JP5625573B2 - 無線通信システム及び無線通信装置、並びに無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム及び無線通信装置、並びに無線通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば多重入力多重出力(MIMO:Multiple Input Multiple Output)通信を行う無線通信システム及び無線通信装置、並びに無線通信方法の技術分野に関する。
空間多重による伝送速度の向上ないしは複数パスの異なる伝搬特性を利用したダイバーシティ効果による高信頼化を図るための無線通信システムとして、MIMO(Multiple Input Multiple Output:多重入力多重出力)通信システムが提案されている。MIMO通信システムでは、例えば、複数のアンテナを備える無線通信装置(例えば、送信機)は、通信相手となる無線通信装置(例えば、受信機)に対して、複数のアンテナを用いて同時にデータを送信することができる。
MIMO通信システムでは、使用するアンテナ数が多大になると、多数のデータを送信及び受信して処理が行われる。このため、アンテナに接続される回路等のサイズやコストや消費電力等が増大すると共に、MIMO通信システム全体の複雑度も増大する。従って、コストや複雑度や消費電力等を減らすため、全てのアンテナから通信に使用するアンテナの組み合わせを選択する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
特開2009−182964号公報 特開2008−17143号公報
ここで、全てのアンテナの中から通信に使用するアンテナの組み合わせを選択する手法として、高レベルの通信性能(例えば高レベルの通信容量やダイバーシティゲイン等)が得られるようなアンテナの組み合わせを選択する手法が知られている。この手法では、アンテナの組み合わせの全ての候補を対象として通信性能等が演算によって算出され、且つ高レベルの通信性能が得られるアンテナの組み合わせが選択される。例えば、N(但し、Nは1以上の整数)個のアンテナの中からL(但し、Lは、1≦L≦Nを満たす整数)個のアンテナの組み合わせを選択する場合には、無線通信装置は、種類のアンテナの組み合わせの夫々の通信性能等を演算によって算出する必要がある。しかしながら、アンテナの数が増加するほど、演算量が膨大になってしまうという技術的な問題点が生ずる。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、例えば使用するアンテナの組み合わせを適切に選択することが可能な無線通信システム及び無線通信装置、並びに無線通信方法を提供することを目的とする。
上記課題は、N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える無線通信装置を用いて多重入力多重出力通信を行う無線通信システムであって、逆行列算出部とアンテナ選択部とを備える無線通信システムによって解決される。逆行列算出部は、N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、N個のアンテナからL個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する。アンテナ選択部は、N個のアンテナからL個のアンテナを選択する組み合わせのうち、逆行列算出部により算出される逆行列に関する値であるアンテナ選択用参照値であって且つ当該L個のアンテナから送信される信号に対して行われる連続干渉除去処理に応じて決定されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いるL個のアンテナとして決定する。
開示の無線通信システム及び無線通信装置、並びに無線通信方法によれば、使用するアンテナの組み合わせを適切に選択することができる。
本実施形態のMIMO無線通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 MIMO受信処理部が行うOSICデコードの流れを示すフローチャートである。 MIMO無線通信システムの動作例の流れを示すフローチャートである。 第1動作例の流れを示すフローチャートである。 1つの送信アンテナの追加による逆行列の更新式を用いて、1番目のサブセットの逆行列を算出する動作の流れを示すフローチャートである。 Nt=8個の送信アンテナからL=7個の送信アンテナを選択するサブセットpの一例を示す説明図である。 「1つの送信アンテナの削除による逆行列の更新式」及び「1つの送信アンテナの追加による逆行列の更新式」を用いて、2番目以降のサブセットの逆行列を算出する動作の流れを示すフローチャートである。 「1つの送信アンテナの変更による逆行列の更新式」を用いて、2番目以降のサブセットの逆行列を算出する動作の流れを示すフローチャートである。 第2動作例の流れを示すフローチャートである。 第3動作例の流れを示すフローチャートである。 本実施形態のMIMO通信システムによる第1から第3動作例によって選択されたL個の送信アンテナを含むサブセットを用いて通信を行った場合の通信品質を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。尚、以下の説明では、無線通信システムの一例として、MIMO(Multi Input Multi Output)無線通信システムを例にあげて説明を進める。
(1)MIMO無線通信システムの構成
図1を参照して、本実施形態のMIMO無線通信システム1の構成の一例について説明する。図1は、本実施形態のMIMO無線通信システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のMIMO無線通信システム1は、「無線通信装置」の一の具体例である無線基地局10と、「無線通信装置」の他の具体例である移動端末20とを備えている。尚、下りリンクにおいては、無線基地局10が送信機となり且つ移動端末20が受信機となる。一方で、上りリンクにおいては、無線基地局10が受信機となり且つ移動端末20が送信機となる。このため、無線基地局10は、後述する無線基地局10の構成に加えて又は代えて、後述する移動端末20と同様の構成を有していてもよい。同様に、移動端末20は、後述する移動端末20の構成に加えて又は代えて、後述する無線基地局10と同様の構成を有していてもよい。
無線基地局10は、携帯電話システムないしは移動体通信システムにおける無線基地局(例えば、NB(Node B)や、eNodeB(envolved NodeB))や、無線LANシステムにおけるアクセスポイントが一例となる。或いは、無線基地局10は、データを送信する(加えて又は代えて、受信する)ことができる装置であれば任意の装置であってもよい。移動端末20は、携帯電話システムにおける携帯電話や、無線LANシステムにおけるクライアント(例えば、パーソナルコンピュータ等)が一例として挙げられる。或いは、移動端末20は、データを受信する(加えて又は代えて、送信する)ことができる装置であれば任意の装置であってもよい。
無線基地局10は、空間多重変調部11と、Lt個(但し、Ltは2以上の整数)の送信RF(Radio Frequency)部12−1から12−Ltと、アンテナスイッチ13と、Nt個(但し、Ntは2以上であって且つNt>Ltを満たす整数)の送信アンテナ14−1から14−Ntと、アンテナ選択制御部15と、アップリンク受信部16とを備える。送信RF部12がLt個であることは、無線基地局10で一度に処理可能な送信データストリーム数がLtであることを意味する。無線基地局10は、Nt個の送信アンテナ14−1から14−NtのうちのLt個の送信アンテナ14を選択し、当該選択したLt個の送信アンテナ14を使用して送信データストリームの送信を行う。尚、送信RF部12−1から12−Ltを区別しない場合は、“送信RF部12”と表記して説明を進める。同様に、送信アンテナ14−1から14−Ntを区別しない場合は、“送信アンテナ14”と表記して説明を進める。
空間多重変調部11は、送信データに所定の誤り訂正符号化を行って得られた符号化系列を所定の変調方式でマッピングして変調し、Lt個の送信データストリームを出力する。所定の誤り訂正符号化としては、例えばターボ符号化等が用いられる。所定の変調方式としては、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等が用いられる。なお、空間多重変調部11は、データチャンネルの信号以外に、チャンネル推定(チャンネル行列の算出)に使用する既知の信号(パイロット信号あるいはプリアンブル信号)や、制御情報を伝送する制御チャンネルの信号等の多重処理を行ってもよい。
送信RF部12は、それぞれ、Lt個の送信データストリームに関してDA(Digital to Analog)変換や無線周波数(RF)への周波数変換(アップコンバート)等を含む所要の無線送信処理を行い、Lt個のRF信号を出力する。
アンテナスイッチ13は、アンテナ選択制御部15による制御に応じて、送信に使用するLt個の送信アンテナ14を選択して送信RF部12との接続を行う。
送信アンテナ14は、それぞれ、アンテナスイッチ13を介して接続された送信RF部12から出力されるRF信号を移動端末20に向けて空間へ放射する。
アンテナ選択制御部15は、移動端末20から送信されるアンテナインデックスに従ってアンテナスイッチ13を制御して送信RF部12と送信アンテナ14との接続を制御する。
アップリンク受信部16は、無線基地局10と移動端末20との間に設けられるアップリンクのチャンネルの1つであるフィードバックチャンネル30を介して、アップリンク送信部25から送信される情報を受信する。アップリンク送信部25から送信される情報として、例えば後述のアンテナインデックス等が一例としてあげられる。
移動端末20は、Nr個(但し、Nrは2以上の整数)の受信アンテナ21−1から21−Nrと、Lr(但し、Lrは2以上であって且つLr≦Nrを満たす整数)個の受信RF部22−1から22−Lrと、MIMO受信処理部23と、制御部24とを備える。受信RF部22がLr個であることは、移動端末20で一度に処理可能な受信データストリーム数がLrであることを意味する。本実施形態では、受信アンテナ21の個数Nrが受信RF部22の個数Lrと同じであり且つ受信データストリーム数Lrと送信データストリーム数Ltとが同一である(共に、Lである)例について説明する。尚、受信アンテナ21−1から21−Nrを区別しない場合は、“受信アンテナ21”と表記して説明を進める。同様に、受信RF部22−1から22−Lrを区別しない場合は、“受信RF部22”と表記して説明を進める。
受信アンテナ21は、それぞれ、無線基地局10の送信アンテナ14から送信されたRF信号を受信する。
受信RF部22は、それぞれ、受信アンテナ21が受信したRF信号について、ベースバンド周波数への周波数変換(ダウンコンバート)やAD(Analog to Digital)変換等を含む所要の無線受信処理を施す。
MIMO受信処理部23は、受信RF部22で処理された受信信号(即ち、空間多重された受信信号)を、送信データストリーム毎に分離した後に復調及び復号を行い、受信データを出力する。本実施形態において、分離処理は、例えば、チャンネル行列の逆行列を用いて、OSIC(Ordered Successive Interference Cancellation:順序付連続干渉除去)デコードにより行われる。尚、信号を分離する手法は、これに限られず、他の一般の手法(例えば、ZF(Zero Forcing)線形デコードやMMSE(Minimum Mean Square Error:最小二乗誤差法)デコード等の線形デコード)を用いてもよい。
チャンネル行列は、送信アンテナ14と受信アンテナ21との間のチャンネルの状態を表す行列であり、例えば、受信したパイロット信号(あるいは、プリアンブル信号。以下、同じ)と既知のパイロット信号(パイロットレプリカ)との相関演算により算出される。尚、チャンネル行列Hは、Nt個の送信アンテナ14とNr個の受信アンテナ21との間のチャンネルの状態を表すNr行×Nt列の行列を示す。一方で、チャンネル行列H(p)は、送信アンテナ14のサブセット(言い換えれば、組み合わせ)pに対応する、選択されたL個の送信アンテナ14と、Nr個の受信アンテナ21との間のチャンネルの状態を表すNr行×L列の行列を示す。尚、サブセットpは、Nt個の送信アンテナ14からL個の送信アンテナ14を選択する1つの組み合わせであり、p∈P(P:送信アンテナ14の全ての取り得るサブセットの集合)である。
ここで、図2を参照して、チャンネル行列の逆行列を用いてMIMO受信処理部23が行うOSICデコードの一例について説明する。図2は、MIMO受信処理部23が行うOSICデコードの流れを示すフローチャートである。
図2に示すように、MIMO受信処理部23は、送信データストリームの送信に使用されているL個の送信アンテナ14とNr個の受信アンテナ21との間のチャンネルの状態を表すチャンネル行列H(p)の逆行列B(p)から、L個の送信アンテナ14の夫々のSINR(Signal to Interference Noise Ratio)を算出する(ステップS1)。チャンネル行列H(p)の逆行列B(p)及びL個の送信アンテナ14のうちのi(但し、iは1以上であって且つL以下の整数)番目の送信アンテナ14のSINR_iは、夫々、数式1及び数式2に示される。
Figure 0005625573
Figure 0005625573
ここで、γは、送信データストリームの送信に使用されている送信アンテナ14の数Lを、受信アンテナ21−1から21−Nrについての平均SNR(Signal Noise Ratio)ρで除算した値(つまり、L/ρ)を示す。δは、MIMO受信処理部23が採用する信号を分離するための手法に応じて定まる係数を示す。例えば、ZF線形デコードが採用されている場合には、δ=0となる。例えば、MMSEデコードが採用されている場合には、δ=1となる。Iは、L行×L列の単位行列を示す。[A]i,iは、行列Aにおけるi行i列目の要素(つまり、行列Aにおける対角成分(平均二乗誤差)であって、例えば数式1中の要素bii)を示す。
続いて、MIMO受信処理部23は、SINRが最大となる送信アンテナ14−h(但し、hは1以上であって且つL以下の整数)を選択する(ステップS2)。言い換えれば、MIMO受信処理部23は、逆行列B(p)の対角成分(平均二乗誤差)が最小となる送信アンテナ14−hを検出する(ステップS2)。MIMO受信処理部23は、ステップS2で検出された送信アンテナ14−hから送信されている送信データストリームを検出する(ステップS3)。MIMO受信処理部23は、ステップS3で検出されたデータストリームを受信信号から削除する(ステップS4)。
その後、MIMO受信処理部23は、チャンネル行列H(p)の逆行列B(p)から、ステップS2で検出された送信アンテナ14−hを削除する(ステップS5)。つまり、MIMO受信処理部23は、ステップS2で検出された送信アンテナ14−hをサブセットpから削除することで得られる新たなサブセットpのチャンネル行列H(p)の逆行列B(p)を算出する。尚、ステップS5の動作は、後に詳述する「1つの送信アンテナ14の削除による逆行列の更新式」を用いて行われてもよいし、その他の手法を用いて行われてもよい。
その後、MIMO受信処理部23は、サブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14の全てが、ステップS2において選択されたか否かを判定する(ステップS6)。サブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14の全てがいまだ選択されていないと判定される場合には(ステップS6:No)、MIMO受信処理部23は、ステップS5で新たに算出された逆行列B(p)を用いて、ステップS1以降の動作を繰り返す。他方で、サブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14の全てが既に選択されていると判定される場合には(ステップS6:Yes)、MIMO受信処理部23は、動作を終了する。
再び図1において、制御部24は、移動端末20全体の動作を制御する。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置であってもよい。本実施形態では、制御部24は、Nt個の送信アンテナ14から、送信データストリームの送信に使用するL個の送信アンテナ14のサブセットpを選択する。具体的には、制御部24は、逆行列算出部241と、アンテナ選択部242とを備えている。逆行列算出部241は、チャンネル行列H(p)の逆行列B(p)を算出する。アンテナ選択部242は、逆行列算出部241によって算出される逆行列B(p)を用いて、後述するアンテナ選択基準に基づいて、送信データストリームの送信に使用するL個の送信アンテナ14を選択する。尚、逆行列算出部241及びアンテナ選択部242の動作については、後に詳述する(図4等参照)。
アップリンク送信部25は、無線基地局10と移動端末20との間に設けられるアップリンクのチャンネルの1つであるフィードバックチャンネル30を介して、アップリンク受信部16に対して情報を受信する。アップリンク送信部25から送信される情報として、例えばアンテナ選択部242によって選択された、送信データストリームの送信に使用するL個の送信アンテナ14を示すアンテナインデックス等が一例としてあげられる。
なお、MIMO受信処理部23による分離処理において、OSICデコードで用いる数式1の逆行列B(p)として、制御部24による送信アンテナ14の選択処理の際に算出される逆行列B(p)を用いてもよい。言い換えれば、OSICデコードを行うMIMO受信処理部23が逆行列B(p)を算出しなくともよい。これにより、MIMO受信処理部23の処理負荷を低減することができる。
(2)動作例
図3を参照して、MIMO無線通信システム1の動作例について説明する。図3は、MIMO無線通信システム1の動作例の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、無線基地局10及び移動端末20は、事前に、自己の送信アンテナ14の個数や受信アンテナ21の個数やデータストリームの処理能力等に関する情報を互いに送受信する(ステップS11及びS21)。その結果、無線基地局10は、通信相手である移動端末20の受信アンテナ21の個数や処理能力等を把握することができる。同様に、移動端末20は、通信相手である無線基地局10の送信アンテナ14の個数や処理能力等を把握することができる。
続いて、無線基地局10は、パイロット信号を移動端末20に向けて送信する(ステップS12)。移動端末20は、MIMO受信処理部23を用いて、受信したパイロット信号とパイロットレプリカとの相関演算によりチャンネル行列Hを推定する(ステップS22)。
続いて、移動端末20は、制御部24を用いて、逆行列B(p)に関する値が所定のアンテナ選択基準を満たすL個の送信アンテナ14のサブセットpを選択する(ステップS23)。尚、ステップS23におけるL個の送信アンテナ14のサブセットpを選択する動作については、後に詳述する(図4から図10参照)。
続いて、移動端末20は、アップリンク送信部25を用いて、選択されたL個の送信アンテナ14を示すアンテナインデックスを、フィードバックチャンネル30を介して無線基地局10に対して送信する(ステップS24)。無線基地局10は、選択されたL個の送信アンテナ14を示すアンテナインデックスを、アップリンク受信部16を用いて受信する(ステップS13)。無線基地局10は、アンテナ選択制御部15を用いて、アンテナインデックスに従ってアンテナスイッチ13を制御することで、送信RF部12と送信アンテナ14との接続を行う(ステップS14)。その後、無線基地局10は、接続した送信アンテナ14を介して送信データストリームを送信する(ステップS15)。移動端末20は、送信された送信データストリームを受信アンテナ21で受信する(ステップS25)。
(3)送信アンテナのサブセットの選択動作例
図3のステップS23における、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14のサブセットpの選択動作について説明する。本実施形態では、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14のサブセットpの選択動作として、3つの動作例を提示する。尚、以下に示す3つの動作例以外の動作例を用いて、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14のサブセットpが選択されてもよい。
(3−1)第1動作例
図4を参照して、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14のサブセットpを選択する第1動作例について説明する。図4は、第1動作例の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、制御部24が備える逆行列算出部241は、Nt個の送信アンテナ14からL個の送信アンテナ14を選択する全てのサブセットpを算出する(ステップS31)。ステップS31で算出されるサブセットpの個数は、Nt個となる。例えば、Nt=4であり且つL=2である場合には、逆行列算出部241は、個=6個のサブセットp(具体的には、送信アンテナ14−1及び14−2を含むサブセットp、送信アンテナ14−1及び14−3を含むサブセットp、送信アンテナ14−1及び14−4を含むサブセットp、送信アンテナ14−2及び14−3を含むサブセットp、送信アンテナ14−2及び14−4を含むサブセットp、並びに送信アンテナ14−3及び14−4を含むサブセットp)を算出する。
続いて、逆行列算出部241は、ステップS31において算出されたNt個のサブセットpから選択される1番目のサブセットp(例えば、任意に選択される1つのサブセットp)のチャンネル行列H(p)の逆行列B(p)を算出する(ステップS32)。尚、1番目のサブセットpの逆行列B(p)を算出する動作については、後に詳述する(図5参照)。
続いて、アンテナ選択部242は、ステップS32において算出された逆行列B(p)の対角成分の夫々に対して、所定の重み付けを付与する(ステップS33)。例えば、アンテナ選択部242は、対角成分が大きいほど当該対角成分に対して小さな重み付けを付与してもよい。言い換えれば、アンテナ選択部242は、対角成分が小さいほど当該対角成分に対して大きな重み付けを付与してもよい。或いは、例えば、アンテナ選択部242は、相対的に大きい対角成分に対して相対的に小さな重み付けを付与すると共に、相対的に小さい対角成分に対して相対的に大きな重み付けを付与してもよい。より具体的には、逆行列B(p)の対角成分={b11、b22、・・・、bLL(数式1参照)}がb11<b22<・・・<bLLという関係を満たしている場合には、アンテナ選択部242は、W>W>・・・>Wという関係を満たしている重み付け={W、W、・・・、W}を対角成分={b11、b22、・・・、bLL}に対して夫々付与してもよい。
続いて、アンテナ選択部242は、重み付けが付与された逆行列B(p)の対角成分の和を算出する(ステップS34)。例えば、重み付け={W、W、・・・、W}が対角成分={b11、b22、・・・、bLL}に対して夫々付与されている場合には、アンテナ選択部242は、b11×W+b22×W+・・・+bLL×Wを算出する。
続いて、アンテナ選択部242は、ステップS31において算出されたNt個のサブセットpの全てについて、重み付けが付与された逆行列B(p)の対角成分の和が算出されたか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35における判定の結果、Nt個のサブセットpの全てについて対角成分の和が算出されていないと判定される場合には(ステップS35:No)、逆行列算出部241は、新たなサブセットpの逆行列B(p)を、既に算出されているサブセットpの逆行列B(p)を用いて算出する(ステップS37)。言い換えれば、逆行列算出部241は、対角成分の和が算出されていない新たなサブセットpの逆行列B(p)を、対角成分の和が既に算出されているサブセットpの逆行列B(p)を用いて算出する。つまり、本実施形態では、逆行列算出部241は、2番目以降のサブセットpの逆行列B(p)を、既に算出済みのサブセットpの逆行列B(p)を用いて算出する。尚、2番目以降のサブセットpの逆行列B(p)の算出動作については、後に詳述する(図6から図8参照)。
その後、アンテナ選択部242は、ステップS37において算出された逆行列B(p)の対角成分の夫々に対して所定の重み付けを付与し(ステップS33)、重み付けが付与された逆行列B(p)の対角成分の和を算出する(ステップS34)。以降、同様の動作が、全てのサブセットpの逆行列B(p)の対角成分の和が算出されるまで続けられる。
他方で、ステップS35における判定の結果、Nt個のサブセットpの全てについて対角成分の和が算出されていると判定される場合には(ステップS35:Yes)、アンテナ選択部242は、Nt個のサブセットpから、重み付けが付与された逆行列B(p)の対角成分の和が最小となる1つのサブセットpを選択する(ステップS36)。選択された1つのサブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14は、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14となる。
尚、数式2で示すように、各サブセットpの逆行列B(p)の対角成分は、送信アンテナ14のSINRの逆数となる。このため、対角成分が小さいほど大きい重み付けを付与すると共に重み付けが付与された対角成分の和を算出することは、SINRが大きいほど大きな重み付けを付与すると共に重み付けが付与されたSINRの和を算出する動作とも言える。加えて、図2に示すように、MIMO受信処理部23が行うOSICデコードは、SINRが大きい(言い換えれば、対角成分が小さい)送信アンテナ14を順次選択する。このため、対角成分が小さいほど大きな重み付けを付与すると共に重み付けが付与された対角成分の和を算出することは、OSICデコードによって削除される順番が早い送信アンテナ14に対応する対角成分ほど大きな重み付けを付与すると共に重み付けが付与された対角成分の和を算出する動作とも言える。
(3−1−1)1番目のサブセットの逆行列の算出
図4のステップS32における「1番目のサブセットpの逆行列B(p)の算出動作」について説明する。本実施形態では、逆行列算出部241は、後述する「1つの送信アンテナ14の追加による逆行列の更新式(数式4参照)」を用いて、1番目のサブセットpの逆行列B(p)を算出してもよい。以降、図5を参照して、1つの送信アンテナ14の追加による逆行列の更新式(数式4参照)を用いて、1番目のサブセットpの逆行列B(p)を算出する動作について説明する。
図5に示すように、逆行列算出部241は、1番目のサブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14から選択される1番目の送信アンテナ14(例えば、任意に選択される1つの送信アンテナ14)のチャンネル行列Hを用いて、数式3に基づいて、チャンネル行列Hの逆行列Bを算出する(ステップS41)。ステップS41の動作に続いて、並行して又は相前後して、逆行列算出部241は、変数nを1に設定する(ステップS42)。
Figure 0005625573
その後、逆行列算出部241は、1番目の送信アンテナ14から2番目の送信アンテナ14を含むグループのチャンネル行列Hの逆行列Bを、1番目の送信アンテナ14を含むグループのチャンネル行列Hの逆行列Bを用いて算出する。同様に、逆行列算出部241は、1番目の送信アンテナ14から3番目の送信アンテナ14を含むグループのチャンネル行列Hの逆行列Bを、1番目の送信アンテナ14から2番目の送信アンテナ14を含むグループのチャンネル行列Hの逆行列Bを用いて算出する。同様の動作が、1番目の送信アンテナ14からL番目の送信アンテナ14を含むグループのチャンネル行列Hの逆行列Bが算出されるまで繰り返される。つまり、逆行列算出部241は、1番目のサブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14のうち既に選択された1番目の送信アンテナ14からn番目の送信アンテナ14以外のn+1番目の送信アンテナ14が新たに選択される場合には、1番目の送信アンテナ14からn+1番目の送信アンテナ14を含むグループのチャンネル行列Hn+1の逆行列Bn+1を、1からn番目の送信アンテナ14を含むグループのチャンネル行列Hの逆行列Bを用いて算出する(ステップS43)。本実施形態では、逆行列算出部241は、数式4に基づいて、逆行列Bを用いて逆行列Bn+1を算出する。
Figure 0005625573
ここで、u(j)及びd(j)は、夫々数式5及び数式6によって定義される行列である。
Figure 0005625573
Figure 0005625573
ここで、u(j)、u(j)及びg(j)は、夫々数式7から数式9によって定義される行列である。
Figure 0005625573
Figure 0005625573
Figure 0005625573
ここで、h(j)は、新たに選択されるn+1番目の送信アンテナ14のチャンネル行列である。
その後、逆行列算出部241は、変数nがL−1と等しいか否かを判定する(ステップS44)。変数nがL−1と等しいと判定される場合は(ステップS44:Yes)、最後に算出された逆行列Bn+1(=B)が、サブセットpの逆行列B(p)となる。その後、逆行列算出部241は、算出したサブセットpの逆行列B(p)を、アンテナ選択部242へと出力する。他方で、変数nがL−1と等しくないと判定される場合は(ステップS44:No)、逆行列算出部241は、変数nを1だけインクリメントした後(ステップS45)、ステップS43の動作を繰り返す。
尚、逆行列算出部241は、図5に示す手法とは異なる手法を用いて、1番目のサブセットpの逆行列B(p)を算出してもよい。例えば、逆行列算出部241は、上述の数式1を用いて、逆行列B(p)を直接算出してもよい。
(3−1−2)2番目以降のサブセットの逆行列の算出
図4のステップS37における「2番目のサブセットpの逆行列B(p)の算出動作」について説明する。本実施形態では、逆行列算出部241は、「1つの送信アンテナ14の削除による逆行列の更新式(数式11参照)」及び上述した「1つの送信アンテナ14の追加による逆行列の更新式(数式4参照)」を用いて、新たなサブセットpの逆行列B(p)を、既に算出されているサブセットpの逆行列B(p)を用いて算出してもよい(図7参照)。例えば、Nt=8個の送信アンテナ14−1から14−8からL=7個の送信アンテナ14を選択するサブセットpを例にあげて説明する。図6に示すように、1番目のサブセットp1として、送信アンテナ14−1から14−7が選択されているとする。このとき、送信アンテナ14−1から14−6及び14−8を含む2番目のサブセットp2の逆行列B(p2)は、1番目のサブセットp1の逆行列B(p1)に対して、送信アンテナ14−7に対応する要素を削除すると共に送信アンテナ14−8に対応する要素を追加することで算出される。同様に、送信アンテナ14−1から14−5、14−7及び14−8を含む3番目のサブセットp3の逆行列B(p3)は、2番目のサブセットp2の逆行列B(p2)に対して、送信アンテナ14−6に対応する要素を削除すると共に送信アンテナ14−7に対応する要素を追加することで算出される。その他のサブセットp3からp8の逆行列B(p3)からB(p8)も同様に、実線にて囲まれた送信アンテナ14の削除及び追加を行うことで算出される。
或いは、逆行列算出部241は、「1つの送信アンテナ14の変更による逆行列の更新式(数式12及び数式13参照)」を用いて、新たなサブセットpの逆行列B(p)を、既に算出されているサブセットpの逆行列B(p)を用いて算出してもよい(図8参照)。例えば、Nt=8個の送信アンテナ14−1から14−8からL=7個の送信アンテナ14を選択するサブセットpを例にあげて説明する。図6に示すように、1番目のサブセットp1として、送信アンテナ14−1から14−7が選択されているとする。このとき、送信アンテナ14−1から14−6及び14−8を含む2番目のサブセットp2の逆行列B(p2)は、1番目のサブセットp1の逆行列B(p1)に対して、送信アンテナ14−7に対応する要素を送信アンテナ14−8に対応する要素に変更することで算出される。同様に、送信アンテナ14−1から14−5、14−7及び14−8を含む3番目のサブセットp3の逆行列B(p3)は、2番目のサブセットp2の逆行列B(p2)に対して、送信アンテナ14−6に対応する要素を送信アンテナ14−7に対応する要素に変更することで算出される。その他のサブセットp3からp8の逆行列B(p3)からB(p8)も同様に、実線にて囲まれた送信アンテナ14の変更を行うことで算出される。
但し、逆行列算出部241は、その他の手法を用いて、2番目以降のサブセットpの逆行列B(p)を算出してもよい。例えば、逆行列算出部241は、上述の1番目のサブセットpの逆行列B(p)の算出動作と同様の動作により、2番目の以降のサブセットpの逆行列B(p)を直接算出してもよい。
(3−1−2−1)1つの送信アンテナ14の削除及び追加による逆行列の更新処理
図7を参照して、「1つの送信アンテナ14の削除による逆行列の更新式(数式11参照)」及び上述した「1つの送信アンテナ14の追加による逆行列の更新式(数式4参照)」を用いて、2番目以降のサブセットpの逆行列B(p)を算出する動作について説明する。図7は、「1つの送信アンテナ14の削除による逆行列の更新式(数式11参照)」及び上述した「1つの送信アンテナ14の追加による逆行列の更新式(数式4参照)」を用いて、2番目以降のサブセットpの逆行列B(p)を算出する動作の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、逆行列算出部241は、逆行列B(p)を算出したい新たな1つのサブセットpと、既に逆行列B(p)が算出されている少なくとも1つの既存のサブセットpとを比較する(ステップS51)。逆行列算出部241は、ステップS51の比較結果に基づいて、既に逆行列B(p)が算出されている少なくとも1つの既存のサブセットpの中から、新たな1つのサブセットpと比較して相違する送信アンテナ14の数が最も少ない1つの既存のサブセットpを選択する(ステップS52)。
その後、逆行列算出部241は、ステップS52で選択された既存のサブセットpの逆行列B(p)から、相違する送信アンテナ14に対応する要素を削除する(ステップS53)。つまり、逆行列算出部241は、ステップS52で選択された既存のサブセットpの逆行列B(p)から、既存のサブセットpに含まれ且つ新たなサブセットpに含まれない送信アンテナ14に対応する要素を削除する。例えば、既存のサブセットpが含むx(但し、xは1以上であって且つL以下の整数)番目の送信アンテナ14が新たなサブセットpに含まれていない場合には、逆行列算出部241は、既存のサブセットpの逆行列B(p)から、既存のサブセットpのx番目の送信アンテナ14に対応する要素を削除する。
ここで、1番目の送信アンテナ14からn+1番目の送信アンテナ14を含む既存のサブセットpの逆行列B(p)=Bn+1からx番目の送信アンテナ14に対応する要素を削除するには、以下の動作が行われる。まず、逆行列算出部241は、逆行列Bn+1の第1x行及び第x列の夫々の要素を、逆行列Bn+1の最後の行及び最後の列の夫々の要素と交換した逆行列Bn+1’を算出する。加えて、逆行列算出部241は、逆行列Bn+1’の要素を、数式10に示す形式で区分する。その後、逆行列算出部241は、数式11に基づいて、既存のサブセットpの逆行列B(p)=Bn+1からx番目の送信アンテナ14に対応する要素が削除された逆行列B’を算出する。
Figure 0005625573
Figure 0005625573
ここで、Cは、n行×n列の行列を示し、cはn行×1列のベクトルを示し、cは、1行×1列のスカラーを示す。
続いて、逆行列算出部241は、ステップS53で算出された逆行列B’に対して、相違する送信アンテナ14に対応する要素を追加する(ステップS54)。つまり、逆行列算出部241は、ステップS53で算出された逆行列B’に対して、既存のサブセットpに含まれず且つ新たなサブセットpに含まれる送信アンテナ14に対応する要素を追加する。例えば、新たなサブセットpが含むy(但し、yは1以上であって且つL以下の整数)番目の送信アンテナ14が既存のサブセットpに含まれない場合には、逆行列算出部241は、逆行列B’に対して、新たなサブセットpのy番目の送信アンテナ14に対応する要素を追加する。このとき、逆行列算出部241は、上述した数式4を用いて、逆行列B’に対して新たなサブセットpのy番目の送信アンテナ14に対応する要素を追加してもよい。その結果得られる逆行列Bn+1は、新たなサブセットpの逆行列B(p)となる。
(3−1−3)1つの送信アンテナ14の変更による逆行列の更新処理
図8を参照して、「1つの送信アンテナ14の変更による逆行列の更新式(数式12及び数式13参照)」を用いて、2番目のサブセットpの逆行列B(p)を算出する動作について説明する。図8は、「1つの送信アンテナ14の変更による逆行列の更新式(数式12及び数式13参照)」を用いて、2番目のサブセットpの逆行列B(p)を算出する動作の流れを示すフローチャートである。尚、図7に示す動作と同様の動作については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
図8に示すように、逆行列算出部241は、逆行列B(p)を算出したい新たな1つのサブセットpと、既に逆行列B(p)が算出されている少なくとも1つの既存のサブセットpとを比較する(ステップS51)。逆行列算出部241は、ステップS51の比較結果に基づいて、既に逆行列B(p)が算出されている少なくとも1つの既存のサブセットpの中から、新たな1つのサブセットpと比較して相違する送信アンテナ14の数が最も少ない1つの既存のサブセットpを選択する(ステップS52)。
その後、逆行列算出部241は、ステップS52で選択された既存のサブセットpの逆行列B(p)に対して、相違する送信アンテナ14に対応する要素を変更する(ステップS61)。つまり、逆行列算出部241は、ステップS52で選択された既存のサブセットpの逆行列B(p)に対して、既存のサブセットpに含まれ且つ新たなサブセットpに含まれない送信アンテナ14に対応する要素を、既存のサブセットpに含まれず且つ新たなサブセットpに含まれる送信アンテナ14に対応する要素と変更する。例えば、既存のサブセットpが含むx番目の送信アンテナ14が新たなサブセットpに含まれず且つ新たなのサブセットpが含むy番目の送信アンテナ14が既存のサブセットpに含まれない場合には、逆行列算出部241は、既存のサブセットpの逆行列B(p)のx番目の送信アンテナ14に対応する要素を、新たなサブセットpのy番目の送信アンテナ14に対応する要素に変更する。
ここで、逆行列算出部241は、数式12及び数式13を用いて、逆行列Bの要素を変更する。具体的には、任意の行列Qの第x列を列ベクトルhで入れ替えた行列Pは、数式12に基づいて算出される中間行列D及び当該中間行列Dによって定義される数式13を用いて算出される。既存のサブセットpの逆行列B(p)を行列Qとし且つ既存のサブセットpに含まれず且つ新たなサブセットpに含まれる送信アンテナ14に対応する要素(つまり、チャンネル行列)を列ベクトルhとすることで、行列Pが新たなサブセットpの逆行列B(p)となる。
Figure 0005625573
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ここで、cは、h−Q*xを示す。fは、Qcを示す。「Q*x」は、行列Qの第x列ベクトルを示す。D−1 x*は、D−1の第x行ベクトルを示す。eは、単位ベクトルを示す。つまり、eのj番目の要素は1で、他は0である。
(3−2)第2動作例
図9を参照して、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14のサブセットpを選択する第2動作例について説明する。図9は、第2動作例の流れを示すフローチャートである。尚、第1動作例と同一の動作については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明については省略する。
図9に示すように、制御部24が備える逆行列算出部241は、Nt個の送信アンテナ14からL個の送信アンテナ14を選択する全てのサブセットpを算出する(ステップS31)。逆行列算出部241は、ステップS31において算出されたNt個のサブセットpから選択される1番目のサブセットp(例えば、任意に選択される1つのサブセットp)のチャンネル行列H(p)の逆行列B(p)を算出する(ステップS32)。その後、逆行列算出部241は、変数kを1に設定する(ステップS71)。
続いて、逆行列算出部241は、ステップS32において算出された1番目のサブセットpの逆行列B(p)の対角成分のうちの最小値bkを抽出する(ステップS72)。例えば、1番目のサブセットpの逆行列B(p)の対角成分={b11、b22、・・・、bLL}のうちb22が最小の対角成分となる場合には、「b22」を対角成分の最小値bkとして抽出する。その後、逆行列算出部241は、変数kがLよりも小さいか否かを判定する(ステップS73)。
ステップS73の判定の結果、変数kがLよりも小さいと判定される場合には(ステップS73:Yes)、逆行列算出部241は、ステップS72で抽出した最小値bkに対応する送信アンテナ14を削除したサブセットpの逆行列B(p)を、上述した「1つの送信アンテナ14の削除による逆行列の更新式(数式11参照)」を用いて算出する(ステップS75)。つまり、逆行列算出部241は、最小値bkを抽出した逆行列B(p)=Bn+1から、最小値bkに対応する送信アンテナ14を削除したサブセットpの逆行列B(p)=Bを算出する。
その後、逆行列算出部241は、変数kをインクリメントした後(ステップS76)、ステップS75で新たに算出された逆行列を対象として、対角成分のうちの最小値bkを抽出する(ステップS72)。以降、同様の動作が、変数kがLよりも小さくなくなるまで繰り返される。
他方で、ステップS73の判定の結果、変数kがLよりも小さくないと判定される場合には(ステップS73:No)、アンテナ選択部242は、逆行列算出部241によって抽出された全ての最小値bk={b1、b2、・・・、bL}の和を算出する(ステップS74)。
続いて、アンテナ選択部242は、ステップS31において算出されたNt個のサブセットpの全てについて、最小値bk={b1、b2、・・・、bL}の和が算出されたか否かを判定する(ステップS77)。
ステップS77における判定の結果、Nt個のサブセットpの全てについて最小値bk={b1、b2、・・・、bL}の和が算出されていないと判定される場合には(ステップS77:No)、逆行列算出部241は、新たなサブセットpの逆行列B(p)を、既に算出されているサブセットpの逆行列B(p)を用いて算出する(ステップS37)。その後、ステップS37において新たに算出された逆行列B(p)を対象として、ステップS71からステップS76の動作が行われる。
他方で、ステップS77における判定の結果、Nt個のサブセットpの全てについて最小値bk={b1、b2、・・・、bL}の和が算出されていると判定される場合には(ステップS77:Yes)、アンテナ選択部242は、Nt個のサブセットpから、最小値bk={b1、b2、・・・、bL}の和が最小となる1つのサブセットpを選択する(ステップS78)。選択された1つのサブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14は、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14となる。
尚、数式2で示すように、各サブセットpの逆行列B(p)の対角成分は、送信アンテナ14のSINRの逆数となる。このため、対角成分の最小値を抽出すると共に抽出された最小値の和を算出することは、SINRの最大値を抽出すると共に抽出されたSINRの最大値の和を算出する動作とも言える。加えて、図2に示すように、MIMO受信処理部23が行うOSICデコードは、SINRが大きい(言い換えれば、対角成分が小さい)送信アンテナ14を順次選択する。このため、対角成分の最小値を抽出すると共に抽出された最小値の和を算出することは、OSICデコードによって削除される順番が早い送信アンテナ14に対応する対角成分を逆行列B(p)の更新の都度抽出すると共に抽出された対角成分の和を算出する動作とも言える。
(3−3)第3動作例
図10を参照して、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14のサブセットpを選択する第3動作例について説明する。図10は、第3動作例の流れを示すフローチャートである。尚、第1動作例及び第2動作例と同一の動作については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明については省略する。
図10に示すように、制御部24が備える逆行列算出部241は、Nt個の送信アンテナ14からL個の送信アンテナ14を選択する全てのサブセットpを算出する(ステップS31)。逆行列算出部241は、ステップS31において算出されたNt個のサブセットpから選択される1番目のサブセットp(例えば、任意に選択される1つのサブセットp)のチャンネル行列H(p)の逆行列B(p)を算出する(ステップS32)。その後、逆行列算出部241は、変数kを1に設定する(ステップS71)。続いて、逆行列算出部241は、ステップS32において算出された1番目のサブセットpの逆行列B(p)の対角成分のうちの最小値bkを抽出する(ステップS72)。その後、逆行列算出部241は、変数kがLよりも小さいか否かを判定する(ステップS73)。
ステップS73の判定の結果、変数kがLよりも小さいと判定される場合には(ステップS73:Yes)、逆行列算出部241は、ステップS72で抽出した最小値bkに対応する送信アンテナ14を削除したサブセットpの逆行列B(p)を、上述した「1つの送信アンテナ14の削除による逆行列の更新式(数式11参照)」を用いて算出する(ステップS75)。その後、逆行列算出部241は、変数kをインクリメントした後(ステップS76)、ステップS75で新たに算出された逆行列を対象として、対角成分のうちの最小値bkを抽出する(ステップS72)。以降、同様の動作が、変数kがLよりも小さくなくなるまで繰り返される。
他方で、ステップS73の判定の結果、変数kがLよりも小さくないと判定される場合には(ステップS73:No)、アンテナ選択部242は、ステップS72において抽出された最小値bk={b1、b2、・・・、bL}の夫々に対して、所定の重み付けWk={W1、W2、・・・、WL}を付与する(ステップS81)。例えば、アンテナ選択部242は、抽出される順番が早い最小値bkほど大きな重み付けWkを付与してもよい。具体的には、例えば、アンテナ選択部242は、W1>W2>・・・>WLという関係を満たしている重み付けWkを付与してもよい。或いは、アンテナ選択部242は、W1=1、W2=(L−1)/L、・・・WL=1/Lという関係を満たしている重み付けWk(つまり、Wk=(L+1−k)/L)を付与してもよい。或いは、アンテナ選択部242は、W1=b1/(b1+b2+・・・+bL)、W2=b2/(b1+b2+・・・+bL)、・・・WL=bL/(b1+b2+・・・+bL)という関係を満たしている重み付けWk(つまり、Wk=bk/(b1+b2+・・・+bL))を付与してもよい。或いは、アンテナ選択部242は、最小値bkが大きいほど当該最小値bkに対して小さな重み付けWkを付与してもよい。言い換えれば、アンテナ選択部242は、最小値bkが小さいほど当該最小値bkに対して大きな重み付けWkを付与してもよい。或いは、例えば、アンテナ選択部242は、相対的に大きい最小値bkに対して相対的に小さな重み付けWkを付与すると共に、相対的に小さい最小値bkに対して相対的に大きな重み付けWkを付与してもよい。
続いて、アンテナ選択部242は、重み付けWkが付与された最小値bkの和を算出する(ステップS82)。例えば、アンテナ選択部242は、b1×W1+b2×W2+・・・+bL×WLを算出する。
続いて、アンテナ選択部242は、ステップS31において算出されたNt個のサブセットpの全てについて、最小値bk×重み付けWkの和が算出されたか否かを判定する(ステップS83)。
ステップS83における判定の結果、Nt個のサブセットpの全てについて最小値bk×重み付けWkの和が算出されていないと判定される場合には(ステップS83:No)、逆行列算出部241は、新たなサブセットpの逆行列B(p)を、既に算出されているサブセットpの逆行列B(p)を用いて算出する(ステップS37)。その後、ステップS37において新たに算出された逆行列B(p)を対象として、ステップS71からステップS83の動作が行われる。
他方で、ステップS83における判定の結果、Nt個のサブセットpの全てについて最小値bk×重み付けWkの和が算出されていると判定される場合には(ステップS83:Yes)、アンテナ選択部242は、Nt個のサブセットpから、最小値bk×重み付けWkの和が最小となる1つのサブセットpを選択する(ステップS84)。選択された1つのサブセットpに含まれるL個の送信アンテナ14は、送信データストリームの送信に使用されるL個の送信アンテナ14となる。
以上説明したように、本実施形態のMIMO通信システム1によれば、Nt個の送信アンテナ14から、送信データストリームの送信に使用するL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを好適に選択することができる。更に、OSICデコードに適合したアンテナ選択基準を採用しているため、OSICデコードを行うMIMO受信処理部23を備えるMIMO通信システム1において、送信データストリームの送信に使用するL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを好適に選択することができる。
ここで、図11を参照して、本実施形態のMIMO通信システム1による第1から第3動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質について説明する。ここに、図11は、本実施形態のMIMO通信システム1による第1から第3動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質を示すグラフである。
図11では、本実施形態のMIMO通信システム1による第1動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質(SNR及びBER(Bit Error Rate))が、バツ印によって示されている。図11では、本実施形態のMIMO通信システム1による第2動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質が、丸印によって示されている。図11では、本実施形態のMIMO通信システム1による第3動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質が、三角印によって示されている。図11では、第1動作例から第3動作例とは異なる比較動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質が、四角印によって示されている。尚、比較動作例は、逆行列の対角成分の和が最小となるサブセットpを選択する動作である。
図11に示すように、比較動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質と比較して、第1から第3動作例によって選択されたL個の送信アンテナ14を含むサブセットpを用いて通信を行った場合の通信品質が改善していることが分かる。
加えて、本実施形態のMIMO通信システム1によれば、既存のサブセットpの逆行列B(p)に対して所定の更新式(例えば、上述した数式4、11から13)を適用することで、新たなサブセットpの逆行列B(p)を算出することができる。このため、新たなサブセットpの逆行列B(p)を、比較的簡易な演算によって算出することができる。
加えて、本実施形態のMIMO通信システム1によれば、1番目からn番目の送信アンテナ14を含むサブセットpの逆行列B(p)に対して所定の更新式(例えば、上述した数式4)を適用することで、n+1番目の送信アンテナ14を新たに追加した新たなサブセットpの逆行列B(p)を算出することができる。このため、新たなサブセットpの逆行列B(p)を、比較的簡易な演算によって算出することができる。
尚、ZF線形デコードやMMSEデコード等の線形デコードを行うMIMO受信処理部23を用いる場合には、小さい対角成分ほど小さい重み付けを付与した(言い換えれば、大きい対角成分ほど大きい重み付けを付与した)逆行列B(p)の対角成分の和が最小となるサブセットpを選択することが好ましい。
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える無線通信装置を用いて多重入力多重出力通信を行う無線通信システムであって、
前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する逆行列算出部と
前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出部により算出される逆行列に関する値であるアンテナ選択用参照値であって且つ当該L個のアンテナから送信される信号に対して行われる連続干渉除去処理に適合するように決定されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択部と
を備えることを特徴とする無線通信システム。
(付記2)
前記アンテナ選択用参照値は、逆行列に関する値であって且つ前記連続干渉除去処理によって前記L個のアンテナが削除される順序に応じて決定される値を含むことを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)
前記アンテナ選択用参照値は、逆行列の対角成分であって且つ対角成分が大きい値であるほど小さい重み付けが掛け合わせられた対角成分の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記4)
前記アンテナ選択用参照値は、逆行列の対角成分であって且つ前記連続干渉除去処理によって削除される順序が遅いアンテナに対応する逆行列の対角成分ほど小さい重み付けが掛け合わせられた対角成分の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記5)
前記アンテナ選択用参照値は、逆行列が示す信号対干渉比であって且つ信号対干渉比が小さい値であるほど小さい重み付けが掛け合わせられた信号対干渉比の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最大となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記6)
前記逆行列算出部は、前記N個のアンテナのうち1からn(但し、nは1以上且つL以下の整数)番目のアンテナを含むグループから、逆行列の対角成分が最小となるアンテナが削除されたグループについてのチャンネル行列の逆行列を、1からn番目のアンテナを含むグループについてのチャンネル行列の逆行列を用いて演算により算出し、
前記アンテナ選択部は、前記逆行列算出部によって逆行列が算出される都度、逆行列の対角成分のうちの最小値を抽出し、
前記アンテナ選択用参照値は、前記アンテナ選択部によって抽出される最小値の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記7)
前記逆行列算出部は、前記N個のアンテナのうち1からn(但し、nは1以上且つL以下の整数)番目のアンテナを含むグループから前記連続干渉除去処理によってアンテナが削除される順序と同一の順序でアンテナが順次削除されていくグループについてのチャンネル行列の逆行列を、アンテナを削除する前の逆行列を用いて演算により順次算出し、
前記アンテナ選択部は、前記逆行列算出部によって逆行列が算出される都度、削除されるアンテナに対応する逆行列の対角成分を抽出し、
前記アンテナ選択用参照値は、前記アンテナ選択部によって抽出される対角成分の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記8)
前記逆行列算出部は、前記N個のアンテナのうち1からn(但し、nは1以上且つL以下の整数)番目のアンテナを含むグループから、逆行列が示す信号対干渉比が最大となるアンテナが削除されたグループについてのチャンネル行列の逆行列を、1からn番目のアンテナを含むグループについてのチャンネル行列の逆行列を用いて演算により算出し、
前記アンテナ選択部は、前記逆行列算出部によって逆行列が算出される都度、逆行列が示す信号対干渉比の最大値を抽出し、
前記アンテナ選択用参照値は、前記アンテナ選択部によって抽出される最大値の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最大となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記9)
前記逆行列算出部は、前記N個のアンテナのうち1からn(但し、nは1以上且つL以下の整数)番目のアンテナを含むグループから、逆行列の対角成分が最小となるアンテナが削除されたグループについてのチャンネル行列の逆行列を、1からn番目のアンテナを含むグループについてのチャンネル行列の逆行列を用いて演算により算出し、
前記アンテナ選択部は、前記逆行列算出部によって逆行列が算出される都度、逆行列の対角成分のうちの最小値を抽出し、
前記アンテナ選択用参照値は、前記アンテナ選択部によって抽出される最小値であって且つ抽出される最小値が大きい値であるほど小さい重み付けが掛け合わせられた最小値の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記10)
前記逆行列算出部は、前記N個のアンテナのうち1からn(但し、nは1以上且つL以下の整数)番目のアンテナを含むグループから前記連続干渉除去処理によってアンテナが削除される順序と同一の順序でアンテナが順次削除されていくグループについてのチャンネル行列の逆行列を、アンテナを削除する前の逆行列を用いて演算により順次算出し、
前記アンテナ選択部は、前記逆行列算出部によって逆行列が算出される都度、削除されるアンテナに対応する逆行列の対角成分を抽出し、
前記アンテナ選択用参照値は、前記アンテナ選択部によって抽出される対角成分であって且つ抽出される対角成分が大きい値であるほど小さい重み付けが掛け合わせられた対角成分の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記11)
前記逆行列算出部は、前記N個のアンテナのうち1からn(但し、nは1以上且つL以下の整数)番目のアンテナを含むグループから、逆行列が示す信号対干渉比が最大となるアンテナが削除されたグループについてのチャンネル行列の逆行列を、1からn番目のアンテナを含むグループについてのチャンネル行列の逆行列を用いて演算により算出し、
前記アンテナ選択部は、前記逆行列算出部によって逆行列が算出される都度、逆行列が示す信号対干渉比の最大値を抽出し、
前記アンテナ選択用参照値は、前記アンテナ選択部によって抽出される最大値であって且つ抽出される最大値が小さい値であるほど小さい重み付けが掛け合わせられた最大値の和を含み、
前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最大となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記12)
前記逆行列算出部によって逆行列が算出される場合におけるアンテナの削除の順序と同一の順序で前記L個のアンテナから送信される信号を順次削除するように前記連続干渉除去処理を行う受信処理部を更に備えることを特徴とする付記6から11のいずれか一項に記載の無線通信システム。
(付記13)
前記逆行列算出部は、前記一の組み合わせについての逆行列に対して、前記一の組み合わせと前記他の組み合わせとの間で相違するアンテナに対応する要素を入れ替える入れ替え処理を行うことで、前記他の組み合わせについての逆行列を算出することを特徴とする付記1から13のいずれか一項に記載の無線通信システム。
(付記14)
多重入力多重出力通信を行う無線通信システムで用いられる、N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える対向側装置と通信を行う無線通信装置であって、
前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する逆行列算出部と
前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出部により算出される逆行列に関する値であるアンテナ選択用参照値であって且つ当該L個のアンテナから送信される信号に対して行われる連続干渉除去処理に適合するように決定されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択部と、
前記アンテナ選択部により選択される前記L個のアンテナに関する情報を、前記対向側装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする無線通信装置。
(付記15)
多重入力多重出力通信を行う無線通信システムで用いられる、N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える無線通信装置であって、
前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する逆行列算出部と
前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出部により算出される逆行列に関する値であるアンテナ選択用参照値であって且つ当該L個のアンテナから送信される信号に対して行われる連続干渉除去処理に適合するように決定されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択部と、
前記アンテナ選択部により選択される前記L個のアンテナを用いて、対向側装置との間の通信を行うアンテナ選択制御部と
を備えることを特徴とする無線通信装置。
(付記16)
N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える無線通信装置を用いて多重入力多重出力通信を行う無線通信方法であって、
前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する逆行列算出工程と
前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出工程において算出される逆行列に関する値であるアンテナ選択用参照値であって且つ当該L個のアンテナから送信される信号に対して行われる連続干渉除去処理に適合するように決定されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択工程と
を備えることを特徴とする無線通信方法。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う無線通信システム及び無線通信装置、並びに無線通信方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 MIMO無線通信システム
10 無線基地局
12−1〜12−Lt 送信RF部
13 アンテナスイッチ
14−1〜14−Nt 送信アンテナ
15 アンテナ選択制御部
16 アップリンク受信部
20 移動端末
21−1〜21−Nr 受信アンテナ
22−1〜22−Lr 受信RF部
23 MIMO受信処理部
24 制御部
241 逆行列算出部
242 アンテナ選択部
25 アップリンク送信部

Claims (9)

  1. N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える無線通信装置を用いて多重入力多重出力通信を行う無線通信システムであって、
    前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する処理を繰り返すことで、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する各組み合わせの逆行列を算出する第1処理を行う逆行列算出部と、
    前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出部により算出される逆行列の対角成分に基づいて算出されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択部と
    を備え、
    前記逆行列算出部は、(i)前記一の組み合わせについての逆行列から前記一の組み合わせに含まれている一方で前記他の組み合わせに含まれていない一のアンテナに対応する要素が削除されることで得られる一の逆行列を、前記一の組み合わせについての逆行列を用いて算出した後に、(ii)前記一の逆行列に対して前記他の組み合わせに含まれている一方で前記一の組み合わせに含まれていない他のアンテナに対応する要素を追加することで、前記他の組み合わせについての逆行列を算出し、
    前記一の組み合わせについての逆行列をB1 とし、当該逆行列B1 のうち前記一のアンテナに対応する要素が第x行第x列の要素であるとし、前記一の逆行列をB L−1 とすると、前記逆行列算出部は、(i−1)前記逆行列B1 の第x行第x列の要素を夫々前記逆行列B1 の最後の行及び最後の列の要素と交換することで得られる逆行列B1 ’を算出し、(i−2)前記逆行列B1 ’を数式1に示す形式(但し、C1はL−1行×L−1列の行列を示し、c2はL−1行×1列のベクトルを示し、c3は1行×1行のスカラーを示す)で区分し、(i−3)数式2を用いて、前記一の逆行列B L−1 を算出し、
    前記他の組み合わせについての逆行列をB2 とし、前記他のアンテナのチャネル行列をh(j)とし、前記一の組み合わせから前記一のアンテナが削除された場合の残りのL−1個のアンテナを含むグループのチャネル行列をH L−1 とし、u (j)=H L−1 h(j)とし、u (j)=B L−1 (j)とし、u (j)=d(j)u (j)とし、d(j)=1/(g(j)−u (j) (j))とし、且つ、g(j)=h(j) h(j)+δγ(但し、δは所定の係数であり、γはLを平均SNRで除算した値である)とすると、前記逆行列算出部は、数式3を用いて、前記他の組み合わせについての逆行列B2 を算出することを特徴とする無線通信システム。
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
  2. 前記アンテナ選択用参照値は、逆行列の対角成分であって且つ対角成分が大きい値であるほど小さい重み付けが掛け合わせられた対角成分の和を含み、
    前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
  3. 前記逆行列算出部は、前記一の組み合わせについての逆行列を用いて前記他の組み合わせについての逆行列を算出する前記第1処理に加えて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する各組み合わせの逆行列を対象として、(i)各組み合わせの逆行列を用いて、各組み合わせの逆行列から最小となる対角成分に対応するアンテナの要素を削除することで得られる逆行列を新たに算出した後、(ii)新たに算出された逆行列を用いて、新たに算出された逆行列から最小となる対角成分に対応するアンテナの要素を削除することで得られる逆行列を新たに算出する処理を繰り返す第2処理を行い、
    前記アンテナ選択部は、前記各組み合わせの逆行列及び当該各組み合わせの逆行列を対象として前記第2処理によって新たに算出される逆行列の夫々の最小となる対角成分の和を前記各組み合わせについての前記アンテナ選択用参照値として算出し
    前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記逆行列算出部は、前記一の組み合わせについての逆行列を用いて前記他の組み合わせについての逆行列を算出する前記第1処理に加えて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する各組み合わせの逆行列を対象として、(i)各組み合わせの逆行列を用いて、各組み合わせの逆行列から最小となる対角成分に対応するアンテナの要素を削除することで得られる逆行列を新たに算出した後、(ii)新たに算出された逆行列を用いて、新たに算出された逆行列から最小となる対角成分に対応するアンテナの要素を削除することで得られる逆行列を新たに算出する処理を繰り返す第2処理を行い
    前記アンテナ選択部は、前記各組み合わせの逆行列及び当該各組み合わせの逆行列を対象として前記第2処理によって新たに算出される逆行列の夫々の最小となる対角成分であって且つ対角成分が大きい値であるほど小さい重み付けが掛け合わせられた対角成分の和を、前記各組み合わせについての前記アンテナ選択用参照値として算出し
    前記アンテナ選択部は、前記アンテナ選択用参照値が最小となる組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記第2処理によって逆行列が算出される場合の前記要素の削除の順序と同一の順序で前記L個のアンテナから送信される信号が順次削除されるように連続干渉除去処理を行う受信処理部を更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。
  6. 前記逆行列算出部は、前記一の組み合わせについての逆行列に対して、前記一の組み合わせと前記他の組み合わせとの間で相違するアンテナに対応する要素を入れ替える入れ替え処理を行うことで、前記他の組み合わせについての逆行列を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  7. 多重入力多重出力通信を行う無線通信システムで用いられる、N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える対向側装置と通信を行う無線通信装置であって、
    前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する処理を繰り返すことで、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する各組み合わせの逆行列を算出する第1処理を行う逆行列算出部と
    前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出部により算出される逆行列の対角成分に基づいて算出されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択部と、
    前記アンテナ選択部により選択される前記L個のアンテナに関する情報を、前記対向側装置に送信する送信部と
    を備え、
    前記逆行列算出部は、(i)前記一の組み合わせについての逆行列から前記一の組み合わせに含まれている一方で前記他の組み合わせに含まれていない一のアンテナに対応する要素が削除されることで得られる一の逆行列を、前記一の組み合わせについての逆行列を用いて算出した後に、(ii)前記一の逆行列に対して前記他の組み合わせに含まれている一方で前記一の組み合わせに含まれていない他のアンテナに対応する要素を追加することで、前記他の組み合わせについての逆行列を算出し、
    前記一の組み合わせについての逆行列をB1 とし、当該逆行列B1 のうち前記一のアンテナに対応する要素が第x行第x列の要素であるとし、前記一の逆行列をB L−1 とすると、前記逆行列算出部は、(i−1)前記逆行列B1 の第x行第x列の要素を夫々前記逆行列B1 の最後の行及び最後の列の要素と交換することで得られる逆行列B1 ’を算出し、(i−2)前記逆行列B1 ’を数式4に示す形式(但し、C1はL−1行×L−1列の行列を示し、c2はL−1行×1列のベクトルを示し、c3は1行×1行のスカラーを示す)で区分し、(i−3)数式5を用いて、前記一の逆行列B L−1 を算出し、
    前記他の組み合わせについての逆行列をB2 とし、前記他のアンテナのチャネル行列をh(j)とし、前記一の組み合わせから前記一のアンテナが削除された場合の残りのL−1個のアンテナを含むグループのチャネル行列をH L−1 とし、u (j)=H L−1 h(j)とし、u (j)=B L−1 (j)とし、u (j)=d(j)u (j)とし、d(j)=1/(g(j)−u (j) (j))とし、且つ、g(j)=h(j) h(j)+δγ(但し、δは所定の係数であり、γはLを平均SNRで除算した値である)とすると、前記逆行列算出部は、数式6を用いて、前記他の組み合わせについての逆行列B2 を算出することを特徴とする無線通信装置。
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
  8. 多重入力多重出力通信を行う無線通信システムで用いられる、N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える無線通信装置であって、
    前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する処理を繰り返すことで、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する各組み合わせの逆行列を算出する第1処理を行う逆行列算出部と
    前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出部により算出される逆行列の対角成分に基づいて算出されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択部と、
    前記アンテナ選択部により選択される前記L個のアンテナを用いて、対向側装置との間の通信を行うアンテナ選択制御部と
    を備え、
    前記逆行列算出部は、(i)前記一の組み合わせについての逆行列から前記一の組み合わせに含まれている一方で前記他の組み合わせに含まれていない一のアンテナに対応する要素が削除されることで得られる一の逆行列を、前記一の組み合わせについての逆行列を用いて算出した後に、(ii)前記一の逆行列に対して前記他の組み合わせに含まれている一方で前記一の組み合わせに含まれていない他のアンテナに対応する要素を追加することで、前記他の組み合わせについての逆行列を算出し、
    前記一の組み合わせについての逆行列をB1 とし、当該逆行列B1 のうち前記一のアンテナに対応する要素が第x行第x列の要素であるとし、前記一の逆行列をB L−1 とすると、前記逆行列算出部は、(i−1)前記逆行列B1 の第x行第x列の要素を夫々前記逆行列B1 の最後の行及び最後の列の要素と交換することで得られる逆行列B1 ’を算出し、(i−2)前記逆行列B1 ’を数式7に示す形式(但し、C1はL−1行×L−1列の行列を示し、c2はL−1行×1列のベクトルを示し、c3は1行×1行のスカラーを示す)で区分し、(i−3)数式8を用いて、前記一の逆行列B L−1 を算出し、
    前記他の組み合わせについての逆行列をB2 とし、前記他のアンテナのチャネル行列をh(j)とし、前記一の組み合わせから前記一のアンテナが削除された場合の残りのL−1個のアンテナを含むグループのチャネル行列をH L−1 とし、u (j)=H L−1 h(j)とし、u (j)=B L−1 (j)とし、u (j)=d(j)u (j)とし、d(j)=1/(g(j)−u (j) (j))とし、且つ、g(j)=h(j) h(j)+δγ(但し、δは所定の係数であり、γはLを平均SNRで除算した値である)とすると、前記逆行列算出部は、数式9を用いて、前記他の組み合わせについての逆行列B2 を算出することを特徴とする無線通信装置。
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
  9. N個(但し、Nは2以上の整数)のアンテナを備える無線通信装置を用いて多重入力多重出力通信を行う無線通信方法であって、
    前記N個のアンテナからL個(但し、Lは1以上且つN以下の整数)のアンテナを選択する一の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を用いて、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する他の組み合わせについてのチャンネル行列の逆行列を演算により算出する処理を繰り返すことで、前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する各組み合わせの逆行列を算出する第1処理を行う逆行列算出工程と
    前記N個のアンテナから前記L個のアンテナを選択する組み合わせのうち、前記逆行列算出部により算出される逆行列の対角成分に基づいて算出されるアンテナ選択用参照値が所定のアンテナ選択基準を満たす組み合わせを、通信に用いる前記L個のアンテナとして決定するアンテナ選択工程と
    を備え、
    前記逆行列算出工程は、(i)前記一の組み合わせについての逆行列から前記一の組み合わせに含まれている一方で前記他の組み合わせに含まれていない一のアンテナに対応する要素が削除されることで得られる一の逆行列を、前記一の組み合わせについての逆行列を用いて算出した後に、(ii)前記一の逆行列に対して前記他の組み合わせに含まれている一方で前記一の組み合わせに含まれていない他のアンテナに対応する要素を追加することで、前記他の組み合わせについての逆行列を算出し、
    前記一の組み合わせについての逆行列をB1 とし、当該逆行列B1 のうち前記一のアンテナに対応する要素が第x行第x列の要素であるとし、前記一の逆行列をB L−1 とすると、前記逆行列算出工程は、(i−1)前記逆行列B1 の第x行第x列の要素を夫々前記逆行列B1 の最後の行及び最後の列の要素と交換することで得られる逆行列B1 ’を算出し、(i−2)前記逆行列B1 ’を数式10に示す形式(但し、C1はL−1行×L−1列の行列を示し、c2はL−1行×1列のベクトルを示し、c3は1行×1行のスカラーを示す)で区分し、(i−3)数式11を用いて、前記一の逆行列B L−1 を算出し、
    前記他の組み合わせについての逆行列をB2 とし、前記他のアンテナのチャネル行列をh(j)とし、前記一の組み合わせから前記一のアンテナが削除された場合の残りのL−1個のアンテナを含むグループのチャネル行列をH L−1 とし、u (j)=H L−1 h(j)とし、u (j)=B L−1 (j)とし、u (j)=d(j)u (j)とし、d(j)=1/(g(j)−u (j) (j))とし、且つ、g(j)=h(j) h(j)+δγ(但し、δは所定の係数であり、γはLを平均SNRで除算した値である)とすると、前記逆行列算出工程は、数式12を用いて、前記他の組み合わせについての逆行列B2 を算出することを特徴とする無線通信方法。
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
    Figure 0005625573
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