JP5614615B2 - 高分子電解質、およびその利用 - Google Patents
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Description
前記PEFCは、触媒層とガス拡散層とから形成される電極と高分子電解質膜との膜/電極接合体(MEA)をガスフロープレートで両側から挟んだ構造である。そのMEAは、アノード、カソードおよびそれらを隔てる高分子電解質膜とで構成される。ガスフロープレートにはガス流路が加工されており、アノードには燃料として水素、カソードには酸化剤として酸素あるいは空気を供給し、電力を得ることができる。
前記触媒層は、多数の細孔を有する燃料電池用触媒と高分子電解質とを含む混合物で構成されるのが一般的である。この触媒層内において、高分子電解質と、触媒との接触箇所が燃料電池での反応活性点となっており、その活性点を増やすことが燃料電池の発電特性を向上させる重要な因子の一つである。しかしながら、特許文献1に代表される従来技術の高分子電解質は、前記燃料電池用触媒の細孔よりも大きいためその部分に入りにくく、触媒との接触箇所を増大させることが困難である。そのため、燃料電池での反応活性点が増大せず、燃料電池の発電特性の向上が見込めない。
3≦m+n≦100 (1)
0.1≦m/n≦10 (2)
を満たすランダム共重合体である、高分子電解質である。
上記(3)式におけるAr2に導入されているスルホン酸基の数が1.5個以上であることが好ましい。
上記プロトン伝導性基を含まない構成単位は、下記(4)式で表される構造が好ましい。
上記(3)式および/または(4)式におけるAr1は、下記(5)式で表される基であることが好ましく、
下記(6)式で表される基であることがより好ましい。
上記(7)式で表される側鎖は、主鎖に含まれる芳香族基に導入されていることが好ましい。
上記(3)式におけるAr2が下記(8)式で表される基であることが好ましい。
上記(4)式におけるAr3が、環内にN−H結合を少なくとも1つ有するヘテロ環を含むことが好ましく、環内にN−H結合を有するトリアゾールを含むことがより好ましく、具体的には下記(9)式で表される基であることが更に好ましい。
本発明の燃料電池用触媒層は、本発明の燃料電池用触媒層形成材料を含む。
本発明の燃料電池用電極は、本発明の燃料電池用触媒層を含む。
本発明の燃料電池用膜/電極接合体は、本発明の燃料電池用電極を含む。
本発明の燃料電池は、本発明の燃料電池用膜/電極接合体を含む。
本発明の高分子電解質は、プロトン伝導性基を含む構成単位とプロトン伝導性基を含まない構成単位とで構成されるランダム共重合体である。プロトン伝導性基を含む構成単位のみでは、燃料電池の反応で生じる水に溶解する場合があり、プロトン伝導性基を含まない構成単位のみでは燃料電池の反応に要するプロトン伝導が発現しない場合がある。
前記プロトン伝導性基を含む構成単位は、下記(3)式で表されることが好ましい。
前記プロトン伝導性基を含まない構成単位は、(4)式で表されることが好ましい。
上記(3)式および/または(4)式におけるAr1は、電解質の耐久性向上の観点から、下記(5)式で表されるのが好ましい。
上記(5)式におけるAr4は、1個以上の芳香族基を含む構造であればよい。
Ar4において「1個以上の芳香族基を含む基」とは、五員環のイミド結合、あるいは六員環のイミド結合に、少なくとも1つの芳香族環が組み込まれている構造を構成する基であればよく、芳香族基のみならず、芳香族環が含まれる芳香族複素環基、芳香族環が連結基または直接結合で連結してなる基、および複素環と芳香族環とが連結基または直接結合で連結してなる基をも指す。前記芳香族に含まれる水素原子は、水素原子以外の原子、あるいは化合物で置換されていても良く、ヘテロ原子、あるいは、アルキル化合物、フルオロアルキル化合物、あるいは芳香族化合物が例示される。置換された原子および化合物が複数ある場合は、すべて同じでも良いし、一部異なっていても良いし、各々異なっていても良い。
上記(5)式としては、例えば、下記(12)式に例示される構造が好ましく、
側鎖は、導入のしやすさの点から、エーテル結合を含む構造が好ましく、アルキル基を含む構造がより好ましい。
スルホン酸基を含む側鎖は、プロトン伝導度の上がりやすさの点から、エーテル結合を含む側鎖であることが好ましく、下記(7)式で表されることがより好ましい。
式(7)における「2価の芳香族基」としては、例えば、2価のベンゼン、2価のナフタレン、2価のアントラセンなどが挙げられる。ここでの芳香族基は、水素原子以外の原子、あるいは化合物で置換されていても良く、ヘテロ原子、あるいは、アルキル化合物、フルオロアルキル化合物、あるいは芳香族化合物が例示される。置換された原子および化合物が複数ある場合は、すべて同じでも良いし、一部異なっていても良いし、各々異なっていても良い。
主鎖への導入しやすさから、上記(7)式中のYが水素原子、lが1〜5の整数、Aは直接接合であることがより好ましい。
Ar2に導入されているスルホン酸基の数は、特に限定されるわけではないが、プロトン伝導度の上がりやすさの点から1.5個以上であることが好ましい。
上記(3)式中のAr2は、プロトン伝導度の上がりやすさの点から下記(8)式で表されることが好ましい。
プロトン伝導度の上がりやすさの点から、Ar2は下記(13)式で表されることがより好ましく、
プロトン伝導度の上がりやすさの観点から、下記(14)式で表されることがさらに好ましく、
合成のしやすさから、下記(15)式で表されることが特に好ましい。
プロトン伝導度の上がりやすさの点から、Ar2を与えうるモノマーとしては、下記(17)式で表されることがより好ましく、
プロトン伝導度の上がりやすさの観点から、下記(18)式で表されることがさらに好ましく、
合成のしやすさから、下記(19)式で表されることが特に好ましい。
プロトン伝導の補助効果が大きいことから、Ar3は、トリアゾールを含む下記(9)式で表されることが好ましい。
上記(9)式の中でも、合成のしやすさの点から、bおよびcは各々1〜5の整数がより好ましい。
上記(9)式の中でも、R5〜R10が各々水素原子で表される構造がより好ましく、プロトン伝導の補助効果がさらに大きいことから、下記(20)式で表されることが特に好ましい。
上記(21)式の中でも、R5〜R10が各々水素原子で表される構造がより好ましく、プロトン伝導の補助効果がさらに大きいことから、下記(22)式で表されることが特に好ましい。
前記反応に用いる反応溶媒は、反応のしやすさから、クレゾール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2ピロリドン(NMP)等の高沸点かつ極性の溶媒として用いられるが、熱での分解がしにくいことからクレゾールを用いるのが好ましい。
スルホン酸基を含む側鎖を導入する方法は、ウィリアムソン反応、フリーデル・クラフツ反応、あるいはグリニャール反応でおこなうのが好ましく、導入のしやすさからウィリアムソン反応でおこなうのが特に好ましい。
スルホン酸基が導入された側鎖の導入位置の同定は、特に限定されないが、1H―NMRスペクトル、FT−IRスペクトルなどから同定することができる。
3≦m+n≦100 (1)
0.1≦m/n≦10 (2)
前記構成単位とは、ランダム共重合体を構成する単位を表し、具体的には上記(3)式および(4)式で表される単位が例示される。
3≦m+n≦80
であることが好ましく、
3≦m+n≦60
であることがより好ましい。
0.5≦m/n≦10
であること好ましく、特にプロトン伝導性が高いこと、および水に対する膨潤性が低いことから、
1≦m/n≦8
であることがより好ましい。
本発明の高分子電解質は、燃料電池用触媒層形成材料に使用される。ここで、燃料電池用触媒層形成材料とは、後述の燃料電池用触媒層を形成させるための材料を指す。
本発明にかかる燃料電池用触媒層形成材料は、少なくとも燃料電池用触媒と本発明の高分子電解質とを含む。
燃料電池用触媒としては特に限定がなく、燃料電池の電極反応に対して活性な触媒が使用できるもの、例えば触媒担体に触媒金属が担持されたもの、あるいは触媒活性を有する炭素材料が好ましい。ここで触媒担体とは、燃料電池の電極反応に対して活性な触媒を担持する部材をいう。
燃料電池用触媒は、特に限定されないが100nm以下の細孔を有することが好ましい。この細孔の存在によって、触媒の表面積が増大するため燃料電池における活性点の増加が期待できる。
本発明の燃料電池用触媒層は、本発明の高分子電解質と、前記燃料電池用触媒とを含む燃料電池用触媒層形成材料を基材上に塗布することによって製造される。
燃料電池用触媒層形成材料の基材への塗布方法は、粘度や基材の種類に応じて、次に示すような塗布方法が利用できる。燃料電池用触媒層形成材料の基材上への塗布方法としては、当業者にとって従来公知の塗布方法であればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷などを利用する方法が列挙できる。
本発明の燃料電池用膜/電極接合体は、燃料電池用触媒層および燃料電池用電極を、燃料電池用電解質膜の少なくとも一方の面に配置し、加熱圧接するものであればよく、その他の製造条件、成分、材料、配合割合等の具体的な構成については、特に限定されるものではない。
なお、本発明の燃料電池は、単独あるいは複数積層して、スタックを形成させて使用することや、それらを組み込んだ燃料電池システムとして使用することもできる。
3,3’−ビス(スルホプロピル)−4,4’−ジアミノビフェニルは下記のとおりに合成した。
最初に、ジヒドロキシベンジジン(12g、東京化成社製)に酢酸(400mL、関東化学社製)と純水(100mL)を加え溶解させ、無水酢酸(400mL、関東化学社製)を加え、50℃で24時間反応させた。つぎに、生成した沈殿物をろ過により回収し、アセトン(関東化学社製)中で洗浄し、24時間真空乾燥させることによって、アセチルジヒドロキシベンジジンを12.9g得た。続いて、水酸化ナトリウム(3.6g、関東化学社製)を脱水メタノール(80mL、関東化学社製)に溶解させ、アセチルジヒドロキシベンジジン(12g)を加え70℃で溶解させた後、1,3−プロパンスルトン(10.4g、関東化学社製)を加え、窒素雰囲気下1時間加熱還流した。生成した沈殿物をろ過により回収し、純水(140mL)に溶解させた後、イオン交換樹脂(200g、Amberlite IR120、ACROS社製)によりイオン交換を行った。この溶液をロータリーエバポレーターにより6mL程度まで濃縮した後、塩酸(200mL、関東化学社製)を加え、2時間加熱還流した後冷却した。その後、析出した白色沈殿物をろ過により回収し、脱水メタノールで洗浄した。洗浄後、常温で12時間真空乾燥することによって、白色粉末の3,3’−ビス(スルホプロピル)−4,4’−ジアミノビフェニルを11.1g得た。
3,5−ビス(4−アミノフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾールは下記のとおりに合成した。
最初に、4−アミノベンゾヒドラジド(6.0g、東京化成社製)、4−アミノベンゾニトリル(14.2g、東京化成社製)、炭酸カリウム(2.8g、関東化学社製)を1−ブタノール(80mL、関東化学社製)に溶解させ、窒素雰囲気下150℃で50時間加熱還流した。つぎに、生成した沈殿物をろ過により回収し、純水(100mL)で洗浄した。エタノール/純水(1:1)混合溶媒中から再結晶精製を行い、得られた結晶をろ過により回収し、60℃で12時間真空乾燥することによって、淡黄色の針状結晶の3,5−ビス(4−アミノフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾールを2.4g得た。
実施例1の高分子電解質は上記モノマーを用いて下記の通りに合成した。
窒素導入口、還流管を付した100mLの三つ口フラスコに3,3’−ビス(スルホプロピル)−4,4’−ジアミノビフェニル(2.95g)と、3,5−ビス(4−アミノフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.40g)と、トリエチルアミン(12mL、アルドリッチ社製)と、脱水m−クレゾール(120mL、関東化学社製)を加えた。この混合物を窒素気流下50℃で攪拌して、透明均一溶液を得た。この溶液に1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物(2.57g、Lancaster社製)と、安息香酸(1.95g、関東化学社製)を加え、175℃で15時間加熱した後、195℃で3時間加熱した。反応終了後、常温まで冷却し、1000mLのアセトン中に反応溶液をゆっくりと滴下した。得られた沈殿物を吸引ろ過によって回収し、再度アセトン中室温で1時間ずつ3回洗浄した後、80℃で12時間真空乾燥すると濃赤色粉末状のポリイミドが得られた。さらに、硝酸とエタノールの混合溶媒中50℃で1時間ずつ3回洗浄した後、80℃で12時間真空乾燥し実施例1の高分子電解質を得た。
実施例2の高分子電解質は下記のとおりに合成した。
窒素導入口、還流管を付した100mLの三つ口フラスコに3,3’−ビス(スルホプロピル)−4,4’−ジアミノビフェニル(2.95g)と、3,5−ビス(4−アミノフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.40g)と、トリエチルアミン(12mL、アルドリッチ社製)と、脱水m−クレゾール(120mL、関東化学社製)を加えた。この混合物を窒素気流下50℃で攪拌して、透明均一溶液を得た。この溶液に1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物(2.19g、Lancaster社製)と、安息香酸(1.95g、関東化学社製)を加え、175℃で15時間加熱した後、195℃で3時間加熱した。反応終了後、常温まで冷却し、1000mLのアセトン中に反応溶液をゆっくりと滴下した。得られた沈殿物を吸引ろ過によって回収し、再度アセトン中室温で1時間ずつ3回洗浄した後、80℃で12時間真空乾燥すると濃赤色繊維状のポリイミドが得られた。さらに、硝酸とエタノールの混合溶媒中50℃で1時間ずつ3回洗浄した後、80℃で12時間真空乾燥し合成例2の高分子電解質を得た。
比較例1の高分子電解質は下記のとおりに合成した。
窒素導入口、還流管を付した100mLの三つ口フラスコに3,3’−ビス(スルホプロピル)−4,4’−ジアミノビフェニル(2.95g)と、3,5−ビス(4−アミノフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.40g)と、トリエチルアミン(12mL、アルドリッチ社製)と、脱水m−クレゾール(120mL、関東化学社製)を加えた。この混合物を窒素気流下50℃で攪拌して、透明均一溶液を得た。この溶液に1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物(2.15g、Lancaster社製)と、安息香酸(1.95g、関東化学社製)を加え、175℃で15時間加熱した後、195℃で3時間加熱した。反応終了後、常温まで冷却し、1000mLのアセトン中に反応溶液をゆっくりと滴下した。得られた沈殿物を吸引ろ過によって回収し、再度アセトン中室温で1時間ずつ3回洗浄した後、80℃で12時間真空乾燥すると濃赤色繊維状のポリイミドが得られた。さらに、硝酸とエタノールの混合溶媒中50℃で1時間ずつ3回洗浄した後、80℃で12時間真空乾燥し合成例2の高分子電解質を得た。
実施例1の高分子電解質を用いて下記手順で触媒層形成材料を作製した後に、燃料電池用触媒層を作製した。
最初に、実施例1の高分子電解質(0.4g)を溶媒(DMSO、7.5g)に溶解させ、5wt%の高分子電解質溶液を調製した。
次に、白金担時カーボン触媒粉末(触媒に占める触媒金属の割合:67.0wt%、1.5g)に、調製した高分子電解質溶液(5wt%、6.8g)を加え、遊星形ボールミル(MONO MILL PULVERISETTE 6、フリッチュ社製)を用いて30分撹拌し、触媒層形成材料を作製した。なお、触媒層形成材料における、触媒担体に対する高分子電解質の比率(高分子電解質の固形分重量/触媒担体の重量))は0.7とした。
最後に、作製した触媒層形成材料を、スクリーン印刷機(LS−150TV、ニューロング精密工業社製)を用いて、アルミ箔(厚み:20μm)の上に塗工し、真空乾燥機(80℃、15時間)で乾燥することによって、アルミ箔上に白金担持量0.5mgPt/cm2の触媒層を形成した。
実施例2の高分子電解質を用いて下記手順で触媒層形成材料を作製した後に、燃料電池用触媒層を作製した。
最初に、実施例2の高分子電解質(0.4g)を溶媒(DMSO、13g)に溶解させ、3wt%の高分子電解質溶液を調製した。
次に、白金担時カーボン触媒粉末(触媒に占める触媒金属の割合:67.0wt%、1.5g)に、調製した高分子電解質溶液(3wt%、11.5g)を加え、遊星形ボールミル(MONO MILL PULVERISETTE 6、フリッチュ社製)を用いて30分撹拌し、触媒層形成材料を作製した。なお、触媒層形成材料における、触媒担体に対する高分子電解質の比率(高分子電解質の固形分重量/触媒担体の重量))は0.7とした。
最後に、作製した触媒層形成材料を、スクリーン印刷機(LS−150TV、ニューロング精密工業社製)を用いて、アルミ箔(厚み:20μm)の上に塗工し、真空乾燥機(80℃、15時間)で乾燥することによって、アルミ箔上に白金担持量0.5mgPt/cm2の触媒層を形成した。
比較例1の高分子電解質を用いて下記手順で触媒層形成材料を作製した後に、燃料電池用触媒層を作製した。
最初に、比較例1の高分子電解質(0.4g)を溶媒(DMSO、13g)に溶解させ、3wt%の高分子電解質溶液を調製した。
次に、白金担時カーボン触媒粉末(触媒に占める触媒金属の割合:67.0wt%、1.5g)に、前述で調製した高分子電解質溶液(3wt%、11.5g)を加え、遊星形ボールミル(MONO MILL PULVERISETTE 6、フリッチュ社製)を用いて30分撹拌し、触媒層形成材料を作製した。なお、触媒層形成材料における、触媒担体に対する高分子電解質の比率(高分子電解質の固形分重量/触媒担体の重量))は0.7とした。
最後に、作製した触媒層形成材料を、スクリーン印刷機(LS−150TV、ニューロング精密工業社製)を用いて、アルミ箔(厚み:20μm)の上に塗工し、真空乾燥機(80℃、15時間)で乾燥することによって、アルミ箔上に白金担持量0.5mgPt/cm2の触媒層が形成された触媒層付アルミ箔を作製した。
実施例3〜4および比較例2で作製された触媒層付アルミ箔の触媒層の細孔径分布は、下記手順でおこなった。
最初に、触媒層付アルミ箔をトムソン型で、直径2.2cmの円形(3.8cm2)に裁断した。つぎに、裁断された触媒層付アルミ箔、高分子電解質膜(NRE212CS、デュポン社製)、裁断された触媒層付アルミ箔の順に積層し、この積層物を、140℃に加熱した加圧板に設置し、10kgf/cm2、3分間保持の条件で加熱圧接した。その後に、アルミ箔を除去することによって、高分子電解質膜と触媒層との接合体(以下、CCM)を作製した。このCCMを、脱イオン水(0.3L、60℃、0.5時間浸漬)を用いて洗浄後、硝酸(1mol/L、0.3L、60℃、0.5時間浸漬)により酸処理を行った。この後さらに脱イオン水で3回洗浄を行い硝酸の除去を行った。最後に、そのCCMを真空乾燥(80℃、15時間)させた後に、細孔径分布測定装置(BELSORP−mini、BJH法)に設置し、細孔径分布を測定した。
また、実施例3〜4の燃料電池用触媒層を燃料電池に用いたところ、前記燃料電池は問題なく発電することを確認した。
Claims (19)
- 燃料電池用触媒層形成材料に使用される高分子電解質であって、
プロトン伝導性基を含む構成単位とプロトン伝導性基を含まない構成単位とで構成され、
前記プロトン伝導性基を含む構成単位はスルホン酸基を含む側鎖を有し、かつ、
前記プロトン伝導性基を含む構成単位の数m、前記プロトン伝導性基を含まない構成単位の数nが下記(1)式および(2)式
3≦m+n≦100 (1)
0.1≦m/n≦10 (2)
を満たすランダム共重合体である、高分子電解質。 - 式(1)が
3≦m+n≦80 (1)
である請求項1記載の高分子電解質。 - 前記Ar2に導入されているスルホン酸基の数が1.5個以上である、請求項3に記載の高分子電解質。
- 前記(7)式で表される側鎖は、主鎖に含まれる芳香族基に導入されている、請求項8に記載の高分子電解質。
- 前記Ar3が、環内にN−H結合を少なくとも1つ有するヘテロ環を含む、請求項5〜11のいずれかに記載の高分子電解質。
- 前記Ar3が、環内にN−H結合を有するトリアゾールを含む、請求項5〜12のいずれかに記載の高分子電解質。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の高分子電解質を含む燃料電池用触媒層形成材料。
- 請求項15に記載の燃料電池用触媒層形成材料を含む燃料電池用触媒層。
- 請求項16に記載の燃料電池用触媒層を含む燃料電池用電極。
- 請求項17に記載の燃料電池用電極を含む燃料電池用膜/電極接合体。
- 請求項18に記載の燃料電池用膜/電極接合体を含む燃料電池。
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