JP5625195B2 - タンク内洗浄水の排出装置 - Google Patents
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Description
このため、従来にあっては右ハンドル用と左ハンドル用とに別々のフラッパ弁を用意しておかなければならないといった問題を生じていた。
またこの特許文献1には、鎖(引上げ材)を排水弁の中心に接続した点が図面上表されている。
但しこの特許文献1に開示のものでは、排水弁が、左右方向の中心から左右に外れた位置に引上げ材の接続用の取付部を備えたフラッパ弁である場合に、右ハンドルと左ハンドルとの何れにも同じフラッパ弁にて対応するといったことはできない。
但しこの特許文献2に開示のものにおいても、洗浄ハンドルが右ハンドルである場合と左ハンドルである場合との何れにも、同じフラッパ弁で対応するといったことはできない。
これにより必要なフラッパ弁の種類を少なくし、コストダウンを図ることができる。
このようにしておけば、引上げアームとして同じ長さのものを用いた場合、引上げアームにおける引上げ材の取付部と、フラッパ弁における引上げ材の取付部との相対的な位置関係を、右ハンドルと左ハンドルとで同じ(位置関係が両者で左右対称となる点を除いて)位置関係とすることができ、同じフラッパ弁を用いながら洗浄操作時に右ハンドルと左ハンドルとの何れの場合も、フラッパ弁を同じように動作させることが可能となる。
尚この場合において、第1引上げ材を大洗浄用とし、第2引上げ材を小洗浄用とすることも、また逆に第1引上げ材を小洗浄用とし、第2引上げ材を大洗浄用とすることも可能である。
つまりこの場合には、タンクの左右方向の中心とフラッパ弁の左右方向の中心とが一致している。
図1において、10は洗浄タンク(以下単にタンクとする)で、アウタタンク12と、インナタンク14とを有している。
図中16はタンク10の底部を、18はタンク壁を、更に18Lはタンク壁18における左側のタンク壁を、18Rは右側のタンク壁をそれぞれ表している。
タンク10の底部16には、図2に示しているように内部の洗浄水を便器に向けて排出する排水口20と、これを開閉する排水弁としてのフラッパ弁22とが設けられている。
図2において、24は排水口20に連通して設けられたオーバーフロー管で、タンク10の内部において底部16から上向きに立ち上がっている。
アーム30の夫々の図中右端部には、フック状の掛止部32が設けられており、これら一対の掛止部32が、オーバーフロー管24の周方向に180°隔たった2個所から突出した軸部34に回転可能に下向きに掛止されている。
フラッパ弁22は、軸部34に対する掛止部32の掛止に基づき、軸部34周りに回転運動することによって開閉動作する。
これら大洗浄用の玉鎖36と小洗浄用の玉鎖70とは、それぞれ一定ピッチで配置された玉38と、それらを繋ぐ線材から成る繋ぎ材40とから成っている。
詳しくは、タンク10の左右方向の中心を通って前後方向(図1中紙面と直交方向)に延びる中心面Pを対称面として、取付部42Rと42Lとが左右対称形状で設けられている。
尚ここで左右対称形状とは、取付部42R,42Lが左右対称位置に位置していることも含む。
これら取付部42R,42Lのそれぞれは、図3に示しているように繋ぎ材40を挿通する挿通孔120と、挿通された繋ぎ材40の上側の玉38と下側の玉38とに係合する係合部122とを有している。
ここでは洗浄ハンドル94が右側のタンク壁18Rに取り付けられており、そこで大洗浄用の玉鎖36が右側の、即ち右ハンドル用の取付部42Rに取り付けられている。
尚、図4に示しているように排水口20の上端の開口周りに設けられた弁座44は、図中左方向に向って斜め下向きに傾斜しており、従ってフラッパ弁22は、閉弁状態で弁部28が同じく左方向に向って斜め下向きに傾斜した状態となる。
尚この空気チャンバ48は、下部が下向きに先細りとなるテーパ部52とされている。このテーパ部52の下端は開口部54とされ、また上部には貫通の細孔55が設けられている。
ここで細孔55は、空気室50内部を満たした水を開口部54から抜く際に、空気室50内部に空気を導入するための孔である。
尚この細孔55は、空気室50に空気が保持された状態の下で、その内部空気が水中に漏出できない程度の小さな孔である。
軸部66の端部は、挿通孔120及び係合部122(図3参照)を有する取付部68とされており、そこに玉38と繋ぎ材40とを有する小洗浄用の玉鎖70の下端部が固定状態に取り付けられている。
ここで取付部68は、フラッパ弁22の左右方向の中心、即ちタンク10の左右方向の中心に位置している。
またハウジング47における筒壁56には、これを貫通して水流入口72が設けられている。
取付部148には係止孔150が、またキャップ146の側には係止爪152が設けられ、それらが弾性係止されることで、空気チャンバ48が取付部148に上向きに差込状態に取り付けられている。
空気抜き弁58が閉弁状態にあり、空気室50に空気が溜められた状態の下では、フラッパ弁22は開弁及び閉弁によって大洗浄、即ち便器に向けて洗浄水を大量排出する大洗浄のための動作を行う。
このときにはフラッパ弁22は小洗浄、即ち便器に向けて洗浄水を少量排出する小洗浄のための動作を行う。
即ちこの実施形態では、空気抜き弁58を開弁させることによって、フラッパ弁22の動作を小洗浄の動作に切り替える。
尚その切替えの具体的な原理については後述する。
この嵌込部154には係止爪156が設けられている。
上記筒体74は、このガイド部76における筒部80を介して下向きの力をフラッパ弁22に作用させる。
このガイド部76における一対のガイド壁78のそれぞれの上端部には、互いにハの字状に開いた案内部160が設けられている。
これら案内部160は、筒体74を一対のガイド壁78の間に挿入案内する部分である。
またその中心部には挿通孔88を有し、その挿通孔88に小洗浄用の玉鎖70を上下方向に挿通させる状態に玉鎖70に取り付けられている。
ここでフロート84は、小洗浄用の玉鎖70に沿って上下にスライド移動可能である。
但しこのストッパ90は、小洗浄用の玉鎖70に対する固定位置を上下に調節することが可能である。
ストッパ90は板状の部材であって、その中心部に繋ぎ材40を挿通する挿通孔120と、係合部122とを備えた取付部162を有している。
従ってフロート84は、筒体74の上端とストッパ90との間で小洗浄用の玉鎖70に沿って所定距離上下にスライド移動することができる。
図5において、98は洗浄ハンドル94及びレバーアーム92をタンク壁18に取り付けるための取付部材で、雄ねじ部100を有しており、そこにナット102がねじ込まれることでタンク壁18に固定されている。
これによりスピンドル部96が、取付部材98の中心の挿通孔を挿通して洗浄ハンドル94に軸方向及び回転方向に固定されている。
ここでスピンドル部96は、タンク内奥部に向って直線状に延びている。
ここでレバー部112は縦向き、即ち通常の状態において、垂直下向きに延びている。
尚この実施形態において、図5に示しているようにレバー部112は、ナット102を嵌めてこれを通過させることが可能なサイズである。スピンドル部96もまた同様である。
またヘッド部114は、その上端部に且つスピンドル部96に対する先端側からの正面視において左,右の位置に、大洗浄側の取付部116と、小洗浄側の取付部118とを有している。
そして図8に示しているように取付部116に大洗浄用の玉鎖36が、また取付部118に小洗浄用の玉鎖70が、夫々固定状態に取り付けられている。
大洗浄用の玉鎖36及び小洗浄用の玉鎖70の夫々は、繋ぎ材40を挿通孔120に挿通し、上側の玉38aと下側の玉38bとに係合部122を係合させることで各取付部116,118に取り付けられる。
これら取付部116,118に取り付けられた大洗浄用の玉鎖36と小洗浄用の玉鎖70とは、夫々取付部116,118から左,右に分かれて下向きに垂れ下がった状態となる。
ここで引上げアーム124は板状のリブにて構成してある。
この引上げアーム124は、大洗浄用の玉鎖36及び小洗浄用の玉鎖70の何れにも固定されておらず、通常時においてそれらに対しフリーの状態にある。
従ってこの状態で洗浄ハンドル94を、図1中右からの正面視において反時計方向に回転させると、これと同方向にスピンドル部96及び引上げアーム124が回転し、引上げアーム124がその先端部124aを、大洗浄用の玉鎖36に引掛けてこれを引き上げる。
このとき、小洗浄用の玉鎖70は当然ながら引上げアーム124にて引き上げられることはなく、取付部118から垂れ下がったままとなる。
ここにおいてフラッパ弁22が開弁し、タンク内の洗浄水が便器に向けて少量排出され、便器の小洗浄が行われる。
このとき、大洗浄用の玉鎖36は引上げアーム124によって引き上げられることはなく、取付部116から下向きに垂れ下がったままである。
タンクの種類やサイズ等によっては、玉鎖36,70の上端側の取付部116,118への取付位置と、フラッパ弁22側の下端側の位置とが、スピンドル部96の軸方向の前後に一定以上異なる場合がある。
そのような状態になると、引上げアーム124を回転させても、その先端部124aを玉鎖36,70の予め定めた位置に引掛けて、これを引上げ動作することができなくなってしまう。
そこでここでは、一対のガイド壁128を有する外れ防止部130,132を設けてこれを防止するようになしている。
このときには、図9に示すように下側の玉38bをカバー部138の内側に先ず嵌め入れた状態とし、その状態でスリット140に沿って繋ぎ材40を上側の玉38aとともに取付部118,116側に移動させる。
ここでカバー部138の下端には、繋ぎ材40をスリット140に向けて案内する傾斜形状の案内部144が設けてある。
この補強用のリブ142は、引上げアーム124の一部を成していると考えることもできる。
この実施形態において、洗浄ハンドル94が図5に示す中立位置にあるとき、図11(I)に示しているようにフラッパ弁22は閉弁状態にあり、またフロート84は水中に没した位置で浮力によりストッパ90に上向きに当接した状態にある。
またこのとき、フラッパ弁22に設けられている空気室50の内部は空気で満たされている。
このとき大洗浄用の玉鎖36は、図1においてオーバーフロー管24に接近する側に引張られながら引き上げられる。
これにより、図11(II)に示しているようにフラッパ弁22が玉鎖36によって直接持ち上げられ、開弁する。
開弁したフラッパ弁22は(フラッパ弁22は設定した最大開弁位置に到ると図示を省略するフラッパ弁ストッパにて更なる回転が阻止される)、依然として水中に没した状態のフロート84による浮力と,空気チャンバ48による浮力とによって,その後も開弁状態に維持され、タンク10内の洗浄水が排水口20から便器に向けて排出される。
そして図12(III)に示しているように、水位Wがフロート84の上端から一定距離下側位置まで下がったところで、フロート84に作用する浮力とフロート84自体の重力とがバランスした状態となり、その後フロート84は水位Wの降下に連れて玉鎖70に沿って下向きに移動して行く。
従って図12(IV)に示しているように、フロート84はストッパ90から離れて単独で小洗浄側の玉鎖70に沿って下向きに移動していく。
この状態から水位Wが更に降下すると、フロート84に対する浮力はますます減少し、これに伴ってフロート84の重みが筒体74にかかり、且つ水位Wの降下に伴って筒体74に加わる重みが増大していく。
そしてその下向きの力が、空気チャンバ48に対する浮力よりも打ち勝つに到ると、フラッパ弁22が開弁状態を維持できなくなって、その後は水位Wの降下に伴ってフラッパ弁22が閉弁開始し、最終的にフラッパ弁22が完全閉弁状態となる。
ここにおいて排水口20からの洗浄水の放出が停止する。
このときには小洗浄用の玉鎖70は、図1においてオーバーフロー管24から離れる側に引張られながら上向きに引き上げられる。
すると空気室50の上端の開口57が開放状態となって、流入口72を通じ空気室50にタンク10内の水が流入して、空気室50を水で埋める。
このとき、弁座44から離れたフラッパ弁22は速やかにばね60の付勢力で空気抜き弁58に対し相対的に上向き移動する。即ち一旦開弁した空気抜き弁58が、その後速やかにもとの閉弁状態に戻る。
そしてその状態でフラッパ弁22が小洗浄用の玉鎖70により引き上げられ、その後最大開弁状態となる(図14(I)参照)。
そして図14(II)に示すようにフロート84の頭が僅かに水面から露出した位置となると、そこでフロート84に対する浮力とフロート84に対して下向きに加わる力とが釣り合った状態となり(大洗浄時と異なって、小洗浄時には空気チャンバ48に対して浮力は働いていない)、その後は水位Wの降下と一緒にフロート84が降下即ち下向きに移動し、これに伴ってフラッパ弁22は弁開度を漸次少なくしていき、そして図15(III)に示すように最終的に弁座44に着座して完全閉弁状態となる。
そのためにこの小洗浄時においては、フラッパ弁22が完全開弁してから閉弁開始するまでの時間が短く、即ち大洗浄時に較べて早い段階で閉弁開始し、閉弁状態に到る。
そのため、小洗浄時においては洗浄水の排出水量が少なく、少ない水量で便器洗浄(小洗浄)を行う。
この場合には、フラッパ弁22に備えられた左側の取付部42Lが用いられ、レバーアーム92から垂れ下った大洗浄用の玉鎖36の下端側が、その左側の取付部42Lに取り付けられる。
尚小洗浄用の玉鎖70については、その取付位置は上記と同じである。
即ち小洗浄用の玉鎖70の下端側は、フラッパ弁22の左右方向の中心位置であって且つタンク10の左右方向の中心位置にあるフラッパ弁22の取付部68に、つまりフラッパ弁22に備えられた空気抜き弁58の取付部68に取り付けられる。
そして図16における洗浄ハンドル94の回転方向は、洗浄ハンドル94に対して左側から見た正面視において洗浄ハンドル94を時計方向に回転操作したときが大洗浄時の操作となり、また反時計方向に回転操作したときが小洗浄のための操作となる。
尚、図1に示す洗浄ハンドル94及びレバーアーム92と、図16に示す洗浄ハンドル94及びレバーアーム92とは同一のものである。
これにより必要なフラッパ弁の種類を少なくし、コストダウンを図ることができる。
16 底部
18,18R,18L タンク壁
22 フラッパ弁
36 玉鎖(第1引上げ材)
42R,42L 取付部
68 取付部
70 玉鎖(第2引上げ材)
92 レバーアーム
94 洗浄ハンドル
Claims (4)
- 洗浄タンクの内部に延びたレバーアームに、可撓性を有する第1引上げ材の上端側を接続するとともに、下端側をタンク底部の排水弁としてのフラッパ弁に接続して成るタンク内洗浄水の排出装置において、
前記フラッパ弁には、前記タンクに対する正面視における該フラッパ弁の左右方向の中心よりも右側位置と左側位置とのそれぞれに、前記引上げ材の下端側を接続するための取付部を備えたことを特徴とするタンク内洗浄水の排出装置。 - 請求項1において、前記フラッパ弁の前記右側位置と左側位置の取付部は、前記タンクの左右方向の中心に対して左右対称形状となしてあることを特徴とするタンク内洗浄水の排出装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記フラッパ弁には、該フラッパ弁の前記左右方向の中心位置に、前記レバーアームに上端側を接続された第2引上げ材の下端側を接続するための取付部を備えたことを特徴とするタンク内洗浄水の排出装置。
- 請求項3において、前記第2引上げ材の接続のための前記取付部は、前記タンクの左右方向の中心位置に備えてあることを特徴とするタンク内洗浄水の排出装置。
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