JP5609218B2 - 凝集剤添加方法 - Google Patents

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Description

本発明は、凝集剤添加方法に関するものであり、具体的には、濁水増加に的確に対応して、低コストで無駄なく凝集剤を作用させることが可能な技術に関する。
例えば各種土工や浚渫工などを伴う工事現場では、泥土と付近の水流や雨水が混じり合うなどして濁水を成すことがある。こうした濁水は、そのまま河川等に放流することができないため、沈砂池等でその濁度を適宜低減させる必要がある。濁度を低減させる技術として各種の凝集剤を添加するものがある。
こうした凝集剤としては例えば、水処理用凝集剤50〜90重量部、発泡剤50〜10重量部および珪酸カルシウム0.1〜20重量部(水処理用凝集剤と発泡剤の合計量を100重量部とする)を含有してなることを特徴とする水処理用発泡性固形凝集剤(特許文献1参照)などが提案されている。
また、濁水の処理手法として例えば、汚濁水を、固形状を呈する陰イオン性凝集剤、陽イオン性凝集剤、非イオン性凝集剤、および両性凝集剤から選択された少なくとも2種類の凝集剤を併用して処理することを特徴とする汚濁水の処理方法(特許文献2参照)なども提案されている。
特開2007−136405号公報 特開昭58−219988号公報
従来技術のように、沈砂池において凝集剤を恒常的に浸漬しておくとする。当然、浸漬されている間中、凝集剤は沈砂池の水に溶け出し、浸漬期間が長くなれば大部分溶解してしまうことになる。すると、降雨時など濁水の量や濁度が急激に上昇する事態となっても、濁度を有効に低減させるための凝集剤を作用させることができない。そこで、常設施設ではない工事現場にも適用しやすい、低コストで簡易な解決策として、現場職員らが降雨時を見計らって、フレッシュな凝集剤を沈砂池に投下することが考えられる。しかし、現場職員らを、凝集剤の投下作業に向けて常に配置しておくのは煩雑であった。
そこで本発明は、濁水増加に的確に対応して、低コストで無駄なく凝集剤を作用させることが可能な技術の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明の凝集剤添加方法は、沈砂池への濁水の流入路において、通常時の水面高から所定距離の上方位置に凝集剤を設置し、濁水増加により水面高が前記所定距離の上方位置まで上昇することにより、前記凝集剤を濁水に浸漬せしめることを特徴とする。例えば、工事現場での手配が容易で安価な単管パイプや各種鋼材、或いは木杭等を組み合わせて簡単な櫓や構台を流入路上に構築し、この構台等において、流入路での降雨時水位に合わせた高さに凝集剤を固定する。このような技術によれば、非降雨時など通常時には凝集剤が濁水に触れることはないが、降雨時など濁水量が増加して流入路水面高が所定距離の上方位置まで上昇してきた際に、前記凝集剤が濁水に浸漬されることになる。従って濁度が大幅に上昇するような状況であっても的確に対応し、凝集剤添加を確実なものとすることができる。
なお、前記凝集剤添加方法において、流入路水面の上方に設置された支持部材を支点にして、流入路水面に浮かぶ浮体と釣り合いながら索状部材で結ばれた凝集剤を、前記通常時の水面高から所定距離上方に設置し、前記水面高上昇による浮体上昇に伴って下降した凝集剤を、濁水に浸漬せしめるとしてもよい。このような技術によれば、安価で入手容易、また機構も非常に単純な支持部材と浮体の組み合わせで凝集剤を設置し、降雨時など濁水量が増加して流入路水面高が上昇してきた際に、前記浮体の上昇に伴って下降した前記凝集剤が濁水に浸漬されることになる。従って濁度が大幅に上昇するような状況であっても的確に対応し、凝集剤添加を確実なものとすることができる。
また、本発明の凝集剤添加方法は、沈砂池への濁水の流入路に対し、前記流入路に戻る又は直接沈砂池に達する迂回水路を分岐させるとともに、その分岐部分に、前記流入路から前記迂回水路への濁水流入の可否を制御する手段を設け、当該迂回水路内または迂回水路が前記流入路ないし沈砂池に合流する場所に凝集剤を設置し、濁水増加に対応して濁水流入を許した前記手段を介し、前記迂回水路に流入した濁水に前記凝集剤を浸漬せしめることを特徴とする。
前記濁水流入の可否を制御する手段としては、例えば、前記流入路の通常時の水面高から所定距離上方に天端がある堰、などが適用できる。この場合、通常時に流入路を流れる濁水は前記堰を越流して迂回水路に流れ込むことはないが(=堰が迂回水路への濁水流入不可として制御していると言える)、降雨時など流入路水面が上昇すると前記堰の天端を超えた越流分が迂回水路に流れ込むことになる(=堰が迂回水路への濁水流入可として制御していると言える)。
また、前記手段の他の例としては、例えば、前記流入路の水面高が所定高さ上昇したことを水位センサ等で検知して稼働する水門装置等があげられる。この水門装置は、前記流入路の水面高が所定高さ上昇したことを水位センサ等で検知し、これを受けて、前記流入路と前記迂回水路とを水密に隔てている部材をモータ等の適宜な駆動手段で可動させ、前記流入路から前記迂回水路への濁水流入用の流路を開くものとなる。この場合、流入路を流れる濁水は、通常時においては前記水門装置によって迂回水路への流れ込みが抑止されているが、降雨時など流入路水面が上昇すると、これを検知して前記流路が開かれた前記水門装置を介して迂回水路に流れ込むことになる。
迂回水路内または迂回水路が前記流入路ないし前記沈砂池に合流する場所に設置されている凝集剤は、前記越流分の濁水に浸漬されることになるのである。したがってこのような技術によれば、降雨時など濁水量が増加して流入路水面高が上昇した際に、前記凝集剤が濁水に浸漬されることになり、濁度が大幅に上昇するような状況であっても的確に対応し、凝集剤添加を確実なものとすることができる。
なお、前記凝集剤添加方法において、前記凝集剤をアルミニウム系固形凝集剤とするとしてもよい。アルミニウム系固形凝集剤は、硫酸バンドやPAC(ポリ塩化アルミニウム)等の溶解性が高いと言われる凝集剤であり、例えばカルシウム系固形凝集剤(例:石膏等)などの溶解性が低いと言われる凝集剤に比べて凝集効果が高く、その効果を発現するスピードも速いとされる。速効性が期待できる凝集剤と言えるが、溶解しやすい性質は長期間の浸漬に耐えられないという弱点でもあった。また、過剰に溶解すると、pHの低下や水酸化アルミニウムによる白濁が発生し、かえって濁度の上昇を招く恐れもあった。しかしながら本発明では、降雨時など濁水量が急激に増加するタイミングに合わせて凝集剤添加を行えるため、前記のアルミニウム系固形凝集剤における弱点は解消され、優れた凝集効果が確実に発揮され、凝集速度も向上することになる。
本発明によれば、濁水増加に的確に対応して、低コストで無駄なく凝集剤を作用させることが可能となる。
本実施形態における凝集剤添加方法の適用例1を示す図である。 本実施形態における凝集剤添加方法の適用例2を示す図である。 本実施形態における凝集剤添加方法の適用例3を示す図である。 本実施形態におけるSVと通水液中濃度の関係を示す図である。 本実施形態における通水速度と溶解速度の関係を示す図である。 本実施形態における凝集に必要な凝集剤濃度の測定結果を示す図である。
−−−適用例1−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態における凝集剤添加方法の適用例1を示す図である。図に示す例では、工事で発生した濁水1を土砂溜め2に一旦導いた後、その上澄み水3を沈砂池5の流入路4に導入する構成としている。前記土砂溜め2は数秒で沈降するような比較的粒径の大きな粒子を沈下させる役割を担う。この土砂溜め2の上縁部には適宜な配管や水路が設けてあり、上澄み水3がこの水路などを経由して流入路4に流下する。流下する上澄み水3に含まれる粒子は、その沈下に凝集剤の添加が必要になる、いわゆる浮遊懸濁物が主となる。浮遊懸濁物は、電荷を帯びて静電気的な反発力が互いに働いており、時間が経過しても自ら沈降しない上、粒径が非常に小さいため通常の物理的処理では除去が困難である。そこで、電荷を中和する働きを示す凝集剤を濁水中に添加すれば、浮遊懸濁物は静電気的な反発力を失って互いに凝集するようになる。
従って流入路4において、本発明に従ってタイミングよく凝集剤添加が行われると、沈砂池5に流れ込む濁水3の濁度を事前に低減し、さらには、水量が通常時より増加した沈砂池5に凝集剤の供給が行われることになる。
そこでまず、流入路4における通常時(非降雨時など)の水面高と、濁水増加時(降雨時など高水位になる時)の水面高について予め測定等を行って特定しておく。当然ながら、通常時の水面高から所定距離の上方位置に濁水増加時の水面高が位置することになる。次に、例えば単管パイプや各種鋼材、或いは木杭、仮設材等の各種部材を組み合わせて簡単な櫓や構台、吊り棚20を流入路上に構築する。構築の仕方に特に限定は無いが、柱材を流入路脇の土手に建て込み、この柱材に棟木や筋交いなどを渡すなどして櫓を建てたり、流入路4の天端にフックをかけて吊り棚20をつり下げるといった、といった手法が適用できる。或いは、門型に部材を組み合わせて流入路4を跨らせる、流入路上空を横断するよう部材を渡す、といったごく単純な手法を採用してもよい。
ただしいずれにしても、特定しておいた前記濁水増加時の水面高さに凝集剤15を固定できる構造である必要はある。このような構造を採用することで、前記吊り棚20等に固定された凝集剤15は、非降雨時など通常時には流入路4を流れる濁水3に触れることはないが、一方、降雨時など濁水3が増加して水面が上昇した時には、自ずと流水中に浸漬されることになる。つまり、濁水増加による水面高上昇に伴って前記凝集剤15を濁水3に浸漬せしめることとなる。
従って濁度が大幅に上昇するような状況であっても的確に対応し、凝集剤添加を確実なものとすることができる。
なお、前記凝集剤15としては、各種の無機系凝集剤、有機系凝集剤を用いることができ、形態としては、固形状(塊状)、粒状、粉状、などが適用できる。こうした凝集剤15はそのまま流入路上の構造物20に固定するより、通水性のある目の粗い袋物や網状の籠などの収容体に収めて固定する。
ところで、溶解性が低いと言われる凝集剤(例えばカルシウム系固形凝集剤)であれば、降雨時など濁水が急激に増加する状況に迅速に対応して、その濁度を低減させる効果が十分とは言えない(勿論、凝集剤を添加しない場合より濁度低減効果は十分期待できるから、適用を否定するものではない)。そこで、より好ましい凝集剤としては、アルミニウム系固形凝集剤があげられる。アルミニウム系固形凝集剤は、硫酸バンドやPAC(ポリ塩化アルミニウム)等の溶解性が高いと言われる凝集剤であり、前記カルシウム系固形凝集剤(例:石膏等)などの溶解性が低いと言われる凝集剤に比べて凝集効果が高く、その効果を発現するスピードも速いとされる。また、固形であるからハンドリングや保管も容易であり、上述したような収容体からの少なくない漏出や、頻繁な状況監視や補充作業なども発生せず、工事現場であっても非常に扱いが容易なものと言える。
アルミニウム系固形凝集剤は、速効性が期待できる凝集剤と言えるが、溶解しやすい性質は長期間の浸漬に耐えられないという弱点でもあった。また、過剰に溶解すると、pH低下や水酸化アルミニウムによる白濁が発生し、かえって沈砂池での濁度上昇を招く恐れもあった。しかしながら本発明では、降雨時など濁水量が急激に増加するタイミングに合わせて凝集剤添加を行えるため、前記のアルミニウム系固形凝集剤における弱点は解消され、優れた凝集効果が確実に発揮され、凝集速度も向上することになる。特に断らないが、以下に示す適用例でも同様にアルミニウム系固形凝集剤を適用すると好適である。
−−−適用例2−−−
図2は本実施形態における凝集剤添加方法の適用例2を示す図である。この例では、流入路上に凝集剤15を設置する手法として、流入路水面の上方に設置された支持部材たる、例えば滑車30を支点にして、流入路水面に浮かぶ浮体35と釣り合いながら索状部材36で結ばれた凝集剤15を、前記通常時の水面高から所定距離上方に設置する方法を適用する。
設置の手順としては、まず、例えば門型の枠体40を流入路の土手に反力をとって建て込み、この枠体の上部に滑車を吊す。次に、この滑車にワイヤーロープやチェーンなどの索状部材を通し、その一端を流入路水面に浮かぶ浮体に、他端を凝集剤(の収容体)に取り付ける。浮体35の自重だけで凝集剤15との釣り合いがとれない場合には、例えば浮体下部に適宜な重量の錘37を吊下する。前記索状部材36の長さは、通常時の流入路水面高と前記滑車との間の高低差に、前記滑車30と前記濁水増加時の水面高さとの間の高低差を合算したものになる。なお、支持部材30としては滑車を例に挙げたが、勿論これに限定されることはない。索状部材36を支持する支点になりうる構造のものであれば、例えば、索状部材36を適宜な滑性をもって支持する棒状部材、索状部材36を挿通・支持する環状部材なども適用できる。
こうした構造を採用すれば、通常時においては、流入路水面に浮かぶ浮体35に滑車30および索状部材36を介して釣り合いをとった凝集剤15が、濁水増加時の水面高、つまり水面上空に設置されることになり、流入路中の濁水3と接することがない。一方、降雨時など濁水3が増加して流入路4の水面が上昇した時には、ここに浮かぶ浮体35も水位とともに上昇し、これに伴って索状部材36が凝集剤側に送り出されることになる。当然、浮体35の上昇分だけ凝集剤15は水面に向かって下降する。この場合の浮体35の上昇分は、通常時の水面と濁水増加時の水面との差異に対応するから、前記凝集剤15は水位を増した濁水中に自ずと浸漬されることになる。つまり、濁水増加による水面高上昇に伴って前記凝集剤15を濁水3に浸漬せしめることとなる。
従って濁度が大幅に上昇するような状況であっても的確に対応し、凝集剤添加を確実なものとすることができる。
−−−適用例3−−−
図3は本実施形態における凝集剤添加方法の適用例3を示す図である。この例では、前記流入路4に対し迂回水路100を分岐させた構造を採用する。この迂回水路100は、前記流入路4から前記迂回水路100への濁水流入の可否を制御する手段を介し、流入路4から分岐した水路である。前記手段の一例としては、例えば、前記流入路4での通常時の水面高から所定距離上方に天端101がある堰102を適用できる。
つまり上記の場合、流入路4と迂回水路100とは堰102を隔てて結ばれている。堰102の設置形態としては、常設施設ではない工事現場という状況に鑑み、例えば農業用の簡単な利水施設でよく見られる簡単な堰があげられる。この堰は、水路両岸に設置した縦溝に落とし板を挿入した堰である。勿論、流入路4での流量や該当現場での資材入手状況等に応じて適宜な堰を採用すればよい。また、堰102の天端高さは、降雨時など濁水が増加した時の水面高とする。これにより、降雨などにより流入路4を流れる濁水3が増加した時にだけ、前記堰102を濁水3が越流し、迂回水路100に流れ込むことになる。換言すれば、通常時に流入路4を流れる濁水3は前記堰102を越流して迂回水路100に流れ込むことはなく、普段の迂回水路100は基本的に空の水路となっている。
また、前記手段の他の例としては、例えば、前記流入路4の水面高が所定高さ上昇したことを水位センサ等で検知して稼働する水門装置等があげられる。この水門装置は、前記流入路4の水面高が所定高さ上昇したことを水位センサ等で検知し、これを受けて、前記流入路4と前記迂回水路100とを水密に隔てている部材をモータ等の適宜な駆動手段で可動させ、前記流入路4から前記迂回水路100への濁水流入用の流路を開くものとなる。この場合、流入路4を流れる濁水3は、通常時においては、前記水門装置によって迂回水路100への流れ込みが抑止されているが、降雨時など流入路水面が上昇すると、これを検知して前記流路が開かれた前記水門装置を介して迂回水路100に流れ込むことになる。
また、前記迂回水路100の流路内または迂回水路100が前記流入路4ないし沈砂池5に合流する場所103には、凝集剤15を設置しておく。設置の形態は特に問わないが、通水性のある目の粗い袋物や網状の籠などの収容体に収め、流路中に載置する形態や、流路中に設置した柵104(凝集剤やその収容体のサイズより間隙部分が小さいもの)の上流側にそのまま投入して設置する形態などが適用できる。
なお、この迂回水路100における凝集剤15の設置場所の下流に、整流板105を互い違いに組み合わせるなどした流路延長区間106を設けると好適である。堰102を越流した濁水3は凝集剤15と接することで浮遊懸濁物の凝集が進むが、この流路延長区間106で乱流となって攪拌されることで、前記凝集した浮遊懸濁物群がさらに大きな集合体(フロック)を形成しやすくなる。このフロックの形成にあたっては有機系凝集剤(ポリアクリルアミド系のもの)がよく用いられるから、この流路延長区間106に有機系凝集剤を載置しておく構成としても、さらに凝集効果が促進されるであろう。
なお、流入路4から迂回水路100が分岐する位置は、迂回水路100が所定の流路長を確保した上で流入路4に再び合流できるよう、遡って配慮した位置となるのは当然である。迂回水路100に必要な流路長としては、例えば、十分な量の凝集剤15を配置できるだけの流路長と、さらには前記流路延長区間106を設置するだけの流路長とを含めた長さが好適である。
−−−凝集剤設置量の算定について−−−
ここで、凝集剤設置量の算定手法について説明しておく。ここでは凝集剤として適用できるアルミニウム系固形凝集剤に関してその設置量を算定するものとする。
1)SVと通水液中のAl濃度の関係
図4に示す「SV」は、「1時間当りの通水量/固形凝集剤の体積」を示している。これは、凝集に必要なAl濃度に達するためには、通水量に対して、どのくらいの固形凝集剤体積を設置すればよいかを表している値である。以下に、このSVに関するデータをもとに、アルミニウム系固形凝集剤の設置量を設計する。
(1)まず、濁水の種類に応じて、最適Al濃度を決定する。これは、図6に示す表(凝集に必要な凝集剤濃度の測定結果)から、ある濁度Aを濁度Bまで低減させるアルミニウム系固形凝集剤の濃度を見つける。例えば、「ダム濁水」について、当初の濁度“396mg/l”を1時間後に濁度“34mg/l”まで低減させる濃度は、“10mg/l”だと特定する。
(2)次に、上記(1)で特定したAl濃度と、現場での通水量(流入路や迂回水路での濁水の水量)と、前記「SV」のグラフ1から、現場で設置が必要な固形凝集剤の体積を算出する。具体的には、例えば現場の排水量が20m/hで、粒径20mmの硫酸バンドを使用する場合、最適Al濃度(10mg/L)にするためには、SV=40000(図4のグラフ1の交点)で通水する必要がある。この関係は、“SV=40000=20m/h/0.5L”となり、この式から、硫酸バンドの設置量は0.5Lと算定できる。
2)通水速度と溶解速度の関係
図5に示すグラフ2から、同じ固形凝集剤であっても、通水速度が早いほど、たくさんの濁水が凝集剤に接触するので、早く溶解することがわかる。凝集剤に接触する濁水の流速を測定ないし算定しておいて、本グラフから溶解度を特定する。そして、この溶解度と固形凝集剤のサイズとを勘案して、固形凝集剤が一定基準以上小さくなると思われる時期を推定し、固形凝集剤の交換頻度を設計すればよい。
以上のように、迂回水路内または迂回水路が前記流入路に合流する場所に設置されている凝集剤は、濁水増加に対応して濁水流入を許した前記手段を介し、前記迂回水路に流入した濁水に浸漬されることになるのである。したがってこのような技術によれば、降雨時など濁水量が増加して流入路水面高が上昇した際に、前記凝集剤が濁水に浸漬されることになり、濁度が大幅に上昇するような状況であっても的確に対応し、凝集剤添加を確実なものとすることができる。
以上、本実施形態によれば、濁水増加に的確に対応して、低コストで無駄なく凝集剤を作用させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 工事濁水
2 土砂溜め
3 上澄み水(沈砂池に流入する濁水)
4 流入路
5 沈砂池
15 凝集剤
20 吊り棚(凝集剤を設置するための構造体)
30 滑車(支持部材)
35 浮体
36 索状部材
37 錘
40 枠体
100 迂回水路
101 天端
102 堰(濁水流入可否を制御する手段)
103 合流場所
104 柵(凝集剤を流路中に設置する構造体)
105 整流板
106 流路延長区間

Claims (3)

  1. 沈砂池への濁水の流入路において、通常時の水面高から所定距離の上方位置に凝集剤を設置し、濁水増加により水面高が前記所定距離の上方位置まで上昇することにより、前記凝集剤を濁水に浸漬せしめることを特徴とする凝集剤添加方法。
  2. 沈砂池への濁水の流入路において、通常時の水面高から所定距離の上方位置に凝集剤を設置し、濁水増加による水面高上昇に伴って前記凝集剤を濁水に浸漬せしめる凝集剤添加方法において、
    前記流入路水面の上方に設置された支持部材を支点にして、前記流入路水面に浮かぶ浮体と釣り合いながら索状部材で結ばれた凝集剤を、前記通常時の水面高から所定距離上方に設置し、前記水面高上昇による浮体上昇に伴って下降した凝集剤を、濁水に浸漬せしめることを特徴とする凝集剤添加方法。
  3. 沈砂池への濁水の流入路に対し、前記流入路に戻る又は直接沈砂池に達する迂回水路を分岐させるとともに、その分岐部分に、前記流入路から前記迂回水路への濁水流入の可否を制御する手段を設け、当該迂回水路内または迂回水路が前記流入路ないし沈砂池に合流する場所に凝集剤を設置し、濁水増加に対応して濁水流入を許した前記手段を介し、前記迂回水路に流入した濁水に前記凝集剤を浸漬せしめることを特徴とする凝集剤添加方法。
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