JP5618520B2 - 透明導電性積層体及び透明タッチパネル - Google Patents

透明導電性積層体及び透明タッチパネル Download PDF

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Description

本発明は透明導電性積層体に関する。より詳しくは本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)、透明タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ、電磁波シールド材等のための透明導電性積層体、特に透明タッチパネルの電極基板のための透明導電性積層体に関する。また、本発明は、このような透明導電性積層体を有する透明タッチパネルに関する。
光学用途で用いられる透明有機高分子基板、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、タッチパネル等のための用いられる透明有機高分子基板としては、トリアセチルセルロース(TAC)のようなセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのようなポリエステル系フィルム等が知られている。
これらの透明有機高分子基板は、取り扱いの際に、そのままでは滑り性が不足し、取り扱い性が不良であるため、表面に易滑層を形成させ、易滑性を向上させる方法が考えられている。ここでこの易滑層の形成のためには、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン等の無機粒子、及び/又はシリコーン、架橋ポリスチレン等の有機粒子を含有しているバインダーを用いることが知られている。
しかしながら、このように無機粒子及び/又は有機粒子を含有しているバインダーから作られた易滑層を用いる場合、バインダー中に含有されるこれらの粒子によって光が散乱し、得られる透明有機高分子基板の透明性又はヘーズ特性が損なわれるという問題があった。
この問題を解決するために、例えば特許文献1では、無機粒子及び/又は有機粒子を含有している易滑層を有するポリエステルフィルム中において、触媒に起因する微細粒子が特定の条件で存在する光学用積層体を得ている。
国際公開WO2003/093008号
上記のような取り扱い性の問題は、透明有機高分子基板の一方の面上に透明導電層を有する透明導電性積層体においても存在し、したがってこのような透明導電性積層体においても、無機粒子及び/又は有機粒子を含有しているバインダーから作られた易滑層を用いることが考えられる。しかしながら、透明導電性積層体、特に透明タッチパネルのための電極基板において使用される透明導電性積層体においては、その透明性又はヘーズ特性が非常に重要であり、したがって取り扱い性に関して好ましい易滑性を有しつつ、必要な透明性又はヘーズ特性を達成する透明導電性積層体が求められている。
〈1〉透明有機高分子基板、上記透明有機高分子基板の一方の面上の透明導電層、及び上記透明有機高分子基板の他方の面上の凹凸表面を有する硬化樹脂層、を有する透明導電性積層体であって、
上記硬化樹脂層が、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の成分を含有するコーティング組成物から形成された凹凸表面を有しており、上記硬化樹脂層が、凹凸表面を形成するための無機及び/又は有機微粒子を含有しておらず、上記硬化樹脂層の凹凸表面の算術平均粗さ(Ra)が、5nm以上500nm未満であり、且つ上記硬化樹脂層の凹凸表面の十点平均粗さ(Rz)が、50nm以上2,000nm未満である透明導電性積層体。
〈2〉上記硬化樹脂層の凹凸表面が、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層するための表面である、上記〈1〉項に記載の透明導電性積層体
〈3〉上記凹凸表面を有する硬化樹脂層の代わりにヘーズがない基準硬化樹脂層を有することを除いて上記透明導電性積層体と同じ透明導電性積層体を、基準透明導電性積層体としたときに、下記の関係を満たす、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の透明導電性積層体:
−0.1<H1−H2<1.0
(H1: 上記凹凸表面を有する硬化樹脂層の凹凸表面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層したときの、上記透明導電性積層体のヘーズ値(%)、
H2: 上記基準硬化樹脂層の表面上に、上記粘着剤層及び上記第2の透明基板を順次積層したときの、上記基準透明導電性積層体のヘーズ値(%))。
〈4〉上記硬化樹脂層の凹凸表面上に粘着剤層及び第2の透明基板が順次積層されてなる上記〈1〉又は〈2〉項に記載の透明導電性積層体。
〈5〉上記硬化樹脂層の屈折率と前記粘着剤層の屈折率との差が、0.05以下である、上記〈4〉項に記載の透明導電性積層体。
〈6〉少なくとも一方の面に透明導電層を有する2枚の透明電極基板が、互いの透明導電層同士が向き合うようにして配置されている、透明タッチパネルであって、
上記2枚の透明電極基板のうちの少なくとも一方が、上記〈1〉〜〈5〉項のいずれかに記載の透明導電性積層体を有する、透明タッチパネル。
本発明によれば、取り扱い性に関して好ましい易滑性を有しつつ、良好な透明性又はヘーズ特性を達成する透明導電性積層体が提供される。また、本発明によれば、このような透明導電性積層体を有する透明タッチパネルが提供される。
本発明の透明導電性積層体の1つの模式図である。 本発明の透明導電性積層体の他の模式図である。 本発明の透明タッチパネルの模式図である。
〈透明導電性積層体〉
本発明の透明導電性積層体は、透明有機高分子基板、透明有機高分子基板の一方の面上の透明導電層、及び透明有機高分子基板の他方の面上の凹凸表面を有する硬化樹脂層を有する。また、本発明の透明導電性積層体は、透明有機高分子基板(第1の透明基板)上の硬化樹脂層の凹凸表面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層していてもよい。
図1及び2に本発明の透明導電性積層体の例を示す。この図1で例示されている本発明の透明導電性積層体10は、透明有機高分子基板1、透明有機高分子基板1の一方の面上の透明導電層2、及び透明有機高分子基板1の他方の面上の凹凸表面を有する硬化樹脂層3を有する。また、この図2で例示されている本発明の透明導電性積層体20では、図1で例示されている本発明の透明導電性積層体10の構成(1、2、3)に加えて、硬化樹脂層3の凹凸表面上に順次積層されている粘着剤層4及び第2の透明基板5を更に有している。
〈透明導電性積層体−透明有機高分子基板〉
本発明の透明導電性積層体で用いられる透明有機高分子基板は、任意の透明有機高分子基板、特に光学分野で使用されている耐熱性、透明性等に優れた透明有機高分子基板であってよい。
本発明の透明導電性積層体に用いる透明有機高分子基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなる基板が挙げられる。また、本発明の透明導電性積層体に用いる透明有機高分子基板としては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドに代表されるアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなる基板も挙げられる。またさらに、本発明の透明導電性積層体に用いる透明有機高分子基板としては、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや上記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなる基板なども挙げられる。
本発明の透明導電性積層体では、これら透明有機高分子基板のうち、光学的に複屈折の少ないもの、複屈折をλ/4やλ/2に制御したもの、又は複屈折をまったく制御していないものを、用途に応じて適宜選択することができる。ここで言うように用途に応じて適宜選択を行う場合としては、例えば液晶ディスプレイに使用する偏光板や位相差フィルム、インナー型のタッチパネルのように、直線偏光、楕円偏光、円偏光などの偏光によって機能を発現するディスプレイ部材として、本発明の透明導電性積層体を用いる場合を挙げることができる。
透明有機高分子基板の膜厚は適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性などの点より10〜500μm程度であり、特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
〈透明導電性積層体−透明導電層〉
本発明の透明導電性積層体では、透明有機高分子基板の一方の面上に透明導電層が配置されている。
本発明において、透明導電層は、特に制限は無いが、例えば結晶質の金属層あるいは結晶質の金属化合物層を挙げることができる。透明導電層を構成する成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。これらのうち酸化インジウムを主成分とした結晶質の層であることが好ましく、特に結晶質のITO(Indium Tin Oxide)からなる層が好ましく用いられる。
また、透明導電層が結晶質の材料から作られている場合、結晶粒径は、特に上限を設ける必要はないが3000nm以下であることが好ましい。結晶粒径が3000nmを超えると筆記耐久性が悪くなるため好ましくない。ここで結晶粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)下で観察される多角形状又は長円状の各領域における対角線又は直径の中で最大のものと定義される。
透明導電層が結晶質の膜でない場合には、タッチパネルに要求される摺動耐久性や環境信頼性が低下することがある。
透明導電層は、公知の手法にて形成することが可能であり、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法等の物理的形成法(Physical Vapor Deposition(以下では「PVD」とする))等を用いることができるが、大面積に対して均一な膜厚の金属化合物層を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、上記物理的形成法(PVD)のほかに、化学気相堆積法(Chemical Vapor Deposition(以下では「CVD」とする))、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできるが、膜厚制御の観点からはやはりスパッタリング法が望ましい。
透明導電層の膜厚は、透明性と導電性の点から5〜50nmであることが好ましい。更に好ましくは5〜30nmである。透明導電層の膜厚が5nm未満では抵抗値の経時安定性に劣る傾向が有り、また50nmを超えると表面抵抗値が低下するためタッチパネルとして好ましくない。
本発明の透明導電性積層体をタッチパネルに用いる場合、タッチパネルの消費電力の低減と回路処理上の必要等から、膜厚10〜30nmにおいて透明導電層の表面抵抗値が100〜2000Ω/□(Ω/sq)、より好ましくは140〜1000Ω/□(Ω/sq)の範囲を示す透明導電層を用いることが好ましい。
〈透明導電性積層体−凹凸表面を有する硬化樹脂層〉
本発明の透明導電性積層体では、透明導電層とは反対側で、透明有機高分子基板の面上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層が配置されている。ここで、この硬化樹脂層の凹凸表面は、物性の差に基づいて互いに相分離する2種の成分を含有するコーティング組成物から形成されることによって凹凸表面を有しており、且つ硬化樹脂層は、凹凸表面を形成するための無機及び/又は有機微粒子を含有していない。また、硬化樹脂層の凹凸表面の算術平均粗さ(Ra)は、10nm以上500nm未満であり、且つ硬化樹脂層の凹凸表面の十点平均粗さ(Rz)は、100nm以上2,000nm未満である。
本発明の透明導電性積層体では、硬化樹脂層の凹凸表面が、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の成分を含有するコーティング組成物から形成されており、且つ硬化樹脂層が、凹凸表面を形成するための無機及び/又は有機微粒子を含有していないことによって、硬化樹脂層の凹凸表面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層したときに、良好な透明性又はヘーズ特性を達成する透明導電性積層体を提供することができる。すなわちこの場合、本発明の透明導電性積層体では、凹凸表面を有する硬化樹脂層において、凹凸表面を形成するための無機及び/又は有機微粒子、すなわち比較的大きい無機及び/又は有機微粒子に起因するヘーズが発生しない。
これは、対象となる光の波長の1/4以下の大きさの物体は一般に光学的に透明であるように振る舞うこと、すなわち例えば600nmの可視光に関しては150nm未満の大きさの物体は光学的に透明であるように振る舞うことによる。ただしこれは、物体が存在する密度、分散の度合い等にも依存しおり、この大きさの物体が常に完全に透明な物体として振る舞うことを意味するものではない。
なお、本発明に関して、「凹凸表面を形成するための無機及び/又は有機微粒子を含有しておらず」とは、このような無機及び/又は有機微粒子が意図的には添加されていないことを意味している。
また、本発明の透明導電性積層体では、硬化樹脂層の凹凸表面の算術平均粗さ(Ra)が、5nm以上500nm未満であり、且つ硬化樹脂層の凹凸表面の十点平均粗さ(Rz)が、50nm以上2,000nm未満であることによって、透明導電性積層体の取り扱い性に関して好ましい易滑性を提供することができる。この硬化樹脂層の凹凸表面の算術平均粗さ(Ra)および硬化樹脂層の凹凸表面の十点平均粗さ(Rz)は、例えば、相分離する少なくとも2種の成分のSP値および量比、使用する溶剤の種類と量、乾燥時の温度、乾燥時間、硬化条件、硬化後の膜厚等を制御する事により、当該範囲とすることが出来る。
算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは5nm以上400nm未満であり、より好ましくは5nm以上300nm未満であり、さらに好ましくは5nm以上200nm未満であり、特に好ましくは10nm以上200nm未満である。
なお、本発明に関して、平均算術粗さ(中心線平均粗さ)(Ra)は、JIS B0601−1994準拠で定義されるものである。具体的には、算術平均粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその中心線の方向に基準長さLの部分を抜き取り、その抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表した時、下記の式によって表されるものである:
Figure 0005618520
十点平均粗さ(Rz)は、好ましくは50nm以上1500nm未満であり、より好ましくは50nm以上1000nm未満であり、更により好ましくは70nm以上800nm未満であり、また更に好ましくは100nm以上500nm未満である。
なお、本発明に関して、十点平均粗さ(Rz)は、JIS B0601−1982準拠で定義されるものである。具体的には、十点平均粗さ(Rz)は、アナログ式表面粗さ測定器によって求めた値であり、基準長さの断面曲線(測定したままのデータ)において、最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和として定義される値である。ここで、基準長さは0.25mmとする。
(凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する第1及び第2成分)
凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する材料、すなわち物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の成分を含有するコーティング組成物については、例えば国際公開WO2005/073763号公報を参照することができる。
例えばこの国際公開WO2005/073763号公報に記載のように、このコーティング組成物は、透明有機高分子基板上に塗布されて硬化樹脂層を形成するときに、コーティング組成物中に含まれる第1及び第2成分の物性の差に基づいて、第1成分と第2成分とが相分離することにより、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層を形成する。ここで、このコーティング組成物に含有される具体的な第1及び第2成分としては、それぞれ独立に、モノマー、オリゴマー及び樹脂からなる群から選択することができる。
第1及び第2成分との物性の差に基づいて第1成分と第2成分とが相分離をもたらすためには、第1及び第2成分の特定の物性の値の差、例えばSP値(溶解性パラメーター(Solubility Parameter))、ガラス転移温度(Tg)、表面張力、及び/又は数平均分子量等の値の差が、一定の大きさを有するようにすることができる。ここで、コーティング組成物に含有されている第1及び第2成分は、1:99〜99:1、好ましくは1:99〜50:50、より好ましくは1:99〜20:80の割合で用いることができる。
(凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する第1及び第2成分−SP値)
第1成分と第2成分との相分離がSP値(溶解性パラメータ)の差によってもたらされる場合、第1成分のSP値と第2成分のSP値との差が、0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。このSP値の差の上限は特に限定されないが、一般には15以下である。第1成分のSP値と第2成分のSP値との差が0.5以上ある場合は、互いの樹脂の相溶性が低く、それによりコーティング組成物の塗布後に第1成分と第2成分との相分離がもたらされると考えられる。
なお、SP値は、数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。本発明に関して、SP値は、SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)、及びこの文献を引用している上記の国際公開WO2005/073763号公報に記載の方法によって実測されるものである。
この場合の第1及び第2成分の例として、第1成分がオリゴマー又は樹脂であり、且つ第2成分がモノマーである場合が挙げられる。第1成分のオリゴマー又は樹脂は、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であることがより好ましく、また第2成分のモノマーは、多官能性不飽和二重結合含有モノマーであることがより好ましい。なお、本明細書でいう「オリゴマー」とは、繰り返し単位を有する重合体であって、この繰り返し単位の数が3〜10であるものをいう。
また、第1及び第2成分の他の例として、第1及び第2成分が、共にオリゴマー又は樹脂である場合が挙げられる。第1及び第2成分は、(メタ)アクリル樹脂を骨格構造に含む樹脂であることが好ましい。この第1成分は、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であることがより好ましく、また第2成分は、多官能性不飽和二重結合含有モノマーであることがより好ましい。
なお、本発明の硬化樹脂層のためのコーティング組成物は、さらに有機溶媒を含んでもよい。好ましい有機溶媒としては、例えばメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール等のアルコール系溶媒、アニソール等のエーテル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
(凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する第1及び第2成分−ガラス転移温度(Tg))
第1成分と第2成分との相分離がガラス転移温度(Tg)の差によってもたらされる場合、第1及び第2成分のうちいずれか一方が、組成物塗布時の環境温度より低いTgを有し、他方が組成物塗布時の環境温度より高いTgを有することが好ましい。この場合は、環境温度より高いTgを有する樹脂は、その環境温度では分子運動が制御されたガラス状態であるため、塗布後にコーティング組成物中で凝集し、それにより第1成分と第2成分との相分離がもたらされると考えられる。
(凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する第1及び第2成分−表面張力)
第1成分と第2成分との相分離が、表面張力の差によってもたらされる場合、第1成分の表面張力と第2成分の表面張力との差が、1〜70dyn/cmであることが好ましく、この差が5〜30dyn/cmであることがさらに好ましい。表面張力の差がこの範囲である場合には、より高い表面張力を有する樹脂が凝集する傾向にあり、それによりコーティング組成物の塗布後に、第1成分と第2成分との相分離がもたらされると考えられる。
なお、この表面張力は、ビックケミー社製ダイノメーターを用いて輪環法で測定した静的表面張力を求めることによって測定することができる。
(凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する第1及び第2成分以外の成分)
凹凸表面を有する硬化樹脂層のためのコーティング組成物には、上記の第1及び第2成分のほかに、通常使用される樹脂が含まれてもよい。また、凹凸表面を有する硬化樹脂層のためのコーティング組成物は、第1成分と第2成分を、必要に応じて、溶媒、触媒、硬化剤と併せて混合することにより調製される。
凹凸表面を有する硬化樹脂層のためのコーティング組成物中の溶媒は、特に限定されるものではなく、第1及び第2成分、塗装の下地となる部分の材質及び組成物の塗装方法等を考慮して適時選択される。用いられる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
〈透明導電性積層体−粘着剤層及び第2の透明基板〉
本発明の透明導電性積層体は、硬化樹脂層の凹凸表面上に順次積層されている粘着剤層及び第2の透明基板を更に有することができる。この本発明の透明導電性積層体の粘着剤層及び第2の透明基板は、任意の粘着剤層及び第2の透明基板、特に光学用途で用いられる任意の粘着剤層及び第2の透明基板であってよい。
粘着剤層及び第2の透明基板は、本発明の透明導電性積層体の用途に応じて選択することができる。すなわち、本発明の透明導電性積層体全体としての透明性が高いことが望まれる用途では当然に、透明性の高い粘着剤層及び第2の透明基板を用いることが好ましい。
〈透明導電性積層体−粘着剤層及び第2の透明基板−粘着剤層〉
粘着剤層を構成する材料としては、公知の感圧性粘着剤や硬化性樹脂、例えば熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂のような放射線硬化型樹脂を挙げることができる。中でもアクリル系の感圧性粘着剤が好ましく用いられる。
なお、凹凸表面を有する硬化樹脂層の屈折率と粘着剤層の屈折率は実質的に同じであることが好ましい。これは、これらの屈折率の値が実質的に同じ場合には、硬化樹脂層と粘着剤層との界面における光の反射、散乱等を抑制できることによる。ここで、屈折率が「実質的に同じ」は例えば、平均屈折率の差が0.05以下、特に0.03以下、より特に0.02以下、さらに0.01以下、特に0.005以下、より特に0.002以下であることを意味している。また、ここで用いられる平均屈折率は例えば、アッベ屈折計((株)アタゴ社製、商品名:アッベ屈折計2−T)により測定される値である。
〈透明導電性積層体−粘着剤層及び第2の透明基板−第2の透明基板〉
第2の透明基板としては、透明プラスチックフィルム、透明プラスチック板、ガラス板等を使用することができる。透明プラスチックフィルム又は板のための材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PET)等のポリエステル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなる基板が挙げられる。また、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドに代表されるアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなる基板も挙げられる。またさらに、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや上記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなる基板なども挙げられる。
本発明の透明導電性積層体の第2の透明基板の具体的な材料及び厚さは、透明導電性積層体の用途に応じて任意の厚さを有することができる。例えば本発明の透明導電性積層体を透明タッチパネルの可動電極基板として用いる場合には、可動電極基板をスイッチとして動作させるための可撓性と平坦性を保つ為の強度の点から、第2の透明基板として透明プラスチックフィルムを用い、且つ粘着剤層及び第2の透明基板を有する透明導電性積層体全体としての厚さが50〜400μmとなるようにすることができる。また、本発明の透明導電性積層体を透明タッチパネルの固定電極基板として用いる場合には、平坦性を保つ為の強度の点から、第2の透明基板として透明ガラス板又は透明プラスチック板を用い、且つ粘着剤層及び第2の透明基板を有する透明導電性積層体全体としての厚さが0.2〜4.0mmとなるようにすることができる。
〈透明導電性積層体−他の層〉
本発明の透明導電性積層体は、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明の透明導電性積層体を構成する各層の間及び/又は上部、例えば透明有機高分子基板と凹凸表面を有する硬化樹脂層の間、及び/又は透明有機高分子基板と透明導電層との間、及び/又は凹凸表面を有する硬化樹脂層の上部、及び/又は透明導電層の上部に、接着層、硬質層、光学干渉層等の層を有していてもよい。
例えば、凹凸表面を有する硬化樹脂層は、透明有機高分子基板上に直接に又は適当なアンカー層を介して積層される。こうしたアンカー層としては例えば、凹凸表面を有する硬化樹脂層と透明有機高分子基板との密着性を向上させる機能を有する層、水分や空気の透過を防止する機能を有する層、水分や空気を吸収する機能を有する層、紫外線や赤外線を吸収する機能を有する層、基板の帯電性を低下させる機能を有する層等が好ましく挙げられる。
〈透明導電性積層体−ヘーズ〉
上記記載のように、本発明の透明導電性積層体は、凹凸表面を有する硬化樹脂層によって取り扱い性に関して好ましい易滑性を有しつつ、硬化樹脂層の凹凸表面上に粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層したときに、良好な透明性又はヘーズ特性を達成することができる。
この場合のヘーズ特性は例えば、凹凸表面を有する硬化樹脂層の代わりにヘーズがない基準硬化樹脂層を有することを除いて本発明の透明導電性積層体と同じ透明導電性積層体を、基準透明導電性積層体としたときに、下記の関係を満たすものである:
−0.1<H1−H2<1.0
好ましくは−0.1<H1−H2<0.5
より好ましくは−0.1<H1−H2<0.3
更により好ましくは、−0.1<H1−H2<0.1
(H1: 凹凸表面を有する硬化樹脂層の凹凸表面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層したときの、透明導電性積層体のヘーズ値(%)、
H2: 基準硬化樹脂層の表面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層したときの、基準透明導電性積層体のヘーズ値(%))。
ここで、基準透明導電性積層体の「ヘーズがない基準硬化樹脂層」は、実質的に内部ヘーズを有さない硬化樹脂層を意味しており、例えば測定される内部ヘーズが0.1未満の硬化樹脂層として定義することができる。
この差の値(H1−H2)が小さいことは、本発明の透明導電性積層体の硬化樹脂層の凹凸表面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層したときに、易滑層を有さない対応する透明導電性積層体(すなわち基準透明導電性積層体)に相当する透明性又はヘーズ特性を達成ができること、すなわち良好な透明性又はヘーズ特性を達成ができることを意味している。
なお、本発明に関して、ヘーズは、JIS K7136準拠で定義されるものである。具体的には、ヘーズは、全光線透過率τに対する拡散透過率τの比として定義される値であり、より具体的には下記の式から求めることができる:
ヘーズ(%)=[(τ/τ)−τ(τ/τ)]×100
τ: 入射光の光束
τ: 試験片を透過した全光束
τ: 装置で拡散した光束
τ: 装置及び試験片で拡散した光束
〈透明タッチパネル〉
本発明の透明タッチパネルでは、少なくとも一方の面に透明導電層を有する2枚の透明電極基板が、互いの透明導電層同士が向き合うようにして配置されており、これら2枚の透明電極基板のうちの少なくとも一方が、本発明の透明導電性積層体を有する。
図3に本発明の透明タッチパネルの例を示す。この図3で例示されている本発明の透明タッチパネル100は、固定電極基板20’、可動電極基板20”及びこれらの電極間のドットスペーサー9を有する。
可動電極基板20”と固定電極基板20’の間のスペースは、ドットスペーサー9を用いて通常10〜100μmの間隔に設定されている。この可動電極基板20”をその表面上から指あるいは筆(ペン)で押すと、その押した位置で可動電極基板20”と固定電極基板20’とが電気的に接触し、それによってその入力位置を電位差として検出することが可能になる。ドットスペーサー9は、可動電極基板20’が自然力で撓んで固定電極基板20”と接触することを抑制しつつ、指又はペンで入力することを可能にするために設けられるものであるが、必須ではない。
本発明の透明タッチパネルは、液晶表示装置に取付けることができる。この場合例えば、図3に示す本発明の透明タッチパネル100において、固定電極基板20’側の第2の透明基板5’として、液晶表示装置の液晶層を挟持しているガラス基板のうちの一方を用いることができる。
なお、固定電極基板20’は、透明有機高分子基板1’、透明有機高分子基板の一方の面上の透明導電層2’、透明有機高分子基板の他方の面上の、凹凸表面を有する硬化樹脂層3’、硬化樹脂層の凹凸表面上に順次積層されている粘着剤層4’、及びガラス板のような第2の透明基板5’を有する。また、可動電極基板20”は、透明有機高分子基板1”、透明有機高分子基板の一方の面上の透明導電層2”、透明有機高分子基板の他方の面上の、凹凸表面を有する硬化樹脂層3”、硬化樹脂層の凹凸表面上に順次積層されている粘着剤層4”、及びプラスチックフィルムのような第2の透明基板5”を有する。
以下では実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例中における各種の測定は、下記のとおり行った。
〈Ra(算術平均粗さ)〉
Sloan社製触針段差計DEKTAK3を用いて測定した。測定はJIS B0601−1994年版に準拠して行なった。
〈Rz(十点平均粗さ)〉
(株)小坂研究所製SurfcorderSE−3400を用いて測定した。測定はJIS B0601−1982年版に準拠して行なった。
〈厚さ〉
Anritsu Electric社製の触針式膜厚計アルファステックを使用し測定を行った。
〈ヘーズ〉
日本電色(株)製ヘーズメーター(MDH2000)を用いて測定した。
〈易滑性〉
硬化樹脂層の易滑性は官能試験で、易滑性が良好(○)であるか、不良(×)であるかを評価した。
<実施例及び比較例>
実施例及び比較例の透明導電性積層体を、図2で示すようにして構成して、粘着剤層及び第2の透明基板を積層する前後で透明導電性積層体のヘーズ値を測定した。結果を下記の表1に示す。具体的には、実施例及び比較例の透明導電性積層体は下記のようにして製造した。
<実施例1>
実施例1の透明導電性積層体は下記のようにして製造した。
(硬化樹脂層の形成)
厚さ100μmのカーボネート(PC)フィルム(帝人化成(株)製C110)(第1の透明基板、ヘーズ値0.11%)の片面に、下記塗工液Rを用いてバーコート法によりコーティングし、30℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ3.0μm、屈折率1.50の硬化樹脂層を形成した。
塗工液Rは、凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する第1の成分としての飽和二重結合含有アクリル共重合体(Sp値:10.0、Tg:92℃)4.5重量部、凹凸表面を有する硬化樹脂層を構成する第2の成分としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(Sp値:12.7)100重量部、光重合開始剤としてのイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカル社製)7重量部を、イソブチルアルコール溶媒に固形分が30重量%となるように溶解して作製した。
なお、第1の成分としての不飽和二重結合含有アクリル共重合体(Sp値:10.0、Tg:92℃)は以下の通りに調整を行った。
イソボロニルメタクリレート171.6g、メチルメタクリレート2.6g、メチルアクリル酸9.2gからなる混合物を混合した。この混合液を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル330.0gに、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1.8gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル80.0g溶液と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃で30分間反応させた。
その後、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル17.0gの溶液を滴下して、テトラブチルアンモニウムブロマイド1.4gとハイドロキノン0.1gを含む5.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル22.4gとプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0gの溶液を2時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させて、第1の成分としての不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。
得られた不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、数平均分子量5,500、重量平均分子量18,000、Sp値:10.0、Tg:92℃、表面張力:31dyn/cmであった。
(ITO層の形成)
次いで硬化樹脂層を形成した他方の面上に、酸化インジウムと酸化錫の重量比が95:5の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法により透明導電層−1(ITO層)を形成した。ITO層の厚さは約20nm、表面抵抗値は約350Ω/□(Ω/sq)であった。
(透明導電性積層体の作成)
更に、硬化樹脂層の上に順次、アクリル系感圧性粘着剤(屈折率1.50)、厚さ100μmのポリカーボネート(PC)フィルム(帝人化成(株)製C110、ヘーズ値0.11%)(第2の透明基板)を貼合して、透明導電性積層体を作成した。
作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の塗工液Rの乾燥温度を70℃とした以外は実施例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。なお、得られた硬化樹脂層の屈折率は1.50であった。
[実施例3]
実施例1の透明基板(PC)の代わりに厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製OFW、ヘーズ値0.73%)を用い、塗工液Rの乾燥温度を70℃とした以外は実施例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。なお、得られた硬化樹脂層の屈折率は1.50であった。
[比較例1]
比較例1の透明導電性積層体は下記のようにして製造した。
実施例1の硬化樹脂層形成時、塗工液Rの代わりに下記の塗工液Sを使用し、膜厚を2μmとした以外は実施例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。なお、得られた硬化樹脂層の屈折率は1.51であった。
(塗工液S組成)
4官能アクリレート: 100質量部「アロニックス」M−405(東亞合成株式会社製)(重合後の屈折率:1.51)
一次平均粒子径が3.0μmのシリカ粒子: 1質量部(屈折率:1.48)
光反応開始剤: 5質量部「イルガキュア」184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
希釈液: 適宜の量(イソブチルアルコール)
[比較例2]
実施例1の硬化樹脂層形成時、塗工液Rの代わりに下記の塗工液Tを使用した以外は実施例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。ここで、この塗工液Tによって形成される硬化樹脂層は、ヘーズを有さない基準硬化樹脂層であり、したがって比較例2の透明導電性積層体を、基準透明導電性積層体とし、そのヘーズを基準ヘーズ(H2)とする。なお、得られた硬化樹脂層の屈折率は1.51であった。
(塗工液T組成)
4官能アクリレート: 100質量部「アロニックス」M−405(東亞合成株式会社製)(重合後の屈折率:1.51)
光反応開始剤: 5質量部「イルガキュア」184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
希釈液: 適宜の量(イソブチルアルコール)
Figure 0005618520
この表1から明らかなように、実施例1〜3の透明導電性積層体は、易滑性に優れていた。また、粘着剤層と第2の透明基板を順次積層させた場合の実施例1〜3の透明導電性積層体は、ヘーズ特性についても優れたものであった。より具体的には、粘着剤層と第2の透明基板を順次積層させた場合の実施例1及び2の透明導電性積層体のヘーズ値(H1)は、凹凸を有する硬化樹脂層の代わりに、ヘーズを有さない基準硬化樹脂層を用いた比較例2の基準透明導電性積層体のヘーズ値(H2)と同等であり、優れたものであった。
一方、比較例1の透明導電性積層体は、易滑性に優れていたものの、無機微粒子による光散乱のため、粘着剤層と第2の透明基板を順次積層させた場合のヘーズ特性が劣っていた。また、比較例2の透明導電性積層体は、粘着剤層と第2の透明基板を順次積層させた場合のヘーズ特性には優れるが、硬化樹脂層の表面が平坦であったため、易滑性が劣っていた。
1、1’、1” 透明有機高分子基板
2、2’、2” 透明導電層
3、3’、3” 凹凸表面を有する硬化樹脂層
4、4’、4” 粘着剤層
5、5’、5” 第2の透明基板
10、20 透明導電性積層体
20’ 透明導電性積層体(固定電極基材)
20” 透明導電性積層体(可動電極基材)
100 透明タッチパネル

Claims (5)

  1. 透明有機高分子基板、前記透明有機高分子基板の一方の面上の透明導電層、及び前記透明有機高分子基板の他方の面上の凹凸表面を有する硬化樹脂層、を有する透明導電性積層体であって、
    前記硬化樹脂層が、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の成分を含有するコーティング組成物から形成された凹凸表面を有しており、
    前記硬化樹脂層が、凹凸表面を形成するための無機及び/又は有機微粒子を含有しておらず、
    前記硬化樹脂層の凹凸表面の算術平均粗さ(Ra)が、5nm以上500nm未満であり
    前記硬化樹脂層の凹凸表面の十点平均粗さ(Rz)が、50nm以上2,000nm未満であり、且つ
    前記硬化樹脂層の凹凸表面が、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層するための表面である、
    透明導電性積層体。
  2. 前記凹凸表面を有する硬化樹脂層の代わりにヘーズがない基準硬化樹脂層を有することを除いて前記透明導電性積層体と同じ透明導電性積層体を、基準透明導電性積層体としたときに、下記の関係を満たす、請求項1に記載の透明導電性積層体:
    −0.1<H1−H2<1.0
    (H1: 前記凹凸表面を有する硬化樹脂層の凹凸表面上に、粘着剤層及び第2の透明基板を順次積層したときの、前記透明導電性積層体のヘーズ値(%)、
    H2: 前記基準硬化樹脂層の表面上に、前記粘着剤層及び前記第2の透明基板を順次積層したときの、前記基準透明導電性積層体のヘーズ値(%))。
  3. 前記硬化樹脂層の凹凸表面上に、前記粘着剤層及び前記第2の透明基板が順次積層されてなる請求項1又は2に記載の透明導電性積層体。
  4. 前記硬化樹脂層の屈折率と前記粘着剤層の屈折率との差が、0.05以下である、請求項3に記載の透明導電性積層体。
  5. 少なくとも一方の面に透明導電層を有する2枚の透明電極基板が、互いの透明導電層同士が向き合うようにして配置されている、透明タッチパネルであって、
    前記2枚の透明電極基板のうちの少なくとも一方が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電性積層体を有する、透明タッチパネル。
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