JP5614353B2 - 音響装置、音響システム及び拡声装置 - Google Patents

音響装置、音響システム及び拡声装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5614353B2
JP5614353B2 JP2011072718A JP2011072718A JP5614353B2 JP 5614353 B2 JP5614353 B2 JP 5614353B2 JP 2011072718 A JP2011072718 A JP 2011072718A JP 2011072718 A JP2011072718 A JP 2011072718A JP 5614353 B2 JP5614353 B2 JP 5614353B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
vibrating body
acoustic
unit
collection unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011072718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012209688A (ja
Inventor
室井 國昌
國昌 室井
卓朗 曽根
卓朗 曽根
正芳 山下
正芳 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2011072718A priority Critical patent/JP5614353B2/ja
Publication of JP2012209688A publication Critical patent/JP2012209688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5614353B2 publication Critical patent/JP5614353B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Description

本発明は、発音部と収音部を有する音響装置に関する。
平坦面を有する振動体を振動させて平面波の音を放出するスピーカ(平面スピーカ)として静電型スピーカが知られている。静電型スピーカは、間隔を開けて向かい合う2枚の平行平面電極(固定電極)と、この2枚の電極の間に挿入された導電性を有するシート状の振動体とから構成されており、振動体に所定のバイアス電圧を印加しておき、電極に印加する電圧を変化させると、振動体に作用する静電力が変化し、これにより振動体が変位する。この印加電圧を入力される音響信号に応じて変化させれば、それに応じて振動体は変位を繰り返し(すなわち振動し)、音響信号に応じた音響波が振動体から発生する。そして、発生した音響波は、平面電極に空けられた孔を通り抜けて外部へ放射される(特許文献1及び2参照)。
またスピーカの中心にマイクロフォンを一体化することによって小型化した場合のハウリングの発生を防止できるようにした音響装置が提案されている(特許文献3)。特許文献3に記載の音響装置は、中心に開口部が形成された発音板を振動させて音を外部に向けて発する発音部と、発音板の中心側を支持する支持部及び外周側を支持する支持部と、発音部の中心に設けられ且つ外部の音に基づいて収音板を振動させて音信号として取り込む収音部とを有し、収音部と対向する中心側の支持部には、発音板の下面で発生した音を収音部に導く通路が形成されており、この通路によって導かれた音と発音板の上面で発生し収音部に直接導かれた音とが、収音部と中心側の支持部との間で相殺し合うことを特徴とする。特許文献3に記載の音響装置では、収音部は、発音板の振動方向と垂直な方向に振動させられる収音板を有し、収音板の面に対して垂直に交差し且つ一方向の指向性を有している。
特開2009−296125号公報 特開2010−4254号公報 特開2004−320399号公報
しかしながら、特許文献3に記載の音響装置では、収音部の収音板は発音板の振動方向と垂直な方向に振動させられ、収音部は、収音板の面に対して垂直に交差し且つ一方向の指向性を有しているため、発音板の振動方向に沿った方向に伝播してくる外部からの音を検出するのが困難であるという問題がある。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、収音部と発音部を一体化した音響装置において、発音部の振動体の振動方向に沿った方向に伝播してくる外部からの音を収音部で容易に検出可能とする技術を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、平坦面を有する振動体を振動させて平面波の音を生成する発音部と、前記発音部の振動体の外周の内側に設けられ、外部の音に応じて振動する振動体の振動を表す信号を出力する収音部とを有し、前記収音部の振動体は、前記発音部の振動体の振動方向と同じ振動方向を有し、前記発音部は、当該発音部の前記振動体から当該振動体の面に垂直な方向に離間して配置された導電性を有する板状の固定電極を更に具備し、前記発音部の前記振動体と前記固定電極により静電型スピーカが構成され、前記収音部は、当該収音部の前記振動体から離間して配置された電極を更に有し、前記収音部の前記振動体及び前記電極は静電型マイクロフォンを構成し、前記発音部の前記振動体の一部が当該振動体の他の部分から分離され、前記収音部の前記振動体として機能し、前記発音部の前記固定電極の一部が当該固定電極の他の部分から電気的に分離され、前記収音部の前記電極として機能することを特徴とする音響装置を提供する。
好ましい態様において、前記発音部は、前記収音部からの前記信号を音に変換して出力してもよい。
他の好ましい態様において、前記固定電極は、前記収音部を通す貫通孔を有していてもよい。
また、本発明は、壁面に沿ってアレイ状に配置された複数の、請求項1に記載の音響装置と、前記各音響装置の収音部が収音した、前記壁面の位置における予め定められた周波数の音の音圧が小さくなるように、該収音部に対応する発音部から放出される音を調節する調節部と、を有することを特徴とする音響システムを提供する。
また、本発明は、壁面に沿ってアレイ状に配置された複数の、請求項1に記載の音響装置と、振動体の振動が最も大きい収音部が出力する前記信号を、該収音部を有しない音響装置の前記発音部から出力させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記発音部により出力される音量を、前記信号を出力する収音部から該発音部が離れるほど大きくなるように制御することを特徴とする拡声装置を提供する。
本発明によれば、収音部と発音部を一体化した音響装置において、発音部の振動体の振動方向に沿った方向に伝播してくる外部からの音を収音部で容易に検出できる。
本発明の一実施形態に係る音響装置1の外観図である。 本発明の一実施形態に係る音響装置1の断面と電気的構成の模式図である。 本発明の変形例1に係る音響装置1の断面と電気的構成の模式図である。 アレイ状に配置された複数の音響装置1を示す模式図。
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る音響装置1の外観を模式的に示した斜視図、図2は音響装置1の断面と電気的構成を模式的に示した図である。図に示したように、この音響装置1は、発音部としての静電型スピーカ100と、静電型スピーカ100内に設けられた収音部としてのマイクロフォン200とを有する。図1及び2において、X、Y、Zは3軸の直交座標系の座標軸を意味している。互いに直交するX軸、Y軸はいずれも静電型スピーカ100の放音面と平行であり、Z軸が静電型スピーカ100の放音面に対して垂直である。
(静電型スピーカ100)
静電型スピーカ100は、振動体10、固定電極20U,20L、スペーサ30U,30L、及びクッション材40U,40Lを有している。なお、本実施形態においては、固定電極20U,20Lの構成は同じであるため、両者を区別する必要が特に無い場合は「L」および「U」の記載を省略する。また、スペーサ30Uとスペーサ30Lの構成は同じであり、クッション材40Uとクッション材40Lの構成も同じであるため、これらの部材についても両者を区別する必要が特に無い場合は「L」および「U」の記載を省略する。また、図中の振動体、固定電極等の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてあり、図中で「○」の中に「×」が記載されたものは図面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
静電型スピーカ100においては、振動体10の周縁部がスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に張力が掛からない、所謂テンションレスの状態で挟まれている。また、静電型スピーカ100においては、固定電極20Uはスペーサ30Uに固定され、固定電極20Lはスペーサ30Lに固定されている。枠形のスペーサ30Lの内側には振動体10と固定電極20Lとに挟まれてクッション材40Lが配置されている。また、枠形のスペーサ30Uの内側には振動体10と固定電極20Uとに挟まれてクッション材40Uが配置されている。このような構造により、固定電極20U、20Lの各々は振動体10から振動体10の面に垂直な方向(Z方向)に離間して配置されている。
固定電極20U,20Lは、振動体10を挟んで対向するようにスペーサ30U,30Lに固定され、振動体10は、固定電極20Uと固定電極20Lとの間の空間内において、固定電極20に垂直な方向に振動可能に支持される。
次に、静電型スピーカ100を構成する各部について説明する。振動体10は、例えば、PET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PP(polypropylene、ポリプロピレン)などのフィルムに、金属膜を蒸着あるいは導電性塗料を塗布したシート状の部材であり、その厚さは、数μm〜数十μm程度の厚さとなっている。また、図2に示すように、振動体10の中心部には貫通孔11が形成されている。
スペーサ30は、絶縁体で形成されており、その形状は矩形の枠の形状となっている。なお、本実施形態においては、スペーサ30のX方向およびY方向の長さと、固定電極20のX方向およびY方向の長さは同じとなっている。また、スペーサ30Uとスペーサ30LのZ方向の高さは、いずれも同じとなっている。
固定電極20は、矩形で板状に形成されており導電性を有している。また、固定電極20においては、音響透過性を確保するために、固定電極20の表面から裏面に貫通する微細な貫通孔21がX方向とY方向とに所定の間隔で複数設けられている。なお、本実施形態においては、固定電極20のX方向およびY方向の長さと、振動体10のX方向およびY方向の長さは同じとなっている。
クッション材40は、本実施形態では、一方の面を起毛された絶縁性を有するシート状の不織布(繊維が集合した繊維集合体)であり、その形状は矩形となっている。クッション材40においては、不織布を構成する繊維の間を空気が通過できるため、音響透過性が確保されている。また、クッション材40は、Z方向に圧縮されると起毛された繊維が変形して厚さが薄くなり、Z方向への圧縮力が取り除かれると変形した繊維が元の形状に戻る。つまり、クッション材40は弾性を有しており、外からの力に応じて変形する。
クッション材40の中心部には、振動体10の貫通孔11と整合した位置に貫通孔41(41U、41L)が設けられ、これら貫通孔11及び貫通孔41によって形成された空間内にマイクロフォン200が設置されている。尚、マイクロフォン200は固定電極20Uの下に設けられているが、その配置位置がわかるように、図1において点線で示されている。
(マイクロフォン200)
図2に模式的に示すように、マイクロフォン200は、ケース201と、その内部に収容された振動体202と、振動体202に取着されたコイル203と、ケース201に固定された磁石204とを有する。外部からの音によって振動体202が振動すると、振動体202と共にコイル203が振動し、コイル203が磁石204が生成する磁場の中を移動することによってコイル203の両端に電圧が発生する。マイクロフォン200は、その電圧を外部からの音を表す信号(収音信号)として出力する。即ち、この例では、マイクロフォン200は、ムービング・コイル型のマイクロフォンである。尚、マイクロフォン200は、ムービング・コイル型に限らず、リボン型、静電型(コンデンサ型)など、様々なタイプのものであってよい。
ケース201は、固定電極20U、20Lに例えば両面テープや接着剤により固定されており、固定電極20Uと固定電極20Lを物理的に接続し、機械的強度を高めている。ケース201は、音響透過性を確保するために、上面及び下面の少なくとも一方に微細な貫通孔(図示せず)を有する。
マイクロフォン200の振動体202は、本実施形態では、静電型スピーカ100の振動体10の面と平行な面を有するシート状の部材であり、振動体10の振動方向(即ち、Z軸に沿った方向)と同じ振動方向を有するように、ケース201によって支持されている。また、マイクロフォン200の振動体202は、静電型スピーカ100の振動体10と同一面内(即ち、Z軸方向に同じ位置)に設けられている。
音響装置1を壁などに設置して使用することが想定されている場合、マイクロフォン200は、壁面から離れる向きに単一指向性を有するものとしてもよい。例えば、音響装置1が、固定電極20Lが壁側に位置するようにして壁に設置されるものである場合、マイクロフォン200は振動体202の面に垂直で固定電極20Lから離れる方向(図2の上方向)に単一指向性を有するとよい。これにより、壁などから反射した音声がマイクロフォン200に入力するのが抑制される。
(音響装置1の電気的構成)
次に、音響装置1の電気的構成について説明する。図2に示したように、音響装置1は、変圧器50と、外部から音響信号が入力される制御部60と、静電型スピーカ100の振動体10に対して直流バイアスを与えるバイアス電源70とを備えている。バイアス電源70は、振動体10と、変圧器50の出力側の中点との間に接続されており、固定電極20U,20Lはそれぞれ変圧器50の出力側の一端および他端に接続されている。この構成においては、制御部60に音響信号が入力されると、制御部60は入力された音響信号に応じた電圧を生成し、生成された電圧は変圧器50を介して固定電極20U、20Lに印加される。
また、マイクロフォン200が生成した収音信号は制御部60に入力される。制御部60は、マイクロフォン200からの収音信号に基づいて、変圧器50に入力する電圧を制御または調節する。
制御部60は、図示を省略するCPU、メモリー、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、アンプ等を有し、外部からの音響信号やマイクロフォン200からの収音信号のA/D変換、A/D変換して得られたデジタル音信号の解析/処理、処理したデジタル信号のD/A変換等を行う。
(音響装置1の動作)
次に、音響装置1の動作について説明する。制御部60に入力された音響信号に基づいて生成された電圧が変圧器50を介して対向する固定電極20U、20Lに供給され、これら固定電極の間に電位差が生じると、静電型スピーカ100の振動体10を図中のZ軸正方向またはZ軸負方向へ引き寄せる静電力が振動体10に働く。詳述すると、振動体10には、振動体10と固定電極20Uとの間の電位差に応じて振動体10を固定電極20U側に引き寄せるZ軸正方向の静電力と、振動体10と固定電極20Lとの間の電位差に応じて振動体10を固定電極20L側に引き寄せるZ軸負方向の静電力とが作用し、これらZ軸正方向の静電力とZ軸負方向の静電力の大きさの差によって、振動体10はZ軸正方向またはZ軸負方向のいずれかに引き寄せられる。
例えば、制御部60に音響信号が入力され、固定電極20Uにプラスの電圧(例えば、+100V)が印加され、固定電極20Lにマイナスの電圧(例えば、−100V)が印加されると、振動体10にはバイアス電源70によりプラスの電圧(例えば、+350V)が印加されているため、振動体10と固定電極20Uとの間の電位差(例えば、250V)により生じるZ軸正方向の静電力よりも、振動体10と固定電極20Lとの間の電位差(例えば、450V)により生じるZ軸負方向の静電力の方が大きくなり、トータルでは、振動体10にはZ軸負方向の静電力が作用し、振動体10は固定電極20L側へ変位する。
次に制御部60に音響信号が入力され、固定電極20Uにマイナスの電圧(例えば、−100V)が印加され、固定電極20Lにプラスの電圧(例えば、+100V)が印加されると、振動体10と固定電極20Uとの間の電位差(例えば、450V)により生じるZ軸正方向の静電力の方が、振動体10と固定電極20Lとの間の電位差(例えば、250V)により生じるZ軸負方向の静電力より大きくなるため、トータルでは、振動体10にはZ軸正方向の静電力が作用し、振動体10は固定電極20U側へ変位する。
このように、振動体10が音響信号に応じて変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。発生した音は、少なくとも固定電極20U側または固定電極20L側の一方を通り抜けて静電型スピーカ100の外部に放射される。
また、マイクロフォン200は、外部からの音(例えば、静電型スピーカ100から放射され、壁などによって反射された音)を電気信号(収音信号)に変換して制御部60へと出力する。制御部60は、入力されたマイクロフォン200からの信号に基づいて、音響信号に基づいて生成される電圧を制御/調節する。或いは、マイクロフォン200からの信号を音響信号として処理し、変圧器50に印加される電圧を生成する。
例えば、音響装置1は、以下のように用いることができる。
1)音響装置1が比較的狭い部屋や車室などの小空間に設置される場合、音響装置1を小空間に発生する固有の定在波の低減に用いることができる。この場合、制御部60は、静電型スピーカ100から放出される音によって小空間内に生じる定在波の音圧をマイクロフォン200からの収音信号に基づいて検出し、検出した定在波の音圧が低減されるように(即ち、検出した定在波と逆位相の音が静電型スピーカ100から放出されるように)、生成する電圧を制御する。尚、制御対象となる定在波の周波数は、小空間の特性に応じて選択される。
2)音響装置1を、いわゆる電話会議システムに用いてもよい。この場合、制御部60は、離れた場所にいる会議への参加者の音声を表す信号を電話回線やインターネット等を介して受信し、静電型スピーカ100から音声として出力させる。また、制御部60は、音響装置1が置かれた部屋にいる会議への参加者からの発言をマイクロフォン200で収音し、マイクロフォン200からの収音信号を離れた場所に設置された別の音響装置1に電話回線やインターネットを介して送信する。制御部60は、音響装置1が置かれた部屋にいる会議への参加者から発言があったことをマイクロフォン200からの収音信号により検出したときには、静電型スピーカ100の音声出力レベルを下げるように変圧器50への印加電圧を制御してもよい。
3)音響装置1を拡声器として用いてもよい。例えば、音響装置1を壁面に設置し、その壁の近傍にいる人から発せられた音声をマイクロフォン200で収音して生成された信号を制御部60で増幅し、静電型スピーカ100から出力してもよい。
4)音響装置1を残響音を生成するのに用いてもよい。例えば、音響装置1を壁面に設置し、マイクロフォン200を通じて入力された音声を制御部60で遅延して静電型スピーカ100から出力するようにすることで、部屋の中にいるユーザが感じる残響時間を調節して、所定の音場効果を得ることができる。
5)音響装置1をマスキングサウンド生成装置として用いてもよい。例えば、音響装置1が置かれた空間における会話音声をマイクロフォン200で収音し、制御部60は、会話音声が無意味化されるようにマイクロフォン200からの収音信号に所定の処理(スクランブル処理)を施してマスキングサウンド信号を生成し、生成したマスキングサウンド信号に基づいた電圧を静電型スピーカ100に印加することで、静電型スピーカ100からマスキングサウンドを放出させる。これにより、会話の内容が第三者に聞き取られにくくすることができる。
本実施形態の音響装置1では、マイクロフォン200の振動体202が静電型スピーカ100の振動体10と同一面内に、振動体10の振動方向と同じ振動方向を有するように設けられているため、振動体10の振動方向に沿った方向に伝播してくる外部からの音を振動体10の近傍において容易に検出することができる。
また、本実施形態の音響装置1においては、静電型スピーカ100から放出される音は平面波であり、コーン型スピーカから放出される球面波のように拡散しない。更に、マイクロフォン200の振動体202は静電型スピーカ100の振動体10の外周の内側において振動体10と同一面内に設けられている。このような構成により、静電型スピーカ100から放出された音が、回り込みによってマイクロフォン200の振動体202に到達し難く、マイクロフォン200は静電型スピーカ10から放出された音の影響を受けづらくなっている。そのため、音響装置1を拡声器として用いた場合に(即ち、マイクロフォン200からの収音信号を制御部60で増幅して静電型スピーカ100から音として出力する場合に)ハウリングが発生しにくい。
また、コーン型スピーカと異なり、静電型スピーカ100から放出される平面波は小さいエネルギーでも遠くまで届くことから(即ち、減衰しにくい)、制御部60におけるゲインを小さく設定できるので、ゲインを高く設定しなければならない場合と比べてハウリングの発生が抑制される。更に、静電型スピーカ100は、部屋の中などに設置した場合に、コーン型スピーカと比べて、壁などから反射される音の方向のばらつきが小さいため、静電型スピーカ100からの放出音や壁などからの反射音の干渉によって生じる音圧の高い領域(即ち、マイクロフォンを置いた場合にハウリングを生じやすい領域)の位置を制御しやすく、ハウリングの防止が容易である。
また、本実施形態の音響装置1では、静電型スピーカ100は静電型であるため、ムービング・コイル型のように、振動体の中心側を支持する支持体を設ける必要がなく、構造が単純である。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
(変形例1)
上述した実施形態においては、振動体10の貫通孔11及びクッション材40の貫通孔41によって形成された空間内に、静電型スピーカ100とは別に形成したマイクロフォン200を配置した。しかしながら、静電型スピーカ100の一部をマイクロフォンとして用いてもよい。
図3は、変形例1に係る音響装置1の断面と電気的構成を模式的に示した図である。図3において、図2と共通する部分には同じ符号を付して詳しい説明を省略する。図3に示した音響装置1は、固定電極20Uの上面に設けられた絶縁板80Uと、固定電極20Lの下面に設けられた絶縁板80Lを有する。これら絶縁板80U及び80Lには、固定電極20U及び20Lに設けられた貫通孔21と整合した位置に音響透過性を確保するための貫通孔(図示せず)が設けられている。
また、図3に示した音響装置1では、固定電極20Uの一部が、環状の隙間22Uによって固定電極20Uの他の部分から電気的に切り離され、第1電極23Uとなっている。同様に、固定電極20Lの一部が、環状の隙間22Lによって固定電極20Lの他の部分から電気的に切り離されて、第2電極23Lとなっている。これら第1電極23Uと第2電極23Lは、XY方向に整合した位置に設けられる。第1電極23Uは、絶縁板80Uに例えば接着剤により固定される。第2電極23Lは、絶縁板80Lに固定される。
更に、第1電極23U及び第2電極23LとXY方向に整合した位置において、振動体10の一部が、環状の隙間12によって振動体10の他の部分から分離され、振動体13となっている。振動体13は、クッション材40U、40Lによって振動体10と同一面内に支持され、振動体10の振動方向と同じ振動方向(Z軸方向)を有する。
変形例1に係る音響装置1では、第1電極23U、第2電極23L、及び振動体13によって静電型マイクロフォンが構成される。図示を省略するが、振動体13には、振動体10と同様にバイアス電圧が印加され、第1電極23Uと第2電極23Lは制御部60に電気的に接続されている。振動体13が外部からの音に応じて振動すると、第1電極23U、第2電極23Lの電位が変化し、この電位変化を制御部60が検出することで、外部の音に応じた電気信号が得られる。
(変形例2)
実施形態に示した音響装置1は単独での使用に限定されず、複数の音響装置1を用いてもよい。図4は、複数の音響装置1を用いた場合の一例として、複数の音響装置1を3×3のアレイ状に配置した例を示す模式図である。例えば、アレイ状に配置した音響装置1を部屋の壁に設置し、壁面の様々な位置における予め定められた周波数の音圧をマイクロフォン200で検知し、各マイクロフォン200が検知する音圧が小さくなるように、各マイクロフォン200に対応する音響装置1の静電型スピーカ100から放出される音を調節してもよい。これにより、壁面上の音圧分布に対応して個々の音響装置1の静電型スピーカ100から放出される音を制御し、部屋に生じる定在波を効果的に低減することができる。
尚、複数の音響装置1を用いる場合、各音響装置1毎に制御部60を設けてもよく、或いは、一つの制御部60で複数の音響装置1の全部または一部を制御してもよい。
図4に示した複数の音響装置1を全体としてマイクロフォン一体型の拡声装置として用いてもよい。即ち、話者の音声を、複数の音響装置1の中の一つのマイクロフォン200で収音信号に変換し、その収音信号を制御部60で増幅して複数の音響装置1に供給し、当該信号に基づいた音声を各音響装置1のスピーカ100から拡声音声として出力してもよい。話者の音声を収音する(即ち、マイクロフォンとして機能する)音響装置1は、例えば、話者に最も近い音響装置1とするとよい。話者に最も近い音響装置1は、例えば、複数の音響装置1のうち、対応するマイクロフォン200に入力される音声が最も大きいものとして制御部60により特定することができる。
このように複数の音響装置1を全体としてマイクロフォン一体型の拡声装置として用いる場合、マイクロフォンとして機能する音響装置1の近くに位置する音響装置1から出力される拡声音声の音量は小さく、マイクロフォンとして機能する音響装置1から離れるにつれ、各音響装置1から出力される拡声音声の音量が徐々に大きくなるように、各音響装置1に供給される信号を制御部60で制御してもよい。これにより、話者から直接発せられた音声と複数の音響装置1から発せられた拡声音声の音量の和を、音響装置1の配列方向において、概ね均一にすることができる。また、マイクロフォンとして機能する音響装置1に、他の音響装置1から出力された音声が回り込みによって入り込むのを低減することができる。
(変形例3)
上記実施形態では、音響装置1に一つのマイクロフォン200を設けたが、複数設けてもよい。例えば、音響装置1の振動体10及び固定電極20U、20Lを複数の領域に分割して各領域ごとに独立して振動体10の振動状態を制御できる(即ち、各領域が独立したスピーカユニットとして機能する)ようにした場合、各領域ごとにマイクロフォン200を設けてもよい。
(変形例4)
上記実施形態では、マイクロフォン200を静電型スピーカ100の中心部に設けたが、本発明はこれに限定されない。マイクロフォン200は、静電型スピーカ100の振動体10の外周の内側であればどこに設けてもよい。
(変形例5)
上記実施形態では、発音部が、対向する一対の固定電極20U、20Lを用いたプッシュ・プル型の静電型スピーカからなる例を示したが、本発明はこれに限らず、固定電極を一つのみ用いてプッシュ型の静電型スピーカとすることも可能である。また、本発明の発音部は必ずしも静電型スピーカに限定されず、他のタイプの平面スピーカとしてもよい。
(変形例6)
上記実施形態では、マイクロフォン200の振動体202が静電型スピーカ100の振動体10と同一面内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部60におけるゲインを調整することでハウリングの発生が抑えられる場合、マイクロフォン200の振動体202と、静電型スピーカ100の振動体10とが同一面内にない(即ち、Z軸方向にずれた)構成としてもよい。
(変形例7)
上記実施形態では、固定電極20U、20Lに、マイクロフォン200を通すことが可能な大きさの貫通孔は形成されていないが、固定電極20U、20Lの一方にそのような貫通孔を形成してもよい。それにより、固定電極20U、20L、スペーサ30U、30L、クッション材40U、40L、及び振動体10を一体に組み上げて静電型スピーカ100を形成した後で、固定電極20U、20Lの一方に設けた貫通孔を通してマイクロフォン200を、クッション材40U、40Lの貫通孔41U、41L及び振動体10の貫通孔11によって形成された空間内に挿入することができる。
1・・・音響装置、10・・・振動体、11・・・貫通孔、12・・・隙間、13・・・振動体、20U、20L・・・固定電極、21・・・貫通孔、22U、22L・・・隙間、23U・・・第1電極、23L・・・第2電極、30U、30L・・・スペーサ、40U、40L・・・クッション材、41・・・貫通孔、50・・・変圧器、60・・・制御部、70・・・バイアス電源、80U、80L・・・絶縁板、100・・・静電型スピーカ、200・・・マイクロフォン、201・・・ケース、202・・・振動体、203・・・コイル、204・・・磁石

Claims (5)

  1. 平坦面を有する振動体を振動させて平面波の音を生成する発音部と、
    前記発音部の振動体の外周の内側に設けられ、外部の音に応じて振動する振動体の振動を表す信号を出力する収音部とを有し、
    前記収音部の振動体は、前記発音部の振動体の振動方向と同じ振動方向を有し、
    前記発音部は、当該発音部の前記振動体から当該振動体の面に垂直な方向に離間して配置された導電性を有する板状の固定電極を更に具備し、
    前記発音部の前記振動体と前記固定電極により静電型スピーカが構成され、
    前記収音部は、当該収音部の前記振動体から離間して配置された電極を更に有し、
    前記収音部の前記振動体及び前記電極は静電型マイクロフォンを構成し、
    前記発音部の前記振動体の一部が当該振動体の他の部分から分離され、前記収音部の前記振動体として機能し、
    前記発音部の前記固定電極の一部が当該固定電極の他の部分から電気的に分離され、前記収音部の前記電極として機能する
    ことを特徴とする音響装置。
  2. 前記発音部は、前記収音部からの前記信号を音に変換して出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記固定電極は、前記収音部を通す貫通孔を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の音響装置。
  4. 壁面に沿ってアレイ状に配置された複数の、請求項1に記載の音響装置と、
    前記各音響装置の収音部が収音した、前記壁面の位置における予め定められた周波数の音の音圧が小さくなるように、該収音部に対応する発音部から放出される音を調節する調節部と、を有する
    ことを特徴とする音響システム。
  5. 壁面に沿ってアレイ状に配置された複数の、請求項1に記載の音響装置と、
    振動体の振動が最も大きい収音部が出力する前記信号を、該収音部を有しない音響装置の前記発音部から出力させる制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記発音部により出力される音量を、前記信号を出力する収音部から該発音部が離れるほど大きくなるように制御する
    ことを特徴とする拡声装置。
JP2011072718A 2011-03-29 2011-03-29 音響装置、音響システム及び拡声装置 Expired - Fee Related JP5614353B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011072718A JP5614353B2 (ja) 2011-03-29 2011-03-29 音響装置、音響システム及び拡声装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011072718A JP5614353B2 (ja) 2011-03-29 2011-03-29 音響装置、音響システム及び拡声装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012209688A JP2012209688A (ja) 2012-10-25
JP5614353B2 true JP5614353B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=47189105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011072718A Expired - Fee Related JP5614353B2 (ja) 2011-03-29 2011-03-29 音響装置、音響システム及び拡声装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5614353B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003259478A (ja) * 2002-03-01 2003-09-12 Alps Electric Co Ltd 音響装置
JP4501563B2 (ja) * 2004-07-09 2010-07-14 ヤマハ株式会社 音響装置および遠隔会議システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012209688A (ja) 2012-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110603816B (zh) 具有电磁扬声器和微型扬声器的扬声器单元
JP4103877B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ及び超音波スピーカ
JP5859116B2 (ja) 電子機器、パネルユニット
KR101769470B1 (ko) 만능 스피커
JP5952092B2 (ja) 電子機器
JP5949557B2 (ja) 電子機器
JPWO2009141912A1 (ja) イヤホン装置
KR101092958B1 (ko) 이어셋
KR20100138152A (ko) 다기능 마이크로 스피커
JP2013243564A (ja) 電子機器
KR20100065123A (ko) 음성입력장치
CN107615780B (zh) 压电式发声体和电声转换装置
WO2018121701A1 (zh) 一种静电扬声器结构
USRE40860E1 (en) Electrostatic audio loudspeakers
US9025797B2 (en) Ribbon microphone and unidirectional converter therefor
EP2182737B1 (en) Electronic device with electret electro-acoustic transducer
WO2013175780A1 (ja) 電子機器、電子機器の制御方法
JP4830933B2 (ja) 静電型スピーカ
JP5614353B2 (ja) 音響装置、音響システム及び拡声装置
JP6005999B2 (ja) 電子機器
KR20160095601A (ko) 불연 피에조 압전 스피커장치
EP3494709B1 (en) Device and method for generating tactile feedback
KR20060124703A (ko) 사운드-생성 수단을 가진 디스플레이 장치
TW201023660A (en) Improved speaker structure
JP2007208883A (ja) 圧電振動ユニット及びパネルスピーカ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140812

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140825

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5614353

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees