことが、ただ蒸発速度が遅いものを入れるのではなく、溶剤の活動度係数γを考慮することが重要である。活動度係数を正確に決定するには、通常、UNIFAC(Universal Quasi−chemical Functional Grop Activity Coefficients)モデルを使用する。
本発明は、平滑性に優れるハードコート面を形成でき、帯電防止機能、高い耐擦傷性を有するハードコート塗液、反射防止機能に優れた反射防止フィルム、及びそれを用いたモアレ発生のないディスプレイ用前面板を提供することを目的とする。
簡略法を用いて活動度係数を決定、相対蒸発速度を算出した。そして、本発明者らは、ハードコート層の表面凹凸に対する効力を示す指標として、相対蒸発速度が4.5以上5.0以下であり、固形分濃度が上がる際の粘度をより低く、表面張力の変化を抑えた塗料が平滑性に優れた面を形成することを見出しだしたものである。
すなわち、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、塗工することでハードコート層を形成するためのハードコート塗液であって、
前記ハードコート塗液は、アセトンとエタノールとを含む混合溶剤と、前記混合溶剤に固形分として添加された樹脂とを備え、
前記樹脂は、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)であり、
前記混合溶剤の相対蒸発速度が4.5以上5.0以下(酢酸ブチル=1.0を基準)で、塗工時の固形分濃度が45%〜50%であり、
初期粘度が5.0[mPa・s]以下かつ、固形分濃度60%の際の粘度の値が100[mPa・s]以下であり、
前記塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の粘度[mPa・s]/表面張力[mN/m]の値が5.0以下の液物性を示し、
塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の表面張力の値が20〜30[mN/m]を示し、かつその表面張力値の変化率(変化率=(比較値−基準値)/基準値)が0〜15%以下に調液したことを特徴とする。
次に、請求項2に記載した発明は、塗工することでハードコート層を形成するためのハードコート塗液であって、
前記ハードコート塗液は、アセトンとエタノールとを含む混合溶剤と、前記混合溶剤に固形分として添加された樹脂とを備え、
前記樹脂は、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)であり、
前記混合溶剤の相対蒸発速度が4.0以上4.5未満(酢酸ブチル=1.0を基準)で、塗工時の固形分濃度が45%〜50%であり、
初期粘度が5.0[mPa・s]以下かつ、固形分濃度60%の際の粘度の値が100〜300[mPa・s]の範囲であり
前記塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の粘度[mPa・s]/表面張力[mN/m]の値が10以下の液物性を示し、
塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の表面張力の値が20〜30[mN/m]を示し、かつその表面張力値の変化率(変化率=(比較値−基準値)/基準値)が0〜15%以下に調液したことを特徴とする。
次に、請求項3に記載した発明は、アクリル系添加剤として、アクリル基を骨格として分子内に含むアクリル系レベリング剤を固形分濃度に対して0.1%〜0.5%添加したことを特徴とする。
次に、請求項4に記載した発明は、酸化スズ系の微粒子を含むことを特徴とする。
次に、請求項5に記載した発明は、板状の透明基材の一方の面に、ハードコート層及び低屈折率層を配置してなる反射防止フィルムであって、
前記ハードコート層は、透明基材の一方の面に対し請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハードコート塗液を塗工して形成されたことを特徴とする。
次に、請求項6に記載した発明は、上記低屈折率層表面における表面抵抗値が1.0×108Ω/□以上1.0×1011Ω/□以下の範囲内であることを特徴とする。
次に、請求項7に記載した発明は、基板上に、請求項5又は請求項6に記載した反射防止フィルムが配置されていることを特徴とするディスプレイ用前面板を提供するものである。
本発明のハードコート塗液を使用することで、平滑性に優れるハードコート面を形成でき、帯電防止機能、高い耐擦傷性を有する反射防止フィルムを提供可能となる。
また本発明の反射防止フィルムは、前面板用途に適した、平滑性に優れた反射防止フィルムを提供することができる
また本発明のディスプレイ用前面板は、TVの画素ピッチと干渉せずにモアレのない優れた外観のディスプレイ用前面板を提供することが出来る。
本発明に基づく実施形態に係る反射防止フィルムの層構成の一例の断面模式図である。 表面張力の測定結果を表したグラフである。 粘度の測定結果を表したグラフである。 レベリング性変化の結果を表したグラフである。 本発明に基づく実施例−モアレ評価方法を現した図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(反射防止フィルム)
本実施形態の反射防止フィルムについて説明する。
図1に本発明の反射防止フィルムの断面模式図を示した。
本実施形態の反射防止フィルムは、図1に示すように、透明基材1の少なくとも一方の面にハードコート層2と低屈折率層3を順に配置されて構成される。前記ハードコート層2と低屈折率層3は、反射防止層を構成する。
透明基材1にハードコート層2を設けることにより、反射防止フィルム表面に高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムとすることができる。ハードコート層2に帯電防止性を有していてもよい。
また、上述のようにハードコート層2上には低屈折率層3が設けられる。可視光領域において波長の1/4となるような光学膜厚を有する層厚の低屈折率層3を設けることにより、反射防止フィルム表面に入射する外光の反射を抑制することができる。
(製造方法)
次に、前記反射防止フィルムの製造方法について具体的に説明する。
前記透明基材1としては、種々の有機高分子からなるフィルムまたはシートを用いることができる。例えば、ディスプレイ等の光学部材に通常使用される基材が挙げられ、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。中でも、トリアセチルセルロースにあっては、複屈折率が小さく、透明性が良好であることから液晶ディスプレイに対し好適に用いることができる。なお、透明基材1の厚みは25μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましい。
さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより透明基材に機能を付加させたものも使用できる。また、透明基材は前記の有機高分子から選ばれる1種または2種以上の混合物、または重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであってもよい。
透明基材1上にはハードコート層2が設けられる。ハードコート層2を設けることで、透明基材表面の硬度を向上させ、鉛筆等の荷重のかかる引っ掻きによる傷を防止し、また、透明基材1の屈曲による低屈折率層のクラック発生を抑制することができ、反射防止フィルムの機械的強度が改善できる。ハードコート層2はハードコート塗液を透明基材に塗布することにより形成される。
ハードコート層2は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合物からなる。多官能性モノマーとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1, 2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エボキシ変成ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多官能モノマーは、一種類のみを使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。また、必要で有れば単官能モノマーと併用して共重合させることもできる。ハードコート層2は透明プラスチックフィルム基材と屈折率が同等もしくは近似していることがより好ましい。
(ハードコート塗液)
ハードコート塗液には、必要に応じて導電性材料が加えられる。ハードコート層2に導電性材料を加えることにより、得られる反射防止フィルムに帯電防止機能を付与することができる。導電性材料としては金属酸化物微粒子や四級アンモニウム塩が挙げられる。
ハードコート層2に導電性材料を加えることにより、前記反射防止フィルムの低屈折率層表面における表面抵抗値が1.0×108Ω/□以上1.0×1011Ω/□以下の範囲内でとすることができる。得られる反射防止フィルムにあっては、表面抵抗値を1.0×1011Ω/□以下とすることにより十分な帯電防止機能を発揮することができる。前記反射防止フィルムの低屈折率層表面における表面抵抗値は小さければ小さいほど好ましいが、1.0×108Ω/□未満とするにはハードコート塗液に多量の導電性材料を添加する必要があり、そのとき、本発明のハードコート塗液とすることは困難となる。
導電性材料である金属酸化物微粒子材料としては、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、リン含有酸化スズ(PTO)、スズ含有酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン含有酸化亜鉛及びインジウム含有酸化亜鉛から選択される1種又は2種以上の材料を用いることができる。また、四級アンモニウム塩材料は−Nの構造を示し、四級アンモニウムカチオン(−N)とアニオン(X)を備えるものを用いることができる。
なお、本実施形態にあっては、導電性材料として酸化スズ系の微粒子を好適に用いることができる。酸化スズ系の微粒子としては酸化スズ微粒子、アンチモン含有酸化スズ(ATO)微粒子、リン含有酸化スズ(PTO)微粒子を挙げることができる。
なお、ハードコート層2を形成するハードコート塗液には、溶媒が加えられ、さらに各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、防汚剤、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、光増感剤等を加えることもできる。
本実施形態のハードコート塗液にあっては、レベリング剤としてアクリル系添加剤を添加することができる。アクリル系添加剤としては、アクリル基を骨格として分子内に含むアクリル系レベリング剤を好適に用いることができる。アクリル基を有する化合物は活性度が低くリコート性がよい。具体的には、BYK−350、BYK−352,BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358N、BYK−361N、BYK−380、BYK−392、BYK−394等(いずれもビックケミー社製)が挙げられる。
本実施形態のハードコート塗液は、混合溶剤の相対蒸発速度が4.5以上5.0以下(酢酸ブチル=1.0を基準)で、塗工時の固形分濃度が45%〜50%であり、初期粘度が5.0[mPa・s]以下かつ、固形分濃度60%の際の粘度の値が100[mPa・s]以下であり、その塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の粘度[mPa・s]/表面張力[mN/m]の値が5.0以下の液物性を示し、塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の表面張力の値が20〜30[mN/m]を示し、かつその表面張力値の変化率( 変化率=(比較値−基準値)/基準値)が0〜15%以下となるように調液される。
または、本実施形態のハードコート塗液は、混合溶剤の蒸発速度が4.0以上4.5未満、塗工時の固形分濃度が45%〜50%であり、固形分濃度60%の際の粘度の値が100〜300[mPa・s] 初期粘度が5.0[mPa・s]以下かつ、その塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の粘度[mPa・s]/表面張力[mN/m]の値が10以下の液物性を示し、塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の表面張力の値が20〜30[mN/m]を示し、かつその表面張力値の変化率( 変化率=(比較値−基準値)/基準値 )が0〜15%以下となるように調液される。
前記2つの関係式のいずれかを満たすようにハードコート塗液を調液し、該ハードコート塗液を用いてハードコート層を形成することにより、平滑性に優れたハードコート層を得ることができ、モアレのない反射防止フィルムとすることができる。
ハードコート塗液は透明基材上に塗布され、塗膜を形成する。ハードコート塗液を透明基材1上に塗布するための塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
次に、透明基材上に形成されたハードコート塗液の塗膜は乾燥することにより、塗膜中の溶媒は除去される。このとき乾燥手段としては、加熱、送風、熱風等を用いることができる。
次に、ハードコート塗液を透明基材上に塗布することにより得られる塗膜に対し、電離放射線を照射することにより、ハードコート層2が形成される。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000KeVのエネルギーを有するのが好ましい。100〜300KeVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
(低屈折率層)
ハードコート層2上には低屈折率層3が形成される。低屈折率層3は、反射防止フィルムに反射防止機能を付与する。低屈折率層3は、低屈折率コーティング剤をハードコート層に塗布することにより形成される。低屈折率コーティング剤は、少なくとも低屈折率シリカ粒子とバインダマトリックス形成材料を含む。
低屈折率コーティング剤に使用する内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子は、屈折率が1.20〜1.44であればよく、特に限定されるものではない。有機珪素化合物から成るマトリックス中に、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を添加することにより、低屈折率化が可能となる。内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子は内部に空気を含有しているために、それ自身の屈折率は、通常のシリカ(屈折率=1.46)と比較して著しく低い(屈折率=1.44〜1.34)内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子は、多孔性シリカ微粒子を有機珪素化合物等で表面を被覆し、その細孔入口を閉塞して作製される。
また、この内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子をマトリックス中に添加した場合、このシリカ微粒子は中空であるために、マトリックスがシリカ微粒子内部に浸漬することが無く、屈折率の上昇を防ぐことが出来る。内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子の平均粒径は、0.5nm以上200nm以下の範囲内であれは良い。この平均粒径が200nmよりも大きくなると、低屈折率層の表面においてレイリー散乱によって光が散乱され、白っぽく見え、その透明性が低下する。また、この平均粒径が0.5nm未満であると、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子が凝集しやすくなってしまう。
低屈折率コーティング剤に加えられるバインダマトリックス形成材料としては、ケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることができる。さらには、下記一般式(1)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることができる。
一般式(1):RSi(OR)4−x
(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは0≦x≦3を満たす整数である)
一般式(1)で表されるケイ素アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等を用いることができる。ケイ素アルコキシドの加水分解物は、一般式(1)で示される金属アルコキシドを原料として得られるものであればよく、例えば塩酸にて加水分解することで得られるものである。
さらには、低屈折率層3のバインダマトリックス形成材料としては、一般式(1)で表されるケイ素アルコキシドに、下記一般式(2)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物をさらに含有することにより反射防止フィルムの低屈折率層表面に防汚性を付与することができ、さらに、低屈折率層の屈折率をさらに低下することができる。
一般式(2):R´Si(OR)4−z
(但し、式中R´はアルキル基、フルオロアルキル基又はフルオロアルキレンオキサイド基を有する非反応性官能基を示し、zは1≦z≦3を満たす整数である)
一般式(2)で示されるケイ素アルコキシドとしては、例えば、オクタデシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、バインダマトリックス形成材料として、電離放射線硬化型材料を用いることもできる。電離放射線硬化型材料としては、ハードコート剤で挙げた電離放射線硬化型材料を用いることができる。また、低屈折率のフッ素系電離放射線硬化型材料を用いて低屈折率層を形成するにあっては、必ずしも低屈折率粒子を添加する必要はない。また、電離放射線硬化型材料を用いる場合にあっても、低屈折率層表面に防汚性を発現する材料を添加することが好ましい。なお、バインダマトリックスとして電離放射線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより低屈折率層を形成する場合には、低屈折率コーティング剤に光重合開始剤が加えられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。以上により、低屈折率層は形成される。
バインダマトリックス形成材料として、ケイ素アルコキシドの加水分解物を用いた場合には、ケイ素アルコキシドの加水分解物と低屈折率粒子とを含むコーティング剤を塗布しハードコート層上に塗膜を形成し、該塗膜に対し乾燥・加熱し、ケイ素アルコキシドの脱水縮合反応をおこなうことにより低屈折率層を形成することができる。また、バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を用いた場合には、電離放射線硬化型材料と低屈折率粒子とを含む塗液を塗布しハードコート層上に塗膜を形成し、該塗膜に対し、必要に応じて乾燥をおこない、その後、紫外線、電子線といった電離放射線を照射することにより電離放射線硬化型材料の硬化反応をおこなうことにより、低屈折率層を形成することができる。
なお、低屈折率コーティング剤には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、防汚剤、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、光増感剤等を加えることもできる。
本実施形態の反射防止フィルムにおける低屈折率層3は、高屈折率層を持たない場合には、低屈折率層3の屈折率(n)と低屈折率層3の層厚(d)を掛けることにより得られる低屈折率層の光学膜厚(nd)が、可視光波長の1/4となるように設けられる。このとき、低屈折率層3の光学膜厚は90nm以上135nm以下の範囲内であることが好ましい。
低屈折率層3の光学膜厚を90nm以上135nm以下の範囲内とし、λ=500nmとしたときλ/4付近となるように低屈折率層の光学膜厚を設計することにより、反射色相が小さく、低屈折率コーティング剤を用いて塗布法により形成される低屈折率層の膜厚変動による色ムラの発生の少ない反射防止フィルムとすることができる。
本発明の反射防止フィルムは、ディスプレイ表面にディスプレイ前面版として好適に用いることができる。反射防止フィルムは他の部材と組み合わされてディスプレイ前面版となる。ディスプレイとしてはLCD、PDP、CRT、プロジェクションディスプレイ、ELディスプレイ等を挙げることができる。このとき、反射防止フィルムの反射防止層形成面側が観察側すなわちディスプレイ表面となる。
例えば、ディスプレイ前面板としては、1組の透明基材に挟持された偏光層を備える偏光板が挙げられる。偏光板は液晶ディスプレイに用いられる。本発明の反射防止フィルムは、透明基材のハードコート層形成面と反対側の面に、偏光層と透明基材を順に備えることにより偏光板とすることができる。
本発明を実施例に基づき、詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例〉
(ハードコート塗液の調整(HC−1))
PETA(ライトアクリルレートPE−3A;固形分の濃度100%)に導電剤として、酸化アンチモンドープ酸化スズ(エタノール分散)を3%添加し、アセトンとエタノールを用いて溶剤比率がアセトン/エタノール=60/40になるよう、固形分濃度50%に希釈した。また硬化剤としてIrgacure184をPETAに対して5%加え調整した。そこにアクリル系添加剤BYK350(ビックケミー製)を固形分に対して0.3%添加した。
(ハードコート塗液の調整(HC−2))
PETA(ライトアクリルレートPE−3A;固形分の濃度100%)に導電剤として、酸化アンチモンドープ酸化スズ(エタノール分散)を3%添加し、アセトンとエタノールを用いて溶剤比率がアセトン/エタノール=50/50になるよう、固形分濃度50%に希釈した。また硬化剤としてIrgacure184をPETAに対して5%加え調整した。そこにアクリル系添加剤BYK350(ビックケミー製)を固形分に対して0.3%添加した。
(ハードコート塗液の調整(HC−3))
PETA(ライトアクリルレートPE−3A;固形分の濃度100%)に導電剤として、酸化アンチモンドープ酸化スズ(エタノール分散)を3%添加し、アセトンとエタノールを用いて溶剤比率がアセトン/エタノール=80/20になるよう、固形分濃度50%に希釈した。また硬化剤としてIrgacure184をPETAに対して5%加え調整した。そこにアクリル系添加剤BYK350(ビックケミー製)を固形分に対して0.3%添加した。
(低屈折率コーティング剤の調整)
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)14.94重量部、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPEA−12、日本化薬製)1.99重量部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;Irgacure184)0.07重量部、TSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル)0.20重量部を、溶媒であるメチルイソブチルケトン82重量部で希釈して低屈折率コーティング剤を調整した。
「実施例1」
「ハードコート層の形成」
透明プラスチックフィルム基材としてTACフィルム(厚さ80μm)を用いた。ハードコート塗液(HC−1)をマイクログラビア法を用いてTACフィルム上に膜厚6μmで塗布し、乾燥、UV照射し、塗設した。
「低屈折率層の形成」
得られたハードコート膜に、マイクログラビア法を用いて低屈折率コーティング剤を塗布し、乾燥、UV照射し、塗設し反射防止フィルム1を作製した。
「実施例2」
ハードコート塗液1の代わりにハードコート塗液2を使用する以外は実施例1と同様に反射防止フィルム2を作製した。
「比較例1」
ハードコート塗液1の代わりにハードコート塗液3を使用する以外は実施例1と同様に反射防止フィルム3を作製した。
ハードコート塗液の表面張力測定
前記実施例で得られたハードコート塗液の表面張力測定を行った。協和界面科学製自動表面張力計(CBVP−Z)、白金プレート法を用いて測定を行った。測定結果を図2に示す。
図2に示すように、固形分濃度が上昇すると表面張力が低下しており、レベリング性が変化していることがわかる。
ハードコート塗液の粘度測定
前記実施例で得られたハードコート塗液の粘度測定を行った。HAAKEレオメーター MARSを用いて、せん断速度が1 〜1000[1/s]の際の粘度を測定した。塗工から乾燥の過程を考慮するにあたり、初期粘度はせん断速度が1000の際の値を採用し、NV52%以上の塗料はせん断速度が10の際の値を採用した。測定結果を図3に示す。
相対蒸発速度の算出
活動度係数を算出し、溶剤単独の蒸発速度と体積分率から、混合溶剤の蒸発速度を算出したところ、表1の結果となった。
相対蒸発速度Rmixの算出は、上述の非特許文献1に基づき、下記式によって求めた。
Rmix =Rγφ+Rγφ+Rγφ+・・・
ここで、
添え字1,2,3,・・・:混合溶媒中の各成分の溶媒名称
γ:活動度係数
φ:体積分率
R:各溶媒の相対蒸発速度
である。
Figure 0005625670
表1に示す通り、アセトン比率を少なくしたものの方が、蒸発速度が遅いことがわかる。
粘度/表面張力の算出
粘度/表面張力の算出結果を(図4)に示す。先に示したオーチャードの式から、この値が小さいものの方が、レベリング性が優れているということになる。
「モアレ評価」
A3のガラス板の両面に実施例1〜3で得られた反射防止フィルム1〜3に粘着フィルムを用いて貼り合わせた。図5のように46インチの液晶TVを用いて、モアレ評価をおこなった。モアレが強く見える場合は×、薄く見える場合は△、見えないものは○とした。
「表面粗さ(Ra)測定」
全自動微細形状測定器ET400A(Kosaka Laboratory)を用いて、表面粗さの測定を行った。
「表面抵抗値」
得られた反射防止フィルムの低屈折率表面について、抵抗率計、ハイレスタUP MCP−HT450型(三菱化学アナリテック)を用いて、表面抵抗値の測定を行った(500V―10秒)。
表2に評価結果を示す。
Figure 0005625670
以上の結果より、固形分が上昇する際において、粘度上昇を抑制できる、または、蒸発速度を遅くしたハードコート塗料で塗工したものが、平滑な面を得られることがわかった。
1 透明基材
2 ハードコート層
3 低屈折率層

Claims (7)

  1. 塗工することでハードコート層を形成するためのハードコート塗液であって、
    前記ハードコート塗液は、アセトンとエタノールとを含む混合溶剤と、前記混合溶剤に固形分として添加された樹脂とを備え、
    前記樹脂は、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)であり、
    前記混合溶剤の相対蒸発速度が4.5以上5.0以下(酢酸ブチル=1.0を基準)で、塗工時の固形分濃度が45%〜50%であり、
    初期粘度が5.0[mPa・s]以下かつ、固形分濃度60%の際の粘度の値が100[mPa・s]以下であり、
    前記塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の粘度[mPa・s]/表面張力[mN/m]の値が5.0以下の液物性を示し、
    塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の表面張力の値が20〜30[mN/m]を示し、かつその表面張力値の変化率(変化率=(比較値−基準値)/基準値)が0〜15%以下に調液したことを特徴とするハードコート塗液。
  2. 塗工することでハードコート層を形成するためのハードコート塗液であって、
    前記ハードコート塗液は、アセトンとエタノールとを含む混合溶剤と、前記混合溶剤に固形分として添加された樹脂とを備え、
    前記樹脂は、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)であり、
    前記混合溶剤の相対蒸発速度が4.0以上4.5未満(酢酸ブチル=1.0を基準)で、塗工時の固形分濃度が45%〜50%であり、
    初期粘度が5.0[mPa・s]以下かつ、固形分濃度60%の際の粘度の値が100〜300[mPa・s]の範囲であり
    前記塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の粘度[mPa・s]/表面張力[mN/m]の値が10以下の液物性を示し、
    塗工直後から固形分濃度が60%まで上昇する際の表面張力の値が20〜30[mN/m]を示し、かつその表面張力値の変化率(変化率=(比較値−基準値)/基準値)が0〜15%以下に調液したことを特徴とするハードコート塗液。
  3. アクリル系添加剤として、アクリル基を骨格として分子内に含むアクリル系レベリング剤を固形分濃度に対して0.1%〜0.5%添加したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したハードコート塗液。
  4. 酸化スズ系の微粒子を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のハードコート塗液。
  5. 板状の透明基材の一方の面に、ハードコート層及び低屈折率層を配置してなる反射防止フィルムであって、
    前記ハードコート層は、透明基材の一方の面に対し請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハードコート塗液を塗工して形成されたことを特徴とする反射防止フィルム。
  6. 上記低屈折率層表面における表面抵抗値が1.0×10Ω/□以上1.0×1011Ω/□以下の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の反射防止フィルム。
  7. 基板上に、請求項5又は請求項6に記載した反射防止フィルムが配置されていることを特徴とするディスプレイ用前面板。
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