JP5605440B2 - マンノビオース含有組成物の製造方法 - Google Patents

マンノビオース含有組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マンナン多糖類含有原料から高純度のマンノビオース含有組成物を製造する方法に関する。
β−1,4マンノビオースとは、D-マンノースがβ−1,4マンノシド結合により2個結合してできた二糖類のことである(以下、単に「マンノビオース」と称する)。近年、マンノビオースのようなマンノース残基を構成糖とする糖類の生理機能が食品や家畜飼料の分野において注目されている。例えば、腸内有用菌であるビフィドバクテリウムを増殖させる効果(特許文献1)、さらには過酸化脂質上昇抑制やミネラル吸収促進などの生理効果を有すること(特許文献2、特許文献3)、またサルモネラ菌の腸内定着防止効果(特許文献4)や家禽類の卵の品質が向上する効果(特許文献5)などが報告されている。
またさらには、生体内糖タンパク質の糖鎖部分は、細胞間情報伝達などと深く関わりを持っており、生命活動維持において重要な働きをすることがわかっているが、その糖鎖を構成する糖質の中でも特にマンノース類は欠かすことのできない糖質であることから、医薬品の原料などとしての応用も期待されている(特許文献6)。
このマンノビオースを高純度に得るにあたり関連する製造法としては、例えば、コプラミールから酵素分解によって製造する方法(特許文献7)が従来知られている。また、グアガムやローカストビーンガムといったガラクトマンナンを含有する天然物、さらにはコンニャクイモといったグルコマンナンを含有する天然物に酸や酵素を添加して加水分解する方法でも得られることが知られている(特許文献8)。また、コーヒー抽出残渣等を加水分解する方法でも得られることが知られている(特許文献1)。
特開2001−149041号公報 特開2002−262828号公報 特開2002−306093号公報 WO2004/048587号公報 特開平7−236429号公報 特開昭58−212780号公報 特開平11−18793号公報 特開平8−173055号公報
しかしながら、上記のような方法で得られたマンノビオースの純度はせいぜい30〜35重量%程度であり、マンノビオース以外の成分も多く含まれている。例えば、重合度が3〜10のマンノオリゴ糖類や、ショ糖などの他の構成糖を含む糖類や、タンパク質等である。そのため、これらの技術はマンノビオースの純度を特に高めようとする目的はなく、仮に上記方法においてマンノビオースの純度をより高めようとすると、この後さらに糖類の分離や精製といった非常に煩雑で手間のかかる一連の工程を行うことが通常必須となり、製造コストも上昇する。そのためマンノビオースを効率良く高純度で製造するにはほど遠い方法であった。そこで本発明はマンノビオースを高純度に含む組成物を効率良く製造できる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、マンナン多糖類含有原料をまずアルカリ条件下の溶液で洗浄処理しておくことでタンパク質やショ糖といったマンナン多糖類以外の成分を低減することができ、その結果加水分解後にマンノビオースの純度を高める為の分離・精製操作が簡略化できるという知見を見出し、本発明の課題を解決するに到った。
すなわち本発明は、
(1)マンナン多糖類含有原料を、アルカリ溶液で処理した後に、固液分離により残渣を回収し、次いで該残渣中のマンナン多糖類を加水分解することを特徴とする、マンノビオース純度が40重量%以上であるマンノビオース含有組成物の製造方法、
(2)マンナン多糖類含有原料をアルカリ溶液処理する際のpHが8.5〜13.5の範囲である前記(1)記載のマンノビオース含有組成物の製造方法、
(3)マンナン多糖類含有原料が、ココナッツの胚乳である前記(1)記載のマンノビオース含有組成物の製造方法、
(4)該組成物中の粗タンパク質含量が10重量%以下である前記(1)記載のマンノビオース含有組成物の製造方法、である。
本発明はマンナン多糖類含有原料に対して、マンナン多糖類を加水分解する前段階においてアルカリ溶液処理を行い、マンナン多糖類以外の成分を可溶化することにより、高純度のマンノビオース含有組成物を複雑な工程を経ることなく、簡便な工程にて得ることができるものである。従来は植物細胞の細胞壁の多糖類成分を抽出する際にアルカリ溶液で抽出が行われることがあったが、本発明のようにマンナン多糖類含有原料を用いた場合に、アルカリ溶液処理によってマンナン多糖類を抽出させることなくマンナン多糖類以外の成分を効率良く洗浄できるという効果はこれまで予測できなかったものである。特にココナッツ果実の胚乳部分などの特定のマンナン多糖類含有原料においてマンナン多糖類以外の成分を効率良く洗浄できる効果が高い。
本発明のマンノビオース含有組成物の製造方法は、マンナン多糖類含有原料を、水に分散させてからアルカリ溶液処理してマンナン多糖類以外の成分を可溶化した後に、固液分離により残渣を回収し、次いで該残渣中のマンナン多糖類を加水分解することを特徴とするものである。以下、本発明を詳細に説明する。
(マンナン多糖類含有原料)
本発明に用いるマンナン多糖類含有原料は、ガラクトマンナン、グルコマンナン、ガラクトグルコマンナンといったマンナン多糖類を含有する原料をいう。特に植物系原料にあってはココヤシ、パームヤシ、ゾウゲヤシ等のヤシ類、コンニャクイモ、ツクネイモ、ヤマイモ等のイモ類、ユリ、スイセン、ヒガンバナ等の地下茎、ローカストビーンガム、フェヌグリークガム、大豆種皮、コーヒー、グァーガム等の豆類を用いることができ、特にマンナン多糖類以外の成分の除去性の点でココヤシの果実であるココナッツの胚乳を用いることが好ましい。ココナッツの胚乳は、収穫した果実からハスクや内果皮を取り除いて直接胚乳を取り出して使用しても良いが、ヤシ油の原料となるコプラ、あるいはコプラからヤシ油を搾油した搾油粕(コプラミール)でも構わない。また、製菓材料として流通しているデシケートココナッツや、バージンココナッツケーキのような脱脂ココナッツ粉などを用いても良い。
マンナン多糖類含有原料は原料の粒度や原料中の成分の抽出しやすさなどの状況によってはそのまま用いることができるが、原料の粒度が大きい場合などは作業効率を考慮し、破砕機や粉砕等により予め適当な大きさの粒状ないし粉末状にしてから使用するのが好ましい。また、原料中の粗脂肪分が高いと製造工程中にいわゆる石鹸臭と称される臭いが発生して最終製品の風味に影響を及ぼす場合も考慮されるので、ヘキサン、プロパノール、エタノール等の有機溶剤を用いて予め脱脂してから用いるのがより望ましい。
(アルカリ溶液処理)
本発明は上記原料をそのまま加水分解に供するのでなく、まずアルカリ溶液で処理し、不純物であるマンナン多糖類以外の成分を選択的に可溶化させ、除去することが重要である。すなわち、加水分解処理を行う前に、例えば予めアルカリ性に調整した溶液に原料を直接懸濁させるか、又は原料を水に懸濁させてから懸濁液をアルカリ性に調整した後、5〜120分間静置又は攪拌することによってアルカリ溶液処理を行う。
アルカリ溶液処理を行うことによってマンナン多糖類はなるべく保持しつつ、不純物であるマンナン多糖類以外の成分、例えばタンパク質、非マンノース系の糖類、ポリフェノールやサポニン等の微量成分がより多く除去される。これにより次工程のマンナン多糖類の加水分解工程の後に複雑なマンノビオースの分離・精製工程を行うことが不要となり、製造効率が極めて向上する。
アルカリ溶液処理の際のpH条件としては、少なくとも処理中の懸濁液のpHがアルカリ性(pH>7)に保持されていることが重要である。特にアルカリ溶液処理の開始時における懸濁液のpHは、pH9〜13.5が適当であり、pH9.5〜13.5が好ましく、pH10.5〜13.5がより好ましく、11.5〜13.5がさらに好ましい。より高いpHで処理することにより、マンナン多糖類以外の成分を選択的に、かつ短時間でより多く可溶化させることができる。ただし、アルカリ溶液処理の時間をより長くかけて処理すればpH9未満のアルカリ溶液処理であってもマンナン多糖類以外の成分を可溶化することはできる。
アルカリ溶液処理の際に用いるアルカリ物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなど一般的に用いられるアルカリ性物質が挙げられる。これらの中でもより高いpHで処理を行うには強アルカリである水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が好ましい。
原料を懸濁させる際のアルカリ溶液の液量としては、原料を十分に分散させることができる量であればよく、作業効率などを考慮すると、重量換算で原料の3〜15倍量が好ましく、5〜10倍量がさらに好ましい。懸濁時の温度としては、溶液が凍らない温度以上であって、マンナン多糖類がこの段階でなるべく加水分解されない温度域であればよく、通常は室温の25〜121℃が好ましく、60〜121℃で加熱するのがより好ましい。加熱する際の時間は限定されないが、5〜180分が適当である。
なお、アルカリ溶液処理の間に、懸濁液のpHは徐々に低下してくる場合がある。この場合、所望のpH範囲内であれば特にpHを再調整する必要はない。ただし、処理中にpH7以下となってしまう場合や、pH7以上であっても所望のpH範囲から外れてしまう場合には適宜上記のアルカリ物質を補充すればよい。
次に、アルカリ溶液処理後の懸濁液を次工程に供するが、必要により塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸等の酸を添加して懸濁液を中性ないし元の懸濁液のpH、例えばpH5〜7程度まで中和してから、遠心分離やろ過といった分離手段により固液分離し、残渣を回収する。
回収された残渣は次いで加水分解処理に供する。該残渣はそのまま加水分解処理に供しても構わないが、アルカリ溶液処理により洗浄し切れなかったタンパク質、糖類や、塩その他のアルカリ溶液処理による生成物などをより多く除去する為に、水に懸濁してさらに洗浄を行ってから用いる方がより望ましい。その際、使用する水の量としては、先のアルカリ溶液と同様に十分に分散し攪拌できるだけの量であれば問題ないが、より好ましくは重量比で原料の5〜10倍量である。蒸留水等の温度としては、蒸留水が凍らない温度域以上であって、マンナンが加水分解されてマンノオリゴ糖が生成してこない温度域の範囲であれば構わない。通常は室温の25℃〜121℃の温度域、より好ましくは60〜100℃で静置又は攪拌するのが良い。蒸留水で洗浄する回数は2回以上がより好ましい。洗浄終了後は、アルカリ溶液処理後と同様に固液分離を行い、残渣を回収する。
(加水分解処理)
以上のようにしてアルカリ溶液処理されたマンナン多糖類含有原料の残渣に含まれるマンナン多糖類を加水分解し、二糖類であるマンノビオースを生成させる。
マンナン多糖類を加水分解する条件としては特に限定されないが、例えば、塩酸や硫酸などの酸による加水分解法や高温の水蒸気を用いて加水分解する方法では、マンノースの重合度が3〜10のマンノオリゴ糖類も多く生成されてしまうため、マンノビオースをできるだけ多く生成させるのに相応しい方法であるとは言い難い。
より純度の高いマンノビオースを生成させるためには、マンナン分解酵素を用いた方法を選択するのがより好適である。その際使用する酵素としては、マンナンに作用してマンノオリゴ糖類を遊離できるマンナン分解活性を有する酵素であれば特に限定されるものではないが、より好ましくはendo型のβ−マンナナーゼ等が適当である。また、セルラ−ゼ、キシラナ−ゼ、ペクチナ−ゼおよびガラクタナ−ゼ等のヘミセルラ−ゼにもマンナン分解活性を夾雑するものがあるため使用できる。市販の酵素製剤を使用しても良く、その中でも食品用酵素剤として市販されているものであれば、食品用途としての使用実績があり、安全性が確立されている。
酵素反応を行う際の条件としては、通常の酵素反応の条件であれば特に問題はなく、使用する酵素に最適な条件を選択すれば良い。反応温度は、酵素が失活せず尚且つ微生物が繁殖しない温度域であることが望ましく、好ましくは40〜80℃、さらに好ましくは50〜70℃である。反応におけるpHは使用する酵素の至適条件下で行うのが望ましいが、反応温度同様に微生物による腐敗を防止するためにpH2〜6の酸性ないし弱酸性域が望ましい。反応時間は使用する酵素量にもよるが、作業都合上3〜48時間にするのが好ましい。加水分解反応後は、先述の方法により固液分離され、上清が回収される。
(マンノビオース含有組成物)
上記工程により得られた溶液をそのまま使用しても良いが、用途に合わせて、乾燥、濃縮などの処理を行い、粉末、顆粒、錠剤、シロップなどの任意の形態に加工してマンノビオース含有組成物とする。このようして得られたマンノビオース含有組成物は、粗タンパク質含量が10重量%以下、5重量%以下あるいは3重量%以下に低減されており、加水分解工程の後にさらに追加で分離・精製工程を行わなくともマンノビオースの純度は十分に高く、少なくとも40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上あるいは65重量%以上有するものである。
以下、本発明のより具体的な実施形態を説明する。なお、本実施例において粗タンパク質含量はケルダール法により測定し、マンノビオース含量は以下の方法により測定した。
<マンノビオースの分析方法>
サンプルを0.05g精秤した後に蒸留水で10mlにメスアップした。限外ろ過フィルター「ウルトラフィルターユニットUSY-1」(分画分子量10,000、ADVANTEC社製)に通液した後、ろ液を蒸留水で10倍希釈した。次いで陰イオン除去カートリッジ「OnGuard II A」(DIONEX社製)に通液した後、DIONEX社の糖質・アミノ酸高感度分析システム(HPAE-PAD法)により分析した。

(HPAE-PAD法による分析条件)
・システム :ICS-3000 (DIONEX社製)
・カラム :CarboPack PA1(DIONEX社製)
・溶媒 :20mM NaOH (0-20min)、20mM NaOH+20mM NaOAc (20-35min)
・流速 :1.0 ml / min
・検出器 :PAD
・カラムオーブン:30℃
(比較例1)
ココナッツ果実の胚乳を圧搾し、油の搾り粕を粉砕して製造された市販のココナッツ粉をフィリピンより入手した。これに対し重量比で2倍量のヘキサンを混合して60分間激しく攪拌した。濾過により回収した残渣に再度ヘキサンを添加して、再度激しく攪拌した。この操作を計3回繰り返して、残存油分が0.8%になるまでココナッツ粉を予め脱脂した。
脱脂したココナッツ粉10gに対し、蒸留水150gと市販のマンナナーゼ「スミチームACH-L」(新日本化学工業株式会社製)を0.2g添加して、pH5、反応温度50℃、反応時間20時間の条件で加水分解反応を実施した。反応後は遠心分離(10,000g、20分間)を行い上清を回収した。凍結乾燥により上清中に含まれる固形分を回収し、固形分中の粗タンパク質含量とマンノビオース含量を測定したところ、それぞれ14.8重量%と35.6重量%であった。
(実施例1)
比較例1と同様にしてココナッツ粉を脱脂した後、重量比で10倍量の蒸留水に懸濁し分散させた後に、水酸化ナトリウムを添加して懸濁液のpHを12に調整し、80℃の温度で2時間加熱攪拌してアルカリ溶液処理を施した。その後、塩酸を加えて懸濁液のpHを6.2に再調整した後、遠心分離(10,000g、20分間)にて固液分離を行った。残渣を回収して、重量比で7倍量の蒸留水を加えて室温条件下で30分間攪拌して残渣を洗浄した。その後、遠心分離による固液分離で残渣を再度回収した。この蒸留水による洗浄操作を計2回繰り返した。その後、得られた残渣の固形分に対して水が15倍量含まれるように蒸留水を添加し、比較例1と同じ条件で酵素反応を行った。加水分解後は遠心分離で上清を回収し、凍結乾燥にて固形分を回収した。このようにして得られた固形分中の粗タンパク質含量は2.9重量%と比較例1と比べて10重量%以上も低くなっており、またマンノビオース含量も72.0重量%と2倍以上も高いものであった。
(比較例2)
ヤシ油の搾油粕であるコプラミール50gに対して、等量の蒸留水と「スミチームACH−L」を0.4g添加して十分に攪拌混合した後、50℃の温度条件で22時間反応を行った。反応後、80℃のパーフェクトオーブンで十分に乾燥を行い、得られた固形分について粗タンパク含量とマンノビオース含量を測定したところ、それぞれ19.9重量%と12.7重量%であった。
(実施例2)
比較例1と同じコプラミールを、重量比で10倍量の蒸留水に懸濁し分散させた後に、水酸化ナトリウムを添加して懸濁液のpHを12に調整し、120℃のオートクレーブで2時間加熱処理することによりアルカリ溶液処理を施した。塩酸を添加して懸濁液のpHを6.1にした後に固液分離で残渣を回収した。また、実施例1と同様に重量比で7倍量の蒸留水による洗い込みを繰り返し2回行った。得られた残渣に対し、重量比15倍量の蒸留水とで2重量%のスミチームACH−Lを添加して、50℃の条件下で20時間加水分解したところ、マンノビオース含量が69.6重量%、粗タンパク含量が1.8重量%であるマンノビオース含有組成物が得られた。
(試験例)アルカリ溶液処理の際のpHの影響
予めヘキサンで脱脂したココナッツ粉を重量換算で10倍量の蒸留水に懸濁したサンプルを12点用意し、塩酸又は水酸化ナトリウムを用いて懸濁液のpHを1ずつ変化させて3〜14に調整した。次に全サンプルを120℃、2時間の条件でオートクレーブ処理した後、遠心分離(10,000g、30分)により上清画分と沈殿画分に分離した。得られた上清画分(sup)および沈殿画分(ppt)に含まれる粗タンパク質含量およびマンノース含量(マンノース残基として)をそれぞれ分析した。なお、マンノース含量は、72%硫酸を用いて105℃の条件下で一晩加水分解し、炭酸バリウムで中和した後、HPAE-PADに供して分析した。。分析結果を表1に示した。
(表1)
Figure 0005605440
懸濁液がpH3〜9の条件では原料中の粗タンパク質のうち50%以上は可溶化せずに沈殿画分(ppt)に残るが、pHが9を超えると上清画分(sup)に可溶化してくる粗タンパク質の割合は増加し、沈殿画分の粗タンパク質含量は減少した。pHが12以上では沈殿画分(ppt)に残る粗タンパク質は12%以下にまで低減されており、特にアルカリ溶液処理の効果が高かった。
一方、マンノース残基に関してはpH3〜13の条件ではほとんど上清画分(sup)には抽出されず、90%以上は沈殿画分(ppt)に残存する結果であった。pH14の条件になると、β開裂によりマンナン多糖類が低分子化するためか、上清画分へ溶出する割合がやや高くなった。
以上より、ココナッツ粉をアルカリ性の溶液で洗浄することで、ココナッツ粉の中にマンノースは残したままタンパク質を選択的に可溶化し除去することができることが示された。特にpH10〜13の範囲、さらにはpH11〜13の範囲にアルカリ溶液のpHを調整することがより好適と考えられた。

Claims (5)

  1. マンナン多糖類含有原料又はこれを有機溶剤で脱脂したものを、そのままpH8.5〜13.5のアルカリ溶液で処理して不純物を可溶化させた後に、固液分離により残渣を回収し、次いで該残渣中のマンナン多糖類を加水分解し、マンノビオースを生成させることを特徴とする、マンノビオース純度が40重量%以上であるマンノビオース含有組成物の製造方法。
  2. マンナン多糖類含有原料をアルカリ溶液処理する際のpHが9.5〜13.5の範囲であり、得られるマンノビオース含有組成物のマンノビオース純度が60重量%以上である、請求項1記載のマンノビオース含有組成物の製造方法。
  3. 該組成物中の粗タンパク質含量が10重量%以下である請求項1又は2記載のマンノビオース含有組成物の製造方法。
  4. 該組成物中の粗タンパク質含量が5重量%以下である請求項2記載のマンノビオース含有組成物の製造方法。
  5. マンナン多糖類含有原料が、ココナッツの胚乳である請求項1〜4の何れか1項記載のマンノビオース含有組成物の製造方法。
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