JP5623820B2 - 建物ユニット及びユニット建物 - Google Patents
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Description
請求項17に係る発明は、請求項7〜16のいずれかに係る発明において更に、前記下階建物ユニットの四隅に設けた柱頭のそれぞれに、上階建物ユニットの四隅に設けた柱脚のそれぞれが剛接合されてなるようにしたものである。
(a)建物ユニットにおいて、床スラブを形成するPC板に予め仕口管が埋設され、この仕口管に柱の柱脚が挿入固定される。PC板のコンクリート打設時に柱用の中子を用いる必要がなく、柱の柱脚が挿入固定される仕口管を予め簡易に埋設できる。仕口管は短尺軽量であり、PC板への位置決め性は良く、コンクリートの乾燥収縮に対しても容易に位置ずれ防止できる。これにより、PC板の例えば四隅に高寸法精度で埋設した仕口管に挿入固定される柱の位置、柱の真直精度、柱のねじれ精度を向上できる。
入れ子短柱の外周に、上階建物ユニットの柱脚を下階建物ユニットの柱頭に対して同芯化するガイドが設けられる。上階建物ユニットの柱脚と下階建物ユニットの柱頭を同芯化して剛接合できる。
(b)建物ユニットにおいて、仕口管の上下の端部にスチフナ板が固定され、このスチフナ板に柱の柱脚が挿入されて溶接される。上下のスチフナ板は柱を保持する外ダイアフラムとして機能する。柱をこのスチフナ板に挿入し、溶接等して固定することで、柱に作用する外力(主に曲げモーメント)を仕口管に伝えるとともに、柱の局部変形(つぶれ)を防止する。
(c)建物ユニットにおいて、仕口管の外周に定着鉄筋が固定される。この仕口管の定着鉄筋がPC板のコンクリートに定着し、柱に作用する外力を仕口管からPC板に伝達できる。
(d)建物ユニットにおいて、柱を丸形鋼管とする。柱を丸形鋼管とすることにより、PC板の仕口管に挿入固定された柱のねじれ精度を向上し、建物ユニットの立体精度を向上できる。即ち、柱の柱頭の方向性を確保し、柱頭への天井パネル等の取付位置精度を向上できる。
(e)上述(a)〜(d)からなる上階建物ユニットの柱脚が下階建物ユニットの柱頭に剛接合される。上階建物ユニットの柱頭には天井パネルを取付けできる。上階建物ユニットの柱頭が所定位置に対して数mm(例えば3mm程度)ずれるときには、このずれを天井パネルの野縁等で拘束修正する。
(f)下階建物ユニットの柱頭に入れ子短柱が固定され、この入れ子短柱に上階建物ユニットの柱脚の内径が挿入されて剛接合される。入れ子短柱を上階建物ユニットの柱脚の内径より小さくすることで、その柱脚の内径の範囲内で上階建物ユニットと下階建物ユニットの柱の芯ずれを吸収する。
(g)下階建物ユニットの柱頭の入れ子短柱の外周にスチフナ板が固定され、このスチフナ板に上階建物ユニットの柱脚が溶接される。下階建物ユニットの柱頭から入れ子短柱に固定したスチフナ板を介して上階建物ユニットの柱脚に外力(主に曲げモーメント)を伝える。
(h)上階建物ユニットの柱脚の内径に挿入される入れ子短柱の上端側内周にダイアフラム板が溶接される。仕口管に挿入固定された上階建物ユニットの柱脚からの外力(主に曲げモーメント)により、入れ子短柱が変形するのを防止できる。
(j)上階建物ユニットの柱脚の内径と、下階建物ユニットの柱頭の入れ子短柱とがなす環状間隙にグラウト材が充填される。上階建物ユニットの柱脚と下階建物ユニットの柱頭の入れ子短柱とをグラウト材により隙間なく剛接合できる。
(k)グラウト材をモルタル及び/又は樹脂とする。
(l)グラウト材を無収縮モルタルとする。
(m)グラウト材をエポキシ樹脂とする。
(n)上階建物ユニットの柱脚と下階建物ユニットの柱頭の接合合面部に、グラウト材の漏れ防止パッキンが設けられる。上階建物ユニットと下階建物ユニットの柱の傾き(倒れ)によるグラウト材の漏れを防止できる。
(o)上階建物ユニットの柱脚に、グラウト材の投入口と充填状況確認口が設けられる。上階建物ユニットの柱脚に設けた投入口からグラウト材を流し込む。上階建物ユニットの柱脚に設けた充填状況確認口からのグラウト材の流出を確認することで、グラウト材が充満されたことを判断する。
(p)下階建物ユニットの四隅に設けた柱頭のそれぞれに、上階建物ユニットの四隅に設けた柱脚のそれぞれが剛接合される。上階建物ユニットと下階建物ユニットがそれらの四隅において高い位置精度で強固に接合され、ユニット建物の全体の設計強度を確実に発現できる。
図3は本発明の建物ユニット10の一例を示すものである。建物ユニット10は、矩形状床スラブ20を形成するPC板21に予め仕口管30が埋設され、この仕口管30に柱40の柱脚41が挿入固定される。
(a)建物ユニット10において、床スラブ20を形成するPC板21に予め仕口管30が埋設され、この仕口管30に柱40の柱脚41が挿入固定される。PC板21のコンクリート打設時に柱40用の中子を用いる必要がなく、柱40の柱脚41が挿入固定される仕口管30を予め簡易に埋設できる。仕口管30は短尺軽量であり、PC板21への位置決め性は良く、コンクリートの乾燥収縮に対しても容易に位置ずれ防止できる。これにより、PC板21の例えば四隅に高寸法精度で埋設した仕口管30に挿入固定される柱40の位置、柱40の真直精度、柱40のねじれ精度を向上できる。
10 建物ユニット
10A 上階建物ユニット
10B 下階建物ユニット
20 床スラブ
21 PC板
30 仕口管
31 上スチフナ板
32 下スチフナ板
33 定着鉄筋
40 柱
41 柱脚
42 柱頭
50 入れ子短柱
51 短柱体
52 スチフナ板
53 ダイアフラム板
54 エンド板
55 ガイド
56 グラウト材
57 投入口
58 充填状況確認口
59 漏れ防止パッキン
Claims (17)
- 床スラブを形成するPC板に予め仕口管が埋設され、この仕口管に柱の柱脚が挿入固定され、
前記柱の柱頭に入れ子短柱が挿入され、該入れ子短柱の外周に固定されているスチフナ板が該柱頭の上端面に溶接されて固定され、該スチフナ板の上面にガイドが設けられてなり、
下階に配置される建物ユニットの前記柱頭に設けられるガイドの上面が、上階に配置される建物ユニットの前記柱脚の下端に係合し、該上階に配置される建物ユニットの該柱脚を下階に配置される建物ユニットの該柱頭に対して同芯化可能にする建物ユニット。 - 前記ガイドの上面は、外周において上向き縮径する請求項1に記載の建物ユニット。
- 前記柱頭の下端内周は、前記ガイドが係合するように下向き拡径する請求項2に記載の建物ユニット。
- 前記仕口管の上下の端部にスチフナ板が固定され、このスチフナ板に柱の柱脚が挿入されて溶接されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の建物ユニット。
- 前記仕口管の外周に定着鉄筋が固定されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の建物ユニット。
- 前記柱を丸形鋼管とする請求項1〜5のいずれかに記載の建物ユニット。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の建物ユニットを上階建物ユニットとしてなるユニット建物であって、
上階建物ユニットの柱脚が下階建物ユニットの柱頭に剛接合されてなるユニット建物。 - 前記下階建物ユニットの柱頭に入れ子短柱が固定され、上階建物ユニットの柱脚に入れ子短柱が挿入されて剛接合されてなる請求項7に記載のユニット建物。
- 前記下階建物ユニットの柱頭の入れ子短柱の外周に固定されているスチフナ板に上階建物ユニットの柱脚が溶接されてなる請求項8に記載のユニット建物。
- 前記上階建物ユニットの柱脚の内径に挿入される入れ子短柱の上端側内周にダイアフラム板が溶接されてなる請求項8又は9に記載のユニット建物。
- 前記上階建物ユニットの柱脚の内径と、下階建物ユニットの柱頭の入れ子短柱とがなす環状間隙にグラウト材が充填されてなる請求項8〜10のいずれかに記載のユニット建物。
- 前記グラウト材をモルタル及び/又は樹脂とする請求項11に記載のユニット建物。
- 前記グラウト材を無収縮モルタルとする請求項11に記載のユニット建物。
- 前記グラウト材をエポキシ樹脂とする請求項11に記載のユニット建物。
- 前記上階建物ユニットの柱脚と下階建物ユニットの柱頭の接合合面部に、グラウト材の漏れ防止パッキンが設けられてなる請求項11〜14のいずれかに記載のユニット建物。
- 前記上階建物ユニットの柱脚に、グラウト材の投入口と充填状況確認口が設けられてなる請求項11〜15のいずれかに記載のユニット建物。
- 前記下階建物ユニットの四隅に設けた柱頭のそれぞれに、上階建物ユニットの四隅に設けた柱脚のそれぞれが剛接合されてなる請求項7〜16のいずれかに記載のユニット建物。
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