JP5621842B2 - 有機発光装置およびこれを用いた光源装置 - Google Patents

有機発光装置およびこれを用いた光源装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機発光装置およびこれを用いた光源装置に関する。
従来例として、特許文献1には次のような技術が開示されている。構成が簡単で、特に青色純度を高めた有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を提供することを目的とし、(1)基板/高屈折性透明電極/有機多層部/陰極の構成において、該透明電極と有機多層部との合計光学膜厚が、(2)基板/高屈折性下地層/透明電極/有機多層部/陰極の構成において、該下地層と透明電極と有機多層部との合計光学膜厚、又は透明電極と有機多層部との合計光学膜厚が、(3)基板/低屈折性下地層/透明電極/有機多層部/陰極の構成において、透明電極と有機多層部との合計光学膜厚が、屈折率1.6〜1.8の有機多層部より発生するEL光の中心波長λ(λは440〜490nm、500〜550nm及び600〜650nmより選択される。)における強度を増強するように設定されている有機EL素子である。
特許公報2846571号公報
光取出し層を有する有機発光素子において、従来技術の光干渉条件では外部量子効率の向上が難しい。本発明は、有機発光素子を用いた有機発光装置およびこれを用いた光源装置において、外部量子効率を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)第一の基板および第二の基板と、第一の基板および第二の基板の間に配置された光取出し層と、光取出し層および第一の基板の間に配置された透明電極と、透明電極および第一の基板の間に配置された反射電極と、透明電極および反射電極の間に配置された第一の発光ユニットと、を有し、光取出し層には粒子およびバインダが含まれ、粒子の屈折率は透明電極の屈折率より高く、第一の発光ユニットには第一の発光色を有する第一の発光層が含まれ、第一の発光層における第一の発光点から反射電極までの光学長をL1とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長をλ2とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長をλ1とした場合、下記式1および式2の関係を満たす有機発光装置。
1≧λ2/4 …(式1)
1cosθ1=λ1(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θ1≦60) …(式2)
(2)上記(1)において、第一の発光ユニットには第二の発光色を有する第二の発光層が含まれ、第一の発光層における第一の発光点から反射電極までの光学長及び第二の発光層おける第二の発光点から反射電極までの光学長を比較した場合、短い方の光学長をL2とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長及び第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長を比較した場合、長い方の波長をλ4とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長および第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長を比較した場合、短い方の波長をλ3とした場合、式1および式2の代わりに式3および式4の関係を満たす有機発光装置。
2≧λ4/4 …(式3)
2cosθ2=λ3(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θ2≦60) …(式4)
(3)上記(2)において、第一の発光ユニットには第三の発光色を有する第三の発光層が含まれ、第一の発光層における第一の発光点から反射電極までの光学長、第二の発光層における第二の発光点から反射電極までの光学長および第三の発光層における第三の発光点から反射電極までの光学長を比較した場合、一番短い光学長をL3とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長、第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長および第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長を比較した場合、一番長い波長をλ6とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長、第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長および第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長を比較した場合、一番短い波長をλ5とした場合、式1および式3の代わりに下記式5の関係を満たし、式2および式4の代わりに下記式6の関係を満たす有機発光装置。
3≧λ6/4 …(式5)
3cosθ3=λ5(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θ3≦60) …(式6)
(4)上記(1)において、透明電極および反射電極の間に第二の発光ユニットが配置され、第一の発光ユニットおよび第二の発光ユニットの間には電荷発生層が配置され、第二の発光ユニットには第二の発光色を有する第二の発光層が含まれ、第二の発光層における発光点から反射電極までの光学長をL4とし、二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長をλ8とし、第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長をλ7とした場合、下記式7および下記式8の関係を満たす有機発光装置。
4≧λ8/4 …(式7)
4cosθ4=λ7(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θ4≦60) …(式8)
(5)上記(4)において、第二の発光ユニットには第三の発光色を有する第三の発光層が含まれ、第二の発光層における第二の発光点から反射電極までの光学長及び第三の発光層における第三の発光点から反射電極までの光学長を比較した場合、短い方の光学長をLp1とし、第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長及び第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長を比較した場合、長い方の波長をλp2とし、第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長及び第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長を比較した場合、短い方の波長をλp1とし、式7および式8の代わりに下記式9および下記式10の関係を満たす有機発光装置。
p1≧λp2/4 …(式9)
p1cosθp1=λp1(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θp1≦60) …(式10)
(6)上記(3)において、第一の発光色は青色であり、第二の発光色は緑色であり、第三の発光色は赤色であり、反射電極から透明電極に向かって、第一の発光層,第二の発光層,第三の発光層の順に配置される有機発光装置。
(7)上記(5)において、第一の発光色は青色であり、第二の発光色および第三の発光色の一方は赤色であり、他方は緑色である有機発光装置。
(8)上記(1)において、第一の発光ユニットには第二の発光色を有する第二の発光層が含まれ、第二の発光層における第二の発光点から反射電極までの光学長をL5とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長をλ10とし、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長をλ9とした場合、下記式11および式12の関係を満たす有機発光装置。
5≧λ10/4 …(式11)
5cosθ5=λ9(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θ5≦60) …(式12)
(9)上記(1)において、光取出し層は粘着層を介して第二の基板に接着される有機発光装置。
(10)上記(1)において、前記第一の発光ユニットは、正孔輸送層,電子輸送層,バッファ層,正孔注入層および電子注入層を有する有機発光装置。
(11)上記(1)において、有機発光装置および駆動装置を有する光源装置。
本発明により、有機発光素子およびこれを用いた光源装置の外部量子効率を向上できる。上記した以外の課題,構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の有機発光素子に用いる粒子層の粒子表面修飾プロセスの一例。 本発明の有機発光素子に用いる粒子層の粒子表面修飾プロセスの一例。 本発明の一実施例に係る有機発光装置の断面図。 本発明の一実施例に係る有機発光装置の断面図。 本発明の一実施例に係る有機発光装置の断面図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
有機発光装置は、例えば薄型照明装置,液晶表示装置の照明装置として期待されており、基板上に画素を構成する複数の有機発光素子を備えている。有機発光素子は、上部電極,下部電極及び下部電極と上部電極との間に挟まれた有機層を有する。有機層は、正孔を輸送する正孔輸送層と、電子を輸送する電子輸送層と、正孔と電子が再結合する発光層とを有している。下部電極と上部電極との間に電圧を印加することにより、下部電極及び上部電極から注入された正孔と電子とが発光層で再結合して発光する。
有機発光素子の下部電極または上部電極のどちらか一方の電極は反射機能を有する。ここでは、上部電極を発光光が透過する透明電極とし、下部電極を反射電極とする。発光層で発光した光は、以下の主要な3つの光路を経て、有機発光素子から空気層へ出射される。一つ目の光路は、発光層→上部電極透過→空気層、二つ目の光路は、発光層→下部電極での反射→上部電極透過→空気層、三つ目の光路は、発光層→上部電極(基板/上部電極界面で反射)→下部電極反射→上部電極透過→空気層、である。これらの光路を経た光及び上記光路で更に多重反射された光により、光学干渉が起こる。そのため、有機発光素子を構成する層は、最適な光干渉条件を満たす必要がある。
従来の技術では、有機発光素子を構成する有機層および透明電極からなる全光学長が発光中心波長の半分の整数倍、または全光学長に発光中心波長の四分の一を足した値が発光中心波長の半分の整数倍であることを規定している。ここで、光学長は、有機層または透明電極を構成する材料の屈折率と膜厚とを乗じた値で定義される。
有機層の屈折率は1.5以上1.9以下程度の範囲にあり、透明電極の屈折率が2.0程度、ガラス基板の屈折率が1.5程度である。そのため、空気層へ出射されるまで、空気層及びガラス基板の界面、ガラス基板及び透明電極の界面等で、全反射角が存在する。そのため、全反射角より広角の光は全反射してしまい、最終的には空気層に取出すことができず、効率低下につながる。ここで、有機発光素子の発光効率を表す物理量として、外部量子効率が挙げられる。外部量子効率とは、注入された電子(正孔)数に対して、空気層に取出される光子数で定義される。また、外部量子効率は、内部量子効率に光取出し効率を乗じた値としても定義される。前述した全反射界面の影響により、光取出し効率は20%程度である。
外部量子効率を向上させる方法として、以下の構造が考えられる。上記有機発光素子において、下部電極を反射電極とし、上部電極を透明電極として、上部電極側から光が取出される。上部透明電極の屈折率は2.0程度、空気層の屈折率が1.0であるため、上部透明電極と空気層との界面には全反射角が存在する。そのため、上部透明電極と空気層との間に光取出し層を設ける。
本発明において、光取出し層は以下の2つの方法で形成される。一つは粒子とバインダとを混合して、それを光取出し層として形成する方法、もう一つは粒子だけで層を形成し、その後バインダを充填する方法である。
それぞれについて下記する。
(1)粒子とバインダとを混合して、それを光取出し層として形成する方法
始めに、粒子の溶剤への分散性を高め、塗布後の粒子同士の凝集を抑制するため、粒子表面をシランカップリング剤で化学修飾する、または、粒子に分散剤を添加する。この粒子をバインダ材料とともに有機溶剤に分散する。こうして光取出し層形成塗料を調製する。この塗料を上部透明電極(IZOまたはITO基板)に塗布し、バインダ材料を硬化させ、光取出し層を形成する。
この方法で用いる材料について下記する。
(1−1)粒子
(A)粒子の種類
光取出し層を形成する粒子の屈折率は透明電極の屈折率より高い必要がある。透明電極はITOまたはIZOなので、屈折率はおおよそ2.0である。光を染み出させるためには、粒子の屈折率は透明電極の屈折率以上であることが必要である。そこで、粒子として、屈折率が2.0以上のものを選択する。また照明の場合は、発せられる光が着色しないよう可視領域で白又は淡色のものが望ましい。具体的には酸化チタン(屈折率:2.5〜2.7),酸化ジルコニウム(屈折率:2.4),チタン酸バリウム(屈折率:2.4),チタン酸ストロンチウム(屈折率:2.37),酸化ビスマス(屈折率:2.45)等が挙げられる。また、信号機(緑色,黄色,赤色)や警告灯(赤色)のように所望の発光色が有色の場合は、その色と類似の色の粒子を使用できる。青色を発光させる場合は酸化銅(屈折率:2.71)等の青色粒子を、赤色を発光させる場合は酸化第二鉄(屈折率:3.01)等の赤色粒子を、黄色を発光させる場合は酸化カドミウム(屈折率:2.49)等の黄色粒子を使用できる。
また、粒子は変性しにくい無機物の酸化物が好適である。更に、バインダ材料がシリカゾルの場合は酸化物と結合性が高いので好適である。
(B)粒子のサイズ
粒子の平均粒子径は0.5μm以上10μm以下が好適である。また平均粒子径は0.8μm以上5.0μm以下が更に好適である。
(C)粒子の比重
これら屈折率の大きな粒子は一般に比重も大きい。例えば、酸化ジルコニウムの比重は6.1、酸化チタンの比重は4.1以上4.2以下、チタン酸バリウムの比重は6.1もある。そのため、粒子の表面をシランカップリング剤で化学修飾することにより溶剤中での分散性を高める。
(D)粒子表面の化学修飾
まず、有機溶剤にシランカップリング剤を添加し、これに粒子を加え、数時間攪拌する。溶剤をエバポレータで揮発させた後、粒子を120℃で30分間加熱する。これにより、シランカップリング剤がケイ素−酸素結合を介して粒子表面に結合する。
なお、用いるシランカップリング剤の添加量が多すぎると、基板に塗布後、粒子が凝集しやすくなる。そこで、粒子の表面積をあらかじめBET法等で測定しておき、この面積を被覆するのに必要最小限のシランカップリング剤の量を用いることで、粒子の凝集を抑制できる。
シランカップリング剤として、ケイ素原子にアルコキシシラン基が2,3個結合しているもの、クロル基が2,3個結合しているなどが挙げられる。アルコキシシラン基,クロル基以外のケイ素の置換基としては以下の構造のものが粒子の分散に好適である。
〔化合物群A〕
−(CH2)3NHCOCH3,−(CH2)3NHCOCH2CH3,−(CH2)3NHCOC37,−(CH2)3NHCOC49,−(CH2)3NHCOC511,−(CH2)3NHCOC613,−(CH2)3NHCOC715,−(CH2)3NHCOC817
これらは、予め粒子表面に−(CH2)3NH2基を有するシランカップリング剤を結合させておいて、その後、対応するカルボン酸をアミノ基と反応させることにより作製する。
〔化合物群B〕
−(CH2)3NHCO2CH3,−(CH2)3NHCO2CH2CH3,−(CH2)3NHCO237,−(CH2)3NHCO249,−(CH2)3NHCO2511,−(CH2)3NHCO2613,−(CH2)3NHCO2715,−(CH2)3NHCO2817
これらは、予め粒子表面に−(CH2)3NCO基を有するシランカップリング剤を結合させておいて、その後、対応するアルコールをイソシアネート基と反応させることにより作製する。
そのほか、イソシアネート基,ビニル基,3−グリシドキシプロピル基,3−クロルプロピル基などを有するシランカップリング剤が粒子の分散に好適である。
炭化水素系の置換基、例えば−C613,−C817,−C1021、または芳香環の置換基、例えば−C65,−C107等は、溶剤に対する分散性を改善できる。しかし、上記した置換基は膜にした場合の分散性が芳しくなく、粒子の凝集を作りやすい。置換基内にアミド結合等、ヘテロ原子を有する結合部位を有するシランカップリング剤を用いることで、膜にした場合の分散が良好になる傾向がある。
(1−2)バインダ材料
粒子が無機物であるため、バインダ材料として無機物との密着性が高いエポキシ樹脂が好適である。これ以外の有機物ではアクリル樹脂,ポリカーボネート樹脂,シクロオレフィン系樹脂等の透明性が高く、好適である。
(2)粒子だけで層を形成し、その後バインダを充填する方法
表面が化学修飾された粒子を、表面が化学修飾された透明電極表面に化学結合させる。その後、減圧下、樹脂を粒子間に充填し、粒子間の空隙を埋める。
表面が化学修飾された粒子を、表面が化学修飾された透明電極表面に化学結合させる例を下記する。また、図1にその概要を示す。
透明電極表面にシランカップリング剤(A)を処理する。このシランカップリング剤は置換基Aを有している。また、粒子にシランカップリング剤(B)を処理する。このシランカップリング剤は置換基Bを有している。置換基A及び置換基Bとして、お互いが化学結合するものを選択する。
次に、シランカップリング剤処理を行った粒子を透明電極表面に反応させ、透明電極表面と粒子との間で化学結合が形成される。透明電極表面に結合していない粒子は、透明電極表面に結合している粒子との間でアルコキシシラン基同士の結合を形成することにより、間接的に透明電極表面に保持される。
Aとしてアミノ基を選んだ場合、Bは例えばグリシジル基を有するシランカップリング剤を選択する。Aをグリシジル基、Bをアミノ基に入れ替えてもかまわない。また、グリシジル基の代わりにクロル基を選んでもかまわない。A,Bともビニル基等二重結合を有する置換基を選んでもかまわない。この場合、二重結合同士を反応させ、単結合を形成し、同時に粒子と透明電極表面を結合することができる。
次に、図2に示すように粒子間に樹脂を充填する。これは減圧下、低弾性の樹脂を含侵させる。以上により、光取出し層が形成される。
上記方法で用いられる材料は以下の通りである。
(2−1)粒子
粒子は上述の(1)の方法で用いた粒子と同様のものを用いる。
(2−2)バインダ
高屈折率の微粒子間に含浸しやすい点を考慮して、バインダとして低弾性の樹脂が好適である。また、現実には透明電極表面にはうねり等があり、かならずしも平坦ではない。そのため、バインダが全く変形しなければ、密着性も低くなる。そこで、透明電極表面への密着性を向上させるため、バインダの貯蔵弾性率を下げる。これにより、透明電極表面から圧力をかけた場合、バインダが変形し、透明電極とバインダとの間に気泡がほとんど入らず、透明電極と微粒子とを密着できるようになる。
具体的には、貯蔵弾性率は100kパスカル以下が好適である。バインダの貯蔵弾性率が100kパスカル以下の場合、透明電極表面に数μmのうねりがあっても粒子及びバインダと透明電極とを密着できる。ただし、貯蔵弾性率を下げすぎると粒子が透明電極からずり落ちてしまう恐れもある。したがって、貯蔵弾性率は1kパスカル以上必要である。また、室内での使用温度の下限は10℃程度であるので、この温度での貯蔵弾性率が1kパスカル以上であれば良い。
以上より、バインダの貯蔵弾性率は10℃において1kパスカル以上100kパスカル以下とすることにより、バインダによって粒子と透明電極とを密着させることができる。
また、バインダの屈折率が大きい方が光取り出し効率を高くできる。そこで、バインダのモノマとしては以下に示す材料が挙げられる。以下に示す材料に光,熱等で硬化を促進する硬化剤を加え、硬化することでバインダが形成される。
まず、アクリル系ではメチルメタクリレート,エチルメタクリレート,プロピルメタクリレート,イソプロピルメタクリレート,ブチルメタクリレート,イソブチルメタクリレート,ヘキシルメタクリレート,オクチルメタクリレート,2−エチルヘキシルメタクリレート,デシルメタクリレート,ドデシルメタクリレート,メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロピルアクリレート,イソプロピルアクリレート,ブチルアクリレート,イソブチルアクリレート,ヘキシルアクリレート,オクチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,デシルアクリレート,ドデシルアククリレート等が挙げられる。また、分子内に複数の水酸基を有するエチレングリコール,プロピレングリコール,ジエチレングリコール,1,3−ジヒドロキシシクロブタン,1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン,1,5−ジヒドロキシシクロオクタン等が挙げられる。また、末端にグリシジル基を有するエチレングリコールモノグリシジルエーテル,エチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、側鎖にシクロアルカン環,芳香環,ノルボルネン環等の環状部位を有するモノマ,ビスフェノールA類似骨格を有するモノマ等が挙げられる。
これらをアクリル系樹脂単独、または他の樹脂も複数種併用することでバインダとして用いる。また、これらを別のポリマとの共重合させることによっても、バインダとして用いることができる。用いるポリマとしてはポリアクリル酸,ポリビニルアルコール,ポリアリルアミン等が挙げられる。また、すでに重合しており、モノマと反応点の無いアクリル樹脂,ウレタン樹脂等の重合物を用いるモノマに溶解することにより、硬化の際の収縮を低減することもできる。
貯蔵弾性率を下げるには、具体的にはTgが室温以下の材料を用いる。Tgが室温以下になると、樹脂の弾性が低下するためである。アクリル系のモノマは側鎖のアルキル鎖の炭素数が大きいほど、Tgが低下する。Tgが室温以下になるため、また、十分な柔軟性及び低弾性を付与するためには、アクリル系モノマの側鎖の炭素数はおおよそ4以上が望ましい。
樹脂の弾性低下を抑制するため、樹脂の平均分子量は小さい方が好ましい。平均分子量を下げるには、硬化の際用いる触媒の添加率を大きくする。また、モノマを硬化させる方法として光硬化を利用する際は、照射光の強度を低くすることで、形成される樹脂の平均分子量を低くすることができる。熱硬化の際は、なるべく低温で硬化できるような反応開始剤を用い、且つ、硬化の際もなるべく低温で行う。これにより、形成される樹脂の平均分子量を低くすることができる。
上部透明電極と光取出し層との界面では、全反射が低減される。また、微粒子により光取出し層内で光が散乱されるため、光取出し効率が向上する。その結果、外部量子効率が向上する。光取出し層を有する有機発光素子の詳細構造は、以下実施例で示す。
光取出し層を有する有機発光素子では、上部透明電極と光取出し層との界面、及び光取出し層と空気層との界面での反射が低減される。よって、光取出し層を有する有機発光素子では、従来技術の光干渉条件が最適条件にならない。すなわち、発光層→上部電極透過→空気層(光取出し層が封止基板側に形成され、光取出し層と封止基板との間に粘着層が充填されている場合は、空気層ではなく封止基板)という一つ目の光路と発光層→下部反射電極での反射→上部電極透過→空気層という二つ目の光路による光の干渉条件を最適化すればよい。以上を考慮に入れて、光取出し層を有する有機発光素子における光干渉条件を検討する。
始めに、発光層の発光点を定義する。発光層の発光点とは、下部反射電極と下部反射電極に隣接する他の有機層(一般的には、正孔輸送層または電子輸送層)との界面である。通常の発光点との違いは、実施例の中で説明する。発光点から下部反射電極までの光学長をL1とする。次に、有機発光素子の大部分の発光に寄与する発光層の蛍光スペクトルにおいて、発光強度が最大となる中心波長をλ0とする。最大強度の1%の強度となるλ0より長波長側の波長をλ2とする。最大強度の1%の強度となるλ0より短波長側の波長をλ1とする。
下部反射電極と他の有機層との界面の法線方向からθ°傾いた方向で、一つ目の光路と二つ目の光路との差は2L1cosθとなる。例えば、2L1cosθ=λ/2となる波長λの光は、正の干渉条件、すなわち、強め合う条件となる。この場合、下部反射電極で光の位相がπ/2ラジアン変化すると仮定した。この光路差2L1cosθは、法線方向の光路差2L1にcosθを乗じた値である。そのため、θ°方向で強め合う波長は法線方向で強め合う波長より短くなる。よって、法線方向で強め合う光干渉条件の波長をλ2より長くすれば、斜め方向でλ0及びλ1を強め合う方向が存在する。一方、下部反射電極においてθが60°以上になると、反射率が低下する。そのため、λ0及びλ1における強めあう干渉条件の角度を60°以下にすることにより、外部量子効率向上につながる。つまり、以下の式を満たせば外部量子効率を向上できる。なお、蛍光スペクトルがガウス関数になると仮定しているので、下記(数式1)及び(数式2)の干渉条件を満足しないλ2以上の長波長領域のスペクトルの面積は0.01%となり、外部量子効率向上の阻害要因とならない。一方、最大強度の5%の強度となる波長をλ2′,λ1′とすると、λ2′以上の干渉条件を満足しない波長域のスペクトル面積は4%程度となり、λ2,λ1に比べて、4%程度外部量子効率が低下する。しかし、λ2およびλ1を用いた場合に比べて、光学長L1、すなわち、有機層または透明電極の膜厚を薄くできる。
1≧λ2/4 …(数式1)
1cosθ=λ1(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θ≦60) …(数式2)
また、発光ユニットに複数の発光層が含まれている場合は以下のように考える。まず、発光ユニットには、第一の発光色を有する第一の発光層および第一の発光色と色が異なる第二の発光色を有する第二の発光層が含まれているとする。第一の発光層および第二の発光層それぞれについて、上記(数式1)および(数式2)を満たすことで外部量子効率を向上できる。ただし、以下のように干渉条件を考慮した場合でも外部量子効率を向上できる。
第一の発光層における第一の発光点から下部反射電極までの光学長および第二の発光層における第二の発光点から下部反射電極までの光学長を比較した場合、短い方の光学長をL2とする。
次に、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長及び第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長を比較した場合、長い方の波長をλ4とする。また、第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長および第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長を比較した場合、短い方の波長をλ3とする。
上記(数式1)および(数式2)の場合と同様に、以下の式を満たすことにより外部量子効率を向上できる。
2≧λ4/4 …(数式3)
2cosθ=λ3(1/4+n/2)
(nは0以上の整数、0<θ≦60) …(数式4)
この場合、第一の発光層および第二の発光層それぞれについて上記(数式1)および(数式2)を考慮した場合より、上記(数式3)および(数式4)を考慮した場合の方が有機発光装置の膜厚を小さくできる。
以下に具体的な実施例を示して、本願発明の内容をさらに詳細に説明する。以下の実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
実施例1に係る有機発光装置を説明する。図3は、実施例1に係る有機発光装置の断面図である。有機発光装置は、第一の基板である基板1及び基板1上に配置された有機発光素子を有する。有機発光素子は、陽極となる下部反射電極2,正孔輸送層3,緑色発光層4,電子輸送層5,バッファ層6,陰極からなる上部透明電極7,光取出し層8を有する。ただし、有機発光素子としてバッファ層6はなくてもよい。下部反射電極2が陰極、上部透明電極7が陽極でもよい。封止基板10および基板1の間に光取出し層8が配置される。光取出し層8および基板1の間に上部透明電極7が配置される。上部透明電極7および基板1の間に下部反射電極2が配置される。上部透明電極7および下部反射電極2の間に第一の発光ユニットが配置される。封止基板10および光取出し層8の間には空気層9が存在する。発光ユニットは、正孔輸送層3,緑色発光層4,電子輸送層5およびバッファ層6で構成される。ただし、発光ユニットとしてバッファ層6はなくてもよい。また、発光ユニットには後述する正孔注入層または電子注入層が含まれる場合がある。図3における有機発光装置に駆動装置等が備えられることで光源装置となる。
有機発光素子の上には、空気層9を介して第二の基板である封止基板10が配置されている。封止基板10によって、大気中に存在するH2O,O2の有機発光素子内部の侵入が抑制される。封止基板10および基板1として、ガラス基板,SiO2,SiNx,Al23等の無機材料を形成したプラスチック基板等が挙げられる。具体的なプラスチック基板材料としては、ポリクロロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリオキシメチレン,ポリビニルクロライド,ポリフッ化ビニデン,シアノエチルプルラン,ポリメチルメタクリレート,ポリサルフォン,ポリカーボネート,ポリイミド等が挙げられる。
基板1上に、厚さ150nmのAl膜からなる下部反射電極2を形成した。本実施例では、下部反射電極2としてAl膜を用いたが、これに限定されない。例えば、インジウム,モリブデン,ニッケル等の金属,これらの合金,ポリシリコン,アモルファスシリコンの無機材料が挙げられる。また、上記の金属または合金の上に、錫酸化物,酸化インジウム,インジウム・錫酸化物(ITO),インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電膜を形成した積層膜が挙げられる。
次に、下部反射電極2上に、真空蒸着法により膜厚59nmの4,4−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(以下、α−NPDとする。)の蒸着膜を形成した。この蒸着膜は正孔輸送層3として機能する。
本実施例では、正孔輸送層3としてα−NPDの蒸着膜を用いたが、これに限定されない。正孔輸送層3は、正孔を輸送し、緑色発光層4へ注入するものである。そのため、正孔輸送層3は正孔移動度が高い正孔輸送性材料からなることが望ましい。また、正孔輸送層3として、化学的に安定で、イオン化ポテンシャルが小さく、電子親和力が小さく、ガラス転移温度が高いことが望ましい。正孔輸送層3としては、例えば、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニル−[1,1′−ビフェニル]−4,4′ジアミン(TPD),4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD),4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA),1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ]ベンゼン(p−DPA−TDAB),4,4′,4″−トリス(N−カルバゾール)トリフェニルアミン(TCTA),1,3,5−トリス[N,N−ビス(2−メチルフェニル)−アミノ]−ベンゼン(o−MTDAB),1,3,5−トリス[N,N−ビス(3−メチルフェニル)−アミノ]−ベンゼン(m−MTDAB),1,3,5−トリス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)−アミノ]−ベンゼン(p−MTDAB),4,4′,4″−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA),4,4′,4″−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2−TNATA),4,4′,4″−トリス[ビフェニル−4−イル−(3−メチルフェニル)アミノ]トリフェニルアミン(p−PMTDATA),4,4′,4″−トリス[9,9−ジメチルフルオレン−2−イル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(TFATA),4,4′,4″−トリス(N−カルバゾイル)トリフェニルアミン(TCTA),1,3,5−トリス−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ]ベンゼン(p−DPA−TDAB),1,3,5−トリス{4−[メチルフェニル(フェニル)アミノ]フェニル}ベンゼン(MTDAPB),N,N′−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N′−ジフェニル[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(p−BPD),N,N′−ビス(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N,N′−ジフェニルフルオレン−2,7−ジアミン(PFFA),N,N,N′,N′−テトラキス(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(FFD),(NDA)PP,4−4′−ビス[N,N′−(3−トリル)アミノ]−3−3′−ジメチルビフェニル(HMTPD)等が望ましく、これらを1種単独、または、2種以上を併用してもよい。
必要に応じて、下部反射電極2と正孔輸送層3との間には正孔注入層を配置してもよい。下部反射電極2と正孔輸送層3との注入障壁を下げるため、正孔注入層は適当なイオン化ポテンシャルを有する材料により形成されることが望ましい。また、正孔注入層は正孔注入層の下地となる層の表面の凹凸を埋める役割を果たすことが望ましい。正孔注入層としては、例えば、銅フタロシアニン,スターバーストアミン化合物,ポリアニリン,ポリチオフェン,酸化バナジウム,酸化モリブテン,酸化ルテニウム,酸化アルミニウム等が挙げられる。
また、正孔輸送性材料に酸化剤を含有してもよい。これにより、下部反射電極2と正孔輸送層3との障壁を低下させる、または、電気伝導度を向上させることができる。酸化剤としては、例えば、塩化第II鉄,塩化アンモニウム,塩化ガリウム,塩化インジウム,五塩化アンチモン等のルイス酸化合物,トリニトロフルオレン等の電子受容性化合物,正孔注入材料として挙げられる酸化バナジウム,酸化モリブテン,酸化ルテニウム,酸化アルミニウムなどを用いることができ、これらを1種単独、または、2種以上を併用してもよい。
次に、正孔輸送層3上に、真空蒸着法により膜厚30nmのCBP及びイリジム錯体(以下、Ir(ppy)3とする。)を共蒸着した膜を形成した。このCBP及びIr(ppy)3の蒸着速度は、それぞれ0.20nm/sec及び0.02nm/secとした。Ir(ppy)3が発光色を決定するドーパントとして機能する。CBPおよびIr(ppy)3との共蒸着膜は、中心波長520nmの緑色の光を発する緑色発光層4として機能する。
緑色発光層4において、注入された正孔及び電子が再結合し励起状態が形成され、励起状態が基底状態に緩和する際、材料固有の波長で発光する。緑色発光層4を形成するホスト材料自体が発光する場合と、ホストに微量添加したドーパント材料が発光する場合がある。ホスト材料としては、例えば、ジスチリルアリーレン誘導体(DPVBi),骨格にベンゼン環を有するシロール誘導体(2PSP),トリフェニルアミン構造を両端に有するオキソジアゾール誘導体(EM2),フェナンスレン基を有するペリノン誘導体(P1),トリフェニルアミン構造を両端に有するオリゴチオフェン誘導体(BMA−3T),ペリレン誘導体(tBu−PTC),トリス(8−キノリノール)アルミニウム,ポリパラフェニレンビニレン誘導体,ポリチオフェン誘導体,ポリパラフェニレン誘導体,ポリシラン誘導体,ポリアセチレン誘導体等が挙げられ、これらを1種単独、または、2種以上を併用してもよい。
次に、ドーパント材料としては、例えば、キナクリドン,クマリン6,ナイルレッド,ルブレン,4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM),ジカルバゾール誘導体,ポルフィリン白金錯体(PtOEP),イリジウム錯体(Ir(ppy)3)等が挙げられ、これらを1種単独、または、2種以上を併用してもよい。
次に、緑色発光層4上に、真空蒸着法により膜厚10nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alq3とする。)を蒸着した膜を形成した。この蒸着膜は電子輸送層5として機能する。
電子輸送層5は、電子を輸送し、緑色発光層4へ注入する。そのため、電子輸送層5は電子移動度が高い電子輸送性材料からなることが望ましい。電子輸送層5としては、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム,オキサジアゾール誘導体,シロール誘導体,亜鉛ベンゾチアゾール錯体,バソキュプロイン(BCP)等が望ましく、1種単独、または、2種以上を併用することもできる。
また、電子輸送層5は、上記の電子輸送性材料に還元剤を含有して、バッファ層6と電子輸送層5との障壁を低くすること、または、電子輸送層5の電気伝導度を向上させることが望ましい。還元剤としては、例えば、アルカリ金属,アルカリ土類金属,アルカリ金属酸化物,アルカリ土類酸化物,希土類酸化物,アルカリ金属ハロゲン化物,アルカリ土類ハロゲン化物,希土類ハロゲン化物,アルカリ金属,芳香族化合物等で形成される錯体が挙げられる。特に、好ましいアルカリ金属はCs,Li,Na,Kである。これらの材料に限られず、これらの材料を1種単独、または、2種以上併用してもよい。
次に、電子輸送層5の上に、バッファ層6としてMgとAgとの混合膜を形成した。この場合、2元同時真空蒸着法を用いてMg及びAgの蒸着速度をそれぞれ0.14nm/s及び0.01nm/sに設定し、膜厚10nmの膜を蒸着した。
また、電子注入層を、上部透明電極7またはバッファ層6と電子輸送層5との間に挿入して、電子注入効率を向上させてもよい。電子注入層としては、例えば、弗化リチウム,弗化マグネシウム,弗化カルシウム,弗化ストロンチウム,弗化バリウム,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム等が望ましい。これらの材料に限られず、これらの材料を1種単独、または、2種以上併用してもよい。
次に、バッファ層6上に、スパッタリング法により膜厚50nmのIZO膜を形成した。このIZO膜は上部透明電極7として機能する。IZO膜は非晶酸化物膜である。このときのターゲットには、In/(In+Zn)=0.83を満たすものを用いる。成膜条件は、Ar:O2混合ガスを雰囲気として、真空度0.2Pa、スパッタリング出力を2W/cm2とした。Mg:Ag/In−Zn−O積層膜の透過率は65%であった。
上部透明電極7の上に上述の(1)の方法で光取出し層8を形成した。バインダはエポキシ樹脂である。バインダに分散する粒子は平均粒径1μmの酸化チタンであった。光取出し層の膜厚は5μmであった。これにより、有機発光素子が形成される。
次に、有機発光素子を形成した基板1を大気に曝すことなく、高純度窒素ガスを循環させて高露点を保った封止室に移動させた。
次に、封止室にガラス基板を導入した。このガラス基板は封止基板10となる。封止基板10のエッジ部分に、周知のシールディスペンサ装置を用いて光硬化樹脂を描画した(図示省略)。封止室内で、封止基板10と基板1とを貼り合せて圧着させた。封止基板10の外側に、有機発光素子全体にUV光が当たらないよう周知の遮光板を置き、封止基板10側からUV光を照射させて光硬化樹脂を硬化させた。
このようにして本実施例の有機発光装置が得られた。前述した様に、有機発光素子は、緑色発光層4にて緑色発光する。具体的には、緑色発光層4と正孔輸送層3との界面で発光強度が最大となり、緑色発光層4内において緑色発光層4と正孔輸送層3との界面から離れるに従い発光強度が弱くなる、という発光分布が形成される。発光領域は10nm程度である。上記発光分布は、緑色発光層4における正孔移動度および電子移動度の大小関係、緑色発光層4への正孔の注入障壁および電子の注入障壁の大小関係で決まる。本実施例の緑色発光層4の正孔移動度および電子移動度は、それぞれ、約10-9cm2/Vs、約10-3cm2/Vsである。また、正孔輸送層3から緑色発光層4への正孔注入障壁は0.9eV、電子輸送層5から緑色発光層4への電子注入障壁は0.3eVである。そのため、緑色発光層4に注入された正孔は、正孔輸送層3と緑色発光層4との界面付近に局在するため、上記発光分布となる。様々な材料に対して発光分布を決定することは困難である。そのため、上述した様に発光点を緑色発光層4と電子輸送層5との界面とした。
光学長L1は発光点と下部反射電極2との間の距離に対応する。緑色発光層4の内部で発光した光に対する光学長はL1より短くなる。光学長L1が数式1を満たすように有機発光素子の膜厚を調整すると、緑色発光層4内での緑発光のλ2が数式2を満たすθが存在する。よって、発光点を上記の様に定義できる。
また、本実施例での有機発光素子は、光取出し層8を有しているため、上部透明電極7と光取出し層8との界面または光取出し層8と空気層9との界面で、緑色発光光の反射が低減される。そのため、本実施例の有機発光素子の最適光干渉条件は、従来技術で規定された全層に対する光干渉条件と異なる。
以下、本実施例で示した有機発光素子における最適光干渉条件を示す。発光点から下部反射電極2までの光学長は、正孔輸送層3を構成するα−NPD蒸着膜の膜厚59nmにα−NPDの屈折率1.8を乗じた値に、緑色発光層の膜厚30nmに屈折率1.8を乗じた値を足した値である。そのため、発光点から反射電極までの光学長は160nmとなる。前述した中心波長520nmの緑発光スペクトルにおいて、中心波長での発光強度を1として、長波長側における強度が中心波長での発光強度の1%となる波長は640nmである。同波長の4分の1の値は160nmとなり、光学長L1とほぼ等しくなる。よって、有機発光素子の正面方向における光干渉条件は、波長640nmで強め合う条件となっている。一方、有機発光素子の出射界面の法線方向からの角度が36°の方向で、中心波長520nmにおいて強め合う光干渉条件を満たしている。また、上記出射界面の法線方向からの角度が41°の方向で、上記緑発光スペクトルの短波長側における強度が中心波長での発光強度の1%となる波長480nmにおいて強め合う干渉条件を満たしている。本実施例での有機発光素子では、法線方向から60°の範囲内で、発光スペクトル全波長にわたって、強めあう干渉条件を満たす出射方向が存在する。これにより光取出し効率が、従来技術の干渉条件の層構成に光取出し層を設けた有機発光素子に比べて、1.5倍向上した。また、これら全波長の光は光取出し層で平均化されて出射されることにより、各出射方向での発光スペクトルがほぼ等しくなり、発光スペクトルの視野角依存性が抑制された。
本実施例では、緑色発光層4に対して、数式1及び数式2を満たした層構成を開示した。赤色発光層,青色発光層等の他の単色発光においても、数式1及び数式2を満たす層構成にすればよい。
また、本実施例の有機発光素子において、上部透明電極7および光取出し層8の間に保護膜を設けてよい。保護膜により、封止基板10および基板1によって封止された内部のH2OおよびO2、または、光取出し層8形成時の溶媒等が、上部透明電極7または上部透明電極7の下の有機層に入りこむことを防げる。保護膜として、具体的には、SiNx、Al23等の屈折率が1.8以上の材料が挙げられるが、これらの材料に限定されるわけではない。
また、本実施例では、光取出し層8を上部透明電極7の上に形成したが、粘着層を介して封止基板10および光取出し層8を接着して、基板1と封止基板10との間に位置するように封止してもよい。その際、光取出し層8と封止基板10との間を充填するよう粘着層を設けることが望ましい。この構成では、基板1と封止基板10との間に空気層9は存在しなくなる。光取出し層8を封止基板10上に形成した方が上部透明電極7上に形成した場合に比べて、光取出し層8の形成による上部透明電極7やバッファ層6,正孔輸送層3,緑色発光層4,電子輸送層5等の有機層へのダメージを低減できる。
取り出し効率を向上させるため、粘着層の屈折率は高い方がよい。そこで、透明な樹脂中に酸化チタン,酸化ジルコニウム,チタン酸バリウム等の粒子を添加して粘着層を形成する方が好適である。粒子(屈折率は2.4以上2.7以下程度)を10wt%以上30wt%以下含有させることにより、粒子不含有(屈折率は1.45以上1.55以下程度)のときに比べて、屈折率は0.3以上0.4以下高くなる。また、添加する微粒子のサイズについて、平均粒子径は5nm以上50nm以下が好適である。平均粒子径が50nmより大きいと粘着層が濁ってくる。また、平均粒子径が5nm未満では、かさ比重が低下するため、飛散しやすくなり、粒子の扱いが難しくなる。粘着層に含まれる粒子としては、無機酸化物が好適である。これは、長期間発光による光照射を受けても化学的に安定で、色調があまり変化しないためである。
粘着性のある樹脂をフィルム状にしてから封止基板10に貼付することで粘着層が形成される。また、粘着性のある樹脂を形成するためのモノマを封止基板10に塗布後、光,熱等で硬化を促進する硬化剤を加え、硬化することで粘着層が形成される。
粘着層のモノマとしては、次に示す材料が挙げられる。アクリル系では、メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,プロピルメタクリレート,イソプロピルメタクリレート,ブチルメタクリレート,イソブチルメタクリレート,ヘキシルメタクリレート,オクチルメタクリレート,2−エチルヘキシルメタクリレート,デシルメタクリレート,ドデシルメタクリレート,メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロピルアクリレート,イソプロピルアクリレート,ブチルアクリレート,イソブチルアクリレート,ヘキシルアクリレート,オクチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,デシルアクリレート,ドデシルアククリレート等が挙げられる。また、分子内に複数の水酸基を有するエチレングリコール,プロピレングリコール,ジエチレングリコール,1,3−ジヒドロキシシクロブタン,1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン,1,5−ジヒドロキシシクロオクタン等が挙げられる。また、末端にグリシジル基を有するエチレングリコールモノグリシジルエーテル,エチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、側鎖にシクロアルカン環,芳香環,ノルボルネン環等の環状部位を有するモノマ,ビスフェノールA類似骨格を有するモノマ等が挙げられる。
上記のアクリル系樹脂単独または他の樹脂と複数種併用することで、粘着層を形成する。また、これらを別のポリマと共重合させることによっても粘着層を形成できる。用いるポリマとしては、ポリアクリル酸,ポリビニルアルコール,ポリアリルアミン等が挙げられる。また、すでに重合しており、モノマと反応点の無いアクリル樹脂,ウレタン樹脂等の重合物を用いるモノマに溶解することにより、硬化の際の収縮を低減することもできる。
次に、実施例2に係る有機発光装置を説明する。図4は、実施例2に係る有機発光装置の断面図である。本実施例における有機発光装置は、青色発光と緑発光層と赤色発光とをなす3つの発光層を有している。本実施例において、発光ユニットは、正孔輸送層3,青色発光層12,緑色発光層13,赤色発光層14,電子輸送層5およびバッファ層6で構成される。ただし、発光ユニットとしてバッファ層6はなくてもよい。本実施例においては、下部反射電極2から光取出し方向に向かって青色発光層12,緑色発光層13および赤色発光層14の順に配置されているが、青色発光層12,緑色発光層13および赤色発光層14の配置は任意である。つまり、下部反射電極2から光取出し方向に向かって青色発光層12,赤色発光層14および緑色発光層13の順に配置してもよい。ただし、本実施例のように下部反射電極2から光取出し方向に向かって青色発光層12,緑色発光層13および赤色発光層14の順に配置することで、有機発光素子の膜厚をより薄くすることができる。
基板1上に下部反射電極2を形成した。作製条件は実施例1と同様である。その上に、正孔輸送層3として、真空蒸着法を用いて膜厚43nmのα−NPD共蒸着膜を形成した。
そのα−NPD膜の上に、膜厚40nmのN、N′−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン(mCP)及びビス−[2−(4′,6′−ジフルオロフェニル)ピリジネイト−N,C2′]イリジウム(III)ピコリネイト(FIrpic)の共蒸着膜を形成した。このCBP,FIrpicの蒸着速度は、それぞれ、0.2nm/sec,0.014nm/secとした。この共蒸着膜は青色発光層12として機能する。青色発光層12の発光スペクトルの中心波長が470nmであった。
次に、青色発光層12の上に、CBP及びIr(ppy)3の共蒸着膜からなる、膜厚6nmの緑色発光層13を形成した。作製条件は実施例1と同様である。
次に、緑色発光層13の上に、真空蒸着法により、膜厚20nmのCBP及びビス(2−(2′−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネイト−N,C3′)イリジウム(アセチル−アセトネイト)(btp2Ir(acac))を共蒸着した膜を形成した。CBP,btp2Ir(acac)の蒸着速度は、それぞれ、0.2nm/sec,0.014nm/secとした。この共蒸着膜は赤色発光層14として機能する。赤色発光層14の発光スペクトルの中心波長は610nmであった。
次に、赤色発光層14の上に、電子輸送層5,バッファ層6,上部透明電極7,光取出し層8を形成した。作製条件は、実施例1と同様である。これにより、有機発光素子が完成した。
次に、有機発光素子を形成した基板1と封止基板10を封止した。封止条件は、実施例1と同様である。これにより、有機発光装置が完成した。
以下、本実施例で示した有機発光素子における光干渉条件を示す。始めに、青発光における光干渉条件を検討する。青色発光層12の発光点は、青色発光層12と緑色発光層13との界面内の点となる。発光点から下部反射電極2までの光学長L1Rは、正孔輸送層3を構成するα−NPD蒸着膜の膜厚43nmに、α−NPDの屈折率1.8を乗じた値と青色発光層12の膜厚40nmに屈折率1.8を乗じた値を足した値149nmとなる。青発光スペクトルの中心波長λ0B,λ1B,λ2Bは、それぞれ、470nm,450nm,600nmとなる。L1Rはλ2の4分の1となるため、法線方向では、λ2B=600nmを強める干渉条件となっている。また、法線方向から38°傾いた方向ではλ0Bを強め合う干渉条件,法線方向から41°傾いた方向ではλ1Bを強め合う干渉条件となっており、赤発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。
次に、緑色発光における光干渉条件を検討する。緑色発光層13の発光点は、緑色発光層13と赤色発光層14との界面内の点である。発光点から下部反射電極2までの光学長は、L1Gは正孔輸送層3の光学長、青色発光層12の光学長及び緑色発光層13の光学長を足し合わせた値となる。緑色発光層13の膜厚は6nm、屈折率は1.8であるため、L1Gは160nmとなる。緑色発光スペクトルの中心波長λ0G,λ1G,λ2Gは、それぞれ、520nm,480nm,640nmとなる。そのため、法線方向から36°の方向でλ2G、42°の方向でλ0G、57°の方向でλ1Gを強めあう光干渉条件となっている。よって、緑色発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。
次に、赤色発光における干渉条件を検討する。赤色発光層14の発光点は、赤色発光層14と電子輸送層5との界面内の点である。発光点から下部反射電極2までの光学長は、L1Rは正孔輸送層3の光学長、青色発光層12の光学長、緑色発光層13の光学長及び赤色発光層14の光学長を足し合わせた値となる。赤色発光層の膜厚は20nm、屈折率は1.8であるため、L1Rは196nmとなる。赤色発光スペクトルの中心波長λ0Rは615nm、中心波長の発光強度を1としたスペクトルにおける発光強度が0.01となる短波長、長波長側の波長λ1R,λ2Rは、それぞれ、580nm,785nmとなる。法線方向では、λ2R=785nmを強める干渉条件となっている。また、法線方向から38°の方向でλ0R、42°の方向でλ1Rを強めあう光干渉条件となっている。よって、青色発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。
以上より、法線方向から60°の範囲内で、赤色発光スペクトル,緑色発光スペクトル及び青色発光スペクトルのほぼ全波長にわたって、強めあう干渉条件を満たす出射方向が存在する。これにより光取出し効率が、従来技術の干渉条件の層構成に光取出し層を設けた有機発光素子に比べて、1.6倍向上した。また、これら全波長の光は光取出し層で平均化されて出射されることにより、各出射方向での発光スペクトルがほぼ等しくなり、発光スペクトルの視野角依存性が抑制された。
従来技術の干渉条件では、有機発光素子を構成する有機層および透明電極からなる全光学長が発光中心波長の半分の整数倍(ケース1)、または全光学長に発光中心波長の四分の一を足した値が発光波長の半分の整数倍(ケース2)であることを規定している。本実施例の様に、発光色が複数ある場合(赤色,緑色,青色)、各々の発光スペクトルの中心波長において、ケース1またはケース2を満足する必要がある。本実施例の赤色,緑色および青色の発光色でケース1を満足するためには、有機層(正孔輸送層3,青色発光層12,緑色発光層13,赤色発光層14,電子輸送層5)とバッファ層6と上部透明電極7とからなる光学長を1.9μm程度にする必要がある。この光学長を総膜厚に換算すると、1μm程度となり、有機発光素子の総膜厚としては大きく、素子性能の低下を引き起こす。また、ケース2では、光学長2.0μm程度、総膜厚1.1μm程度となり、有機発光素子としては厚く、素子性能を低下させる。一方、本発明によれば、総膜厚を600nm程度にでき、素子性能の低下を抑制できる。
次に、実施例3に係る有機発光装置を説明する。図5は、実施例3に係る有機発光装置の断面図である。本実施例における有機発光装置は、第1の赤緑発光ユニット19,第2の赤緑発光ユニット19′及び青発光ユニット20からなるマルチフォトンエミッション(MPE)構造を用いた白色有機発光素子を用いている。本実施例のバリエーションとして、本実施例以外に、第1の赤青発光ユニット,第2の赤青発光ユニット及び緑発光ユニットからなるMPE構造、または、第1の緑青発光ユニット,第2の緑青発光ユニット及び赤発光ユニットからなるMPE構造が考えられる。3つのMPE構造を比較した場合、本実施例の構造が最も望ましい。青色発光層を赤色発光層および緑色発光層から電荷発生層を介して離し、青色発光層の発光効率を高くできるからである。つまり、赤色発光層または緑色発光層を青色発光層内に導入することにより、青色発光層に含まれるドーパントの励起分子から、赤色発光層に含まれるドーパント,緑色発光層に含まれるドーパントへのエネルギー移動が起こり、青色の発光効率を高くできる。また、赤色発光層に含まれるドーパントや緑色発光層に含まれるドーパントにより、青色発光ユニットに含まれる輸送材料やホスト材料のキャリア輸送性の低下が抑制でき、その結果、青色の発光効率を高くできる。
始めに、基板1上に下部反射電極2を形成する。作製条件は実施例1と同様である。次に、第1の赤緑発光ユニット19を形成した。下部反射電極2の上に、正孔輸送層3として、真空蒸着法を用いて膜厚59nmのα−NPD蒸着膜を形成した。その上に、膜厚30nmの緑色発光層13,膜厚30nmの赤色発光層14及び膜厚10nmの電子輸送層5を形成した。作製条件は実施例1,2の条件と同様である。電子輸送層5の屈折率は1.8であった。その上に、真空蒸着法にて、膜厚20nmのAlq3とLiとの共蒸着膜を形成した。このAlq3とLiとの共蒸着膜は電子注入層15として機能する。電子注入層15の屈折率は1.8であった。Liの濃度は、Alq3とLiとのモル比が1:1になるよう設定した。以上にて、第1の赤緑発光ユニット19を形成した。
次に、第1の赤緑発光ユニット19の上に、真空蒸着法にて、膜厚10nmの五酸化バナジウム膜を形成した。この五酸化バナジウム膜は電荷発生層16として機能する。電荷発生層16の屈折率は1.8であった。
次に、電荷発生層16の上に青発光ユニット20を形成した。青発光ユニットでは、始めに、正孔輸送層17として、真空蒸着法にて膜厚80nmのα−NPD蒸着膜を形成した。その上に、膜厚20nmの青色発光層12を形成した。青色発光層12の上に、正孔阻止層18として真空蒸着法にて膜厚10nmの2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)膜を形成した。正孔阻止層18の上に、電子輸送層5及び電子注入層15′を形成した。作製条件は、第1の赤緑発光ユニット19の各層と同様である。以上にて、青発光ユニット20を形成した。その上に、第2の電荷発生層16′を形成した。作製条件は、電荷発生層16と同様である。
次に、第2の赤緑発光ユニット19′を形成した。第2の電荷発生層16′の上に、正孔輸送層3′として、真空蒸着法を用いて膜厚195nmのα−NPD蒸着膜を形成した。正孔輸送層3′の上に、膜厚40nmの緑色発光層13′、膜厚40nmの赤色発光層14′及び膜厚10nmの電子輸送層5′を形成した。作製条件は第1の赤緑発光ユニット19と同様である。電子輸送層5′の上に、バッファ層6′、上部透明電極7及び光取出し層8を形成した。作製条件は、実施例1と同様である。これにより、有機発光素子が完成する。
次に、有機発光素子を形成した基板1と封止基板10を封止した。封止条件は、実施例1と同様である。これにより、有機発光装置が完成する。
次に、本実施例の有機発光素子に用いたMPE構造の発光機構について説明する。第1の赤緑発光ユニット19と青発光ユニット20との間にある電荷発生層16は、電荷発生層16の下側にある電子注入層15に電子を供給し、電荷発生層16の上側にある正孔輸送層17に正孔を供給する。青発光ユニット20と第2の赤緑発光ユニット19′との間にある電荷発生層16′は、電荷発生層の下側にある電子注入層15′に電子を供給し、電荷発生層16′の上側にある正孔輸送層3′に、正孔を供給する。電荷発生層16及び電荷発生層16′内では等電位が保たれるため、電荷発生層とそれに接する輸送層の間にキャリアの注入障壁がなければ、電荷発生層16及び電荷発生層16′が供給する電子及び正孔の量は等しい。よって、第1の赤緑発光ユニット19では、下部反射電極2から正孔輸送層3,緑色発光層13,赤色発光層14の順に正孔が注入,伝搬され、電荷発生層16から電子注入層15,電子輸送層5,赤色発光層14,緑色発光層13の順に電子が注入,伝搬される。その結果、通常の有機発光素子の様に、赤緑色発光が得られる。また、青発光ユニット20では第1の電荷発生層16から正孔輸送層17,青色発光層12の順に正孔が注入,伝搬され、第2の電荷発生層16′から電子注入層15′に電子が注入され、通常の有機発光素子の様に、青色発光が得られる。最後に、第2の赤緑発光ユニット19′では、第2の電荷発生層16′から正孔輸送層3,緑色発光層13,赤色発光層14の順に正孔が注入され、陰極となる上部透明電極7からバッファ層6′,電子輸送層5′の順に電子が注入され、通常の有機発光素子の様に、赤緑色発光が得られる。
電荷発生層を構成する材料の具体例としては、本実施例で用いた五酸化バナジウム以外に、酸化モリブテン,酸化タングステン,酸化バナジウム,酸化アルミニウム,酸化ルテニウム,膜厚30nm以下の金属膜,透明導電膜が挙げられるが、これらに限定されない。また、前述した酸化材および正孔輸送材料を混在させた正孔輸送層と還元材および電子輸送材料を混在させた電子輸送層とを用い、電荷発生層をなくして正孔輸送層および電子輸送層を積層させた場合、正孔輸送層および電子輸送層は電荷発生層としての機能を有する。
次に、本実施例で示した有機発光素子における光干渉条件を示す。始めに、第1の赤緑発光ユニット19における、赤発光及び緑発光の光干渉条件を検討する。緑光の発光点は、緑色発光層13と赤色発光層14との界面内の点となる。発光点から下部反射電極2までの光学長L1Gは160nmとなり、法線方向から3°傾いた方向ではλ2G、法線方向から36°傾いた方向ではλ0G、法線方向から42°傾いた方向で、λ1Gを強め合う干渉条件となっており、緑発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。
また、赤光の発光点は、赤色発光層14と電子輸送層5との界面内の点となる。赤色発光の光学長L1Rは214nmとなり、法線方向から24°の方向でλ2R、44°の方向でλ0R、47°の方向でλ1Rを強めあう光干渉条件となっている。よって、赤色発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。
次に、青発光ユニット20における青色発光の干渉条件を検討する。青光の発光点は、正孔輸送層17と青色発光層12との界面内の点となる。よって、青色発光の光学長L1Bは466nmとなる。この値は、λ2Bの4分の3に等しい。よって、15°の方向でλ2B、41°の方向でλ0B、44°の方向でλ1Bを強めあう光干渉条件となっている。よって、青色発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。
次に、第2の赤緑発光ユニット19′における緑色発光及び赤色発光の干渉条件を検討する。緑発光の発光点は、緑色発光層13′と赤色発光層14′との界面内の点となる。発光点から下部反射電極2までの光学長L1Gは916nmとなり、法線方向から29°傾いた方向でλ2G、法線方向から45°傾いた方向ではλ0G、法線方向から49°傾いた方向で、λ1Gを強め合う干渉条件となっており、緑発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。また、赤色発光の光学長L1Rは988nmとなり、λ2Rの4分の5に等しい。よって、7°の方向でλ2R、39°の方向でλ0R、43°の方向でλ1Rを強めあう光干渉条件となっている。よって、赤色発光スペクトルのほぼ全ての波長で、強め合う干渉条件を有している。
以上より、全ての発光ユニットにおいて、法線方向から60°の範囲内で、赤発光スペクトル,緑発光スペクトル及び青発光スペクトルのほぼ全波長にわたって、強めあう干渉条件を満たす出射方向が存在する。これにより光取出し効率が、従来技術の干渉条件の層構成に光取出し層を設けた有機発光素子に比べて、1.7倍向上した。また、これら全波長の光は光取出し層で平均化されて出射される事により、各出射方向での発光スペクトルがほぼ等しくなり、発光スペクトルの視野角依存性が抑制された。
本実施例で示したような異なる発光色からなる複数の発光層を有する従来の有機発光素子において、全ての発光層で外部量子効率を向上させることが難しかった。そのため、例えば、赤色および緑色の中間波長である黄色および青色の波長で、従来光干渉条件を満たすような光学設計をしていた。また、MPE構造の有機発光素子では、通常の発光素子に比べて全光学長が長くなるので、光取出し効率を向上させるために必要な強め合う干渉条件を満足する波長領域が狭くなってしまう。そのため、赤色発光および緑色発光の光取出し効率が低下してしまう問題があった。そこで、本実施例のMPE構造を用いることにより、本実施例における有機発光素子の光取出し効率は、本実施例2で示した有機発光素子の光取出し効率に比べて大きくなった。
本実施例では、下部反射電極2側から、第1の赤緑発光ユニット,青発光ユニット,第2の赤緑発光ユニットの順に形成されている。この順番に限定される訳でなく、式1及び式2を満たす層構成であれば、別の順番でもよい。例えば、青発光ユニット20,第1の赤緑発光ユニット19,第2の赤緑発光ユニット19′でもよい。ただし、本実施例のように下部反射電極2側から、第1の赤緑発光ユニット,青発光ユニット,第2の赤緑発光ユニットの順に形成することにより、有機発光素子の膜厚をより薄くすることができる。
1 基板
2 下部反射電極
3,17 正孔輸送層
4,13,13′ 緑色発光層
5,5′ 電子輸送層
6,6′ バッファ層
7 上部透明電極
8 光取出し層
9 空気層
10 封止基板
12 青色発光層
14,14′ 赤色発光層
15,15′ 電子注入層
16 電荷発生層
18 正孔阻止層
19 第1の赤緑発光ユニット
19′ 第2の赤緑発光ユニット
20 青発光ユニット

Claims (11)

  1. 第一の基板および第二の基板と、
    前記第一の基板および前記第二の基板の間に配置された光取出し層と、
    前記光取出し層および前記第一の基板の間に配置された透明電極と、
    前記透明電極および前記第一の基板の間に配置された反射電極と、
    前記透明電極および前記反射電極の間に配置された第一の発光ユニットと、を有し、
    前記光取出し層には粒子およびバインダが含まれ、
    前記粒子の屈折率は前記透明電極の屈折率より高く、
    前記第一の発光ユニットには第一の発光色を有する第一の発光層が含まれ、
    前記第一の発光層における第一の発光点から前記反射電極までの光学長をL1とし、
    前記第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長をλ2とし、
    前記第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長をλ1とした場合、
    下記式1および式2の関係を満たす有機発光装置。
    L1≧λ2/4 …(式1)
    L1cosθ1=λ1(1/4+n/2)
    (nは0以上の整数、0°<θ1≦60°) …(式2)
  2. 請求項1において、
    前記第一の発光ユニットには第二の発光色を有する第二の発光層が含まれ、
    前記第一の発光層における第一の発光点から前記反射電極までの光学長及び前記第二の発光層における第二の発光点から前記反射電極までの光学長を比較した場合、短い方の光学長をL2とし、
    前記第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長及び前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長を比較した場合、長い方の波長をλ4とし、
    前記第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長および前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長を比較した場合、短い方の波長をλ3とした場合、
    前記式1および式2の代わりに式3および式4の関係を満たす有機発光装置。
    L2≧λ4/4 …(式3)
    L2cosθ2=λ3(1/4+n/2)
    (nは0以上の整数、0°<θ2≦60°) …(式4)
  3. 請求項2において、
    前記第一の発光ユニットには第三の発光色を有する第三の発光層が含まれ、
    前記第一の発光層における第一の発光点から前記反射電極までの光学長、前記第二の発光層における第二の発光点から前記反射電極までの光学長および前記第三の発光層における第三の発光点から前記反射電極までの光学長を比較した場合、一番短い光学長をL3とし、
    前記第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長、前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長および前記第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長を比較した場合、一番長い波長をλ6とし、
    前記第一の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長、前
    記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長および前
    記第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長を比較し
    た場合、一番短い波長をλ5とした場合、
    記式3の代わりに下記式5の関係を満たし、
    記式4の代わりに下記式6の関係を満たす有機発光装置。
    L3≧λ6/4 …(式5)
    L3cosθ3=λ5(1/4+n/2)
    (nは0以上の整数、0°<θ3≦60°) …(式6)
  4. 請求項1において、
    前記透明電極および前記反射電極の間に第二の発光ユニットが配置され、
    前記第一の発光ユニットおよび前記第二の発光ユニットの間には電荷発生層が配置され、
    前記第二の発光ユニットには第二の発光色を有する第二の発光層が含まれ、
    前記第二の発光層における発光点から前記反射電極までの光学長をL4とし、
    前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長をλ8とし、
    前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長をλ7とした場合、
    下記式7および下記式8の関係を満たす有機発光装置。
    L4≧λ8/4 …(式7)
    L4cosθ4=λ7(1/4+n/2)
    (nは0以上の整数、0°<θ4≦60°) …(式8)
  5. 請求項4において、
    前記第二の発光ユニットには第三の発光色を有する第三の発光層が含まれ、
    前記第二の発光層における第二の発光点から前記反射電極までの光学長及び前記第三の発光層における第三の発光点から前記反射電極までの光学長を比較した場合、短い方の光学長をLp1とし、
    前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長及び前記第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長を比較した場合、長い方の波長をλp2とし、
    前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長及び前記第三の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長を比較した場合、短い方の波長をλp1とし、
    前記式7および前記式8の代わりに下記式9および下記式10の関係を満たす有機発光装置。
    Lp1≧λp2/4 …(式9)
    Lp1cosθp1=λp1(1/4+n/2)
    (nは0以上の整数、0°<θp1≦60°)…(式10)
  6. 請求項3において、
    前記第一の発光色は青色であり、
    前記第二の発光色は緑色であり、
    前記第三の発光色は赤色であり、
    前記反射電極から前記透明電極に向かって、前記第一の発光層,前記第二の発光層,前記第三の発光層の順に配置される有機発光装置。
  7. 請求項5において、
    前記第一の発光色は青色であり、
    前記第二の発光色および前記第三の発光色の一方は赤色であり、他方は緑色である有機発光装置。
  8. 請求項1において、
    前記第一の発光ユニットには第二の発光色を有する第二の発光層が含まれ、
    前記第二の発光層における第二の発光点から前記反射電極までの光学長をL5とし、
    前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる長波長側の波長をλ10とし、
    前記第二の発光色の発光スペクトルの最大強度の1%の強度となる短波長側の波長をλ9とした場合、
    下記式11および式12の関係を満たす有機発光装置。
    L5≧λ10/4 …(式11)
    L5cosθ5=λ9(1/4+n/2)
    (nは0以上の整数、0°<θ5≦60°) …(式12)
  9. 請求項1において、
    前記光取出し層は粘着層を介して前記第二の基板に接着される有機発光装置。
  10. 請求項1において、
    前記第一の発光ユニットは、正孔輸送層,電子輸送層,バッファ層,正孔注入層および電子注入層を有する有機発光装置。
  11. 請求項1において、
    動装置を有する光源装置。
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