JP5614990B2 - シリコン製造装置 - Google Patents
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Description
従来の多結晶シリコンの製造方法としては、たとえば、ベルジャー内部に配置されたシリコン棒の表面を加熱し、これにトリクロロシラン(SiHCl3)やモノシラン(SiH4)などのクロロシラン類と水素等の還元性ガスとを含むシリコン析出用原料ガスを接触させて多結晶シリコンを析出させるシーメンス法などが挙げられる。
このような問題点を解決するために、シリコンを効率的に製造できる方法およびその装置として、シリコンの融点未満の温度に加熱した筒状反応容器内にシリコン析出用原料ガスを供給してシリコンを析出させた後、該筒状反応容器の内表面をシリコンの融点温度以上に加熱して、析出したシリコンの一部または全部を溶融することにより、析出したシリコンを落下させて回収する多結晶シリコン製造方法および該方法に用いられるシリコン製造装置が提案されている(特許文献1参照)。
シリコン製造装置51は、上方に位置する反応部52と、下方に位置する回収部53とを備え、反応容器本体54の天井壁の中央部には、シリコンの原料であるクロロシラン類と水素を供給するガス供給管55を設けている。ガス供給管55の外周囲には、間隔を空けて反応管56を配設している。反応管56のさらに外側に位置する隔壁57の周りには高周波加熱コイル61が巻装されている。
反応容器本体54の下端部の回収部53には、回収容器58が回収部53の支持床壁59に載置されている。支持床壁59には、冷却ジャケット60を配設し、該冷却ジャケット60には、図示しない冷却手段の供給口及び排出口を接続し、冷却水を循環させることができる。反応部52と回収部53との間には、ガスの排出配管63が配設されている。
回収容器58に回収されたシリコンは、回収容器58の取り出し前に冷却ジャケット60の冷却水によって、冷却され固化した状態で回収容器58と共に反応容器本体54の外側へ取り出される。
上記要求に対して、反応管よりシリコンを回収する際に溶融シリコンが落下する反応管の下端の投影面積に対して回収容器の開口14aの面積(一般には、回収容器の底面と同じ面積を有する)を大きくすることが、有効であると考えられる。しかしながら、溶融シリコンは、回収容器58内に回収された際、平らに広がり難く、図12に示す固化シリコン62のように固化してその底面から徐々に固化物が堆積し、場合によってはシリコン固体が蟻塚のように上方へ成長するという現象生じることが確認された。また、シリコンの落下量を増大した場合、上記蟻塚の現象はある程度解消されるが、平らになることはなく、山状に盛り上がった状態となり、回収容器空間の利用率を低下させ、容器の取替え周期を十分に伸ばすことが困難となる。
かかる問題は、シリコンの1回の回収量を上げるために、回収容器の開口面積を大きくするほど顕著に現れる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、反応容器内で析出されたシリコンが回収容器内で蟻塚状或いは山状に盛り上がって固化しても回収容器に十分にシリコンを回収することができるシリコン製造装置を提供することを目的とする。
また、このような問題は、反応容器本体の析出反応部から回収容器までの距離が長い場合に生じることが分かったが、ガスの排出配管の設置や回収容器の取り出し時の雰囲気温度を考慮すると、その距離を短くするためには限度がある。そこで、反応容器本体の高さ形状に係わることのない解決手段を採用するに至った。
上記シリコン製造装置の前記移動手段は、前記回収容器に該回収容器の底部を支持する支持軸と、該支持軸を回転させる駆動部とを設け、前記支持軸を前記反応管の下端側開口の中心部の位置に対して偏心させ、シリコンの前記回収容器への回収時に前記支持軸を適宜回転させることができる。
上記シリコン製造装置は、前記回収容器をブロック状に分割した分割片で構成し、各分割片には他の分割片と組み付け、取り外し可能な係合部を設け、前記回収容器の組み付け、解体を可能に構成することが好ましい。
上記シリコン製造装置の前記支持軸に前記回収容器の底部を支持する支持板を固定し、さらに該支持板と前記回収容器の底部の壁との間に断熱材を配設し、さらにこれらの支持板と断熱材とを前記回収容器に対して離脱可能にすることができる。
上記シリコン製造装置の前記加熱手段は、前記反応管の半径方向外側の隔離壁に巻装された高周波加熱コイルによる加熱とすることができる。
上記シリコン製造装置の前記移動手段は、回収容器を支持床壁に対して横方向にスライドさせるスライド手段とすることができる。
上記シリコン製造装置の前記移動手段は、前記回収容器に該回収容器の底部を支持する支持軸と、該支持軸を回転させる駆動部とを設け、前記支持軸を前記反応管の下端側開口の中心部の位置に対して偏心させるようにしたので、シリコンが蟻塚状に成長しても効率良く(隙間を少なくして)シリコンを回収容器に回収することができる。
上記シリコン製造装置は、前記支持軸が支持ブロックに軸支され、該支持軸と支持ブロックとの間をシールするガスシール部を支持軸の周囲に形成し、前記反応容器内の内圧よりも大きな圧力を前記ガスシール部に供給しているので、支持軸を回転可能することで、支持軸からのガス漏れが懸念されるが、当該シール構造によって反応容器内の反応ガスが、外部に漏れることが防止される。
上記シリコン製造装置は、前記支持軸に前記回収容器の底部を支持する支持板を固定し、さらに該支持板と前記回収容器の底部の壁との間に断熱材を配設し、さらにこれらの支持板と断熱材とを前記回収容器に対して離脱可能したので、回収容器の熱が支持軸を介して駆動部へ伝わることがなく、駆動部の熱保護となる。
上記シリコン製造装置の前記加熱手段は、前記反応管の半径方向外側の隔離壁に巻装された高周波加熱コイルによる加熱であるので、シリコンの生成反応を円滑に行うことができる。
2 反応容器本体
3 反応部
4 回収部
6 ガス供給管
7 反応管
8 カーボン管
11 高周波加熱コイル
14 回収容器
14b 底壁
16 支持床壁
17 駆動部
18 支持軸
21 支持ブロック
24 シールガス部
25,27 冷却ジャケット
31〜34 歯車
36 ハンドル
37 蟻塚
50a,55a 下段カーボン片
50b 中段カーボン片
50c,55b 上段カーボン片
51a,56a,56c ピン
51b,56b,56d ピン孔
図1は、本発明に係るシリコン製造装置1を示し、このシリコン製造装置1は、円筒状の外壁を有する反応容器本体2の上方部分を占める反応部3と、下方部分を占める回収部4とを備えている。反応容器本体2の天面壁2aの中央部には、シリコンの原料であるクロロシラン類と水素を供給する円筒形状のガス供給管6が設けられ、ガス供給管6はその軸を上下方向に向けて、天面壁2aを貫通するように取付けられている。このガス供給管6の上端部側には、図示しないクロロシラン類と水素を各々供給することができるガス供給手段に接続されている。
ガス供給管6の外周囲には、ガス供給管6と環状の空隙を形成して筒状の反応管7を配設し、反応管7はガス供給管6と同心軸上に配置されている。反応管7の下端部は、ガス供給管6の下端位置よりも低い位置に開口されている。反応管7は、シリコンの融点で耐性のあるグラファイトなどの炭素材料で形成することが好ましく、シリコンと接触する内面は、窒化珪素、炭化珪素などで被覆すると反応管7の耐久性を向上させることができる。
隔壁10の内周面には、断熱部材9が設けられ、断熱部材9の内周面、すなわち、反応管7の外周部に対して環状の空隙を空けてカーボン管8が配設されている。カーボン管8は、高周波加熱コイル11からの高周波で加熱可能である炭素材料を基材として形成される。断熱部材9は、高周波加熱コイル11の稼働時に、カーボン管8によって発生する熱を断熱させるものであり、例えば、フェルト状のカーボンファイバー、セラミック焼結体等が用いられる。
本発明において、反応管7からの溶融シリコン落下量は特に制限されないが、時間当たりの落下量を前記開口部投影面積で除した値の平均値で、0.01〜1kg/分・cm2が一般的である。
反応管7の壁面にシリコンを析出させる際、反応管7の壁面の温度を常時シリコンの融点以上に維持し、連続的に溶融シリコンを落下させる場合は、その平均値を、また、反応管7の壁面の温度をシリコンの析出温度以上、シリコンの融点未満としてシリコンを一定量析出せしめ、その後、上記壁面の温度をシリコンの融点以上に上昇して溶融シリコンを落下させる場合は、落下開始から、落下終了までの落下量の平均値をそれぞれ示す。
回収容器14は、反応容器本体2の下部側に水平方向に配設されている支持床壁16に載置されている。
回収容器14の材質は、熱に強いカーボン製とし、具体的に一例を上げると、底壁14bの内径が1700mmであり、高さは1000mmである。底壁14bは、周方向へ90度間隔で4分割された扇状のカーボン片を組み付け、側壁14dは8分割された高さ100mmの帯状円弧形状のカーボン片を底壁14bの外周部に、積層することによって形成されている(なお、回収容器14の組み付け方は、後述の第2の実施形態にて説明する)。
図1に示すように、回収容器14を支持する支持軸18は、反応管7の中心軸に対して長さLだけ偏心させている。ただし、回収容器14を回転させた時には、回収容器14の回転角が何れの角度であっても、反応管7の下側開口7aの直下に底面を位置させる必要がある。支持軸18の下部には、支持軸18を回転させる駆動部17を設けている。
反応容器本体2の反応部3と回収部4との間には、反応容器内に供給されたガスを排出するガス排出口29が形成されている。
回収容器14が空の状態において、シリコン製造装置1の高周波加熱コイル11に電圧を印加させると、カーボン管8が高周波加熱コイル11の高周波による渦電流によって加熱され、反応管7の内面がシリコンを析出する温度に加熱される。そして、ガス供給管6からは、クロロシラン類と水素とが供給される。反応に使用するクロロシラン類としては、例えば、トリクロロシラン(SiHCl3、四塩化ケイ素(SiCl4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、モノクロロシラン(SiH3Cl)、あるいはヘキサクロロジシラン(Si2Cl6)などのクロロジシラン類、オクタクロロトリシラン(Si3Cl8)などのクロロトリシラン類を挙げることができる。
これらのガスが反応管7の内面に接触させてシリコンを溶融状態で析出させる。この際、ガス供給管6と反応管7との間は低温領域となり、この部分でクロロシランガスと水素ガスの混合ガスが、それらの間に浸入しないように、水素ガス、アルゴンガス等のシールガスを図示しない供給手段によって供給する。
反応容器本体2の内部では、クロロシランガスと水素ガスとが反応して生成されたガスやシールガスなどは、ガス排出口29から排出される。また、容器内のガスが外部へ漏れることのないように、支持軸18の周囲には図示しない一対のO−リングが配設され、容器本体2内のガスが外部に流出されることを防止される。
したがって、回収容器14の半径は、形成される蟻塚37の直径を予測して、蟻塚37の直径から考慮するとよい。このように、回収容器14の内部で溶融状態のシリコンが固化して、蟻塚状に形成されても効率の良く大容量のシリコンの回収が可能になる。
シリコンが固化されて冷却されると、回収容器14は反応容器本体2から外部に取り出される。回収容器14の取り出しの際には、ガス漏れを防止するため、反応部3を図示しないシールシャッタなどで遮蔽した後、さらに、回収部4におけるガスを置換して、外部に取り出し、その後回収部4を解体して回収容器14を取り出す。回収容器14は、支持軸18の上端部に固定してある支持板19及び断熱材20と固定されておらず、容易にこれらの部材と離脱できる。
また、回収容器14の熱の影響を駆動部17が受けないように、断熱材20及び冷却ジャケット25を設け、支持軸18の下端側には熱が伝わらないようにしている。さらに、回収容器14を昇降させるために必要な支持軸18の昇降手段には、シール漏れが生じないようにし、シール部にシールガスを供給し、さらなるガス漏れを防止することができる。
本実施形態によるシリコン製造装置では、上記第1の実施形態のシリコン製造装置に対して、大容量で高純度のシリコンを製造できる。また、本実施形態のシリコン製造装置は、前記第1の実施形態のシリコン製造装置に対して、回収部4が大型化しているが、上記実施形態と同じ名称の構成物については同一の符号を付し、異なる部分を詳細に説明する。
図5に示すように、シリコン製造装置1の反応容器本体2の下部に位置する回収部4には、有底円筒形状の回収容器14が備えられている。回収容器14は、反応管7の直下方に位置し、反応管7の直径よりも十分に大きく形成された開口14aを上方に有している。
回収容器14は、反応容器本体2の下部側に水平方向に配設されている支持床壁16に載置されている。
詳しくは、図7に示すように、底壁14b(ブロック片50d)に該底壁14bから上方に突出する横断面が円形のピン51aを植設する。一方、下段カーボン片50a及び中段カーボン片50bには、底面にピン51aに嵌合すピン孔51bを形成し、上面にはピン51aを植設している。また、上段カーボン片51cには、底部のみ中段カーボン片50bのピン51aが嵌合するピン孔51bを形成している。そして、回収容器は、下段カーボン片50aと中段カーボン片50bとは、互い違いに周方向へずらすようにして積層し、同様に中段カーボン片50bと上段カーボン片50cとを互い違いに周方向へずらすようにして積層している。
底板14bと各カーボン片50a〜50cは、脱着が可能であり、ピン51aとピン孔51a結合以外では固定されておらす、それらのピン係合を解除することによって、脱着が可能である。なお、説明の便宜上、カーボン片を3層で説明したが、実際には3層よりも多層で形成されるが、総数は解体の作業効率などで考慮すればよく、3層よりも少なくても良い。
図1に示すように、回収容器14を支持する支持軸18は、反応管7の中心軸に対して長さLだけ偏心させている。ただし、回収容器14を回転させた時には、回収容器14の回転角が何れの角度であっても、反応管7の下側開口7aの全面積の直下に位置させて回収容器14の内側底面が、位置するようにすることが必要である。
回収容器14が空の状態において、シリコン製造装置1の高周波加熱コイル11に電圧を印加させると、カーボン管8が高周波加熱コイル11の高周波による渦電流によって加熱され、反応管7の内面がシリコンを析出できる温度に加熱される。
ここで、反応管7に析出したシリコンの溶融落下する状態を説明すると、反応管に析出したシリコンは、反応管7を加熱してシリコンの溶融温度(1400度)以上であれば連続的に回収容器に落下するが、温度が溶融温度よりも低いと反応管に析出して堆積した状態となる。この場合反応管の温度を溶融温度よりも多少高くすれば、析出シリコンの溶融速度が遅く、反応容器にシリコンを落下させる時間を多く費やす。温度をそれよりもさらに高くすれば、析出シリコンを短時間で落下させることができる。この場合、短時間で析出シリコンを落下させた場合では、長時間を費やして落下させるよりも、蟻塚の形状がなだらかな山形状になって回収容器14に回収される。
このように、シリコンの回収速度を変えることによって、シリコンの見かけ状の密度を変えたり、圧縮強さを変化させたり、その性状を変えることができる。その山形状になったシリコンについても蟻塚状になったシリコンと同様に、回収容器15の容量に対し、回収容量が少なくなる問題がある。
反応管7の内部に所定量のシリコンが所定量堆積したときには、反応管7の温度を上昇させて、析出シリコンを溶融させて、堆積析出シリコンを短時間で落下させる。
次いで、回収容器14の回転軸である支持軸18を回転(例えば、60度、90度、180度など)させて、山形状38の頂き部38aが形成されていない個所を反応管7の直下に配置し、前述したシリコン析出作業と同じ作業を繰り返す。
シリコンが固化されて冷却されると、回収容器14は反応容器本体2から外部に取り出される。シリコンの取り出しは、回収容器14の各カーボン片50a〜50cを上部のカーボン片50cから取り外し、中段カーボン片50b、下段カーボン片50cと全ての側壁のカーボン片50a〜50cを取り外してシリコンを回収する。シリコンの回収後は、再度、底壁14bにカーボン片50a〜50cを組み付けて、回収容器14を再使用することができる。
なお、シリコン析出工程において、上記第1の実施形態では説明したが、本実施形態において説明を省いた部分については、上記第1の実施形態と同じであるので説明を省略した。
本実施形態によるシリコン製造装置では、上記第2の実施形態と同じシリコン製造装置を使用し、回収容器14の形状だけ異なるので、回収容器のみに関連して説明する。
図8に示すように、シリコン製造装置の回収容器14は、反応容器本体の下部に位置する回収部に備えられている。回収容器14は、回転可能な底壁14bと分割容器53とが設けられ、底壁14bの回転軸は反応管7の中心軸に対して偏心して配置されている。
底壁14bの上部には、分割容器53が設けられ各分割容器53は同じ形状であり、本実施形態では、6つの分割容器53が底壁14bの周方向に60度間隔で配置されている。底壁14bが60度毎に回転すると、反応管の直下にはいずれかの分割容器53が配置される。
分割容器53は、図9に示すように、床板54とカーボン片55a,55bとからなり、円板形状の床板54には、該床板54から上方に突出する横断面が円形のピン56aが植設されている。床板54の上部には、半円環状形状の下段カーボン片55aが設けられ、一対の下段カーボン片55aを組み合わせることによって、環状に形成される。各下段カーボン片55aには、底面にピン56aに嵌合する一対のピン孔56bを形成し、上面には一対のピン56aを植設している。
上段カーボン片55bもまた、半円環状形状であり、一対の上段カーボン片55bを組み合わせることによって、環状に形成される。各上段カーボン片55bには、底面にピン56aに嵌合する一対のピン孔56bを形成している。下段及び上段カーボン片55a,55bの側端面には、一方側の側端面に上下に一対のピン56cが植設され、他方側に一対のピン孔56dが形成されている。
回収容器14を組み付けるには、図10のBに示すように、初めに下段カーボン片55aを先に円環状に組み付けておき、床板54の上に下段カーボン片55aを組み付け、次いで、円環状に組み付けた上段カーボン片55bを下段カーボン片55aの上に組み付ける。上段カーボン片55bを下段カーボン片55aに組み付ける際には、下段カーボン片55aと上段カーボン片55bとが、互い違いになるように、周方向へ90度ずらすようにして積層する。床板54と各カーボン片55a,55bは、脱着が可能であり、ピン56a,56cとピン孔56b,56dの結合以外では固定されておらす、それらの係合を解除することによって、脱離が可能である。なお、説明の便宜上、カーボン片を2層で説明したが、実際には1層でも2層以上であってもよい。
本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、反応管に析出したシリコンを短時間で落下させる。すなわち、反応管の内壁にシリコンを析出させ、析出シリコンは次第に反応管の内壁に厚さを増して堆積する。堆積した析出シリコンは、反応管の内壁に接触した部分を除き、後から堆積した析出シリコンは既に析出したシリコン面上に析出するので、反応管の内壁とは接触することなく、不純物の混入が少ない純度の高い析出シリコンを製造できる。
反応管7の内部に所定量のシリコンが堆積したときには、反応管の温度を上昇して、析出シリコンを溶融させて、堆積析出シリコンを短時間で落下させる。
次いで、回収容器14を回転させて、未だシリコンを回収していな分割容器53を反応管の直下に配置し、前述したシリコン析出作業と同じ作業を繰り返す。
シリコンが固化されて冷却されると、回収容器14は反応容器本体から外部に取り出される。シリコンの取り出しは、回収容器14の上段のカーボン片55bから取り外し、下段カーボン片55aの順に全てのカーボン片55a,55bを取り外してシリコンを回収する。シリコンの回収後は、再度、底壁14bにカーボン片55a,55bを組み付けて、回収容器14を再使用することができる。
なお、シリコン析出作業において、上記第1の実施形態では説明したが、本実施形態において説明を省いた部分については、上記第1の実施形態と同じであるので説明を省略した。
上記実施形態では、移動手段を回収容器14の回転軸を、反応管7の下側開口の中心部に対して偏心させたが、移動手段については、反応容器本体2の回収部4の内壁にシリンダ状のものを複数個取付け、シリンダの先端部を回収容器14の側壁14dに固定し、シリンダを伸縮させることによって、回収容器14を支持床壁16に対して移動できるようにしてもよい。このような場合は、回収容器14の軸の中心位置を直線移動させたり、曲線移動させたりすることができる。
また、上記第3の実施形態では、回収容器14の分割容器53を有底円筒形状としたが、図11の回収容器14のように、多分割の断面が扇形状の分割容器60に形成してもよい。隙間無くシリコンの回収をすることができる。勿論、分割容器60が各ブロック片によって構成することが好ましい。
Claims (6)
- 反応容器内にクロロシラン類及び水素を供給するガス供給管と、前記クロロシラン類及び水素からシリコンを析出させる反応管と、析出したシリコンを溶融する加熱手段と、前記反応管の下端側開口の直下方に配設され該反応管から流下された溶融シリコンを回収する回収容器と、該回収容器の底部を載置する支持床壁とを備えたシリコン製造装置において、
前記反応容器に前記回収容器を移動させる移動手段を設け、シリコンの析出時に前記移動手段によって前記回収容器を適宜移動させて、前記シリコンの流下位置に対して前記回収容器の位置を相対的に変動させるようにしたことを特徴とするシリコン製造装置。 - 前記移動手段は、前記回収容器に該回収容器の底部を支持する支持軸と、該支持軸を回転させる駆動部とを設け、前記支持軸を前記反応管の下端側開口の中心部の位置に対して偏心させ、シリコンの前記回収容器への回収時に前記支持軸を適宜回転させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシリコン製造装置。
- 前記回収容器をブロック状に分割した分割片で構成し、各分割片には他の分割片と組み付け、取り外し可能な係合部を設け、前記回収容器の組み付け、解体を可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のシリコン製造装置。
- 前記支持軸に前記回収容器の底部を支持する支持板を固定し、さらに該支持板と前記回収容器の底部の壁との間に断熱材を配設し、さらにこれらの支持板と断熱材とを前記回収容器に対して離脱可能にしたことを特徴とする請求項2に記載のシリコン製造装置。
- 前記加熱手段は、前記反応管の半径方向外側の隔離壁に巻装された高周波加熱コイルによる加熱であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン製造装置。
- 前記移動手段は、回収容器を支持床壁に対して横方向にスライドさせるスライド手段であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン製造装置。
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