JP2014057622A - 波形データ処理装置、波形データ処理方法及びプログラム - Google Patents

波形データ処理装置、波形データ処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】手間やコストを掛けずに簡単に不要な成分波を取り除くことができる波形データ処理装置を提供する。
【解決手段】波形データを入力する入力手段10、13、16と、前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定する判定手段11と、前記判定手段の判定結果が肯定の場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除く取り除き手段11とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、波形データ処理装置、波形データ処理方法及びプログラムに関し、特に、光学式の脈波検出装置に用いて好適な波形データ処理装置、波形データ処理方法及びプログラムに関する。
近年、健康管理などのために、日常生活やジョギング等の運動時における心臓の鼓動数(通常は1分間の拍動の数。心拍数または脈拍数ともいう。以下、心拍数で代表する。)を計測することが行われている。心拍数は、心電図方式、すなわち、胸部に電極を取り付け、心拍に伴って発生する皮膚の活動電位を計測して心電図を描き、この心電図に描かれる波形のピーク間隔から算出することによって得られる。しかし、この心電図方式では、電極を胸部に張り付ける必要があり、手間がかかって面倒なことから、今日では、ユーザレベルの簡易的な計測手法として、光学式の脈波検出装置が用いられることが多い。
光学式の脈波検出装置(以下、単に脈波検出装置という。)の原理は、血液中のヘモグロビンの光吸収特性を利用して脈波を検出するというものである。すなわち、脈波は、心拍によって起きる動脈内の圧力変化が末梢動脈に波動として伝わったものであり、赤外線などの光を皮膚を透して末梢動脈の血液に照射し、その反射光の時間的な強さの変化を計測することによって、末梢動脈の波動的な流量変化、つまり脈波を検出することができる。このような脈波検出装置は、人体の適所(腕等)に簡単に装着することができ、被験者に負担をかけないという利点がある。
一般的に、脈波は、心拍に伴う真の波(以下、便宜的に心拍成分という。)と、被験者の体動に伴う不要な波(以下、便宜的に体動成分という。)との混合波として観測される。したがって、非運動時の場合は心拍成分だけの純粋な脈波となって、心拍数の計測を支障なく行うことができるが、運動時の場合は余計な体動成分も含まれてしまうため、この体動成分を取り除かなければ、正しい心拍数を計測することができない。
体動成分の除去に関する公知技術として、たとえば、下記の特許文献1には、脈波信号データの周波数解析を行い、ピークの数が1つの場合は体動成分無しと判定、ピークの数が複数ある場合は体動成分ありと判定し、体動成分があると判定されたときは、メモリに格納された周波数ピークデータと比較して体動成分を取り除き、心拍成分を抽出する技術が記載されている。また、下記の特許文献2には、脈波信号を検出するセンサと体動信号を検出する加速度センサとを備え、脈波信号を心拍由来の信号と体動由来の信号との和の形にモデル化し、このモデルに加速度信号を入力することで、心拍依存成分と加速度依存成分とに分離する技術が記載されている。
特開2002−017694号公報 特開2003−102694号公報
しかしながら、特許文献1の技術にあっては、体動なしのときの計測データをメモリに記憶する必要があり、いちいち体の動きを止めて事前計測を行わなければならないという面倒があり、余計な手間がかかるうえ、速やかに運動を始めることができないという問題点がある。また、特許文献2の技術にあっては、加速度センサが必要で、回路規模の増加、消費電力の増大、コストが嵩むという問題点がある。
そこで、本発明は、手間やコストを掛けずに簡単に不要な成分波を取り除くことを目的とする。
本発明に係る波形データ処理装置は、波形データを入力する入力手段と、前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除く取り除き手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る波形データ処理方法は、波形データを入力し、前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定し、前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除くことを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、波形データを入力させ、前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定させ、前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除かせることを特徴とする。
本発明によれば、手間やコストを掛けずに簡単に不要な成分波を取り除くことができる。
実施形態に係る光学式の脈波検出装置の使用状態を示す図である。 脈波検出装置2の構成図である。 脈波信号を示す図である。 図3の二つの脈動信号の周波数分布を示す図である。 実施形態における不要成分(体動成分)除去の機能概念図である。 CPU11で実行する制御プログラムの概略フローを示す図である。 実施形態の動作を模式化して示す図である。
以下、本発明に係る波形データ処理装置の実施形態を、光学式の脈波検出装置への適用を例にして、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る光学式の脈波検出装置の使用状態を示す図である。この図において、ランニング中のユーザ(被験者)1は、一方の腕(図では左腕)に、腕時計式又は腕装着式の光学式脈波検出装置(以下、単に脈波検出装置2という。)を装着している。
ランニング中のユーザ1は、左右の腕を一定の周期で交互に振りながら、その周期に合せて左右の足を交互に蹴り出すという運動を持続的に行っている。このとき、ユーザ1の体に生じる動き(体動)は、足の蹴りに伴う重心の上下動(矢印3、4参照)と、脈波検出装置2を装着した腕の振りに伴う前後動(矢印5、6参照)である。
一般的にランニング中の体の上下動と腕の振りは同調しており、腕の振りが一往復する間、上下動が2度発生する。これは、腕の振りが一往復する間、右足と左足が2度接地する(または2度蹴る)からである。
このように、ランニング中のユーザ1の体に生じる動き(体動)を、腕の振りと体の上下動の二つで見たとき、腕の振りの一往復に対して、体の上下動が2度発生するという「1:2」の関係が成立する。本実施形態では、この関係を利用して脈動データ中の不要成分を取り除くようにしているが、その詳細については後で説明する。
図2は、脈波検出装置2の構成図である。この図において、脈波検出装置2は、操作部7、心拍数算出部8、表示部9、バッファ10、CPU(Central Processing Unit)11、駆動部12、A/Dコンバータ13、RAM(Random Access Memory)14、ROM(Read Only Memory)15、受光部16、及び、発光部17を備える。なお、これ以外にもバッテリを含む電源部を備えるが、図示の簡単化のために省略している。また、脈波検出装置2が腕時計に組み込まれている場合は、上記の構成に加えて時計部を備えることは勿論である。
操作部7は、心拍数の計測開始や終了などを指示するための操作手段であり、この操作手段は、たとえば、押しボタンなどの物理スイッチであってもよいが、表示部9がタッチパネル付きである場合は、そのタッチパネルを利用した接触式または感圧式の操作手段であってもよい。
CPU11は、いわゆるコンピュータであって、ROM15にあらかじめ格納された制御プログラムをRAM14にロードして実行することにより、脈波検出装置2に必要な所要の機能を実現するプログラム方式の制御要素である。所要の機能については後で詳しく説明するが、端的に言えば、バッファ10に取り込まれた脈波データから、余計な成分(体動成分)を取り除き、純粋な成分(心拍成分)のみを取り出して、その波のピークに関するデータを、心拍数算出のために心拍数算出部8に出力するという機能である。なお、この図では、心拍数算出部8をCPU11の外に設けているが、この態様に限定されない。CPU11に実装する態様(制御プログラムによって機能として実現する態様)であってもよい。
心拍数算出部8は、CPU11から出力されるデータに基づき心拍数を算出する。すなわち、一般的に心拍数は、所定時間(通常は1分間)あたりの拍動の数のことであるので、心拍成分のピークの数を所定時間、計数することにより、心拍数を得ることができる。
表示部9は、液晶パネルや有機液晶パネルあるいはEL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスであり、心拍数算出部8の計算結果(心拍数)を表示したり、あるいは、心拍数計算の開始や終了等のコマンド画面を表示したりする。なお、表示部9に感圧式や静電容量式のタッチパネルを設けてもよい。また、表示部9は、脈波(脈の波形データ)やピッチ等を表示するものであってもよい。たとえば、脈の波形データには、血流に関連する種々の情報、すなわち、健康や体調(血管の詰まりや血管年齢、緊張状態の判定等)、運動状態等を判定するための情報が含まれているので、表示部9は、これらの情報を文字や図形あるいは発光パターン等で表示するものであってもよい。
駆動部12は、CPU11の指示に従い、発光部17を駆動する。発光部17は、ユーザ1の腕の皮膚18に対して所定強度の光Paを照射する発光手段であり、この発光手段には、血液中のヘモグロビンの光吸収特性に関与する波長を含む光、たとえば、赤外光や、赤色または緑色などの可視光を発光する光源を用いることができる。
受光部16は、皮膚18からの反射光Pbを受光し、その光量に応じたアナログの脈波信号に変換する光電変換要素であり、A/Dコンバータ13は、受光部16の出力信号をデジタルの脈波データに変換し、バッファ10はその脈波データをバッファリング(一時的に保存)する。
図3は、脈波信号を示す図である。この図において、(a)は心拍成分のみの純粋な脈波信号を示し、(b)は不要な体動成分を含む複雑な脈波信号を示している。なお、これら二つの脈波信号は、説明の便宜上、簡略化した波形であることに留意されたい。注目すべき点は、(a)の波形に対して、(b)の波形が複雑な形になっていることにある。このような波形は、交流信号の分野において多く見受けられる。すなわち、(a)の波形は一つの周波数を含む整った信号波形であり、(b)の波形は複数の周波数を含む複雑な信号波形である。それぞれどのような周波数を含むかは、たとえば、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)などの公知の周波数分析を行うことによって知ることができる。
図3(a)の脈波信号は、ユーザ1が運動を行っていないとき(非運動時)に受光部16によって観測されたものである。この場合、ユーザ1が健康体(心疾患等がない)であって、且つ、運動直後でない安静状態にあれば、ユーザ1の心拍数は、成人男性で1分当たり「60〜70程度」、成人女性で同「65〜75程度」となり、簡単化のために「60」とすると、図3(a)の脈波信号の周波数は1.0Hzになる。
一方、図3(b)の脈波信号は、ユーザ1がランニングを行っているとき(運動時)に受光部16によって観測されたものである。この場合、図3(b)の脈波信号には、少なくとも心拍成分と体動成分とが含まれている。体動成分は、ランニング中のユーザ1の体の動きに伴って発生する成分波であり、この成分波を、脈波信号から取り除かなければ、正しい心拍数を計算することができない。
そこで、本件出願の発明者は、ランニング中の体動成分について鋭意検討を重ねた結果、冒頭で説明したように、『ランニング中のユーザ1の体に生じる動き(体動)を、腕の振りと体の上下動の二つで見たとき、腕の振りの一往復に対して、体の上下動が2度発生するという「1:2」の関係が成立する』ことに着目し、図3(b)の脈動信号から、この関係に対応する特定周波数の成分を抽出し、この抽出成分を体動成分とみなして取り除くことにより、手間やコストを掛けずに簡単に不要な成分波を取り除くことができることに想到した。
図4は、図3の二つの脈動信号の周波数分布を示す図である。周波数スペクトルともいう。この図において、(a)は図3(a)に対応し、(b)は図3(b)に対応する。(a)は一つの周波数成分Faからなり、(b)はこのFaに加えて、さらに二つの周波数成分Fb、Fcからなる。
なお、これらの周波数分布は強度が大きく目立つ周波数のみを示している。一般的に検出信号には様々な信号成分(ノイズ成分)が乗っていることが普通であり、図示の周波数分布にも、実際には一つないしは複数のノイズ成分が乗っていると思われるが、これらのノイズ成分は強度が小さく、フィルタ等の技術で容易に取り除くことができるので、ここでは無視することにする。
Faは心拍成分の周波数成分(1.0Hz)であり、Fb、Fcはランニング中の体動に伴う周波数成分である。上記のとおり、ランニング中の体動に伴う周波数は「1:2」の関係が成り立つから、「Fb:Fc」は「1:2」になる。つまり、「Fb:Fc=1:2」だから、「Fc=2×Fb」の関係になる。したがって、Fbの周波数をfとすれば、Fcの周波数は2fとなる。後述するが、この「2f」は「略2f」を意味する。
ここで、Fbは腕の振り一往復に対応する周波数であり、Fcは体の上下動に対応する周波数である。Fb(すなわち腕の振り一往復)の1サイクルは、人によって様々であるが、ゆっくりとしたジョギングの場合は概ね1秒を越えることが多い。したがって、Faを1.0Hzとした場合、Fb<Faとなり、FcはFbの略2倍の周波数になるから、図4(b)の周波数順(Fb<Fa<Fc)になる。
以上のとおりであるから、ランニング中のユーザ1の腕に装着した脈波検出装置2の受光部16で脈波信号を検出し、その脈波信号をA/Dコンバータ13でデジタルの脈波データに変換し、その脈波データをバッファ10に一時保存すると共に、その脈波データをバッファ10からCPU11に読み込んで、所要の信号処理を行うことにより、上記の原理(Fc=2×Fb)に基づいて、不要成分(体動成分)の抽出と除去を行い、真の成分(心拍成分)のみのデータを心拍数算出部8に出力して、精度の高い心拍数の計算を支障なく行うことができ、その計算結果を表示部9に表示することができる。
図5は、実施形態における不要成分(体動成分)除去の機能概念図である。この図において、脈波データ自己相関計算部19、ピークサーチ部20、体動周波数成分検出部21、平均波形生成部22、減算部23、及び、残存成分自己相関計算部24は、CPU11によってプログラム的に実現される機能部分である。
脈波データ自己相関計算部19は、バッファ10に一時保存された脈波データの周波数解析を行う。ピークサーチ部20は、脈波データ自己相関計算部19の周波数解析の結果から、周波数軸上の周波数のピークを検出する。体動周波数成分検出部21は、ピークサーチ部20の検出結果から、体動周波数成分(図4(b)のFb、Fc)に対応するピークを検出する。
体動周波数成分(図4(b)のFb、Fc)に対応するピークが検出された場合、平均波形生成部22は、周期1/f(fはFbの周波数。以下同様。)で脈波データを蓄積加算して平均波形を生成し、減算部23は、バッファ10に一時保存されている脈波データの波形から、平均波形生成部22で生成した平均波形を減算して差分成分を計算し、残存成分自己相関計算部24は、この差分成分(残存成分)の自己相関関数を計算する(周波数解析を行う)。
一方、体動周波数成分(図4(b)のFb、Fc)に対応するピークが検出されなかった場合、残存成分自己相関計算部24は、バッファ10に一時保存されている脈波データをそのまま利用して自己相関関数を計算する。
図6は、CPU11で実行する制御プログラムの概略フローを示す図である。このフローでは、まず、受光部16からの脈波信号をA/Dコンバータでデジタルの脈波データに変換し、その脈波データを取り込んで(ステップS1)、バッファ10に一時保存する(ステップS2)。
次いで、バッファ10に保存した脈波データの自己相関関数を計算して周波数解析を行い(ステップS3)、その周波数解析結果のピークサーチを実行(ステップS4)して、体動周波数成分(図4(b)のFb、Fc)に対応するピークを検出する(ステップS5)。
そして、体動周波数成分(図4(b)のFb、Fc)に対応するピークを検出したか否かを判定し(ステップS6)、検出しない場合(つまり非運動時の場合)は、ステップS5の自己相関関数の計算結果を利用(ステップS7)して心拍数の算出(ステップS8)を行った後、処理を終了する。
一方、ステップS6の判定結果がYESの場合、すなわち、体動周波数成分(図4(b)のFb、Fc)に対応するピークが検出された場合(運動時の場合)は、平均波形を生成し(ステップS9)、差分成分を計算し(ステップS10)、差分成分の自己相関関数を計算し(ステップS11)、その計算に基づいて心拍数の算出(ステップS8)を行った後、処理を終了する。
このように、実施形態によれば、『ランニング中のユーザ1の体に生じる動き(体動)を、腕の振りと体の上下動の二つで見たとき、腕の振りの一往復に対して、体の上下動が2度発生するという「1:2」の関係が成立する』ことに着目し、前記の図3(b)の脈動信号から、この関係に対応する特定周波数の成分(図4(b)のFb、Fc参照)を抽出し、この抽出成分を体動成分とみなして取り除くことができるから、手間やコストを掛けずに簡単に不要な成分波を取り除くことができるという特有の効果を奏することができる。
また、実施形態の「ピークサーチ」においては、FcとFbの成分の検出方法として、たとえば、Fbの2倍(2f)を基本とし、その近傍に位置し、かつ、継続して出現するピークをFcとして選択する手法を用いている。
逆の見方をすると、腕の振りに相当する成分Fbがないと仮定した場合、脈波によるピークと身体全体の振動に相当するピークが現れた場合、どちらが脈波によるものであるかを判別することができないが、実施形態では腕の振りに相当する成分Fbを検出することにより、このFbの2倍の周波数を有する成分を、身体全体の振動に相当する成分Fcとして判別することができるので、上記の不都合は招かない。
ここで、検出した脈波波形から差し引く体動成分として、実施形態では、Fbを使って平均的な波形を算出(1/fでデータを蓄積加算して平均化)する手法を用いている。このような平均化を行うことにより、ランニング中に手を振ったり、時計を見たりする不規則な成分を除去することができ、規則的な体動成分のみを残すことができる。したがって、実施形態は、規則性又は周期性の極めて高いランニングやマラソン、ウォーキング等の運動時に適用して効果的な技術である。
このように、Fb及びFcの体動成分が除去された差分成分に対して自己相関関数を計算し(周波数解析を行う)、そして、ピークサーチを行うことにより、バッファ10に保存されていた脈波波形の自己相関関数の計算結果、又は、体動成分が除去された差分成分(残存成分)の自己相関関数の計算結果に基づいて、ピーク周波数(すなわち、心拍数)を正確に算出することができる。
図7は、実施形態の動作を模式化して示す図である。この図に示すように、(ア、イ)体動成分を含む複雑な波形の脈波データを周波数解析してピークサーチを行い、Fb、Fa及びFcの各周波数ピークを検出する。そして、(ウ)これらの周波数ピークのうち「1:2」の関係を満たす二つの周波数ピーク(Fb、Fc)を抽出し、(エ)その抽出した周波数ピーク(Fb、Fc)を用いて、脈動データから体動成分を取り除くことにより、純粋な成分(心拍成分)のみを取り出して、精度の高い心拍数算出を行うことができる。
したがって、実施形態によれば、冒頭の特許文献1における「事前計測」が不要であるため、手間がかからず、速やかに運動を始めることができるという利点がある。また、冒頭の特許文献2における「加速度センサ」が不要であるため、回路規模の増加や消費電力の増大を招かず、しかもコストを削減できるという利点もある。
なお、以上の説明では、『ランニング中のユーザ1の体に生じる動き(体動)を、腕の振りと体の上下動の二つで見たとき、腕の振りの一往復に対して、体の上下動が2度発生するという「1:2」の関係が成立する』ことを前提に、脈動データに含まれる二つの体動成分(図4(b)のFb、Fc参照)の関係を「Fc=2×Fb」としたが、これは理想的な関係である。実用上は、概ね「Fc=2×Fb」の関係にあればよく、要するに、Fbに対してFcが“略2倍”の関係にあればよい。
また、心拍成分を示すFaとFbの関係についても、必ずしも「Fb<Fa」である必然性はない。すくなくとも上記の関係(Fbに対してFcが“略2倍”の関係)を満たしていればよく、たとえば、「Fb>Fa」であってもよい。
また、実施形態の脈波検出装置2は、手首に装着する腕時計型または腕装着型を例にしたがこれに限定されない。体の上下動と腕の振りに伴う体動とを検出できるものであればよく、たとえば、二の腕や指先などに装着するタイプであってもよい。さらに、装着は、バンドなどの装着具によるものの他、ジェル等の接着部材で体表に貼り付けるものであってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本件出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]
波形データを入力する入力手段と、
前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除く取り除き手段と
を備えたことを特徴とする波形データ処理装置。
付記1によれば、手間やコストを掛けずに簡単に不要な成分波を取り除くことができる。
[2]
前記波形データは、光学式の脈波検出装置によって検出された脈波データであることを特徴とする付記1に記載の波形データ処理装置。
付記2によれば、光学式の脈波検出装置の利便性改善とコスト削減を図ることができる。
[3]
前記脈波データは、被験者の心拍成分と該被験者の体動成分とを含み、該体動成分は、被験者の腕の振りに対応する前記第1の周波数成分と、該被験者の体の上下動に対応する前記第2の周波数成分とを含むことを特徴とする付記2に記載の波形データ処理装置。
付記3によれば、被験者の体動に伴って検出される不要成分(第1の周波数成分と第2の周波数成分)を簡単に取り除くことができる。
[4]
前記取り除き手段により、前記脈波データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除いた前記被験者の前記心拍成分に基づいて、前記被験者の心拍数を算出する心拍数算出手段を、さらに備えることを特徴とする請求項3に記載の波形データ処理装置。
付記4によれば、被験者の体動に伴って検出される不要成分(第1の周波数成分と第2の周波数成分)に影響されることなく、精度の高い心拍数算出を行うことができる。
[5]
波形データを入力し、
前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定し、
前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除く
ことを特徴とする波形データ処理方法。
付記4によれば、付記1と同じ効果を得ることができる。
[6]
コンピュータに、
波形データを入力させ、
前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定させ、
前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除かせる
ことを特徴とするプログラム。
付記5によれば、付記1と同じ効果を得ることができる。
Fa 周波数成分(心拍成分)
Fb 周波数成分(第1の周波数成分、体動成分)
Fc 周波数成分(第2の周波数成分、体動成分)
1 ユーザ
2 光学式の脈波検出装置
8 心拍数算出部(心拍数算出手段)
10 バッファ(入力手段)
11 CPU(判定手段、取り除き手段、コンピュータ)
12 駆動部
13 A/Dコンバータ(入力手段)
16 受光部(入力手段)
17 発光部
18 皮膚

Claims (6)

  1. 波形データを入力する入力手段と、
    前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除く取り除き手段と
    を備えたことを特徴とする波形データ処理装置。
  2. 前記波形データは、光学式の脈波検出装置によって検出された脈波データであることを特徴とする請求項1に記載の波形データ処理装置。
  3. 前記脈波データは、被験者の心拍成分と該被験者の体動成分とを含み、該体動成分は、被験者の腕の振りに対応する前記第1の周波数成分と、該被験者の体の上下動に対応する前記第2の周波数成分とを含むことを特徴とする請求項2に記載の波形データ処理装置。
  4. 前記取り除き手段により、前記脈波データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除いた前記被験者の前記心拍成分に基づいて、前記被験者の心拍数を算出する心拍数算出手段を、さらに備えることを特徴とする請求項3に記載の波形データ処理装置。
  5. 波形データを入力し、
    前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定し、
    前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除く
    ことを特徴とする波形データ処理方法。
  6. コンピュータに、
    波形データを入力させ、
    前記波形データ中に第1の周波数成分と該第1の周波数成分の略2倍の周波数に相当する第2の周波数成分とが含まれているか否かを判定させ、
    前記判定手段により前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分とが含まれていると判定された場合に前記波形データから前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分を取り除かせる
    ことを特徴とするプログラム。
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