JP5621739B2 - 固体レーザ装置 - Google Patents
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Description
しかし、温度チューニング中に大きなエネルギーのレーザがレーザ照射対象物あるいはレーザ照射対象物以外の物に不要に照射されてしまうと、それらを破損しかねない問題点があった。
これに対して、半導体レーザの駆動電流を小さくしてしまえば、大きなエネルギーのレーザが出力されることは防げるが、温度チューニング中の出力の変化や駆動電流の変化の範囲が小さくなってしまうため、精度の高い温度チューニングを行うことが困難になる問題点を生じる。
そこで、本発明の目的は、大きなエネルギーを持ったレーザを出力せずに且つ高精度に温度チューニングを行うことが出来る固体レーザ装置を提供することにある。
上記第1の観点による固体レーザ装置(100)では、第二高調波発生素子(4)の温度を最適温度近傍から外した温度にした状態で第三高調波発生素子(5)の温度をスイープして最適温度Ttpを求めるので、半導体レーザ(1)の駆動電流が大きくても大きなエネルギーを持ったレーザが出力されることはない。また、第三高調波発生素子(5)の温度を最適温度近傍から外した温度にした状態で第二高調波発生素子(4)の温度をスイープして最適温度Tspを求めるので、半導体レーザ(1)の駆動電流が大きくても大きなエネルギーを持ったレーザが出力されることはない。さらに、半導体レーザ(1)の駆動電流を大きくすることが出来るため、温度チューニング中の出力の変化や駆動電流の変化の範囲も大きくなり、精度の高い温度チューニングを行うことが出来る。
上記第2の観点による固体レーザ装置(100)では、半導体レーザ(1)の駆動電流を大きくすることが出来るため、温度チューニング中の出力の変化範囲が大きくなり、精度の高い温度チューニングを行うことが出来る。
上記第3の観点による固体レーザ装置(100)では、温度チューニング中の最大出力が、第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであり且つ第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの出力の半分以下になる。
上記第4の観点による固体レーザ装置(100)では、半導体レーザ(1)の駆動電流を大きくすることが出来るため、温度チューニング中の駆動電流の変化範囲が大きくなり、精度の高い温度チューニングを行うことが出来る。
上記第5の観点による固体レーザ装置(100)では、温度チューニング中の駆動電流の変化範囲が、第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであり且つ第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの駆動電流の1.5倍以上になる。
図1は、実施例1に係る固体レーザ装置100を示す構成説明図である。
この固体レーザ装置100は、励起レーザ光を発生する半導体レーザ1と、励起レーザ光によって励起され基本波を発生する固体レーザ媒質2と、固体レーザ媒質2を含んで光共振器20を構成するためのミラー3,3と、光共振器20内に設置され光共振器20で発振する基本波の第三高調波を発生するための第二高調波発生素子4および第三高調波発生素子5と、第二高調波発生素子4の温度を制御するための素子温度制御機構9sおよび温調ユニット(ペルチェ素子および温度センサを含む)11sと、第三高調波発生素子5の温度を制御するための素子温度制御機構9tおよび温調ユニット11tと、第三高調波出力の一部を分岐するビームスプリッタ6と、ビームスプリッタ6で分岐された光を受光する光検出器7と、光検出器7での光検出信号を読み出す読出し回路(AD変換回路を含む)8と、半導体レーザ1を駆動するための半導体レーザ駆動機構10と、第二高調波発生素子4の温度を最適温度近傍から外した温度にした状態で第三高調波発生素子5の温度をスイープして最適温度Ttpを求めると共に第三高調波発生素子5の温度を最適温度近傍から外した温度にした状態で第二高調波発生素子4の温度をスイープして最適温度Tspを求める温度チューニング機構12とを具備している。
第三高調波発生素子5の温度Ttが異なっても、出力が最大付近になる第二高調波発生素子4の温度すなわち最適温度Tspは約42℃である。
第二高調波発生素子4の温度Tsが異なっても、出力が最大付近になる第三高調波発生素子5の温度すなわち最適温度Ttpは約41℃である。
(1)第二高調波発生素子4を最適温度Tsp=約42℃とし且つ第三高調波発生素子5を最適温度Ttp=約41℃とすると、出力は最大値になる(約125μJ)。
(2)第二高調波発生素子4の温度Tsを例えば30℃にすれば、第三高調波発生素子5を最適温度Ttp=約41℃としても、出力は最大値の半分以下になる(約62μJ)。そして、第三高調波発生素子5の温度Ttを例えば39℃〜43℃で変化させたときの出力の変化範囲は約40μJ(=62μJ−20μJ)で十分大きく、最適温度Ttpを精度高く検出することが容易である。
(3)第二高調波発生素子4の温度Tsを例えば27℃にすれば、第三高調波発生素子5を最適温度Ttp=約41℃としても、出力は最大値の半分以下になる(約62μJ)。しかし、第三高調波発生素子5の温度Ttを例えば39℃〜43℃で変化させたときの出力の変化範囲は約20μJ(=30μJ−10μJ)であり、第二高調波発生素子4の温度Tsを例えば30℃にしたときよりも最適温度Ttpを精度高く検出することが難しくなる。
(4)第三高調波発生素子5の温度Ttを例えば38.5℃にすれば、第二高調波発生素子4を最適温度Tsp=約42℃としても、出力は最大値の半分以下になる(約60μJ)。そして、第二高調波発生素子4の温度Tsを例えば30℃〜50℃で変化させたときの出力の変化範囲は約35μJ(=60μJ−25μJ)で十分大きく、最適温度Tspを精度高く検出することが容易である。
(5)第三高調波発生素子5の温度Ttを例えば38℃にすれば、第二高調波発生素子4を最適温度Tsp=約42℃としても、出力は最大値の半分以下になる(約30μJ)。しかし、第二高調波発生素子5の温度Tsを例えば30℃〜50℃で変化させたときの出力の変化範囲は約20μJ(=35μJ−15μJ)であり、第三高調波発生素子5の温度Tsを例えば38.5℃にしたときよりも最適温度Tspを精度高く検出することが難しくなる。
ステップR1では、温度チューニング機構12は、半導体レーザ駆動機構10から供給する駆動電流Iをオフし、半導体レーザ1からの励起レーザ光の発生を停止する。
図5は、実施例2に係る温度チューニング処理を示すフロー図である。
ステップS1では、温度チューニング機構12は、半導体レーザ駆動機構10から供給する駆動電流Iをオフし、半導体レーザ1からの励起レーザ光の発生を停止する。
2 固体レーザ媒質
3 ミラー
4 第二高調波発生素子
5 第三高調波発生素子
6 ビームスプリッタ
7 光検出器
8 読出し回路
9s,9t 素子温度調整機構
10 半導体レーザ駆動機構
11s,11t 温調ユニット
12 温度チューニング機構
20 光共振器
30 CPU
100 固体レーザ装置
Claims (5)
- 励起レーザ光を発生する半導体レーザ(1)と、前記励起レーザ光によって励起され基本波を発生する固体レーザ媒質(2)と、前記固体レーザ媒質(2)を含んで形成される光共振器(20)内に設置され前記光共振器(20)で発振する基本波の第三高調波を発生するための第二高調波発生素子(4)および第三高調波発生素子(5)と、前記第二高調波発生素子(4)の温度を制御するための第1温度制御手段(9s,11s)と、前記第三高調波発生素子(5)の温度を制御するための第2温度制御手段(9t,11t)と、第三高調波出力を検出する第三高調波出力検出手段(7,8)と、前記第二高調波発生素子(4)の温度を最適温度近傍から外した温度にした状態で前記第三高調波発生素子(5)の温度をスイープして最適温度Ttpを求めると共に前記第三高調波発生素子(5)の温度を最適温度近傍から外した温度にした状態で前記第二高調波発生素子(4)の温度をスイープして最適温度Tspを求める温度チューニング機構(12)とを具備したことを特徴する固体レーザ装置(100)。
- 請求項1に記載の固体レーザ装置(100)において、前記温度チューニング機構(12)は、一定の駆動電流で前記半導体レーザ(1)を駆動した状態で温度をスイープすることを特徴する固体レーザ装置(100)。
- 請求項2に記載の固体レーザ装置(100)において、前記第二高調波発生素子(4)の温度を最適温度近傍から外した温度が、前記第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの出力が、前記第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであり且つ前記第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの出力の50%以下になるような温度であり、前記第三高調波発生素子(5)の温度を最適温度近傍から外した温度が、前記第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであるときの出力が、前記第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであり且つ前記第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの出力の50%以下になるような温度であることを特徴する固体レーザ装置(100)。
- 請求項1に記載の固体レーザ装置(100)において、前記温度チューニング機構(12)は、前記第三高調波出力が一定出力になるように前記半導体レーザ(1)を駆動した状態で温度をスイープすることを特徴する固体レーザ装置(100)。
- 請求項4に記載の固体レーザ装置(100)において、前記第二高調波発生素子(4)の温度を最適温度近傍から外した温度が、前記第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの駆動電流が、前記第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであり且つ前記第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの駆動電流の150%以上になるような温度であり、前記第三高調波発生素子(5)の温度を最適温度近傍から外した温度が、前記第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであるときの駆動電流が、前記第二高調波発生素子(4)が最適温度Tspであり且つ前記第三高調波発生素子(5)が最適温度Ttpであるときの駆動電流の150%以上になるような温度であることを特徴する固体レーザ装置(100)。
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