JP5614658B2 - バタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法 - Google Patents

バタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法 Download PDF

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Description

本発明は、バタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化に関わり、詳しくは、バタフライネットワークと呼ばれるボトルネックを持つ量子ネットワークにおいて、ノード間の古典情報通信は量子ネットワークの形状とは無関係に効率的に行えるという仮定の下で、2個の量子ビットを2個の終端ノードにマルチキャストするための量子プロトコルに関する。
ネットワークにボトルネックが存在する場合に各ノードにおいて情報を符号化することによって、効率的に情報通信を行う手法は、ネットワーク符号化と呼ばれる古典的情報処理技術の一分野である。
量子情報処理技術においても、量子ネットワークの各ノードで量子状態を符号化することを許容することで、どのように効率的な量子通信を達成するかという問題が、量子ネットワーク符号化と呼ばれ、近年盛んに研究されている(例えば非特許文献1,2参照)。
基本的な(古典または量子)ネットワーク符号化は、大きく分けて、[1]1つの情報源ノードから、中継ノードでの符号化を経て、多数の終端ノードに同一の情報を送信するマルチキャストネットワーク符号化と、[2]N個の情報源ノードとN個の終端ノードが一対一で対応しており、中継ノードでの符号化を用いることで、それぞれの情報源ノードが対応する終端ノードに情報を送信するセッション間ネットワーク符号化に分類される。
ここでは、量子ネットワーク上での量子通信のマルチキャストネットワーク符号化であるマルチキャスト量子ネットワーク符号化を考える。また、量子ネットワーク符号化は、ノード間の古典情報の通信をどの程度許容するかに応じて分類ができるので、ここでは各ノード間での古典情報通信は量子ネットワーク形状とは無関係に無制限に許可されるとする。
本明細書では、量子ネットワークの中でもバタフライネットワークと呼ばれる最も基本的なボトルネックを持つネットワークを扱う。古典通信を許したマルチキャスト量子ネットワーク符号化に関する従来技術としては、非特許文献1に説明されている技術と非特許文献2を用いたその非線形符号への一般化が存在する。
非特許文献1は、1個の情報源ノードとN個の終端ノードを持ち、レートがr(単位時間当たりrビットをN個すべての終端ノードに送信可能)であるような可解な古典線型マルチキャストネットワーク符号を元にして、対応する量子ネットワーク上で自由な古典通信を許した場合には、N個の終端ノードのうちの任意のr個に単位時間当たり1量子ビットの情報を送信する量子ネットワーク符号の作成法を提案している。
非特許文献2は、N個の情報源ノードとN個の終端ノードを持つレートrの古典セッション間ネットワーク符号を元にして、N個の情報源ノードとN個の終端ノードを持つレートrの自由な古典通信を許す量子セッション間ネットワーク符号の作成法を提案している。
非特許文献2では、非線形な古典セッション間ネットワーク符号に対しても、対応する量子セッション間ネットワーク符号の作成法を提案しているが、同じ手法は、非特許文献1で考えられているマルチキャストネットワーク符号化にも適応可能であり、これにより1個の情報源ノードとN個の終端ノードを持ち、レートがrであるような可解な非線形も含む任意の古典マルチキャストネットワーク符号を元にして、N個の終端ノードのうちの任意のr個に1量子ビットの情報を送信する自由な古典情報通信を許す量子ネットワーク符号が作成できることがわかる。
ここでは、この量子ネットワーク符号化を、バタフライネットワークを例に取って説明する。
バタフライネットワークは図1で表されるネットワークであり、1つの情報源ノード(ノードs)と2つの終端ノード(ノードt1;t2)と4つの中継ノード(ノード1;2;3;4)とアーク(s;1);(s;2);(1;3);(1;t1);(2;3);(2;t2);(3;4);(4;t1);(4;t2)から構成される。各アークは単位時間当たり1ビットの古典情報を伝送可能であるとすると、図1に表される方法で符号化することで、レート2のマルチキャスト通信が可能である。
今、与えられたノードnがN個の入力アークとM個の出力アークを持つとするとノードでの(古典)符号は一般に有限体GF(2N)から有限体GF(2M)への写像fn(a1,…,aN)=(a'1,…,a'M)という形で与えられるが、ここでは
f1(a)=f2(a)=f4(a)=(a,a) …(1),
f3(a1,a2)=(a1(+)a2) …(2)
で与えられる。ここで(+)は排他的論理和を表す。終端ノードがそれぞれ復号
ft1(a1,a2)=(a1,a1(+)a2) …(3),
ft2(a1,a2)=(a1(+)a2,a2) …(4)
を行うことで、2つの終端ノードへの入力b1,b2の送信が完了する。
次に、上記の古典ネットワーク符号を非特許文献1に従って量子ネットワーク符号に書き換える。量子バタフライネットワークは、図1において入力がb1,b2の代わりに2つの1量子ビットの量子状態|ψ1>,|ψ2>で与えられる(もっと一般には、2量子ビットのエンタングル状態の片割れをそれぞれの入力状態とすることができる)。また、古典の場合は、各アークは単位時間当たりに1ビットの通信を許されていたが、ここでは各アークは単位時間当たり1量子ビットの量子通信を許される。また、古典通信はすべてのノード間で無制限かつ瞬時に行われるものとする。
この条件の下で、量子ネットワーク符号化は以下の3つのステップで構成される:
1.古典プロトコルを量子ネットワーク上で形式的にシミュレートすることによりエンタングル状態を量子ネットワーク上に構成する。
2.余計なエンタングルメントをX基底への観測で壊すことによって、入力量子状態を別のノードに移動させる。ここで、X基底とは{|+>,|->}のことであり、それぞれの状態は|+>=1/√2(|0>+|1>),|->=1/√2(|0>-|1>)で定義される。
3.観測結果に依存する位相のずれを訂正する。
これらのステップは、非特許文献1のようにノードごとに行ってもよいし、非特許文献2のようにすべてのノードに対してステップ1を行ってから、ステップ2とステップ3を順に行っていってもよい。
ステップ1は、GF(2N)からGF(2M)への写像f:(a1,…,aN)→f(a1,…,aN)∈GF(2M)に対してN+M量子ビットに対するユニタリーゲート
Uf:|a1…aN>(×)|0…0>→|a1…aN>(×)|f(a1,…,aN)> …(5)
を用いることで行われる。ここで(×)はテンソル積を表す。Ufは一意ではなく、式(5)を満たす任意のユニタリーゲートでよい。
今、ノードに対する入力量子状態が式(6)という一般のN量子ビットの量子状態だとするとユニタリーゲートUfを演算した後の状態は式(7)となる。
Figure 0005614658

このままでは、欲しい出力にならないので、入力のN量子ビットと出力のM量子ビットの間の不必要なエンタングルメントを壊す必要がある。これは、次のように行われる。まず、入力のN量子ビットのそれぞれを、パウリX行列の基底、すなわち{|+>,|->}で測定し、その出力である古典ビット値を(x1,…,xN)とする。ここで、観測結果|+>がビット値0、観測結果|->がビット値1に対応する(以下でも同様の記法を用いる)。
この操作で、式(7)で表されるユニタリーゲートの出力状態は、観測結果(x1,…,xN)に依存して式(8)のように変形される:
Figure 0005614658
ここでは、観測された量子ビットは壊れてなくなる(破壊測定)として話を進めるが、もちろん非破壊測定を行ってもよい。この場合は、単に以後その量子ビットを使わなくなるだけである。
欲しい状態と式(8)の状態との間には、観測結果に依存する位相のずれ(-1)a1x1+…+aNxNがある。この位相のずれを訂正するためには、観測結果(x1,…,xN)とfに依存して量子ゲートを掛ける必要がある。これが量子ネットワーク符号化の最後のステップとなるのだが、最も複雑なところであるので、一般的な手法はここでは説明しない。
代わりにバタフライネットワークの場合のプロトコルを例示する。なお、式(1)で表されるf1等については、上記のような3つのステップを得ることなく、入力量子ビットと|0>を合わせてCNOTゲートを演算するだけで、上記の手法ですべてのステップを行った場合と同じ結果を得ることができる。以下では、ノード1;2;4ではこの方法を使うことにする。
バタフライネットワークにおける図1で表される古典ネットワーク符号に対応する量子ネットワーク符号は以下のように構成される。なお、以下では、単位時間あたりの各ノードの操作と、その結果得られる単位時間における入力状態と出力状態の関係のみを扱う。実際の量子通信は単位時間あたりに以下の操作を繰り返すことで行われる:
1.ノードsは状態|ψ1>,|ψ2>をそれぞれノード1とノード2に送信する。
2.ノード1とノード2は、それぞれ、受け取った量子ビットと新しい量子ビット|0>を合わせてCNOTゲートを演算し、ノード1はノード3とノードt1に、ノード2はノード3とノードt2に、出力量子ビットを1量子ビットずつ送信する。
3.ノード3は、ノード1とノード2から受け取った、合計2量子ビットと新しい量子ビット|0>にユニタリーゲートUf3を掛け(f3は式(2)で定義されている)、更にノード1とノード2から送られた量子ビットをそれぞれX基底で観測して、観測結果(x1,x2)を得る。ここで、x1はノード1から来た量子ビットの観測値、x2はノード2から来た量子ビットの観測値である。ノード3は、x1をノードt1、x2をノードt2に送信する。最後にノード3は、残った量子ビット(自分で最初に用意した量子ビット)をノード4に送信する。
4.ノード4は、ノード3から受け取った状態と新しく2量子ビットをそれぞれ状態|0>に用意し、ノード3から受け取った状態を制御ビットとして、新しい量子ビットのそれぞれにCNOTゲートを演算する。その後、ノード4は、ノード3から受け取った量子ビットをX基底で観測し、その結果x4をノードt1とノードt2に送信する。最後に、ノード4は、ノードt1とノードt2に、残った量子ビットを1量子ビットずつ送信する。
5.ノードt1はノード1から受信した量子ビットにZx1+x4を演算する。ノードt2もノード2から受信した量子ビットにZx2+x4を演算する。ここでZ0=I2、Z1=Zである。
6.ノードt1はノード1とノード4から送られてきた合計2量子ビットにCNOTゲートを演算する。同様に、ノードt2はノード2とノード4から送られてきた合計2量子ビットにCNOTゲートを演算する。
上記のプロトコルを行うことで、入力量子ビット|ψ1>=α1|0>+β1|1>と|ψ2>=α2|0>+β2|1>に対して、ノードt1とノードt2の4量子ビットの出力状態|Ψout>ABCDは式(9)となる。
Figure 0005614658
ここで量子ビットAとBはノードt1が持ち、量子ビットCとDはノードt2が持っている。ここから、X基底での観測とその観測結果に応じたZ演算で、|ψ1>を量子ビットAとCのどちらか望む方、|ψ2>を量子ビットBとDのどちらか望む方に再構成することができる。たとえば、BとCに構成したければ、AをX基底で観測し、得られた観測結果xに応じてZxをCに演算し、更にDをX基底で観測し、得られた観測結果yに応じてZyをBに演算するとよい。これで、|ψ2>B(×)|ψ1>Cが得られる。
なお、量子計算や量子アルゴリズムなどについては非特許文献3に詳しい。
H. Kobayashi, F. Le Gall, H. Nishimura, M. Roetteler, Perfect quantum network communication protocol based on classical network coding, Proc. ISIT2010, pp.2686-2690, 2010. arXiv:0902.1299. <http://arxiv.org/abs/0902.1299> H. Kobayashi, F. Le Gall, H. Nishimura, M. Roetteler, Constructing Quantum Network Coding Schemes from Classical Nonlinear Protocols, Proceedings of the 2011 IEEE International Symposium on Information Theory (ISIT 2011), pp. 109-113, (2011).arXiv:1012.4583 <http://arxiv.org/abs/1012.4583> M. A. Nielsen and I. L. Chuang, "Quantum Computation and Quantum Information", Cambridge UniversityPress, 2000.
以上が従来技術であるが、上記の古典ネットワーク符号を元にした量子ネットワーク符号は『情報の配信』という目的を全く果たしていない。すなわち、元の古典のネットワーク符号は、2ビットの情報(b1,b2)を終端ノードt1と終端ノードt2の両方に配信しているが(図1)、対応する上記の量子ネットワーク符号は、2量子ビットの情報(|ψ1>,|ψ2>)を終端ノードt1と終端ノードt2に1量子ビットずつ送信することしかできていない。なお、ノード1「もしくは」ノード2に2量子ビットの情報を送信することも可能であることは容易にわかる。この場合、もう片方のノードには入力量子ビットに関する何の情報も残されない。
本技術では、そうではなく、実際に2量子ビットの情報を2つの終端ノードt1と終端ノードt2の両方に配信する方法を考える。すなわち、2量子ビット入力状態|ψ1>(×)|ψ2>に対して、終端ノードt1の量子ビットAと終端ノードt2の量子ビットCに量子状態|ψ1>を、終端ノードt1の量子ビットBと終端ノードt2の量子ビットDに量子状態|ψ2>を同時に出力することを目的とする。結果として、プロトコルの出力状態|Ψout>ABCDが式(10)となる量子ネットワーク符号を作成するのである。
Figure 0005614658
しかし、このような符号が量子力学の原理に反するため作成不可能であることは有名なクローン禁止定理より明らかである。よって、できるだけ上記の状態に近い状態を作成する量子ネットワーク符号を提案することを本技術の目的とする。本技術では、プロトコルの性能評価として、量子ビットA,Cとが|ψ1>に、量子ビットB,Dとが|ψ2>にどれだけ近いかということを指標とする。ここでは特に式(11),式(12)のように定義される平均忠実度F-A,F-B,F-C,F-Dを用いる:
Figure 0005614658
ここで、F(|ψ><ψ|‖ρ)=<ψ|ρ|ψ>は忠実度、ρout Aは量子ビットA上の出力状態であり、ρout A=TrBCDout><Ψout|ABCDであり、ρout B,ρout C,ρout Dも同様に定義される。u1,u2は、2次元のユニタリ演算子で、|ψ1>=u1|0>,|ψ2>=u2|0>で定義されるとする。よって、u1(u2)が特殊ユニタリ群SU(2)を動く時、入力状態|ψ1>(|ψ2>)はすべての純粋状態を動く。dw1とdw2はそれぞれu1とu2に対応する正規化されたSU(2)のHaar測度である。
最後に、既に説明した従来技術である非特許文献1に基づいて、容易に構成できる比較的良い平均忠実度を与える量子ネットワーク符号を構成する。
非特許文献1に基づいた量子ネットワーク符号を用いて、|ψ1>を量子ビットCに|ψ2>を量子ビットBに出力したとする。この時、量子ビットAとDでは何の量子情報も得られないので、代わりに完全混合状態ρmix=I2/2をそれぞれの量子ビットに作成する。このようにして得られた出力状態|Ψout>=ρA mix(×)|ψ2>B(×)|ψ1>C(×)ρD mixの平均忠実度は、
F-A=1/2,F-B=1,F-C=1,F-D=1/2 …(13)
で与えられる。同様に|ψ1>を量子ビットAに|ψ2>を量子ビットDに出力することで、出力状態|Ψout>=|ψ1>A (×)ρB mix(×)ρC mix(×)|ψ2>Dを作成する量子ネットワーク符号も構成できるので、この2つのどちらかの量子ネットワーク符号を確率1/2で実行する量子ネットワーク符号は、平均忠実度
F-A=F-B=F-C=F-D=3/4 …(14)
を達成する。すなわち式(14)が従来技術から容易に構成可能なプロトコルから得られる性能限界である。なお、このように2つ以上のプロトコルを確率的に組み合わせることで、平均忠実度を全ての部分系で等しくなるようにすることを、プロトコルを対称化すると呼ぶこととする。
そこで、本発明は、バタフライネットワーク上のマルチキャスト量子ネットワーク符号化において、既に説明した従来技術を元にする量子ネットワーク符号よりも、性能の良いものを提供する。具体的には、式(11)と式(12)で定義される平均忠実度F-A,F-B,F-C,F-Dが3/4より大きな量子ネットワーク符号を提供する。
本発明は、情報源ノードSと、終端ノードt1と、終端ノードt2と、中継ノード1、中継ノード2、中継ノード3、中継ノード4とを含み、情報源ノードSと中継ノード1との間、情報源ノードSと中継ノード2との間、中継ノード4と終端ノードt1との間、中継ノード4と終端ノードt2との間のそれぞれが古典情報と量子ビットを送信可能に構成され、中継ノード1と中継ノード3との間、中継ノード2と中継ノード3との間、中継ノード1と終端ノードt1との間、中継ノード2と終端ノードt2、中継ノード3と中継ノード4との間のそれぞれが量子ビットを送信可能に構成され、情報源ノードSと中継ノード3との間、情報源ノードSと中継ノード4との間、情報源ノードSと終端ノードt1との間、情報源ノードSと終端ノードt2との間、終端ノードt1と終端ノードt2との間、中継ノード3と終端ノードt1との間、中継ノード3と終端ノードt2との間のそれぞれがが古典情報を送信可能に構成されているバタフライネットワーク上で、2つの量子ビットの入力状態|ψ1>,|ψ2>に対して、終端ノードt1の量子ビットAと終端ノードt2の量子ビットCに量子状態|ψ1>を、ノードt1の量子ビットBとノードt2の量子ビットDに量子状態|ψ2>を近似出力するマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法であって、
情報源ノードSにおいて、系O1が1量子ビットの入力状態|ψ1>に、系O2が1量子ビットの入力状態|ψ2>に、準備されているとして、
1量子ビット系から3量子ビット系PQRへの等長演算子Usuc
Figure 0005614658

として、情報源ノードSの等長演算器が、系O1に等長演算子Usucを適用し出力系P1Q1R1を出力し、系O2に等長演算子Usucを適用し出力系P2Q2R2を出力するステップと、
情報源ノードSの観測器が、系R1と系R2を基底{|0>,|1>}で観測してその観測結果r1,r2を得るステップと、
情報源ノードSの送信器が、観測結果r1,r2を情報源ノードS以外のノードに送信するステップと、
(×)はテンソル積を表すとして、情報源ノードSの反転器が、系P1Q1にXr1(×)Xr1を適用し、系P2Q2にXr2(×)Xr2を適用するステップと、
状態|ψ>=α|0>+β|1>に対して、P0=1/3(1+|β|2),P1=1/3(1+|α|2)、|Ψ+>は|Ψ+>=1/√2(|01>+|10>)で定義される2次元最大エンタングル状態(EPRペア)、|ξ0(α,β)>と|ξ1(α,β)>は
Figure 0005614658

とし、2量子ビット系から1量子ビット系への量子操作Λを、任意の|α|2+|β|2=1を満たすα,βに対して(ただし、α-はαの複素共役、β-はβの複素共役である)、
Figure 0005614658

として、情報源ノードSの量子操作器が、系P1Q1に量子操作Λを適用して出力系Eを出力し、系P2Q2に量子操作Λを適用して出力系Fを出力するステップと、
情報源ノードSの送信器が、系Eを中継ノード1に送信し、系Fを中継ノード2に送信するステップと、
中継ノード1のCNOT演算器が、新しい系Gを状態|0>に用意して、系EGに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
中継ノード2のCNOT演算器が、新しい系Hを状態|0>に用意して、系FHに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
中継ノード1の送信器が、系Eを終端ノードt1に送信し、系Gを中継ノード3に送信するステップと、
中継ノード2の送信器が、系Fを終端ノードt2に送信し、系Hを中継ノード3に送信するステップと、
(+)は排他的論理和を表し、f3(a1,a2)=(a1(+)a2)を実現するユニタリーゲートをUf3として、中継ノード3のユニタリーゲート演算器が、新しい系Iを状態|0>に用意し、系GHIにユニタリーゲートUf3を演算するステップと、
中継ノード3の観測器が、系Gと系HをX基底{1/√2(|0>+|1>),1/√2(|0>-|1>)}で観測してその観測結果g,hを得るステップと、
中継ノード3の送信器が、観測結果gを終端ノードt1に、観測結果hを終端ノードt2に送信し、系Iを中継ノード4に送信するステップと、
ユニタリーゲートU4を
U4=|0><0|I(×)XB(×)XC+|1><1|I(×)(CNOTBC・HB(×)IC)
として、中継ノード4のユニタリーゲート演算器が、新しい系Bと系Cをそれぞれ状態|0>に用意し、系IBCにユニタリーゲートU4を適用するステップと、
中継ノード4の観測器が、系IをX基底で観測してその観測結果iを得るステップと、
中継ノード4の送信器が、観測結果iを終端ノードt1と終端ノードt2に送信し、系Bを終端ノードt1に、系Cを終端ノードt2に送信するステップと、
終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系Eに量子ゲートZi+gを適用するステップと、
終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系Fに量子ゲートZi+hを適用するステップと、
終端ノードt1のCNOT演算器が、新しい系Aを状態|0>に用意し、系EAに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
終端ノードt2のCNOT演算器が、新しい系Dを状態|0>に用意し、系FDに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
VEAB tをVEAB t=|0><0|E(×)(XA(×)XB・SWAPAB)+|1><1|E(×)IAB)として、終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系EABにユニタリーゲートVEAB tを適用するステップと、
VFCD tをVFCD t=|0><0|F(×)(XC(×)XD・SWAPCD)+|1><1|F(×)ICD)として、終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系FCDにユニタリーゲートVFCD tを適用するステップと、
終端ノードt1の観測器が、系EをX基底で観測し、その観測結果eを得るステップと、
終端ノードt1の送信器が、観測結果eを終端ノードt2に送信するステップと、
終端ノードt2の観測器が、系FをX基底で観測し、その観測結果fを得るステップと、
終端ノードt2の送信器が、観測結果fを終端ノードt1に送信するステップと、
終端ノードt1の量子操作器が、系Aに対して量子ゲートXr1Ze Aを適用するステップと、
終端ノードt1の量子操作器が、系Bに対して量子ゲートXr2Zf Bを適用するステップと、
終端ノードt2の量子操作器が、系Cに対して量子ゲートXr1Ze Cを適用するステップと、
終端ノードt2の量子操作器が、系Dに対して量子ゲートXr2Zf Dを適用するステップとを有する。
本発明によると、詳細は後述するが、バタフライネットワーク上のマルチキャスト量子ネットワーク符号化において、式(11)と式(12)で定義される平均忠実度F-A,F-B,F-C,F-Dが3/4より大きな量子ネットワーク符号が実現される。
バタフライネットワーク上での古典ビットの流れ。 バタフライネットワーク上での量子ビットなどの流れ。
[バタフライネットワーク]
本発明においては、バタフライネットワークは、情報源ノードSと、終端ノードt1と、終端ノードt2と、中継ノード1、中継ノード2、中継ノード3、中継ノード4とを含んでおり、次のように構成されているとする。
(1)情報源ノードSと中継ノード1との間、情報源ノードSと中継ノード2との間、中継ノード4と終端ノードt1との間、中継ノード4と終端ノードt2との間のそれぞれが古典情報と量子ビットを送信可能に構成されており、
(2)中継ノード1と中継ノード3との間、中継ノード2と中継ノード3との間、中継ノード1と終端ノードt1との間、中継ノード2と終端ノードt2、中継ノード3と中継ノード4との間のそれぞれが量子ビットを送信可能に構成されており、
(3)情報源ノードSと中継ノード3との間、情報源ノードSと中継ノード4との間、情報源ノードSと終端ノードt1との間、情報源ノードSと終端ノードt2との間、終端ノードt1と終端ノードt2との間、中継ノード3と終端ノードt1との間、中継ノード3と終端ノードt2との間のそれぞれがが古典情報を送信可能に構成されている。
本発明は、このようなバタフライネットワーク上で、2つの量子ビットの入力状態|ψ1>,|ψ2>に対して、終端ノードt1の量子ビットAと終端ノードt2の量子ビットCに量子状態|ψ1>を、ノードt1の量子ビットBとノードt2の量子ビットDに量子状態|ψ2>を近似出力する(マルチキャスト量子ネットワーク符号化)。
以下、情報源ノードSを単に「ノードS」、終端ノードt1を単に「ノードt1」、終端ノードt2を単に「ノードt2」、中継ノード1を単に「ノード1」、中継ノード2を単に「ノード2」、中継ノード3を単に「ノード3」、中継ノード4を単に「ノード4」と呼称する。
具体的なプロトコルを述べる前にアイデアについて説明をする。一般的に、1つの量子状態|ψ>をその量子状態の2つのコピー|ψ>(×)|ψ>にできるだけ近く変換しようとする量子操作は、量子クローン化機械(Quantum Cloning Machine)と呼ばれる。今、クローン化機械が量子操作Γで与えられるとし、出力状態ρout AB=Γ(|ψ><ψ|)が、系Aと系Bの交換に対して対称的、すなわち、部分系の状態ρA(B)=TrB(A)ρout ABがρABを満たしており、更に、忠実度FA(B)=<ψ|ρA(B)|ψ>が、入力状態|ψ>によらないとする。この条件の下で達成可能な最高の忠実度は求められており、それを達成する量子クローン化機械は最適対称普遍クローン化機械(Optimal symmetric universal cloning machine)と呼ばれ、その構成法が良く知られている。特に、その平均忠実度はFA(B)=5/6になり3/4を大きく上回る。量子最適対称普遍クローン化機械は、以下の式を満たす1量子ビット系から3量子ビット系(量子系PQRと呼ぶ)の空間への等長演算子Usucで与えられる。
Figure 0005614658
ここで、|Ψ+>は|Ψ+>=1/√2(|01>+|10>)で定義される2次元最大エンタングル状態(EPRペア)である。Γ(|ψ><ψ|)=TrR(Usuc|ψ><ψ|)Usuc とすると、量子操作Γは量子最適対称普遍クローン化機械の条件を満たす。
今、ここでは、系Rを単純に部分系を取ることで削除したが、量子操作Γは、Usucを演算した後に、系Rを{|0>,|1>}の基底で観測することにする。すると、入力状態|ψ>=α|0>+β|1>は観測結果r=0 or 1に応じて、それぞれ確率Prで|ξr>に変換される。ここで、P0=1/3(1+|β|2),P1=1/3(1+|α|2)で、|ξr(α,β)>は以下で与えられる:
Figure 0005614658
ここで、|ξ0(α,β)>と|ξ1(α,β)>は、
0(α,β)>=X(×)X|ξ1(α,β)> …(19)
を満たす。ここで、Pauli-Xゲートである。
次に、2量子ビット系から1量子ビット系への量子操作Λを、任意の|α|2+|β|2=1を満たすα,βに対して以下のように定義する:
Figure 0005614658
更に、1量子ビット系から2量子ビット系への等長演算子Vを
V=|Ψ+><0|+|11><1| …(21)
と定義する。
すると、任意の1量子ビット系の状態ρに対して、次の等式が成立する:
Figure 0005614658
上式の意味するところは、入力状態に量子最適対称普遍クローン化をした後、系Rを測定し、その観測結果rに応じて系PQの量子ビットを反転させ(Xr(×)Xr)、その後ΓとVを演算したのちに、さらにrに応じて量子ビットを反転させたときに得られる状態は、入力状態に直接、量子最適対称普遍クローン化をしたときに等しいということである。
この事実は、量子最適対称普遍クローン化のバタフライネットワーク上での実現を試みるのに大変重要である。実際、次のようなことが可能であるなら、バタフライネットワーク上での量子最適対称普遍クローンが可能である:
2つの入力量子状態|ψ1>と|ψ2>を共にUsucを演算した後に、それぞれの系Rを観測して、観測結果r1,r2をそれぞれ得たとする。r1,r2に依存してXr(×)XrとΛを各系に演算した後の状態は、それぞれ1量子ビット状態である。これらをバタフライネットワークの入力とし、出力状態は各入力状態にV(×)VとXr1(×)Xr1(×)Xr2(×)Xr2をそれぞれ演算したものになるようにする。式(22)は、このようなプロトコルが構成できれば、出力状態が入力状態の量子最適対称普遍クローンとなっていることを保証している。ところが、実際にはV(×)Vを入力状態に演算する量子ネットワーク符号を構成する方法は発見できなかった。よって、ここでは、この部分で比較的V(×)Vに近い演算を用いた量子ネットワーク符号の作成方法とその性能を示す。
以下、断りない限り、量子系はすべて1量子ビット系とする。最初にノードSにおいて、系O1とO2が入力状態|ψ1>と|ψ2>にそれぞれ準備されているとする。この時、新しい量子ネットワーク符号は以下のように構成される。
1.ノードSの等長演算器が、系O1と系O2にそれぞれ等長演算子Usucを作用させる。出力系をそれぞれP1Q1R1とP2Q2R2とする。
2.ノードSの観測器が、系R1とR2をそれぞれ基底{|0>,|1>}で観測してその観測結果r1,r2を得る。ノードSの送信器は、観測結果(古典情報)r1,r2をすべてのノード(ノードSを除く)に送信する。
3.ノードSの反転器が、観測結果r1,r2に依存して、系P1Q1にXr1(×)Xr1、系P2Q2にXr2(×)Xr2を作用させる。その後、ノードSの量子操作器が、系P1Q1と系P2Q2のそれぞれに量子操作Λを適用する。ここで、前者の出力系を系E、後者の出力系を系Fとする。最後にノードSの送信器は系Eをノード1に、系Fをノード2に送信する。
4.ノード1のCNOT演算器は、新しい系Gを状態|0>に用意して、系EGに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用する。同様にノード2のCNOT演算器は、新しい系Hを状態|0>に用意して、系FHに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用する。ノード1の送信器は、系Eをノードt1、系Gをノード3に送信する。同様にノード2の送信器は、系Fをノードt2、系Hをノード3に送信する。
5.ノード3のユニタリーゲート演算器は、新しい系Iを状態|0>に用意し、系GHIにユニタリーゲートUf3を演算する(f3は式(2)で定義されている)。更に、ノード3の観測器は、系Gと系HをそれぞれX基底で観測し、その観測結果g,hを得る。ノード3の送信器は、gをノードt1に、hをノードt2に送信し、系Iをノード4に送信する。
6.ノード4のユニタリーゲート演算器は、新しい系Bと系Cを共に状態|0>に用意し、系IBCに以下で与えられるユニタリーゲートU4を適用する:
U4=|0><0|I(×)XB(×)XC+|1><1|I(×)(CNOTBC・HB(×)IC) …(24)
更に、ノード4の観測器が系IをX基底で観測してその観測結果iを得る。ノード4の送信器は、観測結果iをノードt1とノードt2に送信し、系Bをノードt1に、系Cをノードt2に送信する。
7.ノードt1のユニタリーゲート演算器は系Eに量子ゲートZi+gを適用し、ノードt2のユニタリーゲート演算器は系Fに量子ゲートZi+hを適用する。ただし、ZはPauli-Zゲートである。ノードt1のCNOT演算器は、新しい系Aを状態|0>に用意し、系EAに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを作用させる。同様に、ノードt2のCNOT演算器は、新しい系Dを状態|0>に用意し、系FDに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを作用させる。次に、ノードt1のユニタリーゲート演算器は、系EABにユニタリーゲートVEAB tを適用する。ここで、VEAB tは以下のように定義される。
VEAB t=|0><0|E(×)(XA(×)XB・SWAPAB)+|1><1|E(×)IAB) …(25)
同様に、ノードt2のユニタリーゲート演算器は、系FCDにユニタリーゲートVFCD tを適用する。ここで、VFCD tはVFCD t=VEAB tで定義される。すなわち、上の式においてVEAB tの定義(式(25))において、E⇔F,A⇔C,B⇔Dという置き換えを行ったものがVFCD tの定義である。次に、ノードt1の観測器が系EをX基底で観測し、その観測結果eを得て、ノードt1の送信器がノードt2に観測結果eを送信し、ノードt2の観測器が系FをX基底で観測し、その観測結果fを得て、ノードt2の送信器がノードt1に観測結果fを送信する。最後に、観測結果e,f,r1,r2に依存して、系ABCDに量子ゲートXr1Ze A(×)Xr2Zf B(×)Xr1Ze C(×)Xr2Zf Dを演算する。すなわち、一方ではノードt1の量子操作器が、系Aに対しては量子ゲートXr1Ze Aを適用し、系Bに対しては量子ゲートXr2Zf Bを適用し、他方ではノードt2の量子操作器が、系Cに対しては量子ゲートXr1Ze Cを適用し、系Dに対しては量子ゲートXr2Zf Dを適用する。
以上のプロトコルの出力状態は、r1,r2に依存した純粋状態であるが、r1,r2に関する統計平均をとった混合状態としても表現できる。そのような混合状態としての系ABCDにおける出力状態をρABCD outとする。この時、各1量子ビット系A,B,C,D の状態ρA out,ρB out,ρC out,ρD outは入力量子ビット|ψ1>=α1|0>+β1|1>と|ψ2>=α2|0>+β2|1>に対して以下のように与えられることが計算によりわかる:
Figure 0005614658
ここでρmix=1/2Iは1量子ビット系の完全混合状態、ρopt,1とρopt,2は、|ψ1>と|ψ2>の量子最適対称普遍クローンの部分系の状態であり、以下の式で与えられる:
Figure 0005614658
以上の結果を用いて、このプロトコルに関する平均忠実度F-A,F-B,F-C,F-Dを計算すると以下のようになる。
F-A=F-D=23/27,F-B=F-C=20/27 …(28)
従来技術から作られた量子ネットワーク符号を対称化、すなわち出力状態の平均忠実度が部分系によらないようにすることができたように、この新しい量子ネットワーク符号も対称化することができる。これは上記の量子ネットワーク符号から以下の点を変更したプロトコルを考えることで成し遂げられる。
すなわち、最初のステップ1.の前にステップ0.として『ノードSの交換演算器が系O1O2にSWAPゲートを適用する』、更に最後のステップ7.の後に、ステップ8.として『ノードt1の交換演算器が系ABにSWAPゲートを適用し、ノードt2の交換演算器が系CDにSWAPゲートを適用する』という手順を加える。
このようにして、新たにできた量子ネットワーク符号の出力状態は、元の量子ネットワーク符号の出力状態に、系ACと系BDにそれぞれSWAPゲートを演算したものになっている。よって、この2つの量子ネットワーク符号を1/2の確率で実行する新しい量子ネットワーク符号を考えると、この符号は以下の平均忠実度を達成する:
F-A=F-B=F-C=F-D=43/54 …(29)
この量子ネットワーク符号の平均忠実度は、従来技術の3/4を上回るだけでなく、1量子ビット状態に対する量子対称クローンの理論限界5/6に対して1/27≒0.04しか差がない最適に近いものとなっている。
最後に、本発明で得られた量子ネットワーク符号を普遍化する方法を与える。ここで普遍化された符号とは、入力状態と出力状態の間の忠実度が入力状態に依存しない、すなわちFA=<ψ1A out1>などが|ψ1>や|ψ2>に依存しないという性質を持つ符号のことである。これまでは、符号の定義に用いる計算基底{|0>,|1>}を最初から固定されたものとして扱っていたが、普遍化された方法では、プロトコルの最初にノードSの基底設定部が計算基底を完全にランダムに選び、その結果をノードSの送信器がすべてのノード(ノードSを除く)に送信し、以後、そのランダムに選ばれた計算基底で定義された上記の量子ネットワーク符号を実行することになる。このようにして得られた符号において、入出力間の忠実度が入力状態に依存しなくなることは簡単に示せる。また、この普遍化された符号は元の符号と同じ平均忠実度を持つことも簡単に示せる。
〔量子演算装置についての概説〕
量子演算装置は、量子コンピュータ単体で実現できる。量子コンピュータの実現する物理系としては、例えば、イオントラップを用いる方法(J. I. Cirac and P. Zoller, Quantum computations with cold trapped ions, Physical Review Letter 74;4091, 1995)、量子ビットとして光子の偏光や光路を用いる方法(Y. Nakamura, M. Kitagawa, K. Igeta, In 3-rd Proc. Asia-Pacific Phys. Comf., World Scientific, Singapore, 1988)、液体中の各スピンを用いる方法(Gershenfield, Chuang, Bulk spin resonance quantum computation, Science, 275;350, 1997)、シリコン結晶中の核スピンを用いる方法(B. E. Kane, A silicon-based nuclear spin quantum computer, Nature 393, 133, 1998)、量子ドット中の電子スピンを用いる方法(D. Loss and D. P. DiVincenzo, Quantum computation with quantum dots, Physical Review A 57, 120-126, 1998)、超伝導素子を用いる方法(Y. Nakamura, Yu. A. Pashkin and J. S. Tsai, Coherent control of macroscopic quantum states in a single-cooper pair box, Nature 393, 786-788, 1999)等を例示できる。また、それぞれの物理系に対する量子コンピュータの実現方法については、「http://www.ipa.go.jp/security/fy11/report/contents/crypto/crypto/report/QuantumComputers/contents/doc/qc_survey.pdf」や「M. A. Nielsen and I. L. Chuang, Quantum Computation and Quantum Information, Cambridge UniversityPress, Chapter 7 Physical Realization」に詳しい。
<量子ビット>
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンの基底状態と励起状態を利用して量子ビットを実現する。また、核スピンを量子ビットとして用いる場合には、例えば、「T. D. Ladd, et al., "All-Silicon quantum computer," Phys. Rev. Lett., vol. 89, no. 1, 017901-1‐017901-4, July 1, 2002.」に記載されているようにSi(111)基板等に各量子ビットを生成する。なお、量子ビットの初期量子状態は、例えば、他の演算の量子回路による操作によって得られたものを用いてもよいし、各量子ビットが生成された基板をmK(ミリケルビン)オーダー以下に冷却してスピンの向きを揃えた後、所定の電磁波パルスを印加して生成してもよい。また、量子ビットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、パラメトリックダウンコンバージョン(PDC:parametric down conversion)(例えば、「P. G. Kwiat, K. Mattle, H. Weinfurter, A. Zeilinger, A. V. Sergienko, and Y. Shih, “New high-intensity source of polarization-entangled photon pairs,” Phys. Rev. Lett. ,75:4337-4341, 1995.」「P. G. Kwiat, E. Waks, A. G. White, I. Appelbaum, and P. H. Eberhard, “Ultrabright source of polarization-entangled photons,” Phys. Rev. A, 60:R773-R776, 1999.」等参照。)によって生成された複数個の単一光子を用いる。この場合、各量子ビットの初期量子状態は、例えば、他の演算の量子回路による操作によって得られたものを用いる。また、パラメトリックダウンコンバージョン等によって生成された単一光子に、ビームスプリッタや偏光回転素子等によって実現されるウォルシューアダマール変換、CNOT、回転等の操作を行い、既述の初期量子状態を生成することとしてもよい。
その他、上記の文献に記載された方法で量子ビットを用意することとしてもよい。
また、演算前後や演算途中において量子ビットの量子状態を保存する必要がある場合には、例えば、量子ドット内の電子準位、核スピン、あるいは超伝導体内部の電荷(クーパー対)量を量子ビットとして用いてデータを保存する量子メモリ等を用いてもよい(A.Barenco, D.Deutsch, and A.Ekert, Phys. Rev. Lett.74,4083(1995)、松枝秀明 電子情報通信学会誌 A Vol.J81-A No.12(1998)1978、T.H.Oosterkamp et.al., Nature 395,873(1998)、D.Loss and D.P. DiVincenzo, Phys. Rev. A57(1998) 120. T.Oshima, quant-ph/0002004, http://arxiv.org/abs/quant-ph/0002004、B.E.Kane, A silicon-based nuclear spin quantum computer, Nature, 393, 133(1998)、http://www.snf.unsw.edu.au/、Y.Nakamura, Yu. A. Pashkin and J.S.Tsai, Nature 398(1999)768)。
<CNOT演算>
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンを直線上に並べ、各イオンに狙いを定めたレーザービーム照射によってCNOT演算を実現する。また、量子ビットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、偏光ビームスプリッタ等を用い、「T.B. Pittman, M.J. Fitch, B.C. Jacobs, J.D. Franson: “Experimental Controlled-NOT Logic Gate for Single Photons in the Coincidence Basis,” quant-ph/0303095, http://arxiv.org/abs/quant-ph/0303095」記載のPittman et al. 方式によってCNOT演算を実現する。また、核スピンを量子ビットとして用いる場合には、例えば、所定の電磁波パルスを量子ビットに印加することによってCNOT演算を実現できる。
その他、上記の文献に記載された方法でCNOT演算を実現してもよい。
<量子ビット単体操作>
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンを直線上に並べ、各イオンに狙いを定めたレーザービーム照射によって量子ビット単体の操作を実現する。核スピンを量子ビットとして用いる場合には、電磁波パルスやレーザービーム照射によって各処理を実現する。また、量子ビットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、偏光回転素子等によって実現する。
なお、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。例えば、可換な演算については演算の順序に限定がない。また、n個の量子ビットに対する任意のユニタリ変換は、2種類の基本量子ゲート(1量子ビットに対し任意のユニタリ変換を作用させるUゲートと、2量子ビットに作用する制御NOTゲート)を組み合わせることにより実現できることが知られている。また、量子回路に使われる全ての演算は単一量子ビットに対する1量子ビット演算と制御NOT演算に分解できるので(上記非特許文献3参照)、各機能部の具体的構成についても種々等価な量子回路を構成できる。また、既述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。

Claims (3)

  1. 情報源ノードSと、終端ノードt1と、終端ノードt2と、中継ノード1、中継ノード2、中継ノード3、中継ノード4とを含み、
    情報源ノードSと中継ノード1との間、情報源ノードSと中継ノード2との間、中継ノード4と終端ノードt1との間、中継ノード4と終端ノードt2との間のそれぞれが古典情報と量子ビットを送信可能に構成され、
    中継ノード1と中継ノード3との間、中継ノード2と中継ノード3との間、中継ノード1と終端ノードt1との間、中継ノード2と終端ノードt2、中継ノード3と中継ノード4との間のそれぞれが量子ビットを送信可能に構成され、
    情報源ノードSと中継ノード3との間、情報源ノードSと中継ノード4との間、情報源ノードSと終端ノードt1との間、情報源ノードSと終端ノードt2との間、終端ノードt1と終端ノードt2との間、中継ノード3と終端ノードt1との間、中継ノード3と終端ノードt2との間のそれぞれがが古典情報を送信可能に構成されている
    バタフライネットワーク上で、2つの量子ビットの入力状態|ψ1>,|ψ2>に対して、終端ノードt1の量子ビットAと終端ノードt2の量子ビットCに量子状態|ψ1>を、ノードt1の量子ビットBとノードt2の量子ビットDに量子状態|ψ2>を近似出力するマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法であって、
    情報源ノードSにおいて、系O1が1量子ビットの入力状態|ψ1>に、系O2が1量子ビットの入力状態|ψ2>に、準備されているとして、
    1量子ビット系から3量子ビット系PQRへの等長演算子Usuc
    Figure 0005614658

    として、情報源ノードSの等長演算器が、系O1に等長演算子Usucを適用し出力系P1Q1R1を出力し、系O2に等長演算子Usucを適用し出力系P2Q2R2を出力するステップと、
    情報源ノードSの観測器が、系R1と系R2を基底{|0>,|1>}で観測してその観測結果r1,r2を得るステップと、
    情報源ノードSの送信器が、観測結果r1,r2を情報源ノードS以外のノードに送信するステップと、
    (×)はテンソル積を表すとして、情報源ノードSの反転器が、系P1Q1にXr1(×)Xr1を適用し、系P2Q2にXr2(×)Xr2を適用するステップと、
    状態|ψ>=α|0>+β|1>に対して、P0=1/3(1+|β|2),P1=1/3(1+|α|2)、|Ψ+>は|Ψ+>=1/√2(|01>+|10>)で定義される2次元最大エンタングル状態(EPRペア)、|ξ0(α,β)>と|ξ1(α,β)>は
    Figure 0005614658

    とし、2量子ビット系から1量子ビット系への量子操作Λを、任意の|α|2+|β|2=1を満たすα,βに対して(ただし、α-はαの複素共役、β-はβの複素共役である)、
    Figure 0005614658

    として、情報源ノードSの量子操作器が、系P1Q1に量子操作Λを適用して出力系Eを出力し、系P2Q2に量子操作Λを適用して出力系Fを出力するステップと、
    情報源ノードSの送信器が、系Eを中継ノード1に送信し、系Fを中継ノード2に送信するステップと、
    中継ノード1のCNOT演算器が、新しい系Gを状態|0>に用意して、系EGに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
    中継ノード2のCNOT演算器が、新しい系Hを状態|0>に用意して、系FHに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
    中継ノード1の送信器が、系Eを終端ノードt1に送信し、系Gを中継ノード3に送信するステップと、
    中継ノード2の送信器が、系Fを終端ノードt2に送信し、系Hを中継ノード3に送信するステップと、
    (+)は排他的論理和を表し、f3(a1,a2)=(a1(+)a2)を実現するユニタリーゲートをUf3として、中継ノード3のユニタリーゲート演算器が、新しい系Iを状態|0>に用意し、系GHIにユニタリーゲートUf3を演算するステップと、
    中継ノード3の観測器が、系Gと系HをX基底{1/√2(|0>+|1>),1/√2(|0>-|1>)}で観測してその観測結果g,hを得るステップと、
    中継ノード3の送信器が、観測結果gを終端ノードt1に、観測結果hを終端ノードt2に送信し、系Iを中継ノード4に送信するステップと、
    ユニタリーゲートU4を
    U4=|0><0|I(×)XB(×)XC+|1><1|I(×)(CNOTBC・HB(×)IC)
    として、中継ノード4のユニタリーゲート演算器が、新しい系Bと系Cをそれぞれ状態|0>に用意し、系IBCにユニタリーゲートU4を適用するステップと、
    中継ノード4の観測器が、系IをX基底で観測してその観測結果iを得るステップと、
    中継ノード4の送信器が、観測結果iを終端ノードt1と終端ノードt2に送信し、系Bを終端ノードt1に、系Cを終端ノードt2に送信するステップと、
    終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系Eに量子ゲートZi+gを適用するステップと、
    終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系Fに量子ゲートZi+hを適用するステップと、
    終端ノードt1のCNOT演算器が、新しい系Aを状態|0>に用意し、系EAに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
    終端ノードt2のCNOT演算器が、新しい系Dを状態|0>に用意し、系FDに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
    VEAB tをVEAB t=|0><0|E(×)(XA(×)XB・SWAPAB)+|1><1|E(×)IAB)として、終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系EABにユニタリーゲートVEAB tを適用するステップと、
    VFCD tをVFCD t=|0><0|F(×)(XC(×)XD・SWAPCD)+|1><1|F(×)ICD)として、終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系FCDにユニタリーゲートVFCD tを適用するステップと、
    終端ノードt1の観測器が、系EをX基底で観測し、その観測結果eを得るステップと、
    終端ノードt1の送信器が、観測結果eを終端ノードt2に送信するステップと、
    終端ノードt2の観測器が、系FをX基底で観測し、その観測結果fを得るステップと、
    終端ノードt2の送信器が、観測結果fを終端ノードt1に送信するステップと、
    終端ノードt1の量子操作器が、系Aに対して量子ゲートXr1Ze Aを適用するステップと、
    終端ノードt1の量子操作器が、系Bに対して量子ゲートXr2Zf Bを適用するステップと、
    終端ノードt2の量子操作器が、系Cに対して量子ゲートXr1Ze Cを適用するステップと、
    終端ノードt2の量子操作器が、系Dに対して量子ゲートXr2Zf Dを適用するステップと
    を有するバタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法。
  2. 請求項1に記載のマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法であって、
    さらに、
    情報源ノードSにおいて系O1O2にSWAPゲートを適用するステップと、
    終端ノードt1において系ABにSWAPゲートを適用し、終端ノードt2において系CDにSWAPゲートを適用するステップと
    を有することを特徴とするバタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法。
  3. 情報源ノードSが計算基底をランダムに選び、その結果を情報源ノードS以外のノードに送信するステップを有し、
    請求項1または請求項2に記載のマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法を、計算基底{|0>,|1>}に替えて情報源ノードSによって選択された上記計算基底上で表現した、バタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法。
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