JP5622910B1 - 液体吐出ポンプ - Google Patents

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【課題】 シリンダにピストンを挿通する挿通口から液体が漏れない液体吐出ポンプを提供する。【解決手段】 本発明に液体吐出ポンプ1は、液体貯蔵容器2から注入された液体を吐出する液体吐出ポンプ1であって、軸が鉛直方向を向くように配置されるシリンダ10と、シリンダ10内に上下動可能に挿入されるピストン20とを備え、シリンダ10は、側面10aに液体貯蔵容器2からの液体が導入される注入口11を有すると共に、上端10cにピストン20を挿通する挿通口13を有し、挿通口13は、液体貯蔵容器2内の液体の最高水位よりも上方に位置される。【選択図】 図1

Description

本発明は、液体吐出ポンプに関するものである。
従来から、液体を吐出するための液体吐出ポンプとして、シリンダ内に液体を入れ、ピストンによってその液体を吐出させる液体吐出ポンプが知られている(例えば、特許文献1)。このような液体吐出ポンプは、一般的に、一端に液体を導出する吐出口を有すると共に、他端側側面に液体を導入する注入口を有するシリンダが、軸が床面に対して水平になるように設置されており、シリンダの他端からピストンが挿入されている。
特開2011−74764号公報
しかしながら、従来の液体吐出ポンプでは、シリンダの軸が水平方向を向いていることで、シリンダ内に注入された液体が、シリンダにピストンを挿通するための挿通口に向かっても流れるため、挿通口をパッキン等で密封していても、パッキン等の摩耗や劣化によって、挿通口から液体が漏れるという問題が生じていた。
また、このような液体吐出ポンプを、シリンダの吐出口が下向きになるように立てて使用することも考えられてきた。しかしながら、通常、注入口には、シリンダに注入する液体を貯蔵する液体貯蔵容器の下部が連接されるため、挿通口が注入口の近くに設けられている一般的なポンプでは、液体貯蔵容器の液面よりも挿通口の位置が下側となる。その結果、シリンダ内に注入された液体は、挿通口まで達し、依然として挿通口から液体が漏れるという問題が生じていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、シリンダにピストンを挿通する挿通口から液体が漏れない液体吐出ポンプを提供する。
本発明に係る液体吐出ポンプは、液体貯蔵容器から注入された液体を吐出する液体吐出ポンプであって、軸が鉛直方向を向くように配置されるシリンダと、前記シリンダ内に上下動可能に挿入されるピストンとを備え、前記シリンダは、側面に前記液体貯蔵容器からの液体が導入される注入口を有すると共に、上端に前記ピストンを挿通する挿通口を有し、前記挿通口は、前記液体貯蔵容器内の液体の最高水位よりも上方に位置される。
本発明の液体吐出ポンプは、シリンダ内にピストンを挿入するための挿通口が液体貯蔵容器内の液体の最高水位よりも上方に位置している。そのため、シリンダ内に導入された液体は、挿通口まで達せず、挿通口から液体が漏れることを防止することができる。
上記液体吐出ポンプにおいて、挿通口は、ピストンの移動距離だけ液体貯蔵容器内の液体の最高水位より上方に位置されることができる。このような構成とすることで、ピストンを引き上げた際にピストンに付着した液体が挿通口に達することも防止することができ、より確実に挿通口から液体が漏れることを防止することができる。
上記液体吐出ポンプにおいて、シリンダは、注入口より上方の側面に空気流通口を有しており、空気流通口が、液体貯蔵容器と連通することができる。このような構成とすることで、液体貯蔵容器全体を真空脱泡した場合であっても、空気流通口を介してシリンダと液体貯蔵容器との間で空気が流通することでシリンダの上部に空気を確保することができる。その結果、シリンダ内に注入された液体が、液体貯蔵容器の液体の最高水位に相当する高さ位置を超えて上昇することなく、より確実に液体が漏れることを防止することができる。
本発明の液体吐出ポンプによると、シリンダにピストンを挿通する挿通口から液体が漏れることを防止することができる。
本発明に係る液体吐出ポンプの一実施形態を示す部分断面正面図である。 図1の液体吐出ポンプの口径調節管を変更した実施形態を示す液体吐出ポンプの下部を拡大した部分断面正面図である。 図1の液体吐出ポンプの口径調節管を変更した実施形態を示す液体吐出ポンプの下部を拡大した部分断面正面図である。 図1の液体吐出ポンプの口径調節管を変更した実施形態を示す液体吐出ポンプの下部を拡大した部分断面正面図である。
以下、本発明に係る液体吐出ポンプ1の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ポンプ1は、並設される液体貯蔵容器2から注入された液体を吐出するものである。
図1に示すように、本発明に係る液体吐出ポンプ1は、軸が鉛直方向を向くように配置される円筒状のシリンダ10と、シリンダ10内に上下動可能に挿入されるピストン20とを備えている。
シリンダ10は、側面10aの下部に液体貯蔵容器2から液体を導入するための注入口11が形成されている。そして、下端10bに液体を導出するための吐出口12を有し、上端10cにピストン20を挿し通すための挿通口13を有している。また、シリンダ10の側面10aの上部、つまり注入口11より上方の側面10aには、液体貯蔵容器2との間で空気を連通させるための空気流通口14が形成されている。
注入口11および空気流通口14にはそれぞれ、注入管3および空気流通管4の一端が連接されており、注入管3の他端が液体貯蔵容器2の下部に、空気流通管4の他端が液体貯蔵容器2の上部にそれぞれ連接されている。この注入管3および空気流通管4によって、シリンダ10は、軸が鉛直方向に向いて、液体貯蔵容器2と並んだ状態で支持される。
シリンダ10は、液体貯蔵容器2と並んで支持された状態で、シリンダ10の上端10c、つまり挿通口13が液体貯蔵容器2内の液体の最高水位を超えるような軸方向長さで形成されている。本実施形態では、挿通口13は、ピストン20の移動距離だけ液体貯蔵容器2内の液体の最高水位から上側の位置に設けられている。ここで、ピストン20の移動距離とは、ピストン20が最も引き上げられる位置から最も押し下げられる位置までの距離で、本実施形態では、ピストン20が最も引き上げられる注入口13の上方付近から、ピストン20が最も押し下げられる吐出口12付近までの距離をいう。なお、ピストン20が最も引き上げられる位置および最も押し下げられる位置はそれぞれ、注入口13の上部付近および吐出口12付近に限られず、液体吐出ポンプ1の仕様により適宜設定できるものである。
挿通口13には、ピストン20を上下動可能に取り付けるための軸受30が取り付けられている。軸受30は、本体31と、Vパッキン32と、Vパッキン押えボルト33とから構成されている。
本体31は、シリンダ10の内径と略同等の外径を有する円筒状に形成されており、軸方向の中央より下側の位置に半径方向に突出するフランジ311が設けられている。本体31は、フランジ311より下側をシリンダ10内に嵌め込み、フランジ311がシリンダ10の上端10cに当接する場所で固定される。本体31の内径は、後述するピストンロッド22の外径と略同等の大きさに形成されており、ピストンロッド22を挿通可能となっている。そして、軸方向の中間より下側の位置から、径が大きくなり、この部分にVパッキン保持部312が形成されている。Vパッキン保持部312の上部には、雌ネジ部313が形成されている。Vパッキン32は、Vパッキン保持部312に挿入され、雌ネジ部313にVパッキン押えボルト33をねじ込むことによって、本体31に取り付けられている。なお、軸受30の構成は、上記の構成に限られず、パッキン等で密封した状態でピストン20を上下動可能に保持できる構成であれば、任意の構成を採用することができる。
図1〜図3に示すように、吐出口12には、口径を調節するための口径調節管40a,40b,40cのいずれかが取り付けられている。口径調節管40a,40b,40cは、シリンダ10の内径と略同等の外径を有する円筒状に形成されており、中空の内部が液体の吐出路401a,401b,401cとなっている。この口径調節管40a,40b,40cは、図1に示す内径が最も大きく吐出路401aが最も広くなる口径調節管40a、図2に示す内径が中間で吐出路401bも中間である口径調節管40b、図3に示す内径が最も小さく吐出路401cが最も狭くなる口径調節管40cのように、内径のサイズが異なるものが複数準備され、吐出量に応じて所望の口径の吐出路401a,401b,401cとなるように、口径調節管40a,40b,40cを選択できるようになっている。
この口径調節管40a,40b,40cは、シリンダ10内に挿入された後、調節管取付部材41によってシリンダ10に取り付けられる。具体的には、調節管取付部材41は、上部が大きい外径を有し、下部が小さい外径を有する筒状に形成されている。調節管取付部材41の内径は、内径の最も大きい口径調節管40aの内径に合わせて形成されており、上部の段部において口径調節管40a,40b,40cの外径まで半径方向に広がって、口径調節管40a,40b,40cを保持するようになっている。口径調節管40a,40b,40cを取り付ける際には、調節管取付部材41に口径調節管40a,40b,40cを保持した状態で、口径調節管40a,40b,40cをシリンダ10内の注入口11より下側部分に挿入する。そして、シリンダ10の下端10bに形成されたフランジ15に調節管取付部材41の上面を合わせ、固定部材42によって固定することで、口径調節管40a,40b,40cがシリンダ10に取り付けられる。
このように、複数の内径を有する口径調節管40a,40b,40cを準備し、固定部材42および調節管取付部材41の取り付けおよび取り外しで簡単に口径調節管40a,40b,40cを差し替え可能とすることで、吐出口12の口径を簡単に変えることができる。
次に、ピストン20について説明する。ピストン20は、吐出路401a,401b,401c内に侵入し液体を押し出すためのピストンヘッド21a,21b,21cと、ピストンヘッド21a,21b,21cに一体的に取り付けられ、ピストンヘッド21a,21b,21cを上下動するためのピストンロッド22とから構成されている。本実施形態では、ピストン20は、例えば、66ナイロンやステンレス鋼(SUS)等により形成されている。
図1〜図3に示すように、ピストンヘッド21a,21b,21cはそれぞれ、吐出路401a,401b,401cの口径に応じた複数の外径で形成されている。ピストンヘッド21a,21b,21cは、ピストンロッド22に任意の態様で着脱自在となっており、口径調節管40a,40b,40cを変えて吐出路401a,401b,401cの口径が変わると、それに対応したピストンヘッド21a,21b,21cを選択可能となっている。
ピストンロッド22は、棒状に形成されており、ピストン20が最も押し下げられた状態で、上部が軸受30の上方へと突出する長さに形成されている。ピストンロッド22の上部は、軸受30により保持されている。そして、ピストンロッド22のシリンダ10から上方に突出する部分に、既知の駆動機構(図示せず)が取り付けられており、駆動機構によって上下動されるようになっている。また、ピストンロッド22の下部は、ピストンヘッド21a,21b,21cを着脱自在に取り付けられるように構成されている。一例として、ピストンロッド22の下端に雌ネジが形成されており、ピストンヘッド21a,21b,21cに雌ネジに螺合されるボルトが取り付けられており、ピストンヘッド21a,21b,21cのボルトをピストンロッド22の雌ネジにねじ込むことによって、ピストンヘッド21a,21b,21cをピストンロッド22に着脱自在に固定できるようになっている。
また、ピストンロッド22の中央付近および下部はそれぞれ、シリンダ10内に嵌め込まれるようにして取り付けられたガイド軸受16,17によって保持されている。これにより、ピストンロッド22が左右に揺れ動かずに上下動でき、スムーズに口径調節管40内に侵入できるようになっている。なお、ガイド軸受16は、シリンダ10およびピストンロッド22が短く、ピストンロッド22が左右に揺れ動くおそれがない場合には設ける必要はない。
以上のように、本実施形態では、シリンダ10内にピストン20を挿入するための挿通口13が液体貯蔵容器2内の液体の最高水位よりも上方に位置している。通常、液体貯蔵容器2とシリンダ10とを同気圧に維持すると、液体貯蔵容器2内の液面とシリンダ10内に注入された液面とは略同一の高さとなる。本実施形態では、この原理を利用し、液体貯蔵容器2内において最も液体の水位の高くなる最高水位よりも、挿通口13を高くしたことで、シリンダ10内に導入された液体は、挿通口13まで達せず、挿通口13から液体が漏れることを防止することができる。
さらに、本実施形態では、挿通口13を、ピストン20の移動距離分だけ液体貯蔵容器2内の液体の最高水位から上側の位置に設けている。これにより、シリンダ10内において、液体貯蔵容器2内の液体の最高水位と同水位まで液体が上昇している中でピストン20を上下動させた場合でも、ピストン20が最も押し下げられた状態でピストン20に付着した液体が、ピストン20が最も引き上げられた際に挿通口13に達することがなく、挿通口13からの液漏れをさらに確実に防止することができる。
また、シリンダ10は、注入口13より上方の側面10aに空気流通口14を有しており、空気流通口14が、空気流通管4を介して液体貯蔵容器2と連通している。例えば、本実施形態の液体吐出ポンプ1によって樹脂(液体)を吐出しようとする場合、液体貯蔵容器2内に樹脂を貯蔵している段階で真空脱泡する。この場合、空気流通管4が設けられていないと、シリンダ10の上部の空気がなくなり、シリンダ10内に注入された樹脂が、挿通口13まで上昇する。しかしながら、本実施形態では、上記構成を備えるため、液体貯蔵容器2全体を真空脱泡した場合であっても、空気流通口14を介してシリンダ10と液体貯蔵容器2との間で空気が流通することでシリンダ10の上部に空気を確保することができる。その結果、シリンダ10内に注入された液体が、液体貯蔵容器2内の液体の最高水位を超えて上昇することなく、真空脱泡を必要とする樹脂に対して液体吐出ポンプ1を使用する場合でも確実に液体が漏れることを防止することができる。
さらに、図1に示すように、貯蔵容量の異なる液体貯蔵容器2,5を、高さが一定で、幅を異ならせて設計することで、貯蔵容量の異なる液体貯蔵容器2,5に対しても同一の規格の液体吐出ポンプ1を使用することができ、液体吐出ポンプ1の規格数を最小限に抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、口径調節管40a,40b,40cはシリンダ10内の注入口11より下側部分に取り付けられているが、口径調節管40a,40b,40cの取付位置は、必ずしも注入口11より下側部分に限られない。例えば、ピストン20が炭化ケイ素により形成される場合、ピストン20が最も引き上げられた状態で、ピストンヘッド21dが口径調節管40d内に保持されることが好ましい。このような場合には、図4に示すように、口径調節管40dは、注入口11の上方までシリンダ10内に挿入されて取り付けることができる。この場合、口径調節管40dには、注入口11からの液体を吐出路401dへと流通させるために、シリンダ10内に挿入された場合に注入口11と対向する位置に開口402dが形成される。なお、口径調節管40dは、口径調節管40a,40b,40cと同様に複数のサイズの内径とすることができる。また、ピストンヘッド21dが常時口径調節管40d内に維持されため、口径調節管40d内にスムーズにピストンヘッド21dを挿し込むためのガイド軸受17が不要となり、ガイド軸受17を設ける必要がなくなる。
また、上記実施形態では、シリンダ10を円筒状に形成し、シリンダ10内に挿入される軸受30の本体31および口径調節管40もそれぞれ円筒状としているが、シリンダ10、本体31および口径調節管40は、中空筒状であれば、軸方向に直交する断面形状は円形に限られず任意の形状とすることもできる。この場合、本体31および口径調節管40が、シリンダ10内に隙間なく挿入できるように、シリンダ10、本体31および口径調節間40が形成されていれば良い。
1 液体吐出ポンプ
2 液体貯蔵容器
10 シリンダ
10a 側面
10c 上端
11 注入口
13 挿通口
14 空気流通口
20 ピストン

Claims (2)

  1. 液体貯蔵容器から注入された液体を吐出する液体吐出ポンプであって、
    軸が鉛直方向を向くように配置されるシリンダと、
    前記シリンダ内に上下動可能に挿入されるピストンとを備え、
    前記シリンダは、側面に前記液体貯蔵容器からの液体が導入される注入口を有すると共に、上端に前記ピストンを挿通する挿通口を有し、
    前記挿通口は、前記ピストンの移動距離だけ前記液体貯蔵容器内の液体の最高水位よりも上方に位置される液体吐出ポンプ。
  2. 前記シリンダは、前記注入口より上方の側面に空気流通口を有しており、
    前記空気流通口が、前記液体貯蔵容器と連通する請求項1に記載の液体吐出ポンプ。
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