JP5610234B2 - 損失分布計算システム、損失分布計算方法および損失分布計算用プログラム - Google Patents

損失分布計算システム、損失分布計算方法および損失分布計算用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、損失分布計算システム、損失分布計算方法および損失分布計算用プログラムに関し、特に計算される損失分布の精度を保証することができる損失分布計算システム、損失分布計算方法および損失分布計算用プログラムに関する。
損害保険やオペレーショナル・リスク管理の分野では、将来のある特定の期間に被る損失の合計額を確率変数とみなし、その確率分布関数を求めることが必要になる。以下、この「将来のある特定の期間」を保有期間とよび、「保有期間中に被る損失の合計額」を累積損失額とよび、「累積損失額がしたがう確率分布関数」を損失分布とよぶことにする。
このような損失分布を計算する関連技術の損失分布計算システムの例が、非特許文献1に記載されている。非特許文献1に示されているように、これらの損失分布計算システムは、保有期間中の損失事象の回数の確率分布(以下、頻度分布とよぶ)と、各損失事象における損失の大きさの確率分布(以下、規模分布とよぶ)を入力とし、頻度分布に従う乱数Nを発生させては、規模分布に従う乱数をN個発生させ、その合計を累積損失額として計算するという計算機実験を多数回行い、得られた累積損失額の経験分布を損失分布の計算結果とするというモンテカルロシミュレーションを行うものが一般的である。他には、畳み込み演算を効率化することで、損失分布を解析的に求める方法等が公知である。
これに関連して、特許文献1には、オペレーショナル・リスクの計量化装置において、取引金額を読み込む手段と、損失率密度を読み込む手段と、取引金額と損失率密度とに基づいて巨額損失密度を算出する巨額損失密度算出手段と、算出された巨額損失密度からリスク量を算出するリスク量算出手段とを備えたものが記載されている。
また、特許文献2には、取引の金額の分布状態を示す取引金額分布からオペレーショナル・リスクを計量するオペレーショナル・リスク計量装置において、取引金額分布を平滑化して平滑化取引金額分布を作成する平滑化処理手段と、作成した平滑化取引金額分布からオペレーショナル・リスクを算出するオペレーショナル・リスク算出手段とを備えたものが記載されている。
さらに、特許文献3には、損失を伴う複数のイベントの発生を蓄積し、該蓄積されたイベントに基づいてオペレーショナル・リスクを管理するオペレーショナル・リスク管理方法であって、発生した複数のイベントの各々に対応して、複数のイベントの経過状態を設定し、各イベントの各経過状態に対応して、発生するリスクを予測するものが記載されている。
特開2006−155427号公報 特開2004−252893号公報 特開2003−36343号公報
小林、清水、西口、森永著、「オペレーショナル・リスク管理高度化への挑戦」、金融財政事情研究会、3章 オペレーショナル・リスク計量フレームワークとその検証、pp108−144.
非特許文献1に記載されている関連技術の損失分布計算システムの問題点は、得られた計算結果の精度が保証できないことである。その理由は、計算過程に乱数を用いるためである。この問題は、特許文献1〜3でも同様である。
本発明の目的は、上記問題を解決し、得られる計算結果の精度を保証する損失分布計算システムを提供することである。
本発明の第1の観点によれば、頻度分布と規模分布の情報を入力する頻度分布・規模分布入力手段と、入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行う規模分布離散化手段と、全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または前記頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行う劣複合分布計算手段と、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算する精度計算手段と、前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力する損失分布出力手段とを備えたことを特徴とする損失分布計算システムが提供される。
本発明の第2の観点によれば、頻度分布と規模分布の情報を入力するステップと、前記入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行うステップと、全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行うステップと、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算するステップと、前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力するステップとを含むことを特徴とする損失分布計算方法が提供される。
本発明の第3の観点によれば、コンピュータに、頻度分布と規模分布の情報を入力する処理と、前記入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行う処理と、全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行う処理と、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算する処理と、前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力する処理とを実行させることを特徴とする損失分布計算用プログラムが提供される。
本発明によれば、得られる計算結果の精度を保証する損失分布計算システム、損失分布計算方法および損失分布計算用プログラムを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る損失分布計算システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る損失分布計算システムの動作を示す流れ図である。 本発明の実施例において、20以下のNに対する出力を表すグラフである。 本発明の実施例において、25以下のNに対する出力を表すグラフである。 本発明の実施例において、30以下のNに対する出力を表すグラフである。 本発明の実施例において、Nを変えながらP(T)の逆関数を計算した場合の出力を表すグラフである。
次に、本発明に係る損失分布計算システム、損失分布計算方法および損失分布計算用プログラムの実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照すると、本実施の形態に係る損失分布計算システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)1と、通信装置や記憶装置等によって構成される頻度分布・規模分布入力手段2と、通信装置や記憶装置およびコンピュータ等によって構成される精度保証つき損失分布出力手段3とから構成されている。
このうち、コンピュータ1は、頻度分布蓄積手段101と、規模分布蓄積手段102と、規模分布離散化手段103と、離散化規模分布蓄積手段104と、劣複合分布計算手段105と、劣複合分布蓄積手段106と、精度計算手段107とを含む。このうち、頻度分布蓄積手段101、規模分布蓄積手段102、劣複合分布蓄積手段106は、例えばハードディスク、メモリ等の記憶装置で構成される。また、規模分布離散化手段103、劣複合分布計算手段105、精度計算手段107は、コンピュータ1がその記憶装置(メモリ)に記憶された損失分布計算用プログラムを読み取り実行することにより実現される。これらの手段は、それぞれ概略つぎのように動作する。
コンピュータ1は、頻度分布・規模分布入力手段2を介して、入力となる頻度分布と規模分布を取り込み、下記に説明する処理を実施したうえで、精度保証つき損失分布出力手段3で、計算された損失分布に関する情報をその精度とともに出力する。
頻度分布・規模分布入力手段2から入力される頻度分布は、保有期間中の損失事象の回数の確率分布を指定する情報である。以下、保有期間における損失事象の回数を表す確率変数をNと書くことにする。頻度分布とはNの従う分布である。その指定の仕方は、「N=0の確率、N=1の確率、…」とNの各実現確率の情報を与えるのでも良いし、「λ=3.2のポアソン分布」のように分布の種類とそのパラメータに関する情報を与える等でもよい。以下、指定された頻度分布の累積分布関数をPf(・)と書くことにする。また、Pf(・)の確率関数(確率質量関数)をpf(・)と書くことにする。入力された頻度分布の情報は、頻度分布蓄積手段101に蓄積される。
頻度分布・規模分布入力手段2から入力される規模分布は、保有期間中の各損失事象における損失の大きさの確率分布を指定する情報である。以下、保有期間におけるi回目の損失事象の大きさを表す確率変数をL_iと書くことにする(i=1,…,N)。ここで、L_iは、iによらず独立に同一の同じ分布に従うとする。すなわち、規模分布とは、全てのiに対してL_iが従う分布である。その指定の仕方は、「L_i=0の確率、L_i=10.6の確率、…」とL_iの各実現確率の情報を与えるのでも良いし、「μ=3.2、σ=1の正規分布」のように分布の種類とそのパラメータに関する情報を与える等でもよい。以下、指定された規模分布の累積分布関数をPs(・)と書くことにする。また、Ps(・)が離散分布の場合は、その確率関数(確率質量関数)をps(・)、Psが連続分布の場合は、その確率密度関数をps(・)と書くことにする。入力された規模分布の情報は、規模分布蓄積手段102に蓄積される。
累積損失額Tは、上記の記号を用いると、T=L_1+,…,+L_Nと表される。その確率分布関数をP(・)と書くことにする。P(・)が損失分布である。また、P(・)が離散分布の場合は、その確率関数(確率質量関数)をp(・)、P(・)が連続分布の場合は、その確率密度関数をp(・)と書くことにする。
また一般に、分布関数Pnに従う0以上の整数値をとる確率変数nと、分布関数Plに従う互いに独立な確率変数l_iによって、R=l_1+,…,+l_nと定義される確率変数が従う確率分布をPnとPlの複合分布とよぶことにし、その確率分布関数をP(・){Pn,Pl}と書くことにする。損失分布P(・)は、PfとPsの複合分布P(・){Pf,Ps}である。
前述した関連技術の損失分布計算システムにおいては、Pf(・)に従う乱数Nを発生させた上で、Ps(・)に従う乱数をN個発生させ、その総和をTとするという試行を多数回繰り返し、観測されるTの経験分布を損失分布P(・)として出力する方式が一般的であった。しかしながら、本実施の形態に係る損失分布計算システムでは、以下の処理によって求められた精度保証つきの損失分布P(・)を出力する。
規模分布離散化手段103は、以下の手順により、規模分布蓄積手段102に蓄積されている規模分布Ps(・)に対して、上側離散化、または下側離散化、またはその両方をおこない、上側離散化規模分布Us(・)、または下側離散化規模分布Ds(・)、またはその両方を生成し、離散化規模分布蓄積手段104に蓄積する。Usの確率関数(確率質量関数)をus、Dsの確率関数(確率質量関数)をdsと書くことにする。
上側離散化規模分布Us(・)は、規模分布Ps(・)に従う確率変数L_iを上側に近似する離散確率変数LU_iの分布として定義し、以下のように導出する。すなわち、LU_iの値域を{GU_1,…,GU_α}とすると、GU_(k−1)<L_i≦GU_kのとき、LU_i=GU_kによって値が定まる離散確率変数をLU_iとし、その確率分布関数をUs(・)と書く。
ここで、LU_iの値域は、100万円、200万円、300万円などのように等間隔で刻んでもよいし、等間隔でなくても損失分布で興味のある額を並べたものでも良い。便宜的にGU_1は−∞、GU_αは+∞にしておくか、それぞれPsの値域を十分にカバーする小さい額と大きい額にしておくとよい。
Us(・)は、Ps(・)を使って簡単に、
Us(LU_i)=Ps(GU_k)
for GU_k≦LU_i<GU_(k+1)
と導出することができる。
LU_iは、常にL_i以上の値をとるように定義された確率変数なので、LU_1+,…,+LU_Nも常にL_1+,…,+L_N以上の値をとる。すなわち、頻度分布Pfと上側離散化規模分布Usの複合分布P(・){Pf,Us}は、損失分布P(・){Pf,Ps}と比べて、カーブが右側にあることを意味している。損失分布は、単調増加関数なので、任意のTに関して、
P(T){Pf,Us}≦P(T){Pf,Ps} …(式1)
が成立する。
下側離散化規模分布Ds(・)は、規模分布Ps(・)に従う確率変数L_iを下側に近似する離散確率変数LD_iの分布として定義し、以下のように導出する。すなわち、LD_iの値域を{GD_1,…,GD_β}とすると、GD_k≦L_i<Gd_(k+1)のとき、LD_i=GD_kによって値が定まる離散確率変数をLD_iとし、その確率分布関数をDs(・)と書く。ここで、LD_iの値域は100万円、200万円、300万円などのように等間隔で刻んでもよいし、等間隔でなくても損失分布で興味のある額を並べたものでも良い。Usの値域と一致させる必要もない。便宜的にGD_1は−∞、GD_αは+∞にしておくか、それぞれPsの値域を十分にカバーする小さい額と大きい額にしておくとよい。
Ds(・)は、Ps(・)を使って簡単に、
Ds(LD_i)=Ps(GD_k)
for GD_(k−1)<LD_i≦GD_k
と導出することができる。
LD_iは、常にL_i以下の値をとるように定義された確率変数なので、LD_1+,…,+LD_Nも常にL_1+,…,+L_N以下の値をとる。すなわち、頻度分布Pfと下側離散化規模分布Dsの複合分布P(・){Pf,Ds}は、損失分布P(・){Pf,Ps}と比べて、カーブが左側にあることを意味している。損失分布は、単調増加関数なので、任意のTに関して、
P(T){Pf,Ps}≦P(T){Pf,Ds} …(式2)
が成立する。
なお、上側離散化規模分布でも下側離散化規模分布でも、必ずしも確率分布関数の形で離散化規模分布蓄積手段104に蓄積する必要は無く、確率関数(確率質量関数)の形で蓄積するのでもよい。
劣複合分布計算手段105は、頻度分布蓄積手段101に蓄積されている頻度分布と、離散化規模分布蓄積手段104に蓄積されている上側離散化規模分布または下側離散化規模分布または両方から、上側劣複合分布または下側劣複合分布または両方を以下の手順により計算し、劣複合分布蓄積手段106に蓄積する。
一般に、いずれの確率分布関数P(x)でも、ベイズの公式により、全事象の分割、すなわち、A_i∧A_j(i≠jのとき)かつA_1∨、…、∨A_γ=Ω(全事象)なる事象の集合{A_1、…、A_γ}に対して、
P(x)=Pr{A_1}*P(x|A_1)+、…、+Pr{A_γ}*P(x|A_γ)
が成立する。ここで、事象A_iの発生確率をPr{A_i}と書いた。
上側劣複合分布は、頻度分布と上側離散化規模分布の複合分布P(・){Pf,Us}の一部分を、損失事象の回数によってA_iを定義し上記ベイズの公式により計算したものである。
すなわち、Nの実現値の部分集合をNU={NU_1、…、NU_δ}とする(NU_iは0以上の整数)と、
P(T){Pf,Us}=Pr{N=NU_1}*P(T|N=NU_1)+、…、+Pr{N=NU_δ}*P(T|N=NU_δ)
+Pr{NがNU以外の値をとる}*P(T|NがNU以外の値をとる)
が常に成立するが、上側劣複合分布P(・){Pf,Us}_NUを上式の最後の行を除いたもの、すなわち
P(T){Pf,Us}_NU=Pr{N=NU_1}*P(T|N=NU_1)+、…、+Pr{N=NU_δ}*P(T|N=NU_δ)
と定義する。
ここで、Pr{N=NU_i}は、pf(NU_i)である。また、P(T|N=NU_i)は、互いに独立に確率分布Usに従うNU_i個の離散確率変数の和の分布関数なので、公知の技術により計算することができる。上側劣複合分布P(T){Pf,Us}_NUは、これらの積をNUに関して総和したものであるので、簡単に計算できる。
また、Pr{NがNU以外の値をとる}は、1−(pf(NU_1)+、…、+pf(NU_δ))によって求められるので、これをεとする。P(T|NがNU以外の値をとる)は、確率分布関数であるので、0以上1以下である。これらから、劣複合分布の定義に含めなかったPr{NがNU以外の値をとる}*P(T|NがNU以外の値をとる)は、0以上ε以下であることがわかる。
すなわち、任意のTに関して、
P(T){Pf,Us}_NU≦P(T){Pf,Us}≦P(T){Pf,Us}_NU+ε …(式3)
が成立する。
下側劣複合分布は、頻度分布と下側離散化規模分布の複合分布P(・){Pf,Ds}の一部分を、損失事象の回数によってA_iを定義し上記ベイズの公式により計算したものである。
すなわち、Nの実現値の部分集合をND={ND_1、…、NU_δ′}とする(ND_iは0以上の整数)と、
P(T){Pf,Ds}=Pr{N=ND_1}*P(T|N=ND_1)+、…、+Pr{N=ND_δ}*P(T|N=ND_δ′)+Pr{NがND以外の値をとる}*P(T|NがND以外の値をとる)
が常に成立するが、下側劣複合分布P(・){Pf,Ds}_NDを上式の最後の行を除いたもの、すなわち
P(T){Pf,Ds}_ND=Pr{N=ND_1}*P(T|N=ND_1)+、…、+Pr{N=ND_δ}*P(T|N=ND_δ′)
と定義する。
ここで、Pr{N=ND_i}は、pf(ND_i)である。また、P(T|N=ND_i)は、互いに独立に確率分布Dsに従うND_i個の離散確率変数の和の分布関数なので、公知の技術により計算することができる。下側劣複合分布P(T){Pf,Ds}_NDは、これらの積をNDに関して総和したものであるので、簡単に計算できる。
また、Pr{NがND以外の値をとる}は、1−(pf(ND_1)+、、、+pf(ND_δ′))によって求められるので、これをε′とする。P(T|NがND以外の値をとる)は、確率分布関数であるので、0以上1以下である。これらにより、劣複合分布の定義に含めなかったPr{NがND以外の値をとる}*P(T|NがND以外の値をとる)は、0以上ε′以下であることがわかる。
すなわち、任意のTに関して、
P(T){Pf,Ds}_ND≦P(T){Pf,Ds}≦P(T){Pf,Ds}_ND+ε′ …(式4)
が成立する。
集合NUとNDは、異なっていても良い。それぞれは、「0以上δ未満の整数」といった連続した範囲で定義しても良いし、pf(N)の大きいNからδ個のように定義しても良いし、計算のしやすさなどの事情から別の定義でも良い。
また、上側劣複合分布でも下側劣複合分布でも、必ずしも確率分布関数の形式で劣複合分布蓄積手段106に蓄積するのではなく、確率関数(確率質量関数)などの形式や、特に興味のあるTに関する値のみを保持する、もしくはその逆関数における幾つかの値を保持するなどでもよい。
精度計算手段107は、劣複合分布蓄積手段106に蓄積されている上側劣複合分布または下側劣複合分布またはその両方に対して、以下の手順で損失分布との最大乖離幅を計算したものを精度として添えて、精度保証つき損失分布出力手段3に入力する。
式1〜4をまとめると、損失分布P(T)は、上側劣複合分布P(T){Pf,Us}_NU、下側劣複合分布P(T){Pf,Ds}_NDとの間に、任意のTに関して、
P(T){Pf,Us}_NU≦P(T)≦P(T){Pf,Ds}_ND+ε′ …(式5)
なる関係を持っていることがわかる。
以下、表記を簡単にするために、上式の最左辺をLEFT(T)、最右辺をRIGHT(T)と書くことにする。すなわち、LEFT(T)=P(T){Pf,Us}_NUとし、RIGHT(T)=P(T){Pf,Ds}_ND+ε′とすると、式5は、
LEFT(T)≦P(T)≦RIGHT(T)
と表すことができる。
精度計算手段107は、任意のTに関して、LEFT(T)以上の値L’(T)を損失分布P(T)の近似的な計算結果として出力し、その精度としてL’(T)とLEFT(T)の差EL(T)を出力する。そうすると、(誤差を含まない)真の損失分布の値は、LEFT(T)を下回ることが無いので、真の損失分布の値は、L’(T)から下側EL(T)以下にはならないことが精度として保障されることになる。
また、精度計算手段107は、任意のTに関して、RIGHT(T)以下の値R’(T)を損失分布P(T)の近似的な計算結果として出力し、その精度としてR’(T)とLEFT(T)の差ER(T)を出力する。そうすると、(誤差を含まない)真の損失分布の値はRIGHT(T)を上回ることが無いので、真の損失分布の値はR’(T)から上側ER(T)以上にはならないことが精度として保障されることになる。
さらにまた、精度計算手段107は、任意のTに関して、LEFT(T)以上RIGHT(T)以下のM’(T)を損失分布P(T)の近似的な計算結果として出力し、その精度としてM’(T)とLEFT(T)、RIGHT(T)との差EL(T)、ER(T)を出力する。そうすると、真の損失分布の値は、M’(T)から下側EL(T)〜上側ER(T)の範囲内にあることが精度として保障されることになる。
なお、特別な場合として、精度計算手段107は、L’としてLEFT自身を出力したり、R’としてRIGHT自身を出力したりする場合は、近似的なP(T)の計算結果と保証精度というよりも、P(T)のとりうる値の範囲自体を直接出力することになる。精度計算手段107は、任意のTに関して、出力するのではなく、興味あるTに関してだけ出力するのでもよい。
リスク管理の分野においては、P(T)そのものよりも、VaR(Value at Risk)等で定義したその逆関数が重要になる場合がある。LEFT(T)、RIGHT(T)それぞれの逆関数をu(y)、d(y)と書き、P(T)の逆関数をq(y)と書くことにすると、式5と各関数の単調増加性から、任意のyに関して、
d(y)≦q(y)≦u(y) …(式6)
が成立する。ここで、狭義単調増加ではない関数の逆関数の定義としては、いわゆるVaRなどを採用すればよい。
精度計算手段107は、損失分布q(y)がd(y)以上であることや、u(y)以下であることを保証して出力するのでもよい。P(T)の近似的な計算結果を出力するときと同様に、q(y)の近似的な計算結果を出力し、保証される精度を計算することになる。片方だけ出力する場合は、片側の精度保証をしたことになり、両方出力する場合は、両側の精度保証をしたことになる。特別な場合として、d(y)やu(y)そのものをq(y)の近似計算結果として出力する場合には、q(y)のとりうる値の範囲自体を直接出力することになるのも同様である。この場合も、特に興味のあるyの集合に関して出力するのでも良い。これらの場合は、本システムは精度保証つきVaRを出力することになる。
また、こうして計算された精度が事前に設定もしくはユーザーから指定された所望の水準に達していない場合には、NUまたはNDに要素を付け加え、劣複合分布計算手段106の処理からやり直すといった制御を行っても良い。NUやNDに要素を付け加えた場合でも、劣複合分布やδ、δ′を全て最初から計算しなおす必要は無く、付け加えられた要素NAに関するPr{N=NA}*P(T|N=NA)部分の劣複合分布への加算と、δやδ′からのPr{N=NA}の減算のみの処理で済む。一般に要素NAを付け加えると、劣複合分布の定義からはずした、いわゆる誤差に相当するPr{NがNU以外の値をとる}*P(T|NがNU以外の値をとる)の項が小さくなるので、精度が向上する。
次に、図1及び図2のフローチャートを参照して、本実施の形態の全体の動作について詳細に説明する。
まず、頻度分布・規模分布入力手段2は、頻度分布の情報と規模分布の情報を入力し、それぞれ頻度分布蓄積手段101と規模分布蓄積手段102に蓄積する(ステップS1)。
次に、規模分布離散化手段103は、規模分布蓄積手段102に蓄積されている規模分布を上側離散化または下側離散化またはその両方をおこない、それぞれ上側離散化規模分布または下側離散化規模分布またはその両方を生成し、離散化規模分布蓄積手段104に蓄積する(ステップS2)。
次に、劣複合分布計算手段105は、頻度分布蓄積手段101に蓄積されている頻度分布と、離散化規模分布蓄積手段104に蓄積されている上側離散化規模分布または下側離散化規模分布または両方から、上側劣複合分布または下側劣複合分布または両方を計算し、劣複合分布蓄積手段106に蓄積する(ステップS3)。
次に、精度計算手段107は、劣複合分布蓄積手段106に蓄積されている上側劣複合分布または下側劣複合分布またはその両方に対して、式5により精度を計算し(ステップS4)、それが所望の水準に達しているかを判定する場合は、その判定を行う(ステップS5)。
その結果、水準に達していた場合(ステップS5がYESの場合)と判定を行わない場合は、精度保証つき損失分布出力手段3により精度情報を添えて損失分布の近似的な計算結果(もしくは逆関数の近似的な計算結果、VaRなど)を出力する(ステップS6)。一方、精度が所望の水準に達していないと判断した場合(ステップS5がNOの場合)は、NUまたはNDまたは両方に要素を追加し(ステップS7)、劣複合分布の計算からやり直す。
以上のように本実施の形態に係る損失分布計算システムは、規模分布離散化手段103、劣複合分布計算手段105、精度計算手段107を備え、離散化された規模分布を用いて乱数発生を伴わずに計算した損失分布の一部(劣複合分布)と、その損失分布との理論的な最大乖離幅をそれぞれ計算結果および結果の精度として出力する。
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態では、計算過程に乱数を用いずに、求めるべき損失分布に対してその関数値の上界と下界を計算するように構成されているため、出力される損失分布の精度を保証することができる。すなわち、第1の効果として、計算結果の精度を保証して損失分布を出力することができる。
また、本実施の形態では、精度が所望の水準に達していない場合のみ、より精度を高める計算処理を追加的に行うことができるように構成されているため、余計な計算処理を節約することで計算処理時間を短くできる可能性を与えることができる。すなわち、第2の効果として、ユーザーが所望する精度を達成した時点で計算処理を打ち切り、余計な計算を節約することで計算処理時間を短くできる可能性を与えることができる。
次に、具体的な実施例を用いて、本実施の形態の動作を説明する。
まず、頻度分布としてパラメータ20のポアソン分布、規模分布として平均25000、標準偏差15000の対数正規分布を、頻度分布・規模分布入力手段2により入力した。
次に、規模分布離散化手段103では、上記規模分布が離散化される。ここでは上側離散化規模分布の生成と下側離散化規模分布の生成の両方を行った。LU、LDの値域は、ともに0、1000、2000、…、1000000と1000刻みで1000000までの数の集合とした。
次に、劣複合分布計算手段105では、頻度分布と上記上側離散化規模分布による上側劣複合分布の生成と、頻度分布と上記下側離散化規模分布による下側劣複合分布の生成とを行った。また、NUとNDの集合は、ともに0以上20以下の整数={0、1、…、20}とした。
このとき、精度計算手段107が出力したLEFT(T)とRIGHT(T)は、図3の通りとなった。図3において、下側の曲線a1がLEFT(T)=P(T){Pf,Us}_NU、すなわち上側劣複合分布であり、上側の曲線a2がRIGHT(T)=P(T){Pf,Ds}_ND+ε′である。また、図3では、下側の曲線a1に隠れて見えにくいが、中央の曲線a3は、P(T){Pf,Ds}_ND、すなわち下側劣複合分布である。
上記の頻度分布・規模分布における損失分布は、図3の上側の曲線a1と下側の曲線a2の間にあることが保証される。すなわち、この二本の曲線a1、a2を上界下界とした精度保証をおこなって、この曲線a1、a2の間にある関数を損失分布の近似的計算結果として出力することができる。
図3では、まだ上下の曲線a1、a2の間隔があいており、精度が所望の水準に達していないのであれば、NUやNDに要素を追加して、再計算を行うことでより高い精度を保証した損失分布の近似的計算結果を出力することができる。
図4では、NUとNDの集合をともに0以上25以下の整数={0、1、…、25}とした場合の結果、図5では、NUとNDの集合をともに0以上30以下の整数={0、1、…、30}とした場合の結果をそれぞれ示す。図4および図5において、それぞれ3本の曲線a1、a3、a2は、同様に下から上へ、順に、LEFT(T)、すなわち上側劣複合分布、下側劣複合分布、RIGHT(T)である。図3〜図5の各結果から、要素を付け加えていくと、上下の曲線a1、a2の間隔が狭まり、損失分布の計算精度が向上していく様子が見て取れる。
図6は、NUとNDの集合をともに{0}、{0,1}、{0,1,2}と一要素ずつ増やしながら、P(T)の逆関数の0.99における値の範囲、すなわちq(0.99)の値の上界u(0.99)と下界d(0.99)を出力した結果である。図6において、横軸がNUとNDの集合として0以上何以下の整数の集合にしたかを表し、縦軸が当該出力の値を表している。上側の曲線b1が上界、下側の曲線b2が下界を表し、中央の曲線b3は上下界の平均値を近似的計算結果として出力したものである。真のq(0.99)は、この間に存在することが保証される。図6の結果から、NUとNDの要素数を増やしていくにつれて曲線の間隔が狭まっていき、逆関数の値でも精度が向上していくことが見て取れる。
なお、上記の損失分布計算システム及び損失分布計算方法は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。
例えば、上記の損失分布計算システムは、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータをそのシステムとして機能させるためのプログラムを、コンピュータが記録媒体から読み出して、実行することによっても実現することができる。
また、上記の損失分布計算方法は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムを、コンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み出して、実行することによっても実現することができる。
また、上述したハードウェア、ソフトウェア構成は特に限定されるものではなく、上述した各手段の機能を実現可能であれば、いずれのものでも適用可能である。例えば、上述した各手段の機能毎に個別に構成したものでも、各手段の機能を一体的に構成したものでも、いずれでもよい。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
(付記1)頻度分布と規模分布の情報を入力する頻度分布・規模分布入力手段と、入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行う規模分布離散化手段と、全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または前記頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行う劣複合分布計算手段と、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算する精度計算手段と、前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力する損失分布出力手段とを備えたことを特徴とする損失分布計算システム。
(付記2)前記劣複合分布計算手段は、前記計算された精度が所望の水準に達していない場合に、前記全事象の分割において確率値を求める部分の範囲を拡大し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはその両方を再計算することを特徴とする付記1記載の損失分布計算システム。
(付記3)前記頻度分布・規模分布入力手段により入力された頻度分布の情報を蓄積する頻度分布蓄積手段と、前記頻度分布・規模分布入力手段により入力された規模分布の情報を蓄積する規模分布蓄積手段と、前記規模分布離散化手段により上側離散化または下側離散化またはその両方が行われた規模分布を蓄積する離散化規模分布蓄積手段と、前記劣複合分布計算手段により計算された上側劣複合分布または下側劣複合分布または両方を蓄積する劣複合分布蓄積手段とをさらに有することを特徴とする付記1又は2に記載の損失分布計算システム。
(付記4)前記規模分布離散化手段、前記劣複合分布計算手段、及び前記精度計算手段は、コンピュータで構成されることを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の損失分布計算システム。
(付記5)頻度分布と規模分布の情報を入力するステップと、前記入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行うステップと、全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行うステップと、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算するステップと、前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力するステップとを含むことを特徴とする損失分布計算方法。
(付記6)前記劣複合分布を計算するステップは、前記計算された精度が所望の水準に達していない場合に、前記全事象の分割において確率値を求める部分の範囲を拡大し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはその両方を再計算するステップを含むことを特徴とする付記5記載の損失分布計算方法。
(付記7)コンピュータに、頻度分布と規模分布の情報を入力する処理と、前記入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行う処理と、全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行う処理と、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算する処理と、前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力する処理とを実行させることを特徴とする損失分布計算用プログラム。
(付記8)前記劣複合分布を計算する処理は、前記計算された精度が所望の水準に達していない場合に、前記全事象の分割において確率値を求める部分の範囲を拡大し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはその両方を再計算する処理を含むことを特徴とする、付記7記載の損失分布計算用プログラム。
以上、実施の形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年9月25日に出願された日本出願特願2009−220731号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明によれば、損害保険やリスク管理等において、保有期間中の累積損失額の分布を分析している事業者が、精度が保証された損失分布を手に入れるといった用途に適用できる。また、当該事業者が無駄な計算を省略することにより、できるだけ少ない計算量で必要な精度を保有する損失分布を手に入れるといった用途にも適用可能である。
1 コンピュータ
2 頻度分布・規模分布入力手段
3 精度保証つき損失分布出力手段
101 頻度分布蓄積手段
102 規模分布蓄積手段
103 規模分布離散化手段
104 離散化規模分布蓄積手段
105 劣複合分布計算手段
106 劣複合分布蓄積手段
107 精度計算手段

Claims (8)

  1. 頻度分布と規模分布の情報を入力する頻度分布・規模分布入力手段と、
    入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行う規模分布離散化手段と、
    全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または前記頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行う劣複合分布計算手段と、
    前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算する精度計算手段と、
    前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力する損失分布出力手段とを備えたことを特徴とする損失分布計算システム。
  2. 前記劣複合分布計算手段は、前記計算された精度が所望の水準に達していない場合に、前記全事象の分割において確率値を求める部分の範囲を拡大し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはその両方を再計算することを特徴とする請求項1記載の損失分布計算システム。
  3. 前記頻度分布・規模分布入力手段により入力された頻度分布の情報を蓄積する頻度分布蓄積手段と、
    前記頻度分布・規模分布入力手段により入力された規模分布の情報を蓄積する規模分布蓄積手段と、
    前記規模分布離散化手段により上側離散化または下側離散化またはその両方が行われた規模分布を蓄積する離散化規模分布蓄積手段と、
    前記劣複合分布計算手段により計算された上側劣複合分布または下側劣複合分布または両方を蓄積する劣複合分布蓄積手段とをさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の損失分布計算システム。
  4. 前記規模分布離散化手段、前記劣複合分布計算手段、及び前記精度計算手段は、コンピュータで構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の損失分布計算システム。
  5. 頻度分布と規模分布の情報を入力するステップと、
    前記入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行うステップと、
    全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行うステップと、
    前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算するステップと、
    前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力するステップとを含むことを特徴とする損失分布計算方法。
  6. 前記劣複合分布を計算するステップは、前記計算された精度が所望の水準に達していない場合に、前記全事象の分割において確率値を求める部分の範囲を拡大し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはその両方を再計算するステップを含むことを特徴とする請求項5記載の損失分布計算方法。
  7. コンピュータに、
    頻度分布と規模分布の情報を入力する処理と、
    前記入力された規模分布に対して上側離散化または下側離散化またはその両方を行う処理と、
    全事象の分割を行った上でその一部に該当する場合の累積損失額の確率値を求めることにより、前記頻度分布と前記上側離散化された規模分布から上側劣複合分布を計算する、または頻度分布と前記下側離散化された規模分布から下側劣複合分布を計算する、またはその両方を行う処理と、
    前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布または両方から損失分布関数の上界と下界を計算し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはそれらから計算された関数を損失分布関数の近似値として計算し、その値の精度を計算する処理と、
    前記計算された精度に関する情報を添えて、精度保証つきで前記損失分布関数の近似値に関する情報を出力する処理とを実行させることを特徴とする損失分布計算用プログラム。
  8. 前記劣複合分布を計算する処理は、前記計算された精度が所望の水準に達していない場合に、前記全事象の分割において確率値を求める部分の範囲を拡大し、前記上側劣複合分布または前記下側劣複合分布またはその両方を再計算する処理を含むことを特徴とする、請求項7記載の損失分布計算用プログラム。
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