JP2012208642A - リスク管理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間でVaRの近似値を算出することは困難であること。
【解決手段】記憶部14は、損失額と損失発生頻度とを含む損失データ14Aと、上記損失発生頻度に対応して、上記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブル14Bとを記憶する。プロセッサ15は、上記損失データ毎に、上記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して係数テーブル14Bに保持されている係数と上記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出するようにプログラムされている。
【選択図】図1

Description

本発明はリスク管理装置に関し、特に、損失額と損失発生頻度とを含む損失データから簡易な方法でリスク量を算出する機能を有するリスク管理装置に関する。
一般に企業の業務は、地震やシステム障害、事務的なミス、詐欺など様々なオペレーショナルリスク(以下、単にリスクと称す)に遭遇する可能性がある。このため、リスク計量装置を使用してリスク量を計量し、リスクに対する対策を講じることが求められている。
リスク計量装置は、企業における未知のリスクプロファイルに関する断片的な情報を入力し、この入力データから当該企業のリスクプロファイルの特徴値(例えば、99.9%バリュー・アット・リスク(VaR))を計量する。リスク計量装置の入力データには、一般に内部損失データとシナリオデータとがある。内部損失データは、当該企業において実際に発生した損失事象に関するデータである。内部損失データは、どのような事象の内容について、どの程度の損失額が発生したかを表している。しかし、全ての事象の内容について必要十分な数の内部損失データを得ることは困難である。そこで、稀にしか発生していない事象内容や未だ一度も発生したことのない事象内容について、その発生頻度と損失額の推定値をシナリオデータとして見積り、リスク量の計量に利用している。以下、内部損失データとシナリオデータをあわせて、損失データと記すことにする。
一般的なリスク計量装置は、損失分布手法と呼ばれる手法を用いて、VaRを計量している(例えば特許文献1および非特許文献1参照)。具体的には、まず、内部損失データの件数などから損失頻度分布を生成し、内部損失データおよびシナリオデータなどから損失規模分布を生成する。次に、モンテカルロ・シミュレーションにより、上記の損失頻度分布を用いて発生させた損失件数分の損失額を上記の損失規模分布から取り出して合算し、保有期間当たりの損失額を算出する処理を何万、何十万回と繰り返して損失額の分布を生成する。そして、この生成された損失額の分布から所定の信頼区間のVaRを算出する。
特許第4241083号
小林、清水、西口、森永著、「オペレーショナル・リスク管理 高度化への挑戦」、平成21年4月24日、社団法人金融財政事情研究会発行、p107-144
上述したように、損失分布手法を用いるリスク計量装置は、頻度分布と規模分布を生成し、その頻度分布と規模分布を用いて保有期間当たりに発生する損失の合計額をモンテカルロ・シミュレーションにより生成し、VaRを算出する。そのため、精度は良いものの、計算の負荷が高いという課題がある。
リスク分析の分野においては、高精度なVaRを必要とする状況のみならず、後述する成分分析など精度は多少劣っても良いが、短時間でVaRを求めたいニーズがある。しかし、一般的なリスク計量装置では、そのような近似計算は行えない。
本発明の目的は、上述したような課題、すなわち、短時間でVaRの近似値を算出することは困難であるという課題を解決するリスク管理装置を提供することにある。
本発明にかかる第1のリスク管理装置は、
損失額と損失発生頻度とを含む損失データと、上記損失発生頻度に対応して、上記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
上記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
上記プロセッサは、
上記損失データ毎に、上記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して上記係数テーブルに保持されている係数と上記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する
ようにプログラムされている、といった構成を採る。
本発明にかかる第2のリスク管理装置は、
損失分布手法のリスク計量装置がリスク量を計量する単位を計量単位、該計量単位を構成する要素を基本要素と呼ぶとき、損失額と損失発生頻度とを含む基本要素別の損失データと、上記損失発生頻度に対応して、上記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルと、上記計量単位について上記リスク計量装置が計量したリスク量とを記憶するメモリと、
上記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
上記プロセッサは、
上記損失データ毎に、上記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して上記係数テーブルに保持されている係数と上記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出し、
上記計量単位に関する全ての損失データについて算出された上記乗算値の累積値と、各基本要素に関する全ての損失データについて算出された上記乗算値の累積値とを算出し、
上記リスク計量装置によって上記計量単位について算出された上記リスク量のうち、上記計量単位に関する全ての損失データについて算出された上記乗算値の累積値に対する、特定の上記基本要素に関する全ての損失データについて算出された上記乗算値の累積値の割合に相当するリスク量を、上記特定の基本要素のリスク量として算出する
ようにプログラムされている、といった構成を採る。
本発明にかかる第3のリスク管理装置は、
損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1のシナリオデータと、該第1のシナリオデータにおける損失額および損失発生頻度の少なくとも一方を変更した1以上の第2のシナリオデータと、上記損失発生頻度に対応して、上記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
上記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
上記プロセッサは、
上記第1および第2のシナリオデータ毎に、そのシナリオデータに含まれる損失発生頻度に対応して上記係数テーブルに保持されている係数とそのシナリオデータに含まれる損失額との乗算値を算出し、
上記第1のシナリオデータと上記第1のシナリオデータにおける損失額および損失発生頻度の少なくとも一方を変更した上記第2のシナリオデータとの組合せ毎に、上記第1のシナリオデータに関する上記乗算値と上記第2のシナリオデータに関する上記乗算値との差分値を算出する
ようにプログラムされている、といった構成を採る。
本発明にかかる第4のリスク管理装置は、
損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1の損失データと、該第1の損失データに基づいてリスク計量装置で計量された第1のリスク量と、損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第2の損失データと、上記損失発生頻度に対応して、上記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
上記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
上記プロセッサは、
上記第1および第2の損失データ毎に、上記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して上記係数テーブルに保持されている係数と上記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出し、
上記第1および第2の損失データ毎に、上記算出された上記乗算値を累積した第1および第2の近似リスク量を算出し、
上記第1の近似リスク量に対する上記第1のリスク量の割合を、近似比率として算出し、
上記第2の近似リスク量に上記近似比率を乗じた値を、第2のリスク量として算出し、
上記第1のリスク量と上記第2のリスク量との差を、上記第1および第2の損失データ間の差に起因するリスク量の増減額として算出する
ようにプログラムされている、といった構成を採る。
本発明にかかる第5のリスク管理装置は、
損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1の損失データと、該第1の損失データに基づいてリスク計量装置で計量された第1のリスク量と、損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第2の損失データと、上記第1および第2の損失データ間の差分要因情報と、上記損失発生頻度に対応して、上記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
上記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
上記プロセッサは、
上記第1の損失データ毎、および上記第2の損失データ中の特定の要因による損失額および損失発生頻度の変化だけを上記第1の損失データに反映した中間の損失データ毎に、上記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して上記係数テーブルに保持されている係数と上記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出し、
上記第1の損失データおよび上記中間の損失データ毎に、上記算出された上記乗算値を累積した第1の近似リスク量および中間の近似リスク量を算出し、
上記第1の近似リスク量に対する上記第1のリスク量の割合を、近似比率として算出し、
上記中間の近似リスク量に上記近似比率を乗じた値を中間のリスク量として算出し、
上記第1のリスク量と上記中間のリスク量との差を、上記第1および上記第2の損失データ間における上記特定の要因に起因するリスク量の増減額として算出する
ようにプログラムされている、といった構成を採る。
本発明は上述したような構成を有するため、VaRの近似値を高速に算出することができる。
本発明の第1の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第1の実施形態で使用する損失データの構成例である。 本発明の第1の実施形態で使用する係数テーブルの構成例である。 本発明の第1の実施形態で使用する中間情報の構成例である。 本発明の第1の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第2の実施形態で使用する基本要素別の損失データの構成例である。 本発明の第2の実施形態で使用する中間情報の構成例である。 本発明の第2の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第3の実施形態で使用する第1のシナリオデータの構成例である。 本発明の第3の実施形態で使用する第2のシナリオデータの構成例である。 本発明の第3の実施形態で使用する中間情報の構成例である。 本発明の第3の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第4の実施形態で使用する第1の損失データの構成例である。 本発明の第4の実施形態で使用する第2の損失データの構成例である。 本発明の第4の実施形態で使用する中間情報の構成例である。 本発明の第4の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第5の実施形態で使用する第1の損失データの構成例である。 本発明の第5の実施形態で使用する第2の損失データの構成例である。 本発明の第5の実施形態で使用する差分要因情報の構成例である。 本発明の第5の実施形態で使用する中間情報の構成例である。 本発明の第5の実施形態の処理例を示すフローチャートである。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態にかかるリスク管理装置1は、損失データに基づいてVaRを近似計算する機能を有している。
このリスク管理装置1は、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、およびプロセッサ15を有する。
通信I/F部11は、専用のデータ通信回路からなり、通信回線(図示せず)を介して接続された図示しない各種装置との間でデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出してプロセッサ15に出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、プロセッサ15からの指示に応じて、操作メニューや計算結果などの各種情報を画面表示する機能を有している。
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ15での各種処理に必要な処理情報やプログラム14Pを記憶する機能を有している。プログラム14Pは、プロセッサ15に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部11などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部14に保存される。記憶部14で記憶される主な処理情報として、損失データ14Aと、係数テーブル14Bと、中間情報14Cとがある。
損失データ14Aは、損失額と損失発生頻度とを含むデータである。図2は、損失データ14Aの構成例である。この例の損失データ14Aは、合計n個の損失データ14A1〜14Anから構成される。個々の損失データは、損失データを一意に識別するための識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。これらの損失データ14Aは、近似対象となるリスク計量装置の入力となる内部損失データおよびシナリオデータに1対1に対応する。例えば、内部損失データ「損失額=200万円、観測期間=5年」に対応する損失データは、損失額=200万円、損失発生頻度=0.2という内容を有する。また、シナリオデータ「平均損失額=1000万円、損失発生頻度0.1」に対応する損失データは、損失額=1000万円、損失発生頻度=0.1という内容を有する。
係数テーブル14Bは、損失発生頻度に対応して、その損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点となる発生数の値に等しい係数を保持するテーブルである。上記αは、近似対象となるリスク計量装置が計量するVaRの信頼区間に応じて定められる。例えば、近似対象となるリスク計量装置が99.9%VaRを計量するならば、αは99.9に設定される。また、上記確率分布は、一般的なリスク計量装置において頻度分布の予測に使用される確率分布と同じである。例えば一般的なリスク計量装置において、ポアソン分布が使用されるならば、上記確率分布はポアソン分布である。なお、ポアソン分布の累積分布関数は不連続であるため、例えばガンマ関数を使って整数の階乗を実数の階乗まで拡張することにより、ポアソン分布の累積分布関数をスムージング化した上で、下側α%点となる発生数の値に等しい係数を求めるようにするのが望ましい。
図3は係数テーブル14Bの構成例である。この例の係数テーブル14Bは、損失発生頻度を2つの形式、すなわち、何年に1回発生するかという形式と、1年当たりに何回発生するかという形式で示しているが、損失データにおける損失発生頻度の形式が統一されていれば、何れか一方だけよく、他方は省略することができる。また、損失発生頻度に対応する係数を2つの形式、すなわちスムージング無と有の双方について記載しているが、何れか一方だけでもよい。例えば、スムージング無の係数を使用しないならば、スムージング有に対応する係数だけをテーブル化しておけばよい。
中間情報14Cは、プロセッサ15の演算過程で生成される中間ないし最終的なデータである。図4は中間情報14Cの構成例である。この例の中間情報14Cは、損失データ14A1〜14Anに1対1に対応する個別データVaR額14C1〜14Cnと、この個別データVaR額14C1〜14Cnの総和である累積値14Cmとを有する。
プロセッサ15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14からプログラム14Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム14Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ15で実現される主な処理部として、入力格納部15A、個別データVaR額算出部15B、累積部15C、および出力部15Dがある。
入力格納部15Aは、通信I/F部11または操作入力部12から、損失データ14A、および係数テーブル14を入力して、記憶部14Bに格納する機能を有する。
個別データVaR額算出部15Bは、損失データ14Aと係数テーブル14Bとを記憶部14から読み込み、損失データ14Ai毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル14Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、個別データVaR額14Ciとして記憶部14に記憶する機能を有する。
累積部15Cは、全ての個別データVaR額14Ciを記憶部14から読み込み、その総和を計算し、その計算結果を累積値14Cmとして記憶部14に記憶する機能を有する。
出力部15Dは、累積値14Cmを記憶部14から読み込み、リスク量の近似値として画面表示部13に出力し、あるいは通信I/F部11を通じて外部に出力する機能を有する。
次に、図5を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置1の動作について説明する。
まず、入力格納部15Aは、損失データ14A、および係数テーブル14Bを、通信I/F部11または操作入力部12から入力し、記憶部14に格納する(ステップS1)。
次に、個別データVaR額算出部15Bは、損失データ14Aに含まれる個々の損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度に対応して係数テーブル14Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額とを乗算し、その算出結果をその損失データに対応する個別データVaR額として記憶部14に記憶する(ステップS2)。
次に、累積部15Dは、全ての個別データVaR額14Ciを加算した値を累積値14Cmとして記憶部14に記憶する(ステップS3)。
次に、出力部15Dは、累積値14Cmをリスク量の近似値として画面表示部13に出力し、あるいは通信I/F部11を通じて外部に出力する(ステップS4)。
次に、本実施形態によって算出されるVaRが、損失データ14Aに基づいて近似対象となるリスク計量装置で計量されるVaRの近似値になる理由について、説明する。
まず、リスク計量装置の入力データは基本的に、リスク損失事象の内容、損失金額、保有期間中にその内容でその損失金額を被る頻度の平均値の三つ組みの情報の集合である。例えば、(東海大地震1、100万円、0.03)、(東海大地震2、1000万円、0.06)、(振り込め詐欺、50万円、0.65)といった具合である。なお頻度の平均値の代わりに、平均事象間隔(保有期間÷頻度の平均値)などの情報を持たせる場合もあるが、以下の議論はそのまま成立するので、ここでは上記の三つ組みであるとする。また、上記では以下の説明の簡単のために、同じ東海大地震でも損失金額の違いで「東海大地震1」「東海大地震2」と事象内容を区別しているが、この便宜上の区別をしなくても以下の議論はそのまま成立する。表記の簡単のために「リスク損失事象」を以下「損失事象」と書く。事象内容iに関する入力データを(i,Si,Fi)と書くことにする。Siが損失金額、Fiが頻度の平均値である。
リスク計量装置は、幾つかの仮定の下で、入力データにできるだけフィットするように、保有期間中のリスクによる損失発生の確率分布を推定し、特に保有期間中の合計損失金額の確率分布から、その特徴量であるVaR等を計算して出力する。すなわち、損失事象の内容iによる保有期間中の損失金額をLiと書き、総損失額をLと書くことにすると、計量モデルとはL1,…,Lnの同時分布P(L1,…,Ln)を推定し、それに基づいて総損失額L=L1+,,,+Lnの確率分布P(L)を計算し、その特徴量であるVaR[L]などを出力していることになる。ただし、損失事象の種類を1,…,nとした(全部でn種類)。なお、上記の説明はリスク計量装置の原理を述べているのであって、実際の実装においては、できるだけ明示的にP(L1,…,Ln)やP(L)を構成せずに、計算量や記憶量を節約して同じ結果を得るような工夫がなされている。
リスク計量装置の違いは、どのような仮定に基づくか、あるいはどのような観点で入力データにフィットさせるかの違いである。幾らでも奇異な仮定やフィットの観点を設定することはできるが、世で広く用いられているモーメント法や最尤法、ベイズ法によって頻度分布や規模分布を推定する場合は、損失事象の内容iによる保有期間中の損失金額の平均値E[Li]が、入力データの損失金額と平均頻度から直接もとめた平均値Si×Fiに近くなる(特に、モーメント法においては、これらが一致する)。以降、近似対象のリスク計量装置は、このような性質を持つものとする。この場合、平均値の加法性から、総損失額Lの平均値E[L]も、入力データの損失金額と平均頻度から直接求めた平均値S1×F1+,…,+Sn×Fnに近い値になる。特に、総損失額の平均値に対して、特定の事象に起因する損失額の平均的な割合E[Li]/E[L]も、入力データから直接求めたそれSi×Fi/(S1×F1+,…,+Sn×Fn)に近い値になる。さらに、総損失額の平均値に対して、特定の事象集合I={i1,…,im}に起因する損失額の平均的な割合E[Li1+,…,+Lim]/E[L]も、入力データから直接求めたそれ(Si1×Fi1+,…,+Sim×Fim)/(S1×F1+,…,+Sn×Fn)に近くなる。平均的な意味で、近似対象のリスク計量装置においては、総損失額に対する特定の事象集合に起因する損失額の割合は、入力データから直接求めたそれに近くなるのである。
ここで、本実施形態によるVaRの算出方法を上記の観点から記述してみる。本実施形態によるVaRの算出方法は、
・各損失事象の保有期間中の生起回数は、一般的なリスク計量装置において使用される種類の頻度分布に従うと仮定
・損失事象間では上記生起回数の相関は1である(正確には、当該同時分布のコピュラ関数が対角線上の一様分布)と仮定
・各損失事象において一回の損失額は入力データに記載のSiになると仮定
して
・損失事象の内容iによる保有期間中の損失金額の平均値E[Li]が、入力データの損失金額と平均頻度から直接もとめた平均値Si×Fiに等しくなる
ように、P(L1,…,Ln)をフィッティングし、それを利用してP(L)を計算しVaR[L]を出力したものと同じ値である。
このとき平均値の加法性から、本実施形態によるVaRの算出方法における総損失額Lの平均値E[L]は、入力データの損失金額と平均頻度から直接求めた平均値S1×F1+,…,+Sn×Fnに等しくなる。特に、総損失額の平均値に対して、特定の事象に起因する損失額の平均的な割合E[Li]/E[L]も、入力データから直接求めたそれSi×Fi/(S1×F1+,…,+Sn×Fn)と等しくなる。さらに、総損失額の平均値に対して、特定の事象集合I={i1,…,im}に起因する損失額の平均的な割合E[Li1+,…,+Lim]/E[L]も、入力データから直接求めたそれ(Si1×Fi1+,…,+Sim×Fim)/(S1×F1+,…,+Sn×Fn)に等しい。平均的な意味で、本実施形態によるVaRの算出方法においては、総損失額に対する特定の事象集合に起因する損失額の割合は、入力データから直接求めたそれと等しくなるのである。
上記の性質、すなわち入力データから直接求めた値を介して、E[L]の値が近い、総損失額の平均値に対して、特定の入力データに対応する損失額の平均的な割合E[Li]/E[L]の値が近い、同様に特定の入力データ群に対応する損失額の平均的な割合の値E[Li1+,,,+Lim]/E[L]が近いという意味で、本実施形態によるVaRの算出方法は近似対象のリスク計量装置の近似になっているのである。
さらに本実施形態によるVaRの算出方法においては、ポアソン分布の累積分布関数をスムージング化した上で下側α%点となる発生数の値に等しい係数を求めるようにしているが、これは上記同時分布P(L1,…,Ln)が離散階段関数であるのを、滑らかにフィッティングしたにすぎないので、上記におけるE[L]、E[Li]/E[L]、E[Li1+,…,+Lim]/E[L]などの値は大きくは変化しない。これにより当該実施の形態における個別データVaR額も、平均総損失額に対する、特定の入力データ群の損失額の平均的な割合が近い等の意味で、近似対象のリスク計量装置の近似になっているのである。
このように本実施形態によれば、VaRの近似値を高速に算出することができる。
[第2の実施形態]
図6を参照すると、本発明の第2の実施形態にかかるリスク管理装置2は、損失データに基づいてVaRを近似計算する機能を利用して、リスク計量装置が計量する計量単位毎のVaRから、その計量単位を構成する基本要素別のリスク量を算出する機能を有している。
リスク管理装置2は、主な機能部として、通信I/F部21、操作入力部22、画面表示部23、記憶部24、およびプロセッサ25を有する。
通信I/F部21、操作入力部22、および画面表示部23は、第1の実施形態における図1の通信I/F部11、操作入力部12、および画面表示部13と同じ機能を有している。
記憶部24は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ25での各種処理に必要な処理情報やプログラム24Pを記憶する機能を有している。プログラム24Pは、プロセッサ25に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部21などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部24に保存される。記憶部24で記憶される主な処理情報として、基本要素別の損失データ24A、係数テーブル24B、中間情報24C、および計量単位のリスク量24Dがある。
基本要素別の損失データ24Aは、リスク計量装置がリスク量を計量する単位である計量単位を構成する要素別の損失データである。例えば、損失分布手法のリスク計量装置が、複数の業務部門を纏めた業務セルと呼ばれる単位毎に、各業務セルに関する入力データから頻度分布と規模分布とを予測し、業務セル毎の総損失額の分布を予測している場合、業務セルが1つの計量単位となり、業務セルを構成する個々の業務部門が基本要素となる。図7は基本要素別の損失データ24Aの構成例である。この例の基本要素別の損失データ24Aは、第1から第nまでの合計n個の基本要素別に分けられている。個々の基本要素別の損失データ24Aiは、それぞれx個、y個、…、z個の損失データから構成される。個々の損失データ24A11、24A12、…、24A1x、24A21、24A22、…、24A2y、…、24An1、24An2、…、24Anzは、第1の実施形態で説明した損失データ14A1等と同様に、損失データを一意に識別するための識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。
係数テーブル24Bは、第1の実施形態における係数テーブル14Bと同じである。
計量単位のリスク量24Dは、リスク計量装置が計量した計量単位のリスク量である。例えばリスク計量装置が業務セルと呼ばれる単位毎に、総損失額の分布における99.9%VaR額を計算しているならば、計量単位のリスク量24Dは、業務セル毎に計算された99.9%VaR額を表している。
中間情報24Cは、プロセッサ25の演算過程で生成される中間ないし最終的なデータである。図8は中間情報24Cの構成例である。この例の中間情報24Cは、基本要素1の損失データ24A1中の個々の損失データ24A11、24A12、…、24A1xに1対1に対応する個別データVaR額24C11、24C12、…、24C1xから構成される基本要素1の個別データVaR額24C1、基本要素2の損失データ24A2中の個々の損失データ24A21、24A22、…、24A2yに1対1に対応する個別データVaR額24C21、24C22、…、24C2yから構成される基本要素2の個別データVaR額24C2、…、基本要素nの損失データ24An中の個々の損失データ24An1、24An2、…、24Anzに1対1に対応する個別データVaR額24Cn1、24Cn2、…、24Cnzから構成される基本要素nの個別データVaR額24Cnを有する。また、中間情報24Cは、各基本要素毎の個別データVaR額の総和である累積値24Cm1、24Cm2、…、24Cmnと、この累積値24Cm1、24Cm2、…、24Cmnの総和である計量単位の累積値24Cmmを有する。さらに、中間情報24Cは、各基本要素別のリスク量24Cg1、24Cg2、…、24Cgnを有する。
プロセッサ25は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部24からプログラム24Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム24Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ25で実現される主な処理部として、入力格納部25A、個別データVaR額算出部25B、累積部25C、出力部25D、および基本要素別リスク量算出部25Eがある。
入力格納部25Aは、通信I/F部21または操作入力部22から、基本要素別の損失データ24A、係数テーブル24B、および計量単位のリスク量24Dを入力して、記憶部24に格納する機能を有する。
個別データVaR額算出部25Bは、基本要素別の損失データ24Aと係数テーブル24Bとを記憶部24から読み込み、基本要素かつ損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル24Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、個別データVaR額として記憶部24に記憶する機能を有する。
累積部25Cは、基本要素毎に、全ての個別データVaR額を記憶部24から読み込み、その総和を計算し、その計算結果を累積値24Cm1、24Cm2、…、24Cmnとして記憶部24に記憶する機能を有する。また、累積部25Cは、基本要素別の累積値24Cm1、24Cm2、…、24Cmnの総和を計算し、その計算結果を計量単位の累積値24Cmmとして記憶部24に記憶する機能を有する。
基本要素別リスク量算出部25Eは、計量単位のリスク量24Dと基本要素別の個別データVaR額の累積値24Cm1、24Cm2、…、24Cmnと計量単位の個別データVaR額の累積値24Cmmとを記憶部24から読み込み、各基本要素毎に、計量単位のリスク量24Dのうち、計量単位の個別データVaR額の累積値24Cmmに対する、当該基本要素の個別データVaR額の累積値24Cmiの割合に相当するリスク量を算出し、基本要素別のリスク量24Cg1、24Cg2、…、24Cgnとして記憶部24に記憶する機能を有する。
出力部25Dは、基本要素別のリスク量24Cg1、24Cg2、…、24Cgnを記憶部24から読み込み、画面表示部23に出力し、あるいは通信I/F部21を通じて外部に出力する機能を有する。
次に、図9を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置2の動作について説明する。
まず、入力格納部25Aは、基本要素別の損失データ24A、係数テーブル24B、および計量単位のリスク量24Dを、通信I/F部21または操作入力部22から入力し、記憶部24に格納する(ステップS11)。
次に、個別データVaR額算出部25Bは、基本要素かつ損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル24Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、個別データVaR額として記憶部24に記憶する(ステップS12)。
次に、累積部25Cは、基本要素毎に全ての個別データVaR額を累積し、さらにその総和を計算し、計算結果を基本要素1の累積値24Cm1、基本要素2の累積値24Cm2、…、基本要素nの累積値24Cmn、計量単位の累積値24Cmmとして記憶部24に記憶する(ステップS13)。
次に、基本要素別リスク量算出部25Eは、各基本要素毎に、計量単位のリスク量24Dのうち、計量単位の個別データVaR額の累積値24Cmmに対する、当該基本要素の個別データVaR額の累積値24Cmiの割合に相当するリスク量を算出し、基本要素別のリスク量24Cg1、24Cg2、…、24Cgnとして記憶部24に記憶する(ステップS14)。
最後に、出力部25Dは、基本要素別のリスク量24Cg1、24Cg2、…、24Cgnを画面表示部23に出力し、あるいは通信I/F部21を通じて外部に出力する(ステップS15)。
このように本実施形態によれば、リスク計量装置が計量する計量単位毎のリスク量から、その計量単位を構成する基本要素別のリスク量を算出することができる。これにより、一つの業務セルを構成する業務部門毎のリスク量がどの程度になるかを分析するという成分分析を簡易に実施することが可能になる。その理由は、計量単位全体のリスク量から各基本要素別のリスク量を求めるのに必要な、全体に占める各基本要素の比率を近似計算で求めることにより、その比率をリスク計量装置を使用して求める場合に比べて計算量が遥かに少なくなるためである。
[第3の実施形態]
図10を参照すると、本発明の第3の実施形態にかかるリスク管理装置3は、損失データに基づいてVaRを近似計算する機能を利用して、リスク削減策の効果の期待度が大きいシナリオデータを決定する機能を有している。
リスク管理装置3は、主な機能部として、通信I/F部31、操作入力部32、画面表示部33、記憶部34、およびプロセッサ35を有する。
通信I/F部31、操作入力部32、および画面表示部33は、第1の実施形態における図1の通信I/F部11、操作入力部12、および画面表示部13と同じ機能を有している。
記憶部34は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ35での各種処理に必要な処理情報やプログラム34Pを記憶する機能を有している。プログラム34Pは、プロセッサ35に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部31などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部34に保存される。記憶部34で記憶される主な処理情報として、第1のシナリオデータ34E、第2のシナリオデータ34F、係数テーブル34B、および中間情報34Cがある。
第1のシナリオデータ34Eは、リスク削減策の効果の期待度の大きさを調べたい1以上のシナリオデータから構成される。図11は第1のシナリオデータ34Eの構成例である。この例の第1のシナリオデータ34Eは、n個のシナリオデータ34E1〜34Enから構成される。個々のシナリオデータ34Eiは、そのシナリオデータを一意に識別するための識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。これらの損失額および損失発生頻度は、現状のリスク削減策を前提として予測された値である。すなわち、シナリオデータにおける損失額および損失発生頻度は、シナリオ毎にリスク評価および内部統制状況評価を行い、その評価結果に基づいて予測される。第1のシナリオデータの損失額および損失発生頻度は、現状のリスク削減策を考慮して予測された値である。
第2のシナリオデータ34Fは、第1のシナリオデータ34E中のシナリオデータと1対1に対応する1以上のシナリオデータから構成される。図12は第2のシナリオデータ34Fの構成例である。この例の第2のシナリオデータ34Fは、第1のシナリオデータ34E1〜34Enに1対1に対応するn個のシナリオデータ34F1〜34Fnから構成される。個々のシナリオデータ34Fiは、対応する第1のシナリオデータの識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。シナリオデータ34Fiにおける損失額および損失発生頻度は、当該シナリオにおけるリスク評価および内部統制状況評価をほぼ満点と仮定した場合に予測される値としている。従って、現状の評価結果がより低いシナリオほど、一般的に、第2のシナリオデータの損失額および損失発生頻度は対応する第1のシナリオデータの損失額および損失発生頻度に比べてより小さくなる傾向がある。その理由は、リスク削減策を強化すればするほど、一般的に、損失が発生する頻度が小さくなり、また1回当たりの損失額が小さくなると考えられるからである。
係数テーブル34Bは、第1の実施形態における係数テーブル14Bと同じである。
中間情報34Cは、プロセッサ35の演算過程で生成される中間ないし最終的なデータである。図13は中間情報34Cの構成例である。この例の中間情報34Cは、第1のシナリオデータ34E1〜34Enに1対1に対応する第1の個別データVaR額34C11〜34C1nから構成される第1のシナリオデータの個別データVaR額34C1、第2のシナリオデータ34F1〜34Fnに1対1に対応する第2の個別データVaR額34C21〜34C2nから構成される第2のシナリオデータの個別データVaR額34C2、第1の個別データVaR額とそれに対応する第2の個別データVaR額との差分値34C31〜34C3n、および差分値34C31〜34C3nのソート結果34C4を有する。それぞれの第1、第2の個別データVaR額、差分値には、対応する第1のシナリオデータの識別子(ID)が付加されている。
プロセッサ35は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部34からプログラム34Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム34Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ35で実現される主な処理部として、入力格納部35A、個別データVaR額算出部35B、出力部35D、差分算出部35F、およびソート部35Gがある。
入力格納部35Aは、通信I/F部31または操作入力部32から、第1のシナリオデータ34E、第2のシナリオデータ34F、および係数テーブル34Bを入力して、記憶部34に格納する機能を有する。
個別データVaR額算出部35Bは、第1のシナリオデータ34Eと第2のシナリオデータ34Fと係数テーブル34Bとを記憶部34から読み込み、第1のシナリオデータ毎に、そのシナリオデータに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル34Bに保持されている係数とそのシナリオデータに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、第1の個別データVaR額34C11〜34C1nとして記憶部34に記憶する機能を有する。 また、個別データVaR額算出部35Bは、第2のシナリオデータ毎に、そのシナリオデータに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル34Bに保持されている係数とそのシナリオデータに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、第2の個別データVaR額34C21〜34C2nとして記憶部34に記憶する機能を有する。
差分算出部35Fは、第1の個別データVaR額34C11〜34C1nと第2の個別データVaR額34C21〜34C2nとを記憶部34から読み込み、対応する第1および第2の個別データVaR額の組合せ毎に、第1の個別データVaR額から第2の個別データVaR額を差し引いた額を算出し、差分値34C1〜34Cnとして記憶部34に記憶する機能を有する。
ソート部35Gは、差分値34C1〜34Cnを記憶部34から読み込み、値の大きい順にソートし、そのソート結果34C4を記憶部34に記憶する機能を有する。
出力部35Dは、ソート結果34C4を記憶部34から読み込み、値の大きい上位m件(mは予め定められた整数)の差分値あるいは予め定められた額以上の差分値に付加されている第1のシナリオデータの識別子およびその差分値を、リスク削減策の効果の期待度が大きいシナリオデータの識別子および削減可能額として、画面表示部33に出力し、あるいは通信I/F部31を通じて外部に出力する機能を有する。
次に、図14を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置3の動作について説明する。
まず、入力格納部35Aは、通信I/F部31または操作入力部32から、第1のシナリオデータ34E、第2のシナリオデータ34F、および係数テーブル34Bを入力して、記憶部34に格納する(ステップS21)。
次に、個別データVaR額算出部35Bは、第1のシナリオデータ34Eiおよび第2のシナリオデータ34Fiに含まれるシナリオデータ毎に、そのシナリオデータに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル34Bに保持されている係数とそのシナリオデータに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、第1の個別データVaR額34C1iおよび第2の個別データVaR額34C2iとして記憶部34に記憶する(ステップS22)。
次に、差分算出部35Fは、対応する第1および第2の個別データVaR額の組合せ毎に、第1の個別データVaR額34C1iから第2の個別データVaR額34C2iを差し引いた額を算出し、差分値34Cmiとして記憶部34に記憶する(ステップS23)。
次に、ソート部35Gは、差分値34Cm1〜34Cmnを値の大きい順にソートし、そのソート結果34C4を記憶部34に記憶する(ステップS24)。
最後に、出力部35Cは、ソート結果34C4中の上位m件(mは予め定められた整数)の差分値あるいは予め定められた額以上の差分値に付加されている第1のシナリオデータの識別子およびその差分値を、リスク削減策の効果の期待度が大きいシナリオデータの識別子および削減可能額として、画面表示部33に出力し、あるいは通信I/F部31を通じて外部に出力する(ステップS25)。
このように本実施形態によれば、シナリオデータの損失額および損失発生頻度の少なくとも一方がリスク削減策の効果により改善した場合に、VaR額がどの程度削減されるかをシナリオデータ単位で調べることによって、リスク削減策の効果の期待度が大きいシナリオはどのシナリオであるかを分析するという一種の成分分析を簡易に実施することが可能になる。その理由は、シナリオデータの損失額および損失発生頻度の少なくとも一方が変化した場合にVaR額がどのように変化するかを近似計算によって求めることができるため、同じことをリスク計量装置を使用して求める場合に比べて計算量が遥かに少なくなるためである。
[第4の実施形態]
図15を参照すると、本発明の第4の実施形態にかかるリスク管理装置4は、損失データに基づいてVaRを近似計算する機能を利用して、損失データの変化に起因するVaR額の変化量を算出する機能を有している。
リスク管理装置4は、主な機能部として、通信I/F部41、操作入力部42、画面表示部43、記憶部44、およびプロセッサ45を有する。
通信I/F部41、操作入力部42、および画面表示部43は、第1の実施形態における図1の通信I/F部11、操作入力部12、および画面表示部13と同じ機能を有している。
記憶部44は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ45での各種処理に必要な処理情報やプログラム44Pを記憶する機能を有している。プログラム44Pは、プロセッサ45に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部41などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部44に保存される。記憶部44で記憶される主な処理情報として、第1の損失データ44A、第2の損失データ44G、第1のリスク量44H、係数テーブル44B、および中間情報44Cがある。
第1の損失データ44Aは、第1の実施形態における図1の損失データ14Aと同じく、損失額と損失発生頻度とを含むデータである。図16は、損失データ44Aの構成例である。この例の損失データ44Aは、合計n個の損失データ44A1〜44Anから構成される。個々の損失データは、損失データを一意に識別するための識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。
第2の損失データ44Gは、第1の損失データ44Aと同じく、損失額と損失発生頻度とを含むデータである。図17は、損失データ44Gの構成例である。この例の損失データ44Gは、第1の損失データ44Aと同じく合計n個の損失データ44G1〜44Gnから構成されているが、必ずしも個数が同じである必要はない。個々の損失データは、損失データを一意に識別するための識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。
第1の損失データ44Aと第2の損失データ44Gとの関係は、任意でよい。例えば、第2の損失データ44Gは、第1の損失データ44Aと1対1に対応する損失データを有し、一部の損失データの損失額および損失発生頻度の少なくとも一方が、対応する第2の損失データの損失額および損失発生頻度に比べて異なる値になっていてよい。このようなケースとして、リスク削減策の強化によって一部の損失データの損失額および損失発生頻度が前期に比べて小さくなったケースが考えられる。また、別のケースとして、株価のボラティリティの変化や業務量の変化等の業務環境の変化によって一部の損失データの損失額および損失発生頻度が前期に比べて変化したケースが考えられる。
第1のリスク量44Hは、第1の損失データ44Aに基づいて、近似対象となるリスク計量装置が計量したリスク量、例えば99.9%VaR額である。
係数テーブル44Bは、第1の実施形態における係数テーブル14Bと同じである。
中間情報44Cは、プロセッサ45の演算過程で生成される中間ないし最終的なデータである。図18は中間情報44Cの構成例である。この例の中間情報44Cは、第1の損失データ44A1〜44Anに1対1に対応する第1の個別データVaR額44C11〜44C1nから構成される第1の損失データの個別データVaR額44C1、第2の損失データ44G1〜44Gnに1対1に対応する第2の個別データVaR額44C21〜44C2nから構成される第2の損失データの個別データVaR額44C2、第1の個別データVaR額44C11〜44C1nの総和である第1の近似リスク量44C3、第2の個別データVaR額44C21〜44C2nの総和である第2の近似リスク量44C4、第1の近似リスク量44C3に対する第1のリスク量44Hの割合である近似比率44C5、第2の近似リスク量44Cに近似比率44C5を乗じた値である第2のリスク量44C6、および第1のリスク量44Hと第2のリスク量44C6との差であるリスク量の増減額44C7を有する。
プロセッサ45は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部44からプログラム44Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム44Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ45で実現される主な処理部として、入力格納部45A、個別データVaR額算出部45B、累積部45C、比率算出部45H、第2のリスク量算出部45I、差分算出部45J、および出力部45Dがある。
入力格納部45Aは、通信I/F部41または操作入力部42から、第1の損失データ44A、第2の損失データ44G、第1のリスク量44H、および係数テーブル44Bを入力して、記憶部44に格納する機能を有する。
個別データVaR額算出部45Bは、第1の損失データ44Aと第2の損失データ44Gと係数テーブル44Bとを記憶部44から読み込み、第1の損失データ44Aに含まれる損失データ44Ai毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル44Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、第1の個別データVaR額44C11〜44C1nとして記憶部44に記憶する機能を有する。また、個別データVaR額算出部45Bは、第2の損失データに含まれる損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル44Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、第2の個別データVaR額44C21〜44C2nとして記憶部44に記憶する機能を有する。
累積部45Cは、第1の個別データVaR額44C11〜44C1nを記憶部44から読み込み、それらを累積した第1の近似リスク量44C3を記憶部44に記憶する機能を有する。また、累積部45Cは、第2の個別データVaR額44C21〜44C2nを記憶部44から読み込み、それらを累積した第2の近似リスク量44C4を記憶部44に記憶する機能を有する。
比率算出部45Hは、第1のリスク量44Hと第1の近似リスク量44C3とを記憶部44から読み込み、第1のリスク量44Hを第1の近似リスク量44C3で割った値を近似比率44C5として記憶部44に記憶する機能を有する。
第2のリスク量算出部45Iは、第2の近似リスク量44C4と近似比率44C5とを記憶部44から読み込み、第2の近似リスク量44C4に近似比率44C5を乗じた値を、第2のリスク量44C6として記憶部44に記憶する機能を有する。
差分算出部45Jは、第1のリスク量44Hと第2のリスク量44C6とを記憶部44から読み込み、第2のリスク量44C6から第1のリスク量44Hを減算した値を、第1の損失データ44Aと第2の損失データ44Gとの間の差に起因するリスク量の増減額44C7として記憶部44に記憶する機能を有する。
出力部45Dは、リスク量の増減額44C7を記憶部44から読み込み、第1の損失データ44Aと第2の損失データ44Gとの間の差に起因するリスク量の増減額として、画面表示部43に出力し、あるいは通信I/F部41を通じて外部に出力する機能を有する。
次に、図19を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置4の動作について説明する。
まず、入力格納部45Aは、通信I/F部41または操作入力部42から、第1の損失データ44A、第2の損失データ44G、第1のリスク量44H、および係数テーブル44Bを入力して、記憶部44に格納する(ステップS31)。
次に、個別データVaR額算出部45Bは、第1の損失データ44Aおよび第2の損失データ44Gに含まれる損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度に対応して係数テーブル44Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額とを乗算して、第1の個別データVaR額44C11〜44C1nおよび第2の個別データVaR額44C21〜44C2nを算出する(ステップS32)。
次に、累積部45Cは、第1の個別データVaR額44C11〜44C1nの総和である第1の近似リスク量44C3、および第2の個別データVaR額44C21〜44C2nの総和である第2の近似リスク量44C4を算出する(ステップS33)。
次に、比率算出部45Hは、第1のリスク量44Hを第1の近似リスク量44C3で割って近似比率44C5を算出する(ステップS34)。
次に、第2のリスク量算出部45Iは、第2の近似リスク量44C4と近似比率44C5とを掛け合わせて、第2のリスク量44C6を算出する(ステップS35)。
次に、差分算出部45Jは、第2のリスク量44C6から第1のリスク量44Hを減算して、リスク量の増減額44C7を算出する(ステップS36)。
最後に、出力部45Dは、リスク量の増減額44C7を、第1の損失データ44Aと第2の損失データ44Gとの間の差に起因するリスク量の増減額として、画面表示部43に出力し、あるいは通信I/F部41を通じて外部に出力する(ステップS37)。
このように本実施形態によれば、損失データが第1の損失データ44Aから第2の損失データ44Gに変化した場合に、その変化に起因するVaR額の変化量を高速に算出することができる。その理由は、第2の損失データに基づくリスク量を近似計算によって求めることができるため、第2の損失データに基づくリスク量をリスク計量装置を使用して求める場合に比べて計算量が遥かに少なくなるためである。
[第5の実施形態]
図20を参照すると、本発明の第5の実施形態にかかるリスク管理装置5は、損失データに基づいてVaRを近似計算する機能を利用して、VaR額増減の要因を分析する機能を有している。
リスク管理装置5は、主な機能部として、通信I/F部51、操作入力部52、画面表示部53、記憶部54、およびプロセッサ55を有する。
通信I/F部51、操作入力部52、および画面表示部53は、第1の実施形態における図1の通信I/F部11、操作入力部12、および画面表示部13と同じ機能を有している。
記憶部54は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ55での各種処理に必要な処理情報やプログラム54Pを記憶する機能を有している。プログラム54Pは、プロセッサ55に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部51などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部54に保存される。記憶部54で記憶される主な処理情報として、第1の損失データ54A、第2の損失データ54G、差分要因情報54I、第1のリスク量54H、第2のリスク量54J、係数テーブル54B、および中間情報54Cがある。
第1の損失データ54Aは、第1の実施形態における図1の損失データ14Aと同じく、損失額と損失発生頻度とを含むデータである。図21は、損失データ54Aの構成例である。この例の損失データ54Aは、合計n個の損失データ54A1〜54Anから構成される。個々の損失データは、損失データを一意に識別するための識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。
第2の損失データ54Gは、第1の損失データ54Aと同じく、損失額と損失発生頻度とを含むデータである。図22は、損失データ54Gの構成例である。この例の損失データ54Gは、第1の損失データ54Aと1対1に対応する合計n個の損失データ54G1〜54Gnから構成される。個々の損失データは、対応する第1の損失データの識別子(ID)、損失額b、および損失発生頻度λを有する。
第1の損失データ54Aと第2の損失データ54Gとの関係は、任意でよい。例えば、第1の損失データ54Aが前期のリスク量の計量に使用された損失データであり、第2の損失データ54Gが今期のリスク量の計量に使用された損失データであってよい。前後の期どうしでなく、離れた期の損失データどうしであってもよい。
差分要因情報54Iは、第1の損失データ54Aと第2の損失データ54Gとの間の差分の要因を表す情報である。図23は差分要因情報54Iの構成例である。この例の差分要因情報54Iは、リスク削減策の変更および業務環境の変化という2つの要因別に、変化した損失データのIDと変化内容とを記述している。例えば、1行目の情報は、リスク削減策の変更により、ID2の損失データの損失発生頻度がλ12からλ22に変化したことを表している。また、2行目の情報は、リスク削減策の変更により、ID3の損失データの損失発生頻度がλ13からλ23に変化したことを表している。また、3行目の情報は、業務環境の変化により、ID1の損失データの損失額がb11からb21に変化したことを表している。また、4行目の情報は、業務環境の変化により、ID2の損失データの損失額がb12からb22に変化したことを表している。
第1のリスク量54Hは、第1の損失データ54Aに基づいて、近似対象となるリスク計量装置が計量したリスク量、例えば99.9%VaR額である。また、第2のリスク量54Jは、第2の損失データ54Gに基づいて、近似対象となるリスク計量装置が計量したリスク量、例えば99.9%VaR額である。第1および第2のリスク量は、リスク計量装置が直接計量したリスク量でなく、本発明の第2の実施形態により算出された或る基本要素(部門)のリスク量であってもよい。
係数テーブル54Bは、第1の実施形態における係数テーブル14Bと同じである。
中間情報54Cは、プロセッサ55の演算過程で生成される中間ないし最終的なデータである。図24は中間情報54Cの構成例である。この例の中間情報54Cは、第1の損失データ54A1〜54Anに1対1に対応する第1の個別データVaR額54C11〜54C1nから構成される第1の損失データの個別データVaR額54C1、第2の損失データ54G1〜54Gnに1対1に対応する第2の個別データVaR額54C21〜54C2nから構成される第2の損失データの個別データVaR額54C2、第2の損失データ54G1〜54Gn中のリスク削減策に起因する損失額および損失発生頻度の変化だけを第1の損失データ54A1〜54Anに反映した後の第1の損失データに1対1に対応する中間の個別データVaR額54C31〜54C3nから構成される中間の個別データVaR額54C3、第1の個別データVaR額54C11〜54C1nの総和である第1の近似リスク量54C41、第2の個別データVaR額54C21〜54C2nの総和である第2の近似リスク量54C42、中間の個別データVaR額54C31〜54C3nの総和である中間の近似リスク量54C43を有する。
また、中間情報54Cは、第1の近似リスク量54C41に対する第1のリスク量54Hの割合である近似比率54C5、中間の近似リスク量54C43に近似比率54C5を乗じた値である第1の中間のリスク量54C61、第2の近似リスク量54C42に近似比率54C5を乗じた値である第2の中間のリスク量54C62、第1の中間のリスク量54C61から第1のリスク量54Hを差し引いた残りのリスク量である、リスク削減策に起因するリスク量の増減額54C71、第2の中間のリスク量54C62から第1の中間のリスク量54C61を差し引いた残りのリスク量である、業務環境変化に起因するリスク量の増減額54C72、および第2のリスク量54Jから第2の中間のリスク量54C62を差し引いた残りのリスク量である、計量モデルに起因するリスク量の増減額54C73を有する。
プロセッサ55は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部54からプログラム54Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム54Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ55で実現される主な処理部として、入力格納部55A、個別データVaR額算出部55B、累積部55C、比率算出部55H、中間リスク量算出部55I、差分算出部55J、および出力部55Dがある。
入力格納部55Aは、通信I/F部51または操作入力部52から、第1の損失データ54A、第2の損失データ54G、差分要因情報54I、第1のリスク量54H、第2のリスク量54J、および係数テーブル54Bを入力して、記憶部54に格納する機能を有する。
個別データVaR額算出部55Bは、第1の損失データ54A、第2の損失データ54G、差分要因情報54I、および係数テーブル54Bを記憶部54から読み込み、第1の損失データ54Aに含まれる損失データ54Ai毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル54Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、第1の個別データVaR額54C11〜54C1nとして記憶部54に記憶する機能を有する。また、個別データVaR額算出部55Bは、第2の損失データに含まれる損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル54Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、第2の個別データVaR額54C21〜54C2nとして記憶部54に記憶する機能を有する。
さらに、個別データVaR額算出部55Bは、第2の損失データ54G1〜54Gn中のリスク削減策に起因する損失額および損失発生頻度の変化だけを第1の損失データ54A1〜54Anに反映した後の第1の損失データを生成する機能を有する。例えば、差分要因情報54Iが図23に示される場合、個別データVaR額算出部55Bは、第1の損失データ54A2の損失発生頻度をλ12からλ22に変更し、第1の損失データ54A3の損失発生頻度をλ13からλ23へ変更する。また、個別データVaR額算出部55Bは、このような変更を行った後の第1の損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル54Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を算出し、中間の個別データVaR額54C31〜54C3nとして記憶部54に記憶する機能を有する。
累積部55Cは、第1の個別データVaR額54C11〜54C1nを記憶部54から読み込み、それらを累積した第1の近似リスク量54C41を記憶部54に記憶する機能を有する。また、累積部55Cは、第2の個別データVaR額54C21〜54C2nを記憶部54から読み込み、それらを累積した第2の近似リスク量54C42を記憶部54に記憶する機能を有する。さらに、累積部55Cは、中間の個別データVaR額54C31〜54C3nを記憶部54から読み込み、それらを累積した中間の近似リスク量54C43を記憶部54に記憶する機能を有する。
比率算出部55Hは、第1のリスク量54Hと第1の近似リスク量54C41とを記憶部54から読み込み、第1のリスク量54Hを第1の近似リスク量54C41で割った値を近似比率54C5として記憶部54に記憶する機能を有する。
中間リスク量算出部55Iは、中間の近似リスク量54C43と第2の近似リスク量54C42と近似比率54C5とを記憶部54から読み込み、中間の近似リスク量54C43に近似比率54C5を乗じた値を第1の中間のリスク量54C61として、また、第2の近似リスク量54C42に近似比率54C5を乗じた値を第2の中間のリスク量54C62として、それぞれ算出して記憶部54に記憶する機能を有する。
差分算出部55Jは、第1のリスク量54H、第2のリスク量54J、第1の中間のリスク量54C61、および第2の中間のリスク量54C62を記憶部54から読み込み、第1の中間のリスク量54C61から第1のリスク量54Hを差し引いた残りの値をリスク削減策に起因するリスク量の増減額54C71、第2の中間のリスク量54C62から第1の中間のリスク量54C61を差し引いた残りのリスク量を業務環境変化に起因するリスク量の増減額54C72として、それぞれ算出して記憶部54に記憶する機能を有する。また、差分算出部55Jは、第2のリスク量54Jから第2の中間のリスク量54C62を差し引いた残りのリスク量を、計量モデルに起因するリスク量の増減額54C73として算出して記憶部54に記憶する機能を有していてもよい。
出力部55Dは、リスク削減策に起因するリスク量の増減額54C71、および業務環境変化に起因するリスク量の増減額54C72を記憶部54から読み込み、画面表示部53に出力し、あるいは通信I/F部51を通じて外部に出力する機能を有する。また、出力部55Dは、計量モデルに起因するリスク量の増減額54C73を記憶部54から読み込み、画面表示部53に出力し、あるいは通信I/F部51を通じて外部に出力する機能を有していてもよい。
次に、図25を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置5の動作について説明する。
まず、入力格納部55Aは、通信I/F部51または操作入力部52から、第1の損失データ54A、第2の損失データ54G、差分要因情報54I、第1のリスク量54H、および第2のリスク量54Jを入力して、記憶部54に格納する(ステップS41)。
次に、個別データVaR額算出部55Bは、第1の損失データ54Aに含まれる損失データ54Ai毎、第2の損失データ54Gに含まれる損失データ54Gi毎、および第2の損失データ54G1〜54Gn中のリスク削減策に起因する損失額および損失発生頻度の変化だけを第1の損失データ54A1〜54Anに反映した後の第1の損失データ毎に、その損失データに含まれる損失発生頻度λiに対応して係数テーブル54Bに保持されている係数とその損失データに含まれる損失額biとの乗算値を、それぞれ、第1の個別データVaR額54C11〜54C1n、第2の個別データVaR額54C21〜54C2n、および中間の個別データVaR額54C31〜54C3nとして算出する(ステップS42)。
次に、累積部55Cは、第1の個別データVaR額54C11〜54C1nの累積値、第2の個別データVaR額54C21〜54C2nの累積値、および中間の個別データVaR額54C31〜54C3nの累積値を、それぞれ第1の近似リスク量54C41、第2の近似リスク量54C42、および中間の近似リスク量54C43として算出する(ステップS43)。
次に、比率算出部55Hは、第1のリスク量54Hを第1の近似リスク量54C41で割った値を近似比率54C5として算出する(ステップS44)。第1のリスク量54Hと第1の近似リスク量54C41とは、同じ第1の損失データ54Aに基づくリスク量であるが、第1のリスク量54Hが近似対象のリスク計量装置で計量されたリスク量に基づいているのに対して、第1の近似リスク量54C41は係数テーブル54Bを用いた近似計算により算出されている。すなわち、計量モデルが相違するので、完全には一致しない。近似比率54C5は、近似計算したリスク量をリスク計量装置のリスク量に適合させるための補正率としての役割を担っている。
次に、中間リスク量算出部55Iは、中間の近似リスク量54C43に近似比率54C5を乗じた値、および第2の近似リスク量54C42に近似比率54C5を乗じた値を、それぞれ第1の中間のリスク量54C61、および第2の中間のリスク量54C62として算出する(ステップS45)。第1の中間のリスク量54C61は、第1の損失データ54Aに対してリスク削減策に起因する変化分だけを反映した損失データに基づく中間の近似リスク量54C43を、近似比率54C5によって補正したものであるので、第1の損失データ54Aに対してリスク削減策に起因する変化分だけを反映した損失データに基づいてリスク計量装置で計量したリスク量の近似値になる。また、第2の中間のリスク量54C62は、第2の損失データ54Gに基づく第2の近似リスク量54C42を、近似比率54C5によって補正したものであるので、第2の損失データ54Gに基づいてリスク計量装置で計量したリスク量の近似値になる。
次に、差分算出部55Jは、第1の中間のリスク量54C61から第1のリスク量54Hを差し引いた残りのリスク量、および第2の中間のリスク量54C62から第1の中間のリスク量54C61を差し引いた残りのリスク量を、それぞれ、リスク削減策に起因するリスク量の増減額54C71、および業務環境変化に起因するリスク量の増減額54C72として算出する(ステップS46)。このとき差分算出部55Jは、第2のリスク量
54Jから第2の中間のリスク量54C62を差し引いた残りのリスク量を、計量モデルに起因するリスク量の増減額54C73として算出しておいてもよい。
最後に、出力部55Dは、リスク削減策に起因するリスク量の増減額54C71、および業務環境変化に起因するリスク量の増減額54C72を画面表示部53に出力し、あるいは通信I/F部51を通じて外部に出力する(ステップS47)。このとき出力部55Dは、計量モデルに起因するリスク量の増減額54C73を画面表示部53に出力し、あるいは通信I/F部51を通じて外部に出力してもよい(ステップS47)。
このように本実施形態によれば、損失データに基づいてVaRを近似計算する機能を利用して、VaR額増減の要因を少ない計算量で分析することができる。その理由は、特定の要因による損失額および損失発生頻度の変化だけを第1の損失データに反映した中間の損失データに基づくリスク量を近似計算によって求めることができるため、同じ計算をリスク計量装置を使用して行う場合に比べて計算量が遥かに少なくなるためである。
本実施形態では、リスク削減策に起因する増減額、業務環境変化に起因する増減額、計量モデルに起因する増減額という3つの要因の増減額を算出した。しかし、本発明はこれに限られず、リスク削減策に起因する増減額のみや、業務環境変化に起因する増減額のみなど、特定の1つの要因に起因する増減額だけを求める場合にも適用可能である。また、リスク削減策を更に細分化すること等によって、より詳細な要因に分解する場合にも適用可能である。
以上本発明を幾つかの実施形態を挙げて説明したが、本発明は以上の実施形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、貸出業務などの信用取引にかかる信用リスクや、為替および金利取引にかかる市場リスクなど、オペレーショナルリスク以外のリスクに対しても本発明は適用可能である。
本発明は、損失額と損失発生頻度とを含む損失データから簡易な方法でリスク量を算出したり、資本配賦や成分分析等を行う際に利用できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
損失額と損失発生頻度とを含む損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶する記憶手段と、
前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する個別データVaR額算出手段と
を備えることを特徴とするリスク管理装置。
[付記2]
損失データ毎に算出された前記乗算値の累積値を算出する累積手段を
備えることを特徴とする付記1に記載のリスク管理装置。
[付記3]
損失分布手法のリスク計量装置がリスク量を計量する単位を計量単位、該計量単位を構成する要素を基本要素と呼ぶとき、損失額と損失発生頻度とを含む基本要素別の損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルと、前記計量単位について前記リスク計量装置が計量したリスク量とを記憶する記憶手段と、
前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する個別データVaR額算出手段と、
前記計量単位に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値と、各基本要素に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値とを算出する累積手段と、
前記リスク推定装置によって前記計量単位について算出された前記リスク量のうち、前記計量単位に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値に対する、特定の前記基本要素に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値の割合に相当するリスク量を、前記特定の基本要素のリスク量として算出する基本要素別リスク量算出手段と
を備えることを特徴とするリスク管理装置。
[付記4]
損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1のシナリオデータと、該第1のシナリオデータにおける損失額および損失発生頻度の少なくとも一方を変更した1以上の第2のシナリオデータと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶する記憶手段と、
前記第1および第2のシナリオデータ毎に、そのシナリオデータに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数とそのシナリオデータに含まれる損失額との乗算値を算出する個別データVaR額算出手段と、
前記第1のシナリオデータと前記第1のシナリオデータにおける損失額および損失発生頻度の少なくとも一方を変更した前記第2のシナリオデータとの組合せ毎に、前記第1のシナリオデータに関する前記乗算値と前記第2のシナリオデータに関する前記乗算値との差分値を算出する差分算出手段と
を備えることを特徴とするリスク管理装置。
[付記5]
損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1の損失データと、該第1の損失データに基づいてリスク計量装置で計量された第1のリスク量と、損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第2の損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶する記憶手段と、
前記第1および第2の損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する個別データVaR額算出手段と、
前記第1および第2の損失データ毎に、前記算出された前記乗算値を累積した第1および第2の近似リスク量を算出する累積手段と、
前記第1の近似リスク量に対する前記第1のリスク量の割合を、近似比率として算出する比率算出手段と、
前記第2の近似リスク量に前記近似比率を乗じた値を、第2のリスク量として算出する第2のリスク量算出手段と、
前記第1のリスク量と前記第2のリスク量との差を、前記第1および第2の損失データ間の差に起因するリスク量の増減額として算出する差分算出手段と
を備えることを特徴とするリスク管理装置。
[付記6]
損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1の損失データと、該第1の損失データに基づいてリスク計量装置で計量された第1のリスク量と、損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第2の損失データと、前記第1および第2の損失データ間の差分要因情報と、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶する記憶手段と、
前記第1の損失データ毎、および前記第2の損失データ中の特定の要因による損失額および損失発生頻度の変化だけを前記第1の損失データに反映した中間の損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する個別データVaR額算出手段と、
前記第1の損失データおよび前記中間の損失データ毎に、前記算出された前記乗算値を累積した第1の近似リスク量および中間の近似リスク量を算出する累積手段と、
前記第1の近似リスク量に対する前記第1のリスク量の割合を、近似比率として算出する比率算出手段と、
前記中間の近似リスク量に前記近似比率を乗じた値を中間のリスク量として算出する中間リスク量算出手段と、
前記第1のリスク量と前記中間のリスク量との差を、前記第1および前記第2の損失データ間における前記特定の要因に起因するリスク量の増減額として算出する差分算出手段と
を備えることを特徴とするリスク管理装置。
[付記7]
損失額と損失発生頻度とを含む損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶する記憶手段と、個別データVaR額算出手段とを有するリスク管理装置が実行するリスク管理方法であって、
前記個別データVaR額算出手段が、
前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する
ことを特徴とするリスク管理方法。
[付記8]
損失額と損失発生頻度とを含む損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶する記憶手段を有するコンピュータを、
前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する個別データVaR額算出手段
として機能させるためのプログラム。
1、2、3、4、5…リスク管理装置
11、21、31、41、51…通信I/F部
12、22、32、42、52…操作入力部
13、23、33、43、53…画面表示部
14、24、34、44、54…記憶部
15、25、35、45、55…プロセッサ

Claims (8)

  1. 損失額と損失発生頻度とを含む損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する
    ようにプログラムされていることを特徴とするリスク管理装置。
  2. 前記プロセッサは、さらに、
    損失データ毎に算出された前記乗算値の累積値を算出する
    ようにプログラムされていることを特徴とする請求項1に記載のリスク管理装置。
  3. 損失分布手法のリスク計量装置がリスク量を計量する単位を計量単位、該計量単位を構成する要素を基本要素と呼ぶとき、損失額と損失発生頻度とを含む基本要素別の損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルと、前記計量単位について前記リスク計量装置が計量したリスク量とを記憶するメモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出し、
    前記計量単位に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値と、各基本要素に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値とを算出し、
    前記リスク推定装置によって前記計量単位について算出された前記リスク量のうち、前記計量単位に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値に対する、特定の前記基本要素に関する全ての損失データについて算出された前記乗算値の累積値の割合に相当するリスク量を、前記特定の基本要素のリスク量として算出する
    ようにプログラムされていることを特徴とするリスク管理装置。
  4. 損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1のシナリオデータと、該第1のシナリオデータにおける損失額および損失発生頻度の少なくとも一方を変更した1以上の第2のシナリオデータと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記第1および第2のシナリオデータ毎に、そのシナリオデータに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数とそのシナリオデータに含まれる損失額との乗算値を算出し、
    前記第1のシナリオデータと前記第1のシナリオデータにおける損失額および損失発生頻度の少なくとも一方を変更した前記第2のシナリオデータとの組合せ毎に、前記第1のシナリオデータに関する前記乗算値と前記第2のシナリオデータに関する前記乗算値との差分値を算出する
    ようにプログラムされていることを特徴とするリスク管理装置。
  5. 損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1の損失データと、該第1の損失データに基づいてリスク計量装置で計量された第1のリスク量と、損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第2の損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記第1および第2の損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出し、
    前記第1および第2の損失データ毎に、前記算出された前記乗算値を累積した第1および第2の近似リスク量を算出し、
    前記第1の近似リスク量に対する前記第1のリスク量の割合を、近似比率として算出し、
    前記第2の近似リスク量に前記近似比率を乗じた値を、第2のリスク量として算出し、
    前記第1のリスク量と前記第2のリスク量との差を、前記第1および第2の損失データ間の差に起因するリスク量の増減額として算出する
    ようにプログラムされていることを特徴とするリスク管理装置。
  6. 損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第1の損失データと、該第1の損失データに基づいてリスク計量装置で計量された第1のリスク量と、損失額と損失発生頻度とを含む1以上の第2の損失データと、前記第1および第2の損失データ間の差分要因情報と、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記第1の損失データ毎、および前記第2の損失データ中の特定の要因による損失額および損失発生頻度の変化だけを前記第1の損失データに反映した中間の損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出し、
    前記第1の損失データおよび前記中間の損失データ毎に、前記算出された前記乗算値を累積した第1の近似リスク量および中間の近似リスク量を算出し、
    前記第1の近似リスク量に対する前記第1のリスク量の割合を、近似比率として算出し、
    前記中間の近似リスク量に前記近似比率を乗じた値を中間のリスク量として算出し、
    前記第1のリスク量と前記中間のリスク量との差を、前記第1および前記第2の損失データ間における前記特定の要因に起因するリスク量の増減額として算出する
    ようにプログラムされていることを特徴とするリスク管理装置。
  7. 損失額と損失発生頻度とを含む損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリと、前記メモリに接続されたプロセッサとを備えるリスク管理装置が実行するリスク管理方法であって、
    前記プロセッサが、
    前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出する
    ことを特徴とするリスク管理方法。
  8. 損失額と損失発生頻度とを含む損失データと、前記損失発生頻度に対応して、前記損失発生頻度をパラメータとする確率分布の累積分布関数における下側α%点(αは予め定められた定数)となる発生数の値に等しい係数を保持する係数テーブルとを記憶するメモリに接続されたプロセッサに、
    前記損失データ毎に、前記損失データに含まれる損失発生頻度に対応して前記係数テーブルに保持されている係数と前記損失データに含まれる損失額との乗算値を算出するステップ、
    を実行させるためのプログラム。
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