JP5697146B2 - リスク管理装置 - Google Patents

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Description

本発明はリスク管理装置に関し、特に、リスク計量装置の入力となるシナリオデータにおける損失発生頻度を統計学的に検証する機能を有するリスク管理装置に関する。
一般に企業の業務は、地震やシステム障害、事務的なミス、詐欺など様々なオペレーショナルリスク(以下、単にリスクと称す)に遭遇する可能性がある。このため、リスク計量装置を使用してリスク量を計量し、リスクに対する対策を講じることが求められている。
リスク計量装置は、企業における未知のリスクプロファイルに関する断片的な情報を入力し、この入力データから当該企業のリスクプロファイルの特徴値(例えば、99.9%バリュー・アット・リスク(VaR))を計量する。リスク計量装置の入力データには、一般に内部損失データとシナリオデータとがある。内部損失データは、当該企業において実際に発生した損失事象に関するデータである。内部損失データは、どのような事象の内容について、どの程度の損失額が発生したかを表している。しかし、全ての事象の内容について必要十分な数の内部損失データを得ることは困難である。そこで、稀にしか発生していない事象内容や未だ一度も発生したことのない事象内容について、その発生頻度と損失額の推定値をシナリオデータとして見積り、リスク量の計量に利用している。
一般的なリスク計量装置は、損失分布手法と呼ばれる手法を用いて、VaRを計量している(例えば特許文献1および非特許文献1参照)。具体的には、まず、内部損失データの件数などから損失頻度分布を生成し、内部損失データおよびシナリオデータなどから損失規模分布を生成する。次に、モンテカルロ・シミュレーションにより、上記の損失頻度分布を用いて発生させた損失件数分の損失額を上記の損失規模分布から取り出して合算し、保有期間当たりの損失額を算出する処理を何万、何十万回と繰り返して損失額の分布を生成する。そして、この生成された損失額の分布から所定の信頼区間のVaRを算出する。
上述したシナリオデータにおける損失発生頻度は、以下のような方法を用いて予測している(例えば非特許文献1参照)。
まず、実際に損失が発生している業務の1年当たりの発生件数と、その業務について実施したリスク評価および内部統制状況評価に関するスコアとから、リスク評価と内部統制状況評価との組合せからなるマトリクスに1年当たりの発生件数を記載した平均頻度評価テーブルを作成する。次に、各業務プロセス等に内在するオペレーショナルリスクをシナリオとして認識する。そして、シナリオ毎に、上記と同様なリスクと内部統制状況の評価とを行い、リスク評価のスコアと内部統制状況評価のスコアとから上記平均頻度評価テーブルを引いて、各シナリオ毎の頻度(シナリオの事象が1年間に発生する回数)を推定する。これにより、過去の損失実績が存在しないようなシナリオであっても、発生頻度を推定することができるとしている。
特許第4241083号
小林、清水、西口、森永著、「オペレーショナル・リスク管理 高度化への挑戦」、平成21年4月24日、社団法人金融財政事情研究会発行、p107-144,181-189
シナリオデータの損失発生頻度の誤りは、リスク計量装置の計量精度が低下する大きな要因になる。このため、シナリオデータの損失発生頻度がどのような方法で予測されたとしても、その予測値の妥当性を、実際に発生した損失事例を活用して事後的に検証することが重要である。しかし、シナリオは、稀にしか発生していない事象や一度も発生したことがない事象を扱うことが多いために、実際に発生する損失事例は少ない。この事情もあって、シナリオデータの損失発生頻度の妥当性を、その予測方法とは別の観点で事後的に検証する有効な方法は未だ確立されていないのが現状である。
本発明の目的は、上述したような課題、すなわちシナリオデータの損失発生頻度の妥当性を事後的に検証する有効な方法がない、という課題を解決するリスク管理装置を提供することにある。
本発明の一形態に係るリスク管理装置は、
損失発生頻度の予測値を含む1以上のシナリオデータから構成される複数の検証単位と、上記複数の検証単位のあつまりである検証範囲と、上記シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数とを記憶するメモリと、上記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
上記プロセッサは、
上記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する上記損失の発生件数の合計値が、上記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定する
ようにプログラムされている、といった構成を採る。
本発明は上述したような構成を有するため、シナリオデータの損失発生頻度の妥当性を実際の損失事例を用いて検証することが可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第1の実施形態における検証範囲、損失発生件数、および第1の検定条件の構成例である。 本発明の第1の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における保守性検証の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第2の実施形態における第2の検定条件の構成例である。 本発明の第2の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における不偏性検証の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第3の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における補正の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態にかかるリスク管理装置のブロック図である。 本発明の第4の実施形態におけるシナリオデータ群の構成例である。 本発明の第4の実施形態における検証範囲と検証単位の一例である。 本発明の第4の実施形態の処理例を示すフローチャートである。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態にかかるリスク管理装置1は、複数の検証単位に含まれるシナリオデータの損失発生頻度が検証単位全体として妥当か否かを実際の損失事例を用いて検証する機能を有している。以下、このような検証を保守性検証と言う。
このリスク管理装置1は、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、およびプロセッサ15を有する。
通信I/F部11は、専用のデータ通信回路からなり、通信回線(図示せず)を介して接続された図示しない各種装置との間でデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出してプロセッサ15に出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、プロセッサ15からの指示に応じて、操作メニューや検証結果などの各種情報を画面表示する機能を有している。
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ15での各種処理に必要な処理情報やプログラム14Pを記憶する機能を有している。プログラム14Pは、プロセッサ15に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部11などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部14に保存される。記憶部14で記憶される主な処理情報として、複数の検証単位14A1と、そのあつまりである検証範囲14Aと、損失発生件数14Bと、第1の検定条件14Cと、第1の検定結果14Dとがある。
検証単位14A1は、1以上のシナリオデータから構成される。1つのシナリオデータは、そのシナリオデータを一意に識別するための識別子(ID)と、損失発生頻度の予測値とから構成される。損失発生額の予測値は、シナリオデータの頻度検証時には使用しないため、シナリオデータから取り除いておいてもよい。図2に、検証単位14A1の構成例を示す。この例の検証単位14A1は、1つのシナリオデータから構成される。シナリオデータ14A1i(i=1〜n)は、シナリオIDiと、損失発生頻度の予測値λiとを有する。損失発生頻度の予測値λiは、保有期間を1年とすると、1年あたりに発生する損失の発生回数を示している。
検証範囲14Aは、複数の検証単位14A1のあつまりである。図2に検証範囲14Aの構成例を示す。この例の検証範囲14Aは、シナリオID1〜IDnを持つシナリオデータの集合を検証範囲とすることを示している。
損失発生件数14Bは、シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数を示すデータである。損失発生件数14Bは、例えば、対応するシナリオデータを特定する識別子と、保有期間当たりの損失発生件数との組のあつまりである。図2に損失発生件数14Bの構成例を示す。この例の損失発生件数14Bの1行目のデータは、シナリオID1に対応するシナリオの保有期間当たり損失発生件数が1件であったことを示している。
第1の検定結果14Dは、プロセッサ15によって実行された第1の検定処理の結果を示すデータである。第1の検定結果14Dは、「保守的」、「妥当」、「非保守的」の3通りのうちの何れかになる。保守的とは、複数の検証単位に含まれるシナリオデータの損失発生頻度が検証単位全体として、実際の発生件数から推定されるよりも多いことを意味する。非保守的とは、保守的とは逆に、複数の検証単位に含まれるシナリオデータの損失発生頻度が検証単位全体として実際の発生件数から推定されるよりも少ないことを意味する。妥当とは、保守的でも非保守的でもなく、複数の検証単位に含まれるシナリオデータの損失発生頻度が検証単位全体として妥当であることを意味する。
第1の検定条件14Cは、プロセッサ15によって実行される第1の検定処理の条件を示す。図2に第1の検定条件14Cの構成例を示す。この例の第1の検定条件14Cは、第1の検定処理に用いる第1および第2の有意水準がα11、α12であることを示している。ここで、第1の有意水準α11は保守性判定に用いられ、第2の有意水準α12は非保守性判定に用いられる。
プロセッサ15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14からプログラム14Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム14Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ15で実現される主な処理部として、入力格納部15A、第1の検定処理部15B、および出力部15Cがある。
入力格納部15Aは、通信I/F部11または操作入力部12から、検証単位14A1、検証範囲14A、損失発生件数14B、および第1の検定条件14Cを入力して、記憶部14に格納する機能を有する。
第1の検定処理部15Bは、検証範囲14Aの各検証単位14A1に含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数14Bの合計値が、検証範囲14Aの各検証単位14A1に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定する機能を有する。また、第1の検定処理部15Bは、検定の結果を第1の検定結果14Dとして記憶部14に記憶する機能を有する。
出力部15Cは、第1の検定処理部15Bの検定結果14Dを記憶部14から読み込み、検証単位全体の保守性検証結果として画面表示部13に出力し、あるいは通信I/F部11を通じて外部に出力する機能を有する。
次に、図3を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置1の動作について説明する。
まず、入力格納部15Aは、複数の検証単位14A1、これら複数の検証単位14A1のあつまりである検証範囲14A、シナリオデータに対応する実際の損失発生件数14B、および第1の検定条件14Cを、通信I/F部11または操作入力部12から入力し、記憶部14に格納する(ステップS1)。
次に、第1の検定処理部15Bは、複数の検証単位14A1と検証範囲14Aと損失発生件数14Bと第1の検定条件14Cとを記憶部14から読み込み、検証範囲14Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値が、検証範囲14Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定し、結果を記憶部14に記憶する(ステップS2)。
次に、出力部15Cは、第1の検定処理部15Bの検定結果14Dを記憶部14から読み込み、検証結果として画面表示部13に出力し、あるいは通信I/F部11を通じて外部に出力する(ステップS3)。
図4は図3のステップS2の処理の一例を示すフローチャートである。以下、図4を参照して、第1の検定処理部15Bの処理の一例について説明する。
まず第1の検定処理部15Bは、検証範囲14Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値ΣNiを算出する(ステップS11)。次に第1の検定処理部15Bは、検証範囲14Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値Σλiを算出する(ステップS12)。
次に第1の検定処理部15Bは、帰無仮説H0、対立仮説H1、H2を以下のように設定する(ステップS13)。帰無仮説H0は、「発生件数合計ΣNiが平均Σλiのポアソン分布に従う」とする。対立仮説H1は、「平均がΣλiよりも小さい(シナリオは保守的である)」とする。対立仮説H2は、「平均がΣλiよりも大きい(シナリオは非保守的である)」とする。
次に第1の検定処理部15Bは、帰無仮説H0が正しいと仮定し、平均Σλiのポアソン分布から、損失発生件数の合計値ΣNiと比較するための閾値n1、n2を算出する(ステップS14)。ここで、閾値n1は、平均Σλiのポアソン分布が当該n1以下の値を取る確率が有意水準α11より大きく、かつ、(n1−1)以下の値を取る確率が有意水準α11以下となる値である。また、閾値n2は、平均Σλiのポアソン分布が当該n2以上の値を取る確率が有意水準α12より大きく、かつ、(n2+1)以上の値を取る確率が有意水準α12以下となる値である。
次に第1の検定処理部15Bは、損失発生件数の合計値ΣNiと閾値n1、n2とを比較し(ステップS15、S16)、その比較結果に応じた検定結果を生成し、記憶部14に記憶する(ステップS17〜S19)。すなわち、ΣNi<n1のときは「保守的」、n1≦ΣNi≦n2のときは「妥当」、n2<ΣNiのときは「非保守的」と判定する。
このように本実施形態によれば、シナリオデータの損失発生頻度の妥当性を実際の損失事例を用いて検証することが可能である。
また本実施形態によれば、複数のシナリオデータをまとめたシナリオ群全体に対して、損失発生頻度の妥当性を検証しているため、単独のシナリオでは保守性検証ができない程度の低い頻度であっても精度の良い検証が可能である。この点について更に説明する。
シナリオ個別の保守性検証として、帰無仮説:シナリオiに対応する損失発生件数Niが、平均λiのポアソン分布に従う、対立仮説:帰無仮説が成立しない、という仮説検定を考える。このようなシナリオ個別の保守性検証では、例えば、有意水準1%の片側検定とすると、頻度1/50(50年に1度)のシナリオに対して1年間観測した結果、実際の損失が1件発生していても、そのシナリオの頻度は妥当と判断される。そのため、100個の「頻度1/50のシナリオ」に対してそれぞれ実際の損失が1件ずつ発生した場合においても、シナリオ個別の妥当性検証では妥当と判断される。しかし、1/50の確率でしか生じない稀な事象が100個も同時に発生するとは考え難いため、本来は妥当でないと判断すべきと考えられる。本実施形態によれば、このような場合でも正しく検証することができる。
また、シナリオ個別の保守性検証では、「頻度1/200のシナリオ」に対しては実際の損失が1件でも発生すると妥当ではないと判断されるが、「頻度1/200のシナリオ」が100個あれば、そのうちの1個のシナリオに対して実際の損失が発生したからといって妥当でないと判断するのは適切ではない。本実施形態によれば、このような場合でも正しく検証することができる。
[第2の実施形態]
図5を参照すると、本発明の第2の実施形態にかかるリスク管理装置2は、第1の実施形態にかかるリスク管理装置1の有する保守性検証機能に加えて、検証範囲において検証単位間で保守性に偏りがないかを実際の損失事例を用いて検証する機能を有している。以下、この後者の検証を不偏性検証と言う。
リスク管理装置2は、主な機能部として、通信I/F部21、操作入力部22、画面表示部23、記憶部24、およびプロセッサ25を有する。
通信I/F部21、操作入力部22、および画面表示部23は、第1の実施形態における図1の通信I/F部11、操作入力部12、および画面表示部13と同じ機能を有している。
記憶部24は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ25での各種処理に必要な処理情報やプログラム24Pを記憶する機能を有している。プログラム24Pは、プロセッサ25に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部21などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部24に保存される。記憶部24で記憶される主な処理情報として、複数の検証単位24A1と、そのあつまりである検証範囲24Aと、損失発生件数24Bと、第1の検定条件24Cと、第1の検定結果24Dと、第2の検定条件24Eと、第2の検定結果24Eとがある。
複数の検証単位24A1、検証範囲24A、損失発生件数24B、第1の検定条件24C、および第1の検定結果24Dは、第1の実施形態における複数の検証単位14A1、検証範囲14A、損失発生件数14B、第1の検定条件14C、および第1の検定結果14Dと同じである。
第2の検定結果24Fは、プロセッサ25によって実行された第2の検定処理の結果を示すデータである。第2の検定処理24Fは、「偏り無し」、「偏り有り」のうちの何れかになる。
第2の検定条件24Eは、プロセッサ25によって実行される第2の検定処理の条件を示す。図6に第2の検定条件24Eの構成例を示す。この例の第2の検定条件24Eは、第2の検定処理に用いる有意水準がα2であることを示している。
プロセッサ25は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部24からプログラム24Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム24Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ25で実現される主な処理部として、入力格納部25A、第1の検定処理部25B、出力部25C、および第2の検定処理部25Dがある。
入力格納部25Aは、通信I/F部21または操作入力部22から、検証単位24A1、検証範囲24A、損失発生件数24B、第1の検定条件24C、および第2の検定条件24Eを入力して、記憶部24に格納する機能を有する。
第1の検定処理部25Bは、第1の実施形態にかかるリスク管理装置1の第1の検定処理部15Bと同様の機能を有する。すなわち、検証範囲24Aの各検証単位24A1に含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数24Bの合計値が、検証範囲24Aの各検証単位24A1に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定し、その検定の結果を第1の検定結果24Dとして記憶部24に記憶する機能を有する。
第2の検定処理部25Dは、検証単位24A1毎のシナリオデータに対応する損失の発生件数24Bが、合計パラメータを検証範囲24Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値、比率パラメータを検証範囲24Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、検証単位24A1毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定する機能を有する。また、第2の検定処理部25Dは、検定の結果を第2の検定結果24Fとして、記憶部24に記憶する機能を有する。
出力部25Cは、第1の検定結果24Dおよび第2の検定結果24Fを記憶部24から読み込み、検証単位全体の保守性検証結果および検証単位間の不偏性検証結果として画面表示部23に出力し、あるいは通信I/F部21を通じて外部に出力する機能を有する。
次に、図7を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置2の動作について説明する。
まず、入力格納部25Aは、複数の検証単位24A1、これら複数の検証単位24A1のあつまりである検証範囲24A、シナリオデータに対応する実際の損失発生件数24B、第1の検定条件24C、および第2の検定条件24Eを、通信I/F部21または操作入力部22から入力し、記憶部24に格納する(ステップS21)。
次に、第1の検定処理部25Bは、第1の実施形態における第1の検定処理部15Bと同様に、検証範囲24Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値が、検証範囲24Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定し、結果を記憶部24に記憶する(ステップS22)。
次に、第2の検定処理部25Dは、複数の検証単位24A1と検証範囲24Aと損失発生件数24Bと第2の検定条件24Eとを記憶部24から読み込み、検証単位24A1毎のシナリオデータに対応する損失の発生件数24Bが、合計パラメータが検証範囲24Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値、比率パラメータを検証範囲24Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、検証単位24A1毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定し、結果を記憶部24に記憶する(ステップS23)。
次に、出力部25Cは、第1の検定結果24Cおよび第2の検定結果24Fを記憶部24から読み込み、検証単位全体の保守性検証結果および検証単位間の不偏性検証結果として画面表示部23に出力し、あるいは通信I/F部21を通じて外部に出力する(ステップS24)。
図8は図7のステップS23の処理の一例を示すフローチャートである。以下、図8を参照して、第2の検定処理部25Dの処理の一例について説明する。
まず第2の検定処理部25Dは、検証単位24A1の個数kを算出する(ステップS31)。次に第2の検定処理部25Dは、検証単位毎に、その検証単位に含まれるシナリオデータに対応する損失発生件数の合計値n1、n2、…、nkを算出する(ステップS32)。次に、第2の検定処理部25Dは、検証範囲24Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値ΣNiを算出する(ステップS33)。
次に第2の検定処理部25Dは、検証単位24A1毎に、比率パラメータの予測値p1、p2、…、pkを算出する(ステップS34)。或る検証単位24A1の比率パラメータpiは、その検証単位24A1に含まれるシナリオデータの損失発生頻度の予測値の合計λiを、検証範囲24Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値Σλiで割った値として算出する。
次に第2の検定処理部25Dは、帰無仮説H0、対立仮説H1を以下のように設定する(ステップS35)。帰無仮説H0は、「比率パラメータはp1、p2、…、pkである」とする。対立仮説H1は、「比率パラメータはp1、p2、…、pkでない」とする。
次に第2の検定処理部25Dは、帰無仮説H0が正しいと仮定し、合計パラメータΣNi、比率パラメータp1、p2、…、pkの多項分布において、損失発生件数の実現値n1、n2、…、nkが実現する確率pxを算出する(ステップS36)。
次に第2の検定処理部25Dは、合計パラメータΣNi、比率パラメータp1、p2、…、pkの多項分布において、全ての取り得る値の組合せ別、すなわち「合計がΣNiとなるk個の非負整数の組合せ別に確率を算出する(ステップS37)。次に、この算出した確率のうち、実現値n1、n2、…、nkが実現する確率pxより低いもののみを合計したものをp値として算出する(ステップS38)。
次に第2の検定処理部25Dは、上記算出したp値を有意水準α2と比較する(ステップS39)。そして、第2の検定処理部25Dは、その比較結果に応じた検定結果を生成し、記憶部24に記憶する(ステップS40、S41)。すなわち、p値≧有意水準α2のときは「偏り無し」、p値<有意水準α2のときは「偏り有り」と判定する。
このように本実施形態によれば、シナリオデータの損失発生頻度の妥当性を、実際の損失事例を用いて、第1の実施形態よりも精度良く検証することが可能である。その理由は、複数のシナリオデータをまとめたシナリオ群全体に対して損失発生頻度の妥当性を検証すると共に、検証単位間で保守性に偏りがないかを実際の損失事例を用いて検証しているためである。この点について更に説明する。
前述したように、全ての検証単位のシナリオデータをまとめたシナリオ群全体に対して、損失発生頻度の妥当性を検証することにより、検証単位単独では保守性検証ができない程度の低いシナリオ頻度であっても精度の良い検証が可能になる。しかし、全ての検証単位のシナリオデータを一つにまとめると、検証単位ごとのシナリオ頻度が隠ぺいされる。このため、シナリオ群全体のシナリオ頻度の合計が同じであれば、保守性検証の結果は同じになる。不偏性検証を行うことにより、保守性検証では検証できない、検証単位間の保守性の偏りを検証することができる。
[第3の実施形態]
図9を参照すると、本発明の第3の実施形態にかかるリスク管理装置3は、第2の実施形態にかかるリスク管理装置1の有する保守性検証機能と不偏性検証機能とに加えて、検証結果に基づいてシナリオデータの損失発生頻度を補正する機能を有している。
リスク管理装置3は、主な機能部として、通信I/F部31、操作入力部32、画面表示部33、記憶部34、およびプロセッサ35を有する。
通信I/F部31、操作入力部32、および画面表示部33は、第2の実施形態における図5の通信I/F部21、操作入力部22、および画面表示部23と同じ機能を有している。
記憶部34は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ35での各種処理に必要な処理情報やプログラム34Pを記憶する機能を有している。プログラム34Pは、プロセッサ35に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部31などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部34に保存される。記憶部34で記憶される主な処理情報として、複数の検証単位34A1と、そのあつまりである検証範囲34Aと、損失発生件数34Bと、第1の検定条件34Cと、第1の検定結果34Dと、第2の検定条件34Eと、第2の検定結果34Fとがある。
複数の検証単位34A1と、そのあつまりである検証範囲34Aと、損失発生件数34Bと、第1の検定条件34Cと、第1の検定結果34Dと、第2の検定条件34Eと、第2の検定結果34Fは、第2の実施形態における複数の検証単位24A1、検証範囲24A、損失発生件数24B、第1の検定条件24C、第1の検定結果24D、第2の検定条件24E、第2の検定結果24Fと同じである。
プロセッサ35は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部34からプログラム34Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム34Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ35で実現される主な処理部として、入力格納部35A、第1の検定処理部35B、出力部35C、第2の検定処理部35D、および補正部35Eがある。
入力格納部35A、第1の検定処理部35B、および第2の検定処理部35Dは、第2の実施形態における入力格納部25A、第1の検定処理部25B、および第2の検定処理部25Dと同様の機能を有する。
補正部35Eは、保守性検証の検定結果34Dと不偏性検証の検定結果34Fとを記憶部34から読み込み、これら2つの検定結果に基づいて、損失発生頻度の予測値を補正する検証単位34A1を決定し、この決定した検証単位34A1におけるシナリオデータの損失発生頻度の予測値を補正する機能を有する。また補正部35Eは、補正後のシナリオデータを記憶部34に記憶する機能を有する。補正部35Eは、補正前のシナリオデータを補正後のシナリオデータで上書きしても良いし、補正前のシナリオデータとは別に補正後のシナリオデータを記憶部34に記憶するようにしてもよい。さらに補正部35Eは、少なくとも1つのシナリオデータに対する補正を行った場合、第1の検定処理部35Bから処理を再開させる機能を有する。
出力部35Cは、第1の検定結果34C、第2の検定結果34F、および補正後のシナリオデータを記憶部34から読み込み、検証単位全体の保守性検証結果、検証単位間の不偏性検証結果、および補正内容として画面表示部33に出力し、あるいは通信I/F部31を通じて外部に出力する機能を有する。
次に、図10を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置3の動作について説明する。
まず、入力格納部35Aは、第2の実施形態における入力格納部25Aと同様に、複数の検証単位34A1、これら複数の検証単位34A1のあつまりである検証範囲34A、シナリオデータに対応する実際の損失発生件数34B、第1の検定条件34C、および第2の検定条件34Eを、通信I/F部31または操作入力部32から入力し、記憶部34に格納する(ステップS51)。
次に、第1の検定処理部35Bは、第2の実施形態における第1の検定処理部25Bと同様に、検証範囲34Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値が、検証範囲34Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定し、結果を記憶部34に記憶する(ステップS52)。
次に、第2の検定処理部35Dは、第2の実施形態における第2の検定処理部25Dと同様に、検証単位34A1毎のシナリオデータに対応する損失の発生件数24Bが、合計パラメータを検証範囲34Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数34Bの合計値、比率パラメータを検証範囲34Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、検証単位34A1毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定し、結果を記憶部34に記憶する
(ステップS53)。
次に、補正部35Eは、保守性検証の検定結果34Dと不偏性検証の検定結果34Fとに基づいて、損失発生頻度の予測値を補正する検証単位34A1を決定し、この決定した検証単位34A1におけるシナリオデータの損失発生頻度の予測値を補正し、補正後のシナリオデータを記憶部34に記憶する(ステップS54)。
次に補正部35Eは、少なくとも1つのシナリオデータに対して補正を行ったか否かを判定し(ステップS55)、補正を行った場合、第1の検定処理部35Bに制御を戻す。これにより、補正後のシナリオデータを使用して、前述したのと同様の保守性検証、不偏性検証が再び実施された後、補正部35Eによる補正の処理が実行される。このような処理は、補正されるシナリオデータが無くなるまで繰り返される。他方、シナリオデータに対する補正が行われなかった場合、補正部35Eは、出力部35Cに制御を渡す。
出力部35Cは、第1の検定結果34C、第2の検定結果34F、および補正後のシナリオデータを記憶部34から読み込み、検証単位全体の保守性検証結果、検証単位間の不偏性検証結果、および補正内容として画面表示部33に出力し、あるいは通信I/F部31を通じて外部に出力する(ステップS56)。
図11は図10のステップS54の処理の一例を示すフローチャートである。以下、図11を参照して、補正部35Eが実行するステップS54の処理の一例について説明する。
補正部35Eは、保守性検証の結果34Dが「保守的」、「妥当」、「非保守的」の何れであるかを判定すると共に、不偏性検証の結果34Fが「偏り無し」、「偏り有り」の何れであるかを判定する(ステップS61〜S64)。そして、その判定結果に応じて以下の6通りのケースに分類し、各ケースに応じた補正処理を実行する(ステップS65〜S70)。
(1)ケース1:保守的かつ偏り無し
この場合、補正部35Eは、全ての検証単位34A1に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を減少させる補正を行う(ステップS65)。
(2)ケース2:保守的かつ偏り有り
この場合、補正部35Eは、全ての検証単位のうち最も保守的な検証単位34A1に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を減少させる補正を行う(ステップS66)。
(3)ケース3:妥当な保守性かつ偏り無し
この場合、補正部35Eは、補正の必要性は無いと判断する(ステップS67)。
(4)ケース4:妥当な保守性かつ偏り有り
この場合、補正部35Eは、全ての検証単位のうち最も非保守的な検証単位34A1に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を増加させる補正を行う(ステップS68)。
(5)ケース5:非保守的かつ偏り無し
この場合、補正部35Eは、全ての検証単位34A1に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を増加させる補正を行う(ステップS69)。
(6)ケース6:非保守的かつ偏り有り
この場合、補正部35Eは、ケース4と同様に、全ての検証単位のうち最も非保守的な検証単位34A1に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を増加させる補正を行う(ステップS70)。
補正部35Eは、検証単位間の相対的な保守性、非保守性については、検証単位ごとに保守性の推定値を算出し、その大小により判断する。保守性の推定値とは、その検証単位に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均パラメータとするポアソン分布が、その検証単位に含まれるシナリオデータに対応する実際の損失発生件数の合計値以下の値を取る確率(=累積分布関数の値)のことである。検証単位の中で上記確率の最も小さい検証単位が最も保守的な検証単位、最も大きい検証単位が最も非保守的な検証単位となる。
また補正部35Eは、補正によって予測値をどの程度増加あるいは減少させるかは事前に定められた規則に従う。補正の規則としては、例えば補正前の予測値の予め定められた割合(例えば3割)だけ増加あるいは減少させる、という規則を使用してよい。または、予測値として取り得る損失発生頻度を値の大きい順に並べた頻度テーブルにおける補正前の頻度から1ランクあるいは2ランクだけ高頻度あるいは低頻度の値になるように補正する、という規則を使用してよい。
このように本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られると共に、保守性検証と不偏性検証の検証結果で妥当でない検証結果が得られた場合に、シナリオデータの損失発生頻度を自動的に補正することができる。
[第4の実施形態]
図12を参照すると、本発明の第4の実施形態にかかるリスク管理装置4は、第3の実施形態にかかるリスク管理装置3の有する保守性検証機能と不偏性検証機能と補正機能とに加えて、シナリオデータ群から検証を行う対象とするシナリオデータを抽出し、検証単位とその集合である検証範囲を設定する機能を有している。
リスク管理装置4は、主な機能部として、通信I/F部41、操作入力部42、画面表示部43、記憶部44、およびプロセッサ45を有する。
通信I/F部41、操作入力部42、および画面表示部43は、第3の実施形態における図9の通信I/F部31、操作入力部32、および画面表示部33と同じ機能を有している。
記憶部44は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、プロセッサ45での各種処理に必要な処理情報やプログラム44Pを記憶する機能を有している。プログラム44Pは、プロセッサ45に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部41などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)やコンピュータ読取可能な記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部44に保存される。記憶部44で記憶される主な処理情報として、シナリオデータ群44G、複数の検証単位44A1と、そのあつまりである検証範囲44Aと、損失発生件数44Bと、第1の検定条件44Cと、第1の検定結果44Dと、第2の検定条件44Eと、第2の検定結果44Fとがある。
シナリオデータ群44Gは、複数のシナリオデータから構成される。1つのシナリオデータは、そのシナリオデータを一意に識別するための識別子(ID)と、損失発生頻度の予測値と、損失事象の種類と、そのシナリオを作成した部門やそのシナリオが想定される部門等を表す関係部門とから構成される。図13に、シナリオデータ群44Gの構成例を示す。この例のシナリオデータ群44Gは、m個のシナリオデータから構成される。シナリオデータ44Gi(i=1〜m)は、シナリオIDiと、損失発生頻度の予測値λiと、損失事象の種類と、関係部門とを有する。損失発生頻度の予測値λiは、保有期間を1年とすると、1年あたりに発生する損失の発生回数を示している。損失事象の種類とは、例えばシステム障害、詐欺、地震などである。
複数の検証単位44A1と、そのあつまりである検証範囲44Aと、損失発生件数44Bと、第1の検定条件44Cと、第1の検定結果44Dと、第2の検定条件44Eと、第2の検定結果44Fは、第3の実施形態における複数の検証単位34A1、検証範囲34A、損失発生件数34B、第1の検定条件34C、第1の検定結果34D、第2の検定条件34E、第2の検定結果34Fと同じである。但し、複数の検証単位34A1と検証範囲34Aとは、入力情報として与えられるデータであるのに対して、本実施形態の複数の検証単位44A1と検証範囲44Aとは、シナリオデータ群44Gから動的に生成されるデータである点で相違する。
プロセッサ45は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部44からプログラム44Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム44Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。プロセッサ45で実現される主な処理部として、入力格納部45A、第1の検定処理部45B、出力部45C、第2の検定処理部45D、補正部45E、および検証対象設定部45Fがある。
入力格納部45Aは、通信I/F部41または操作入力部42から、シナリオデータ群44G、損失発生件数44B、第1の検定条件44C、および第2の検定条件44Eを入力して、記憶部44に格納する機能を有する。
検証対象設定部45Fは、シナリオデータ群44Gから検証範囲とする複数のシナリオデータを抽出し、更に、抽出した複数のシナリオデータを複数の検証単位に分類する機能を有する。
図14は、検証範囲と検証単位の例である。設定1では、検証範囲の単位を各部とし、検証単位をシナリオとしている。この設定1に従えば、例えば、第1営業部という部に着目すれば、図13の関係部門が第1営業部であるシナリオデータの集合が検証範囲となり、その集合内の個々のシナリオデータが検証単位となる。また、設定2では、検証範囲の単位を各業務部門とし、検証単位を部としている。この設定2に従えば、例えば、第1営業部と第2営業部とを持つ第1業務部門に着目すれば、図13の関係部門が第1営業部または第2営業部であるシナリオデータの集合が検証範囲となり、その集合のうち、関係部門が第1営業部であるシナリオデータの集合と、関係部門が第2営業部であるシナリオデータの集合とが、それぞれ1つの検証単位となる。さらに、設定3では、検証範囲の単位を各業務部門とし、検証単位を損失事象の種類としている。この設定3に従えば、例えば、上記の第1業務部門に着目すれば、図13の関係部門が第1営業部または第2営業部であるシナリオデータの集合が検証範囲となり、その集合のうち、損失事象の種類が同じシナリオデータの集合が1つの検証単位となる。
検証対象設定部45Fには、上記の設定1〜3のような設定が1以上定義されている。検証対象設定部45Fは、定義された設定に従って、シナリオデータ群44Gから検証単位44A1とその集合である検証範囲44Aとを算出し、記憶部44に記憶する。2以上の設定が定義されている場合、定義された順番に従って処理していく。例えば、第1順位の設定が、検証範囲を各部、検証単位をシナリオとする場合、存在する営業部などの部ごとに、検証範囲44Aと検証単位44A1とを作成し、順番に検証と補正の処理を行う。そして、第1順位の設定に関する検証と補正の処理が完了すると、次の順位の設定に従って検証範囲44Aと検証単位44A1を作成する。このような処理を定義されている全ての設定について繰り返す。処理する順番は、正しいシナリオを作成している部が正しくシナリオを作成していない他の部の影響により補正を受けるのを避けるために、図14の設定1、設定2の順番のように、より範囲の狭い検証範囲から優先的に実施するボトムアップ方式が好ましい。また、より範囲の狭い検証範囲から優先的に実施する場合、途中の検証範囲の検証で補正が行われた場合、補正の結果、それ以前に行った、より範囲の狭い検証範囲の検証に抵触する可能性があるため、途中で補正を行った場合には、一番狭い検証範囲から検証をやり直すことが望ましい。
第1の検定処理部45B、第2の検定処理部45D、補正部45E、および出力部45Cは、第3の実施形態における第1の検定処理部35B、第2の検定処理部35D、補正部35E、および出力部35Cと同様の機能を有する。但し、第1および第2の検定処理部45B、45Dは、どの設定による検証範囲に対する検定結果であるかが明確に区別されるように、第1および第2の検定結果44D、44Fを記憶部44に記憶する。また、出力部45Cは、どの設定による検証範囲に対する検定結果であるかが明確に区別されるように、第1および第2の検定結果44D、44Fを記憶部44に出力する。
次に、図15を参照して、本実施形態にかかるリスク管理装置4の動作について説明する。
まず、入力格納部45Aは、シナリオデータ群44G、シナリオデータに対応する実際の損失発生件数44B、第1の検定条件44C、および第2の検定条件44Eを、通信I/F部41または操作入力部42から入力し、記憶部44に格納する(ステップS81)。
次に、検証対象設定部45Fは、最初に処理すべき第1順位の設定の定義に注目する(ステップS82)。次に、検証対象設定部45Fは、注目中の設定の定義に従って、シナリオデータ群44Gから検証範囲とする複数のシナリオデータを抽出し、更に、抽出した複数のシナリオデータを複数の検証単位に分類することにより、検証単位44A1とその集まりである検証範囲44Aとを生成し、記憶部44に記憶する(ステップS83)。
次に、第1の検定処理部45Bは、検証対象設定部45Fが生成した複数の検証単位44A1とその集まりである検証範囲44A、ならびに損失発生件数44Bと第1の検定条件44Cとを記憶部44から読み込み、第3の実施形態における第1の検定処理部35Bと同様に、検証範囲44Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数の合計値が、検証範囲44Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定し、結果を記憶部44に記憶する(ステップS84)。
次に、第2の検定処理部45Dは、第3の実施形態における第2の検定処理部35Dと同様に、検証単位44A1毎のシナリオデータに対応する損失の発生件数44Bが、合計パラメータを検証範囲44Aに含まれるシナリオデータに対応する損失の発生件数44Bの合計値、比率パラメータを検証範囲44Aに含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、検証単位44A1毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定し、結果を記憶部44に記憶する(ステップS85)。
次に、補正部45Eは、第3の実施形態における補正部35Eと同様に、保守性検証の検定結果44Dと不偏性検証の検定結果44Fとに基づいて、損失発生頻度の予測値を補正する検証単位44A1を決定し、この決定した検証単位44A1におけるシナリオデータの損失発生頻度の予測値を補正し、補正後のシナリオデータを記憶部44に記憶する(ステップS86)。
次に補正部45Eは、少なくとも1つのシナリオデータに対して補正を行ったか否かを判定し(ステップS87)、補正を行った場合、第1の検定処理部45Bに制御を戻す。これにより、補正後のシナリオデータを使用して、前述した処理と同様の保守性検証、不偏性検証が現処理中の検証範囲44Aに対して再び実施された後、補正部45Eによる補正の処理が実行される。このような処理は、補正されるシナリオデータが無くなるまで繰り返される。他方、シナリオデータに対する補正が行われなかった場合、補正部45Eは、検証対象設定部45Fに制御を戻す。
検証対象設定部45Fは、注目中の設定の定義に関し処理していない検証範囲が残っているか否かを判定し(ステップS88)、残っている場合にはステップS83の処理に戻る。これにより、注目中の設定の定義に従って、未だ処理していない設定範囲について、検証単位44A1とその集まりである検証範囲44Aとが生成され、その検証範囲44Aに対して保守性検証と不偏性検証と補正の処理とが実行される。
他方、注目中の設定の定義に関し未処理の検証範囲が残っていない場合、検証対象設定部45Fは、注目中の設定の定義が最初かつ唯一のものか否かを判定する(ステップS89)。検証対象設定部45Fは、注目中の設定の定義が最初かつ唯一のものであれば、制御を出力部45Cに渡す。また、検証対象設定部45Fは、注目中の設定の定義が最初かつ唯一のものでなければ、注目中の設定の定義の処理でシナリオデータに対する補正が行われたか否かを判定する(ステップS90)。若し、補正が行われていれば、検証対象設定部45FはステップS82の処理に戻る。これにより、再び最初の設定の定義から検証が繰り返される。また、補正が行われていなければ、検証対象設定部45Fは、未処理の設定の定義があるか否かを判定し(ステップS91)、あれば、次に処理すべき設定の定義に注目を移し(ステップS92)、ステップS83の処理にも戻る。これにより、次の設定の定義に関して、前の設定の定義に対する処理と同様の処理が繰り返される。また検証対象設定部45Fは、未処理の設定の定義がなければ、制御を出力部45Cに渡す。
出力部45Cは、第1の検定結果44D、第2の検定結果44F、および補正後のシナリオデータを記憶部44から読み込み、検証単位全体の保守性検証結果、検証単位間の不偏性検証結果、および補正内容として、各設定別に、画面表示部43に出力し、あるいは通信I/F部41を通じて外部に出力する(ステップS93)。
このように本実施形態によれば、第3の実施形態と同様の効果が得られると共に、検証範囲44Aと検証単位44A1を自動的に生成することができるため、検証担当者の負担を軽減することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明を幾つかの実施形態を挙げて説明したが、本発明は以上の実施形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、貸出業務などの信用取引にかかる信用リスクや、為替および金利取引にかかる市場リスクなど、オペレーショナルリスク以外のリスクに対しても本発明は適用可能である。また、本発明は以下のような実施形態も含まれる。
上記の実施形態では、保守性検証において、「保守的」、「妥当」、「非保守的」の3通りの検証結果を導出した。しかし、本発明は、保守性検証において、妥当とそれ以外との2通りの検証結果を導出するようにしてもよい。
また上記の実施形態では、保守性検証、不偏性検証の有意水準を固定値とした。しかし、本発明は、それらの有意水準を可変値としてもよい。また、第1の有意水準で保守性検証と不偏性検証と補正処理とを行い、その後に、上記第1の有意水準よりも大きな第2の有意水準で保守性検証と不偏性検証を行い、第2の有意水準による検証結果だけを出力するようにしてもよい。
また上記の実施形態では、保守性検証と不偏性検証との検証結果を6通りのケースに分類し、妥当な保守性かつ偏り無しのケース以外の5つのケースについて、自動的に補正を行うようにした。しかし、本発明は、これら5つのケースのうち、非保守的かつ偏り無しの1ケースのみ、或いは非保守的かつ偏り無しと非保守的かつ偏り有りの2ケースのみ、或いは非保守的かつ偏り無しと非保守的かつ偏り有りと妥当な保守性かつ偏り有りの3ケースのみについて、自動的に補正を行うようにしてもよい。
本発明は、リスク計量装置の入力情報として使用されるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の妥当性を検証し、検証結果に応じて予測値を修正する用途などに利用できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
損失発生頻度の予測値を含む1以上のシナリオデータから構成される複数の検証単位と、前記複数の検証単位のあつまりである検証範囲と、前記シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数とを記憶する記憶手段と、
前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前記損失の発生件数の合計値が、前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定する第1の検定処理手段と
を備えることを特徴とするリスク管理装置。
[付記2]
前記検証単位毎のシナリオデータに対応する前記損失の発生件数が、合計パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前期損失の発生件数の合計値、比率パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、前記検証単位毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定する第2の検定処理手段
を備えることを特徴とする付記1に記載のリスク管理装置。
[付記3]
前記ポアソン分布に対する適合度の検定結果と前記多項分布に対する適合度の検定結果とに基づいて、シナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する検証単位を決定する補正手段
を備えることを特徴とする付記2に記載のリスク管理装置。
[付記4]
前記補正手段は、前記決定した検証単位に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する
ことを特徴とする付記3に記載のリスク管理装置。
[付記5]
前記記憶手段は、損失発生頻度の予測値を含む複数のシナリオデータから構成されるシナリオデータ群を記憶し、
前記シナリオデータ群から前記検証範囲と前記複数の検証単位とを抽出する検証対象設定手段
を備えることを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載のリスク管理装置。
[付記6]
損失発生頻度の予測値を含む1以上のシナリオデータから構成される複数の検証単位と、前記複数の検証単位のあつまりである検証範囲と、前記シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数とを記憶する記憶手段と、第1の検定処理手段とを備えたリスク管理装置が実行するリスク管理方法であって、
前記第1の検定処理手段が、前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前記損失の発生件数の合計値が、前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定する
ことを特徴とするリスク管理方法。
[付記7]
前記リスク管理装置が、第2の検定処理手段を備え、
前記第2の検定処理手段が、前記検証単位毎のシナリオデータに対応する前記損失の発生件数が、合計パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前期損失の発生件数の合計値、比率パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、前記検証単位毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定する
ことを特徴とする付記6に記載のリスク管理方法。
[付記8]
前記リスク管理装置が、補正手段を備え、
前記補正手段が、前記ポアソン分布に対する適合度の検定結果と前記多項分布に対する適合度の検定結果とに基づいて、シナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する検証単位を決定する
ことを特徴とする付記7に記載のリスク管理方法。
[付記9]
前記補正手段が、前記決定した検証単位に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する
ことを特徴とする付記8に記載のリスク管理方法。
[付記10]
損失発生頻度の予測値を含む1以上のシナリオデータから構成される複数の検証単位と、前記複数の検証単位のあつまりである検証範囲と、前記シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数とを記憶する記憶手段を有するコンピュータを、
前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前記損失の発生件数の合計値が、前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定する第1の検定処理手段
として機能させるためのプログラム。
1、2、3、4…リスク管理装置
11、21、31、41…通信I/F部
12、22、32、42…操作入力部
13、23、33、43…画面表示部
14、24、34、44…記憶部
15、25、35、45…プロセッサ

Claims (10)

  1. 損失発生頻度の予測値を含む1以上のシナリオデータから構成される複数の検証単位と、前記複数の検証単位のあつまりである検証範囲と、前記シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数とを記憶するメモリと、前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前記損失の発生件数の合計値が、前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定する
    ようにプログラムされていることを特徴とするリスク管理装置。
  2. 前記プロセッサは、さらに、
    前記検証単位毎のシナリオデータに対応する前記損失の発生件数が、合計パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前期損失の発生件数の合計値、比率パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、前記検証単位毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定するようにプログラムされていることを特徴とする請求項1に記載のリスク管理装置。
  3. 前記プロセッサは、さらに、
    前記ポアソン分布に対する適合度の検定結果と前記多項分布に対する適合度の検定結果とに基づいて、シナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する検証単位を決定する
    ようにプログラムされていることを特徴とする請求項2に記載のリスク管理装置。
  4. 前記プロセッサは、さらに、
    前記決定した検証単位に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する
    ようにプログラムされていることを特徴とする請求項3に記載のリスク管理装置。
  5. 前記メモリは、さらに、損失発生頻度の予測値を含む複数のシナリオデータから構成されるシナリオデータ群を記憶し、
    前記プロセッサは、さらに、
    前記シナリオデータ群から前記検証範囲と前記複数の検証単位とを抽出する
    ようにプログラムされていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のリスク管理装置。
  6. 損失発生頻度の予測値を含む1以上のシナリオデータから構成される複数の検証単位と、前記複数の検証単位のあつまりである検証範囲と、前記シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数とを記憶するメモリと、前記メモリに接続されたプロセッサとを備えたリスク管理装置が実行するリスク管理方法であって、
    前記プロセッサが、
    前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前記損失の発生件数の合計値が、前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定する
    ことを特徴とするリスク管理方法。
  7. 前記プロセッサが、さらに、
    前記検証単位毎のシナリオデータに対応する前記損失の発生件数が、合計パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前期損失の発生件数の合計値、比率パラメータを前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値に対する、前記検証単位毎のシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値の割合とする多項分布に従うか否かを、多項分布に対する適合度の検定を用いて決定することを特徴とする請求項6に記載のリスク管理方法。
  8. 前記プロセッサが、さらに、
    前記ポアソン分布に対する適合度の検定結果と前記多項分布に対する適合度の検定結果とに基づいて、シナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する検証単位を決定する
    ことを特徴とする請求項7に記載のリスク管理方法。
  9. 前記プロセッサが、さらに、
    前記決定した検証単位に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値を補正する
    ことを特徴とする請求項8に記載のリスク管理方法。
  10. 損失発生頻度の予測値を含む1以上のシナリオデータから構成される複数の検証単位と、前記複数の検証単位のあつまりである検証範囲と、前記シナリオデータに対応する実際の損失の発生件数とを記憶するメモリに接続されたプロセッサに、
    前記検証範囲に含まれるシナリオデータに対応する前記損失の発生件数の合計値が、前記検証範囲に含まれるシナリオデータにおける損失発生頻度の予測値の合計値を平均とするポアソン分布に従うか否かを、ポアソン分布に対する適合度の検定を用いて決定するステップ
    を行わせるためのプログラム。
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