JP5615131B2 - 筆記具用油性インク組成物 - Google Patents
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Description
この顔料誘導体と分散剤の相互作用は、通常、酸塩基反応であり、また、顔料誘導体と有機顔料の吸着は、一般的には、芳香族系同士の相互作用といわれている。
有機顔料の中で、赤色顔料、特に、ジケトピロロピロール顔料を用いる場合に、分散剤が、有機顔料表面に吸着しにくいという課題がある。
例えば、1)ピラゾール基を含有する新規な顔料誘導体(例えば、特許文献1参照)、2)着色剤、スルホン基を有する顔料誘導体、分散剤、ベンジルアルコールを含むことを特徴とする油性ボールペン用インク組成物(例えば、特許文献2参照)、3)顔料と、特定の酸性官能基含有有機色素誘導体と、アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する特定物性のアルカリ可溶性樹脂と、有機溶剤とを含む顔料組成物(例えば、特許文献3参照)、4)少なくとも有機顔料、該有機顔料および/または該有機顔料が有する化学構造の一部と同一の化学構造を有する顔料にスルホン酸基が導入された顔料誘導体、アミノ基を有する側鎖と親水性側鎖と疎水性側鎖を含有する高分子分散剤、および水を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物(例えば、特許文献4参照)、5)有機顔料、有機溶剤および微細分散化成分からなる顔料分散体組成物において、微細分散化成分が有機顔料の酸性誘導体および幹ポリマー部にカチオン性官能基を有するカチオン性櫛形グラフトポリマーからなるものであることを特徴とする顔料分散体組成物(例えば、特許文献5参照)、6)赤色顔料を感光性樹脂組成物に分散してなる赤色カラーレジストインクにおいて、赤色顔料としてジケトピロロピロールを、顔料誘導体として4,4’−ジアミノ−1,1’−ビアントラキノン−3,3’−ジスルホン酸を各々必須成分として分散させたことを特徴とする赤色カラーレジストインク(例えば、特許文献6参照)などが知られている。
(1) 少なくとも、アゾ結合とスルホン酸ナトリウムを構造中に官能基として含む赤、黄、橙、紫から少なくとも選ばれる水溶性染料を酸性溶液に添加して不溶化して得られる顔料誘導体と、塩基性顔料分散剤と、有機顔料ジケトピロロピロールと、沸点が150℃未満の有機溶剤と、固着樹脂とを含有していることを特徴とする油性インク組成物。
(2) 水溶性染料が酸性染料、直接染料又は媒染染料である上記(1)記載の油性インク組成物。
(3) 水溶性染料が酸性染料である上記(1)記載の油性インク組成物。
(4) 水溶性染料がアシッドオレンジ7、アシッドオレンジ8、アシッドオレンジ20及びアシッドレッド88から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の油性インク組成物。
(5) 有機溶剤がプロピレングリコールモノメチルエーテルである上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の油性インク組成物。
(6) インク粘度が25.0℃において、2.0〜10.0mPa・sの範囲である上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の油性インク組成物。
本発明の油性インク組成物は、少なくとも、アゾ結合とスルホン酸ナトリウムを構造中に官能基として含む赤、黄、橙、紫から少なくとも選ばれる水溶性染料を酸性溶液に添加して不溶化して得られる顔料誘導体と、塩基性顔料分散剤と、有機顔料ジケトピロロピロールと、沸点が150℃未満の有機溶剤と、固着樹脂とを含有していることを特徴とするものである。
用いる水溶性染料としては、構造中にアゾ結合とスルホン酸ナトリウムを官能基として含む染料であれば特に限定されないが、好ましくは染料水溶液に酸性物質を添加して染料を析出させる関係で、酸性染料、直接染料、または媒染染料が好ましく、特に、酸性染料が好ましい。
また、用いるジケトピロロピロール顔料が赤、またはオレンジ色であるので、使用できる染料は、黄、赤、橙、紫に限定される。なお、これら以外の色となる黒や青の染料を使用した場合、インクの色がくすみ、好ましくない。
紫色の水溶性酸性染料としては、例えば、アシッドバイオレット7、アシッドバイオレット11から選ばれるものが挙げられる。
赤色の水溶性酸性染料としては、例えば、アシッドレッド1、アシッドレッド6、アシッドレッド88、アシッドレッド8、アシッドレッド9、アシッドレッド13、アシッドレッド14、アシッドレッド18、アシッドレッド26、アシッドレッド27、アシッドレッド32、アシッドレッド35、アシッドレッド37、アシッドレッド42、アシッドレッド52、アシッドレッド80、アシッドレッド82、アシッドレッド83、アシッドレッド85、アシッドレッド88、アシッドレッド89、アシッドレッド97、アシッドレッド106、アシッドレッド111、アシッドレッド114、アシッドレッド115、アシッドレッド133、アシッドレッド134、アシッドレッド145、アシッドレッド154、アシッドレッド155、アシッドレッド158、アシッドレッド180、アシッドレッド183、アシッドレッド184、アシッドレッド186、アシッドレッド198、アシッドレッド249、アシッドレッド265から選ばれるものが挙げられる。
黄色の水溶性酸性染料としては、例えば、アシッドイエロー11、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー25、アシッドイエロー29、アシッドイエロー36アシッドイエロー38、アシッドイエロー40、アシッドイエロー42、アシッドイエロー44、アシッドイエロー76、アシッドイエロー98アシッドイエロー99、から選ばれるものが挙げられる。
また、橙色の水溶性直接染料としては、例えば、ダイレクトオレンジ6、ダイレクトオレンジ8、ダイレクトオレンジ10、ダイレクトオレンジ26、ダイレクトオレンジ29、ダイレクトオレンジ39、ダイレクトオレンジ41、ダイレクトオレンジ49、ダイレクトオレンジ102、から選ばれるものが挙げられる。
紫色の水溶性直接染料としては、例えば、ダイレクトバイオレット63が挙げられる。
赤色の水溶性直接染料としては、ダイレクトレッド1、ダイレクトレッド2、デイレクトレッド4、ダイレクトレッド13、ダイレクトレッド17、デイレクトレッド20、ダイレクトレッド21、ダイレクトレッド24、デイレクトレッド28、ダイレクトレッド31、ダイレクトレッド33、デイレクトレッド37、ダイレクトレッド39、ダイレクトレッド44、デイレクトレッド46、ダイレクトレッド62、ダイレクトレッド63、デイレクトレッド75、ダイレクトレッド79、ダイレクトレッド80、デイレクトレッド81、ダイレクトレッド83、ダイレクトレッド84、デイレクトレッド113、ダイレクトレッド229、から選ばれるものが挙げられる。
黄色の水溶性直接染料としては、例えば、ダイレクトイエロー8、ダイレクトイエロー11、ダイレクトイエロー12、ダイレクトイエロー24、ダイレクトイエロー27、ダイレクトイエロー28、ダイレクトイエロー33、ダイレクトイエロー39、ダイレクトイエロー44、ダイレクトイエロー50から選ばれるものが挙げられる。
また、橙色の水溶性媒染染料としては、例えば、モダントオレンジ4、モダントオレンジ6、モダントオレンジ29、モダントオレンジ37から選ばれるものが挙げられる。
紫色の水溶性媒染染料としては、例えば、モダントバイオレット5、モダントバイオレット44から選ばれるものが挙げられる。
赤色の水溶性媒染染料としては、例えば、モダントレッド3、モダントレッド7、モダントレッド9、モダントレッド17、モダントレッド19、モダントレッド21、モダントレッド26、モダントレッド30から選ばれるものが挙げられる。
黄色の水溶性媒染染料としては、例えば、モダントイエロー3、モダントイエロー26から選ばれるものが挙げられる。
これらの水溶性酸性染料、水溶性直接染料、水溶性媒染染料の中で、ジケトピロロピロール顔料の分散性および安定性の点から、好ましくは、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ8、アシッドオレンジ20、アシッドレッド88、ダイレクトレッド2、モダントオレンジ37の使用が望ましく、更に好ましくは、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ8、アシッドオレンジ20、アシッドレッド88から選ばれるもの使用が望ましい。
本発明の顔料誘導体は、例えば、上記酸性溶液に上記水溶性染料を添加し、攪拌すると、水溶性染料構造の中のスルホン酸ナトリウム(SO3Na)の、ナトリウム原子が、水素原子に置換され、スルホン酸(SO3H)となる。このときに水に不溶となるため、これをろ過、乾燥等して各顔料誘導体として回収することができる。また、水溶性染料を水に溶解させて、得られた染料水溶液に酸性溶液を添加して、析出させて顔料誘導体を得ても良い。
例えば、アシッドオレンジ7を用いて顔料誘導体を得るには、室温下等で、アシッドオレンジ7である7,4−〔(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アゾ〕ベンゼンスルホン酸ナトリウムを精製水等に溶解後、塩酸溶液を添加して、7,4−〔(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アゾ〕ベンゼンスルホン酸として、沈殿物を生成後、吸引濾過、真空乾燥等して目的の顔料誘導体を得ることができる。
この顔料誘導体の含有量が0.1%未満であると、顔料の分散性が不十分となり、一方、5%を越えると、塗膜の耐水性、耐光性が悪くなる、インキ粘度が上昇するという点から、好ましくない。
これらのジケトピロロピロール顔料の含有量は、油性インク組成物全量中、好ましくは、2〜15%、さらに好ましくは、4〜10%とすることが望ましい。
このジケトピロロピロール顔料の含有量が2%未満であると、うすい赤色の塗膜となり、一方、15%を越えると、インキの固着性が低下するので好ましくない。
用いる塩基性の顔料分散剤としては、塩基性の顔料分散剤に分類されるものであれば、特に限定されず、塩基性の高分子分散剤、例えば、ポリアミドアミンとその塩、塩基性官能基変性ポリウレタン、塩基性官能基変性ポリエステル、塩基性官能基変性ポリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリアクリルアミドなどの少なくとも1種が挙げられる。
具体的には、市販のソルスパース11200、ソルスパース13240、ソルスパース13650、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース24000SC、ソルスパース24000GR、ソルスパース26000、ソルスパース28000、ソルスパース31845、ソルスパース32000、ソルスパース32500、ソルスパース32550、ソルスパース32600、ソルスパース33000、ソルスパース34750、ソルスパース35100、ソルスパース35200、ソルスパース37500、ソルスパース38500、ソルスパース39000、ソルスパース53095、ソルスパース56000、ソルスパース71000(以上、ソルスパースシリーズ ルーブリゾール社製)、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック167、ディスパービック168(以上、ディスパービックシリーズ ビックケミー社製)、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB881(以上アジスパーシリーズ 味の素ファインテクノ社製)、ナイミーンDT208、ナイミーンL208、ナイミーンS125、ナイミーンS210、ナイミーンO205(以上ナイミーンシリーズ 日本油脂社製)などの少なくとも1種が挙げられる。
これらの塩基性顔料分散剤の含有量は、油性インク組成物全量中、好ましくは、1〜10%、更に好ましくは、2〜6%とすることが望ましい。
この塩基性顔料分散剤の含有量が1%未満であると、顔料の分散性が不十分となり、一方、10%を越えると、インキの塗膜の固着性が不十分となり、好ましくない。
これらの固着樹脂(固形分)の含有量は、インキが乾燥して塗膜化させる点から、油性インク組成物全量中、好ましくは、2〜20%、更に好ましくは、4〜15%とすることが望ましい。また、インキ粘度の点から、後述の有機溶剤に対して、質量基準で、好ましくは、有機溶剤:固着樹脂の含有比=20:1〜2:1、更に好ましくは、10:1〜5:1とすることが望ましい。
これらの有機溶剤の含有量は、油性インク組成物全量中、好ましくは、60〜95%、更に好ましくは、70〜90%とすることが望ましい。
この有機溶剤の含有量が60%未満であると、インキ粘度が大きくなり、一方、95%を越えると、着色剤や固着樹脂の量が不十分となり、色がうすくなったり、塗膜の固着性が弱くなったりして好ましくない。
得られた油性インク組成物のインク粘度は、ペン先から良好にインキを吐出させるという点から、好ましくは、25.0℃において、2.0〜10.0mPa・sの範囲とすることが望ましい。
なお、インク粘度の調整は、上記各成分を好適な含有量で組み合わせることなどにより、好適なインク粘度とすることができる。
本発明の油性インク組成物では、上記赤色顔料であるジケトピロロピロールの顔料分散性及び分散安定性に優れるので、マーキングペン用、ペイントマーカー用などの筆記具用、ホワイトボードマーカー用に用いることができ、特に、ジケトピロロピロール顔料が耐光性に優れるので、従来の染料インキと比較して、耐光性に優れ、マーキングペン用などの筆記具用に好適に用いることができる。
(実施例1)
水溶性酸性染料である10gのアシッドオレンジ7を1000gの精製水に溶解させ、5N塩酸を20g添加し、沈殿物を発生させた。これをアスピレーターにて吸引ろ過し、真空中にて室温で48時間乾燥させ、顔料誘導体(1)9.8gを得た。
次に、ジケトピロロピロールBTR20g、顔料誘導体(1)2.0g、塩基性顔料分散剤:ソルスパース71000を10g、有機溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:120℃、以下同様)168gを混ぜ合わせてスラリーを調製した。このスラリーを、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率70%という条件にて湿式分散機ダイノーミル用い分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液と、固着樹脂であるテルペンフェノールG150を9:1の割合で混ぜ合わせ、樹脂を溶解させ、油性インク組成物(1)を得た。
この油性インク組成物(1)における各成分の含有量は、全量(100質量%)中、顔料誘導体0.9質量%、塩基性顔料分散剤4.5質量%、有機顔料ジケトピロロピロール
9質量%、有機溶剤75.6質量%、固着樹脂10質量%となる。
水溶性酸性染料である10gのアシッドオレンジ8を、1000gの精製水に溶解させ、5N塩酸を20g添加し、沈殿物を発生させた。これをアスピレーターにて吸引ろ過し、乾燥させ、顔料誘導体(2)9.7gを得た。
次に、ジケトピロロピロールであるイルガジン2030を20g、顔料誘導体(2)2.0g、塩基性顔料分散剤:ソルスパース71000を10g、プロピレングリコールモノメチルエーテル168gを混ぜ合わせてスラリーを作成した。このスラリーを、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率70%という条件にて湿式分散機ダイノーミル用い分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液と、固着樹脂であるテルペンフェノールG150を9:1の割合で混ぜ合わせ、樹脂を溶解させ、油性インク(2)を得た。
この油性インク組成物(2)における各成分の含有量は、全量(100質量%)中、顔料誘導体0.9質量%、塩基性顔料分散剤4.5質量%、有機顔料ジケトピロロピロール9質量%、有機溶剤75.6質量%、固着樹脂10質量%となる。
水溶性酸性染料である10gのアシッドオレンジ20を、1000gの精製水に溶解させ、5N塩酸を20g添加し、沈殿物を発生させた。これをアスピレーターにて吸引ろ過し、乾燥させ、顔料誘導体(2)9.7gを得た。
次に、ジケトピロロピロールであるクロモフタールフレームレッドFPを20g、顔料誘導体(2)2.0g、塩基性顔料分散剤:ソルスパース71000を10g、プロピレングリコールモノメチルエーテル168gを混ぜ合わせてスラリーを作成した。このスラリーを、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率70%という条件にて湿式分散機ダイノーミル用い分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液と、固着樹脂であるケトン樹脂であるレジンSKを9:1の割合で混ぜ合わせ、樹脂を溶解させ、油性インク(3)を得た。
この油性インク組成物(3)における各成分の含有量は、全量(100質量%)中、顔料誘導体0.9質量%、塩基性顔料分散剤4.5質量%、有機顔料ジケトピロロピロール9質量%、有機溶剤75.6質量%、固着樹脂10質量%となる。
酸性染料である10gのアシッドレッド88を、1000gの精製水に溶解させ、5N塩酸を20g添加し、沈殿物を発生させた。これをアスピレーターにて吸引ろ過し、乾燥させ、顔料誘導体(4)9.7gを得た。
次に、ジケトピロロピロールであるクロモフタールフレームレッドFPを20g、顔料誘導体(4)2.0g、塩基性顔料分散剤:ソルスパース71000を10g、プロピレングリコールモノメチルエーテル100、エタノール68gを混ぜ合わせてスラリーを作成した。このスラリーを、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率70%という条件にて湿式分散機ダイノーミル用い分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液と、固着樹脂であるテルペンフェノールS145を9:1の割合で混ぜ合わせ、樹脂を溶解させ、油性インク(4)を得た。
この油性インク組成物(4)における各成分の含有量は、全量(100質量%)中、顔料誘導体0.9質量%、塩基性顔料分散剤4.5質量%、有機顔料ジケトピロロピロール9質量%、有機溶剤75.6質量%、固着樹脂10質量%となる。
水溶性直接染料である10gのダイレクトレッド2を、1000gの精製水に溶解させ、5N塩酸を20g添加し、沈殿物を発生させた。これをアスピレーターにて吸引ろ過し、乾燥させ、顔料誘導体(5)9.7gを得た。
次に、ジケトピロロピロールであるクロモフタールフレームレッドFPを20g、顔料誘導体(5)2.0g、塩基性顔料分散剤:ソルスパース71000を10g、プロピレングリコールモノメチルエーテル168gを混ぜ合わせてスラリーを作成した。このスラリーを、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率70%という条件にて湿式分散機ダイノーミル用い分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液と、固着樹脂であるアルキルフェノールであるヒタノール1501を9:1の割合で混ぜ合わせ、樹脂を溶解させ、油性インク(5)を得た。
この油性インク組成物(5)における各成分の含有量は、全量(100質量%)中、顔料誘導体0.9質量%、塩基性顔料分散剤4.5質量%、有機顔料ジケトピロロピロール9質量%、有機溶剤75.6質量%、固着樹脂10質量%となる。
上記実施例1の配合で顔料誘導体を含まない配合で処方し、油性インク(6)を得た。なお、使用しない顔料誘導体の含有量(0.9%)は、有機溶剤量として加算した。
上記実施例1の配合で顔料誘導体(同量)を、市販の顔料誘導体ソルスパース22000(水、アルカリ水ともに不溶の水不溶性染料)にて処方し、油性インク(7)を得た。
上記実施例1の配合で、アシッドオレンジ7(同量)をそのまま処理せずに配合に処方し、油性インク(8)を得た。
上記実施例1の配合で有機顔料ジケトピロロピロール(同量)を構造が異なる顔料ピグメントレッド48:1に変更し、油性インク(9)を得た。
上記実施例1の配合で、塩基性分散剤(同量)を酸性分散剤である、スチレンアクリル樹脂であるジョンクリル690に変更し、油性インク(10)を得た。
これらの結果を下記表1に示す。
インク中の顔料の平均粒径は、コールター社製N4プラスにてプロピレングリコールモノメチルエーテル希釈にて、25℃で測定した。
(インク粘度の測定方法)
インクの粘度は、東機産業社製、E型粘度計TVE20にて50rpmまたは20rpmにて、25℃で測定した。
(インクの安定性の評価方法)
得られた各油性インク組成物を50℃にて1週間保存後、もう一度、上記方法にてインク中の顔料の平均粒径、インク粘度を測定した。
また、得られた実施例1〜5の油性インク組成物を三菱鉛筆社製中綿式マーキングペンA−50Eに充填し、紙とガラスに筆記したところ、紙とガラスとの両方の筆記に対しても、共に、発色性、筆記性能に優れるものであった。
Claims (6)
- 少なくとも、アゾ結合とスルホン酸ナトリウムを構造中に官能基として含む赤、黄、橙、紫から少なくとも選ばれる水溶性染料を酸性溶液に添加して不溶化して得られる顔料誘導体と、塩基性顔料分散剤と、有機顔料ジケトピロロピロールと、沸点が150℃未満の有機溶剤と、固着樹脂とを含有していることを特徴とする筆記具用油性インク組成物。
- 水溶性染料が酸性染料、直接染料又は媒染染料である請求項1記載の筆記具用油性インク組成物。
- 水溶性染料が酸性染料である請求項1記載の筆記具用油性インク組成物。
- 水溶性染料がアシッドオレンジ7、アシッドオレンジ8、アシッドオレンジ20及びアシッドレッド88から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具用油性インク組成物。
- 有機溶剤がプロピレングリコールモノメチルエーテルである請求項1〜4の何れか一つに記載の筆記具用油性インク組成物。
- インク粘度が25.0℃において、2.0〜10.0mPa・sの範囲である請求項1〜5の何れか一つに記載の筆記具用油性インク組成物。
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