JP5609585B2 - Pll回路、pll回路の誤差補償方法及び通信装置 - Google Patents

Pll回路、pll回路の誤差補償方法及び通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、PLL回路、PLL回路の誤差補償方法及び通信装置に関する。
無線通信端末では、搬送波周波数を正確な周波数にロックさせておくために、PLL(Phase Locked Loop)回路が用いられる。近年、半導体プロセスの微細化に伴い、アナログ電圧で制御する電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator, VCO)をデジタル制御発振器(Digital Controlled Oscillator, DCO)に置き換えた構成が着目されつつある。
従来のVCOを用いたPLL回路は、基準クロックとVCO出力を分周したクロックの2つのクロック間の位相差を位相比較器で比較する。ここで一般的な位相比較器として、位相差をアップ、ダウン、アップ+ダウンの3状態のパルス幅に変換する回路が用いられ、このパルスを用いてチャージ・ポンプ回路の電流源を制御し、出力される電流をループ・フィルタで電圧に変換し、VCOを制御する。
一方、図11に示すような、近年着目されているDCOを用いたAll−Digital PLL回路の例は、位相差に相当する累積クロック数のFractional成分をTime−to−Digital Converter(TDC)回路で、Integer成分をアキュムレータ回路でデジタル値に変換し、検出したこれらの位相差に相当するデジタル値を様々な手法でフィードバックし、DCOをデジタル的に制御する。
R.B.Staszewskiet al., "All-Digital Phase-Domain TX FrequencySynthesizer for Bluetooth Radios in 0.13um CMOS, ISSCC2004 Digest
しかし、TDC回路を用いたPLLにおいて、小数部の小さな分周比を設定した場合、このTDC回路の分解能に起因した周期性誤差の発生が懸念される。そして、そのTDC回路の分解能に起因した周期性誤差は、スプリアス成分を発生させるという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、デジタル制御発振器を持つPLL回路に用いられるTDC回路の有限な分解能により発生する周期性誤差を補償することが可能な、新規かつ改良されたPLL回路、PLL回路の誤差補償方法及び通信装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、発振回路の累積クロック数をデジタル値として検出する累積クロック数検出部と、前記発振回路の累積クロック数の小数部のデジタル値の、第1の基準クロックを基準とする周期性を検出する周期検出部と、前記発振回路の出力クロックの1周期のデジタル値、前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の1周期のデジタル値、および前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロック数をカウントした値から補正値を算出する補正値算出部と、前記周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの周期で、前記累積クロック数の小数部に前記補正値を加算する加算部と、を備える、PLL回路が提供される。
前記累積クロック数検出部は、前記発振回路の累積クロック数の小数部を検出するTDC回路を含んでいてもよい。
前記加算部による前記補正値の加算の有無を切り替える切替部をさらに備え、前記切替部は、分周比、前記TDC回路の分解能、前記累積クロック数の小数部が持つ周期性の1周期のデジタル値およびループ帯域を制御する定数との関係に基づいて、前記加算部による前記補正値の加算の有無の切り替えを制御するようにしてもよい。
PLLの収束状態を検出する収束検出部をさらに備え、前記収束検出部は、設定された任意の収束状態に達した後に前記加算部による前記補正値の加算の有無の切り替えを制御するようにしてもよい。
前記第1の基準クロックを前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックでリタイミングするリタイミング部をさらに備え、前記累積クロック数検出部は、前記リタイミング部が前記第1の基準クロックをリタイミングして得られるクロックを第2の基準クロックとして用い、発振回路の累積クロック数の整数部の出力を前記第2の基準クロックの立ち上がりエッジのタイミングで保持するようにしてもよい。
前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち上がりエッジを用いた場合には、前記累積クロック数検出部は、前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち上がりエッジ間の時間差のデジタル値の周期性を検出するようにしてもよい。
前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち下がりエッジを用いた場合には、前記累積クロック数検出部は、前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち下がりエッジ間の時間差のデジタル値の周期性を検出するようにしてもよい。
デジタル値で表示された分周比を前記第1の基準クロック毎に累積加算して得られる値から、前記第2の基準クロックの立ち上がりエッジのタイミングで保持された前記発振回路の累積クロック数の整数部のデジタル値および前記発振回路の累積クロック数の小数部のデジタル値を減じる演算を行う位相比較器をさらに備えていてもよい。
前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち上がりエッジを用いた場合には、前記位相比較器は、前記発振回路の累積クロックの小数部として、前記累積クロック数検出部の出力のうち前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち上がりエッジ間の時間差のデジタル値から算出される小数部を用いるようにしてもよい。
前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち下がりエッジを用いた場合には、前記位相比較器は、前記発振回路の累積クロックの小数部として、前記累積クロック数検出部の出力のうち前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち下がりエッジ間の時間差のデジタル値から算出される小数部を用いるようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、発振回路の累積クロック数をデジタル値として検出する累積クロック数検出ステップと、前記発振回路の累積クロック数の小数部のデジタル値の、第1の基準クロックを基準とする周期性を検出する周期検出ステップと、前記発振回路の出力クロックの1周期のデジタル値、前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の1周期のデジタル値、および前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロック数をカウントした値から補正値を算出する補正値算出ステップと、前記周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの周期で、前記累積クロック数の小数部に前記補正値を加算する加算ステップと、を備える、PLL回路の誤差補償方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記PLL回路を備える、通信装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、デジタル制御発振器を持つPLL回路に用いられるTDC回路の有限な分解能により発生する周期性誤差を補償することが可能な、新規かつ改良されたPLL回路、PLL回路の誤差補償方法及び通信装置を提供することができる。
デジタル制御発振器を持つPLL回路に用いられるTDC回路の有限な分解能により発生する周期性誤差を保証する際の補正値の算出について示す説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100による補正値を加味しないシミュレーション結果をグラフで示す説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100による補正値を加味したシミュレーション結果をグラフで示す説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかるPLL回路100’の構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかるPLL回路100’に含まれるアクティベート部119の構成を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に含まれるPLL回路に含まれる補正値算出部109’の構成を示す説明図である。 スイッチ130が、TDC回路106の2つの出力のうち、どちらの出力を第1の遅延回路123に入力するよう制御するのかを示す説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかるPLL回路に含まれる補正値算出部109’による位相比較処理を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかるPLL回路に含まれる補正値算出部109’による位相比較処理を示す説明図である。 本発明の各実施形態にかかるPLL回路を備える無線端末装置200の構成について説明する説明図である。 DCOを用いたAll−Digital PLL回路の例を示す説明図である。 一般的なTDC回路の構成を示す説明図である。 一般的なTDC回路の構成を示す説明図である。 一般的なTDC回路でのデジタル変換の処理をタイミングチャートで示す説明図である。 TDC回路の分解能に起因した周期性誤差の発生のビヘイビアモデルを示す説明図である。 図15に示したビヘイビアモデルに基づいて、各ブロックでの値を計算したものを示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
<1.従来のPLL回路の問題点>
<2.第1の実施形態>
[2−1.補正値の算出]
[2−2.PLL回路の構成]
[2−3.補正値算出部の構成]
[2−4.シミュレーション結果]
<3.第2の実施形態>
[3−1.PLL回路の構成]
[3−2.アクティベート回路の機能構成]
<4.第3の実施形態>
[4−1.補正値算出部の構成]
[4−2.位相比較処理]
<5.PLL回路を備える無線端末装置>
<6.まとめ>
<1.従来のPLL回路の問題点>
デジタル制御発振器(DCO)の出力クロックの累積クロック数の小数部の検出に用いるTDC回路の分解能は半導体プロセスに依存したある有限な分解能を有する。図12及び図13は、一般的なTDC回路の構成を示す説明図である。以下、図12及び図13を用いて一般的なTDC回路の構成について説明する。
一般的なTDC回路1000は、インバータ回路等、微小な遅延Δtを持つ素子を従属に接続し、この遅延素子に発振周波数クロックが入力される。基準クロックの立ち上がりエッジにて、各遅延素子の出力をホールドし、このホールドしたデータをデコーダ1010でデコードする。これにより、基準クロックの立ち上がりエッジと発振周波数クロックの立ち上がりエッジ間の時間差、あるいは、立下りエッジ間の時間差をデジタル変換することができる。
図14は、一般的なTDC回路でのデジタル変換の処理をタイミングチャートで示す説明図である。以下、図14のタイミングチャートを用いてTDC回路でのデジタル変換の処理を示す。CLKRFが図12のTDC回路1000に入力されると、各遅延素子の出力D〜D10はΔtずつ遅延した波形となる。この各波形をCLKRFの立ち上がりエッジでホールドすると、フリップフロップQ〜Q10の出力から構成されるデジタルデータ[Q:Q10]は“1110000011”となる。デコーダ回路1010にて、このデータを左からカウントして、1から0に変化する点をt、0から1に変化する点をtとする。つまり、図14の例では、t、tは、それぞれt=3Δt、t=8Δtとデジタル変換される。
TDC回路を用いたPLLにおいて、小数部の小さな分周比を設定した場合、このTDC回路の分解能に起因した周期性誤差の発生が懸念される。この現象の説明に用いるビヘイビアモデルが図15に示されている。このビヘイビアモデルに基づいて、各ブロックでの値を計算したものが図16に示されている。ここでは、分周比の小数部の値が非常に小さい条件に限定し、小数部の影響のみを考慮する。まず、演算周期0での累積加算器1の小数部の初期値を(Δt/T)・(α/M)、累積加算器2の小数部の初期値をΔt/Tとする。ここで、ΔtはTDC回路の時間分解能、Tは発振周波数の周期、Mは設定分周比の小数部のΔt/Tに対する分割数、αは任意の整数値を示す。よって、演算周期0での加算器出力は、(Δt/T)・{(α/M)−1}となる。また、可変利得回路(G=1/2α)、DCO利得(GDCO=fref)を加味すると、発振周波数の誤差は以下の(1)で示す値となる。
Figure 0005609585
次に、演算周期1での累積加算器2の小数部には、演算周期0での値Δt/Tに、所望発振周波数にG(=1/fref)を乗じた際の小数部分(Δt/T)・(1/M)を加算し、さらに、上記(1)で表される演算周期0での発振周波数誤差にGを乗じた値が加算される。ここで、乗算器でGを乗じる理由は、累積加算器2での加算処理が、基準クロックfref毎に行われるためである。よって、演算周期1での累積加算器2の小数部は、以下の(2)で示す値となる。
Figure 0005609585
以後、この演算を繰り返すと、演算周期Mでの累積加算器2の小数部は、以下の(3)で示す値となる。
Figure 0005609585
ここで、上記(3)において、小カッコ内が0となる条件を求めると、α=(M+1)/2となる。この累積加算器2の小数部の小カッコ内が0になる条件は、M周期にわたる周波数誤差の平均が0になることと等価である。つまり、M周期の発振周波数の平均値が、設定周波数に制御されているということである。ここで、演算周期Mでの加算器出力の誤差を計算すると、演算周期Mでの加算器出力の誤差は以下の(4)で示す値となる。
Figure 0005609585
これにより、演算周期Mでの加算器出力の誤差は、演算周期0での加算器出力の誤差と同じになっていることが分かる。以上から、周期Mでこの動作が繰り返されることが計算から理解できる。そして、この周期性の誤差はスプリアス成分fref/Mを発生させる。
そこで、以下で説明する本発明の各実施形態において、デジタル制御発振器を持つPLL回路に用いられるTDC回路の有限な分解能により発生する周期性誤差を補償することが可能なPLL回路について説明する。
<2.第1の実施形態>
[2−1.補正値の算出]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる、デジタル制御発振器を持つPLL回路に用いられるTDC回路の有限な分解能により発生する周期性誤差を保証する際の補正値の算出について示す説明図である。以下、図1を用いて周期性誤差を保証する際の補正値の算出について説明する。
ここで、演算周期Mでの発振回路の出力クロックの累積クロック数の小数部の初期値を2Δt/T、設定した分周比の累積加算値の小数部の初期値を(Δt/T)・{(α+M)/M)}とする。また、発振回路の出力クロックの累積クロック数の小数部に加算する補正値をxとする。演算周期Mでの位相比較器の出力は以下の(5)となる。
Figure 0005609585
ここで、この演算周期Mでの位相比較器の出力を0とする補正値xを求めると、(Δt/T)・{(α/M)−1)}となる。同様にして、各演算周期での補正値を求めると次のようになる。
Figure 0005609585
つまり、上記から分かるように、補正値は周期Mで繰り返されることが分かる。この演算周期の周期性の開始点を0とし、任意の演算周期kでの補正値xを表すと、以下の数式1となる。
Figure 0005609585
よって、各演算周期kにおいて、TDC回路出力を利用して算出される発振回路の累積クロック数の小数部の値に補正値xを加算し続けるとこにより、位相比較器の出力を0に補償し続けることが可能となる。
以上、デジタル制御発振器を持つPLL回路に用いられるTDC回路の有限な分解能により発生する周期性誤差を保証する際の補正値の算出について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路の構成について説明する。
[2−2.PLL回路の構成]
図2は、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100の構成を示す説明図である。以下、図2を用いて本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100の構成について説明する。
図2に示したように、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100は、第1の累積加算器102と、第1の基準クロック103と、第2の累積加算器104と、発振回路105と、TDC回路106と、小数部算出回路107と、第1の加算器108と、補正値算出部109と、リタイミング回路110と、第1のフリップフロップ111と、第2の加算器112と、第3の加算器113と、第2のフリップフロップ114と、可変利得回路115と、データ変換回路116と、乗算器117と、を含んで構成される。
第1の累積加算器102は、デジタル数値化された設定分周比“N”101を第1の基準クロック103の立ち上がりエッジ毎に累積加算するものである。第2の累積加算器104は、発振回路105の出力クロックCLKRFの立ち上がりエッジ毎に値“1”を累積加算する。つまり、第2の累積加算器104は、発振回路105の出力クロックCLKRFのクロック数をカウントする回路となる。
TDC回路106は、発振回路105の出力クロックCLKRFの立ち上がりエッジと第1の基準クロック103の立ち上がりエッジ間の時間差、および発振回路105の出力クロックCLKRFの立ち下がりエッジと第1の基準クロック103の立ち上がりエッジ間の時間差をそれぞれデジタル変換する回路である。小数部算出回路107は、TDC回路106でデジタル変換されたDおよびDから、下記の数式2により、小数部の算出を行う。なお、Dは第1の基準クロック103の各周期で算出される値をある期間平均し、当該平均した値を常時更新し、数式2の算出に利用する構成にしてもよい。
Figure 0005609585
この小数部は、発振回路105の出力クロックCLKRFの累積クロック数の小数部となる。第1の加算器108は、上記の(数式2)で算出される小数部に、補正値算出部109で算出された補正値を加算するものである。リタイミング回路110は、第1の基準クロック103を、発振回路105の出力クロックCLKRFの立ち上がりエッジでリタイミングした第2の基準クロックを生成するものである。
第1のフリップフロップ111は、第2の累積加算器104の出力をリタイミングした第2の基準クロックの立ち上がりエッジでホールドするものである。これは、発振回路105の出力クロックCLKRFの累積クロック数を小数点表示する際に、その小数部を切り上げた整数値を算出することと等価である。
第2の加算器112は、第1のフリップフロップ111の出力から、上記の(数式2)で算出される小数部に補正値算出部109で算出された補正値が加算された値を減じる。この第2の加算器112の出力は、発振回路105の出力クロックCLKRFの小数点表示された累積クロック数のデジタル値となる。よって、第3の加算器113は、デジタル数値化された設定分周比“N”101を累積加算する第1の累積加算器102の出力から、この発振回路105の出力クロックCLKRFの小数点表示された累積クロック数のデジタル値を減じる。つまり、小数点表示された基準の累積クロック数と発振回路105の出力クロックCLKRFの小数点表示された累積クロック数とを比較することから、第3の加算器113は、位相比較器と同様の動作を行う。
第2のフリップフロップ114は、第3の加算器113の出力をリタイミングされた第2の基準クロックの立ち上がりエッジでホールドする。第3の加算器113の出力は、可変利得回路115でレベル変換を行われる。可変利得回路115でレベル変換された位相誤差に相当するデジタル値は、データ変換回路116で変換される。このデータ変換回路116は、データ変換の一例として、下記の(数式3)で表されるデータ変換を実行する。ここで入力値をx、第3の加算器113のunsignedでの出力可変範囲の中点をA、可変利得回路115の利得を1/2α、分周比をN、出力値をyとする。
Figure 0005609585
このデータ変換回路116でのデータ変換により、データ変換回路116の出力yは分周比Nを基準としたデジタル値に変換される。なお、(数式3)のデータ変換は一例であり、分周比Nを基準とするためのデータ変換であれば、本発明ではこの例に限られないことは言うまでもない。例えば、フィルタの伝達関数を挿入する等の改変を行ってもよい。
乗算器117は、発振回路105の変換利得を正規化するために用いられ、fREF/kDCOを乗算する。ここで、fREFは第1の基準クロック103の周波数値、kDCOは発振回路105の変換利得である。
以上から、位相比較器として動作する第3の加算器113で検出される位相誤差成分は分周比Nを基準とした値にデータ変換され、このデータ変換された値を用いて発振回路105をデジタル制御することにより、図2に示す回路はPLL回路として動作することになる。
以上、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109の構成について説明する。
[2−3.補正値算出部の構成]
図3は、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109の構成を示す説明図である。以下、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109の構成について説明する。
図3に示したように、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109は、周期検出回路121と、加算器122と、第1の遅延回路123と、第1の比較回路124と、カウンター回路125と、フリップフロップ126と、第2の遅延回路127と、補正値算出回路128と、を含んで構成される。
TDC回路106には、デジタル制御発振器(DCO)105の出力クロックが入力され、基準クロック103でトリガされる。そして、TDC回路106は、DCO105の出力クロックの立ち上がりエッジと基準クロック103の立ち上がりエッジ間の時間差をデジタル変換し、そのデジタル値Dを出力する。さらに、TDC回路106は、DCO105の出力クロックの立ち下がりエッジと基準クロック103の立ち上がりエッジ間の時間差をデジタル変換し、そのデジタル値Dを出力する。
DCO105の出力クロックの周期検出回路121は、TDC回路106で検出したデジタル値DおよびDから、1周期のデジタル値を算出するものである。この1周期のデジタル値は、T/Δtとなる。
加算器122は、TDC回路106が出力するデジタル値Dから、時間Dを第1の遅延回路123で遅延させた値を減算する。
第1の比較回路124は、加算器122の出力と、値“1”との比較を行うものである。第1の比較回路124は、加算器122の出力が“1”のときに、“H”の極性の信号を出力し、それ以外の値のときには、“L”の極性の信号を出力する。つまり、第1の比較回路124の出力信号は、TDC回路106の出力Dが“+1”変化した際に、第1の遅延回路123での遅延時間D分の期間“H”となるストローブ信号を出力する。
カウンター回路125は、基準クロック103のクロック数をカウントする。第1の比較回路124が出力するストローブ信号の立ち上がり時、つまり、TDC回路106の出力Dが“+1”変化したタイミングで、カウンター回路125の出力がフリップフロップ126に取り込まれる。つまり、フリップフロップ126には、図1の演算周期Mが取り込まれる。また、上記のストローブ信号を使って、確実にフリップフロップ126で取り込まれた後に、カウンター回路125をリセットするために、第2の遅延回路127が用いられる。このような構成により、カウンター回路125は周期Mで動作するカウンター回路となる。
補正値算出回路128は、補正値xを算出する回路であり、DCO105の出力クロックの周期検出回路121の出力T/Δtと、フリップフロップ126が保持する演算周期Mと、カウンター回路125の出力である各演算周期kとが入力され、TDC回路106の出力DおよびDを用いて算出される発振回路の出力クロックの累積クロック数の小数部に加算すべき補正値が算出される。なお、図3では、ストローブ信号の生成にDを用いているが、本発明においてはかかる例に限定されず、Dを用いることも可能なことは言うまでもない。また、同様の処理をする回路構成は、この図3に示した構成に限定されるものではない。
以上、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100によるシミュレーション結果について説明する。
[2−4.シミュレーション結果]
図4Aは、図14のPLLのビヘイビアモデルを使って、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100による補正値を加味しないシミュレーション結果をグラフで示す説明図である。図4Bは、図14のPLLのビヘイビアモデルを使って、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100による補正値を加味したシミュレーション結果をグラフで示す説明図である。ここで、分周比N=100.001、基準クロック周波数fREF=26MHz、TDC回路に用いる遅延素子の遅延量Δt=7.5ps、可変利得回路の利得G=1/2である。
この設定値において、周期Mは約195となる。図4A及び図4Bの下側の図は、10000周期に渡ってシミュレーション結果を表示したものであり、上側の図は、7500〜8500周期を拡大表示したものである。この結果から分かるように、分周比Nの小数部が小さい場合に、周期的な誤差の影響が発振周波数値に表れていることが分かる。
図4Bは、十分収束した5000周期後において、当該補正値の加算を行った場合のシミュレーション結果である。補正値の加算が行われない5000周期までは、図4A同様に周期的な誤差の影響が確認できるが、補正値の加算が行われる5000周期以降は、周期的な誤差の影響が低減していることを確認できる。
以上から、本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109で補正値を算出して、累積クロック数の小数部にその補正値を加算することで、TDC回路の有限な分解能に起因して発生する、分周比の小数部が小さい条件で発生する周期的な誤差の影響低減に効果的であることが確認できる。
<3.本発明の第2の実施形態>
[3−1.PLL回路の構成]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態にかかるPLL回路100’の構成を示す説明図である。図2との説明の重複を避けるために、図2に示したPLL回路100との差分につき説明を加える。
図5に示した本発明の第2の実施形態にかかるPLL回路100’は、図2に示したPLL回路100に、収束検出回路118と、アクティベート部119と、が追加された構成を有している。
収束検出回路118は、データ変換回路116の出力をモニターして、その収束度合いを検出するものである。収束検出回路118は、入力信号と設定された分周比“N”101との差、および、入力信号の演算周期にわたる変化が任意の閾値以下になると、収束したとみなす回路である。この収束検出回路118が、このPLL回路100’の収束を検出した後、補正値算出部109をオンさせるための制御信号が送られる。
アクティベート部119は、補正値算出部109をオンさせるための制御信号を生成して、補正値算出部109へ出力するものである。アクティベート部119の構成については、以下において詳述する。
[3−2.アクティベート部の機能構成]
図6は、本発明の第2の実施形態にかかるPLL回路100’に含まれるアクティベート部119の構成を示す説明図である。上述したように、アクティベート部119は、補正機能をオンまたはオフする、すなわち、補正値算出部109をオンまたはオフする制御信号を生成するものである。
デジタル表示された設定分周比“N”141は、第1の乗算器142で第1の基準クロックの周波数値143と乗算され、所望発振周波数値fRFを得る。さらに、第2の乗算器144は、Δtの見積もり値145および所望発振周波数値fRFである第1の乗算器142の出力との乗算を行う。つまり、第2の乗算器144の出力は、Δt/Tとなる。なお、Δt/Tの算出には、図3の周期検出回路121で検出した値の逆数を算出する構成にしてもよい。
第3の乗算器146は、第2の乗算器144の出力と、デジタル値で表された設定分周比“N”141の小数部148の逆数149との乗算を行う。つまり、図15に示した関係より、第3の乗算器146の出力はMとなる。
加算器150は、第3の乗算器146の出力Mから1を減算し、M−1を得るものである。ループ帯域を制御する可変利得回路の利得151を1/2αとすると、第4の乗算器152において1/2を乗算することにより、1/2(α+1)が得られる。なお、第4の乗算器152は、ビットシフト回路で代用できることは言うまでもない。
第5の乗算器153は、第4の乗算器152の出力1/2(α+1)と、加算器150の出力M−1とを乗算するものであり、これにより、第5の乗算器153は(M−1)/2(α+1)の出力を得る。
比較回路154は、第5の乗算器153の出力(M−1)/2(α+1)が1以下であるか否かの比較を行うものである。第5の乗算器153の出力(M−1)/2(α+1)が1未満であれば、補正機能をオンにする制御信号155が出力される。一方、第5の乗算器153の出力(M−1)/2(α+1)が1以上であれば、補正機能をオフにする制御信号156が出力される。ここで、図15の演算周期1における累積加算器2の小数部は次式であった。
Figure 0005609585
各演算周期での誤差が正方向に蓄積されるように、(数式4)の中括弧内の2項以下の和が0より大きい条件を求めると、以下のようになる。
Figure 0005609585
つまり、図6は、上記(数式5)の条件を満たす場合にのみ補正機能をオンさせる制御信号生成のための回路である。
なお、上記実施形態では第3の乗算器146を用いていたが、本発明においては、第3の乗算器146の出力Mの代わりに、図3に示したフリップフロップ126の出力Mを用いても良いことは言うまでもない。
<4.第3の実施形態>
[4−1.補正値算出部の構成]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に含まれるPLL回路に含まれる補正値算出部109’の構成を示す説明図である。以下、図7を用いて本発明の第3の実施形態にかかるPLL回路に含まれる補正値算出部109’の構成について説明する
図3との説明の重複を避けるために、ここでは図3に示した本発明の第1の実施形態にかかるPLL回路100に含まれる補正値算出部109との差分につき説明を加える。
図7に示した補正値算出部109’は、図3に示した補正値算出部109から、第2の比較回路129と、スイッチ130とが追加された構成を有している。
第2の比較回路129は、TDC回路106の出力であるDおよびDCO105の出力クロックの周期検出回路121の出力である2・|D―D|から、D/(2・|D―D|)を算出し、この値が所定の範囲(0.25以上、0.75未満)であるか否かを検出するものである。D/(2・|D−D|)が0.25以上、0.75未満である場合には、スイッチ130は、TDC回路106の出力Dが第1の遅延回路123に入力されるように制御される。一方、D/(2・|D―D|)が0.25以上、0.75未満でない場合には、スイッチ130は、TDC回路106の出力Dが第1の遅延回路123に入力されるように制御される。
図8は、図7に示した第2の比較回路129に基づいて、スイッチ130が、TDC回路106の2つの出力のうち、どちらの出力を第1の遅延回路123に入力するよう制御するのかを示す説明図である。
演算周期xでは、D=12、D=6であるため、D/(2・|D−D|)の値は1となる。よって、スイッチ130はDを選択するように第2の比較回路129によって制御される。一方、演算周期x+lでは、D=3、D=9であるため、D/(2・|D−D|)の値は0.25となる。よって、スイッチ130はDを選択するように第2の比較回路129によって制御される。
ここで、このようなエッジ切り替えがない場合を考えてみる。演算周期x+k−1からx+kへの変化を観察すると、Dは12から1へと変化している。図7における加算器122、第1の遅延回路123、第1の比較回路124は、1つ前の演算周期でのDに対して、現在の演算周期でのDが1増加する点を検出するブロックである。よって、演算周期x+k−1からx+kへの変化点では、第1の比較回路124は、この1の増加分を検出できない。
そこで、このケースでは、Dではなく、Dが1増加することを検出することで、演算周期x+k−1からx+kへの変化点において、累積クロック数の小数部の周期性を検出することが可能となる。
[4−2.位相比較処理]
図9A及び図9Bは、本発明の第3の実施形態にかかるPLL回路に含まれる補正値算出部109’による位相比較処理を示す説明図である。
図7に示した補正値算出部109’に含まれている、第2の比較回路129の結果が、図9AのようにDを選択する結果である場合では、例えば図5に示すPLL回路100’におけるリタイミング回路110は、第1の基準クロック103の出力クロックCLKREF1を、発振回路105の出力クロックCLKRFの立ち上がりエッジでリタイミングした第2の基準クロックCLKREF2を生成する。
また、第1のフリップフロップ111は、第2の累積加算器104の出力を第2の基準クロックCLKREF2の立ち上がりエッジでホールドする。これは、発振回路105の出力クロックCLKRFの累積クロック数を小数点表示する際に、その小数部を切り上げた整数値CLKACCUM_INTを算出することと等価である。よって、第1の基準クロック103の出力クロックCLKREF1の立ち上がりエッジでの発振回路105の出力クロックCLKRFの小数点表示された累積クロック数CLKACCUMは、次式により求められる。
Figure 0005609585
よって、図5に示すPLL100’における第3の加算器113は、デジタル数値化された設定分周比101である“N”を累積加算する第1の累積加算器102の出力から、この発振回路105の出力クロックCLKRFの小数点表示された累積クロック数CLKACCUMを減じることで、位相比較器として動作する。
一方、図7に示した補正値算出部109’に含まれている、第2の比較回路129の結果が、図9BのようにDを選択する結果である場合では、例えば図5に示すPLL回路100’におけるリタイミング回路110は、第1の基準クロック103の出力クロックCLKREF1を、発振回路105の出力クロックCLKRFの立ち下がりエッジでリタイミングした第2の基準クロックCLKREF2を生成する。
また、第1のフリップフロップ111は、第2の累積加算器104の出力を第2の基準クロックCLKREF2の立ち上がりエッジでホールドする。よって、第1の基準クロック103の出力クロックCLKREF1の立ち上がりエッジでの発振回路105の出力クロックCLKRFの小数点表示された累積クロック数CLKACCUMは、次式により求められる。
Figure 0005609585
よって、図5に示すPLL回路100’における第3の加算器113は、デジタル数値化された設定分周比“N”101を累積加算する第1の累積加算器102の出力から、この発振回路105の出力クロックCLKRFの小数点表示された累積クロック数CLKACCUMを減じることで位相比較器として動作する。
このように、図7に示した補正値算出部109’に含まれている、第2の比較回路129の比較結果に基づいて、(数式6),(数式7)、または、(数式8),(数式9)式を使い分ける位相比較処理を行えばよいことになる。
<5.PLL回路を備える無線端末装置>
次に、本発明の上記各実施形態にかかるPLL回路を備える無線端末装置について説明する。図10は、本発明の上記各実施形態にかかるPLL回路を備える無線端末装置200の構成について説明する説明図である。以下、図10を用いて無線端末装置200の構成について説明する。
図10に示したように、無線端末装置200は、ベースバンド回路(Base−band BLOCK)201と、送受信モジュール202と、アンテナ共用器203と、電波を送受信するアンテナ204と、を含んで構成される。
ベースバンド回路201は、ベースバンド信号を扱う回路であり、送受信モジュール202との間で信号の授受を行う。送受信モジュール202は、ベースバンド回路201との間で信号の授受を行って信号処理を行う。アンテナ共用器203は、送受信モジュール202との間で信号の授受を行う。アンテナ204は、電波の送受信を行う。
また、送受信モジュール202は、送信系と受信系に分けられ、送信系はデジタルPLL211と、発振器212と、低雑音増幅器213と、を含んで構成され、受信系は、デジタルPLL221と、発振器222と、低雑音増幅器223と、ダウンコンバータ224と、ローパスフィルタ225と、可変利得変換器226と、を含んで構成される。
ここで、図10に示したデジタルPLL211、221に、例えば図2または図5に示した、本発明の上記各実施形態にかかるPLL回路100、100’のいずれかを適用することができる。PLL回路100、100’のいずれかを無線端末装置200に適用することで、無線端末装置200は、上述した各実施形態の効果を有することができる。つまり、本発明の第2の実施形態にかかる無線端末装置200は、可変利得増幅回路の利得を切り替えた際に発生するオフセットに起因した不連続を低減して、高速なロックを実現することができる。
なお、図10に示した無線端末装置200の構成は、あくまで一例であり、かかる例に限定されないことは言うまでもない。デジタルPLLを用いる装置であれば本発明のPLL回路を適用することが可能であり、そのようなPLL回路として、例えば上述した本発明の上記各実施形態にかかるPLL回路100、100’のいずれかを適用することができる。
<6.まとめ>
以上説明したように本発明の各実施形態にかかるPLL回路によれば、補正値を算出して、累積クロック数の小数部にその補正値を加算することで、TDC回路の有限な分解能に起因して発生する、周期性誤差の影響を低減させることができる。また本発明の第2の実施形態にかかるPLL回路によれば、TDC回路の周期性誤差の影響が顕著となる条件下において補正値の加算を行うことで、TDC回路の周期性誤差の影響が少ない条件では、演算量の低減が可能になる。
また、本発明の第3の実施形態にかかるPLL回路によれば、TDC回路の周期性誤差の検出における不連続点の影響を除去することができ、また、基準クロックの立ち上がりエッジと発振クロックの立ち上がりエッジとが近接する条件で発生するTDC回路の検出誤差の影響を低減することができる。
上記の実施形態で説明した一連の処理は、専用のハードウエアによって実行させても良いが、ソフトウエア(アプリケーション)により実行させても良い。一連の処理をソフトウエアに行わせる場合には、汎用又は専用のコンピュータにコンピュータプログラムを実行させることにより、上記の一連の処理を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 PLL回路
102 第1の累積加算器
103 第1の基準クロック
104 第2の累積加算器
105 発振回路
106 TDC回路
107 小数部算出回路
108 第1の加算器
109 補正値算出部
110 リタイミング回路
111 第1のフリップフロップ
112 第2の加算器
113 第3の加算器
114 第2のフリップフロップ
115 可変利得回路
116 データ変換回路
117 乗算器
118 収束検出回路
119 アクティベート部
121 周期検出回路
122 加算器
123 第1の遅延回路
124 第1の比較回路
125 カウンター回路
126 フリップフロップ
127 第2の遅延回路
128 補正値算出回路
129 第2の比較回路
130 スイッチ
141 分周比
142 第1の乗算器
143 第1の基準クロックの周波数値
144 第2の乗算器
145 Δtの見積もり値
146 第3の乗算器
147 設定分周比の整数部
148 設定分周比の小数部
149 設定分周比の小数部の逆数
150 加算器
151 可変利得回路の利得
152 第4の乗算器
153 第5の乗算器
154 比較回路
155 補正機能をオンにする制御信号
156 補正機能をオフにする制御信号

Claims (17)

  1. 発振回路の累積クロック数をデジタル値として検出する累積クロック数検出部であって、該累積クロック数検出部のうち、前記累積クロック数の小数部を検出する部分が有限な分解能である累積クロック数検出部と、
    前記発振回路の累積クロック数の小数部のデジタル値の、第1の基準クロックを基準とする周期性を検出する周期検出部と、
    前記発振回路の出力クロックの1周期のデジタル値、前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の1周期のデジタル値、および前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの数をカウントした値から補正値を算出する補正値算出部と、
    前記周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの周期で、前記累積クロック数の小数部に前記補正値を加算する加算部と、
    を備える、PLL回路。
  2. 前記累積クロック数検出部は、前記発振回路の累積クロック数の小数部を検出するTDC回路を含む、請求項1に記載のPLL回路。
  3. 前記加算部による前記補正値の加算の有無を切り替える切替部をさらに備え、
    前記切替部は、分周比、前記TDC回路の分解能、前記累積クロック数の小数部が持つ周期性の1周期のデジタル値およびループ帯域を制御する定数との関係に基づいて、前記加算部による前記補正値の加算の有無の切り替えを制御する、請求項2に記載のPLL回路。
  4. PLLの収束状態を検出する収束検出部をさらに備え、
    前記収束検出部は、設定された任意の収束状態に達した後に前記加算部による前記補正値の加算の有無の切り替えを制御する、請求項1に記載のPLL回路。
  5. 前記第1の基準クロックを前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックでリタイミングするリタイミング部をさらに備え、
    前記累積クロック数検出部は、前記リタイミング部が前記第1の基準クロックをリタイミングして得られるクロックを第2の基準クロックとして用い、発振回路の累積クロック数の整数部の出力を前記第2の基準クロックの立ち上がりエッジのタイミングで保持する、請求項1に記載のPLL回路。
  6. 前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち上がりエッジを用いた場合には、前記累積クロック数検出部は、前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち上がりエッジ間の時間差のデジタル値の周期性を検出する、請求項5に記載のPLL回路。
  7. 前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち下がりエッジを用いた場合には、前記累積クロック数検出部は、前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち下がりエッジ間の時間差のデジタル値の周期性を検出する、請求項5に記載のPLL回路。
  8. デジタル値で表示された分周比を前記第1の基準クロック毎に累積加算して得られる値から、前記第2の基準クロックの立ち上がりエッジのタイミングで保持された前記発振回路の累積クロック数の整数部のデジタル値および前記発振回路の累積クロック数の小数部のデジタル値を減じる演算を行う位相比較器をさらに備える、請求項5に記載のPLL回路。
  9. 前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち上がりエッジを用いた場合には、前記位相比較器は、前記発振回路の累積クロックの小数部として、前記累積クロック数検出部の出力のうち前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち上がりエッジ間の時間差のデジタル値から算出される小数部を用いる、請求項8に記載のPLL回路。
  10. 前記リタイミング部が、リタイミングするエッジとして立ち下がりエッジを用いた場合には、前記位相比較器は、前記発振回路の累積クロックの小数部として、前記累積クロック数検出部の出力のうち前記第1の基準クロックの立ち上がりエッジと前記発振回路の出力クロックまたは該出力クロックを分周したクロックの立ち下がりエッジ間の時間差のデジタル値から算出される小数部を用いる、請求項8に記載のPLL回路。
  11. 発振回路の累積クロック数をデジタル値として検出する累積クロック数検出ステップであり、該累積クロック数検出ステップのうち、前記累積クロック数の小数部を検出するステップが有限な分解能である累積クロック数検出ステップと、
    前記発振回路の累積クロック数の小数部のデジタル値の、第1の基準クロックを基準とする周期性を検出する周期検出ステップと、
    前記発振回路の出力クロックの1周期のデジタル値、前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の1周期のデジタル値、および前記発振回路の累積クロック数の小数部が持つ周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの数をカウントした値から補正値を算出する補正値算出ステップと、
    前記周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの周期で、前記累積クロック数の小数部に前記補正値を加算する加算ステップと、
    を備える、PLL回路の誤差補償方法。
  12. 請求項1に記載のPLL回路を備える、通信装置。
  13. クロックを出力するクロック出力部と、
    前記クロック出力部からの累積クロック数をデジタル値として検出する第1検出部であって、該第1検出部のうち、前記累積クロック数の小数部を検出する部分が有限な分解能である第1検出部と、
    前記累積クロック数の小数部のデジタル値の、第1の基準クロックを基準とする周期性を検出する第2検出部と、
    前記クロック出力部からの出力クロックの1周期のデジタル値、前記累積クロック数の小数部が持つ周期性の1周期のデジタル値、および前記クロック出力部からの累積クロック数の小数部が持つ周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの数をカウントした値から補正値を算出する算出部と、
    前記周期性の各周期の開始点から前記第1の基準クロックの周期で、前記累積クロック数の小数部前記補正値を加算する加算部と、
    を備える、回路。
  14. 前記クロック出力部は、発振回路を備える、請求項13に記載の回路。
  15. 前記クロック出力部は、発振回路である、請求項13に記載の回路。
  16. 記回路は、少なくともPLL回路の一部である、請求項13に記載の回路。
  17. 記回路は、PLL回路である、請求項13に記載の回路。
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