JP5622937B2 - 太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル製造システム - Google Patents

太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル製造システム Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル製造システムに関し、特に、外観の美観性に優れた太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル製造システムに関する。
従来、バルク型太陽電池は一般的に以下のような方法により作製されている。まず、例えば第1導電型の基板としてp型シリコン基板を用意し、鋳造インゴットからスライスした際に発生するシリコン表面のダメージ層を例えば数〜20wt%苛性ソーダや炭酸苛性ソーダで10μm〜20μm厚除去した後、同様のアルカリ低濃度液にIPA(イソプロピルアルコール)を添加した溶液で異方性エッチングを行ない、シリコン(111)面が出るようにテクスチャーを形成する。
続いて、例えばオキシ塩化リン(POCl)、窒素、酸素の混合ガス雰囲気で例えば800〜900℃/数十分間処理し、p型シリコン基板の全面に一様に第2導電型の不純物層としてn型層を形成する。p型シリコン基板の表面に一様に形成されたn型層のシート抵抗を30〜80Ω/□程度とすることで、良好な太陽電池の電気特性が得られる。ここで、n型層はp型シリコン基板の表面に一様に形成されるので、p型シリコン基板のおもて面と裏面とは電気的に接続された状態である。この電気的接続を遮断するため、ドライエッチングによりp型シリコン基板の端面領域をエッチング除去してp型シリコンを露出させる。このn型層の影響を除くために行う別の方法として、レーザにより端面分離を行う方法もある。この後、基板をフッ酸水溶液に浸漬し、拡散処理中に表面に堆積したガラス質(PSG)をエッチング除去する。
次に、反射防止を目的とした絶縁膜(反射防止膜)としてシリコン酸化膜、窒化シリコン膜、酸化チタン膜などの絶縁膜を受光面側のn型層の表面に一様な厚みで形成する。反射防止膜として窒化シリコン膜を形成する場合は、例えばプラズマCVD法でSiHガス及びNHガスを原材料にして、300℃以上、減圧下の条件で成膜形成する。反射防止膜の屈折率は2.0〜2.2程度であり、最適な膜厚は70nm〜90nm程度である。なお、このようにして形成される反射防止膜は絶縁体であることに注意すべきであり、受光面側電極をこの上に単に形成しただけでは、太陽電池として作用しない。
次に、グリッド電極形成用およびバス電極形成用のマスクを使用して、受光面側電極となる銀ペーストを反射防止膜上にグリッド電極およびバス電極の形状にスクリーン印刷法により塗布し、乾燥させる。
次に、裏アルミニウム電極となる裏アルミニウム電極ペースト、および裏銀バス電極となる裏銀ペーストを基板の裏面にそれぞれ裏アルミニウム電極の形状および裏銀バス電極の形状にスクリーン印刷法により塗布し、乾燥させる。
次に、p型シリコン基板の表裏面に塗布した電極ペーストを同時に600℃〜900℃程度で数分間焼成する。これにより、反射防止膜上に受光面側電極としてグリッド電極およびバス電極が形成され、p型シリコン基板の裏面に裏面側電極として裏アルミニウム電極および裏銀バス電極が形成される。ここで、p型シリコン基板のおもて面側では銀ペースト中に含まれているガラス材料で反射防止膜が溶融している間に銀材料がシリコンと接触し、再凝固する。これにより、受光面側電極とシリコン基板(n型層)との導通が確保される。このようなプロセスは、ファイヤースルー法と呼ばれている。また、裏アルミニウム電極ペーストもシリコン基板の裏面と反応し、裏アルミニウム電極の直下にp+層が形成される。
このようにして製造される太陽電池セルにおいては、発電特性の他に、外観の美観性も求められる。例えば太陽電池モジュールの外観の美観性を改善する方法として、複数の太陽電池セルを色調により分類し、色調の異なる太陽電池セルを混在させて太陽電池モジュール全体としての外観のばらつきを抑制する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平11−238897号公報
しかしながら、上記特許文献1は、色調の異なる太陽電池セルを混在させて太陽電池モジュール全体としての外観のばらつきを抑制する技術であり、太陽電池セル単体自体の外観を改善することはできない。太陽電池セルの製造においては、太陽電池セルの製造後、太陽電池セル単体の外観検査が行われる。そして、所望の外観品質を満たさない太陽電池セルは外観不良とされて製品化できず、歩留まり低下の原因となる、という問題があった。
太陽電池セルの外観品質を向上させるには、受光面側のテクスチャーが綺麗に均一に形成されていることが望ましい。太陽電池セルの受光面側において、テクスチャーが形成されていない領域が存在する、或いは他の領域と比較してテクスチャーの形成密度が低い領域が存在する場合は、太陽電池セルの外観は、上記領域の発生頻度に応じて悪化する。すなわち、テクスチャーの形成状態が異なる領域は、反射率が異なるため他の領域と異なる色に見える。このようなテクスチャーのできばえ(形成状態)が外観に与える影響は、様々な結晶面方位から成る多結晶シリコン太陽電池セルに対してよりも、単一な結晶面方位から成る単結晶シリコン太陽電池セルに対しての方が深刻である。
多結晶シリコン基板に対するテクスチャーの形成においては、シリコンの面方位に応じてエッチングの進み方が異なり、テクスチャー形状にばらつきが生じ、テクスチャー形状のばらつきにより外観が多少悪くなる。このため、多結晶シリコン太陽電池セルでは、テクスチャー形成後の基板の面内に上述したテクスチャーのできばえの不均一が少々あっても目立たないからである。
また、太陽電池セルの外観の美観を悪化させる工程として、テクスチャー形成工程以外の代表的な工程として反射防止膜形成工程がある。太陽電池セルの受光面側の色合いは、反射防止膜の膜厚に応じて変化する。このため、太陽電池セルの受光面側に反射防止膜が形成されていない領域が存在する、或いは他の領域と比較して反射防止膜の膜厚が異なる領域が存在する場合は、太陽電池セルの外観は、上記領域の発生頻度に応じて悪化する。
これらの領域の発生原因については、主に以下の二つがある。一つ目は、反射防止膜の成膜中に基板表面以外の領域(例えば成膜装置の外壁)に反射防止膜が厚く堆積した後、この堆積物が成膜中に基板表面へ剥がれ落ちることである。この場合は、剥がれ落ちた膜が成膜の邪魔をして、反射防止膜が形成されない領域が発生する。二つ目は、例えばプラズマCVDによる反射防止膜を成膜する場合におけるプラズマ放電の異常による成膜不良である。
しかしながら、上述したような外観不良に起因した歩留まり低下対する有効な改善策は未だ確立されていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、外観の美観性に優れた太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル製造システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池セルの製造方法は、第1導電型の半導体基板の両面にテクスチャー構造を形成する第1工程と、前記テクスチャー構造が形成された前記半導体基板の両面における反射率分布を測定する第2工程と、前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の小さい一面側に第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する第3工程と、前記不純物拡散層に電気的に接続する所定のパターンの受光面側電極を前記不純物拡散層上に形成する第4工程と、前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の大きい他面側に裏面側電極を形成する第5工程と、を含み、前記第4工程では、前記半導体基板の一面側における前記テクスチャー構造の形成状態に起因した第1外観不良領域を特定し、前記第1外観不良領域と前記受光面側電極のパターンとの重なる面積が広い配置方向を前記受光面側電極の配置可能な複数の配置方向から判定して前記受光面側電極を形成する。
本発明によれば、外観不良の発生率を低減して、外観の美観性に優れた太陽電池セルを作製することができる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル構成を説明するための図であり、受光面側から見た上面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル構成を説明するための図であり、受光面と反対側から見た下面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル構成を説明するための図であり、図1−2のA−A方向における要部断面図である。 図2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。 図3−1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3−2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3−3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3−4は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3−5は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3−6は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3−7は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図4−1は、テクスチャー構造の形成後におけるp型単結晶シリコン基板の一面側の状態を示す平面図である。 図4−2は、テクスチャー構造の形成後におけるp型単結晶シリコン基板の他面側の状態を示す平面図である。 図5は、カラーセンサーにより画像処理した反射防止膜の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側の処理画像である。 図6は、画像処理により作製した、反射防止膜上における受光面側電極の配置方向のシミュレーション図である。 図7は、画像処理により作製した、反射防止膜上における受光面側電極の配置方向のシミュレーション図である。 図8は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セル製造システムの概略構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル製造システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
実施の形態
図1−1〜図1−3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セル1の構成を説明するための図であり、図1−1は、受光面側から見た太陽電池セル1の上面図、図1−2は、受光面と反対側からみた太陽電池セル1の下面図、図1−3は、図1−2のA−A方向における太陽電池セル1の要部断面図である。
本実施の形態にかかる太陽電池セル1においては、p型単結晶シリコンからなる半導体基板2の受光面側にリン拡散によってn型不純物拡散層3が形成されて、pn接合を有する半導体基板11が形成されている。また、n型不純物拡散層3上に窒化シリコン膜(SiN膜)からなる反射防止膜4が形成されている。なお、半導体基板2としてはp型単結晶のシリコン基板に限定されず、p型多結晶のシリコン基板やn型の多結晶のシリコン基板、n型の単結晶シリコン基板を用いてもよい。
また、半導体基板11(n型不純物拡散層3)の受光面側の表面には、テクスチャ構造として微小凹凸が形成されている。微小凹凸は、受光面において外部からの光を吸収する面積を増加し、受光面における反射率を抑え、光を閉じ込める構造となっている。
反射防止膜4は、絶縁膜である窒化シリコン膜(SiN膜)からなる。窒化シリコン膜(SiN膜)からなる反射防止膜4は、青系の色を呈している。なお、反射防止膜4は、窒化シリコン膜(SiN膜)に限定されず、シリコン酸化膜(SiO膜)や酸化チタン膜(TiO)膜などの絶縁膜により形成されてもよい。
また、半導体基板11の受光面側には、長尺細長の表銀グリッド電極5が複数並べて設けられ、この表銀グリッド電極5と導通する表銀バス電極6が該表銀グリッド電極5と略直交するように設けられており、それぞれ底面部においてn型不純物拡散層3に電気的に接続している。表銀グリッド電極5および表銀バス電極6は銀材料により構成されている。
表銀グリッド電極5は、例えば100μm〜200μm程度の幅を有するとともに2mm程度の間隔で略平行に配置され、半導体基板11の内部で発電した電気を集電する。また、表銀バス電極6は、例えば1mm〜3mm程度の幅を有するとともに太陽電池セル1枚当たりに2本〜3本配置され、表銀グリッド電極5で集電した電気を外部に取り出す。そして、表銀グリッド電極5と表銀バス電極6とにより、櫛形を呈する第1電極である受光面側電極12が構成される。受光面側電極12は、半導体基板11に入射する太陽光を遮ってしまうため、可能なかぎり面積を小さくすることが発電効率向上の観点では望ましく、図1−1に示すような櫛型の表銀グリッド電極5とバー状の表銀バス電極6として配置してするのが一般的である。
シリコン太陽電池セルの受光面側電極の電極材料には、通常、銀ペーストが用いられ、例えば、鉛ボロンガラスが添加されている。このガラスはフリット状のもので、例えば、鉛(Pb)5〜30wt%、ボロン(B)5〜10wt%、シリコン(Si)5〜15wt%、酸素(O)30〜60wt%の組成から成り、さらに、亜鉛(Zn)やカドミウム(Cd)なども数wt%程度混合される場合もある。このような鉛ボロンガラスは、数百℃(例えば、800℃)の加熱で溶解し、その際にシリコンを侵食する性質を有している。また一般に、結晶系シリコン太陽電池セルの製造方法においては、このガラスフリットの特性を利用して、シリコン基板と銀ペーストとの電気的接触を得る方法が用いられている。
一方、半導体基板11の裏面(受光面と反対側の面)には、外縁領域を一部を除いた全体にわたってアルミニウム材料からなる裏アルミニウム電極7が設けられ、また表銀バス電極6と略同一方向に延在して銀材料からなる裏銀電極8が設けられている。そして、裏アルミニウム電極7と裏銀電極8とにより第2電極である裏面側電極13が構成される。また、裏アルミニウム電極7には、半導体基板11を通過する長波長光を反射させて発電に再利用するBSR(Back Surface Reflection)効果も期待している。
また、半導体基板11の裏面(受光面と反対側の面)側の表層部には、高濃度不純物を含んだp+層(BSF(Back Surface Field))9が形成されている。p+層(BSF)9は、BSF効果を得るために設けられ、p型層(半導体基板2)中の電子が消滅しないようにバンド構造の電界でp型層(半導体基板2)電子濃度を高めるようにする。
このように構成された太陽電池セル1では、太陽光が太陽電池セル1の受光面側から半導体基板11のpn接合面(半導体基板2とn型不純物拡散層3との接合面)に照射されると、ホールと電子が生成する。pn接合部の電界によって、生成した電子はn型不純物拡散層3に向かって移動し、ホールはp+層9に向かって移動する。これにより、n型不純物拡散層3に電子が過剰となり、p+層9にホールが過剰となる結果、光起電力が発生する。この光起電力はpn接合を順方向にバイアスする向きに生じ、n型不純物拡散層3に接続した受光面側電極12がマイナス極となり、p+層9に接続した裏アルミニウム電極7がプラス極となって、図示しない外部回路に電流が流れる。
太陽電池セルにおいて、テクスチャを半導体基板(n型不純物拡散層)の受光面側の全面において均一に形成することは困難である。また、反射防止膜を半導体基板(n型不純物拡散層)の受光面側の全面において均一な膜厚で形成することは困難である。このため、太陽電池セルの受光面側におけるテクスチャの不均一や反射防止膜の膜厚の不均一に起因して太陽電池セルの外観にばらつきが生じる。
例えば本実施の形態にかかる太陽電池セル1を受光面側から見た場合には、図1−1に示されるように外観不良領域42と外観不良領域43とが斑模様に見える。外観不良領域42は、半導体基板11(n型不純物拡散層3)の受光面側において、例えばテクスチャーが形成されていない領域、または他の領域と比較してテクスチャーの形成密度が低い領域である。すなわち、外観不良領域42は、テクスチャー構造の形成状態に起因した外観不良領域である。外観不良領域43は、例えば反射防止膜4が形成されていない領域、または他の領域と比較して反射防止膜4の膜厚が異なる領域である。すなわち、外観不良領域43は、反射防止膜4の形成状態に起因した外観不良領域である。
窒化シリコン膜(SiN膜)からなる反射防止膜4を受光面側から見た場合には濃い青系の色に見えるが、外観不良領域42と外観不良領域43とでは、色合いまたは色が違って見える。太陽電池セル1では、外観不良領域43は他の領域の反射防止膜4の濃い青系の色よりも淡い青系の色に見える。また、外観不良領域42は、外観不良領域43よりもさらに色が淡くなり、白けた色に見える。このように、太陽電池セルの受光面側においては外観にばらつきが生じる。
しかしながら、この太陽電池セル1は、受光面側において、外観不良領域42や外観不良領域43のような外観不良領域が見える領域を低減して作製されている。したがって、本実施の形態にかかる太陽電池セル1では、外観の美観性に優れた太陽電池セルが実現されている。
以下、本実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造方法について図面に沿って説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。図3−1〜図3−7は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造工程の一例を説明するための断面図である。
まず、半導体基板2として例えば数百μm厚のp型単結晶シリコン基板を用意する(図3−1)。p型単結晶シリコン基板は、溶融したシリコンを冷却固化してできたインゴットをワイヤーソーでスライスして製造するため、表面にスライス時のダメージが残っている。そこで、p型単結晶シリコン基板を酸または加熱したアルカリ溶液中、例えば水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、シリコン基板の切り出し時に発生してp型単結晶シリコン基板の表面近くに存在するダメージ領域を取り除く。例えば数〜20wt%苛性ソーダや炭酸苛性ソーダで10μm〜20μm厚だけ表面を除去する。
ダメージ除去に続いて、同様のアルカリ低濃度液にIPA(イソプロピルアルコール)を添加した溶液でp型単結晶シリコン基板の異方性エッチングを行ない、シリコン(111)面が出るようにp型単結晶シリコン基板の受光面側の表面に微小凹凸(テクスチャー)を形成してテクスチャー構造2aを形成する(ステップS10、図3−2)。このようなテクスチャー構造2aをp型単結晶シリコン基板の受光面側に設けることで、太陽電池セル1の表面側で光の多重反射を生じさせ、太陽電池セル1に入射する光を効率的に半導体基板11の内部に吸収させることができ、実効的に反射率を低減して変換効率を向上させることができる。アルカリ溶液で、ダメージ層の除去およびテクスチャー構造の形成を行う場合は、アルカリ溶液の濃度をそれぞれの目的に応じた濃度に調整し、連続処理をする場合がある。
図4−1および図4−2は、テクスチャー構造2aの形成後におけるp型単結晶シリコン基板の両面の状態の一例を示す平面図である。図4−1はp型単結晶シリコン基板の一面側の状態を示す平面図、図4−2はp型単結晶シリコン基板の他面側の状態を示す平面図である。
テクスチャー構造2aが形成されたp型単結晶シリコン基板の両面を観察すると、p型単結晶シリコン基板の他面側では全面において均一なテクスチャー構造2aが形成されていない為、反射率が面内で不均一となり、外観が斑模様に見える。すなわち、図4−2に示されるようにp型単結晶シリコン基板の他面側においては、略均一なテクスチャー構造2aが形成されている外観良好領域31の中に、外観良好領域31とは異なる2種類の外観不良領域32、外観不良領域33が形成されている。外観不良領域32および外観不良領域33は、テクスチャーが形成されていない領域、または外観良好領域31と比較してテクスチャーの形成密度が低い領域である。
一方、テクスチャー構造2aが形成されたp型単結晶シリコン基板の一面側でも、全面において均一なテクスチャーが形成されていない為、反射率が面内で不均一となり、外観に模様が見える。すなわち、p型単結晶シリコン基板の一面側において略均一なテクスチャーが形成されている外観良好領域21の中に、外観良好領域21とは異なる外観不良領域22が形成されている。外観不良領域22はテクスチャー構造形成不良領域であり、テクスチャーが形成されていない領域、または外観良好領域21と比較してテクスチャーの形成密度が低い領域である。
このようにテクスチャー構造2aのできばえについては、シリコン基板の表裏両面で全く同じとなる場合は少ない。太陽電池セルにおいて、受光面と反対側の面(裏面)については、ほぼ全面に電極が形成される為、外観について影響を与えない。したがって、テクスチャー構造の形成後において、より外観の悪い面を裏面とすることで、太陽電池セルの外観不良の発生割合を低減することが可能となる。
そこで、本実施の形態では、テクスチャー構造2aの形成後において、p型単結晶シリコン基板のどちらの面を受光面または裏面にするかの判定を行い、より外観の悪い面を裏面とする。すなわち、本実施の形態では、テクスチャー構造2aが形成されたp型単結晶シリコン基板両面の反射率分布の測定を行い、この反射率分布に基づいて、p型単結晶シリコン基板のどちらの面を受光面または裏面にするかを判定する(ステップS20)。
反射率分布を測定するには、例えばテクスチャー構造2aが形成されたp型単結晶シリコン基板の両面に対して、波長700nmの光に対する反射率を反射率測定装置により多数点測定する。反射率は、p型単結晶シリコン基板の両面に対して、例えばそれぞれ面内における同等の位置の25点で測定される。
つぎに、p型単結晶シリコン基板の両面のそれぞれの反射率の分布が計算され、受光面の判定が行われる。例えば、反射率測定装置が演算・判定部を備える。この演算・判定部は、測定した反射率のデータに基づいて、p型単結晶シリコン基板の各面における反射率の標準偏差などのバラツキの指標を計算する。そして、演算・判定部は、p型単結晶シリコン基板の両面のそれぞれの反射率の分布の広がり(ばらつき)に基づいて、相対的に反射率分布のばらつき(標準偏差など)の小さい面を受光面と判定する。
本実施の形態では、図4−2に示されるp型単結晶シリコン基板の他面側よりも、図4−1に示されるp型単結晶シリコン基板の一面側の方が、反射率分布のばらつき(標準偏差など)が小さくなる。したがって、演算・判定部により、図4−1に示されるp型単結晶シリコン基板の一面側が受光面と判定される。そして、演算・判定部により、相対的に反射率分布のばらつき(標準偏差など)の大きい図4−2に示されるp型単結晶シリコン基板の他面側が裏面と判定される。なお、反射率の測定点の数は特に限定されないが、測定数が多いほど、より正確な反射率の分布を得ることができるため好ましい。
つぎに、半導体基板2にpn接合を形成する(ステップS30、図3−3)。すなわち、リン(P)等のV族元素を半導体基板2に拡散等させて数百nm厚のn型不純物拡散層3を形成する。ここでは、両面にテクスチャー構造2aを形成したp型単結晶シリコン基板に対して、熱拡散によりオキシ塩化リン(POCl)を拡散させてpn接合を形成する。これにより、p型単結晶シリコン基板の全面にn型不純物拡散層3が形成される。
この拡散工程では、p型単結晶シリコン基板を例えばオキシ塩化リン(POCl)ガス窒素ガス、酸素ガスの混合ガス雰囲気中で気相拡散法により例えば800℃〜900℃の高温で数十分間、熱拡散させてp型単結晶シリコン基板の表面層にリン(P)が拡散したn型不純物拡散層3を一様に形成する。半導体基板2の表面に形成されたn型不純物拡散層3のシート抵抗の範囲が30Ω/□〜80Ω/□程度である場合に良好な太陽電池の電気特性が得られる。
つぎに、p型電極である裏面側電極13とn型電極である受光面側電極12とを電気的に絶縁するpn分離を行う(ステップS40、図3−4)。n型不純物拡散層3は、p型単結晶シリコン基板の表面に一様に形成されるので、おもて面と裏面とは電気的に接続された状態にある。このため、裏面側電極13(p型電極)と受光面側電極12(n型電極)を形成した場合には、裏面側電極13(p型電極)と受光面側電極12(n型電極)が電気的に接続される。この電気的接続を遮断するため、p型単結晶シリコン基板の端面領域に形成されたn型不純物拡散層3をドライエッチングによりエッチング除去してpn分離を行う。このn型不純物拡散層3の影響を除くために行う別の方法として、レーザにより端面分離を行う方法もある。
ここで、n型不純物拡散層3の形成直後のp型単結晶シリコン基板の表面には拡散処理中に表面に堆積したガラス質(燐珪酸ガラス、PSG:Phospho-Silicate Glass)層が形成されているため、該リンガラス層をフッ酸溶液等を用いて除去する。これにより、第1導電型層であるp型単結晶シリコンからなる半導体基板2と、該半導体基板2の受光面側に形成された第2導電型層であるn型不純物拡散層3と、によりpn接合が構成された半導体基板11が得られる。
次に、光電変換効率改善のために、p型単結晶シリコン基板の受光面側(n型不純物拡散層3)に反射防止膜4を一様な厚みで形成する(ステップS50、図3−5)。反射防止膜4は、前述したように反射率分布により演算・判定部で受光面として判定された、相対的に反射率分布のばらつきの小さい図4−1に示されるp型単結晶シリコン基板の一面側に形成される。
反射防止膜4の膜厚および屈折率は、光反射を最も抑制する値に設定する。反射防止膜4の形成は、例えばプラズマCVD法を使用し、シラン(SiH)ガスとアンモニア(NH)ガスの混合ガスを原材料に用いて、300℃以上、減圧下の条件で反射防止膜4として窒化シリコン膜を成膜形成する。屈折率は例えば2.0〜2.2程度であり、最適な反射防止膜厚は例えば70nm〜90nmである。なお、反射防止膜4として、屈折率の異なる2層以上の膜を積層してもよい。また、反射防止膜4の形成方法は、プラズマCVD法の他に蒸着法、熱CVD法などを用いてもよい。なお、このようにして形成される反射防止膜4は絶縁体であることに注意すべきであり、受光面側電極12をこの上に単に形成しただけでは、太陽電池セルとして作用しない。
つぎに、受光面側電極12の配置方向を判定する(ステップS60)。図5は、色を判別できる画像センサー(カラーセンサー)により画像処理した反射防止膜4の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側の処理画像である。この処理画像は、反射防止膜4の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側の外観状態を示すものであり、図5に示される処理画像においては、外観良好領域41の中に外観不良領域42と外観不良領域43とが斑模様に見える。
外観不良領域42はテクスチャー構造形成不良領域であり、半導体基板11(n型不純物拡散層3)の受光面側において、例えばテクスチャー構造2aが形成されていない領域、または他の領域と比較してテクスチャー構造2aの形成密度が低い領域である(テクスチャー構造2aの形成状態に起因した外観不良領域)。なお、図5に示される外観不良領域42は、図4−1に示される外観不良領域22に対応している。外観不良領域43は反射防止膜形成不良領域であり、例えば反射防止膜4が形成されていない領域、または外観良好領域41と比較して反射防止膜4の膜厚が異なる領域である(反射防止膜4の形成状態に起因した外観不良領域)。また、外観良好領域41は、半導体基板11(n型不純物拡散層3)の受光面側においてテクスチャー構造2aが均一に形成された領域である。また、ここでは示していないが、テクスチャー構造形成不良領域と反射防止膜形成不良領域とが重なった領域も存在し得る。
外観良好領域41は濃い青系の色に見えるが、外観不良領域42と外観不良領域43とは、色合いまたは色が違って見える。外観不良領域43は、外観良好領域41の反射防止膜4の濃い青系の色よりも淡い青系の色、例えば水色に見える。また、外観不良領域42は、外観不良領域43よりもさらに色が淡くなり、白けた色に見える。なお、外観不良領域42は、テクスチャー構造2aの形成具合に応じて様々な色が発現する。また、外観不良領域43は、反射防止膜4の膜厚に応じて様々な色が発現する。
このように色合いまたは色が違った斑模様が見える状態の反射防止膜4上において、受光面側電極12の配置方向を選択することにより、斑模様による外観の劣化を抑制することができる。すなわち、外観不良領域42における、より多くの領域に受光面側電極12を重ねることにより、受光面側電極12の形成後に斑模様が見える部分の面積を低減して外観の劣化を抑制することができる。また、外観不良領域43における、より多くの領域に受光面側電極12を重ねることにより、受光面側電極12の形成後に斑模様が見える部分の面積を低減して外観の劣化を抑制することができる。
そこで、本実施の形態では、反射防止膜4の形成後において、より外観を良好にできる受光面側電極12の配置方向を、配置可能な複数の受光面側電極12の配置方向から選択・判定する。例えば、カラーセンサーが配置方向判定部を備える。この配置方向判定部は、例えばカラーセンサーにより画像処理された反射防止膜4の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側の処理画像に対して受光面側電極12のパターンデータを重ね合わせて、受光面側電極12の配置方向のシミュレーション図を作製する。このシミュレーション図は、複数の受光面側電極12の配置方向について作製する。
つぎに、配置方向判定部は、それぞれのシミュレーション図に対して、受光面側電極12と外観不良領域(外観不良領域42、外観不良領域43)との重複面積を計算する。そして、配置方向判定部は、それぞれのシミュレーション図における重複面積に基づいて、より重複面積の広い受光面側電極12の配置方向を判定する。なお、受光面側電極12のパターンデータの代わりに表銀バス電極6のパターンデータを用いてもよい。ただし、受光面側電極12のパターンデータを用いることで、表銀バス電極6だけでなく、表銀グリッド電極5も含めて正確な重複領域の面積を計算できる。このため、受光面側電極12のパターンデータを用いることが好ましい。
図6および図7は、配置方向判定部でのシミュレーション処理により作製された、反射防止膜4上における受光面側電極12の配置方向のシミュレーション図である。図6および図7は、図5に示された処理画像に、櫛形を呈する受光面側電極12のパターンデータを重ね合わせたシミュレーション図である。図6においては、表銀バス電極6の延在方向を図5に示された半導体基板11における上辺および下辺と平行な方向(図6におけるX方向)として櫛形の受光面側電極12を配置している。図7においては、表銀バス電極6の延在方向を図5に示された半導体基板11における右辺および左辺と平行な方向(図7におけるY方向)として櫛形の受光面側電極12を配置している。
配置方向判定部は、図6および図7に示されたそれぞれのシミュレーション図に対して、受光面側電極12と外観不良領域(外観不良領域42、外観不良領域43)との重複面積を計算する。そして、配置方向判定部は、それぞれのシミュレーション図における重複面積に基づいて、より重複面積の広い受光面側電極12の配置方向を判定する。この場合には、図7のシミュレーション図よりも図6のシミュレーション図の方が重複面積が広くなるので、配置方向判定部は、受光面側電極12の配置方向を、「表銀バス電極6の延在方向を図6におけるX方向とする配置」と判定する。
受光面側電極12の配置方向の判定後、スクリーン印刷により電極を形成する。まず、受光面側電極12を作製する(焼成前)。すなわち、p型単結晶シリコン基板の受光面である反射防止膜4上に、表銀グリッド電極5と表銀バス電極6との形状に、ガラスフリットを含む電極材料ペーストである銀ペースト12aをスクリーン印刷によって塗布した後、銀ペースト12aを乾燥させる(ステップS70、図3−6)。ここで、スクリーン印刷においては、受光面側電極12の配置方向がステップS60で判定された方向となるようにp型単結晶シリコン基板の方向が設定される。
なお、反射防止膜4の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側では、反射率により色合いまたは色が違って見える。そこで、反射率測定装置により反射防止膜4の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側の反射率を多点測定し、このデータに基づいて反射率分布を計算することにより、反射防止膜4の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側の外観状態を示す図5と同様の処理画像を作製してもよい。
次に、p型単結晶シリコン基板の裏面側にスクリーン印刷によって、裏アルミニウム電極7の形状に電極材料ペーストであるアルミニウムペースト7aを塗布し、さらに裏銀電極8の形状に電極材料ペーストである銀ペースト8aを塗布し、乾燥させる(ステップS80、図3−6)。なお、図中ではアルミニウムペースト7aのみを示しており、銀ペースト8aの記載を省略している。
その後、半導体基板11の受光面側および裏面側の電極ペーストを例えば600℃〜900℃で同時に焼成することで、半導体基板11の表側では銀ペースト12a中に含まれているガラス材料で反射防止膜4が溶融している間に銀材料がシリコンと接触し再凝固する。これにより、受光面側電極12としての表銀グリッド電極5および表銀バス電極6とが得られ、受光面側電極12と半導体基板11のシリコンとの導通が確保される(ステップS90、図3−7)。このようなプロセスは、ファイヤースルー法と呼ばれる。
また、アルミニウムペースト7aも半導体基板11のシリコンと反応して裏アルミニウム電極7が得られ、かつ裏アルミニウム電極7の直下にp+層9を形成する。また、銀ペースト8aの銀材料がシリコンと接触し再凝固して裏銀電極8が得られる(図3−7)。なお、図中では表銀グリッド電極5および裏アルミニウム電極7のみを示しており、表銀バス電極6および裏銀電極8の記載を省略している。
以上のような工程を実施することにより、図1−1〜図1−3に示す本実施の形態にかかる太陽電池セル1を作製することができる。なお、電極材料であるペーストの半導体基板11への配置の順番を、受光面側と裏面側とで入れ替えてもよい。
上述したように、本実施の形態にかかる太陽電池セルの製造方法においては、両面にテクスチャー構造が形成されたp型単結晶シリコン基板の両面における反射率分布を測定し、反射率分布が小さくより外観の良い一面側を受光面側とし、反射率分布が大きくより外観の悪い他面側を裏面として、その後の後工程を実施して太陽電池セルを作製する。これにより、太陽電池セルの外観不良の発生割合を低減することが可能となる。
また、本実施の形態にかかる太陽電池セルの製造方法においては、テクスチャー構造2aが形成されたp型単結晶シリコン基板の受光面側においてテクスチャー構造2aの形成状態および反射防止膜4の形成状態の少なくとも一方に起因した外観不良領域を特定し、この外観不良領域と受光面側電極12のパターンとの重なる面積が広い方向の配置を受光面側電極12の配置可能な複数の配置方向から選択して受光面側電極12を形成する。これにより、受光面側電極12の形成後において外観不良領域が見える部分の面積を低減して外観の劣化を抑制することができる。
したがって、本実施の形態にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、外観の美観性に優れた太陽電池セルを製造することができる。
図8は、本実施の形態にかかる太陽電池セル製造システム100の概略構成を示すブロック図である。太陽電池セル製造システム100は、上述した太陽電池セルの製造方法により外観の美観性に優れた太陽電池セルを製造する。太陽電池セル製造システム100は、テクスチャー構造形成部101と、反射率分布測定部102と、不純物拡散層形成部103と、pn分離部104と、反射防止膜形成部105と、受光面側電極配置方向判定部106と、電極形成部107と、を備える。
テクスチャー構造形成部101は、上述したステップS10の工程を実施して、p型単結晶シリコン基板の受光面側の表面にテクスチャー構造2aを形成する。テクスチャー構造形成部101は、アルカリ低濃度液にIPA(イソプロピルアルコール)を添加した溶液などのエッチング液を貯留したエッチング槽や、エッチング後のp型単結晶シリコン基板の洗浄を行う洗浄槽などを備えて構成される。
反射率分布測定部102は、上述したステップS20の工程を実施して、テクスチャー構造2aの形成後のp型単結晶シリコン基板のどちらの面を受光面または裏面にするかを判定する。反射率分布測定部102は、テクスチャー構造2aが形成されたp型単結晶シリコン基板両面の反射率の測定を行う反射率測定装置と、反射率測定装置での測定結果に基づいてp型単結晶シリコン基板の両面のそれぞれの反射率の分布を計算して、この反射率の分布の広がり(ばらつき)に基づいて受光面・裏面の判定を行う演算・判定部などを備えて構成される。
不純物拡散層形成部103は、上述したステップS30の工程を実施して、n型不純物拡散層3を形成し、pn接合を形成する。不純物拡散層形成部103は、例えば熱拡散炉などを備えて構成される。
pn分離部104は、上述したステップS40の工程を実施して、pn分離を行う。pn分離部104は、ドライエッチング装置やレーザ装置などを備えて構成される。
反射防止膜形成部105は、上述したステップS50の工程を実施して、p型単結晶シリコン基板の受光面側の面に反射防止膜4を形成する。反射防止膜形成部105は、プラズマCVD装置などを備えて構成される。
受光面側電極配置方向判定部106は、上述したステップS60の工程を実施して、受光面側電極12の配置方向を判定する。受光面側電極配置方向判定部106は、色を判別して画像処理できる外観不良特定部としての画像センサー(カラーセンサー)と、配置方向判定部などを備えて構成される。配置方向判定部は、例えばカラーセンサーにより画像処理された反射防止膜4の形成後のp型単結晶シリコン基板の受光面側の処理画像に対して受光面側電極12のパターンデータを重ね合わせて、受光面側電極12の配置方向のシミュレーション図を作製する。また、配置方向判定部は、シミュレーション図に対して、受光面側電極12と外観不良領域との重複面積を計算し、この計算結果に基づいて、より重複面積の広い受光面側電極12の配置方向を判定する。
電極形成部107は、上述したステップS70〜ステップS90の工程を実施して、受光面側電極12および裏面側電極13を形成する。電極形成部107は、受光面側電極配置方向判定部106で判定された配置方向で受光面側電極12を形成する。電極形成部107は、スクリーン印刷機や焼成炉などを備えて構成される。
p型単結晶シリコン基板は、図8における矢印の方向に順次各機能部に搬送され、処理が行われる。また、これらの各機能部間には、基板を搬送し、所定の方向(表裏方向、水平方向)で装置に配置する搬送機構を有する。
このような構成を有することで、本実施の形態にかかる太陽電池セル製造システム100は、上述した太陽電池セルの製造方法により外観の美観性に優れた太陽電池セルを製造することができる。
以上のように、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、外観の美観性に優れた太陽電池セルの製造に有用である。
1 太陽電池セル
2 半導体基板
2a テクスチャー構造
3 n型不純物拡散層
4 反射防止膜
5 表銀グリッド電極
6 表銀バス電極
7 裏アルミニウム電極
7a アルミニウムペースト
8 裏銀電極
8a 銀ペースト
9 p+層(BSF(Back Surface Field))
11 半導体基板
12 受光面側電極
12a 銀ペースト
13 裏面側電極
21 外観良好領域
22 外観不良領域
31 外観良好領域
32 外観不良領域
33 外観不良領域
41 外観良好領域
42 外観不良領域
43 外観不良領域
100 太陽電池セル製造システム
101 テクスチャー構造形成部
102 反射率分布測定部
103 不純物拡散層形成部
104 pn分離部
105 反射防止膜形成部
106 受光面側電極配置方向判定部
107 電極形成部

Claims (13)

  1. 第1導電型の半導体基板の両面にテクスチャー構造を形成する第1工程と、
    前記テクスチャー構造が形成された前記半導体基板の両面における反射率分布を測定する第2工程と、
    前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の小さい一面側に第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する第3工程と、
    前記不純物拡散層に電気的に接続する所定のパターンの受光面側電極を前記不純物拡散層上に形成する第4工程と、
    前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の大きい他面側に裏面側電極を形成する第5工程と、
    を含み、
    前記第4工程では、前記半導体基板の一面側における前記テクスチャー構造の形成状態に起因した第1外観不良領域を特定し、前記第1外観不良領域と前記受光面側電極のパターンとの重なる面積が広い配置方向を前記受光面側電極の配置可能な複数の配置方向から判定して前記受光面側電極を形成すること、
    を特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  2. 前記第1外観不良領域は、前記半導体基板の一面側において前記テクスチャー構造が形成されていない領域または他の領域と比較して前記テクスチャー構造の形成密度が低い領域であること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。
  3. 前記半導体基板の一面側の面内における色合いまたは色の違いにより前記第1外観不良領域を特定すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池セルの製造方法。
  4. 前記半導体基板の一面側の面内における反射率分布により前記第1外観不良領域を特定すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池セルの製造方法。
  5. 第1導電型の半導体基板の両面にテクスチャー構造を形成する第1工程と、
    前記テクスチャー構造が形成された前記半導体基板の両面における反射率分布を測定する第2工程と、
    前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の小さい一面側に第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する第3工程と、
    前記不純物拡散層に電気的に接続する所定のパターンの受光面側電極を前記不純物拡散層上に形成する第4工程と、
    前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の大きい他面側に裏面側電極を形成する第5工程と、
    を含み、
    前記第3工程と前記第4工程との間において前記不純物拡散層上に反射防止膜を形成し、
    前記第4工程では、前記半導体基板の一面側における前記テクスチャー構造の形成状態および前記反射防止膜の形成状態の少なくとも一方に起因した第2外観不良領域を特定し、前記第2外観不良領域と前記受光面側電極のパターンとの重なる面積が広い配置方向を前記受光面側電極の配置可能な複数の配置方向から判定して前記受光面側電極を形成すること、
    を特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  6. 前記第2外観不良領域は、前記半導体基板の一面側において前記テクスチャー構造が形成されていない領域もしくは他の領域と比較して前記テクスチャー構造の形成密度が低い領域であるテクスチャー構造形成不良領域、または前記半導体基板の一面側において前記反射防止膜が形成されていない領域もしくは他の領域と比較して前記反射防止膜の膜厚が異なる領域である反射防止膜形成不良領域、または前記テクスチャー構造形成不良領域と前記反射防止膜形成不良領域とが重なった領域であること、
    を特徴とする請求項5に記載の太陽電池セルの製造方法。
  7. 前記半導体基板の一面側の面内における色合いまたは色の違いにより前記第2外観不良領域を特定すること、
    を特徴とする請求項5または6に記載の太陽電池セルの製造方法。
  8. 前記半導体基板の一面側の面内における反射率分布により前記第2外観不良領域を特定すること、
    を特徴とする請求項5または6に記載の太陽電池セルの製造方法。
  9. 両面にテクスチャー構造が形成された第1導電型の半導体基板の両面における反射率分布を測定する反射率分布測定部と、
    前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の小さい一面側に第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する不純物拡散層形成部と、
    前記不純物拡散層に電気的に接続する所定のパターンの受光面側電極を前記不純物拡散層上に形成し、前記半導体基板の両面のうち前記反射率分布の大きい他面側に裏面側電極を形成する電極形成部と、
    を備え、
    前記電極形成部は、
    前記不純物拡散層が形成され、且つ前記受光面側電極が未形成の前記半導体基板の一面側における外観不良領域を特定する外観不良特定部と、
    前記外観不良領域と前記受光面側電極のパターンとの重なる面積が広い配置方向を前記受光面側電極の配置可能な複数の配置方向から判定する配置方向判定部と、
    を有することを特徴とする太陽電池セル製造システム。
  10. 前記不純物拡散層上に反射防止膜を形成する反射防止膜形成部をさらに備え、
    前記外観不良特定部は、前記不純物拡散層が形成され、さらに前記反射防止膜が形成され、且つ前記受光面側電極が未形成の前記半導体基板の一面側における外観不良領域を特定すること、
    を特徴とする請求項9に記載の太陽電池セル製造システム。
  11. 前記外観不良領域は、前記半導体基板の一面側において前記テクスチャー構造が形成されていない領域もしくは他の領域と比較して前記テクスチャー構造の形成密度が低い領域であるテクスチャー構造形成不良領域であること、
    を特徴とする請求項9または10に記載の太陽電池セル製造システム。
  12. 前記外観不良領域は、前記半導体基板の一面側において前記反射防止膜が形成されていない領域もしくは他の領域と比較して前記反射防止膜の膜厚が異なる領域である反射防止膜形成不良領域、または前記半導体基板の一面側において前記テクスチャー構造が形成されていない領域もしくは他の領域と比較して前記テクスチャー構造の形成密度が低い領域であるテクスチャー構造形成不良領域と前記反射防止膜形成不良領域とが重なった領域であること、
    を特徴とする請求項10に記載の太陽電池セル製造システム。
  13. 前記外観不良特定部は、前記半導体基板の一面側の面内における色合いもしくは色の違いまたは前記半導体基板の一面側の面内における反射率分布により前記外観不良領域を特定すること、
    を特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の太陽電池セル製造システム。
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