JP5608464B2 - ダブルシール構造 - Google Patents
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Description
回転軸1に一体回転状態で外嵌される筒状のスリーブ3と、
前記回転軸1の軸心P方向で前記スリーブ3の両端部のそれぞれにおいて、前記スリーブ3と前記回転軸1とに跨る状態で装備される一対のOリング4,5と、
前記スリーブ3と一体回転する回転密封輪9、ハウジング2に支持される静止密封輪11、及び前記回転密封輪9と前記静止密封輪11とを互いに前記軸心P方向に押圧付勢してシール部m1を形成するための弾性機構13を備えて成る動圧型ドライガスシールの機内側メカニカルシールS1と、
前記スリーブ3に一体回転状態で外嵌される第2回転密封輪10、前記ハウジング2に支持される第2静止密封輪12、及び前記第2回転密封輪10と前記第2静止密封輪12とを互いに前記軸心P方向に押圧付勢して第2シール部m2を形成するための第2弾性機構19を有して成る動圧型ドライガスシールの第2メカニカルシールに構成される大気側シールS2と、
被シール流体eの圧よりも高い圧を有するシール用流体bを、前記機内側メカニカルシールS1と前記大気側シールS2と前記ハウジング2と前記スリーブ3とで囲まれるシール空間部6に供給すべく前記ハウジング2に形成される供給路7と、
前記一対のOリング4,5間において前記シール空間部6に臨む状態で前記スリーブ3に形成される径方向の貫通孔8と、を備えて成り、
前記第1弾性機構13は、前記スリーブ3に外装される環状の第1スプリングリテーナ14と、これの小径フランジ部14aに前記軸心P方向へスライド移動可能に外嵌される第1リテーナ15と、前記第1リテーナ15を前記第1スプリングリテーナ14に対して相対回動不能な状態で前記軸心P方向に押圧付勢すべくピン16と複数のコイルバネとを設けて前記シール空間部6に臨む状態に構成され、
前記第2弾性機構19は、前記スリーブ3に外装される環状の第2スプリングリテーナ17と、これの小径フランジ部17aに前記軸心P方向へスライド移動可能に外嵌される第2リテーナ18と、前記第2リテーナ18を前記第2スプリングリテーナ17に対して相対回動不能な状態で前記軸心P方向に押圧付勢すべくピンと複数のコイルバネ20とを設けて前記シール空間部6に臨む状態に構成されることを特徴とするものである。
これにより、大気側Oリングから極微量の被シール流体が外部に漏れるおそれも解消させることができるとともに、隙間に面する回転軸外周部やスリーブ内周部の腐食が起こらないので、スリーブや回転軸の早期劣化を防止することができる。
その結果、さらなる構造の工夫により、回転軸に外嵌されるスリーブを有するダブルシール構造において、たとえ被シール流体が腐食性のものであっても、回転軸とスリーブとの隙間部分が早期に腐食してしまうことを抑制又は解消できるとともに、外部への漏洩おそれも回避できるように改善させることができる。
そこで、互いに大きさの異なるOリングに設定しておけば誤組付けが生じないようになり、組替えの手間なく所期するシール機能が発揮されるダブルシール構造を提供することができる。
つまり、ダブルメカニカルシール構造(装置)である。各メカニカルシールS1,S2は、スリーブ3に外装される回転密封輪9,10、及びハウジング2に支持される静止密封輪11,12を有して構成されている。筒状のスリーブ3の軸心P方向の両端部には、回転軸1の外周面1aに作用する機内側及び機外側のOリング4,5が装備されている。
そして、スリーブ3における一対の一対のメカニカルシールS1,S2の間の大径筒部3Aには、Oリング4,5間にてシール空間部6に臨む径方向の貫通孔8が形成されている。つまり、シール用流体bは、回転軸1とスリーブ3との径方向での扁平筒状の隙間(隙間空間)aにも及ぶ構成となっている。
図1に示す原理構造によるダブルシール構造の実施例1は、図2に示すように、ダブルシール装置Aに適用されている。ダブルシール装置Aは、回転軸1に外嵌される筒状のスリーブ3と回転軸1を囲繞するハウジング2とに跨って形成される第1及び第2メカニカルシールS1,S2を備えて構成されている。
ハウジング2は、機内側から第1,第2ケース部2A,2B、互いに第2ケース部2Bに共締めされる第3,第4ケース部2C,2D、及び第4ケース部2Dにボルト止めされる第5ケース部2Eを有して形成されている。スリーブ3は、その大気側端部が止めネジ(図示省略)を用いて回転軸1の小径軸部1Aに固定されており、機内側及び大気側の一対のOリング4,5を介しての軸封状態で回転軸1に外装されている。
第1弾性機構13は、スリーブ3に外装される環状の第1スプリングリテーナ14と、これの小径フランジ部14aに軸心P方向へスライド移動可能に外嵌される第1リテーナ15と、第1リテーナ15を第1スプリングリテーナ14に対して相対回動不能な状態で軸心P方向に押圧付勢すべくピン16と複数のコイルバネ(図示省略)とを設けて構成されている。第1回転密封輪9は、図示しないピンを用いて相対回動不能に第1リテーナ15に内嵌支持されている。
第1静止密封輪11は、第3ケース部2Cのフランジ部17に内嵌及び外嵌され、かつ、図示しないピンによって相対回動不能に支持されている。第1回転密封輪9の材料は一例としてSicが挙げられ、第1静止密封輪11の材料は一例としてカーボンが挙げられる。
第2弾性機構19は、スリーブ3に外装される環状の第2スプリングリテーナ17と、これの小径フランジ部17aに軸心P方向へスライド移動可能に外嵌される第2リテーナ18と、第2リテーナ18を第2スプリングリテーナ17に対して相対回動不能な状態で軸心P方向に押圧付勢すべくピン(図示省略)と複数のコイルバネ20とを設けて構成されている。
第2静止密封輪12は、第5ケース部2Eのフランジ部23に内嵌及び外嵌され、かつ、ピン24を用いて相対回動不能に支持されている。第2回転密封輪10の材料は一例としてSicが挙げられ、第2静止密封輪12の材料は一例としてカーボンが挙げられる。尚、図2において、スリーブ3のOリング4,5以外のOリングは全て符号rで示す。
加えて、シール空間部6と隙間aとを廉通させる貫通孔8が、スリーブ3の大径筒部3Aに形成されている。尚、符記は省略するが、シール用流体b等を外部排出可能な連通路(一点破線で示す)が第5ケース部2Eを径方向に貫通する状態で形成されている。
また、スリーブ3と第5ケース部2Eとの間には環状のブッシュ25が嵌装されており、そのブッシュ25の径方向貫通路(符記省略)と前記連通路とを連通させる傾斜路(一点破線で示す)が第5ケース部2Eに形成されている。
即ち、シール空間部6に窒素ガス又はドライエア等によるシール用流体bを被シール流体eよりも高い圧で供給すれば、隙間aもシール用流体bが支配的(シール用流体bで満たされる)となる。
大気側シールS2は、リップシール、ラビリンスシール、Oリング等、第2メカニカルシール(接触形メカニカルシール)以外の構造によるシールでも良い。
2 ハウジング
3 スリーブ
4 Oリング(機内側)
5 Oリング(大気側)
6 シール空間部
7 供給路
8 貫通孔
9 回転密封輪
10 第2回転密封輪
11 静止密封輪
12 第2静止密封輪
13 弾性機構
14 第1スプリングリテーナ
14a 小径フランジ部
15 第1リテーナ
16 ピン
17 第2スプリングリテーナ
17a 小径フランジ部
18 第2リテーナ
19 第2弾性機構
20 コイルバネ
A ダブルシール装置
P 軸心
S1 機内側メカニカルシール
S2 大気側シール(第2メカニカルシール)
b シール用流体
e 被シール流体
m1 シール部
m2 第2シール部
Claims (2)
- 回転軸に一体回転状態で外嵌される筒状のスリーブと、
前記回転軸の軸心方向で前記スリーブの両端部のそれぞれにおいて、前記スリーブと前記回転軸とに跨る状態で装備される一対のOリングと、
前記スリーブと一体回転する回転密封輪、ハウジングに支持される静止密封輪、及び前記回転密封輪と前記静止密封輪とを互いに前記軸心方向に押圧付勢してシール部を形成するための弾性機構を備えて成る動圧型ドライガスシールの機内側メカニカルシールと、
前記スリーブに一体回転状態で外嵌される第2回転密封輪、前記ハウジングに支持される第2静止密封輪、及び前記第2回転密封輪と前記第2静止密封輪とを互いに前記軸心方向に押圧付勢して第2シール部を形成するための第2弾性機構を有して成る動圧型ドライガスシールの第2メカニカルシールに構成される大気側シールと、
被シール流体の圧よりも高い圧を有するシール用流体を、前記機内側メカニカルシールと前記大気側シールと前記ハウジングと前記スリーブとで囲まれるシール空間部に供給すべく前記ハウジングに形成される供給路と、
前記一対のOリング間において前記シール空間部に臨む状態で前記スリーブに形成される径方向の貫通孔と、を備えて成り、
前記第1弾性機構は、前記スリーブに外装される環状の第1スプリングリテーナと、これの小径フランジ部に前記軸心方向へスライド移動可能に外嵌される第1リテーナと、前記第1リテーナを前記第1スプリングリテーナに対して相対回動不能な状態で前記軸心方向に押圧付勢すべくピンと複数のコイルバネとを設けて前記シール空間部に臨む状態に構成され、
前記第2弾性機構は、前記スリーブに外装される環状の第2スプリングリテーナと、これの小径フランジ部に前記軸心方向へスライド移動可能に外嵌される第2リテーナと、前記第2リテーナを前記第2スプリングリテーナに対して相対回動不能な状態で前記軸心方向に押圧付勢すべくピンと複数のコイルバネとを設けて前記シール空間部に臨む状態に構成されるダブルシール構造。 - 前記一対のOリングが互いに大きさの異なるものに設定されている請求項1に記載のダブルシール構造。
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