JP2006155427A - オペレーショナルリスクの計量化装置、方法、およびプログラム - Google Patents

オペレーショナルリスクの計量化装置、方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】少ない損失事例から巨額損失のオペレーショナルリスクを合理的に計量化できるオペレーショナルリスクの計量化装置、方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】取引金額を読み込む手段と、損失率密度を読み込む手段と、前記取引金額と前記損失率密度とに基づいて巨額損失密度を算出する巨額損失密度算出手段と、前記巨額損失密度算出手段により算出された巨額損失密度からリスク量を算出するリスク量算出手段と、を具備する。
【選択図】図4

Description

本発明は、統計学的手法に基づいてオペレーショナルリスクを計量化する装置、方法、およびプログラムに関する。
新BIS(Bank for International Settlements;国際決済銀行)規制では新しいオペレーショナルリスクが導入される。これまでのBIS規制では信用リスクと市場リスクに対して8%以上の自己資本を準備しておくことが要求されていた。これに対して新BIS規制では、信用リスク、市場リスク、およびオペレーショナルリスクの合計に対して8%の自己資本を準備しておくことが要求される。より正確には、99.9%水準のVaR(バリューアットリスク)に対応するリスク量に対して8%以上の自己資本を用意しておくことが要求される。
リスク量の評価には、基礎的手法、標準的手法、先進的手法のいずれかを採用してよいことになっているが、前者になるほど精度の低い評価であることから、余裕を持った評価が求められ、リスク量としては大きくならざるを得ないと考えられる。このとき、リスク相応の自己資本を調達しておかなければならない。一般に、自己資本の調達にはコストが掛かるため望ましいことではないし、対外的にはリスクが小さくて自己資本比率が高いということは良い評価に結びつくため、銀行にとって先進的手法を導入しようというインセンティブが存在する。
しかし、先進的手法を採用した場合、オペレーショナルリスクを合理的に計量化する必要が生じるが、過去の損失事故の件数が十分にないために正確な計量化が難しいという問題がある。特に、リスク評価で重要な巨額損失のデータが少ないことが問題である。この課題を解決するために、各種方法が提案されているが、決定的な方法がまだ確定していないのが現状である。オペレーショナルリスクの計量化については、例えば非特許文献1に記載されている。
「オペレーショナル・リスクのすべて」,三菱信託銀行オペレーショナル・リスク研究会編,東洋経済新聞社
本発明は、少ない損失事例から巨額損失のオペレーショナルリスクを合理的に計量化できるオペレーショナルリスクの計量化装置、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一観点に係るオペレーショナルリスクの計量化装置は、取引金額を入力する手段と、損失事故における損失率を確率変数としたときの確率密度に相当する損失率密度を入力する手段と、損失額を確率変数としたときの確率密度に相当する損失密度のうち、閾値以上の損失額に対応する巨額損失密度を前記取引金額と前記損失率密度とに基づいて算出する巨額損失密度算出手段と、前記巨額損失密度算出手段により算出された巨額損失密度からオペレーショナルリスクを算出するリスク量算出手段と、を具備する。
本発明によれば、少ない損失事例から巨額損失のオペレーショナルリスクを合理的に計量化できるオペレーショナルリスクの計量化装置、方法、およびプログラムを提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
先ずは、幾つかの仮定の下にオペレーショナルリスク評価のためのモデルを導出する過程を第1の実施形態により説明したのち、同モデルを用いた具体的な定量化に係る実施形態(第2〜第5の実施形態)を説明する。第2及び第3の実施形態では巨額損失のみならず少額損失をも分析可能である。第4及び第5の実施形態では少額損失の分析を行わず処理手順を簡単化したものである。
(第1の実施形態)
次のような確率変数、すなわち取引金額の確率変数をX(ただし、Xはゼロ以上の実数)、損失額の確率変数をY(ただし、Yはゼロ以上の実数)、損失率の確率変数をΘ(ただし、Θゼロ以上1以下の実数)、損失発生の有無:L(0:損失無し、1:損失有り)を考えるとき、損失率Θは次の式(1)のように表すことができる。
Θ=Y/X…(1)
なお、取引金額、損失額は実際にはゼロ以上の整数であるが、説明を簡単にするために実数であるものとして説明する。
始めに、P(Y=y,L=l,X=x)について、以下の関係が成立する。
P(Y=y,L=l,X=x)=P(Y=y|L=l,X=x)P(L=l|X=x)P(X=x)…(2)
また、金額xの取引において損失事故が発生する確率P(L=1|X=x)は、取引金額xの広義単調減少関数であると考えられる。ただし、人間の注意力には限界があるため、ある程度大きな金額になると一定値になると考える。そこで、次の仮定1を置く。
(仮定1)x≧xth1であればP(L=1|X=x)=Pl
このとき、
P(L=1|X=x)=Pl…(3)であり、
P(L=0|X=x)=1-Pl…(4)である。さらに、P(Y=y|L=0,X=x)では、次の仮定2を置く。
(仮定2)損失事故が発生しない場合の損失金額は0である。このとき、
P(Y-y|L=0,X=x)=δ(y)…(5)
である。ここで、δ(y)はディラックのデルタ関数である。また、
Figure 2006155427
である。ここで、Θは回収率を表し、P(Θ=θ|L=1,X=x)は、x円の取引で事故が発生したときに回収できる割合がθである確率密度を表している。ここでは、一定以上の金額における回収率は取引金額xに依らない密度関数に従うと考えて、次の仮定3を置く。
(仮定3)x≧xth2であればP(Θ=θ|L=1,X=x)=P(Θ=θ)
次に、P(Y=y,L=l,X=x)の周辺密度関数P(Y=y,L=l)において、特にl=1の場合を考える。
Figure 2006155427
通常、取引金額xの取引でxより大きな損失が出ることは無いので、次の仮定4を置く。
(仮定4)P(Y=y|L=l,X=x)=0 for {(x,y)|x<y}
特に、y≧xth=max(xth1,xth2)であれば、仮定1と仮定3を考慮すると、式(7)より、
Figure 2006155427
である。一方、P(Y=y,L=1)=P(Y=y|L=1)P(L=1)…(9)
であるから、
Figure 2006155427
である。大数の法則よりサンプル数が十分多いとき、
Figure 2006155427
である。ここで、Ωは全サンプルを表す集合である。さらに、yについて積分することで、損失金額が0からyの区間にある確率は、
Figure 2006155427
である。ここで、
Figure 2006155427
である。また、
Figure 2006155427
であるから、サンプル数が十分多いとき、
Figure 2006155427
と算出できる。ここで、δj,kはクロネッカのデルタであり、jとkが等しければ1、そうでなければ0である。また、Plは、Ωth={i|xi≧xth}として、仮定1のもとで、
Figure 2006155427
となる。特に、Pl=P(L=1)であれば、
Figure 2006155427
である。
以上の仮定1,2,4の下で巨額損失の分布は式(11)のように表すことができる。これを利用してオペレーショナルリスクの計量化を次の手順により行うことができる。
先ずP(Θ=θ)のモデルを作成する(ステップS1)。このモデルは、一定以上の取引金額における損失率の確率密度に相当し、後述する実施形態における損失率密度の読込及び記憶の処理手順に対応する。より具体的に説明すると、損失率密度とは、損失率(0〜1の値)を確率変数としたときの確率密度のことである。例えば、100件の損失事故のなかで、0.5〜0.6(50%〜60%)の損失率の事故が10件だとすると、0.5〜0.6に事象が発生する確率は10/100=0.1となる。さらに、確率密度は区間の幅で割って、0.1/(0.6−0.5)=1となる。これが損失率密度である。
P(Θ=θ)は、Ωthに属するサンプルにより、θについての密度関数をモデル化すればよい。ノンパラメトリック手法(参考文献:「平滑化とノンパラメトリック回帰への招待」J・S・シモノフ 農林統計協会)が有力な方法であるが、ここでは、最も単純なヒストグラムを使った例を説明する。
P(Θ=θ)は、0≦θ≦1の範囲でゼロ以上の値を取り得るが、これ以外の領域では0となる。そこで、モデル化は0≦θ≦1におけるP(Θ=θ)の関数を決めることである。
以下のようにGk(k=1,2,…,K)を定義する。
Figure 2006155427
である。また、
Figure 2006155427
である。このとき、
Figure 2006155427
として、P(Θ=θ)=Pk(θ∈Rkの場合)となる。この場合、P(Θ=θ)=Pkの例を図1に示す。この例では、閾値すなわち、k/K(k=0,…,K)の間隔は一定であったが、閾値を任意の値に変化させても良い。最適な閾値を算出する方法については、例えば「情報量統計学」坂本慶行他、共立出版株式会社等に記載されている。また、前出の「平滑化とノンパラメトリック回帰への招待」には、ヒストグラムに代えて頻度ポリゴンを使用したり、カーネル関数を使う方法が記載されている。
次に、
Figure 2006155427
を算出する(ステップS2)。ここでは、全取引サンプルの数をNとし、このうちで、事故の発生した数をN1とし、P(L=1)=N1/Nとして算出する。算出される値は、後述する実施形態における、損失事故率の読込及び記憶に対応する。
次に、
Figure 2006155427
を算出する(ステップS3)。
xthを外部からうけとり、サンプルの中で取引金額がxth以上のサンプルの数を数えてnとする。さらに、このうちで事故が発生した数をn1とし、Pl=n1/nとして算出する。算出される値は、後述する実施形態における、巨額取引損失事故率の読込及び記憶に対応する。
次に、
Figure 2006155427
を計算する(ステップS4)。
ただし、ymaxは取引金額の最大値とし、ymin=xthとする。
ymin≦y≦ymaxの範囲で複数の代表点を決めておく。第1の実施形態では外部から与える数値Mを用いて、
Figure 2006155427
としておく。そして全てのmについて、以下のステップS4−1〜S4−3の処理を繰り返す。
まず、y=ymをセットする(ステップS4−1)。
次に、
Figure 2006155427
を算出する。そして、全ての取引サンプルiについて、θi=y/xiを算出し、上記ステップS1で求めた関数P∞(Θ=θ)を使って、
Figure 2006155427
を算出する。算出された値の全てのサンプルについての平均を求める(ステップS4−2)。
次に、上記ステップS2,S3,およびS4−2の結果を用い、
Figure 2006155427
に従って、pm maxを算出する(ステップS4−3)。
次に、P(Y=y|L=1)をヒストグラムで表す。
Figure 2006155427
では、P(Y=y|L=1)=pm maxとする。これにより、図2のようなヒストグラムが得られる。ここで、η=(y0+y1)/2である(ステップS5)。得られるヒストグラムは、後述する実施形態において算出される巨額損失密度に対応する。ここで、損失額を確率変数としたときの確率密度を「損失密度」と呼ぶ。特に、損失額を確率変数としたときの確率密度に相当する損失密度のうち、閾値以上の損失額に対応する損失密度のことを「巨額損失密度」と呼ぶ。
次に、yが小さいときのモデルを作成する。このモデルは、後述する実施形態における少額条件付損失密度の読込及び記憶に対応する。
上記ステップS1と同様に、ヒストグラムを使ってyがyminよりも小さい範囲のヒストグラムを描く(図3)。
全サンプルから、事故が発生しており、かつ、損失額yがηより小さいサンプルを集めて、Ωminとする。これをU個に分ける以下のような集合を考える。
Figure 2006155427
このとき、事故が発生しており、かつ、損失額yがηより小さいサンプルの数をNminとし、Huに属するサンプルの数をNu minとして、
Figure 2006155427
を算出する(ステップS6)。
次に、P(Y=y|L=1)の分布を求める(ステップS7)。これは、後述する実施形態における損失密度の算出に対応する。
上記ステップS6で求めたpu minは事故が発生しており、かつ、損失額yがηより小さいという条件の下での分布関数であるため、P(Y=y|L=1)を算出するには、事故が発生しており損失額yがηより小さい確率qを乗じる必要がある。これは以下のように求める。
すなわち、
Figure 2006155427
であることから、
Figure 2006155427
とする。
最後に、オペレーショナルリスクの計量化を行う(ステップS8)。計量化の手法については別の実施形態において説明するが、公知の手法を適用可能である。
以上説明した第1の実施形態によれば、上述した4つの仮定の下にオペレーショナルリスク評価のためのモデルを導出することができ、同モデルを用い、ステップS8においては合理的にオペレーショナルリスクの計量化を行うことが可能になる。尚、ステップS8におけるオペレーショナルリスクの計量化には、公知の手法を適用することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では巨額損失のみならず少額損失をも分析可能である。
図4は本発明の第2の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図である。本装置はコンピュータを利用して実現できる。また、本発明に係る機能を実現するためのプログラムが図示しないプログラム記憶装置に格納される。プログラム記憶装置は、例えば、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の外部記憶装置からなる。上記プログラムがCPUからの制御でランダムアクセスメモリ(RAM)等からなる主記憶装置に読み込まれ、同CPUにより実行されることにより、コンピュータを本発明に係るオペレーショナルリスク定量化装置として機能させることができる。なお、オペレーショナルリスク定量化装置には、各種コンピュータ資源を管理し、ファイルシステムやネットワーク通信機能、ならびにグラフィカルユーザインタフェース(GUI)等を提供するオペレーティングシステムも導入されている。なお、後述する第3乃至第5の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置についても、コンピュータを利用して実現できる。
先ず、取引金額読込部401により、過去1年間の銀行の各取引における取引金額を読み込む。次の表27のような形式のデータから、指定された期間(例えば2003年4月1日から2004年3月31日)の取引を抜き出して、取引金額記憶部402に蓄積する。
Figure 2006155427
取引金額記憶部402には主記憶装置が利用されるが、データ量が多い場合には外部記憶装置が用いられる。ここでは、取引金額の集合を{xi|i∈Ω}と書くが、Ωは指定された期間に含まれる取引のレコード番号の集合であり、xiはレコード番号iの取引の取引金額である。
次に、損失率密度読込部403により損失率密度関数P(Θ=θ)を読み込む。損失率密度関数は少なくとも0以上1以下の範囲で定義されており、出力は0以上の値を取る。また、0から1までの区間で積分すると1になる。本実施形態では図5のような損失率密度関数のヒストグラムを考えるが、具体的には次の表28のような形式でデータを損失率密度記憶部404に記憶する。
Figure 2006155427
以下の実施形態の説明において、X〜Yと書いたときは、X以上Y未満を表すものとする。ただし、Y=1の場合だけ、X以上Y以下を意味するものとする。0.21という値がくれば、この表28の0.2以上0.3未満の欄をみて、0.3という値を返す。同様に考えて、値0.2が入力されると、0.3を出力し、値0.3の場合は0.2を出力する。また、特に1.0の場合は3.5であるとする。
次に、損失事故率読込部408により、全取引に対する損失事故率P(L=1)を読み込で損失事故率記憶部409に記憶する。なお、乱数に基づく事故発生モデルを含むオペレーション品質評価モデルから損失事故率を算出してもよい。
次に、巨額取引損失事故率読込部410により巨額取引損失事故率(本実施形態では、100万円以上の取引に対する損失事故率とする)Plを読み込んで巨額取引損失事故率記憶部411に記憶する。
次に、少額条件付損失密度読込部412は、100万円未満の損失が発生したという条件付の損失密度を読み込んで、少額条件付損失密度記憶部413に記憶する。損失密度は次の表29のような形で記録される。
Figure 2006155427
損失分布は0円から999,999円までの間で和をとると1となる(損失額0円の確率+損失額1円の確率+・・・損失額999,999の確率=1)。
次に、巨額損失密度算出部405は、取引金額記憶部402から取引金額{xi|i∈Ω}、損失率密度記憶部404から損失密度関数P(Θ=θ)の情報を受け取り、損失事故率記憶部409から損失事故率P(L=1)、巨額取引損失事故率記憶部411から巨額取引損失事故率Plを受取り、
Figure 2006155427
を計算する。この計算はyを変化させながら繰り返し実行する。次の表31は100万円毎にこの計算を実行した結果をまとめた例である。
Figure 2006155427
yを1円毎変化させて計算を実行してもかまわないが、その場合は計算量が膨大になるので、本実施形態では100万円ごとに計算を行うことする(例えばy=1.5百万円の場合の数値を1〜2の欄に記載する)。
次に、損失密度算出部414は、巨額損失密度算出部405で算出した巨額損失密度と少額条件付損失密度記憶部413に記憶された少額条件付損失密度から損失密度関数を算出する。具体的には、100万円以上の損失密度は巨額損失密度算出部405で算出した巨額損失密度とする。巨額損失密度算出部405で算出した巨額損失密度に基づき、100万円以上の損失が発生する確率は以下の式に従って算出できる。
Figure 2006155427
100万円未満の損失密度については、少額条件付損失密度記憶部413に記憶された少額条件付損失密度に1-ηを乗じた値とする。η=0.01であったとすると、次の表33のような100万円未満の損失密度を得る。
Figure 2006155427
これを、100万円以上の巨額損失密度とあわせると、次の表34を得る。
Figure 2006155427
さらに、損失累積確率として次の表35を得る。
Figure 2006155427
次に、損失事故率記憶部409に記憶した損失事故率と損失密度算出部414で算出した損失累積確率とを用いてリスク量算出部406は、VaR等のリスクおよび損失金額の期待値をオペレーショナルリスクとして算出する。VaRについては、例えば参考文献(「金融リスクの計量化 上 バリューアットリスク」,木島正明編著)に詳しい。ここで、リスク量算出部406により算出されるオペレーショナルリスクは、将来の取引に対するリスク量のことをいう。損失額が大方の予想に反して非常に大きくなることを「リスク」と呼ぶ。オペレーショナルリスクは、所定期間の損失額合計を横軸とし、個々の損失額合計値に対する確率密度を縦軸とする損失額合計密度関数において、所定の上側のパーセンタイル値として求めることができる。あるいは、所定期間の損失額合計を横軸とし、個々の損失額合計値に対する確率密度を縦軸とする損失額合計密度関数において、所定の上側のパーセンタイル値以上の損失額合計値の平均値として求めてもよい。
より具体的に、リスク量算出のための処理手順の一例を説明する。はじめに、λ=P(L=1)とし、パラメータλのポアッソン分布を考える。
Figure 2006155427
λ=10の場合のpkの例を次の表37に示す。
Figure 2006155427
表37の累積確率は、
Figure 2006155427
であり、たとえば、k=2であれば、事故件数が2件以下である確率を意味する。
パラメータλにしたがって、予めこのようなテーブルを用意しておく。
次に、一様乱数発生器により0から1までの実数をランダムに発生する。
次に、乱数の値をxとしたときに、上記テーブルをもとに、事故件数を決定する。表37では、4.53999E-05未満であれば事故は0件、4.53999E-05以上0.000499399未満であれば事故は1件、・・・とする。たとえば、x=0.8であれば、0.791556476以上、0.864464423未満であるから、事故件数は13件とする。
次に、上記損失事故のそれぞれについての損失金額をセットする。事故件数回一様乱数を発生させ、表35を用いて損失額を確定する。たとえば、乱数の値が0.5であれば、0.4851以上0.5544未満であるから、損失金額は7円となる。13回事故が発生すれば、それぞれについて同様の処理により損失金額を定める。
次に、事故回数分の損失金額を合算する。たとえば、13回分の損失金額を合計して、例えば15,568を得る。
以上の処理を指定された回数(N回)繰り返す。リスク量出力部407は、それぞれのラウンドで算出される損失金額合計を大きい順に並べて、上位0.1%の値を99.9%水準のVaRとして出力する。また、損失金額の平均も求めて期待損失額として出力する。たとえば、N=100万回であるとすると、上位0.1%は上位1000番目の損失金額に対応している。また、損失額の上位0.1%の計算結果について抜き出し、抜き出したサンプルの損失額の期待値を計算してこれをCVaR(コンディショナルバリューアットリスク)として出力する。
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図である。第3の実施形態が第2の実施形態と相違する点は、損失の確率密度を読み込むのではなく、損失の累積確率を読み込む点である。つまり、図6における損失率累積確率読込部603および少額条件付損失累積確率読込部612が第2の実施形態(図4)との違いである。この結果、引き続き行われる巨額損失累積確率算出部605、損失累積確率算出部614の処理手順も第2の実施形態とは異なる。
先ず、取引金額読込部601により、過去1年間の銀行の各取引における取引金額を読み込む。次の表39のような形式のデータから、指定された期間(例えば2003年4月1日から2004年3月31日)の取引を抜き出して、取引金額記憶部602に蓄積する。
Figure 2006155427
取引金額記憶部602には主記憶装置が利用されるが、データ量が多い場合には外部記憶装置が用いられる。ここでは、取引金額の集合を{xi|i∈Ω}と書くが、Ωは指定された期間に含まれる取引のレコード番号の集合であり、xiはレコード番号iの取引の取引金額である。
次に、損失率累積確率読込部603により、損失率累積確率すなわち、
Figure 2006155427
を読み込む。損失率累積確率は少なくとも0以上1以下の範囲で定義されており、出力も0以上1以下の値を取る。本実施形態では次の表41のような形式でデータを損失率累積確率関数記憶部604に記憶する。
Figure 2006155427
次に、損失事故率読込部608により、全取引に対する損失事故率P(L=1)を読み込んで損失事故率記憶部609に記憶する。
次に、巨額取引損失事故率読込部610により巨額取引損失事故率(本実施形態では、100万円以上の取引に対する損失事故率とする)Plを読み込んで巨額取引損失事故記憶部611に記憶する。
次に、少額条件付損失累積確率読込部612は、100万円未満の損失密度を読み込み、少額条件付損失累積確率記憶部613に記憶する。損失累積確率は次の表42のような形で記録される。
Figure 2006155427
次に、巨額損失累積確率算出部605は、取引金額記憶部602から取引金額{xi|i∈Ω}、損失率累積確率関数記憶部604から損失率累積確率関数F(Θ=θ)の情報を受け取り、損失事故率記憶部609から損失事故率P(L=1)、巨額取引損失事故記憶部611から巨額取引損失事故率Plを受取り、
Figure 2006155427
を計算する。この計算はyを変化させながら繰り返し実行する。次の表44は100万円毎にこの計算を実行した結果をまとめた例である。
Figure 2006155427
yを1円毎変化させて計算を実行してもかまわないが、その場合は計算量が膨大になるので、本実施形態では100万円ごとに計算を行うこととし、その間の値は直線で補完するものとする(もちろん、二次曲線等の曲線で近似しても良い)。
次に、損失累積確率算出部614では、巨額損失累積確率算出部605で算出した巨額損失累積確率と少額条件付損失累積確率記憶部613に記憶された少額条件付損失累積確率から損失累積確率を算出する。具体的は、100万円以上の損失累積確率は巨額損失累積確率算出部605で算出した巨額損失累積確率とする。巨額損失累積確率算出部605で算出した巨額損失累積確率をつかい、100万円未満の損失が発生する確率は以下の式に従って算出できる。
Figure 2006155427
100万円未満の損失累積確率については、少額条件付損失累積確率記憶部613に記憶された少額条件付損失密度に1-ηを乗じた値とする。
η=0.01であったとすると、次の表46のような100万円未満の損失累積確率を得る。
Figure 2006155427
100万円以上とあわせて、次の表47を得る。
Figure 2006155427
次に、損失事故率記憶部609に記憶した損失事故率と損失累積確率算出部614で算出した損失累積確率を用いて、リスク量算出部606はVaR等のリスクおよび損失金額の期待値を算出する。リスク量算出のための処理手順の一例は次の通りである。
はじめに、λ=P(L=1)とし、パラメータλのポアッソン分布を考える。
Figure 2006155427
λ=10の場合のpkの例を次の表49に示す。
Figure 2006155427
表49の累積確率は、
Figure 2006155427
であり、たとえば、k=2であれば、事故件数が2件以下である確率を意味する。
パラメータλにしたがって、予めこのようなテーブルを用意しておく。
次に、一様乱数発生器により0から1までの実数をランダムに発生する。
次に、乱数の値をxとしたときに、上記テーブルをもとに、事故件数を決定する。表49では、4.53999E-05未満であれば事故は0件、4.53999E-05以上0.000499399未満であれば事故は1件、・・・とする。たとえば、x=0.8であれば、0.791556476以上、0.864464423未満であるから、事故件数は13件とする。
次に、上記損失事故のそれぞれについての損失金額をセットする。事故件数回一様乱数を発生させ、表47を用いて損失額を確定する。たとえば、乱数の値が0.5であれば、0.693以下であるから、損失金額は0円から10円の間にあることが分かる。(0,0)→(10,0.693)の間を直線で補間すると、
Figure 2006155427
となり、損失額は7円とする。13回事故が発生すれば、それぞれについて同様の処理により損失金額を定める。
次に、事故回数分の損失金額を合算する。たとえば、13回分の損失金額を合計して、15,568を得る。
以上の処理を指定された回数(N回)繰り返す。リスク量出力部607は、それぞれのラウンドで算出される損失金額合計を大きい順に並べて、上位0.1%の値を99.9%水準のVaRとして出力する。また、損失金額の平均も求めて期待損失額として出力する。たとえば、N=100万回であるとすると、上位0.1%は上位1000番目の損失金額に対応している。また、損失額の上位0.1%の計算結果について抜き出し、抜き出したサンプルの損失額の期待値を計算してこれをCVaRとして出力する。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は少額損失の分析を行わず処理手順を簡単化したものである。図7は本発明の第4の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図である。取引金額読込部701により、過去1年間の銀行の各取引における取引金額を読み込む。次の表52のような形式のデータから、指定された期間(例えば2003年4月1日から2004年3月31日)の取引を抜き出して、取引金額記憶部702に蓄積する。
Figure 2006155427
取引金額記憶部702には主記憶装置が利用されるが、データ量が多い場合には外部記憶装置が用いられる。取引金額の集合を{xi|i∈Ω}と書くが、Ωは指定された期間に含まれる取引のレコード番号の集合であり、xiはレコード番号iの取引の取引金額である。
次に、損失率密度読込部703により、損失率密度関数P(Θ=θ)を読み込む。損失率密度関数は少なくとも0以上1以下の範囲で定義されており、出力は0以上の値を取る。また、0から1までの区間で積分すると1になる。第4の実施形態では図8のようなヒストグラムを考えるが、具体的には次の表53のような形式でデータを損失率密度記憶部704に記憶する。
Figure 2006155427
次に、損失事故率読込部708により、全取引に対する損失事故率P(L=1)を読み込み、損失事故率記憶部709に記憶する。
次に、巨額取引損失事故率読込部610により巨額取引損失事故率(第4の実施形態では、100万円以上の取引に対する損失事故率とする)Plを読み込み、巨額取引損失事故率記憶部711に記憶する。
次に、巨額損失密度算出部705では、取引金額記憶部702から取引金額{xi|i∈Ω}、損失率密度記憶部704から損失密度関数P(Θ=θ)の情報を受け取り、損失事故率記憶部709から損失事故率P(L=1)、巨額取引損失事故率記憶部711から巨額取引損失事故率Plを受取り、
Figure 2006155427
を計算する。この計算はyを変化させながら繰り返し実行する。次の表55は100万円毎にこの計算を実行した結果をまとめた例である。
Figure 2006155427
yを1円毎変化させて計算を実行してもかまわないが、その場合は計算量が膨大になるので、第4の実施形態では100万円ごとに計算を行うことする(例えばy=1.5百万円の場合の数値を1〜2の欄に記載する)。ここではさらに、表55をもとに次の表56を作成しておく。
Figure 2006155427
表55によると10,000超の損失発生確率が0であるから、表56の10,000超の累積確率は1(=1−0)である。さらに、表55で、9,999〜10,000の損失発生確率が2.39348E-08であるから、9,999までの累積確率は0.999999976(=1−2.39348E-08)となる。以下同様の手続きを繰り返して表56を完成させることが出来る。
次に、損失事故率記憶部709に記憶した損失事故率と、算出された損失累積確率とを用いてリスク量算出部706は、VaR等のリスクおよび損失金額の期待値を算出する。
リスク量算出のための処理手順の一例は次の通りである。
はじめに、λ=事故発生回数の期待値とし、パラメータλのポアッソン分布を考える。
Figure 2006155427
λ=10の場合のpkの例を次の表58に示す。
Figure 2006155427
表58の累積確率は、
Figure 2006155427
で表され、例えば、k=2であれば、事故件数が2件以下である確率を意味する。
パラメータλにしたがって、予めこのようなテーブルを用意しておく。
次に、一様乱数発生器により0から1までの実数をランダムに発生する。
乱数の値をxとしたときに、上記テーブルをもとに、事故件数を決定する。表58では、4.53999E-05未満であれば事故は0件、4.53999E-05以上0.000499399未満であれば事故は1件、・・・とする。例えば、x=0.8であれば、0.791556476以上、0.864464423未満であるから、事故件数は13件とする。
次に、上記損失事故のそれぞれについての損失金額をセットする。事故件数回一様乱数を発生させ、表56を用いて損失額を確定する。第4の実施形態では巨額損失のみを対象に考察しているため、表56で百万円未満の累積確率が定まっていないが、表56から損失が百万円未満である確率は99%であることは読み取れる。したがって、0〜1の間で一様乱数を発生させて値が0.99以下であれば百万円未満の損失であることがわかるが、このときの金額は0円以上百万円以下の値uをセットする。あらかじめこの値を設定しておく必要がある。ここではu=千円とする。
具体的には、乱数の値が0.5であれば、0.99未満であるから、損失金額は千円となる。また、乱数の値が、0.9930 であれば、損失額が5百万円と6百万円の間であることがわかるが、ここでは最悪のケースを想定して6百万円とする。13回事故が発生すれば、それぞれについて同様の処理により損失金額を定める。
次に、事故回数分の損失金額を合算する。例えば、13回分の損失金額を合計して、例えば15,568千円を得る。
以上の処理を指定された回数(N回)繰り返す。リスク量出力部707は、それぞれのラウンドで算出される損失金額合計を大きい順に並べて、上位0.1%の値を99.9%水準のVaRとして出力する。また、損失金額の平均も求めて期待損失額として出力する。例えば、N=100万回であるとすると、上位0.1%は上位1000番目の損失金額に対応している。また、損失額の上位0.1%の計算結果について抜き出し、抜き出したサンプルの損失額の期待値を計算してこれをCVaRとして出力する。
(第5の実施形態)
図9は本発明の第5の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図である。第5の実施形態は第4の実施形態と同様に、少額損失の分析を行わず処理手順を簡単化したものである。第5の実施形態が第4の実施形態と相違する点は、確率密度を読み込むのではなく、累積確率を読み込む点である。
つまり、図9において損失率累積確率読込部903が第4の実施形態(図6)との違いである。この結果、引き続き行われる巨額損失累積確率算出部905による処理も第4の実施形態とは異なる。
先ず、取引金額読込部901により、過去1年間の銀行の各取引における取引金額を読み込む。次の表60のような形式のデータから、指定された期間(例えば2003年4月1日から2004年3月31日)の取引を抜き出して、取引金額記憶部902に蓄積する。
Figure 2006155427
取引金額記憶部902には主記憶装置が利用されるが、データ量が多い場合には外部記憶装置が用いられる。ここでは、取引金額の集合を{xi|i∈Ω}と書くが、Ωは指定された期間に含まれる取引のレコード番号の集合であり、xiはレコード番号iの取引の取引金額である。
次に、損失率累積確率読込部903により、損失率累積確率すなわち、
Figure 2006155427
を読み込む。損失率累積確率は少なくとも0以上1以下の範囲で定義されており、出力も0以上1以下の値を取る。第5の実施形態では次の表62のような形式でデータを損失率累積確率関数記憶部904に記憶する。
Figure 2006155427
次に、損失事故率読込部908により、全取引に対する損失事故率P(L=1)を読み込んで損失事故率記憶部909に記憶する。
次に、巨額取引損失事故率読込部910により、巨額取引損失事故率(第5の実施形態では、100万円以上の取引に対する損失事故率とする)Plを読み込み、巨額取引損失事故記憶部911に記憶する。
次に、巨額損失累積確率算出部905は、取引金額記憶部902から取引金額{xi|i∈Ω}、損失率累積確率関数記憶部904から損失率累積確率関数F(Θ=θ)の情報を受け取り、損失事故率記憶部909から損失事故率P(L=1)、巨額取引損失事故記憶部911から巨額取引損失事故率Plを受取り、
Figure 2006155427
を計算する。この計算はyを変化させながら繰り返し実行する。次の表64は100万円毎にこの計算を実行した結果をまとめた例である。
Figure 2006155427
yを1円毎変化させて計算を実行してもかまわないが、その場合は計算量が膨大になるので、第5の実施形態では100万円ごとに計算を行うこととし、その間の値は直線で補完するものとする(もちろん、二次曲線等の曲線で近似しても良い)。
次に、損失事故率記憶部909に記憶した損失事故率と、算出された損失累積確率とを用いて、リスク量算出部906はVaR等のリスクおよび損失金額の期待値を算出する。
リスク量算出のための処理手順の一例は以下の通りである。
はじめに、λ=事故発生回数の期待値とし、パラメータλのポアッソン分布を考える。
Figure 2006155427
λ=10の場合のpkの例を次の表66に示す。
Figure 2006155427
表66の累積確率は、
Figure 2006155427
であり、例えば、k=2であれば、事故件数が2件以下である確率を意味する。
パラメータλにしたがって、予めこのようなテーブルを用意しておく。
次に、一様乱数発生器により0から1までの実数をランダムに発生する。
次に、乱数の値をxとしたときに、上記テーブルをもとに、事故件数を決定する。表66では、4.53999E-05未満であれば事故は0件、4.53999E-05以上0.000499399未満であれば事故は1件、・・・とする。例えば、x=0.8であれば、0.791556476以上、0.864464423未満であるから、事故件数は13件とする。
上記損失事故のそれぞれについての損失金額をセットする。事故件数回、一様乱数を発生させ、表64を用いて損失額を確定する。第5の実施形態では巨額損失のみを対象に考察しているため、表64で百万円未満の累積確率が定まっていないが、表64から損失が百万円未満である確率は99%であることは読み取れる。したがって、0〜1の間で一様乱数を発生させて値が0.99以下であれば百万円未満の損失であることがわかるが、このときの金額は0円以上百万円以下の値uをセットする。あらかじめこの値を設定しておく必要がある。ここではu=千円とする。
具体的には、乱数の値が0.5であれば、0.99未満であるから、損失金額は千円となる。また、乱数の値が、0.9930 であれば、損失額が5百万円と6百万円の間であることがわかるが、ここでは最悪のケースを想定して6百万円とする。これ以外に、直線で補完する方法も考えられる。その場合は、
Figure 2006155427
により計算できる。13回事故が発生すれば、それぞれについて同様の処理により損失金額を定める。
次に、事故回数分の損失金額を合算する。例えば、13回分の損失金額を合計して、15,568千円を得る。
上記の処理を指定された回数(N回)繰り返す。リスク量出力部907は、それぞれのラウンドで算出される損失金額合計を大きい順に並べて、上位0.1%の値を99.9%水準のVaRとして出力する。また、損失金額の平均も求めて期待損失額として出力する。例えば、N=100万回であるとすると、上位0.1%は上位1000番目の損失金額に対応している。また、損失額の上位0.1%の計算結果について抜き出し、抜き出したサンプルの損失額の期待値を計算してこれをCVaRとして出力する。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係り、密度関数をモデル化したヒストグラムの一例を示す図 本発明の第1の実施形態に係り、損失額のヒストグラムの一例を示す図 本発明の第1の実施形態に係り、損失額のヒストグラムの別の例を示す図 本発明の第2の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係り、損失率密度関数のヒストグラムを示す図 本発明の第3の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図 本発明の第4の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図 本発明の第4の実施形態に係り、損失率密度関数のヒストグラムを示す図 本発明の第5の実施形態に係るオペレーショナルリスク定量化装置を示すブロック図
符号の説明
401…取引金額読込部
402…取引金額記憶部
403…損失率密度読込部
404…損失率密度記憶部
405…巨額損失密度算出部
406…リスク量算出部
407…リスク量出力部
408…損失事故率読込部
409…損失事故記憶部
410…巨額取引損失事故率読込部
411…巨額取引損失事故率記憶部
412…少額条件付損失密度読込部
413…少額条件付損失密度記憶部
414…損失密度算出部

Claims (20)

  1. 取引金額を入力する手段と、
    損失事故における損失率を確率変数としたときの確率密度に相当する損失率密度を入力する手段と、
    損失額を確率変数としたときの確率密度に相当する損失密度のうち、閾値以上の損失額に対応する巨額損失密度を前記取引金額と前記損失率密度とに基づいて算出する巨額損失密度算出手段と、
    前記巨額損失密度算出手段により算出された巨額損失密度からオペレーショナルリスクを算出するリスク量算出手段と、を具備するオペレーショナルリスクの計量化装置。
  2. 前記オペレーショナルリスクは、バリューアットリスク及びコンディショナルバリューアットリスクのいずれかを含む請求項1に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  3. 前記巨額損失密度に基づいて、損失額の累積確率を求める手段と、
    取引金額によらず、損失事故が発生する確率に相当する損失事故率を入力する手段と、
    乱数と、前記損失事故率とに基づいて、複数件の損失事故を発生する手段と、
    発生した損失事故の各々の損失額を前記損失額の累積確率に基づいて算出する手段と
    を具備し、
    算出された損失額を値の大きい順に並べ、所定の基準で選択された値を前記オペレーショナルリスクとする請求項1に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  4. 損失額が前記閾値未満であるという少額条件の下に、該損失額を確率変数としたときの条件付き確率密度に相当する少額損失密度を入力する手段と、
    前記巨額損失密度に基づく補正量を乗じることにより前記少額損失密度を補正する補正手段と、
    前記巨額損失密度と、前記少額損失密度とを組み合わせて前記損失密度を求める手段と、
    を具備し、
    前記損失額の累積確率を前記損失密度から求める請求項1乃至3のいずれかに記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  5. 損失額が前記閾値未満である確率を前記巨額損失密度を用いて算出し、該確率を前記補正量とする請求項4に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  6. 取引金額によらず、損失の事故が発生する確率に相当する損失事故率と、
    巨額損失の事故が発生する条件付き確率に相当する巨額損失事故率との比を前記巨額損失密度算出手段により算出された巨額損失密度に乗じる請求項1に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  7. 乱数に基づく事故発生モデルを含むオペレーション品質評価モデルから、前記損失事故率を算出する手段を具備する請求項6に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  8. 前記巨額損失密度算出手段は、
    一の損失額を一の取引金額で除すことにより損失率を算出し、該損失率に対応する損失率密度を前記一の取引金額で除してなる値を求め、
    前記値を複数の取引金額の全てについて求めるとともに、該複数の取引金額の全てについて求めた値の平均値を前記巨額損失密度として算出する請求項1に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  9. 取引金額を入力する手段と、
    入力された取引金額を記憶する取引金額記憶手段と、
    損失事故における損失率を確率変数としたときの確率密度に相当する損失率密度を入力する手段と、
    入力された損失率密度を記憶する損失率密度記憶手段と、
    損失額を確率変数としたときの確率密度に相当する損失密度のうち、閾値以上の損失額に対応する巨額損失密度を、前記取引金額記憶手段に記憶された取引金額と、前記損失率密度記憶手段に記憶された損失率密度とに基づいて算出する巨額損失密度算出手段と、
    算出された巨額損失密度を記憶する巨額損失密度記憶手段と、
    前記巨額損失密度記憶手段に記憶された巨額損失密度からオペレーショナルリスクを算出するリスク量算出手段と、
    算出されたリスク量を出力する出力手段と、
    を具備するオペレーショナルリスクの計量化装置。
  10. 所定期間の損失額合計を横軸とし、個々の損失額合計値に対する確率密度を縦軸とする損失額合計密度関数において、所定の上側のパーセンタイル値を前記オペレーショナルリスクの値とする請求項1に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  11. 所定期間の損失額合計を横軸とし、個々の損失額合計値に対する確率密度を縦軸とする損失額合計密度関数において、所定の上側のパーセンタイル値以上の損失額合計値の平均値を前記オペレーショナルリスクの値とする請求項1に記載のオペレーショナルリスクの計量化装置。
  12. 取引金額入力手段により取引金額を入力するステップと、
    損失事故における損失率を確率変数としたときの確率密度に相当する損失率密度を損失率密度入力手段により入力するステップと、
    損失額を確率変数としたときの確率密度に相当する損失密度のうち、閾値以上の損失額に対応する巨額損失密度を、巨額損失密度算出手段が前記取引金額と前記損失率密度とに基づいて算出する巨額損失密度算出ステップと、
    前記巨額損失密度算出ステップにより算出された巨額損失密度から、損失額に対するリスク量をリスク量算出手段により算出するリスク量算出ステップと、を具備するオペレーショナルリスクの計量化方法。
  13. 前記オペレーショナルリスクは、バリューアットリスク及びコンディショナルバリューアットリスクのいずれかを含む請求項12に記載のオペレーショナルリスクの計量化方法。
  14. 前記巨額損失密度に基づいて、損失額の累積確率を求めるステップと、
    取引金額によらず、損失事故が発生する確率に相当する損失事故率を入力するステップと、
    乱数と、前記損失事故率とに基づいて、複数件の損失事故を発生するステップと、
    発生した損失事故の各々の損失額を前記損失額の累積確率に基づいて算出するステップと
    を具備し、
    算出された損失額を値の大きい順に並べ、所定の基準で選択された値を前記オペレーショナルリスクとする請求項12に記載のオペレーショナルリスクの計量化方法。
  15. 損失額が前記閾値未満であるという少額条件の下に、該損失額を確率変数としたときの条件付き確率密度に相当する少額損失密度を入力するステップと、
    前記巨額損失密度に基づく補正量を乗じることにより前記少額損失密度を補正する補正ステップと、
    前記巨額損失密度と、前記少額損失密度とを組み合わせて前記損失密度を求めるステップと、をさらに具備し、
    前記損失額の累積確率を前記損失密度から求める請求項14に記載のオペレーショナルリスクの計量化方法。
  16. 損失額が前記閾値未満である確率を前記巨額損失密度を用いて算出し、該確率を前記補正量とする請求項15に記載のオペレーショナルリスクの計量化方法。
  17. 取引金額によらず、損失の事故が発生する確率に相当する損失事故率と、
    巨額損失の事故が発生する条件付き確率に相当する巨額損失事故率との比を前記巨額損失密度算出ステップにより算出された巨額損失密度に乗じる請求項15に記載のオペレーショナルリスクの計量化方法。
  18. 乱数に基づく事故発生モデルを含むオペレーション品質評価モデルから、前記損失事故率を算出するステップを具備する請求項17に記載のオペレーショナルリスクの計量化方法。
  19. 前記巨額損失密度算出ステップにおいて、
    一の損失額を一の取引金額で除すことにより損失率を算出し、該損失率に対応する損失率密度を前記一の取引金額で除してなる値を求め、
    前記値を複数の取引金額の全てについて求めるとともに、該複数の取引金額の全てについて求めた値の平均値を前記巨額損失密度として算出する請求項12に記載のオペレーショナルリスクの計量化方法。
  20. コンピュータに、
    取引金額を入力する手順と、
    損失事故における損失率を確率変数としたときの確率密度に相当する損失率密度を入力する手順と、
    損失額を確率変数としたときの確率密度に相当する損失密度のうち、閾値以上の損失額に対応する巨額損失密度を前記取引金額と前記損失率密度とに基づいて算出する巨額損失密度算出手順と、
    前記巨額損失密度算出手順により算出された巨額損失密度からオペレーショナルリスクを算出するリスク量算出手順と、を実行させるためのオペレーショナルリスクの計量化プログラム。
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