JP5615968B1 - 歯牙用漂白剤、及び歯牙の漂白方法 - Google Patents

歯牙用漂白剤、及び歯牙の漂白方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡略な操作により、比較的短時間で漂白処理できて有効な漂白効果を得ることができる歯牙用漂白剤、及び歯牙の漂白方法を提供する。【解決手段】少なくとも過酸化水素と、炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩から選択された1種以上からなる漂白促進剤と、並びに、水溶性増粘剤とを含む水溶液からなる歯牙用漂白剤であって、該歯牙用漂白剤中の過酸化水素濃度が7〜25質量%で、上記金属塩濃度が0.1(モル/リットル)以上で、25℃における飽和濃度以下であり、かつ該歯牙用漂白剤が25℃においてpH6.7〜9.5で均一の水溶液を形成する歯牙用漂白剤。【選択図】なし

Description

本発明は、歯牙用漂白剤、及び歯牙の良好な漂白効果が、可視光線の照射下においても比較的短時間で発揮することが可能な歯牙の漂白方法に関する。
近年、歯科診療において、歯牙(歯を意味する歯科用語)の審美的な観点から歯牙の歯面を白く見せる(ホワイトニング)ための歯科治療を求めるケースが増加している。
これまで、変色歯の審美性を改善する方法として、漂白剤を用いる漂白法以外に、歯牙の表面を薄く削ったり、削除する治療を含むセラミッククラウン、ラミネートベニア等の方法が知られている。これらの歯科治療法の中では、漂白剤を用いた漂白法が中心であり、漂白に用いられる漂白剤としては、主として過酸化水素や過酸化尿素等の過酸化物が使用されている。これらの漂白方法は、歯質を極力切削しないで基本的には化学反応によって歯牙表面を白く見せる保存的な方法であり、種々の化学薬剤からなる歯牙の漂白剤及びそれを用いた漂白法が報告されている。
歯牙の表面は、エナメル質と呼ばれる、カルシウムやリンを豊富に含む硬い層で、エナメル質は半透明であるためその内側にある象牙質の色が透けて見えることになる。象牙質の色は個人差があるものの全体として黄色みを帯びているので、歯牙が黄色く見えるのはエナメル質表面に沈着した着色物質の他に、象牙質の黄色に起因する場合が多い。しかし、この象牙質を脱色することは実際には困難であることから、歯牙の漂白法によるホワイトニングはエナメル質に作用して歯牙を白くする治療法である。
歯牙のホワイトニングのメカニズムは未だ十分に解明されてはいないが、エナメル質表面に沈着した飲食物に起因する着色物質を分解して白くするホワイトニング効果、エナメル質表面の乱反射を利用してマスキング効果を発揮させるホワイトニング効果等が考えられる。
特許文献1には、過酸化塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過炭酸塩および過リン酸塩等の酸素系漂白剤化合物を含む歯牙用漂白剤組成物が開示されている。該歯牙用漂白剤組成物のpHは2.0〜7.0が好ましく、シリカ、アルミナ等の増粘剤を配合することができ、該組成物には、歯牙に塗布後、漂白時において、光照射を必ずしも必要とせず、光照射を行ってもよいことが記載されている。
特許文献2には、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過硫酸塩、過炭酸塩等の活性剤(ホワイトニング剤)、並びに、軟化剤としてのワックスおよび付着性を向上するキサンタンゴム等の持続剤を含む担体基材を含み、非水性の担体を含有する、疎水性の口腔ケア組成物が開示されている。また、適当な促進剤として、pH調節剤、例えばSTP、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、緩衝液(例えばpH10)、有機もしくは無機酸の遷移金属塩、例えばモリブデン酸アンモニウムおよび金属イオン、例えば鉄触媒、有機および無機酸および塩基を配合できることが記載されている。尚、特許文献2には、ホワイトニングを行う際に光線を照射することは記載されていない。
特許文献3には、過酸化水素、尿素複合体である過酸化カルバミド(CO(NH)・2H)等の歯ホワイトニング剤、及び熱的に反応性の粘度調整剤を含む歯ホワイトニング組成物を使用する歯のホワイトニング方法が開示されている。該歯ホワイトニング組成物には、充填剤、染料、抗齲食性剤、着香料、甘味料、薬剤、および炭酸水素ナトリウムなどのその他の補助剤を配合できることが記載されている。尚、特許文献3には、ホワイトニングを行う際に光線を照射することは記載されていない。
特許文献4には、酸化剤と、約400nm〜570nmの放射波長を有する、エオシンB、エリスロシンB等の活性化剤とを含む歯のホワイトニング組成物が開示されている。
該酸化剤として、過酸化水素、カルバミドペルオキシド、アルカリ金属の過炭酸塩等が例示されている。一実施態様においての組成物のpHは、約4〜10に調整され、pH調整剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムが例示されている。また、混合したシリカ−アルミニウム酸化物、合成カルボマー(例えばカルボポール(Carbopol))などの増粘剤を配合することができ、反応促進剤として、過ホウ酸ナトリウムを配合できること、及び歯をホワイトニングする際に、約470nm〜550nmの範囲内の波長の光線を照射することが記載されている。
特許文献5には、二酸化塩素前駆体、有機酸無水物、及び担体を含む、歯のホワイトニング組成物が開示されている。該ホワイトニング組成物には歯に対する利点をさらに増強する成分である、硝酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸水素カリウム、シュウ酸カリウム等の減感作化合物を添加剤として配合できることが記載されている。
特許文献6には、約400nm〜570nmの放射波長を有する活性化剤(例えばエオシンB)を含む歯のホワイトニング組成物が開示され、該組成物のpHを4〜10の範囲に調整するために、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウム等のpH調整剤を配合することが記載されている。また、歯をホワイトニングする際に、約470nm〜550nmの範囲内の波長の光線を照射することが記載されている。
特許文献7には、水性過酸化物、シリコーン感圧接着剤、及びプラスチゲル(米国ライン・ラボラトリース社製、商標名:Plastigel)からなる接着促進剤を含む、歯のホワイトニング組成物が開示され、該過酸化物として過酸化水素、過酸化尿素、過炭酸ナトリウム等が例示されている。尚、特許文献7には、歯のホワイトニングを行う際に光線を照射することは記載されていない。
現在、日本の歯科医院で使用されるオフィス・ホワイトニング剤としては、主に下記(イ)〜(ハ)の3種類である。
(イ)35質量%過酸化水素と、触媒粉末を混和してなるホワイトニング剤で、その使用方法は、該ホワイトニング剤を塗布後、可視光線を、3〜5分程度照射して漂白を行う(以下、従来技術1ということがある)。
(ロ)3.5質量%過酸化水素と、二酸化チタン触媒とからなるホワイトニング剤で、その使用方法は、該ホワイトニング剤を塗布後、380〜420ナノメートル(nm)程度の可視光の照射で漂白を行う(以下、従来技術2ということがある)。
(ハ)22.5質量%過酸化水素、過酸化尿素、及び二酸化チタン触媒からなるホワイトニングで、その使用方法は、該ホワイトニング剤を塗布後、光線の照射として、例えば、410nm光線を20分間照射する操作を3回程度繰り返す(以下、従来技術3ということがある)。
上記(イ)〜(ハ)に示す、従来技術1〜3に使用されるオフィス・ホワイトニング剤は、高濃度の過酸化水素の使用、又は比較的低濃度の過酸化水素等と二酸化チタン触媒との組み合わせである。しかし、オフィス・ホワイトニング剤においては、過酸化水素濃度は低い方が望ましく、また二酸化チタン等の固形物は含まれない方が、均一溶液を形成し易く、保存性にも優れる。
更に、漂白の際に照射する照射光の波長も歯肉保護等の観点から紫外領域よりは可視光領域が望ましく、更にこれらの光線の照射時間は短く、かつ照射回数も少ないことが望ましい。
特開2007−217323号公報 特開2008−504334号公報 特開2009−062397号公報 特開2009−514943号公報 特開2009−536935号公報 特開2012−229229号公報 特開2013−522193号公報
特許文献1に開示の、過酸化塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩等の酸素系漂白剤化合物を含む歯牙用漂白剤組成物は、好ましくは酸性下に酸素系漂白剤化合物により、歯牙の漂白を行うものであり、光照射を必ずしも必要としないことが記載されているが、該組成物中の成分からは漂白効果の更なる向上が求められる可能性がある。
特許文献2に開示の歯用ホワイトニング剤は、非水系であるので、漂白促進剤として炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオンを生成する炭酸ナトリウム等の金属塩を漂白促進剤として使用することはでいない。また、光照射は行われないので漂白効果の更なる向上が求められる可能性がある。
特許文献3に開示の、過酸化水素等の歯ホワイトニング剤、及び熱的に反応性の粘度調整剤を含む歯ホワイトニング組成物を使用する歯のホワイトニング方法は、熱的に反応性の粘度調整剤を使用するので、歯の表面に所望の時間保持して、ホワイトニング効果の達成を試みるものであるが、光照射が行われないことから、やはり漂白効果の向上が求められる可能性がある。
特許文献4には、酸化剤と、エオシンB、エリスロシンB等の約400nm〜570nmの放射波長を有する活性化剤とを含む歯のホワイトニング組成物が開示されているが、
その実施例においては、過酸化水素からなる酸化剤と、エオシンBとエリスロシンBからなる活性化剤、過ホウ酸ナトリウムからなる促進剤、増粘剤、及び酢酸ナトリウムからなるpH調整剤が配合されたホワイトニング組成物を使用して、塗布後に光照射が行われている。ホワイトニング組成物の成分数が比較的多く、また、光照射によるホワイトニングに比較的長時間を要する問題点がある。
特許文献5には、二酸化塩素前駆体、有機酸無水物、及び担体を含む、歯のホワイトニング組成物が開示されているが、二酸化塩素前駆体として亜塩素酸ナトリウムのような亜塩素酸のアルカリ金属塩をホワイトニング組成物に配合してpHを調整しながら二酸化塩素を発生させて漂白を行うので、pHの低下を抑制するためにバッファー化合物の添加も必要となる。
特許文献6は、前記特許文献4と同様に、1回当たりの処理時間が長く、かつ処理回数が多くする必要がある。
特許文献7には、歯牙用のホワイトニング組成物を歯表面への付着性を向上するために、シリコーン感圧接着剤を使用することが記載され、過酸化物として過酸化水素等が例示されている。しかし、特許文献7には歯のホワイトニングを行う際に光線を照射することは記載されていないのでホワイトニング効果の更なる向上が求められる可能性がある。
歯牙の漂白に用いられる漂白剤及び漂白方法については、使用漂白剤の安全性、作業の容易性、歯質に物性劣化を生じさせないこと、比較的短期間で漂白効果が顕著に現れること、などが要求される。
しかしながら、簡略な操作により、比較的短時間(例えば、分単位)で漂白処理ができて有効な漂白効果を得ることができる歯牙の漂白剤、及び歯牙の漂白方法の確立が望まれているのが実情である。本発明は、上記課題を解決して、照射光線として可視光線の照射下においても歯牙の良好なホワイトニング効果が比較的短時間で発揮可能な歯牙用漂白剤、及び歯牙の漂白方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記実情に鑑み鋭意検討した結果、歯牙用漂白剤、過酸化水素、漂白促進剤として水溶液中で炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオンを発生させる特定のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、並びに水溶性増粘剤の3種の成分が溶解している、均一の水溶液であることにより、歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線の照射下に歯牙の良好な漂白効果を短時間で発揮することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜()に記載の発明を要旨とする。
(1)過酸化水素(A)、
炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩(以下、これらの金属塩を金属塩(M)と総称する)から選択された1種、又は2種以上からなる漂白促進剤(B)、並びに、
水溶性増粘剤(C)の3種の成分が溶解している水溶液からなる歯牙用漂白剤(D)であって、
歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素(A)濃度が7〜25(質量%)で、漂白促進剤(B)濃度が0.1(モル/リットル)以上で、25℃における飽和濃度以下であり、
歯牙用漂白剤(D)が25℃において、pH6.7〜9.5で、均一の水溶液を形成して、
かつ歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することにより漂白促進効果を発揮する、ことを特徴とする、歯牙用漂白剤(以下、第1の実施形態ということがある)。
(2)前記漂白促進剤(B)が炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び過炭酸ナトリウムから選択された1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)に記載の歯牙用漂白剤。
(3)前記歯牙用漂白剤(D)中の水溶性増粘剤(C)濃度が5〜100(g/L)であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の歯牙用漂白剤。
(4)前記水溶性増粘剤(C)がセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸フタル酸セルロース、並びにこれらのナトリウム塩から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする、
前記(1)から(3)のいずれかに記載の歯牙用漂白剤。
(5)過酸化水素(A)、
炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩(以下、これらの金属塩を金属塩(M)と総称する)から選択された1種、又は2種以上からなる漂白促進剤(B)、並びに、
水溶性増粘剤(C)の3種の成分が溶解している水溶液からなる歯牙用漂白剤(D)で、
かつ歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素(A)濃度が7〜25(質量%)で、漂白促進剤(B)濃度が0.1(モル/リットル)以上、25℃における飽和濃度以下で、
歯牙用漂白剤(D)が25℃において、pH6.7〜9.5で、均一の水溶液を形成して、
かつ歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することにより漂白促進効果を発揮する、歯牙用漂白剤(D)を、
歯牙表面に塗布後、
該塗布部に、歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することを特徴とする、
歯牙の漂白方法(以下、第2の実施形態ということがある)。
(イ)本発明の第1の実施形態である「歯牙用漂白剤(D)」が漂白剤である過酸化水素(A)と、漂白促進剤(B)と、水溶性増粘剤(C)との3種の成分が溶解している均一の水溶液であることにより、比較的低い過酸化水素濃度下で、かつ照射光線として歯科用の可視光線照射器を用いた可視光線の照射下においても良好な歯牙の漂白効果を得ることができる。このように、二酸化チタン等の光触媒を用いなくとも、漂白促進剤(B)の存在下で可視光線の照射により、これまでは全く予想できなかったこと優れた漂白作用が発現する。
(ロ)本発明の第2の実施形態である「歯牙の漂白方法」により、上記第1の実施形態で得られると漂白効果を得ることが可能になり、更に該照射時間の短縮を図ることが可能になる。
実施例1でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料1−1〜3)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果を説明するための写真である。 実施例2でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料2−1〜4)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果を説明するための写真である。 実施例3でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料3−1〜3)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白の評価を説明するための写真である。 実施例4でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料4−1〜3)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果、及び参考例1で得られた漂白促進剤(試料4−4)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果明するための写真である。 実施例5でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料5−1〜6)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白の評価を説明するための写真である。 比較例1でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料10−1〜3)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果を説明するための写真である。 比較例2、3でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料11−1、12−1)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果を説明するための写真である。 比較例4でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料13−1、2)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果を説明するための写真である。 比較例5でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料14−1、2)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果を説明するための写真である。 比較例6でそれぞれ調製した漂白促進剤(試料15−1、2)の漂白試験で得られた、染色ヘマトポルフィリン試験紙の漂白効果を説明するための写真である。
以下に、本発明の〔1〕歯牙用漂白剤(第1の実施形態)、及び〔2〕歯牙の漂白方法(第2の実施形態)について説明する。
〔1〕歯牙用漂白剤(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態である、歯牙用漂白剤(D)は、過酸化水素(A)、
炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩(以下、これらの金属塩を金属塩(M)と総称する)から選択された1種、又は2種以上からなる漂白促進剤(B)、並びに、
水溶性増粘剤(C)の3種の成分が溶解している水溶液からなる歯牙用漂白剤(D)であって、
歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素(A)濃度が7〜25(質量%)で、漂白促進剤(B)濃度が0.1(モル/リットル)以上で、25℃における飽和濃度以下であり、
歯牙用漂白剤(D)が25℃において、pH6.7〜9.5で、均一の水溶液を形成して、
かつ歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することにより漂白促進効果を発揮する、ことを特徴とする。
以下に本発明の歯牙用漂白剤(D)の成分である、(1)過酸化水素(A)、(2)漂白促進剤(B)、(3)水溶性増粘剤(C)、(4)その他添加剤、及び(5)溶剤、並びに(6)歯牙用漂白剤成分の調製、について説明する。
(1)過酸化水素(A)
本発明において、歯牙用漂白剤(D)中に含有される過酸化水素(A)は、金属塩(M)からなる漂白促進剤(B)の存在に、光線照射により活性酸素の発生が促進されるので、その結果、該活性酸素の作用により歯牙表面において、ホワイトニング効果が発現する。本発明の歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素(A)濃度は7〜25(質量%)である。
歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素濃度は、高濃度である方が一般に高い漂白効果が発揮されるが、本発明の歯牙用漂白剤(D)においては、過酸化水素濃度が25質量%以下でも十分なホワイトニング効果を得ることが可能であり、また歯牙の漂白処理を行う際に歯肉組織の保護等の点からも、例えば30〜35(質量%)程度の高濃度の歯牙用漂白剤の使用よりは過酸化水素濃度が25質量%以下が望ましい。また、歯牙用漂白剤中の過酸化水素(A)濃度が7質量%未満になると、充分なホワイトニング効果が得られなくなる場合がある。上記事情から、歯牙用漂白剤(D)の過酸化水素(A)は、10〜25(質量%)が好ましく、12〜23(質量%)がより好ましい。
尚、本発明において、過酸化水素(A)の濃度は、歯牙用漂白剤(D)中における過酸化水素と水の量から、下記式で求められる値である。
過酸化水素(A)の濃度= [過酸化水素/(過酸化水素+水)]×100(質量%)
(2)漂白促進剤(B)
本発明の歯牙用漂白剤(D)中には、炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩(これらの金属塩を金属塩(M)と総称する)から選択された1種、又は2種以上からなる漂白促進剤(B)が0.1(モル/リットル)以上で、25℃における飽和濃度以下になる量含有されている。
尚、本発明において、漂白促進剤(B)の濃度は、歯牙用漂白剤(D)の容積(リットル)中の金属塩(M)の量(モル)から求められる濃度である。
歯牙用漂白剤(D)中の漂白促進剤(B)である金属塩(M)は、水溶液中に溶解して炭酸水素イオン(HCO )及び/又は炭酸イオン(CO 2−)を生成し、歯牙の漂白処理の際に過酸化水素の漂白作用を促進する促進剤として作用する。漂白促進剤(B)の促進剤としての作用のメカニズムは十分に解明されていない。しかし、例えば、炭酸水素ナトリウム(重曹)洗浄液は通常洗浄液中で、通常プラスに帯電している被洗浄物にマイナスイオンを与えるので、マイナスに帯電した汚れ粒子、基質の表面の双方がマイナスに帯電して、互いに反発し合い、汚れ物質と基質が分離、また汚れ粒子間の反発によって汚れも細分化することが知られていることから、漂白促進剤(B)は、歯牙表面で、表面の付着物に上記マイナスイオンを与え、表面付着物と歯牙表面がマイナスイオン同士の反発により表面の付着物を除去するメカニズムが想定される。また、過酸化水素は水溶液中でpHが7以下で安定化する傾向があるが、金属塩(M)は、後述する通り水溶液中でアルカリ性を呈するので、過酸化水素の分解を促進するpH調整剤として作用し、結果的に歯牙のエナメル質表面が乱反射してマスキング効果を発揮するように該エナメル質表面が処理されるメカニズムも想定される。
漂白促進剤(B)としては、歯牙用漂白剤(D)中で、上記炭酸水素イオン(HCO )及び/又は炭酸イオン(CO 2−)を生成するものであれば特に制限はされるものではないが、実用上、炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩から選択された1種、又は2種以上である。
上記炭酸水素アルカリ金属塩と炭酸水素アルカリ土類金属塩の中で代表的な炭酸水素ナトリウムは、水(20℃)100gに9.6g程度溶解し、水溶液中でpHを8前後に保ち(pH緩衝作用)、洗剤や洗剤の補助剤としての作用を有する。炭酸水素アルカリ金属塩、及び炭酸水素アルカリ土類金属塩の中でも水への溶解度が最も高い炭酸水素カリウムは、水(20℃)100gに32.2g程度溶解し、5質量%水溶液(20℃)でpHを8〜8.6程度前後に保つ。
上記炭酸アルカリ金属塩及び炭酸アルカリ土類金属塩の中で代表的な炭酸ナトリウムは、水(20℃)100gに22g程度溶解し、水溶液中でpHを11.5程度のアルカリ性に保ち(アルカリ緩衝作用)、洗濯に好適のpHを維持して、アルカリ緩衝作用を示し、洗濯に好適のpHを維持する作用を有する。
また、上記過炭酸アルカリ金属塩及び過炭酸アルカリ土類金属塩の中で代表的な過炭酸ナトリウムは、水(20℃)100gに15.2g程度溶解し、水溶液中(3質量%)でpHを10〜11程度のアルカリ性に保つ。尚、過炭酸ナトリウムは、炭酸ナトリウムと過酸化水素が2:3のモル比で混合された付加化合物であり、その水溶液は炭酸ナトリウムと過酸化水素とに分解する傾向がある。
前記炭酸水素アルカリ金属塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム等挙げることができ、炭酸水素アルカリ土類金属塩として、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ベリリウム等を挙げることができる。
前記炭酸アルカリ金属塩として、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム等挙げることができ、炭酸アルカリ土類金属塩として、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ベリリウム等を挙げることができる。
前記過炭酸アルカリ金属塩として、過炭酸ナトリウム、過炭酸リチウム、過炭酸カリウム等挙げることができ、過炭酸アルカリ土類金属塩として、過炭酸マグネシウム、過炭酸カルシウム、過炭酸バリウム、過炭酸ベリリウム等を挙げることができる。
上記例示化合物の中でも、入手の容易性、経済性、物性データの確認等の点からは炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、又は過炭酸ナトリウムがより好ましく、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムが更に好ましい。
本発明の歯牙用漂白剤(D)の成分である、漂白促進剤(B)の濃度は、該歯牙用漂白剤(D)中に0.1(モル/リットル)以上で、25℃における飽和濃度以下になる量含有されている。該濃度範囲で金属塩(M)は、常温(25℃)において歯牙用漂白剤(D)中で水溶液に溶解して存在するので、漂白促進剤(B)として安定的に、促進作用を発揮する。また、後述する通り、水溶性増粘剤(C)を使用すれば、歯牙用漂白剤(D)は均一の水溶液を容易に形成して、漂白促進剤としての効果が安定的に発揮され易くなる。
本発明において、歯牙用漂白剤(D)中の漂白促進剤(B)が上記0.1(モル/リットル)以上で、歯牙の漂白作用を効果的に発揮できる。また、各金属塩(M)の種類により歯牙用漂白剤(D)中での飽和濃度は変わるが、漂白促進剤(B)の上限濃度は、歯牙用漂白剤(D)中で溶解して均一の歯牙用漂白剤(D)を形成する量を超える量配合しても漂白促進効果の向上を期待することはできないばかりか、歯牙用漂白剤(D)水溶液中で金属塩(M)の飽和溶解度を超えると歯牙用漂白剤(D)が均一の水溶液を形成できなくなり、取扱い上支障をきたすおそれがある。また、歯牙用漂白剤(D)中の漂白促進剤(B)の濃度は、3.0(モル/リットル)を超えても漂白促進効果の向上は期待できないので、実用的な見地から、漂白促進剤(B)の上限濃度は、3.0(モル/リットル)が好ましく、2.0(モル/リットル)がより好ましい。
上記実情を考慮すると、歯牙用漂白剤(D)中の漂白促進剤(B)濃度は、0.2〜0.80(モル/リットル)程度が更に好ましく、0.3〜0.80(モル/リットル)程度が特に好ましい。
(3)水溶性増粘剤(C)
本発明の歯牙用漂白剤(D)には、粘度の調整と、歯牙への塗布性向上のために、水溶性増粘剤(C)が配合される。水溶性増粘剤(C)としては、歯牙用漂白剤(D)中に溶解して均一の水溶液を形成するものであれば無機系、有機系いずれのものも使用可能である。
有機増粘剤としては、均一な歯牙用漂白剤の形成、保存安定性、増粘性の向上等の点から、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー(架橋型ポリアクリル酸)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸フタル酸セルロース、並びにこれらのナトリウム塩から選択された1種又は2種以上の使用が好ましい。また、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等の水溶性増粘剤も使用することができる。
上記水溶性増粘剤の中でも安全性の面から食品添加物用水溶性高分子からなる増粘剤の使用が好ましい。
また、無機増粘剤としては、水溶性で、かつ本発明の歯牙用漂白剤(D)の作用を損なわない限りにおいて、天然品、合成品も使用できる可能性がある。
歯牙用漂白剤(D)の粘度は、ハンドリングの点から、0.5〜1000Pa・s程度が好ましく、1〜100Pa・s程度がより好ましい。歯牙漂白剤が該粘度範囲であれば、歯牙表面に塗布した場合に垂れ落ちるのを抑制することができる。水溶性増粘剤(C)の配合量は、上記粘度の調整と塗布性の点から、歯牙漂白剤中で5〜100(g/L)が好ましく、10〜50(g/L)がより好ましい。
尚、本明細書において、水溶性増粘剤(C)の濃度(wt%)は、歯牙用漂白剤(D)中に存在する水溶性増粘剤(C)の量([水溶性増粘剤(C)/歯牙用漂白剤]×100)から求められる濃度である。
)溶剤
本発明の歯牙用漂白剤(D)に使用される溶剤は水である。水を溶媒として、歯牙用漂白剤水溶液を形成する際に使用される水は、好ましくは蒸留、濾過、イオン交換などによって精製することが好ましい。
)歯牙用漂白剤成分の調製
本発明の歯牙用漂白剤(D)は、過酸化水素(A)を含む水溶液と、金属塩(M)からなる漂白促進剤(B)、及び水溶性増粘剤(C)を含む水溶液とからなる2液を歯牙表面に塗布する際に予め混合、溶解して均一水溶液にするか、
又は、過酸化水素(A)を含む水溶液(a)と、水溶性増粘剤(C)を含む水溶液(b)と、金属塩(D)等からなる粉末状(又は微粒子状)の漂白促進剤(B)とを、歯牙表面に塗布する前に予め混合、溶解して均一水溶液にすることが望ましい。
本発明の歯牙用漂白剤(D)のpHは6.70〜9.5である。水溶液中でアルカリ性を示す金属塩(M)からなる漂白促進剤(B)を歯牙用漂白剤(D)に添加することにより、歯牙用漂白剤(D)のpHはアルカリ性を示すことになるが、過酸化水素(A)は水溶液中で酸性示すために、歯牙用漂白剤(D)中への漂白促進剤(B)の配合量が0.1〜0.2(mol/L)程度と少ない場合には、pHが6.7以上7未満の酸性を示す場合がある。上記の通り、歯牙用漂白剤(D)中の漂白促進剤(B)濃度が特に好ましい0.30〜0.80(モル/リットル)程度では、歯牙用漂白剤(D)のpHは7.0〜9.5程度になる。
)歯牙用漂白剤(D)
本発明の歯牙用漂白剤(D)として、二酸化チタン等の光触媒を用いなくとも漂白剤である過酸化水素(A)、金属塩(M)からなる漂白促進剤(B)、及び水溶性増粘剤(C)を含む成分とすることにより、比較的低い過酸化水素濃度下で、かつ照射光線として、380〜450nm程度の可視光線の照射下においても顕著な歯牙の漂白効果を得ることができることは、これまで全く予想できなかったことである。
尚、歯牙用漂白剤中に二酸化チタン等の固形物粒子が配合されると該固形物粒子が偏在して、分散性や保存安定性が低下する問題が生ずるおそれがある。
〔2〕歯牙の漂白方法(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態である、歯牙の漂白方法は、
過酸化水素(A)、
炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩(以下、これらの金属塩を金属塩(M)と総称する)から選択された1種、又は2種以上からなる漂白促進剤(B)、並びに、
水溶性増粘剤(C)の3種の成分が溶解している水溶液からなる歯牙用漂白剤(D)で、
かつ歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素(A)濃度が7〜25(質量%)で、漂白促進剤(B)濃度が0.1(モル/リットル)以上、25℃における飽和濃度以下で、
歯牙用漂白剤(D)が25℃において、pH6.7〜9.5で、均一の水溶液を形成して、
かつ歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することにより漂白促進効果を発揮する、歯牙用漂白剤(D)を、
歯牙表面に塗布後、
該塗布部に、歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することを特徴とする。
本発明の歯牙の漂白方法は、調製された歯牙用漂白剤(D)を歯牙表面に塗布し、その後該塗布部に歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射する工程からなる。
(1)歯牙用漂白剤(D)の調製と塗布
歯牙用漂白剤(D)の調製は、本発明の第1の態様である、「歯牙用漂白剤」の項に記載した通りである。歯牙用漂白剤(D)の歯牙表面への塗布は公知の方法を使用できる。
(2)塗布部への光線の照射
本発明の歯牙の漂白方法は、歯牙表面に塗布された歯牙用漂白剤(D)に、歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射する工程を含む。該光の波長は特に限定されず、紫外線および可視光線のいずれを用いても歯牙の漂白効果を得ることは可能であるが人体に対する安全性の面から、後述する可視光線用いられる。本発明の歯牙用漂白剤(D)を使用することにより、可視光線を用いても紫外線を用いた場合と同等の漂白効果が得られる。
本発明の特徴は上記可視光線による照射が可能であること、更に比較的短い照射期間でも良好な漂白効果が得られるので、人体に対する安全性の面、例えば、過酸化水素の歯髄組織への浸透が引き起こすことによる過敏(例えば歯髄の炎症)を最小限にできるか、又は回避することができる。
上記の通り、歯牙に歯牙用漂白剤(D)を塗布した部分に照射する光の波長は、紫外線および可視光線のいずれも使用可能であるが、可視光線用いられ、可視光線としては好ましくは380〜450nm、より好ましくは400〜450nmの波長が用いられる。
また、光源の種類も特に限定されず、ハロゲンランプ(例えば波長480〜520nmのもの)、発光ダイオード(例えば波長420〜500nmのもの)およびキセノンランプ(例えば波長460nmのもの)等の使用が例示される。
光の照射時間は用いる光源および光の強度等に応じて改変可能であるが、典型的には30秒〜20分程度であり、約3分〜約10分程度が好ましい。
歯牙用漂白剤による生活歯の漂白試験の代用試験として、ヘマトポルフィリン試験紙を用いて、歯牙用漂白剤による漂白効果の評価を行った。
以下に(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製、(2)漂白の試験方法、(3)漂白の評価について説明する。
(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製
35質量%の過酸化水素水、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC,和光純薬(株)製、試薬特級、以下、同じ)、及び漂白促進剤を表1の濃度になるように添加、溶解して均一水溶液からなる歯牙用漂白剤サンプルを調製した。
(2)漂白の試験方法等
(2−1)試験方法
写真印刷用光沢紙を0.1質量%濃度のヘマトポルフィリンエタノール溶液に浸漬させて染色後、室温にて乾燥してヘマトポルフィリン試験紙を作成、該染色された試験紙上にマイクロシリンジを用いて滴下後、以下に記載する時間、光照射を行った。
尚、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙による代用試験の漂白の評価は、例えば、以下の(i)〜(iii)に示す通り、当該技術分野で広く行われている。
(i)特開2008−280309号公報
(ii)「光強度および粉液比が生活歯漂白剤ハイライトの漂白効果に及ぼす影響(研究)」、寺田 林太郎他著、岩手医科大学歯学雑誌 31(2), 67-72, 2006-08-16
(iii)「二酸化チタン含有低濃度過酸化水素剤の漂白効果 : 各種光源の影響およびヒ卜抜去歯の漂白効果」、中澤 妙衣子他著、日本歯科保存学雑誌 50(5), 562-569, 2007-10-31
(2−2)ヘマトポルフィリン試験紙の色の数値の測定方法
国際照明委員会(International Committee of Illumination; CIE)によって確立された基準に従い、日本電色工業(株)製の測色計(型式:NR-11)を用いて、色の数値L、a、bを測定した。
(2−3)評価方法
ヘマトポルフィリン試験紙の色(L、a、b)の数値の測定は、該試験紙の漂白処理前後についてそれぞれ行い、該処理前後の差から漂白の効果を判断した。
尚、L、a、bシステムは、三次元の色空間の数値表示を提供するもので、Lは明度の軸で数値が大きいほど明るく、数値が小さいほど暗くなることを示し、aは赤〜緑色の軸で+の数値が大きくなるほど赤味を帯び、−の値が大きくなるほど緑味を帯びることを示し、bは黄〜青色の軸で、+の数値が大きくなるほど黄味を帯び、−の値が大きくなるほど青味を帯びることを示す。歯の白さの測定に最も適しているのは、Lおよびb軸であるが、評価結果を示す、図1〜10においては主に明度のL値が評価の対象となっている。
[実施例1]
実施例1において、漂白促進剤として過炭酸ナトリウムを用いた歯牙用漂白剤サンプルで、漂白促進剤の配合量を0.1〜0.8(mol/L)の範囲として、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤の調製
35質量%の過酸化水素水、水溶性増粘剤として前記カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水を表1に示す濃度になるように、また過炭酸ナトリウムをそれぞれ表1に示す0.1、0.4、0.8[mol/リットル(L)]の濃度になるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料1−1、1−2、1−3)を調製した。
(2)歯牙用漂白剤の試験紙への滴下
前記ヘマトポルフィリンで染色した試験紙に、マイクロシリンジを用いて、歯牙用漂白剤サンプル(試料1−1、1−2、1−3)を、それぞれ液滴の広がりが約1cmφで液的高さが約1mmになるように、約30μl程度滴下した。
(3)歯牙用漂白剤サンプル滴下部への可視光照射
照射ライトとして、Monitex製、照射ライト(型式:BR800、照射した光の波長:405nm、以下、同じ)を用いて、歯牙用漂白剤サンプル滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(4)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料1−1、1−2、1−3)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図1の1−1、1−2、1−3の写真で示す。
[実施例2]
実施例2において、漂白促進剤として炭酸水素ナトリウムの配合量を0.1〜0.8(mol/L)の範囲として、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製
35質量%の過酸化水素水、増粘剤として上記カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水を表1に示す濃度になるように、また炭酸水素ナトリウムをそれぞれ表1に示す0.1、0.2、0.4、0.8[mol/L]の濃度になるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料2−1、2−2、2−3、2−4)を調製した。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料2−1、2−2、2−3、2−4)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図2の2−1、2−2、2−3、2−4の写真で示す。
[実施例3]
実施例3において、漂白促進剤として炭酸ナトリウムの配合量を0.1〜0.8(mol/L)の範囲として、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製
35質量%の過酸化水素水、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水を表1に示す濃度になるように、また炭酸ナトリウムをそれぞれ表1に示す0.1、0.4、0.8[mol/リットル(L)]の濃度になるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料3−1、3−2、3−3)を調製した。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料3−1、3−2、3−3)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図3の3−1、3−2、3−3の写真で示す。
[実施例4、参考例1]
実施例4において、漂白促進剤として炭酸ナトリウム、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び必要に応じて水、過酸化水素濃度を7.0〜18.0(質量%)の範囲となるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプルを調製し、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
また、参考例1において、過酸化水素濃度を35.0(質量%)の範囲となるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプルを調製し、上記実施例4に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製
実施例4において、漂白促進剤として炭酸ナトリウム、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び必要に応じて水を表1に示す濃度になるように、また過酸化水素を表1に示すように、それぞれ7.0、12.0、18.0(質量%)となるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料4−1、4−2、4−3)を調製し、
また、参考例1において、漂白促進剤として炭酸ナトリウム、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び必要に応じて水を表1に示す濃度になるように、また過酸化水素を表1に示すように、35.0(質量%)となるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料4−4)を調製した以外は、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料4−1、4−2、4−3、4−4)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図4の4−1、4−2、4−3、4−4の写真で示す。
[実施例5]
実施例5において、漂白促進剤として炭酸水素カリウムの配合量を0.1〜3.0(mol/L)の範囲として、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製
35質量%の過酸化水素水、増粘剤として上記カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水を表1に示す濃度になるように、また炭酸水素カリウムをそれぞれ表1に示す0.1、0.2、0.4、0.8、2.0、3.0[mol/L]の濃度になるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6)を調製した。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図5の5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6の写真で示す。
[比較例1]
比較例1において、漂白促進剤を用いず、過酸化水素濃度をそれぞれ23.0、28.0、35.0質量%とした以外は、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製
35質量%の過酸化水素水、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水をそれぞれ表1に示す濃度となるように混合、溶解して均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料10−1、10−2、10−3)を調製した。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料10−1、10−2、10−3)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図6の10−1、10−2、10−3の写真で示す。
[比較例2、3]
比較例2、3において、漂白促進剤としてリン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムをそれぞれ用いた以外は、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤サンプルの調製
35質量%の過酸化水素水、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水に、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムをそれぞれ表1に示す濃度となるように混合、溶解して均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料11−1、12−1)を調製した。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料11−1、12−1)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図7の11−1、12−1の写真で示す。
[比較例4]
比較例4において、漂白促進剤としてポリリン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤の調製
35質量%の過酸化水素水、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水を表1に示す濃度になるように、また、ポリリン酸ナトリウムを表1に示す濃度になるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料13−1、13−2)を調製した。尚、ポリリン酸ナトリウムはポリマーであるので、表1中の漂白促進剤の配合量は質量で示した。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料13−1、13−2)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図8の13−1、13−2の写真で示す。
[比較例5]
比較例5において、漂白促進剤として過ホウ酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)歯牙用漂白剤の調製
35質量%の過酸化水素水、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び水を表1に示す濃度になるように、また、過ホウ酸ナトリウムを0.4、0.8[mol/L]の濃度となるように混合、溶解して、均一水溶液からなる、歯牙用漂白剤サンプル(試料14−1、14−2)を調製した。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料14−1、14−2)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図9の14−1、14−2の写真で示す。
[比較例6]
比較例6において、前記従来技術2として記載した市販品1(商品名:ピレーネ、(株)ニッシン製)、前記従来技術3として記載した市販品2(商品名:ティオンオフィス、(株)ジーシー製)をそれぞれ用いて、実施例1に記載したと同様に、歯牙の漂白試験を行った。
(1)漂白剤の調製
上記市販品1については、溶液1(透明液)を溶液2(白濁液)の容器に入れ、均一に混ざるように混合して、漂白剤(試料15−1)を調製した。
上記市販品2については、シリンジAとシリンジBをしっかりと接合し、内容物全量を交互に20回移動させることにより、ジェルの混合を行い、漂白剤(試料15−2)を調製した。また市販品2についての漂白試験を行う際に、ヘマトポルフィリン紙にはあらかじめ該市販品2に付属されたリアクターを塗布した後、サンプル滴下を行った。
(2)歯牙用漂白剤サンプルの試験紙上への滴下、該滴下部への可視光照射
実施例1に記載したと同様に、歯牙用漂白剤サンプルの試験紙への滴下後、該滴下部へ可視光をそれぞれ5分間照射した。
(3)漂白の評価
上記色の測定装置を用いて、ヘマトポルフィリンで染色した試験紙上の歯牙用漂白剤サンプル滴下前後の、滴下部の色の数値の測定を行った。その測定結果を表1に示す。
また、前記染色されたヘマトポルフィリン試験紙における、歯牙用漂白剤サンプル(試料15−1、15−2)の滴下部の漂白結果をそれぞれ図10の15−1、15−2の写真で示す。
Figure 0005615968
考察
上記実施例1〜5において、過酸化水素(A)と水溶性増粘剤(C)に、金属塩(D)からなる漂白促進剤(B)を配合して得られた、本発明の歯牙用漂白剤(D)は、上記比較例1〜6で得られた歯牙用漂白剤と比較して、歯牙の漂白試験による評価ではいずれも歯牙用漂白剤塗布部に照射する光の波長領域が可視光の波長領域でもより優れた漂白効果を得ることが可能なことが確認された。

Claims (5)

  1. 過酸化水素(A)、
    炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩(以下、これらの金属塩を金属塩(M)と総称する)から選択された1種、又は2種以上からなる漂白促進剤(B)、並びに、
    水溶性増粘剤(C)の3種の成分が溶解している水溶液からなる歯牙用漂白剤(D)であって、
    歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素(A)濃度が7〜25(質量%)で、漂白促進剤(B)濃度が0.1(モル/リットル)以上で、25℃における飽和濃度以下であり、
    歯牙用漂白剤(D)が25℃において、pH6.7〜9.5で、均一の水溶液を形成して、
    かつ歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することにより漂白促進効果を発揮する、ことを特徴とする、歯牙用漂白剤。
  2. 前記漂白促進剤(B)が炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び過炭酸ナトリウムから選択された1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の歯牙用漂白剤。
  3. 前記歯牙用漂白剤(D)中の水溶性増粘剤(C)濃度が5〜100(g/L)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯牙用漂白剤。
  4. 前記水溶性増粘剤(C)がセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸フタル酸セルロース、並びにこれらのナトリウム塩から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の歯牙用漂白剤。
  5. 過酸化水素(A)、
    炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、過炭酸アルカリ金属塩、及び過炭酸アルカリ土類金属塩(以下、これらの金属塩を金属塩(M)と総称する)から選択された1種、又は2種以上からなる漂白促進剤(B)、並びに、
    水溶性増粘剤(C)の3種の成分が溶解している水溶液からなる歯牙用漂白剤(D)で、
    かつ歯牙用漂白剤(D)中の過酸化水素(A)濃度が7〜25(質量%)で、漂白促進剤(B)濃度が0.1(モル/リットル)以上、25℃における飽和濃度以下で、
    歯牙用漂白剤(D)が25℃において、pH6.7〜9.5で、均一の水溶液を形成して、
    かつ歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することにより漂白促進効果を発揮する、歯牙用漂白剤(D)を、
    歯牙表面に塗布後、
    該塗布部に、歯科用の可視光線照射器を用いて可視光線を照射することを特徴とする、
    歯牙の漂白方法。
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