JP5605253B2 - 脈波計測装置、およびプログラム - Google Patents

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本発明は、脈波を光学的に計測する技術に関する。
従来から、生体、特に人体における脈波計測の一般的方法として、光電変換による脈波計測方法が用いられてきた。この種の脈波計測方法では、血液に吸収されやすい波長の光を発光ダイオードなどの発光素子から生体へ向けて照射し、生体を透過した光または生体内に進入後散乱等によって反射されてくる光をフォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子にて受光して電気信号(以下、脈波信号)に変換することにより脈波の検出が実現され、この脈波信号を解析することで脈波の計測(脈間隔や単位時間当たりの脈拍数の計測)が実現される。ここで、脈間隔とは心電におけるRR間隔に相当する時間長である。生体内に進入した光の吸収は、動脈拡張時のほうが、動脈収縮時に比べて大きく、脈波信号の信号レベルは動脈の脈動に応じて変化するからである。例えば、特許文献1には、脈波から心電図のRR間隔に相当する情報を取り出す解析方法について開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ノイズが重畳した脈波信号ではノイズによる偽ピークを脈波ピークとして検出してしまう可能性があった。
これを改善するため、特許文献2には、ノイズ成分が重畳した脈波信号において、検出ピーク値のばらつきを示す指標を判断基準にノイズの有無を判定する方法が開示されている。
特開2001−70265号公報 特開2001−61795号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、ノイズ有無を判定するために一定時間内に検出されたピーク群からばらつきを求める必要がある。従って、1拍ごとの偽ピークを検出することはできないという問題があった。さらに、ピークが真であるか偽であるかを厳密に判定することが困難である場合、ある基準によって一律に偽か真かを判定するだけであり、判定の信頼性について被験者は知ることができないといった問題があった。
本発明は,上記課題に鑑みて為されたものであり、1拍ごとの偽ピークを検出し、偽ピークの影響を排除した心拍に相当する正確な脈波間隔を計測すること、及び脈波間隔の信頼性を被験者に知らせることを解決課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する第1の微分データ生成部と、前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第2の微分データを生成し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データ生成部より大きい第2の微分データ生成部と、前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する第1のピーク検出部と、前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する第2のピーク検出部と、前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成する各サンプルとを時系列に並べ替え、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、連続する回数が所定数以上となったサンプルを前記第1のピークデータを構成する複数のサンプルから除いて、第3のピークデータを生成するノイズ判断部と、前記第3のピークデータに基づいて、隣り合うサンプルの時間差を脈波間隔として演算する脈波間隔演算部と、を備える脈波計測装置を提供する。
この脈波計測装置では、脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形に基づいて脈波間隔を演算する。脈波間隔は、脈波波形のピークの間隔であるから、正確な脈波間隔を求めるためには脈波波形のピークの発生時刻を正確に求める必要がある。
微分脈波波形のピークは平滑化の程度が小さいほど急峻になる。したがって、脈波波形のピークの発生時刻は、平滑化の程度が小さいほど精度良く求まる。しかし、平滑化の程度が小さいほど、ノイズに起因する偽ピークが発生し易くなる。
そこで、本発明の脈波計測装置では、平滑化の程度が小さい微分脈波波形を示す第1の微分データに基づいて、微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する一方、平滑化の程度が大きい第2の微分データに基づいて、微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出し、第1のピークデータを構成する複数のサンプルと第2のピークデータを構成する複数のサンプルとを時系列に整列した後に、第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、連続する回数が所定数以上となるサンプルを、第1のピークデータを構成する複数のサンプルから取り除くことで第3のピークデータを生成し、第3のピークデータに基づいて脈波間隔を演算するようにしている。
第2のピークデータは、平滑化の程度が大きい第2の微分データに基づいて検出されたデータであるため、偽ピークが含まれる可能性が低い。第2のピークデータと第1のピークデータとを時系列に並べる場合、第2のピークデータの1個のサンプルに対して、複数の第1のピークデータのサンプルが連続して存在すれば、その連続する複数のサンプルには偽ピークが含まれる可能性があり、サンプルが連続する回数に従ってその可能性は高くなる。
よって、第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知することにより、当該サンプルがノイズに起因する偽ピークである可能性の高いサンプルを排除することが可能となり、偽ピークではない正確なサンプルに基づいた、正確な脈波間隔を演算することができる。
また、本発明に係る脈波計測装置は、脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する第1の微分データ生成部と、前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第2の微分データを生成し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データ生成部より大きい第2の微分データ生成部と、前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する第1のピーク検出部と、前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する第2のピーク検出部と、前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成する各サンプルとを時系列に並べ替え、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、前記連続する回数に基づいて前記第1のピークデータのサンプルの各々が真のピークである可能性の程度を示す信頼度を生成し、前記第1のピークデータのサンプルの各々に対して前記信頼度を付与した第3のピークデータを生成するノイズ判断部と、前記第3のピークデータから、前記信頼度の示す値に基づいて2つのサンプルの組み合わせを複数選択し、前記2つのサンプルの時間差を脈波間隔として演算する脈波間隔演算部と、を備えることを特徴とする。
この脈波計測装置では、第1のピークデータを構成する複数のサンプルと第2のピークデータを構成する複数のサンプルとを時系列に並べた複数のサンプルの中で、複数の第1のピークデータのサンプルが連続する回数に基づいて信頼度を生成したうえで、第1のピークデータを構成する複数のサンプルの各々に対して信頼度を付与する。前述の通り、信頼度は各サンプルが真のピークである可能性を示す指標であるため、各サンプルの中でノイズに起因した偽ピークである可能性の高いサンプルを把握することが可能となる。
さらに、この脈波計測装置では、第1のピークデータを構成する各サンプルに対して信頼度を付与すると共に、信頼度が低く偽ピークの可能性の高いサンプルについても排除せずに第3のピークデータを生成する。
例えば、信頼度の高い2つのサンプル(第1及び第2のサンプル)の間に、信頼度の低い複数のサンプル(例えば、4つの第3〜第6のサンプル)が介在している場合、信頼度の低い第3〜第6のサンプルを排除した後に、信頼度の高い第1及び第2のサンプルに基づいて脈波間隔を生成しても、当該脈波間隔は、信頼度の高い第1のサンプルと信頼度の低い第2のサンプルとから生成された脈波間隔、信頼度の低い第3及び第4のサンプルから生成された脈波間隔、信頼度の低い第4及び第5のサンプルから生成された脈波間隔、信頼度の低い第5及び第6のサンプルから生成された脈波間隔、及び信頼度の低い第5のサンプルと信頼度の高い第2のサンプルとから生成された脈波間隔との合計に過ぎず、脈波間隔が正確な値を示すものではない可能性が高い。
これに対して、この脈波計測装置によれば、信頼度の低く偽ピークである可能性の高いサンプルであっても、これを排除せずに第3のピークデータを生成する。そして、脈波間隔を算出に用いる2つのサンプルの組み合わせを、サンプルの有する信頼度に基づいて選択する。例えば、上記の例の場合には、信頼度の高い第1及び第2のサンプルに基づいた不正確な脈波間隔を算出すことを防止することができると共に、信頼度の高い第1のサンプルと信頼度の低い第3のサンプルとに基づいた不正確な脈波間隔を算出することも防止することが可能となる。従って、この脈波計測装置によれば、偽ピークではない正確なサンプルに基づいた、正確な脈波間隔を演算することができる。
上記の脈波計測装置において、前記脈波間隔に関する情報を前記信頼度と関係づけて表示する表示部を備える、ことが好ましい。
この脈波計測装置によれば、被験者に対して、1拍ごとに真のピークであるか偽ピークであるかを示す信頼度を表示することが可能となる。また、被験者に対して、脈波間隔がどの程度正確なものであるかを示す脈波間隔の信頼度について示すことも可能となる。
なお、脈波間隔に関する情報とは、脈波間隔そのものの他、脈波間隔に基づいて得られる情報が含まれる。例えば、脈拍数が該当する。脈拍数は、60を脈波間隔で割り算することによって得られる。
上記の脈波計測装置において、前記脈波間隔演算部は、前記脈波間隔を算出するために用いる2つのサンプルの前記信頼度に基づいて、当該脈波間隔がどれだけ正確であるかを示す正確性指標を生成し、前記脈波間隔に関する情報を前記正確性指標と関係づけて表示する表示部を備える、ことが好ましい。
この脈波計測装置によれば、各ピークが真のピークであることを示す信頼度に基づいて、脈波間隔の各々がどの程度正確であるかを示す正確性指標を被験者に示すことが可能となる。例えば、数字が小さい程、真のピークであると信頼できる場合、サンプル1の信頼度が「1」であり、サンプル2の信頼度が「3」であるとする。この場合、サンプル1とサンプル2の脈波間隔は信頼度の低い方とすることができる。一方が正確であっても、他方が不正確であれば、脈波間隔は不正確になるからである。
上記の脈波計測装置において、前記第1の微分データ生成部は第1のデジタル平滑化多項式フィルターで構成され、前記第2の微分データ生成部は第2のデジタル平滑化多項式フィルターで構成され、前記第1のデジタル平滑化多項式フィルターは第2のデジタル平滑化多項式フィルターよりフレームサイズが小さいようにするのが好ましい。
フレームサイズが小さいデジタル平滑化多項式フィルターから求められる微分信号波形は急峻な上側ピークを示すから、ピークの発生時刻を正確に把握することができる。また、フレームサイズが大きいデジタル平滑化多項式フィルターから求められる微分信号波形はノイズに起因する偽ピークの発生を抑制することが可能になる。このような2つのデジタル平滑化多項式フィルターから構成される脈波計測装置は、1拍ごとの偽ピークを検出し、偽ピークの影響を排除して、正確な心拍を計測することができる。また、脈波に比べて周期が長い基線揺れノイズは、デジタル平滑化多項式フィルターで微分データを生成する過程で抑圧される。これは、心拍の計測の精度向上に寄与する。
上記の各脈波計測装置において、前記第1のピーク検出部は、前記第1の微分データを構成する複数のサンプルのうち、閾値を超えるサンプルから、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出し、前記第2のピーク検出部は、前記第2の微分データを構成する複数のサンプルのうち、閾値を超えるサンプルから、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出するようにしてもよい。この脈波計測装置によれば、微分データを構成するサンプルのうち、閾値を超えたサンプルのみに基づいて、ピークデータが検出される。これは、心拍の計測の精度向上に寄与する。
上記課題を解決するために本発明は、コンピューターに、脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する処理と、前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データより大きい第2の微分データを生成する処理と、前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する処理と、前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する処理と、前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成するサンプルとを時系列に並べ替える処理と、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知する処理と、連続する回数が所定数以上となったサンプルを前記第1のピークデータを構成する複数のサンプルから除いて、第3のピークデータを生成する処理と、前記第3のピークデータに基づいて、隣り合うサンプルの時間差を脈波間隔として演算する処理と、を実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
このようなプログラムにしたがって一般的な光電変換方式の脈波計測装置の演算処理回路を作動させることによって、その脈波計測装置を本発明の脈波計測装置として機能させることが可能になる。
上記課題を解決するために本発明は、コンピューターに、脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する処理と、前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データより大きい第2の微分データを生成する処理と、前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する処理と、前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する処理と、前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成するサンプルとを時系列に並べ替える処理と、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知する処理と、前記連続する回数に基づいて前記第1のピークデータのサンプルの各々が真のピークである可能性の程度を示す信頼度を生成する処理と、前記第1のピークデータのサンプルの各々に対して前記信頼度を付与した第3のピークデータを生成する処理と、前記第3のピークデータから、前記信頼度の示す値に基づいて選別した複数のサンプルの中で、隣り合うサンプルの時間差を脈波間隔として演算する処理と、を実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
このようなプログラムにしたがって一般的な光電変換方式の脈波計測装置の演算処理回路を作動させることによって、その脈波計測装置を本発明の脈波計測装置として機能させることが可能になる。
なお、上記プログラムの具体的な提供態様としては、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)やメモリスティックなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布する態様や、インターネットなどの電気通信回線経由のダウロードにより配布する態様が考えられる。
本発明の実施形態の脈波計測装置1の外観を示す図である。 脈波計測装置1の脈波検出部30の装着態様の一例を示す図である。 脈波計測装置1の電気的な構成例を示す図である。 脈波計測装置1のCPU100が実行する制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 CPU100が実行する脈波ピーク検出処理、及び脈波間隔演算処理の機能構成を示す図である。 脈波計測装置1の第1のデジタル平滑化多項式フィルター210によって脈波データMDからピークデータP1を求める過程を示す説明図である。 脈波計測装置1の第2のデジタル平滑化多項式フィルター230によって脈波データMDからピークデータP2を求める過程を示す説明図である。 図6及び図7に示す脈波データMDからピークデータP1及びP2を生成する処理の流れを示すフローチャートである。 図6及び図7に示す脈波データMDから得られたピークデータP1及びP2を時系列に番号を振り並べて示す説明図である。 時系列に並べられたピークデータP1及びP2に対して信頼度を付与したものを示す説明図である。 ピークデータP1及びP2からピークデータP3を生成する処理の流れを示すフローチャートである。 ピークデータP3を示す説明図である。 表示部80への脈波間隔Mrr、及び正確性指標DMrrの表示イメージを示す説明図である。 ピークデータP1に偽ピークが含まれる可能性のある場合を例示した説明図である。
図1は、本発明の実施形態の脈波計測装置1の外観を示す図である。図1に示すように、脈波計測装置1は、腕時計構造を有しており、被験者の手首に装着される装置本体10と、この装置本体10にケーブル20を介して接続された脈波検出部30とを有する。図1に示すように、装置本体10にはリストバンド12が取り付けられている。脈波計測装置1は、リストバンド12を被験者の手首(図1に示す例では、左手首)に巻きつけることで当該被験者の身体に装着される。装置本体10の表面には、液晶ディスプレイなどの表示部80が設けられている。表示部80には、脈波検出部30により検出された脈波信号から算出される脈間隔や単位時間当たりの脈拍数、現在時刻等が表示される。また、装置本体10の外周部にはボタンスイッチ16が設けられている。ボタンスイッチ16は、脈波の計測開始や計測終了、計測結果のリセットなどの各種指示の入力に用いられ、後述する入力部90として機能する。
図2は、被験者の身体に対する脈波検出部30の装着態様の一例を示す図である。図2に示すように、脈波検出部30は、脈波センサー32と、センサー固定用バンド34とを有する。脈波検出部30は、例えば被験者の左手人指し指の根元から第2指関節までの間の部分(以下、測定部位)にセンサー固定用バンド34を巻きつけることで被験者の身体に装着される。脈波検出部30が被験者の身体に装着された状態では、脈波センサー32はセンサー固定用バンド34によって外光から遮光される。外光に起因したノイズを排除するためである。本実施形態では、脈波検出部30を被験者の左手人差し指に装着する場合について説明するが、左手中指や薬指などの他の指に装着しても勿論良い。また、図1に示すように、本実施形態では被験者の左腕に装置本体10を装着するのであるが、右腕に装置本体10を装着しても良く、この場合は右手の指に脈波検出部30を装着するようにすれば良い。
脈波センサー32は、発光素子と、受光素子とを含んでいる。発光素子は、例えば青色又は緑色で発光するLED(Light Emitting Diode)であり、血液に吸収されやすい波長の光を、ケーブル20を介して装置本体10から供給された電流の電流値に応じた強度で放射する。脈波検出部30が被験者の身体に装着された状態(図2参照)では、発光素子から測定部位に向けて上記光が照射される。このようにして発光素子から測定部位に向けて照射された光は、測定部位内部へ進入した後、一部が真皮内の毛細血管を流れる血液によって吸収される。そして、発光素子から照射された光のうちの血液によって吸収されなかった光は、一部が測定部位を透過し、残りは生体組織による散乱等を経て反射光として受光素子によって受光される。受光素子は、例えばフォトダイオードであり、受光した光の強度に応じた電流値の信号を、ケーブル20を介して装置本体10に出力する。
図3は、脈波計測装置1の電気的な構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、脈波計測装置1は、当該装置の制御中枢として機能するCPU100、脈波検出部30から出力される脈波信号を増幅する増幅回路40、増幅回路40から出力される脈波信号をデジタル信号に変換して脈波データMDを生成するAD変換回路50を備える。
また、脈波計測装置1は、各種の制御プログラムを記憶したROM60、脈波データMDを記憶したり、CPU100の作業領域として機能するRAM70、画像や文字を表示する表示部80、被験者が各種の指示を入力する入力部90、CPU100の動作のタイミング基準となるクロック信号を発振する発振回路110、及び、CPU100の制御の下、時間計測を実行する計時回路120を備える。
増幅回路40のゲインは、脈波データMDをCPU100が解析することによって設定すされる。例えば、腕を下げた状態が続き測定部位が鬱血し、脈波データMDの波形の振幅が小さくなった場合には、ゲインを上げるように制御がなされる。これにより、AD変換回路50のダイナミックレンジを有効に活用し、高いSN比の脈波データMDを得ることが可能となる。
また、この例におけるAD変換回路50のサンプリングレートは、例えば、100Hzであり、脈波信号に対して十分高い周波数となっている。さらに、脈波データMDは10ビットとなっている。
上述した機能は、CPU100がROM60に記憶された各種制御プログラムを実行することによって実現される。
図4は、CPU100が実行する制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。制御プログラムは、被験者がボタンスイッチ16を操作して、処理開始の指示を与えた場合に開始され、その処理結果は表示部80に表示される。制御プログラム開始後に、被験者が再度ボタンスイッチ16を操作することで、制御プログラムを終了させ、表示部80に表示された処理結果をリセットすることができる。
CPU100は、RAM70に格納された処理ステータスを参照することで、制御プログラムが実行中の状態であるか、非実行の状態であるかを識別する。
処理ステータスは、通常、非実行の状態を示す値に設定され、被験者がボタンスイッチ16を操作して、処理開始の指示を与えた場合に、実行中の状態を示す値に設定される。また、当該制御プログラムが終了した場合、CPU100は、処理ステータスを実行中の状態から非実行の状態に更新する。
ステップS10において、CPU100は、RAM70に格納された処理ステータスを参照し、計測が終了しているかについて判定する。
処理ステータスが実行中の状態を示す場合、CPU100は、計測が終了していないと判断し、処理をステップS11へと進める。一方、処理ステータスが非実行の状態を示す場合、CPU100は、計測が終了していると判断し、当該プログラムの処理結果を表示部80に表示したうえで、当該プログラムを終了する。
なお、ステップS10において処理ステータスが実行中の状態を示す場合には、被験者がボタンスイッチ16を操作して処理開始の指示を与えた後にステップS16の処理が終了していない場合と、ステップS14の処理において脈波データMDのデータ数が不十分であると判断された場合とが存在する。
ステップS11において、CPU100は、ケーブル20を介して脈波検出部30に電源を供給して動作させる。装置本体10より電源の供給を受けた脈波検出部30は、脈波センサー32の発光素子から被験者の身体に向けて光を放射する。同時に、脈波検出部30は、脈波センサー32の受光素子が受光した光の強度に基づいて脈波信号を生成し、脈波信号を、ケーブル20を介して装置本体10に出力する。
ステップS12において、増幅回路40は、脈波検出部30から出力された脈波信号を増幅し、AD変換回路50に対して出力する。
ステップS13において、AD変換回路50は、増幅回路40から出力される脈波信号をデジタル信号に変換し、脈波データMDを生成する。脈波データMDは、脈波波形を示すデータであり、RAM70に格納される。
ステップS14において、CPU100は、RAM70に格納された脈波データMDを参照し、脈波データMDが後述するステップS15及びS16の処理において必要なデータ数を充足するものであるか判断する。
CPU100は、脈波データMDが必要なデータ数を充足していないと判断した場合には、処理をステップS10に戻す一方、必要なデータ数を充足していると判断した場合には、処理をステップS15に進める。
ステップS15において、CPU100は、脈波ピーク検出処理を行う。また、ステップS16において、CPU100は、脈波間隔演算処理を行う。なお、脈波ピーク検出処理、及び脈波間隔演算処理の詳細については、後述する。
CPU100は、ステップ16が終了した場合、処理ステータスを、非実行の状態に設定し、処理をステップS10に進める。
図5に、CPU100が実行する脈波ピーク検出処理、及び脈波間隔演算処理の機能構成を示す。第1及び第2のデジタル平滑化多項式フィルター210(第1の微分データ生成部)及び230(第2の微分データ生成部)は、脈波データMDから微分脈波波形を示す微分データB1及びB2(速度脈波)を求めるものである。第1及び第2のデジタル平滑化多項式フィルター210及び230は、フレームサイズmで与えられる時間区間の信号を切り出し(m個の脈波データMDを演算の対象とし)、その区間の信号を次数pで与えられる多項式で近似する。得られた多項式を微分演算することで区間内の微分係数を求める。以降、信号を切り出す位置を時間軸方向にずらしながら上記演算を続けることで微分データB1及びB2が算出される。フレームサイズmと多項式の次数pは制御パラメータである。本実施形態にあっては次数pが例えば3である。また、第1のデジタル平滑化多項式フィルター210のフレームサイズは10サンプルであり、第2のデジタル平滑化多項式フィルター230のフレームサイズは50サンプルである。フレームサイズが大きい程、平滑化の度合いが大きくなる。
第1及び第2のピーク検出部220(第1のピーク検出部)及び240(第2のピーク検出部)は、各デジタル平滑化多項式フィルター210及び230により求められた微分脈波波形(微分データB1及びB2)の振幅ピークを検出して、ピークデータP1及びP2を生成する。ピークデータP1及びP2は、凸状に現れる1拍ごとの脈波波形(脈波データMD)の傾きが最大となる時刻を示す。これによって心電図のRに相当する脈波ボトムピークを検出することができる。
図6は第1のデジタル平滑化多項式フィルター210によって脈波データMDからピークデータP1を求める過程を示す説明図である。第1のデジタル平滑化多項式フィルター210に同図の上段の脈波データMDが入力されると、同図の下段に示す微分データB1が出力される。ここで、脈波データMDにはノイズNが重畳している。このノイズNが発生する時刻tnの近傍には、微分データB1に偽ピークPnが現れる。第1のピーク検出部220は、微分データB1を閾値THと比較し、閾値THを上回る上側ピークを検出してピークデータP1を生成する。この例では、ノイズに対応する偽ピークPnが閾値THを超えているので、偽ピークPnに対応するピークデータP1が生成される。
図7は第2のデジタル平滑化多項式フィルター230によって脈波データMDからピークデータP2を求める過程を示す説明図である。第2のデジタル平滑化多項式フィルター230に同図の上段の脈波データMDが入力されると、同図の下段に示す微分データB2が出力される。ここで、時刻tnにおいて、脈波データMDにはノイズNが重畳しているが、微分データB2からは除去されている。第2のピーク検出部240は、微分データB2を閾値THと比較し、閾値THを上回る上側ピークを検出してピークデータP2を生成する。
図6および7に示したように、フレームサイズmが小さいデジタル平滑化多項式フィルターから求められる微分信号波形は、急峻な上側ピークを示す。すなわち、ピーク検出位置はフレームサイズが小さいものほど精度良く求まる。上述したように第1のデジタル平滑化多項式フィルター210は第2のデジタル平滑化多項式フィルター230よりもフレームサイズが小さい。従って、微分データB1から抽出されるピークデータP1は、ピークデータP2よりも上側ピークを正確な時刻で表している。しかしながら、微分データB1にはノイズNに起因する偽ピークPnが存在する。フレームサイズが大きい第2のデジタル平滑化多項式フィルター230により求まる微分データB2では、この偽ピークPnが存在しない。
図8にCPU100が実行する脈波ピーク検出処理のうち、脈波データMDからピークデータP1及びP2を生成する処理(つまり、図5における、第1及び第2のデジタル平滑化多項式フィルター210及び230と、第1及び第2のピーク検出部220及び240とに対応する部分の処理)の流れを示す。
脈波データMDからピークデータP1を生成する処理は、後述するステップS21a、ステップS22a、及びステップS23aから構成される。また、脈波データMDからピークデータP2を生成する処理は、後述するステップS21b、ステップS22b、及びステップS23bから構成される。これらの処理、すなわち、脈波データMDからピークデータP1を生成する処理と、脈波データMDからピークデータP2を生成する処理とは、互いに独立した並列な処理である。
ステップS21aにおいて、CPU100は、脈波データMDからフレームサイズ10で与えられる時間区間の信号を切り出し、その区間の信号を次数p(p=3)で与えられる多項式で近似する。次に、CPU100は、得られた多項式を微分演算することで区間内の微分係数を求める。CPU100は、信号を切り出す位置を時間軸方向にずらしながら上記演算を続けることで微分データB1を算出する。その後、CPU100は、処理をステップS22aに進める。
同様に、ステップS21bにおいて、CPU100は、脈波データMDからフレームサイズ50で与えられる時間区間の信号を時間軸方向にずらしながら切り出し、上記演算を行うことで微分データB2を算出する。その後、CPU100は、処理をステップS22bに進める。
ステップS22aにおいて、CPU100は、ステップS21aで算出された微分データB1から、上側ピーク(上側の振幅ピーク)を検出する。次に、CPU100は、検出された上側ピークを閾値THと比較し、閾値THを上回る上側ピークを選別し、選別された複数の上側ピークのそれぞれが発生する時間を示すピークデータP1を生成する。その後、CPU100は、処理をステップS23aに進める。
同様に、ステップS22bにおいて、CPU100は、微分データB2からピークデータP2を生成する。その後、CPU100は、処理をステップS23bに進める。
ステップS23a及びS23bにおいて、CPU100は、ピークデータP1及びP2をRAM70に格納する。
なお、ピークデータP1は、Nmax個のサンプルからなるデータであって、各サンプルは、検出ピーク時間P1(1)〜P1(Nmax)を示す。同様に、ピークデータP2は、N´max個のサンプルからなるデータであって、各サンプルは、検出ピーク時間P2(1)〜P2(N´max)を示す。
説明を図5に戻す。ノイズ判断部250は、第1及び第2のピーク検出部220及び240により求められたピークデータP1及びP2を利用して、ピークデータP1を構成する複数のサンプル各々に対してノイズの影響の大きさを判定する。そして、ノイズ判断部250は、ピークデータP1を構成する各サンプルに対して、ノイズに対応する偽ピークPnでは無い「真」のピークである可能性を示す信頼度Dxを付与することで、ピークデータP3を生成する機能を有する。
ノイズ判断部250の動作は、以下の通りである。第1に、ノイズ判断部250はピークデータP1を構成する複数のサンプルと、ピークデータP2を構成するサンプルとを、時系列に並べ替える。第2に、ノイズ判断部250はフレームサイズ小の第1のデジタル平滑化多項式フィルター210によって得られたピーク(すなわち、ピークデータP1に属するサンプル)が、何回連続して検出されたか(連続回数C)を基準にノイズ判定を行う。連続回数Cが多いほど強いノイズ下の計測であるとして、連続回数Cが所定数以上となるサンプルを、後述する脈波間隔演算処理の対象外のデータとする。
図9にピークデータP1を構成する複数のサンプルと、ピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に並べ替えた例を示す。背景をグレーの斜線で示した数値がフレームサイズ小(m=10)のフィルターで計測されたピークデータP1のサンプル、すなわち、検出ピーク時間P1(1)〜P1(Nmax)である。また、背景が白の数値はフレームサイズ大(m=50)のフィルターで計測されたピークデータP2のサンプル、すなわち、検出ピーク時間P2(1)〜P2(N´max)である。
本実施形態においては、信頼度Dxの指標を4段階で表示する。信頼度Dxが高いほど高信頼とする。第1のデジタル平滑化多項式フィルター210によって得られたピークデータP1を構成するサンプルの連続回数Cが3回の場合には、該当する3つのサンプルの信頼度Dxを「1」に設定し、連続回数Cが2回の場合には、該当する2つのサンプルの信頼度Dxを「2」に設定し、連続回数Cが1回の場合には、該当する1つのサンプルの信頼度Dxを「3」(真)に設定する。また、連続回数Cが4回以上の場合は、強いノイズ下の計測データであるとし、該当する4つのサンプルの信頼度Dxには、後述する脈波間隔Mrr算出の対象外であることを示す値、例えば「0」を設定する。
図10に信頼度Dxと検出ピーク時間との関係を示す。この例では、番号45及び46においてピークデータP1のサンプルが2回連続する。この場合は信頼度Dxが「2」となる。また、番号48〜50では、ピークデータP1のサンプルが3回連続するので、信頼度Dxが「1」となる。さらに番号52〜55では、ピークデータP1のサンプルが4回連続するので、これらのサンプルの信頼度Dxは、脈波間隔演算処理の対象外であることを示す値、例えば「0」に設定される。
このように、ノイズ判断部250は、ピークデータP1を構成する複数のサンプルとピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に整列したうえで、ピークデータP1を構成する複数のサンプルの各々に対して、「真」のピークである可能性の高を示す信頼度Dxを付与して、ピークデータP3を生成する。
図11にCPU100が実行する脈波ピーク検出処理のうち、ピークデータP1及びP2からピークデータP3を生成する処理(つまり、図5におけるノイズ判断部250に対応する部分の処理)の流れを示す。
ステップS24において、CPU100は、ピークデータP1及びP2を構成する複数のサンプル、すなわち、検出ピーク時間P1(1)〜P1(Nmax)と、検出ピーク時間P2(1)〜P2(N´max)とを、時系列に整列する。CPU100は、これらの時系列に整列されたNmax+N´max個のサンプルを、RAM70に格納する。
次に、ステップS25において、CPU100は、整列されたサンプルのうち先頭のサンプルに対して検出ピーク番号i=1を付与する。
この後、ステップS26において、CPU100は、検出ピーク番号iに対応するサンプルが、ピークデータP1に属するサンプルであるかを判定する。CPU100は、判定条件が肯定された場合は処理をステップS28に進める。一方、判定条件が否定された場合、すなわち、当該サンプルがピークデータP2に属する場合には、CPU100は、処理をステップS27に進めて検出ピーク番号iを「1」インクリメントした後に、ステップS26の判定を実行する。
ステップS28において、CPU100は、検出ピーク番号iを「1」インクリメントすると共に、連続回数Cに「1」をセットした後、処理をステップS29に進める。
ステップS29において、CPU100は、検出ピーク番号iに対応するサンプルが、ピークデータP1に属するかを判定する。判定条件が肯定された場合、CPU100は、処理をステップS30に進めて検出ピーク番号iを「1」インクリメントすると共に連続回数Cを「1」インクリメントし、その後、ステップS29の判定を実行する。一方、判定条件が否定された場合、すなわち、当該サンプルがピークデータP2に属する場合には、CPU100は、処理をステップS31に進める。
ステップS31において、CPU100は、検出ピーク番号「i−C」を有するサンプルから、検出ピーク番号「i−1」を有するサンプルまでの、ピークデータP1に属するC個の連続するサンプルに対して、連続回数Cの値に対応した信頼度Dxを設定する。
ここで、検出ピーク番号「i−C」を有するサンプルとは、ステップS28において連続回数Cに「1」がセットされるサンプルの1つ前のサンプルであり、検出ピーク番号「i−1」を有するサンプルとは、ステップS30において連続回数Cの値がセットされるサンプルの1つ前のサンプルである。
その後、CPU100は、処理をステップS32に進める。
ステップS32において、CPU100は、検出ピーク番号iが、サンプルの総数(Nmax+N´max)よりも大きな値であるかを判定する。判定条件が否定された場合、すなわち、i≦Nmax+N´maxを満たす場合、CPU100は、処理をステップS33に進め、検出ピーク番号iを「1」インクリメントした後、処理をステップS26に進める。一方、判定条件が肯定される場合、すなわち、i>Nmax+N´maxを満たす場合、CPU100は、時系列に整列された(Nmax+N´max)個のサンプルのうち、ピークデータP1に属するNmax個のサンプルの各々が示す検出ピーク時間P1(1)〜P1(Nmax)と、各々のサンプルに付与された信頼度Dxとを、ピークデータP3としてRAM70に格納する。なお、CPU100は、ピークデータP3を、表示部80に表示しても良い。その後、CPU100は、処理を終了する。
このように、ステップS24〜S33によって、ピークデータP1及びP2から、図12に示すピークデータP3が生成される。
再び説明を図5に戻し、脈波間隔演算部260の行う、脈波間隔演算処理(ステップS15)の詳細を説明する。脈波間隔演算部260は、ピークデータP3のうち、隣り合う2つのサンプル(検出ピーク時間)の間隔を演算して、脈波間隔Mrrを算出する。また、これら2つのサンプルの有する信頼度Dxのうち、低い方の信頼度Dxの値を、正確性指標DMrrとする。正確性指標DMrrは、当該脈波間隔Mrrが、どの程度信頼できる正確な値であるかを示す指標であり、脈波間隔Mrrの算出の基礎となった2つのサンプルの信頼度Dxが高い値の場合には、当該脈波間隔Mrrがノイズによる偽ピークPnの影響を受けていない正確性の高いことを示す値となる。ここで、脈波間隔Mrrは心電図のRR間隔に相当する。
なお、隣接する2つのサンプルの一方または両方が脈波間隔演算処理の対象外の場合、すなわち、隣接する2つのサンプルの一方または両方の信頼度Dxが「0」の場合には、これらの値に基づいて脈波間隔Mrrを算出しても、偽ピークPnの影響による不正確な値である可能性が極めて高いため、脈波間隔Mrrは算出不能とする。この場合、正確性指標DMrrは、脈波間隔Mrrが算出対象外である旨を示す値、例えば「0」に設定される。
例えば図10において、信頼度Dxが「3」の検出ピーク番号「1」に対応するサンプルと、信頼度Dxが「3」の検出ピーク番号「3」に対応するサンプルとの間隔が、正確性指標DMrr「3」を有する脈波間隔Mrrとして算出される。一方、信頼度Dxが「2」の検出ピーク番号「8」に対応するサンプルと、信頼度Dxが「3」の検出ピーク番号「10」に対応するサンプルとの間隔は、これら2つのサンプルが有する信頼度のうち低い方の信頼度Dxの値「2」に基づいて、正確性指標DMrr「2」を有する脈波間隔Mrrとして算出される。
また、検出ピーク番号「52」及び「53」のように、隣接する2つのサンプルの双方の信頼度Dxが「0」である場合、または、検出ピーク番号「50」及び「52」のように、隣接する2つのサンプルのうち一方の信頼度Dxが「0」の場合には、これらのサンプルに基づいて脈波間隔Mrrは算出不能とされ、正確性指標DMrrは算出不能であることを示す値、例えば「0」が設定される。
CPU100は、脈波間隔演算部260により算出された、複数の脈波間隔Mrr、及び脈波間隔Mrr各々が有する正確性指標DMrrを、表示部80に表示する。
CPU100は、複数の脈波間隔Mrr及び正確性指標DMrrを、表または経時変化の分かるグラフ等、被験者の見やすい表示形式にこれらのデータを加工して、表示部80に表示しても良い。
例えば、図13に示すように、CPU100は、表示部80にX軸を時刻、Y軸を脈波間隔Mrrとしたグラフを表示したうえで、複数の脈波間隔Mrrの各々を、当該グラフの該当する座標にプロットして表示しても良い。この場合、各脈波間隔MrrがプロットされるX軸(時刻)の値は、当該脈波間隔Mrrの算出の基礎のなった2つのサンプルのうち一方の時間の値を用いても良い。また、当該グラフ上に表示される脈波間隔Mrrは、当該脈波間隔Mrrの有する正確性指標DMrrに応じて、色や形を変えて表示されるようにしても良い。算出不能とされた脈波間隔Mrrは、値を有さないものとして、X軸上(すなわちY=0)としてプロットしても良い。
なお、CPU100は、図13に示すグラフに対して、脈波間隔Mrrをプロットする代わりに、脈波間隔Mrrに基づいて算出した単位時間値(例えば、1分間)あたりの脈拍数をプロットしても良い。即ち、脈波間隔Mrrのみならず、脈波間隔Mrrに基づいて得らる脈波間隔Mrrに関する情報を表示してもよい。
さらに、これら複数の脈波間隔Mrr及び正確性指標DMrrは、本実施形態に係る制御プログラムとは異なるアプリケーションに対してインタフェースされても良い。例えば、脈波間隔Mrrの経時変化を示すグラフの形状を解析することで、被験者の体の状態を判断し、その結果を表示部80に表示するアプリケーション等と連携しても良い。
ところで、正確な脈波間隔を求めるためには脈波波形のピークの発生時刻を正確に求める必要がある。前述したように、微分脈波波形の上側ピークは平滑化の程度が小さいほど急峻になるから、脈波波形の上側ピークの発生時刻は、平滑化の程度が小さいほど精度良く求まる。しかし、平滑化の程度が小さいほど、ノイズに起因する偽ピークが発生し易くなる。
そこで、本実施形態では、上述したように、脈波波形(脈波データMD)を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す微分データB1及びB2を生成し、平滑化の程度が小さい微分脈波波形を示す微分データB1に基づいて、微分脈波波形の上側ピークの発生時刻を示すピークデータP1を検出する一方、平滑化の程度が大きい微分データB2に基づいて、微分脈波波形の上側ピークの発生時刻を示すピークデータP2を検出した。
そして、本実施形態では、ピークデータP1を構成する複数のサンプルとピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に整列した後に、ピークデータP1に属するサンプルの連続回数Cを検知し、連続回数Cに基づいて、当該サンプルが「真」のピークである可能性の高さを示す信頼度Dxを生成し、ピークデータP1を構成する複数のサンプルの各々に対して信頼度Dxを付与することでピークデータP3を生成し、ピークデータP3に基づいて脈波間隔Mrrを演算する。
前述の通り、ピークデータP2が示す時間は、ピークデータP1が示す時間に比べて不正確である一方、ピークデータP2には偽ピークPnが含まれる可能性は低い。すなわち、ピークデータP2からは、微分脈波波形の上側ピーク各々の発生時刻を正確に把握することはできないが、上側ピークの個数については正確に把握できる。
このようなピークデータP2のサンプルと、ピークデータP1のサンプルとを時系列に整列した場合、ピークデータP1が偽ピークPnを含まなければ、ピークデータP1のサンプルと、ピークデータP2のサンプルとは、1対1に対応し、等しい個数存在する。
しかし、ピークデータP1のサンプルに偽ピークPnが含まれる場合には、ピークデータP2のサンプルと、ピークデータP1のサンプルとは、1対1には対応しない。例えば、時系列に整列された複数のサンプルにおいて、ピークデータP2のサンプル1個に対して、ピークデータP1のサンプルが連続して複数個存在する場合には、当該連続する複数のサンプルに偽ピークPnが含まれる可能性が高い。また、当該連続する複数のサンプルが偽ピークPnである可能性は、当該連続回数に応じて高くなる。
そこで、本実施形態は、ピークデータP1を構成する複数のサンプルと、ピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に整列したときの、ピークデータP1を構成するサンプルが連続する回数に基づいて、信頼度Dxを算出することで、サンプルの各々が偽ピークPnの影響を受けていない「真」のピークである可能性を把握することを可能とした。これにより、本実施形態は、被験者に対して、1拍ごとに真のピークである可能性を表示することが可能とした。
また、本実施形態によれば、脈波間隔Mrrを、信頼度Dxの付与された複数のサンプルに基づいて生成するため、脈波間隔Mrrの各々が偽ピークPnによる影響を受けていない正確な値であることを示す正確性指標DMrrを、信頼度Dxに基づいて算出することができた。すなわち、本実施形態では、正確性指標DMrrを算出することにより、脈波間隔Mrrの各々がどの程度高信頼で正確な値であるかについて、被験者に知らせることが可能となった。また、本実施形態によれば、信頼度Dxが高く、「真」のピークである可能性の高いサンプルにのみ基づいて脈波間隔Mrrを算出することが可能であり、正確な脈波間隔Mrrを計測することを可能とした。
なお、脈波に比べて周期が長い基線揺れノイズは、デジタル平滑化多項式フィルターで微分データを生成する過程で抑圧される。これは、心拍の計測の精度向上に寄与する。
また、本実施形態では、微分データB1及びB2を構成するサンプルのうち、閾値THを超えたサンプルのみに基づいて、ピークデータP1及びP2が検出される。これは、心拍の計測の精度向上に寄与する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態に以下に述べる変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、脈波データMDから微分データB1及びB2を生成する第1及び第2の微分データ生成部として第1及び第2のデジタル平滑化多項式フィルター210及び230を採用したが、デジタル平滑化多項式フィルターに代えて、脈波データMDを微分すると共に平滑化することが可能な他の手段を採用してもよい。
(2)上述した実施形態では、ピークデータP1を構成する複数のサンプルと、ピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に整列した後に、ピークデータP1を構成するサンプルの連続回数Cを検知し、連続回数Cに基づいて算出された信頼度Dxを、ピークデータP1を構成する複数のサンプルの各々に対して付与することで、ピークデータP3を生成しているが、ピークデータP1とピークデータP2とに基づいてピークデータP3を生成可能な他の手法を採用してもよい。
例えば、ピークデータP1に連続回数Cが所定回数以上となるサンプルを除去することで、ピークデータP3を生成しても良い。具体的には、ピークデータP1を構成するサンプルの連続回数Cが1回〜3回の場合に、それぞれサンプルの信頼度Dx「3」〜「1」を付与し、連続回数Cが4回以上の場合には、当該複数のサンプルに対しては信頼度Dxを付与せずに、削除する。この場合、ピークデータP1を構成する複数のサンプルのうち、偽ピークPnの影響を受けていない「真」のピークである可能性の高いサンプルのみを被験者に対して表示することが可能となると共に、信頼度Dxが高い値を有する2つのサンプルに基づいた正確な脈波間隔Mrrを算出することが可能となる。
(3)また、上述した実施形態では、ピークデータP1を構成する複数のサンプルと、ピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に整列したときに、ピークデータP1を構成するサンプルの連続回数Cが4回以上である場合には、当該連続する複数のサンプルを脈波間隔演算処理の対象外としているが、脈波間隔演算処理の対象外となる連続回数Cを「4」以外の値にしても良い。例えば、連続回数Cが3以上の場合に、すなわち、当該連続する複数のサンプルの信頼度Dxが「1」以下の場合に、脈波間隔演算処理の対象外としても良い。この場合、脈波間隔演算処理の対象外となる連続回数Cの値、または信頼度Dxの値を、被験者がボタンスイッチ16を用いて設定するようにしても良い。
さらに、連続回数Cが所定数以上である場合に、当該連続するC個のサンプルの全てを、脈波間隔演算処理の対象外とせずに、C個のうちの一部を脈波間隔演算処理の対象外としても良い。
例えば、図14に示すように、ピークデータP1がサンプルP1(1)〜P1(6)より構成され、またピークデータP2がサンプルP2(1)〜P2(5)より構成される場合を検討する。ここで、図14は、時間Tを横軸に有する1軸のグラフであり、時刻Tに対して、サンプルP1(1)〜P1(6)及びサンプルP2(1)〜P2(5)をプロットした図である。なお、図14は、時間軸のみを有する1軸のグラフであるが、見やすくするために、複数のサンプルを横軸上にはプロットせず、ピークデータP1とピークデータP2とを区別したうえで、図の上方にずらしてプロットしている。また、図14上に示された、Mrr(1)〜Mrr(5)は、サンプルP1(1)〜P1(6)に基づいて算出された、5つの脈波間隔Mrrを示している。
図14に示す通り、連続回数Cが「3」のサンプルP1(4)〜P1(6)は、信頼度Dxが「1」であり、信頼性が低い値である。特に、中央に位置するサンプルP1(5)は、偽ピークPnである可能性が存在する。ピークデータP1が偽ピークPnを含まない場合は、ピークデータP1と、ピークデータP2とは、各々のサンプルが1対1に対応するはずであるが、サンプルP1(5)は、サンプルP2(1)〜P2(5)の何れにも対応しないデータであると思われるからである。
そこで、そこで、連続回数Cが「3」の場合、信頼度Dx「1」を有する3つのサンプルのうちの両端に位置する2つのサンプルのみを脈波間隔Mrrの算出対象とし、中央に位置するサンプルを脈波間隔演算処理の対象外としても良い。これにより、より正確な脈波間隔Mrrを算出することが可能となる。
(4)また、上述した実施形態では、信頼度Dxの指標を4段階で表示しているが、信頼度Dxの指標を、連続回数Cの最大値に基づいて設定しても良い。例えば、信頼度Dxの指標を、高信頼であることを示す「1」と、低信頼であることを示す「0」との2段階で表示してもよい。この場合、表示部80への表示をより簡素化することが可能となり、被験者にとって分かりやすいユーザインタフェースの提供が可能となる。
また、逆に連続回数Cの最大値がK回である場合、信頼度Dxの指標をK段階で表示しても良い。この場合、被験者に対してより詳細な情報を提供することが可能となる。
(5)また、上述した実施形態では、脈波間隔Mrrを算出の基礎となる2つのサンプルの有する信頼度Dxのうち、低い方の信頼度Dxの値を正確性指標DMrrとしているが、正確性指標DMrrを、脈波間隔Mrrを算出の基礎となる2つのサンプルの有する信頼度Dxの平均値としても良い。
(6)また、上述した実施形態では、微分データB1及びB2を構成する複数のサンプルのうち閾値を超えるサンプルからピークデータP1及びP2を検出しているが、微分データB1及びB2を構成するすべてのサンプルからピークデータP1及びP2を検出するようにしてもよい。
(7)また、上述した実施形態では、脈波ピーク検出処理および脈波間隔演算処理をソフトウェアによって実現した。しかし、脈波ピーク検出処理を実行する手段(第1及び第2の微分データ生成部、第1及び第2のピーク検出部、及びノイズ判断部)及び脈波間隔演算処理を実行する手段(脈波間隔演算部)のうち、少なくとも一つをハードウェア回路で構成してもよい。
(8)また、上述した実施形態では、表示部80に、ピークデータP3を構成する複数のサンプル及び各サンプルの信頼度Dxと、複数の脈波間隔Mrr及び各脈波間隔Mrrが有する正確性指標DMrrとを表示可能なものとしているが、これらのうちの一部のみを表示するものであっても良い。また、被験者がボタンスイッチ16を操作することにより、表示部80に表示される項目を選択するようにしても良い。これにより、被験者が必要とする情報を柔軟に表示部80に表示させることが可能となり、脈波計測装置1のユーザビリティが向上する。
(9)また、上述した実施形態では、脈波検出部30はセンサー固定用バンド34により被験者の人指し指の根元から第2指関節までの間の部分に巻きつけられているが、脈波検出部30をカフ(腕帯)により被験者の上腕部または前腕部に巻き付ける構造にしても良い。上腕部または前腕部は、指先に比べて鬱血の影響が少ないため、より正確でより大きな振幅を有する波形として脈波データMDを測定することが可能となり、ノイズNによる影響を抑えた正確な脈波間隔Mrrの計測が可能となる。
さらに、上述した実施形態では、脈波計測装置1は、手首に装着される装置本体10と、人指し指の根元から第2指関節までの間の部分に装着される脈波検出部30とを備え、これらはケーブル20を介して接続される構造を有しているが、脈波検出部30と装置本体10とが一体として構成され、共にリストバンド12により被験者の手首に装着する構造にしても良い。この場合、ケーブル20が不要となり、装置本体10と脈波検出部30とが一体となった腕時計構造を有するため、脈波計測装置1の使い勝手の向上が可能となる。
また、上述した実施形態では、装置本体10を腕時計構造とし、リストバンド12により被験者の手首に巻き付ける構造を有しているが、装置本体10を携帯電話等の外部の機器上に設け、装置本体10が設けられた携帯電話等と脈波検出部30との間で無線通信を実行してもよい。この場合、脈波検出部30は、手首、上腕部あるいは前腕部に巻きつけるカフ(腕帯)としてもよい。あるいは、耳朶に装着する構成としてもよい。装置本体10は、携帯電話の有する表示機能、入力機能、及びCPUを利用できるため、脈波計測装置1の低コスト化が可能となる。
1…脈波計測装置、10…装置本体、12…リストバンド、16…ボタンスイッチ、20…ケーブル、30…脈波検出部、32…脈波センサー、34…センサー固定用バンド、80…表示部、90…入力部、100…CPU、210…第1のデジタル平滑化多項式フィルター、220…第1のピーク検出部、230…第2のデジタル平滑化多項式フィルター、240…第2のピーク検出部、250…ノイズ判断部、260…脈波間隔演算部。

Claims (8)

  1. 脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する第1の微分データ生成部と、
    前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第2の微分データを生成し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データ生成部より大きい第2の微分データ生成部と、
    前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する第1のピーク検出部と、
    前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する第2のピーク検出部と、
    前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成する各サンプルとを時系列に並べ替え、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、連続する回数が所定数以上となったサンプルを前記第1のピークデータを構成する複数のサンプルから除いて、第3のピークデータを生成するノイズ判断部と、
    前記第3のピークデータに基づいて、隣り合うサンプルの時間差を脈波間隔として演算する脈波間隔演算部と、
    を備える脈波計測装置。
  2. 脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する第1の微分データ生成部と、
    前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第2の微分データを生成し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データ生成部より大きい第2の微分データ生成部と、
    前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する第1のピーク検出部と、
    前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する第2のピーク検出部と、
    前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成する各サンプルとを時系列に並べ替え、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、前記連続する回数に基づいて前記第1のピークデータのサンプルの各々が真のピークである可能性の程度を示す信頼度を生成し、前記第1のピークデータのサンプルの各々に対して前記信頼度を付与した第3のピークデータを生成するノイズ判断部と、
    前記第3のピークデータから、前記信頼度の示す値に基づいて2つのサンプルの組み合わせを複数選択し、前記2つのサンプルの時間差を脈波間隔として演算する脈波間隔演算部と、
    を備える脈波計測装置。
  3. 前記脈波間隔に関する情報を前記信頼度と関係づけて表示する表示部を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の脈波計測装置。
  4. 前記脈波間隔演算部は、前記脈波間隔を算出するために用いる2つのサンプルの前記信頼度に基づいて、当該脈波間隔がどれだけ正確であるかを示す正確性指標を生成し、
    前記脈波間隔に関する情報を前記正確性指標と関係づけて表示する表示部を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の脈波計測装置。
  5. 前記第1の微分データ生成部は第1のデジタル平滑化多項式フィルターで構成され、
    前記第2の微分データ生成部は第2のデジタル平滑化多項式フィルターで構成され、
    前記第1のデジタル平滑化多項式フィルターは第2のデジタル平滑化多項式フィルターよりフレームサイズが小さい、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  6. 前記第1のピーク検出部は、前記第1の微分データを構成する複数のサンプルのうち、閾値を超えるサンプルから、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出し、
    前記第2のピーク検出部は、前記第2の微分データを構成する複数のサンプルのうち、閾値を超えるサンプルから、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  7. コンピューターに、
    脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する処理と、
    前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データより大きい第2の微分データを生成する処理と、
    前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する処理と、
    前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する処理と、
    前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成するサンプルとを時系列に並べ替える処理と、
    前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知する処理と、
    連続する回数が所定数以上となったサンプルを前記第1のピークデータを構成する複数のサンプルから除いて、第3のピークデータを生成する処理と、
    前記第3のピークデータに基づいて、隣り合うサンプルの時間差を脈波間隔として演算する処理と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  8. コンピューターに、
    脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する処理と、
    前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データより大きい第2の微分データを生成する処理と、
    前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する処理と、
    前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する処理と、
    前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成するサンプルとを時系列に並べ替える処理と、
    前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知する処理と、
    前記連続する回数に基づいて前記第1のピークデータのサンプルの各々が真のピークである可能性の程度を示す信頼度を生成する処理と、
    前記第1のピークデータのサンプルの各々に対して前記信頼度を付与した第3のピークデータを生成する処理と、
    前記第3のピークデータから、前記信頼度の示す値に基づいて2つのサンプルの組み合わせを複数選択し、前記2つのサンプルの時間差を脈波間隔として演算する処理と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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