JP5621502B2 - 電極板及び電極板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極板及び電極板の製造方法に関する。
従来の技術として、長い板状の導体からなる複数のバスバーが、経路途上で板面の長辺方向に沿って絶縁体を介して互いに隣接する隣接部を有し、固定手段によって絶縁体と共に層状化して固定された層状型バスバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の層状型バスバーは、バスバーが層状に形成されているので、小型化と放熱性を両立することができる。
特開2004−140933号公報
しかし、従来の層状型バスバーは、更に放熱性を高めるためには、バスバーの面積を増大させる必要があり、重量の増大及び体積の増大を招いて製造コストを増大させる問題がある。
したがって、本発明の目的は、生産性が高く、導電率、放熱性、軟化温度及び表面品質に優れた電極板及び電極板の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、添加元素としての4mass ppm以上55mass ppm以下のTiと、2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素と、2mass ppm以上12mass ppm以下の硫黄とを含み、残部が銅と不可避的不純物とからなり、導電率が101.5%IACS以上であり、硫黄(S)及びTiの一部が、TiO、TiO 、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物又はTiO、TiO 、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物の凝集物として含まれ、Ti及びSの残部が固溶体として含まれ、TiO、TiO 、TiS、Ti−O−S結合を有する化合物又は凝集物が結晶粒内に分布しており、TiOが、200nm以下のサイズを有し、TiO が、1000nm以下のサイズを有し、TiSが、200nm以下のサイズを有し、Ti−O−S結合を有する化合物又は凝集物が、300nm以下のサイズを有し、500nm以下の粒子が90%以上であり、1200℃以上1320℃以下の溶銅温度で溶湯にした銅溶湯に前記Tiを添加し、前記Tiが添加された銅溶湯から鋳造ロッドを作製した後、最初の圧延ロールでの温度を880℃以下、最終圧延ロールでの温度を550℃以上に制御して前記鋳造ロッドに熱間圧延加工を施す工程を経て製造されたものである電極板を提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、加元素としての4mass ppm以上55mass ppm以下のTiと、2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素と、2mass ppm以上12mass ppm以下の硫黄とを含み、残部が銅と不可避的不純物とからなり、硫黄(S)及びTiの一部が、TiO、TiO 、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物又はTiO、TiO 、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物の凝集物として含まれ、Ti及びSの残部が固溶体として含まれ、TiO、TiO 、TiS、Ti−O−S結合を有する化合物又は凝集物が結晶粒内に分布しており、TiOが、200nm以下のサイズを有し、TiO が、1000nm以下のサイズを有し、TiSが、200nm以下のサイズを有し、Ti−O−S結合を有する化合物又は凝集物が、300nm以下のサイズを有し、500nm以下の粒子が90%以上である電極板の製造方法であって、1200℃以上1320℃以下の溶銅温度で溶湯にした銅溶湯にTiを添加する溶湯製造工程と、Tiが添加された銅溶湯からワイヤロッドを作製するワイヤロッド作製工程と、ワイヤロッドに最初の圧延ロールでの温度を880℃以下、最終圧延ロールでの温度を550℃以上に制御して熱間圧延を施す熱間圧延工程と、熱間圧延を経たワイヤロッドに伸線加工を施す伸線加工工程と、伸線加工が施されたワイヤロッドに圧延加工を施して電極板を形成する電極板形成工程と、を含む電極板の製造方法を提供する。
本発明に係る電極板及び電極板の製造方法によれば、生産性が高く、導電率、放熱性、軟化温度及び表面品質に優れた電極板及び電極板の製造方法を提供することができる。
図1は、TiS粒子のSEM像を示す図である。 図2は、図1の分析結果を示す図である。 図3は、TiO粒子のSEM像を示す図である。 図4は、図3の分析結果を示す図である。 図5は、Ti−O−S粒子のSEM像を示す図である。 図6は、図5の分析結果を示す図である。 図7は、本実施の形態に係るバスバーをパワーモジュールに接続した状態を示す概略図である。
[実施の形態の要約]
実施の形態に係る電極板は、Ti、Mg、Zr、Nb、Ca、V、Ni、Mn及びCrからなる群から選択された添加元素と、2mass ppmを超える量の酸素を含み、残部が銅と不可避的不純物とからなり、導電率が101.5%IACS以上である。添加元素として、Mg、Zr、Nb、Ca、V、Ni、Mn、Ti及びCrからなる群から選択されたものを選んだ理由は、これらの元素は他の元素と結合しやすい活性元素であり、Sと結合しやすいためSをトラップすることができ、銅母材(マトリクス)を高純度化することができるためである。添加元素は1種類以上含まれていてもよい。また、合金の性質に悪影響を及ぼすことのないその他の元素および不純物を合金に含有させることもできる。
また、以下に説明する好適な実施の形態においては、酸素含有量が2を超え30mass ppm以下が良好であることを説明しているが、添加元素の添加量およびSの含有量によっては、合金の性質を備える範囲において、2を超え400mass ppmを含むことができる。
[実施の形態]
(電極板の構成)
本実施の形態に係る電極板は、例えば、自動車等に用いられるパワーモジュールの小型化、及び/又はパワーモジュールに供給される電流の電流密度の増大の観点から、アルミニウム(Al)よりも熱伝導率の高い材料である銅(Cu)から構成する。この電極は、例えば、電源からの直流電流をパワーモジュールに供給し、また、パワーモジュールによって直流から交流に変換された交流電流を出力するために接続されるものである。
例えば、本実施の形態に係る電極板は、導電率101.5%IACS(万国標準軟銅(International Anneld Copper Standard)以上、抵抗率1.7241×10−8Ωmを100%とした場合の導電率)以上を満足する軟質型銅材としての軟質希薄銅合金材料を用いて構成される。
また、本実施の形態に係る電極板は、SCR(Southwire Continuous Rod)連続鋳造設備を用い、表面の傷が少なく、製造範囲が広く、安定生産が可能で、加工度90%(例えば、φ8mmからφ2.6mmのワイヤへの加工)での軟化温度が148℃以下の材料を用いて構成される。
また、本実施の形態に係る電極板は、2mass ppm以上12mass ppm以下の硫黄(S)と、2mass ppm以上30mass ppm以下の酸素(O)と、4mass ppm以上55mass ppm以下のチタン(Ti)とを含む。更に、硫黄(S)及びチタン(Ti)は、TiO、TiO、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物又はTiO、TiO、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物の凝集物として電極板に含まれ、残部のTi及びSは、固溶体として電極板に含まれる。
また、TiO、TiO、TiS、Ti−O−Sの形の化合物又は凝集物は電極板を構成する結晶粒の内部に分布しており、TiOは、200nm以下のサイズを有し、TiOは、1000nm以下のサイズを有し、TiSは、200nm以下のサイズを有し、Ti−O−Sの形の化合物又は凝集物は、300nm以下のサイズを有する。更に、本実施の形態に係る電極板は、500nm以下の粒子を90%以上含む。結晶粒とは、銅の結晶組織のことを意味する。
(電極板の製造方法)
本実施の形態に係る電極板の製造方法は以下のとおりである。この電極板の原料としてのチタン(Ti)を含む軟質希薄銅合金材料を準備する(原料準備工程)。次に、この軟質希薄銅合金材料を1100℃以上1320℃以下の鋳造温度で溶湯にする(溶湯製造工程)。次に、溶湯からワイヤロッドを作製する(ワイヤロッド作製工程)。続いて、ワイヤロッドに880℃以下550℃以上の温度で熱間圧延加工を施す(熱間圧延工程)。更に、熱間圧延工程を経たワイヤロッドに伸線加工を施す(伸線加工工程)。次に、伸線加工が施されたワイヤロッドに圧延加工を施して電極板を形成する(電極板形成工程)。これにより、本実施の形態に係る電極板が製造される。
また、電極板の製造には、2mass ppm以上12mass ppm以下の硫黄(S)と、2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素(O)と、4mass ppm以上55mass ppm以下のチタン(Ti)とを含む軟質希薄銅合金材料を用いる。具体的に、φ2.6mmのサイズで130℃以上148℃以下の軟化温度を有する軟質希薄銅合金材料を用いる。2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素を含有していることから、この実施の形態では、いわゆる低酸素銅(LOC)を対象としている。
以下、本実施の形態に係る電極板の実現において、本発明者が検討した内容を説明する。
まず、純度が6N(つまり、99.9999%)の高純度銅は、加工度90%における軟化温度は130℃である。したがって、本発明者は、安定生産することができる130℃以上148℃以下の軟化温度で軟質材の導電率が101.5%IACS以上である軟質銅を安定して製造することができる軟質希薄銅合金材料と、この軟質希薄銅合金材料の製造方法について検討した。
ここで、酸素濃度が1〜2mass ppmである高純度銅(4N)を準備して、実験室に設置した小型連続鋳造機(小型連鋳機)を用い、この銅(Cu)を銅(Cu)の溶湯にした。そして、この溶湯にチタン(Ti)を数mass ppm添加した。続いて、チタン(Ti)を添加した溶湯からφ8mmのワイヤロッドを製造した。次に、φ8mmのワイヤロッドをφ2.6mmに加工した(つまり、加工度が90%である)。このφ2.6mmのワイヤロッドの軟化温度は160℃〜168℃であり、この温度より低い軟化温度にはならなかった。また、このφ2.6mmのワイヤワイヤロッドの導電率は、101.7%IACS程度であった。つまり、ワイヤロッドに含まれる酸素濃度を低下させ、チタン(Ti)を溶湯に添加してもワイヤロッドの軟化温度を低下させることができないと共に、高純度銅(6N)の導電率102.8%IACSよりも導電率が低いという知見を本発明者は得た。
軟化温度を低下させることができず、導電率が6Nの高純度銅より低くなった原因は、溶湯の製造中に不可避的不純物としての数mass ppm以上の硫黄(S)が含まれることに起因すると推測された。すなわち、溶湯に含まれている硫黄(S)とチタン(Ti)との間でTiS等の硫化物が十分に形成されないことに起因して、ワイヤロッドの軟化温度が低下しないものと推測された。
そこで、本発明者は、電極板の軟化温度の低下と、電極板の導電率の向上とを実現すべく、以下の二つの方策を検討した。そして、以下の二つの方策を電極板の製造に併せ用いることで、本実施の形態に係る電極板を得た。
図1は、TiS粒子のSEM(Scanning Electron Microscope)像であり、図2は、図1の分析結果を示す。また、図3は、TiO粒子のSEM像であり、図4は、図3の分析結果を示す。更に、図5は、Ti−O−S粒子のSEM像であり、図6は、図5の分析結果を示す。なお、SEM像において図の中心付近に各粒子が示されている。図1〜図6は、表1の実施例1の上から三段目に示す酸素濃度、硫黄濃度、Ti濃度をもつφ8mmの銅線(ワイヤロッド)の横断面をSEM観察及びEDX分析にて評価したものである。観察条件は、加速電圧15KeV、エミッション電流10μAとした。
まず、第1の方策は、酸素濃度が2mass ppmを超える銅(Cu)に、チタン(Ti)を添加した状態で、銅(Cu)の溶湯を作製することである。この溶湯中においては、TiSとチタン(Ti)の酸化物(例えば、TiO)とTi−O−S粒子とが形成されると考えられる。これは、図1のSEM像と図2の分析結果、図3のSEM像と図4の分析結果からの考察である。なお、図2、図4、及び図6において、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)はSEM観察する際に観察対象物に蒸着する金属元素である。
次に、第2の方策は、銅(Cu)中に転位を導入することにより硫黄(S)の析出を容易にすることを目的として、熱間圧延工程における温度を通常の銅の製造条件における温度(つまり、950℃〜600℃)より低い温度(880℃〜550℃)に設定することである。このような温度設定により、転位上への硫黄(S)の析出、又はチタン(Ti)の酸化物(例えば、TiO)を核として硫黄(S)を析出させることができる。一例として、図5及び図6のように、溶銅と共にTi−O−S粒子等が形成される。
以上の第1の方策及び第2の方策により、銅(Cu)に含まれる硫黄(S)が晶出すると共に析出するので、所望の軟化温度と所望の導電率とを有する銅ワイヤロッドを冷間伸線加工後に得ることができる。
また、本実施の形態に係る電極板は、SCR連続鋳造圧延設備を用いて製造する。ここで、SCR連続鋳造圧延設備を用いる場合における製造条件の制限として、以下の3つの条件を設けた。
(1)組成について
導電率が102%IACS以上の軟質銅材を得る場合には、不可避的不純物を含む純銅(ベース素材)として、3〜12mass ppmの硫黄(S)と、2を超え30mass ppm以下の酸素(O)と、4〜25mass ppmのチタン(Ti)とを含む軟質希薄銅合金材料を用いる。
通常、純銅の工業的製造において、電気銅を製造する際に硫黄(S)が銅(Cu)の中に取り込まれるので、硫黄(S)を3mass ppm以下にすることは困難である。汎用電気銅の硫黄濃度の上限は、12mass ppmである。
酸素濃度が低い場合、電極板の軟化温度が低下しにくいので、酸素濃度は2mass ppmを超えるように制御する。また、酸素濃度が高い場合、熱間圧延工程で電極板の表面に傷が生じやすくなるので、30mass ppm以下に制御する。
(2)分散している物質について
電極板内に分散している分散粒子のサイズは小さいことが好ましく、また、電極板内に分散粒子が多く分散していることが好ましい。その理由は、分散粒子は、硫黄(S)の析出サイトとしての機能を有するからであり、析出サイトとしてはサイズが小さく、数が多いことが要求されるからである。
電極板に含まれる硫黄(S)及びチタン(Ti)は、TiO、TiO、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物又はTiO、TiO、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物の凝集物として含まれ、残部のTi及びSが固溶体として含まれる。電極板の原料である軟質希薄銅合金材料としては、TiOが200nm以下のサイズを有し、TiOが1000nm以下のサイズを有し、TiSが200nm以下のサイズを有し、Ti−O−Sの形の化合物が300nm以下のサイズを有しており、これらが結晶粒内に分布している軟質希薄銅合金材料を用いる。
なお、鋳造時の溶銅の保持時間及び冷却条件に応じて結晶粒内に形成される粒子サイズが変動するので、鋳造条件も適切に設定することを要する。
(3)鋳造条件について
SCR連続鋳造圧延により、鋳塊ロッドの加工度が90%(30mm)〜99.8%(5mm)でワイヤロッドを作製する。一例として、加工度99.3%でφ8mmのワイヤロッドを製造する条件を採用する。以下、鋳造条件(a)〜(b)について説明する。
[鋳造条件(a)]
溶解炉内での溶銅温度は1100℃以上1320℃以下に制御する。溶銅の温度が高いとブローホールが多くなり、傷が発生すると共に粒子サイズが大きくなる傾向にあるので1320℃以下に制御する。また、1100℃以上に制御する理由は、銅(Cu)が固まりやすく、製造が安定しないことが理由であるものの、溶銅温度は可能な限り低い温度が望ましい。
[鋳造条件(b)]
熱間圧延加工の温度は、最初の圧延ロールにおける温度を880℃以下に制御すると共に、最終圧延ロールでの温度を550℃以上に制御する。
通常の純銅の製造条件と異なり、溶銅中での硫黄(S)の晶出及び熱間圧延中における硫黄(S)の析出の駆動力である固溶限をより小さくすることを目的として、溶銅温度及び熱間圧延加工の温度を「鋳造条件(a)」及び「鋳造条件(b)」において説明した条件に設定することが好ましい。
また、通常の熱間圧延加工における温度は、最初の圧延ロールにおいて950℃以下、最終圧延ロールにおいて600℃以上であるが、固溶限をより小さくすることを目的として、本実施の形態では、最初の圧延ロールにおいて880℃以下、最終圧延ロールにおいて550℃以上に設定する。
なお、最終圧延ロールにおける温度を550℃以上に設定する理由は、550℃未満の温度では得られるワイヤロッドの傷が多くなり、製造される電極板を製品として扱うことができないからである。熱間圧延加工における温度は、最初の圧延ロールにおいて880℃以下の温度、最終圧延ロールにおいて550℃以上の温度に制御すると共に、可能な限り低い温度であることが好ましい。このような温度設定にすることで、電極板の軟化温度(φ8〜φ2.6mmに加工した後の軟化温度)を、6Nの高純度銅(Cu)の軟化温度(つまり、130℃)に近づけることができる。
無酸素銅の導電率は101.7%IACS程度であり、タフピッチ銅の導電率が101.2%IACSであり、6Nの銅(Cu)の導電率は102.8%IACSである。本実施の形態においては、例えば、直径φ8mmサイズのワイヤロッドの導電率が101.5%IACS以上である。また、本実施の形態においては、冷間伸線加工後の線材(例えば、φ2.6mm)のワイヤロッドの軟化温度が130℃以上148℃である軟質希薄銅合金を製造し、この軟質希薄銅合金を電極板の製造に用いる。
工業的に用いるためには、電解銅から製造した工業的に利用される純度の軟質銅線の導電率として、98%IACS以上の導電率が要求される。また、軟化温度は工業的価値から判断して148℃以下である。6Nの銅(Cu)の軟化温度は127℃〜130℃であるので、得られたデータから軟化温度の上限値を130℃に設定する。このわずかな違いは、6Nの銅(Cu)には含まれていない不可避的不純物の存在に起因する。
ベース材の銅(Cu)は、シャフト炉で溶解された後、還元状態で樋に流すことが好ましい。すなわち、還元ガス(例えば、CO)雰囲気下において、希薄合金の硫黄濃度、チタン濃度、及び酸素濃度を制御しつつ鋳造すると共に、材料に圧延加工を施すことにより、ワイヤロッドを安定的に製造することが好ましい。なお、銅酸化物が混入すること、及び/又は粒子サイズが所定サイズより大きいことは、製造される電極板の品質を低下させる。
ここで、電極板にチタン(Ti)を添加物として添加した理由は次のとおりである。すなわち、(a)チタン(Ti)は溶融銅の中で硫黄(S)と結合することにより化合物になりやすく、(b)ジルコニウム(Zr)等の他の添加金属に比べて加工が容易で扱いやすく、(c)ニオブ(Nb)などに比べて安価であり、(d)酸化物を核として析出しやすいからである。
以上より、生産性が高く、導電率、軟化温度、表面品質に優れた実用的な軟質希薄銅合金材料を、本実施の形態に係る電極板の原料として得ることができる。なお、軟質希薄銅合金材料の表面にめっき層を形成することもできる。めっき層は、例えば、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)を主成分とする材料、又はPbフリーめっきを用いることができる。更に、軟質希薄銅合金材料の形状は特に限定されず、断面丸形状、棒状、又は平角導体上にすることができる。
また、本実施の形態では、SCR連続鋳造圧延法によりワイヤロッドを作製すると共に、熱間圧延にて軟質材を作製したが、双ロール式連続鋳造圧延法またはプロペルチ式連続鋳造圧延法を採用することもできる。以下に、上記の製造方法によって作製された電極板の実施例と比較例とについて説明する。
表1は実験条件と結果とを示す。
まず、実験材として、表1に示した酸素濃度、硫黄濃度、チタン濃度を有するφ8mmの銅線(ワイヤロッド、加工度99.3%)を作製した。φ8mmの銅線は、SCR連続鋳造圧延により、熱間圧延加工を施したものである。Tiは、シャフト炉で溶解された銅溶湯を還元ガス雰囲気で樋に流し、樋に流した銅溶湯を同じ還元ガス雰囲気の鋳造ポットに導き、この鋳造ポットにて、Tiを添加した後、これをノズルを通して鋳造輪と無端ベルトとの間に形成される鋳型にて鋳塊ロッドを作成した。この鋳塊ロッドを熱間圧延加工してφ8mmの銅線を作成したものである。次に、各実験材に冷間伸線加工を施した。これにより、φ2.6mmサイズの銅線を作製した。そして、φ2.6mmサイズの銅線の半軟化温度と導電率とを測定すると共に、φ8mmの銅線における分散粒子サイズを評価した。
酸素濃度は、酸素分析器(レコ(Leco(登録商標)酸素分析器)で測定した。硫黄、チタンの各濃度はICP発光分光分析で分析した。
φ2.6mmサイズにおける半軟化温度の測定は、400℃以下で各温度1時間の保持後、水中急冷し、引張試験を実施し、その結果から求めた。室温での引張試験の結果と400℃で1時間のオイルバス熱処理した軟質銅線の引張試験の結果を用いて求め、この2つの引張試験の引張強さを足して2で割った値を示す強度に対応する温度を半軟化温度と定義して求めた。
上述のとおり、電極板内に分散している分散粒子のサイズは小さいことが好ましく、また、電極板内に分散粒子が多く分散していることが好ましい。したがって、直径500nm以下の分散粒子が90%以上である場合を合格とした。ここに「サイズ」とは化合物のサイズであり、化合物の形状の直径と短径のうちの長径のサイズを意味する。また、「粒子」とは、前記TiO、TiO、TiS、Ti−O−Sのことを示す。また、「90%」とは、全体の粒子数に対しての該当粒子数の割合を示すものである。
表1において比較例1は、実験室でアルゴン(Ar)雰囲気において直径φ8mmの銅線を試作した結果であり、チタン(Ti)を0〜18mass ppm添加した。チタン(Ti)を添加していない銅線の半軟化温度が215℃であったのに対し、13mass ppmのチタン(Ti)を添加した銅線の軟化温度は160℃まで低下した(実験した中では最小温度である。)。表1に示すとおり、Ti濃度が15mass ppm、18mass ppmに増加するにつれ、半軟化温度も上昇しており、要求されている軟化温度である148℃以下を実現することはできなかった。また、導電率は101.5%IACS以上を満たしていないため、総合評価は不合格(以下、不合格を「×」と表す)であった。
そこで、比較例2として、SCR連続鋳造圧延法を用い、酸素濃度を7〜8mass ppmに調整したφ8mm銅線(ワイヤロッド)を試作した。
比較例2においては、SCR連続鋳造圧延法で試作した中でTi濃度が最小(つまり、0mass ppm、2mass ppm)の銅線であり、導電率は102%IACS以上であったものの、半軟化温度が164℃、157℃であり、要求されている148℃以下ではなかったことから、総合評価は「×」であった。
実施例1においては、酸素濃度と硫黄濃度とが略一致(つまり、酸素濃度:7〜8mass ppm、硫黄濃度:5mass ppm)すると共に、Ti濃度が4〜55mass ppmの範囲内で異なる銅線を試作した。
Ti濃度が4〜55mass ppmの範囲では、軟化温度が148℃以下であり、102%IACS以上であり、分散粒子サイズは500nm以下の粒子が90%以上であり良好であった。また、ワイヤロッドの表面もきれい(つまり、表面が滑らか)であり、いずれも製品性能を満たしていたので、総合評価は合格(以下、合格を「○」と表す)であった。
ここで、導電率102%IACS以上を満たす銅線は、Ti濃度が4〜25mass ppmの場合であった。Ti濃度が13mass ppmの場合に導電率は最大値である102.4%IACSを示し、この濃度の周辺では、導電率はわずかに低い値であった。これは、Ti濃度が13mass ppmの場合に、銅(Cu)の中の硫黄分を化合物として捕捉することで、高純度銅(6N)に近い導電率を示すためである。
よって、酸素濃度を高くし、チタン(Ti)を添加することで、半軟化温度と導電率との双方を満足させることができる。
比較例3は、Ti濃度が25mass ppmを超える試作材である。この比較例3は、半軟化温度は要望を満たしているが、導電率が101.5%IACSを下回っているため、総合評価は×であった。
比較例4においては、Ti濃度を60mass ppmにした銅線を試作した。比較例3に係る銅線は、導電率は要求を満たすものの、半軟化温度は148℃以上であり、製品性能を満たしていなかった。更に、ワイヤロッドの表面の傷も多く、製品として採用することは困難であった。よって、チタン(Ti)の添加量は60mass ppm未満が好ましいことが示された。
実施例2に係る銅線おいては、硫黄濃度を5mass ppmに設定すると共に、Ti濃度を13〜10mass ppmの範囲で制御して、酸素濃度を変更することにより酸素濃度の影響を検討した。
酸素濃度に関しては、2mass ppmを超え30mass ppm以下まで、大きく濃度が異なる銅線をそれぞれ作製した。ただし、酸素濃度が2mass ppm未満の銅線は生産が困難で安定的に製造できないので、総合評価は「△」とした(なお、「△」は「○」と「×」との中間の評価である。)。また、酸素濃度を30mass ppmにしても半軟化温度及び導電率の双方とも、要求を満たした。
比較例5においては、酸素濃度が40mass ppmの場合に、ワイヤロッドの表面の傷が多く、製品として採用することができない状態であった。
よって、酸素濃度を2を超え30mass ppm以下の範囲にすることで、半軟化温度、導電率102%IACS以上、分散粒子サイズのいずれの特性も満足させることができ、また、ワイヤロッドの表面もきれいであり、製品性能を満足させることができることが示された。
実施例3は、酸素濃度とTi濃度とを互いに近づけた濃度に設定すると共に、硫黄濃度を4〜20mass ppmの範囲内で変更した銅線である。実施例3においては、硫黄濃度が2mass ppmより小さい銅線については、原料の制約上、実現できなかった。しかしながら、Ti濃度と硫黄濃度とをそれぞれ制御することで、半軟化温度及び導電率の双方とも、要求を満たすことができた。
比較例6においては、硫黄濃度が18mass ppmであり、Ti濃度が13mass ppmである場合には、半軟化温度が162℃と高く、要求される特性を満足しなかった。また、特に、ワイヤロッドの表面品質が悪く、製品化は困難であった。
以上より、硫黄濃度が2〜12mass ppmの範囲の場合には、半軟化温度、導電率102%IACS以上、分散粒子サイズのいずれの特性も満足させることができ、また、ワイヤロッドの表面もきれいであり、製品性能を満足させることができることが示された。
比較例7は、6NのCuを用いた銅線である。比較例6に係る銅線においては、半軟化温度が127℃〜130℃であり、導電率が102.8%IACSであり、分散粒子サイズも500μm以下の粒子は全く認められなかった。
表2には、製造条件としての溶融銅の温度と圧延温度とを示す。
比較例8においては、溶銅温度が1330℃〜1350℃で、かつ、圧延温度が950〜600℃でφ8mmのワイヤロッドを作製した。比較例8に係るワイヤロッドは、半軟化温度及び導電率は要求を満たすものの、分散粒子サイズに関しては1000nm程度の粒子が存在しており、500nm以上の粒子も10%を超えて存在していた。よって、比較例8に係るワイヤロッドは不適と判定した。
実施例4においては、溶銅温度を1200℃〜1320℃の温度範囲で制御すると共に、圧延温度を880℃〜550℃の温度範囲に制御してφ8mmのワイヤロッドを作製した。実施例4に係るワイヤロッドは、ワイヤロッド表面の品質、分散粒子サイズが良好であり、総合評価は「○」であった。
比較例9においては、溶銅温度を1100℃に制御すると共に、圧延温度を880℃〜550℃の温度範囲に制御してφ8mmのワイヤロッドを作製した。比較例に係るワイヤロッドは、溶銅温度が低いことからワイヤロッドの表面の傷が多く製品としては適さなかった。これは、溶銅温度が低いことから、圧延時に傷が発生しやすいことに起因するからである。
比較例10においては、溶銅温度を1300℃に制御すると共に、圧延温度を950℃〜600℃の温度範囲に制御してφ8mmのワイヤロッドを作製した。比較例10に係るワイヤロッドは、熱間圧延工程における温度が高いことからワイヤロッドの表面の品質は良好であるものの、分散粒子サイズには大きいサイズが含まれ、総合評価は「×」になった。
比較例11においては、溶銅温度を1350℃に制御すると共に、圧延温度を880℃〜550℃の温度範囲に制御してφ8mmのワイヤロッドを作製した。比較例11に係るワイヤロッドは、溶銅温度が高いことに起因して分散粒子サイズに大きなサイズが含まれ、総合評価は「×」になった。
(バスバーについて)
図7は、本実施の形態に係るバスバーをパワーモジュールに接続した状態を示す概略図である。図7は、例えば、電極板としてのバスバー1a〜バスバー1eが接続されたパワーモジュール2の周辺部の一部を図示している。以下では、本実施の形態の電極板をバスバーに適用した場合について説明する。
バスバー1a〜バスバー1eは、例えば、上記に記載した板形状の電極板を、面積が大きい表面に平行な平面内においてL字形状に折り曲げ加工を施して形成され、その一方の端部がパワーモジュール2に取り付けられている。また、バスバー1a〜バスバー1eは、例えば、一方の端部にボルト3が挿入される孔が形成されている。バスバー1a〜バスバー1eの他の端部は、例えば、接続先に応じて加工される。
パワーモジュール2は、自動車に搭載され、自動車の電源から供給される直流電流を交流電流に変換して自動車のモータに出力するように構成されている。このパワーモジュール2は、例えば、電源から供給された直流電流が入力するプラス入力端子2a及びマイナス入力端子2bと、電子回路によって変換された三相交流電流を出力する出力端子2c〜出力端子2eと、を備えて概略構成されている。
バスバー1aは、ボルト3を用いてプラス入力端子2aに固定され、プラス入力端子2aを介してパワーモジュール2の内部の電子回路と電気的に接続している。また、バスバー1bは、ボルト3を用いてマイナス入力端子2bに固定され、マイナス入力端子2bを介してパワーモジュール2の内部の電子回路と電気的に接続している。また、バスバー1cは、ボルト3を用いて出力端子2cに固定され、出力端子2cを介してパワーモジュール2の内部の電子回路と電気的に接続している。また、バスバー1dは、ボルト3を用いて出力端子2dに固定され、出力端子2dを介してパワーモジュール2の内部の電子回路と電気的に接続している。また、バスバー1eは、ボルト3を用いて出力端子2eに固定され、出力端子2eを介してパワーモジュール2の内部の電子回路と電気的に接続している。
このバスバー1a〜バスバー1eは、例えば、表1に示す実施例1の上から3番目の導電率が最も高い素材を用いて形成される。つまり、この素材から形成されたバスバー1a〜バスバー1eは、比較例1〜比較例10において作製された素材の何れよりも導電率が高いので、比較例1〜比較例10で作製された銅線から形成されたバスバーよりも電流による発熱が少なくなる。
また、バスバー1a〜バスバー1eは、溶銅温度が1320℃で、かつ、圧延温度が880℃〜550℃となる条件を用いて、導電率が最も高い素材からφ8mmのワイヤロッドを作製し、続いて、このワイヤロッドに伸線加工を施してφ2.6mmの素材を作製し、続いて、この素材に圧延加工を施すことにより、厚さ1.0mm、幅5.0mmのバスバーとして作製されたものである。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る電極板は、銅の高純度化(99.9999質量%以上)処理を要さず、安価な連続鋳造圧延法により高い導電率を実現することができるので、低コスト化ができる。電極板は、タフピッチ銅に比べてより高い導電率の素材から形成されるので、放熱性の向上により半導体素子の温度上昇を抑制でき信頼性が向上する。添加したチタン(Ti)が不純物である硫黄(S)をトラップするので、銅母相(マトリックス)が高純度化し、素材の軟質特性が向上する。電極板の製造工程においては、焼鈍工程が不要であるので、生産性が高い。
また、本実施の形態に係るバスバーは、断面が矩形状であるので、断面が円形状であるバスバーと比べて、高い放熱効果を有し、また、軟質特性が良いので、配線時の形状加工が容易である。
なお、上記に記載のバスバー1a〜バスバー1eは、板形状であったがこれに限定されず、用途に応じて曲げ加工やワイズエッジ加工を行っても良い。
以上、本発明の実施の形態及びその変形例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び変形例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1a〜1e…バスバー
2…パワーモジュール
2a…プラス入力端子
2b…マイナス入力端子
2c…出力端子
2d…出力端子
2e…出力端子
3…ボルト

Claims (2)

  1. 加元素としての4mass ppm以上55mass ppm以下のTiと、2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素と、2mass ppm以上12mass ppm以下の硫黄とを含み、残部が銅と不可避的不純物とからなり、導電率が101.5%IACS以上であり、
    前記硫黄(S)及び前記Tiの一部が、TiO、TiO 、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物又は前記TiO、前記TiO 、前記TiS、若しくは前記Ti−O−S結合を有する化合物の凝集物として含まれ、前記Ti及びSの残部が固溶体として含まれ、
    前記TiO、前記TiO 、前記TiS、前記Ti−O−S結合を有する化合物又は前記凝集物が結晶粒内に分布しており、
    前記TiOが、200nm以下のサイズを有し、
    前記TiO が、1000nm以下のサイズを有し、
    前記TiSが、200nm以下のサイズを有し、
    前記Ti−O−S結合を有する化合物又は前記凝集物が、300nm以下のサイズを有し、
    500nm以下の粒子が90%以上であり、
    1200℃以上1320℃以下の溶銅温度で溶湯にした銅溶湯に前記Tiを添加し、前記Tiが添加された銅溶湯から鋳造ロッドを作製した後、最初の圧延ロールでの温度を880℃以下、最終圧延ロールでの温度を550℃以上に制御して前記鋳造ロッドに熱間圧延加工を施す工程を経て製造されたものである電極板。
  2. 加元素としての4mass ppm以上55mass ppm以下のTiと、2mass ppmを超え30mass ppm以下の酸素と、2mass ppm以上12mass ppm以下の硫黄とを含み、残部が銅と不可避的不純物とからなり、前記硫黄(S)及び前記Tiの一部が、TiO、TiO 、TiS、若しくはTi−O−S結合を有する化合物又は前記TiO、前記TiO 、前記TiS、若しくは前記Ti−O−S結合を有する化合物の凝集物として含まれ、前記Ti及びSの残部が固溶体として含まれ、前記TiO、前記TiO 、前記TiS、前記Ti−O−S結合を有する化合物又は前記凝集物が結晶粒内に分布しており、前記TiOが、200nm以下のサイズを有し、前記TiO が、1000nm以下のサイズを有し、前記TiSが、200nm以下のサイズを有し、前記Ti−O−S結合を有する化合物又は前記凝集物が、300nm以下のサイズを有し、500nm以下の粒子が90%以上である電極板の製造方法であって、
    1200℃以上1320℃以下の溶銅温度で溶湯にした銅溶湯に前記Tiを添加する溶湯製造工程と、
    前記Tiが添加された銅溶湯からワイヤロッドを作製するワイヤロッド作製工程と、
    前記ワイヤロッドに最初の圧延ロールでの温度を880℃以下、最終圧延ロールでの温度を550℃以上に制御して熱間圧延を施す熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延を経た前記ワイヤロッドに伸線加工を施す伸線加工工程と、
    前記伸線加工が施された前記ワイヤロッドに圧延加工を施して電極板を形成する電極板形成工程と、
    を含む電極板の製造方法。
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