JP2013201654A - バタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1つの量子状態|ψ>をその量子状態の2つのコピー|ψ>(×)|ψ>にできるだけ近く変換しようとする量子操作である量子クローン化機械Γについて、出力状態ρout AB=Γ(|ψ><ψ|)が系Aと系Bの交換に対して対称的、すなわち、部分系の状態ρA(B)=TrB(A)ρout ABがρA=ρBを満たしており、更に、忠実度FA(B)=<ψ|ρA(B)|ψ>が、入力状態|ψ>によらないとする条件の下で達成可能な最高の忠実度は求められており、それを達成する量子クローン化機械は最適対称普遍クローン化機械が知られている。この最適対称普遍クローン化機械を応用して平均忠実度3/4を越えるマルチキャスト量子ネットワーク符号化を実現した。
【選択図】図2
Description
f1(a)=f2(a)=f4(a)=(a,a) …(1),
f3(a1,a2)=(a1(+)a2) …(2)
で与えられる。ここで(+)は排他的論理和を表す。終端ノードがそれぞれ復号
ft1(a1,a2)=(a1,a1(+)a2) …(3),
ft2(a1,a2)=(a1(+)a2,a2) …(4)
を行うことで、2つの終端ノードへの入力b1,b2の送信が完了する。
1.古典プロトコルを量子ネットワーク上で形式的にシミュレートすることによりエンタングル状態を量子ネットワーク上に構成する。
2.余計なエンタングルメントをX基底への観測で壊すことによって、入力量子状態を別のノードに移動させる。ここで、X基底とは{|+>,|->}のことであり、それぞれの状態は|+>=1/√2(|0>+|1>),|->=1/√2(|0>-|1>)で定義される。
3.観測結果に依存する位相のずれを訂正する。
Uf:|a1…aN>(×)|0…0>→|a1…aN>(×)|f(a1,…,aN)> …(5)
を用いることで行われる。ここで(×)はテンソル積を表す。Ufは一意ではなく、式(5)を満たす任意のユニタリーゲートでよい。
1.ノードsは状態|ψ1>,|ψ2>をそれぞれノード1とノード2に送信する。
2.ノード1とノード2は、それぞれ、受け取った量子ビットと新しい量子ビット|0>を合わせてCNOTゲートを演算し、ノード1はノード3とノードt1に、ノード2はノード3とノードt2に、出力量子ビットを1量子ビットずつ送信する。
3.ノード3は、ノード1とノード2から受け取った、合計2量子ビットと新しい量子ビット|0>にユニタリーゲートUf3を掛け(f3は式(2)で定義されている)、更にノード1とノード2から送られた量子ビットをそれぞれX基底で観測して、観測結果(x1,x2)を得る。ここで、x1はノード1から来た量子ビットの観測値、x2はノード2から来た量子ビットの観測値である。ノード3は、x1をノードt1、x2をノードt2に送信する。最後にノード3は、残った量子ビット(自分で最初に用意した量子ビット)をノード4に送信する。
4.ノード4は、ノード3から受け取った状態と新しく2量子ビットをそれぞれ状態|0>に用意し、ノード3から受け取った状態を制御ビットとして、新しい量子ビットのそれぞれにCNOTゲートを演算する。その後、ノード4は、ノード3から受け取った量子ビットをX基底で観測し、その結果x4をノードt1とノードt2に送信する。最後に、ノード4は、ノードt1とノードt2に、残った量子ビットを1量子ビットずつ送信する。
5.ノードt1はノード1から受信した量子ビットにZx1+x4を演算する。ノードt2もノード2から受信した量子ビットにZx2+x4を演算する。ここでZ0=I2、Z1=Zである。
6.ノードt1はノード1とノード4から送られてきた合計2量子ビットにCNOTゲートを演算する。同様に、ノードt2はノード2とノード4から送られてきた合計2量子ビットにCNOTゲートを演算する。
F-A=1/2,F-B=1,F-C=1,F-D=1/2 …(13)
で与えられる。同様に|ψ1>を量子ビットAに|ψ2>を量子ビットDに出力することで、出力状態|Ψout>=|ψ1>A (×)ρB mix(×)ρC mix(×)|ψ2>Dを作成する量子ネットワーク符号も構成できるので、この2つのどちらかの量子ネットワーク符号を確率1/2で実行する量子ネットワーク符号は、平均忠実度
F-A=F-B=F-C=F-D=3/4 …(14)
を達成する。すなわち式(14)が従来技術から容易に構成可能なプロトコルから得られる性能限界である。なお、このように2つ以上のプロトコルを確率的に組み合わせることで、平均忠実度を全ての部分系で等しくなるようにすることを、プロトコルを対称化すると呼ぶこととする。
情報源ノードSにおいて、系O1が1量子ビットの入力状態|ψ1>に、系O2が1量子ビットの入力状態|ψ2>に、準備されているとして、
1量子ビット系から3量子ビット系PQRへの等長演算子Usucを
として、情報源ノードSの等長演算器が、系O1に等長演算子Usucを適用し出力系P1Q1R1を出力し、系O2に等長演算子Usucを適用し出力系P2Q2R2を出力するステップと、
情報源ノードSの観測器が、系R1と系R2を基底{|0>,|1>}で観測してその観測結果r1,r2を得るステップと、
情報源ノードSの送信器が、観測結果r1,r2を情報源ノードS以外のノードに送信するステップと、
(×)はテンソル積を表すとして、情報源ノードSの反転器が、系P1Q1にXr1(×)Xr1を適用し、系P2Q2にXr2(×)Xr2を適用するステップと、
状態|ψ>=α|0>+β|1>に対して、P0=1/3(1+|β|2),P1=1/3(1+|α|2)、|Ψ+>は|Ψ+>=1/√2(|01>+|10>)で定義される2次元最大エンタングル状態(EPRペア)、|ξ0(α,β)>と|ξ1(α,β)>は
とし、2量子ビット系から1量子ビット系への量子操作Λを、任意の|α|2+|β|2=1を満たすα,βに対して(ただし、α-はαの複素共役、β-はβの複素共役である)、
として、情報源ノードSの量子操作器が、系P1Q1に量子操作Λを適用して出力系Eを出力し、系P2Q2に量子操作Λを適用して出力系Fを出力するステップと、
情報源ノードSの送信器が、系Eを中継ノード1に送信し、系Fを中継ノード2に送信するステップと、
中継ノード1のCNOT演算器が、新しい系Gを状態|0>に用意して、系EGに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
中継ノード2のCNOT演算器が、新しい系Hを状態|0>に用意して、系FHに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
中継ノード1の送信器が、系Eを終端ノードt1に送信し、系Gを中継ノード3に送信するステップと、
中継ノード2の送信器が、系Fを終端ノードt2に送信し、系Hを中継ノード3に送信するステップと、
(+)は排他的論理和を表し、f3(a1,a2)=(a1(+)a2)を実現するユニタリーゲートをUf3として、中継ノード3のユニタリーゲート演算器が、新しい系Iを状態|0>に用意し、系GHIにユニタリーゲートUf3を演算するステップと、
中継ノード3の観測器が、系Gと系HをX基底{1/√2(|0>+|1>),1/√2(|0>-|1>)}で観測してその観測結果g,hを得るステップと、
中継ノード3の送信器が、観測結果gを終端ノードt1に、観測結果hを終端ノードt2に送信し、系Iを中継ノード4に送信するステップと、
ユニタリーゲートU4を
U4=|0><0|I(×)XB(×)XC+|1><1|I(×)(CNOTBC・HB(×)IC)
として、中継ノード4のユニタリーゲート演算器が、新しい系Bと系Cをそれぞれ状態|0>に用意し、系IBCにユニタリーゲートU4を適用するステップと、
中継ノード4の観測器が、系IをX基底で観測してその観測結果iを得るステップと、
中継ノード4の送信器が、観測結果iを終端ノードt1と終端ノードt2に送信し、系Bを終端ノードt1に、系Cを終端ノードt2に送信するステップと、
終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系Eに量子ゲートZi+gを適用するステップと、
終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系Fに量子ゲートZi+hを適用するステップと、
終端ノードt1のCNOT演算器が、新しい系Aを状態|0>に用意し、系EAに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
終端ノードt2のCNOT演算器が、新しい系Dを状態|0>に用意し、系FDに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
VEAB tをVEAB t=|0><0|E(×)(XA(×)XB・SWAPAB)+|1><1|E(×)IAB)として、終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系EABにユニタリーゲートVEAB tを適用するステップと、
VFCD tをVFCD t=|0><0|F(×)(XC(×)XD・SWAPCD)+|1><1|F(×)ICD)として、終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系FCDにユニタリーゲートVFCD tを適用するステップと、
終端ノードt1の観測器が、系EをX基底で観測し、その観測結果eを得るステップと、
終端ノードt1の送信器が、観測結果eを終端ノードt2に送信するステップと、
終端ノードt2の観測器が、系FをX基底で観測し、その観測結果fを得るステップと、
終端ノードt2の送信器が、観測結果fを終端ノードt1に送信するステップと、
終端ノードt1の量子操作器が、系Aに対して量子ゲートXr1Ze Aを適用するステップと、
終端ノードt1の量子操作器が、系Bに対して量子ゲートXr2Zf Bを適用するステップと、
終端ノードt2の量子操作器が、系Cに対して量子ゲートXr1Ze Cを適用するステップと、
終端ノードt2の量子操作器が、系Dに対して量子ゲートXr2Zf Dを適用するステップとを有する。
本発明においては、バタフライネットワークは、情報源ノードSと、終端ノードt1と、終端ノードt2と、中継ノード1、中継ノード2、中継ノード3、中継ノード4とを含んでおり、次のように構成されているとする。
(1)情報源ノードSと中継ノード1との間、情報源ノードSと中継ノード2との間、中継ノード4と終端ノードt1との間、中継ノード4と終端ノードt2との間のそれぞれが古典情報と量子ビットを送信可能に構成されており、
(2)中継ノード1と中継ノード3との間、中継ノード2と中継ノード3との間、中継ノード1と終端ノードt1との間、中継ノード2と終端ノードt2、中継ノード3と中継ノード4との間のそれぞれが量子ビットを送信可能に構成されており、
(3)情報源ノードSと中継ノード3との間、情報源ノードSと中継ノード4との間、情報源ノードSと終端ノードt1との間、情報源ノードSと終端ノードt2との間、終端ノードt1と終端ノードt2との間、中継ノード3と終端ノードt1との間、中継ノード3と終端ノードt2との間のそれぞれがが古典情報を送信可能に構成されている。
|ξ0(α,β)>=X(×)X|ξ1(α,β)> …(19)
を満たす。ここで、Pauli-Xゲートである。
V=|Ψ+><0|+|11><1| …(21)
と定義する。
2つの入力量子状態|ψ1>と|ψ2>を共にUsucを演算した後に、それぞれの系Rを観測して、観測結果r1,r2をそれぞれ得たとする。r1,r2に依存してXr(×)XrとΛを各系に演算した後の状態は、それぞれ1量子ビット状態である。これらをバタフライネットワークの入力とし、出力状態は各入力状態にV(×)VとXr1(×)Xr1(×)Xr2(×)Xr2をそれぞれ演算したものになるようにする。式(22)は、このようなプロトコルが構成できれば、出力状態が入力状態の量子最適対称普遍クローンとなっていることを保証している。ところが、実際にはV(×)Vを入力状態に演算する量子ネットワーク符号を構成する方法は発見できなかった。よって、ここでは、この部分で比較的V(×)Vに近い演算を用いた量子ネットワーク符号の作成方法とその性能を示す。
U4=|0><0|I(×)XB(×)XC+|1><1|I(×)(CNOTBC・HB(×)IC) …(24)
更に、ノード4の観測器が系IをX基底で観測してその観測結果iを得る。ノード4の送信器は、観測結果iをノードt1とノードt2に送信し、系Bをノードt1に、系Cをノードt2に送信する。
VEAB t=|0><0|E(×)(XA(×)XB・SWAPAB)+|1><1|E(×)IAB) …(25)
同様に、ノードt2のユニタリーゲート演算器は、系FCDにユニタリーゲートVFCD tを適用する。ここで、VFCD tはVFCD t=VEAB tで定義される。すなわち、上の式においてVEAB tの定義(式(25))において、E⇔F,A⇔C,B⇔Dという置き換えを行ったものがVFCD tの定義である。次に、ノードt1の観測器が系EをX基底で観測し、その観測結果eを得て、ノードt1の送信器がノードt2に観測結果eを送信し、ノードt2の観測器が系FをX基底で観測し、その観測結果fを得て、ノードt2の送信器がノードt1に観測結果fを送信する。最後に、観測結果e,f,r1,r2に依存して、系ABCDに量子ゲートXr1Ze A(×)Xr2Zf B(×)Xr1Ze C(×)Xr2Zf Dを演算する。すなわち、一方ではノードt1の量子操作器が、系Aに対しては量子ゲートXr1Ze Aを適用し、系Bに対しては量子ゲートXr2Zf Bを適用し、他方ではノードt2の量子操作器が、系Cに対しては量子ゲートXr1Ze Cを適用し、系Dに対しては量子ゲートXr2Zf Dを適用する。
F-A=F-D=23/27,F-B=F-C=20/27 …(28)
F-A=F-B=F-C=F-D=43/54 …(29)
量子演算装置は、量子コンピュータ単体で実現できる。量子コンピュータの実現する物理系としては、例えば、イオントラップを用いる方法(J. I. Cirac and P. Zoller, Quantum computations with cold trapped ions, Physical Review Letter 74;4091, 1995)、量子ビットとして光子の偏光や光路を用いる方法(Y. Nakamura, M. Kitagawa, K. Igeta, In 3-rd Proc. Asia-Pacific Phys. Comf., World Scientific, Singapore, 1988)、液体中の各スピンを用いる方法(Gershenfield, Chuang, Bulk spin resonance quantum computation, Science, 275;350, 1997)、シリコン結晶中の核スピンを用いる方法(B. E. Kane, A silicon-based nuclear spin quantum computer, Nature 393, 133, 1998)、量子ドット中の電子スピンを用いる方法(D. Loss and D. P. DiVincenzo, Quantum computation with quantum dots, Physical Review A 57, 120-126, 1998)、超伝導素子を用いる方法(Y. Nakamura, Yu. A. Pashkin and J. S. Tsai, Coherent control of macroscopic quantum states in a single-cooper pair box, Nature 393, 786-788, 1999)等を例示できる。また、それぞれの物理系に対する量子コンピュータの実現方法については、「http://www.ipa.go.jp/security/fy11/report/contents/crypto/crypto/report/QuantumComputers/contents/doc/qc_survey.pdf」や「M. A. Nielsen and I. L. Chuang, Quantum Computation and Quantum Information, Cambridge UniversityPress, Chapter 7 Physical Realization」に詳しい。
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンの基底状態と励起状態を利用して量子ビットを実現する。また、核スピンを量子ビットとして用いる場合には、例えば、「T. D. Ladd, et al., "All-Silicon quantum computer," Phys. Rev. Lett., vol. 89, no. 1, 017901-1‐017901-4, July 1, 2002.」に記載されているようにSi(111)基板等に各量子ビットを生成する。なお、量子ビットの初期量子状態は、例えば、他の演算の量子回路による操作によって得られたものを用いてもよいし、各量子ビットが生成された基板をmK(ミリケルビン)オーダー以下に冷却してスピンの向きを揃えた後、所定の電磁波パルスを印加して生成してもよい。また、量子ビットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、パラメトリックダウンコンバージョン(PDC:parametric down conversion)(例えば、「P. G. Kwiat, K. Mattle, H. Weinfurter, A. Zeilinger, A. V. Sergienko, and Y. Shih, “New high-intensity source of polarization-entangled photon pairs,” Phys. Rev. Lett. ,75:4337-4341, 1995.」「P. G. Kwiat, E. Waks, A. G. White, I. Appelbaum, and P. H. Eberhard, “Ultrabright source of polarization-entangled photons,” Phys. Rev. A, 60:R773-R776, 1999.」等参照。)によって生成された複数個の単一光子を用いる。この場合、各量子ビットの初期量子状態は、例えば、他の演算の量子回路による操作によって得られたものを用いる。また、パラメトリックダウンコンバージョン等によって生成された単一光子に、ビームスプリッタや偏光回転素子等によって実現されるウォルシューアダマール変換、CNOT、回転等の操作を行い、既述の初期量子状態を生成することとしてもよい。
その他、上記の文献に記載された方法で量子ビットを用意することとしてもよい。
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンを直線上に並べ、各イオンに狙いを定めたレーザービーム照射によってCNOT演算を実現する。また、量子ビットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、偏光ビームスプリッタ等を用い、「T.B. Pittman, M.J. Fitch, B.C. Jacobs, J.D. Franson: “Experimental Controlled-NOT Logic Gate for Single Photons in the Coincidence Basis,” quant-ph/0303095, http://arxiv.org/abs/quant-ph/0303095」記載のPittman et al. 方式によってCNOT演算を実現する。また、核スピンを量子ビットとして用いる場合には、例えば、所定の電磁波パルスを量子ビットに印加することによってCNOT演算を実現できる。
その他、上記の文献に記載された方法でCNOT演算を実現してもよい。
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンを直線上に並べ、各イオンに狙いを定めたレーザービーム照射によって量子ビット単体の操作を実現する。核スピンを量子ビットとして用いる場合には、電磁波パルスやレーザービーム照射によって各処理を実現する。また、量子ビットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、偏光回転素子等によって実現する。
Claims (3)
- 情報源ノードSと、終端ノードt1と、終端ノードt2と、中継ノード1、中継ノード2、中継ノード3、中継ノード4とを含み、
情報源ノードSと中継ノード1との間、情報源ノードSと中継ノード2との間、中継ノード4と終端ノードt1との間、中継ノード4と終端ノードt2との間のそれぞれが古典情報と量子ビットを送信可能に構成され、
中継ノード1と中継ノード3との間、中継ノード2と中継ノード3との間、中継ノード1と終端ノードt1との間、中継ノード2と終端ノードt2、中継ノード3と中継ノード4との間のそれぞれが量子ビットを送信可能に構成され、
情報源ノードSと中継ノード3との間、情報源ノードSと中継ノード4との間、情報源ノードSと終端ノードt1との間、情報源ノードSと終端ノードt2との間、終端ノードt1と終端ノードt2との間、中継ノード3と終端ノードt1との間、中継ノード3と終端ノードt2との間のそれぞれがが古典情報を送信可能に構成されている
バタフライネットワーク上で、2つの量子ビットの入力状態|ψ1>,|ψ2>に対して、終端ノードt1の量子ビットAと終端ノードt2の量子ビットCに量子状態|ψ1>を、ノードt1の量子ビットBとノードt2の量子ビットDに量子状態|ψ2>を近似出力するマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法であって、
情報源ノードSにおいて、系O1が1量子ビットの入力状態|ψ1>に、系O2が1量子ビットの入力状態|ψ2>に、準備されているとして、
1量子ビット系から3量子ビット系PQRへの等長演算子Usucを
として、情報源ノードSの等長演算器が、系O1に等長演算子Usucを適用し出力系P1Q1R1を出力し、系O2に等長演算子Usucを適用し出力系P2Q2R2を出力するステップと、
情報源ノードSの観測器が、系R1と系R2を基底{|0>,|1>}で観測してその観測結果r1,r2を得るステップと、
情報源ノードSの送信器が、観測結果r1,r2を情報源ノードS以外のノードに送信するステップと、
(×)はテンソル積を表すとして、情報源ノードSの反転器が、系P1Q1にXr1(×)Xr1を適用し、系P2Q2にXr2(×)Xr2を適用するステップと、
状態|ψ>=α|0>+β|1>に対して、P0=1/3(1+|β|2),P1=1/3(1+|α|2)、|Ψ+>は|Ψ+>=1/√2(|01>+|10>)で定義される2次元最大エンタングル状態(EPRペア)、|ξ0(α,β)>と|ξ1(α,β)>は
とし、2量子ビット系から1量子ビット系への量子操作Λを、任意の|α|2+|β|2=1を満たすα,βに対して(ただし、α-はαの複素共役、β-はβの複素共役である)、
として、情報源ノードSの量子操作器が、系P1Q1に量子操作Λを適用して出力系Eを出力し、系P2Q2に量子操作Λを適用して出力系Fを出力するステップと、
情報源ノードSの送信器が、系Eを中継ノード1に送信し、系Fを中継ノード2に送信するステップと、
中継ノード1のCNOT演算器が、新しい系Gを状態|0>に用意して、系EGに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
中継ノード2のCNOT演算器が、新しい系Hを状態|0>に用意して、系FHに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
中継ノード1の送信器が、系Eを終端ノードt1に送信し、系Gを中継ノード3に送信するステップと、
中継ノード2の送信器が、系Fを終端ノードt2に送信し、系Hを中継ノード3に送信するステップと、
(+)は排他的論理和を表し、f3(a1,a2)=(a1(+)a2)を実現するユニタリーゲートをUf3として、中継ノード3のユニタリーゲート演算器が、新しい系Iを状態|0>に用意し、系GHIにユニタリーゲートUf3を演算するステップと、
中継ノード3の観測器が、系Gと系HをX基底{1/√2(|0>+|1>),1/√2(|0>-|1>)}で観測してその観測結果g,hを得るステップと、
中継ノード3の送信器が、観測結果gを終端ノードt1に、観測結果hを終端ノードt2に送信し、系Iを中継ノード4に送信するステップと、
ユニタリーゲートU4を
U4=|0><0|I(×)XB(×)XC+|1><1|I(×)(CNOTBC・HB(×)IC)
として、中継ノード4のユニタリーゲート演算器が、新しい系Bと系Cをそれぞれ状態|0>に用意し、系IBCにユニタリーゲートU4を適用するステップと、
中継ノード4の観測器が、系IをX基底で観測してその観測結果iを得るステップと、
中継ノード4の送信器が、観測結果iを終端ノードt1と終端ノードt2に送信し、系Bを終端ノードt1に、系Cを終端ノードt2に送信するステップと、
終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系Eに量子ゲートZi+gを適用するステップと、
終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系Fに量子ゲートZi+hを適用するステップと、
終端ノードt1のCNOT演算器が、新しい系Aを状態|0>に用意し、系EAに系Eを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
終端ノードt2のCNOT演算器が、新しい系Dを状態|0>に用意し、系FDに系Fを制御ビットとしてCNOTゲートを適用するステップと、
VEAB tをVEAB t=|0><0|E(×)(XA(×)XB・SWAPAB)+|1><1|E(×)IAB)として、終端ノードt1のユニタリーゲート演算器が、系EABにユニタリーゲートVEAB tを適用するステップと、
VFCD tをVFCD t=|0><0|F(×)(XC(×)XD・SWAPCD)+|1><1|F(×)ICD)として、終端ノードt2のユニタリーゲート演算器が、系FCDにユニタリーゲートVFCD tを適用するステップと、
終端ノードt1の観測器が、系EをX基底で観測し、その観測結果eを得るステップと、
終端ノードt1の送信器が、観測結果eを終端ノードt2に送信するステップと、
終端ノードt2の観測器が、系FをX基底で観測し、その観測結果fを得るステップと、
終端ノードt2の送信器が、観測結果fを終端ノードt1に送信するステップと、
終端ノードt1の量子操作器が、系Aに対して量子ゲートXr1Ze Aを適用するステップと、
終端ノードt1の量子操作器が、系Bに対して量子ゲートXr2Zf Bを適用するステップと、
終端ノードt2の量子操作器が、系Cに対して量子ゲートXr1Ze Cを適用するステップと、
終端ノードt2の量子操作器が、系Dに対して量子ゲートXr2Zf Dを適用するステップと
を有するバタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法。 - 請求項1に記載のマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法であって、
さらに、
情報源ノードSにおいて系O1O2にSWAPゲートを適用するステップと、
終端ノードt1において系ABにSWAPゲートを適用し、終端ノードt2において系CDにSWAPゲートを適用するステップと
を有することを特徴とするバタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法。 - 情報源ノードSが計算基底をランダムに選び、その結果を情報源ノードS以外のノードに送信するステップを有し、
請求項1または請求項2に記載のマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法を、計算基底{|0>,|1>}に替えて情報源ノードSによって選択された上記計算基底上で表現した、バタフライネットワーク上でのマルチキャスト量子ネットワーク符号化方法。
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