JP5616328B2 - 生体内変換システムを利用したオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの製造方法 - Google Patents

生体内変換システムを利用したオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、生体内変換システムを利用したオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの製造方法に関し、より詳細には、抗酸化機能に優れていて且つ美白効果を有するオルソ−ジヒドロキシイソフラボンを効率的に製造するために、ダイゼインとゲニステインを放線菌由来の微生物、特にストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)、ノカルジア・ファルシニカ(Nocardia farcinica)またはストレプトマイセス・リンカネンシス(Streptomyces lincolnesis)で生体内変換(biotransformation)させるオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの製造方法に関する。
イソフラボンは、主に豆に含有された植物性化合物であって、アグリコン(aglycon)としてイソフラボンを含む配糖体として存在し、発酵過程中に微生物の代謝によって非糖質形態に転換される。このようなイソフラボンは、抗癌、抗酸化、抗動脈硬化、血糖降下及び骨粗しょう症の予防などの効能があるものと知られていて、これに関する研究が活発になされている。特にイソフラボンのうち、7,8,4'−トリヒドロキシイソフラボン、7,6,4'−トリヒドロキシイソフラボン、7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン及び7,5,3’,4'−テトラヒドロキシイソフラボンは、オルソ−ジヒドロキシイソフラボン(ortho-dihydroxyisoflavone;ODI)であって、抗酸化効果が他のイソフラボンに比べて高く、化学的合成が難しいため、その価値が高い。
ダイゼインとゲニステインは、数多くの植物と大豆で発見されるジフェノールのフィトエストロゲン(diphenolic phytoestrogen)化合物である。これらの化合物は、抗酸化、抗菌及び金属キレート効果があると報告されている(Middleton et al., 1992; Dixon et al., 2002)。しかも、人類の健康のために医薬用や化学治療剤として使用されている(Foti et al., 2005)。最近、抗酸化剤としてダイゼインやゲニステインが位置特異的に水酸化された形態の化合物に対する関心が、増加している。オルソ位が特異的に水酸化された(Ortho-specific hydroxylated)形態のイソフラボンが、既存のダイゼインとゲニステインより高い生物学的効果があると報告されており(Rufer and Kulling, 2006)、抗炎症と抗アレルギー活性を有していると知られている(Rufer and Kulling, 2006)。また、タンパク質チロシンキナーゼの抑制剤として抗発癌性質を有しており(Akiyama et al., 1987)、強力なチロシナーゼ抑制剤とリポキシゲナーゼ抑制剤として用いられる(Chang et al., 2005; Voss et al., 1992)。また、癌に関連した疾病の原因を減らす化合物として用いられる事例も報告された(Klus and Barz, 1995; Coward et al., 1993)。このような水酸化された形態(hydroxylated form)の化合物は、有機化学的方法で合成が難しいため、天然物抽出や生合成方法だけで生産が可能である。
前述したように、水酸化された形態のイソフラボンの場合、天然物からの抽出や微生物を利用した生合成だけにより分離及び精製が可能である。天然物の抽出時にダイゼインとゲニステインは、イソフラボンの主要成分として得ることが容易であるが、それらが水酸化された形態は、そうではない。言い替えれば、大豆または植物に含有されているオルソ−ジヒドロキシイソフラボンのような場合、その収得率が高くなく、微生物を利用した生合成もあまり多く研究されていない状況である。
従来の技術では、天然物から低収率で抽出した水酸化された形態の化合物と、反応性の低い微生物を利用して水酸化された形態の化合物とを分析したが、微生物を利用したオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの生産性に関する報告はない。また、動物来由の肝細胞を利用したオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの反応性に関する報告はあるが、反応性が低いため、生産性が低いという問題点があった(Kulling et al., 2001)。
これより、本発明者らは、ダイゼインとゲニステインを放線菌由来の微生物、特にストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)、ノカルジア・ファルシニカ(Nocardia farcinica)またはストレプトマイセス・リンカネンシス(Streptomyces lincolnesis)で生体内変換させることによって、抗酸化機能に優れていて且つ美白効果を有するオルソ−ジヒドロキシイソフラボンを効率的に製造することができることを知見し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、ダイゼインとゲニステインを生体内変換させて、オルソ−ジヒドロキシイソフラボンを製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ダイゼインとゲニステインを放線菌由来の微生物、特にストレプトマイセス(Streptomyces)属またはノカルジア(Nocardia)属の微生物で生体内変換させて、オルソ−ジヒドロキシイソフラボンを製造する方法を提供する。
本発明では、放線菌由来の微生物を利用して抗酸化剤物質または美白物質であるODIを特異的に生成蓄積させ、ひいては、修飾された形態の化合物を生合成する製造方法を提供することができ、これは、今後の学問的研究と産業的活用時に高付加価値の発明となると期待される。
各試験物質のHPLC分析結果である(ピーク(1):代謝産物(metabolite)として7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン(7,3',4'-trihydroxyisoflavone)、ピーク(2):基質であるダイゼイン、ピーク(3):代謝産物として7,5,3',4'−テトラヒドロキシイソフラボン(7,5,3',4'-tetrahydroxyisoflavone)、ピーク(4):基質であるゲニステイン。HPLC分析条件は、UV:254nm、流速:1mL/min、使用された溶媒: ACN:DW=3:7、TFAを1%含有)。 7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボンのNMR分析結果である。 7,5,3',4'−テトラヒドロキシイソフラボンのNMR分析結果である。 ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)を利用したダイゼインを生体内変換させるための反応容器として、既存の反応容器(A)と、酸素供給を円滑にするために、本発明で使用した回分反応器(B)を示す写真である。 基質であるダイゼインと反応生成物のBSTFAによる誘導体化を利用したGC−MS分析結果である( 1):ダイゼイン、RT、18.5min、MS 398、 2):7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン、RT、24.4min、MS 486、 3):7,8,4'−トリヒドロキシイソフラボン、RT、25.1min、MS 486、 4):7,6,4'−トリヒドロキシイソフラボン、RT、26.8min、MS 486)。 ダイゼインをストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)で生体内変換して生成される様々な修飾された形態のイソフラボンの構造式である。 ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)のダイゼインに対する反応及びGC分析結果である(反応条件:コイル使用、220rpm、反応時間:3ヶ月、R2YE培地使用)。 分析のためのBSTFAを利用した誘導体化過程を示す模式図である。 試験物質のMSスペクトル結果である。 試験物質のMSスペクトル結果である。
以下、本発明をより詳しく説明する。本発明は、放線菌由来の微生物を利用して目的化合物、すなわちオルソ位が特異的に水酸化された形態のイソフラボンを製造する方法に関し、まず、本発明では、ダイゼインとゲニステインを基質として使用して、オルソ−ジヒドロキシイソフラボンを製造することができる菌株をスクリーニングした。
本発明によって選別された菌株として、ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)、ノカルジア・ファルシニカ(Nocardia farcinica)及びストレプトマイセス・リンカネンシス(Streptomyces lincolnesis)などを挙げることができる。これら菌株のうちストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)が最も高いオルソ−ジヒドロキシイソフラボン生産性を示し、また、ゲニステインの3'位を位置特異的に水酸化(hydroxylation)させることを確認した。
本発明において使用される用語は、当業界において通常使用されるものであって、当業者ならその意味を誰でも理解することができるが、本明細書で簡潔に説明すれば、次の通りである:
1)ODI:オルソ−ジヒドロキシイソフラボン(ortho-dihydroxyisoflavone)
2)ISP2培地(1L基準):麦芽抽出物5g、酵母抽出物2g及びグルコース2g。
3)YEME培地(1L基準):麦芽抽出物3g、酵母抽出物3g、ペプトン5g、スクロース300g、MgCl2・6H2O(2.5M)2mL及びグリシン(20%)25mL。
4)R2YE培地:スクロース103g、グルコース10g、K2SO4 0.25g、酵母抽出物5g、Difco社製カザミノ酸(Difco casamino acid)0.1g、TES緩衝液(5.73%、pH7.2)100mL、KH2PO4(0.5%)10mL、CaCl2・2H2O(3.68%)80mL、L−プロリン(20%)15mL、微量元素溶液(Trace element solution)2mL及びNaOH(1N)5mL。
5)HPLC:高性能液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography)。
6)GC−MS:ガスクロマトグラフィ−質量分析機(Gas Chromatography-Mass Spectrometry)。
7)NMR:核磁気共鳴分光法(Nuclear Magnetic Resonance spectroscopy)。
8)BSTFA:GC分析のための誘導体。N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(N,O-bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide)。
9)rpm:分当たり回転数またはディスクの分当たり回転数。
本発明は、ダイゼインとゲニステインを上記選別された菌株で生体内変換させる段階を含む。すなわち本発明は、上記選別された菌株を用いて3'位が特異的に水酸化された化合物を、ダイゼインとゲニステインから製造する下記反応式1の生体内変換過程を含む:
[反応式1]
下記反応式2は、イソフラボンの代表的な構成化合物であるダイゼインからオルソ位が特異的に水酸化された化合物を生成する過程を示す:
[反応式2]
本発明によって生産されたオルソ−ジヒドロキシイソフラボンとして、7,8,4'−トリヒドロキシイソフラボン、7,6,4'−トリヒドロキシイソフラボン、7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン及び7,5,3',4'−テトラヒドロキシイソフラボンなどを挙げることができる。
本発明は、基質特異的に反応性が高い菌株を使用することによって、目的化合物の生産性と4つの所望の位置特異的に水酸化された形態、すなわち7,8,4'−トリヒドロキシイソフラボン、7,6,4'−トリヒドロキシイソフラボン、7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン及び7,5,3',4'−テトラヒドロキシイソフラボン(Orobol)を生産することができた(Orobolのような場合、微生物を利用した生合成は世界で初めてである)。
本発明では、反応容器と反応時間を変化させて、オルソ−ジヒドロキシイソフラボンを生合成することができた。
本発明による反応条件は、次の通りである:反応時に菌株への円滑な酸素供給のために、回分反応器内にコイルまたはガラスビーズを使用する。試験管で一次培養した菌株を1Lの三角フラスコ(conical flask)に継代培養し、48時間培養した後、新しい培地を利用して反応性を調査する。この際、使用する培地は、ISP2、YEMEまたはR2YEであることが好ましい。これらのうち栄養分が多いR2YEを使用したとき、菌株の成長とともに反応性が良い。反応時間は、12時間間隔で確認する。24時間反応させた場合、7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン及び7,5,3',4'−テトラヒドロキシイソフラボン(Orobol)の生産量が増加し、36時間以後には、7,8,4'−トリヒドロキシイソフラボン及び7,6,4'−トリヒドロキシイソフラボンの生産量が増加し、48時間以後には、修飾された形態のイソフラボンを得ることができた(図7)。使用された基質の濃度(反応体積当たり)は、10mMであり、菌株培養と反応温度は、28℃である。
本発明によるオルソ−ジヒドロキシイソフラボンは、抗酸化または美白効果を有する極性の化合物である。
本発明は、大部分のイソフラボンの構成要素であるダイゼインやゲニステインを原料にして、植物性材料内に不足するオルソ−ジヒドロキシイソフラボンと、修飾された形態のイソフラボンの量を生合成で大きく増加させることができる。
本発明において基質として使用したダイゼイン及びゲニステインは、韓国の(株)バイオランドから購入した。
本発明では、放線菌由来の微生物であるストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)を培養し、ダイゼインに対する反応性を調査した結果、エチルアセテート(EA)の比重差を利用して、培養物からオルソ−ジヒドロキシイソフラボン化合物を回収して分離精製する。言い換えれば、放線菌由来のストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)によるダイゼインの反応性を調査することにより、オルソ−ジヒドロキシイソフラボンの生産を蓄積し、この培養物から抗酸化物質であるオルソ−ジヒドロキシイソフラボンを製造することができる。
以下では、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではないことは、当業界において通常の知識を有する者にとって自明である。
[実施例1]グラム陽性菌であるストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces Avermitilis)によるダイゼインとゲニステインの反応性確認
ダイゼインの6または8、3'位に位置特異的に−OH基を付ける水酸化反応を行う微生物をスクリーニングし、その酵素を確認した。
まず、各々異なる組成の酵母、かび(fungi)及びバクテリアをもってダイゼインとゲニステインに対する基質特異性を調査した。調査された菌株のうち、ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)、ノカルジア・ファルシニカ(Nocardia farcinica)及びストレプトマイセス・リンカネンシス(Streptomyces lincolnesis)が、ダイゼインに対する反応性を示した。それらのうち、ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)がダイゼインとゲニステインに最も高い基質特異性を示した。
反応培地は、ISP2培地を使用し、反応時にはエッペンドルフ(Eppendorf)の代わりに、図3に示された回分反応器を使用した。24時間反応させた後、反応物をエチルアセテートで抽出し、真空遠心分離機を利用して蒸発させた後に分析した。HPLCとNMR分析装備を利用して構造を分析し、その結果を図1、図2a及び図2bに示した。反応時に使用された基質の最終濃度は、10mMであった。反応生成物の1H NMRスペクトル結果は、下記の通りである。
7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン:δ8.37(s、H−2)、δ7.97(d、J=8.5Hz、H−5)、δ7.56(d、d、J=8.0及び2.5Hz、H−6')、δ7.53(d、J=2.5Hz、H−2')、δ7.42(d、J=8.0Hz、H−5')、δ6.95(d、d、J=8.5及び2.5Hz、H−6)、δ6.87(d、J=2.5Hz、H−8)。
7,5,3',4'−テトラヒドロキシイソフラボン:δ7.97(s、H−2)、δ6.22(d、J=2Hz、H−6)、δ6.95(d、J=2Hz、H−2')、δ6.86(d、J=8Hz、H−5')、δ6.91(d、d、J=2及び8Hz、H−6')。
[実施例2]グラム陽性菌であるストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces Avermitilis)によるダイゼインの反応性変化の確認
3'位に水酸化させる反応だけでなく、6、8位にも水酸化させる反応性をストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces Avermitilis)を利用して調査した。微生物への円滑な酸素供給のためにコイルを入れ、三角フラスコを使用して反応性を調査した(図3の(B))。菌株培養のためにR2YE培地を使用し、反応速度は、220rpmであった。24時間反応させた後、エチルアセテート(EA)を利用して抽出した後、GC−MSを利用して分析した。GCクロマトグラムで異なった保持時間(Retention time)により生産物の基準試料(Authentic sample)を分析することができた。BSTFAで誘導体化されたMSスペクトルにより各分子量を確認することができ、その結果を図4に示した(ダイゼイン、RT、18.5min、MS 398;7,3',4'−トリヒドロキシイソフラボン、RT、24.4min、MS 486;7,8,4'−トリヒドロキシイソフラボン、RT、25.1min、MS 486;7,6,4'−トリヒドロキシイソフラボン、RT、26.8min、MS 486)。
[実施例3]グラム陽性菌であるストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces Avermitilis)によるダイゼインの推定の反応性確認
実施例2で確認したように、ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces Avermitilis)は、ODIに対する反応性を有する菌株であることが分かる。反応時間を1ヶ月にした場合、モノ水酸化された(monohydroxylated)形態、モノメトキシ化された(monomethoxylated)形態、ジ水酸化された(dihydroxylated)形態、ジメトキシ化された(dimethoxylated)形態、トリ水酸化(trihydroxylated)された形態及びトリメトキシ化された(trimethoxylated)形態のような様々な修飾された形態の化合物を、GC−MSで分析することができた。可能な反応生成物の修飾度及び分析結果を図5乃至図8bに示した。ダイゼイン、ダイゼインのB−リングの炭素4位が水酸化の代わりにメチル化されたホルモノネチン(formononetin)、ゲニステイン、及びゲニステインのB−リングの炭素4位が水酸化の代わりにメチル化されたビオカニンA(biochanin A)の場合、抗酸化効果だけでなく、UVに露出時に、酸化防止に対する報告がある(Widyarini et al., 2001)。
[実施例4]ねずみの色素細胞を利用したメラニン生成抑制効果測定
ねずみの色素細胞を利用して実施例1〜2から収得したODIのメラニン生成抑制効果を測定した。
まず、C57BL/6マウス来由のねずみの色素細胞(Mel−Ab cell)(Dooley, T. P. et al., Skin pharmacol, 7, pp 188-200)を、DMEM(Dulbeccos modified Eagles media)に10%牛胎盤血清、100nM 2−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(2-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate)及び1nMコレラ毒素を添加した培地で37℃、5%CO2の条件で培養した。培養されたMel−Ab細胞を0.25%トリプシン−EDTAで取り外し、24−ウェルプレートに105細胞/ウェルの濃度で細胞を培養し、二日目から3日連続で10ppmのヒドロキノン及び上記実施例1〜2から収得した各ODIを添加して培養した。この際、上記ヒドロキノンは、陽性対照群として使用した。次に、培養液を除去し、PBSで洗浄した後、1N水酸化ナトリウムで細胞を溶かし、400nmで吸光度を測定した後、下記数式1によってメラニン生成抑制率を計算し、その結果を下記表1に示した(Dooleyの方法)。
[数式1]
メラニン生成抑制率(%)=100−(各試験物質の吸光度/対照群の吸光度×100)
上記表1から明らかなように、本発明によって収得した上記実施例1〜2のODIは、ヒドロキノンと同様のメラニン生成抑制効率を示すことを確認した。

Claims (2)

  1. ダイゼインまたはゲニステインを放線菌由来の微生物で生体内変換させる段階を含むオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの製造方法であって、
    上記放線菌由来の微生物は、ストレプトマイセス・エバミチリスであり
    記生体内変換は、ダイゼインまたはゲニステインの3'位で位置特異的に水酸化させるものであり、
    上記オルソ−ジヒドロキシイソフラボンは、7,5,3',4'−テトラヒドロキシイソフラボンであることを特徴とするオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの製造方法。
  2. 上記生体内変換は、酸素供給が可能な回分反応器で行われることを特徴とする請求項1に記載のオルソ−ジヒドロキシイソフラボンの製造方法。
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