JP5610813B2 - 経口摂取用皮膚賦活剤 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ホスファチジン酸の含有量が20質量%以上であるとともに、コラーゲン類を含有し、ホスファチジン酸とコラーゲン類との質量比が(ホスファチジン酸)/(コラーゲン類)=2/1〜1/1000であることを特徴とする経口摂取用皮膚賦活剤。
本発明の経口摂取用皮膚賦活剤は、皮膚組織の新陳代謝を活発にし、表皮のターンオーバーを亢進することに加え生体コラーゲン産生を促進することによって、肌のハリ、ツヤの低下を防ぎ、小ジワ、くすみ等を改善するものである。また、美容効果以外にも皮膚損傷や褥創の治癒促進効果も認められるものである。
酸性リン脂質を経口摂取することで顕著な皮膚賦活効果を発現する理由は明らかではないが、リン脂質骨格に負に帯電するリン酸基を有するため、腸細胞との親和性が高く、体内への吸収に優れることから、皮膚賦活効果を顕著に発揮するものと推察される。
本発明の経口摂取用皮膚賦活剤は、酸性リン脂質の含有量が20質量%以上である必要があり、さらに好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、いっそう好ましくは70質量%以上である。酸性リン脂質の含有量が20質量%以上であることが必要である理由は明らかではないが、本発明の皮膚賦活剤は経口摂取用であるため、摂取時の胃、腸での分解による減量の影響によるものと推定している。
本発明の経口摂取用皮膚賦活剤の製造方法に用いられる原料は、少なくとも中性リン脂質を含む脂質混合物である。該脂質混合物中の中性リン脂質に酵素を作用させて酸性リン脂質に変換することにより、酸性リン脂質を高濃度に含む経口摂取用皮膚賦活剤を製造することができる。なお、該脂質混合物中には、上述の酸性リン脂質が含有されていてもよい。
該酸性リン脂質や中性リン脂質は上述のように脂肪酸とリン酸にて構成される。該脂肪酸は、例えば、炭素数8〜24の飽和又は不飽和度が1以上で炭素数4〜30の不飽和の脂肪酸であることが好ましい。炭素数が上記の範囲内であると、特にコラーゲン産生促進の効果の観点から好ましい。
該範囲の不飽和脂肪酸としては、ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、エイコセン酸、ドコセン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、オクタコセン酸、トリアコンテン酸、ペンタジエン酸、ヘプタジエン酸、オクタジエン酸、ノナジエン酸、デカジエン酸、ウンデカジエン酸等が挙げられる。
これらの脂肪酸は、単独であるいは2種以上組み合わせて、酸性リン脂質や中性リン脂質を構成しうる。
脂質混合物の天然物としては、レシチンなどが挙げられる。レシチンは、通常、酸性リン脂質、中性リン脂質、中性脂質、及び糖脂質を主な成分として含むものである。具体的には、大豆レシチン、菜種レシチン、卵黄レシチンなどのレシチンが挙げられる。レシチンは、食品、医薬品など様々な分野で利用されているが、工業的な利用では、安価に提供できる大豆由来のものが好適である。
[実施例1]
攪拌装置を備えた500ml容量の4口フラスコに、大豆レシチン(辻製油社製、商品名「SLP−ペースト」)20gをとり、0.1Mトリス・塩酸緩衝液(pH6〜8)250mlを加え攪拌した。これに、さらにヘキサン/酢酸エチル=2/1(体積比)の溶液を340ml加え攪拌し、塩化カルシウム水溶液(1M濃度)150mlを加えた。次いで微生物起源のホスホリパーゼD(名糖産業社製、Actinomadura SP起源)300ユニットを加え、反応混合物の温度を30℃に保ちながら14時間攪拌を続けた。
キヤベツ25gを50mM塩化カルシウム入りの0.1M酢酸緩衝液(pH6)150gに加えて、常温で湿式粉砕し、遠心分離(3000rpm、10分)により、上澄み(抽出液)120gを得た(ホスホリパーゼDのユニット数:10ユニット)。
上記実施例2で得られた脂質混合物15gをビーカーに移し、氷冷下でアセトン85mlを加えた。次いで、スパテルでつぶしながら不溶成分であるリン脂質を分散させ、静置してアセトン液中にリン脂質を沈殿させた。この沈殿物をろ過し、得られたろ過物に対して実施例1と同様にアセトン処理を二回繰り返し、経口摂取用皮膚賦活剤9gを得た。この皮膚賦活物質を1mg/mlとなるように水道水に懸濁し、液剤を得た。
大豆レシチン(辻製油社製、商品名「SLP−ペースト」)20gをビーカーに移し、氷冷下で冷アセトン85mlを加え、スパテルでつぶしながら不溶成分であるリン脂質を分散させ、静置してアセトン液中にリン脂質を沈殿させた。この沈殿物をろ過し、得られたろ過物に対して実施例1と同様にアセトン処理を二回繰り返し、脂質混合物12gを得た。攪拌装置を備えた500ml容量の4口フラスコに、脂質混合物10gをとり、0.1Mトリス・塩酸緩衝液(pH6〜8)250mlを加え攪拌した。これに、さらにヘキサン/酢酸エチル=2/1(体積比)の溶液を340ml加え攪拌し、塩化カルシウム水溶液(1M濃度)150mlを加えた。次いで微生物起源のホスホリパーゼD(名糖産業社製、Actinomadura SP起源)300ユニットを加え、反応混合物の温度を30℃に保ちながら14時間攪拌を続けた。
大豆レシチン(辻製油社製、商品名「SLP−ペースト」)を1mg/mlとなるように水道水に懸濁し、液剤を得た。
表1において、略称は以下のものを示す。
PC:ホスファチジルコリン
PE:ホスファチジルエタノールアミン
PI:ホスファチジルイノシトール
PA:ホスファチジン酸
PS:ホスファチジルセリン
LPA:リゾホスファチジン酸
コラーゲン合成能が低下した擬似老化ラットに対する本発明の経口摂取用皮膚賦活剤の影響を検討した。
Wistar系ラット(オス、4週齢、5匹/群)をタンパク質6%の飼料で3週間飼育し、擬似老化モデルラットとした。実施例1〜4で得られた経口摂取用皮膚賦活剤の溶剤を、擬似老化モデルラットの体重100gに対して1mLを一日一回、5週間連続でそれぞれ経口摂取させた(経口摂取用皮膚賦活剤として、10mg/day/kg−BW相当)。なお、BW相当とは、体重1kg当たりの1日の摂取量を示す。
なお、水道水を擬似老化モデルラットの体重100gに対して1mLを一日一回、5週間連続でそれぞれ経口摂取させた群を基準値とした。
コラーゲン加水分解物を配合した経口摂取用皮膚賦活剤の調製
実施例1で得られた経口摂取用皮膚賦活剤に、コラーゲン加水分解物(ゼライス株式会社製、コラーゲン・トリペプチドHACP―01)を、質量比で1:9になるように配合し、1mg/mlとなるように水道水に懸濁し、液剤を得た。
実施例5で得られた経口摂取用皮膚賦活剤の皮膚賦活作用を擬似老化ラットで評価した。実施例5の経口摂取用皮膚賦活剤の溶剤を擬似老化モデルラットの体重100gに対して1mLを一日一回、5週間連続でそれぞれ経口摂取させた(経口摂取用皮膚賦活剤として、10mg/day/kg−BW相当)。同様に、コラーゲン・トリペプチドHACP―01を0.9mg/mlとなるように水道水に懸濁し、擬似老化モデルラットの体重100gに対して1mLを一日一回、5週間連続でそれぞれ経口摂取させて(9mg/day/kg−BW相当)比較例2とした。また、実施例1で得られた経口摂取用皮膚賦活剤を0.1mg/mlとなるように水道水に懸濁して溶剤とし、擬似老化モデルラットの体重100gに対して1mLを一日一回、5週間連続でそれぞれ経口摂取させたもの(経口摂取用皮膚賦活剤として、1mg/day/kg−BW相当)を実施例6とした。
飲料の調製と評価
実施例7にて調製された飲料の処方と配合量(g)を以下に示す。
1.実施例1で得られた経口摂取用皮膚賦活剤:0.1(g)
2.コラーゲンペプチド(ゼライス株式会社製、コラーゲン・トリペプチドHACP―01社製):5.0(g)
3.クエン酸(関東化学株式会社製):0.7(g)
4.果糖ブドウ糖液糖(三和デンプン工業株式会社製、F−550、果糖56%/ブドウ糖40%):6.0(g)
5.香料:0.01(g)
上記の成分を精製水にて溶解し全量を100mLとする。すなわち、各成分を上記組成にて、攪拌し完全に溶解させてろ過し、85℃で30分殺菌後、100mLの瓶に充填した。ここで、実施例1で得られた経口摂取用皮膚賦活剤を用いずに全量を100mLとしたものを、比較例3とした。
実施例7の飲料と比較例3の飲料を用いて、各々女性30人(30〜45才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。すなわち、経口により1日1回摂取した。使用後の肌のハリ、ツヤ、小ジワ、透明感及びくすみの改善に関するアンケート調査により、美肌効果を判定した。評価結果を表4に示す。
Claims (1)
- ホスファチジン酸の含有量が20質量%以上であるとともに、コラーゲン類を含有し、ホスファチジン酸とコラーゲン類との質量比が(ホスファチジン酸)/(コラーゲン類)=2/1〜1/1000であることを特徴とする経口摂取用皮膚賦活剤。
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