JP5622894B2 - 増粘剤 - Google Patents

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Description

本発明は、各種乳化製品、固体分散製品に使用される乳化・分散安定化性に優れ、高い増粘性を有する微生物多糖類系増粘剤に関する。
一般に乳化製品、微細固形物の分散型製品には、乳化系の分離防止、固形分散物の沈降防止および浮上防止、取り扱い易い適度な粘性の付与等を目的に種々の増粘剤が使用されている。例えば、乳液や化粧水では広範囲に薄く塗るために低粘度でのびが良いこと、クリームや美容液では部分的に塗るために適度な粘度があること、パック化粧料やマッサージ化粧料では流れ落ちない程度の粘性を必要とする等、使用目的により様々な粘度特性が要求されている。また、乳化製品や微細固形物の分散型製品等は、水と各種油剤、高級アルコール、顔料等の互いに溶け合わない原料を乳化または分散させているため、その乳化状態や分散状態を長期間維持し、分離を防止するために増粘剤が配合されている。
化粧料に用いられる増粘剤には、アクリル酸系ポリマーなどの合成ポリマー、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースなどの天然物を加工したもの、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、カラヤガム等の植物由来の多糖類、キサンタンガム等の微生物由来の多糖類が用いられている。特に、従来から比較的少量で高い増粘効果を得る目的で天然物を加工したものや微生物産生多糖類が多く使用されてきた。しかし、微生物産生多糖類系の増粘剤は、温度が高くなると粘性が急速に低下する欠点がある。
そこで、微生物産生多糖類の粘性特性を改善する方法が提案され、例えば、低濃度の増粘剤配合により高粘性を得る方法として微生物由来の多糖類であるジェランガムと他の多糖類を配合して粘性を高める方法(特開平10−215795号公報)、粉末状キサンタンガムを加熱処理もしくは湿熱処理して高粘性キサンタンガムを得る方法(特開平10−33125号公報、特開2000−7705号公報)等がある。しかし、未だ十分に満足できる増粘剤は得られておらず、より高性能化が求められている。
本発明者らは、上記の問題点を改善し、少量で高い増粘性を与え、温度の上昇による粘性の急速な低下のない優れた多糖類系増粘剤として、フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構成単糖として含む多糖類をpHが8以上の水溶液中、60〜180℃で加熱処理して得られる多糖類を有効成分とする増粘剤を提案した(特願2000−313517号)。
しかし、フラスコスケールでの生産は可能であるが、そのまま工業的な規模での生産すると生産ロットによって得られる増粘剤の粘度にバラツキがみられるという問題点があった。
本発明の目的は、かかる問題点を解決して、実際に工業的な規模での生産が可能であり、かつ、乳化・分散安定化性に優れた増粘剤を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決するために、多糖類増粘剤の工業的な規模での製造方法の改善について鋭意研究を重ねた結果、特定の多糖類をアルカリ水溶液中で加熱処理した後、強い剪断力を伴わない方式で冷却することにより、より高い粘度を有し、しかも温度上昇による粘度の急激な低下がなく、乳化・分散安定化性に優れた多糖類が得られることを見いだして、本発明を完成させるに至った。
すなわち、請求項1に係る発明は、実質的にフコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構成単糖として含む多糖類を、pHが8以上の水溶液中、60〜180℃で加熱処理した後、撹拌翼の先端速度が2.0m/s以下の回転速度に保持しながら冷却するか、または撹拌による剪断力を加えずに冷却する方法によって得られた多糖類を有効成分として含む増粘剤である。
請求項2に係る発明は、多糖類がモル比でフコース:グルコース:グルクロン酸:ラムノース=1〜2:1〜4:1〜2:1〜2である請求項1記載の増粘剤。
請求項3に係る発明は、多糖類が主鎖としてグルコース、グルクロン酸、ラムノースにて構成され、さらにフコースが側鎖に結合している構造を有する請求項1又は2記載の増粘剤。
請求項4に係る発明は、多糖類が、アルカリゲネス
レータス B−16株の産生する多糖類である請求1ないし3のうちのいずれか記載の増粘剤の製造方法である。
請求項5に係る発明は、撹拌による剪断力を加えずに冷却する方法が、冷却した蛇管内を加圧下通過させる方法である請求項1ないし4のうちのいずれか記載の増粘剤。
本発明の増粘剤は、従来の増粘剤に比べて、少量で高い粘性を示し、高温、長時間でも粘性を維持し、しかも乳化・分散安定化性に優れている。そのため、化粧品、医薬品、食品、塗料、インク、農薬等の乳化製品の増粘、乳化・分散安定化に好適に使用できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の増粘剤は、実質的にフコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構成単糖として含む多糖類をpHが8以上のアルカリ水溶液中、60〜180℃で加熱処理した後、強い剪断力を伴わない方法で冷却して得られた多糖類を有効成分として含む増粘剤である。アルカリ加熱処理を施した多糖類は高温で高い粘度を保持しているが、これを冷却する際に、冷却効率を高める観点から強力な撹拌下に行った場合には、無撹拌ないしは緩慢な撹拌下に行った場合と比べて増粘効果が小さく、温度による粘性の変化が大きくなる。
本発明に用いられる多糖類は、実質的にフコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構成単糖として含む多糖類で、好ましくは下記式(1)に示されるようなグルコース、グルクロン酸、ラムノースからなる繰返し構造の主鎖からなり、1つのグルコースに1つのフコースが分岐した構造を有する多糖類である。
Figure 0005622894
本発明に用いられる多糖類は、微生物産生の多糖類として得られるものである。一般に微生物は、2種以上の多糖類を産生することが多いために本発明に使用される多糖類に他の多糖類が含まれていても本発明の効果を妨げるものでなければ、他の多糖類が含まれることを妨げるものではない。
多糖類を産生する微生物は、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリゲネス レータス B−16株細菌(FERM BP−2015号)がある。
本発明の多糖類の製造は、例えば、アルカリゲネス レータス B−16株細菌の場合、次のように行われる。
アルカリゲネス レータス B−16株細菌は、通常の微生物の培養方法で培養され、例えば、炭素源にフラクトース、グルコース、シュークロースなどの単糖類、ヘミセルロース、デンプン、コーンスターチなどの天然高分子、オリーブ油脂などの油類を、窒素源に尿素、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの無機体窒素源、トリプトン、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、麦芽エキスなどの有機体窒素源を用い、その他リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩類を加えた培地を用い、初発pHが4〜10、培養温度が15〜40℃で通気攪拌液体培養を3〜10日間行なう。培養後、該培養液に約2倍量(容量)以上のアセトン、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を入れ、培養産生物を不溶性の凝集物として回収する。
アルカリゲネス レータス B−16株細菌の生産する多糖類には、少なくとも2種の多糖類が含まれていることが確かめられており、一つは、本発明の多糖類である前記式(1)に示すようなグルコース、グルクロン酸、ラムノースからなる繰返し構造の中の1つのグルコースに1つのフコースが分岐した構造を有する多糖類であり、他の一つは、下記(2)で示される実質的にフコースとマンノースを構成単糖とする構造の繰り返しの多糖類である〔1998年度日本農芸化学会大会要旨集、371頁参照。Y.Nohata,J.Azuma,R.Kurane,Carbohydrate
Research 293,213〜222(1996)参照〕
Figure 0005622894
上記式(2)で示される多糖類が、本発明の多糖類である上記式(1)の多糖類中に含まれていてもその効果を妨げないため、上記式(2)で示される多糖類を除去することなく、アルカリゲネス レータス B−16株細菌の生産する多糖類を使用することができる。
本発明に係る多糖類にアルカリ加熱処理を施す際の多糖類水溶液のpHは、アルカリ性物質を加えてpHを8以上、好ましくはpH11以上、さらに好ましくはpH12以上とする。水溶液のpHが7未満の酸性条件下では、該多糖類の分子鎖の切断が激しく、本発明の意図する増粘効果及び乳化・分散効果を得ることができない場合がある。
アルカリ加熱処理温度は、60℃〜180℃、好ましくは80〜160℃、より好ましくは100〜140℃である。60℃未満では、加熱時間を長くしても増粘効果が得られない場合がある。また、180℃を越えると、多糖類の分解が過度に進むことがあり好ましくないことがある。当然のことながら、100℃以上の場合で大量に生産する場合には、加熱処理にジャーファーメンターの様な耐熱容器を用いる必要がある。加熱時間は、pH、処理温度、目的の粘度特性によって、適宜決定されるものであるが、通常10〜120分である。又、途中でサンプリングして粘度を測定することによって、所定粘度の多糖類を得ることもできる。
本発明に係る多糖類のアルカリ加熱処理において、該多糖類の水溶液濃度は0.01〜3重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の濃度である。3重量%を越える濃度では、水溶液の粘度が高くて取り扱い性が悪くなる場合がある。また、0.01重量%以下の濃度では、濃度が低く製造効率が低く好ましくない。
多糖類にアルカリ加熱処理を施したならば、引き続いて本発明に従って撹拌翼の先端速度が2.0m/s以下の回転速度に保持しながら冷却するか、又は撹拌による剪断力を加えずに冷却する方法が適用される。)具体的には、ジャーファーメンターの容器内を撹拌することなくジャーファーメンターの容器外を水等の冷媒で外部冷却する方法、あるいはジャーファーメンター容器内の冷却コイルに冷媒を通しながら、撹拌翼の先端速度が2.0m/s以下の回転速度で撹拌冷却する方法、ジャーファーメンター容器から冷媒冷却した蛇管(冷却用コイル)内に圧入して冷却する方法等が挙げられる。大きなジャーファーメンター容器での冷却では、先端速度の低い、低撹拌速度では冷却に時間がかかり、目的とする粘度を持つ多糖類が得られなく、好ましくはない。撹拌冷却時の撹拌翼の形状は特に限定されるものではなく、ジャーファーメンター等の容器を考慮してプロペラ型、リボン型、ブレード型等の形状のものが適宜選択される。また、冷却に用いる蛇管(冷却用コイル)の口径、長さ、材質、形状は特に限定されるものではなく、冷却到達温度、冷却処理量、時間等の条件を考慮して適宜選択されるものである。本発明の特徴は、アルカリ加熱処理を施した多糖類水溶液を冷却する際に、撹拌等による剪断力を実質伴わないか、あるいは撹拌等による剪断力を小さくして冷却する点にあり、好ましくは、剪断力の伴わない蛇管(冷却用コイル)に圧入する方法である。
撹拌冷却時の撹拌翼の先端速度が2.0m/sを越えると、アルカリ加熱処理して得られる多糖類の粘性の増加が少なく、しかもアルカリ加熱処理前の該多糖類よりも温度による粘性の変化が大きくなるうえに、粘度の経時変化も大きくなり好ましくない。また、必要以上の撹拌冷却の継続も好ましくない。
冷却目標温度は、特に限定されたものではないが、通常、40℃〜室温を目安に適宜選択されれば良い。
アルカリ加熱処理を施した多糖類水溶液の冷却温度が40℃〜室温に達したならば、無機酸(硫酸、塩酸)の水溶液を加えて中和し、次いで攪拌下に約3倍量(容量)のアセトン、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を加えて、加熱処理された多糖類を凝集物として析出させ、ろ過、減圧乾燥することにより、目的とする増粘剤が容易に単離される。
アルカリ加熱処理を施した多糖類は、これを強い剪断力を伴わない方式で冷却することにより)少量で高い増粘性を持ち、さらに乳化製品の乳化安定化性、個体分散製品の分散安定化性に優れるために、化粧品、医薬品、食品、塗料、インク、農薬などの広い分野で適用できるようになった。
また、本発明の増粘剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の増粘剤と混合して用いることも、何ら妨げるものではない。
本発明で用いられる多糖類は、分子量1千万以上と極めて高分子であるため、アルカリ水溶液の形態で高温処理すると、分子が伸びた状態になり、増粘性が高くなる。しかし、冷却時に強力に撹拌して剪断力をかけると、伸びた分子鎖が剪断力により切断し、さらに分子の一部の立体構造に変化が起こるため、粘度が低下し増粘効果が得られなくなると考えられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[アルカリゲネス
レータス B−16株細菌の培養]
アルカリゲネス
レータス B−16(FERM BP2015)株を肉エキス0.5%、ペプトン1%、食塩0.3%からなる培地1Lに接種し、30℃,24時間、振盪培養し、これを種として300L容量のジャーファーメンターに下記組成の培養培地200Lを入れ、で30℃,144時間通気撹拌(通気量:200L/min、撹拌数:250rpm)培養した。
<培養培地の組成>
グルコース 〔和光純薬工業(株)製 試薬〕 4.00kg
リン酸水素二カリウム 〔和光純薬工業(株)製 試薬〕 0.40kg
リン酸二水素カリウム 〔和光純薬工業(株)製 試薬〕 0.20kg
塩化ナトリウム 〔和光純薬工業(株)製 試薬〕 0.01kg
硫酸マグネシウム 〔和光純薬工業(株)製 試薬〕 0.02kg
硝酸カリウム 〔和光純薬工業(株)製 試薬〕 0.10kg
イーストエキストラクト〔オキソイド(OXOID)社製〕 0.15kg
以上の成分をイオン交換水に溶解し、水酸化ナトリウムおよび硫酸を用いてpH6.5に調整し、全量を200リットルとした。
[B−16多糖類の調製]
培養終了後、培養物に約3倍容量のイソプロピルアルコールを加えて攪拌混合し、析出した凝集物を濾過、回収し、減圧下にて乾燥し、B−16多糖類を得た。
[多糖類−1の調製]
300リットル容器に水199.9kgを入れ、撹拌下、上記の方法で得られたB−16多糖類100gを加えて溶解し、0.5重量%水溶液200kgを調製した。これを1モル/L水酸化ナトリウム水溶液にてpHを13に調整した後、300リットルのジャーファーメンターに入れて、室温にて一晩放置した。放置後、120℃で20分間、加圧加熱処理を行ない、次いで100℃まで冷却し、常圧に戻してアルカリ加熱処理したB−16多糖類を得た。ステンレス製蛇管(内径20mm、長さ12.5m)の外部を15℃の冷水で冷却しながら得られたアルカリ加熱処理したB−16多糖類を加圧方式で30分間かけて通し30℃まで冷却し、1モル/L硫酸で中和した。中和後、該多糖類水溶液の約3倍容量のイソプロピルアルコールを添加し、析出した凝集物をろ過し、減圧乾燥して多糖類−1を得た。
[多糖類−2の調製]
500リットル容器に水99.95gを入れ、撹拌下、上記の方法で得られたB−16多糖類0.5gを加えて溶解し、0.5重量%水溶液100gを調製した。これを1モル/L水酸化ナトリウム水溶液にてpHを13に調整した後、30リットルのジャーファーメンターに入れて、室温にて一晩放置した。放置した。それを120℃で20分間、加圧加熱処理を行った後、静置して室温まで冷却し、1モル/L硫酸で中和した。中和後、該多糖類水溶液の約3倍容量のイソプロピルアルコールを添加し、析出した凝集物をろ過し、減圧乾燥してアルカリ加熱処理した多糖類−2を得た。
[多糖類−3の調製]
30リットル容器に水19.99kgを入れ、撹拌下、上記の方法で得られたB−16多糖類10gを加えて溶解し、0.5重量%水溶液20kgを調製した。これを1モル/L水酸化ナトリウム水溶液にてpHを13に調整した後、30リットルのジャーファーメンターに入れて、室温にて一晩放置した。ジャーファーメンターを加熱し、120℃で20分間、加圧加熱処理を行った。次いで100℃まで冷却し、常圧に戻した後、ジャーファーメンターのジャケットに15℃の冷水を通して6時間かけて冷却した。さらに1モル/L硫酸で中和し、該多糖類水溶液の約3倍容量のイソプロピルアルコールを添加し、析出した凝集物をろ過し、減圧乾燥してアルカリ加熱処理した多糖類−3を得た。
[多糖類−4の製造]
アルカリ加熱処理した多糖類−1の製造方法において、得られたアルカリ加熱処理したB−16多糖類の入っている30リットルのジャーファーメンターのジャケットに15℃の冷水を通して冷却し、同時にプロペラ型撹拌翼を持つ撹拌装置を使い、先端速度1.88m/Sで2時間撹拌して30℃以下に冷却し、1モル/L硫酸で中和した。中和後、該多糖類水溶液の約3倍容量のイソプロピルアルコールを添加し、析出した凝集物をろ過し、減圧乾燥してアルカリ加熱処理した多糖類−4を得た。
同様に表1記載の冷却条件で30リットルのジャーファーメンターにて多糖類−7を得た。
[多糖類−5の製造]
300リットル容器に水199.9kgを入れ、撹拌下、上記の方法で得られたB−16多糖類100gを加えて溶解し、0.5重量%水溶液200kgを調製した。これを1モル/L水酸化ナトリウム水溶液にてpHを13に調整した後、300リットルのジャーファーメンターに入れて、室温にて一晩放置した。ジャーファーメンターを加熱し、120℃で20分間、加圧加熱処理を行ない、次いで100℃まで冷却し、常圧に戻した後、ジャーファーメンターのジャケットに15℃の冷水を通し、同時にプロペラ型撹拌翼を持つ撹拌装置を使い、先端速度1.88m/sで2時間撹拌し、30℃以下に冷却した。さらに1モル/L硫酸で中和し、該多糖類水溶液の約3倍容量のイソプロピルアルコールを添加し、析出した凝集物をろ過し、減圧乾燥して多糖類−5を得た。
同様に表1記載の冷却条件で多糖類−8,9を調製した。なお、多糖類−6は、アルカリ処理をしていないB−16多糖類である。
[多糖類−10の製造]
キサンタンガム(商標、三晶(株)製)の0.5重量%水溶液を調製し、増粘剤−10とした。
[多糖類−11の製造]
多糖類−1の製造方法において、B−16多糖類をキサンタンガム(商標、三晶(株)製)に置き換えて調製し、多糖類−11を得た。
Figure 0005622894
[増粘剤水溶液の粘度測定]
200mLトールビーカーに増粘剤0.2g、水199.8gを加え、小型ホモミキサーにて8000rpmで10分間攪拌分散させて、0.1重量%水溶液とした。該水溶液を30℃、50℃、80℃の各恒温水層につけて、24時間静置した後、30℃にしてB型回転粘度計(30rpm、回転開始より1分後に測定)で粘度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005622894
アルカリ加熱処理後のB−16多糖類を冷却する際に、無撹拌下あるいは撹拌による剪断力2.00m/s以下で冷却、調製した本発明の増粘剤は、撹拌による先端速度が2.00m/sを超えた条件で冷却、調製した比較例7〜9よりも高い粘度を示し、高温でも粘度を保持し、温度による経時変化も小さいことがわかる。特に剪断力の伴わない蛇管(冷却用コイル)を用いた冷却方法で得られた増粘剤−1、並びに500m容器での静置による冷却で得られた増粘剤−2はいずれもB−16多糖類に比べて、より高い粘性を示し、更に低温から高温域までの粘性の経時変化も小さいことが分かる。また、キサンタンガムでは同様なアルカリ加熱処理、無撹拌下での冷却方法によっても増粘効果は全く見られなかった。
[乳化・分散安定化性の測定]
200mLトールビーカーに増粘剤96mg、水159.904gを加え、小型ホモミキサーにて8000rpmで20分間撹拌分散させて、0.06重量%水溶液とした。それに流動パラフィン0.8gを加え、小型ホモミキサーにて8000rpmで10分間撹拌分散させ、その液の一部をとり、500nmの吸光度を測定し、測定値をAとした。吸光度測定後、直径2.5mmのガラス製のサンプル瓶2本に約40mLづつとり、30℃と50℃に静置した。そして、1週間後、2ヶ月後にサンプル瓶の底部からパスツールピペットで試料をとり、500nmの吸光度を測定し、Bとした。次式のように試料液調製直後の吸光度:Aと所定期間静置後の試料の吸光度Bの比を乳化・分散安定率(%)とし評価し、この比が高い程良い。その結果を表3に示した。
乳化・分散安定化率(%)={(B)/(A)}×100
Figure 0005622894
アルカリ加熱処理後の冷却時、無撹拌下あるいは撹拌による剪断力が小さい状態で調製した本発明の増粘剤は、乳化・分散安定化性に優れていることが分かる。

Claims (5)

  1. フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構成単糖として含む多糖類を、pHが8以上のアルカリ水溶液中、60〜180℃で加熱処理した後、撹拌翼の先端速度が2.0m/s以下の回転速度に保持しながら冷却するか、または撹拌による剪断力を加えずに冷却する方法によって得られた多糖類を有効成分として含む増粘剤(ただし、インキ組成物用増粘剤を除く。)。
  2. 多糖類の構成単糖が、モル比でフコース:グルコース:グルクロン酸:ラムノース=1〜2:1〜4:1〜2:1〜2である請求項1記載の増粘剤。
  3. 多糖類が、主鎖としてグルコース、グルクロン酸、ラムノースにて構成され、さらにフコースが側鎖に結合している構造を有する請求項1又は2記載の増粘剤。
  4. 多糖類が、アルカリゲネス
    レータス B−16株の産生する多糖類である請求項1ないし3のうちのいずれかに記載の増粘剤。
  5. 撹拌による剪断力を加えずに冷却する方法が、冷却した蛇管内を加圧下通過させる方法である請求項1ないし4のうちのいずれかに記載の増粘剤。
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