JP2012161556A - 脈波計測装置、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脈波計測装置は、脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す微分データB1及びB2を生成し、平滑化の程度が小さい微分脈波波形を示す微分データB1に基づいて、微分脈波波形の上側ピークの発生時刻を示すピークデータP1を検出する一方、平滑化の程度が大きい微分データB2に基づいて、微分脈波波形の上側ピークの発生時刻を示すピークデータP2を検出し、ピークデータP1の各サンプルとピークデータP2の各サンプルとを時系列に並べ替え、ピークデータP1のサンプルが連続する回数を検知し、連続する回数に基づいてピークデータP1の各サンプルが真のピークである可能性を示す信頼度を生成し、ピークデータP1の各サンプルに対して信頼度を付与した第3のピークデータを生成し、ピークデータP3に基づいて脈波間隔を演算する。
【選択図】図5
Description
これを改善するため、特許文献2には、ノイズ成分が重畳した脈波信号において、検出ピーク値のばらつきを示す指標を判断基準にノイズの有無を判定する方法が開示されている。
微分脈波波形のピークは平滑化の程度が小さいほど急峻になる。したがって、脈波波形のピークの発生時刻は、平滑化の程度が小さいほど精度良く求まる。しかし、平滑化の程度が小さいほど、ノイズに起因する偽ピークが発生し易くなる。
そこで、本発明の脈波計測装置では、平滑化の程度が小さい微分脈波波形を示す第1の微分データに基づいて、微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する一方、平滑化の程度が大きい第2の微分データに基づいて、微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出し、第1のピークデータを構成する複数のサンプルと第2のピークデータを構成する複数のサンプルとを時系列に整列した後に、第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、連続する回数が所定数以上となるサンプルを、第1のピークデータを構成する複数のサンプルから取り除くことで第3のピークデータを生成し、第3のピークデータに基づいて脈波間隔を演算するようにしている。
第2のピークデータは、平滑化の程度が大きい第2の微分データに基づいて検出されたデータであるため、偽ピークが含まれる可能性が低い。第2のピークデータと第1のピークデータとを時系列に並べる場合、第2のピークデータの1個のサンプルに対して、複数の第1のピークデータのサンプルが連続して存在すれば、その連続する複数のサンプルには偽ピークが含まれる可能性があり、サンプルが連続する回数に従ってその可能性は高くなる。
よって、第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知することにより、当該サンプルがノイズに起因する偽ピークである可能性の高いサンプルを排除することが可能となり、偽ピークではない正確なサンプルに基づいた、正確な脈波間隔を演算することができる。
さらに、この脈波計測装置では、第1のピークデータを構成する各サンプルに対して信頼度を付与すると共に、信頼度が低く偽ピークの可能性の高いサンプルについても排除せずに第3のピークデータを生成する。
例えば、信頼度の高い2つのサンプル(第1及び第2のサンプル)の間に、信頼度の低い複数のサンプル(例えば、4つの第3〜第6のサンプル)が介在している場合、信頼度の低い第3〜第6のサンプルを排除した後に、信頼度の高い第1及び第2のサンプルに基づいて脈波間隔を生成しても、当該脈波間隔は、信頼度の高い第1のサンプルと信頼度の低い第2のサンプルとから生成された脈波間隔、信頼度の低い第3及び第4のサンプルから生成された脈波間隔、信頼度の低い第4及び第5のサンプルから生成された脈波間隔、信頼度の低い第5及び第6のサンプルから生成された脈波間隔、及び信頼度の低い第5のサンプルと信頼度の高い第2のサンプルとから生成された脈波間隔との合計に過ぎず、脈波間隔が正確な値を示すものではない可能性が高い。
これに対して、この脈波計測装置によれば、信頼度の低く偽ピークである可能性の高いサンプルであっても、これを排除せずに第3のピークデータを生成する。そして、脈波間隔を算出に用いる2つのサンプルの組み合わせを、サンプルの有する信頼度に基づいて選択する。例えば、上記の例の場合には、信頼度の高い第1及び第2のサンプルに基づいた不正確な脈波間隔を算出すことを防止することができると共に、信頼度の高い第1のサンプルと信頼度の低い第3のサンプルとに基づいた不正確な脈波間隔を算出することも防止することが可能となる。従って、この脈波計測装置によれば、偽ピークではない正確なサンプルに基づいた、正確な脈波間隔を演算することができる。
この脈波計測装置によれば、被験者に対して、1拍ごとに真のピークであるか偽ピークであるかを示す信頼度を表示することが可能となる。また、被験者に対して、脈波間隔がどの程度正確なものであるかを示す脈波間隔の信頼度について示すことも可能となる。
なお、脈波間隔に関する情報とは、脈波間隔そのものの他、脈波間隔に基づいて得られる情報が含まれる。例えば、脈拍数が該当する。脈拍数は、60を脈波間隔で割り算することによって得られる。
この脈波計測装置によれば、各ピークが真のピークであることを示す信頼度に基づいて、脈波間隔の各々がどの程度正確であるかを示す正確性指標を被験者に示すことが可能となる。例えば、数字が小さい程、真のピークであると信頼できる場合、サンプル1の信頼度が「1」であり、サンプル2の信頼度が「3」であるとする。この場合、サンプル1とサンプル2の脈波間隔は信頼度の低い方とすることができる。一方が正確であっても、他方が不正確であれば、脈波間隔は不正確になるからである。
フレームサイズが小さいデジタル平滑化多項式フィルターから求められる微分信号波形は急峻な上側ピークを示すから、ピークの発生時刻を正確に把握することができる。また、フレームサイズが大きいデジタル平滑化多項式フィルターから求められる微分信号波形はノイズに起因する偽ピークの発生を抑制することが可能になる。このような2つのデジタル平滑化多項式フィルターから構成される脈波計測装置は、1拍ごとの偽ピークを検出し、偽ピークの影響を排除して、正確な心拍を計測することができる。また、脈波に比べて周期が長い基線揺れノイズは、デジタル平滑化多項式フィルターで微分データを生成する過程で抑圧される。これは、心拍の計測の精度向上に寄与する。
このようなプログラムにしたがって一般的な光電変換方式の脈波計測装置の演算処理回路を作動させることによって、その脈波計測装置を本発明の脈波計測装置として機能させることが可能になる。
このようなプログラムにしたがって一般的な光電変換方式の脈波計測装置の演算処理回路を作動させることによって、その脈波計測装置を本発明の脈波計測装置として機能させることが可能になる。
図3に示すように、脈波計測装置1は、当該装置の制御中枢として機能するCPU100、脈波検出部30から出力される脈波信号を増幅する増幅回路40、増幅回路40から出力される脈波信号をデジタル信号に変換して脈波データMDを生成するAD変換回路50を備える。
また、この例におけるAD変換回路50のサンプリングレートは、例えば、100Hzであり、脈波信号に対して十分高い周波数となっている。さらに、脈波データMDは10ビットとなっている。
図4は、CPU100が実行する制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。制御プログラムは、被験者がボタンスイッチ16を操作して、処理開始の指示を与えた場合に開始され、その処理結果は表示部80に表示される。制御プログラム開始後に、被験者が再度ボタンスイッチ16を操作することで、制御プログラムを終了させ、表示部80に表示された処理結果をリセットすることができる。
処理ステータスは、通常、非実行の状態を示す値に設定され、被験者がボタンスイッチ16を操作して、処理開始の指示を与えた場合に、実行中の状態を示す値に設定される。また、当該制御プログラムが終了した場合、CPU100は、処理ステータスを実行中の状態から非実行の状態に更新する。
処理ステータスが実行中の状態を示す場合、CPU100は、計測が終了していないと判断し、処理をステップS11へと進める。一方、処理ステータスが非実行の状態を示す場合、CPU100は、計測が終了していると判断し、当該プログラムの処理結果を表示部80に表示したうえで、当該プログラムを終了する。
なお、ステップS10において処理ステータスが実行中の状態を示す場合には、被験者がボタンスイッチ16を操作して処理開始の指示を与えた後にステップS16の処理が終了していない場合と、ステップS14の処理において脈波データMDのデータ数が不十分であると判断された場合とが存在する。
ステップS13において、AD変換回路50は、増幅回路40から出力される脈波信号をデジタル信号に変換し、脈波データMDを生成する。脈波データMDは、脈波波形を示すデータであり、RAM70に格納される。
CPU100は、脈波データMDが必要なデータ数を充足していないと判断した場合には、処理をステップS10に戻す一方、必要なデータ数を充足していると判断した場合には、処理をステップS15に進める。
CPU100は、ステップ16が終了した場合、処理ステータスを、非実行の状態に設定し、処理をステップS10に進める。
脈波データMDからピークデータP1を生成する処理は、後述するステップS21a、ステップS22a、及びステップS23aから構成される。また、脈波データMDからピークデータP2を生成する処理は、後述するステップS21b、ステップS22b、及びステップS23bから構成される。これらの処理、すなわち、脈波データMDからピークデータP1を生成する処理と、脈波データMDからピークデータP2を生成する処理とは、互いに独立した並列な処理である。
同様に、ステップS21bにおいて、CPU100は、脈波データMDからフレームサイズ50で与えられる時間区間の信号を時間軸方向にずらしながら切り出し、上記演算を行うことで微分データB2を算出する。その後、CPU100は、処理をステップS22bに進める。
同様に、ステップS22bにおいて、CPU100は、微分データB2からピークデータP2を生成する。その後、CPU100は、処理をステップS23bに進める。
なお、ピークデータP1は、Nmax個のサンプルからなるデータであって、各サンプルは、検出ピーク時間P1(1)〜P1(Nmax)を示す。同様に、ピークデータP2は、N´max個のサンプルからなるデータであって、各サンプルは、検出ピーク時間P2(1)〜P2(N´max)を示す。
ノイズ判断部250の動作は、以下の通りである。第1に、ノイズ判断部250はピークデータP1を構成する複数のサンプルと、ピークデータP2を構成するサンプルとを、時系列に並べ替える。第2に、ノイズ判断部250はフレームサイズ小の第1のデジタル平滑化多項式フィルター210によって得られたピーク(すなわち、ピークデータP1に属するサンプル)が、何回連続して検出されたか(連続回数C)を基準にノイズ判定を行う。連続回数Cが多いほど強いノイズ下の計測であるとして、連続回数Cが所定数以上となるサンプルを、後述する脈波間隔演算処理の対象外のデータとする。
このように、ノイズ判断部250は、ピークデータP1を構成する複数のサンプルとピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に整列したうえで、ピークデータP1を構成する複数のサンプルの各々に対して、「真」のピークである可能性の高を示す信頼度Dxを付与して、ピークデータP3を生成する。
ステップS24において、CPU100は、ピークデータP1及びP2を構成する複数のサンプル、すなわち、検出ピーク時間P1(1)〜P1(Nmax)と、検出ピーク時間P2(1)〜P2(N´max)とを、時系列に整列する。CPU100は、これらの時系列に整列されたNmax+N´max個のサンプルを、RAM70に格納する。
次に、ステップS25において、CPU100は、整列されたサンプルのうち先頭のサンプルに対して検出ピーク番号i=1を付与する。
ステップS29において、CPU100は、検出ピーク番号iに対応するサンプルが、ピークデータP1に属するかを判定する。判定条件が肯定された場合、CPU100は、処理をステップS30に進めて検出ピーク番号iを「1」インクリメントすると共に連続回数Cを「1」インクリメントし、その後、ステップS29の判定を実行する。一方、判定条件が否定された場合、すなわち、当該サンプルがピークデータP2に属する場合には、CPU100は、処理をステップS31に進める。
ここで、検出ピーク番号「i−C」を有するサンプルとは、ステップS28において連続回数Cに「1」がセットされるサンプルの1つ前のサンプルであり、検出ピーク番号「i−1」を有するサンプルとは、ステップS30において連続回数Cの値がセットされるサンプルの1つ前のサンプルである。
その後、CPU100は、処理をステップS32に進める。
このように、ステップS24〜S33によって、ピークデータP1及びP2から、図12に示すピークデータP3が生成される。
なお、隣接する2つのサンプルの一方または両方が脈波間隔演算処理の対象外の場合、すなわち、隣接する2つのサンプルの一方または両方の信頼度Dxが「0」の場合には、これらの値に基づいて脈波間隔Mrrを算出しても、偽ピークPnの影響による不正確な値である可能性が極めて高いため、脈波間隔Mrrは算出不能とする。この場合、正確性指標DMrrは、脈波間隔Mrrが算出対象外である旨を示す値、例えば「0」に設定される。
また、検出ピーク番号「52」及び「53」のように、隣接する2つのサンプルの双方の信頼度Dxが「0」である場合、または、検出ピーク番号「50」及び「52」のように、隣接する2つのサンプルのうち一方の信頼度Dxが「0」の場合には、これらのサンプルに基づいて脈波間隔Mrrは算出不能とされ、正確性指標DMrrは算出不能であることを示す値、例えば「0」が設定される。
CPU100は、複数の脈波間隔Mrr及び正確性指標DMrrを、表または経時変化の分かるグラフ等、被験者の見やすい表示形式にこれらのデータを加工して、表示部80に表示しても良い。
例えば、図13に示すように、CPU100は、表示部80にX軸を時刻、Y軸を脈波間隔Mrrとしたグラフを表示したうえで、複数の脈波間隔Mrrの各々を、当該グラフの該当する座標にプロットして表示しても良い。この場合、各脈波間隔MrrがプロットされるX軸(時刻)の値は、当該脈波間隔Mrrの算出の基礎のなった2つのサンプルのうち一方の時間の値を用いても良い。また、当該グラフ上に表示される脈波間隔Mrrは、当該脈波間隔Mrrの有する正確性指標DMrrに応じて、色や形を変えて表示されるようにしても良い。算出不能とされた脈波間隔Mrrは、値を有さないものとして、X軸上(すなわちY=0)としてプロットしても良い。
なお、CPU100は、図13に示すグラフに対して、脈波間隔Mrrをプロットする代わりに、脈波間隔Mrrに基づいて算出した単位時間値(例えば、1分間)あたりの脈拍数をプロットしても良い。即ち、脈波間隔Mrrのみならず、脈波間隔Mrrに基づいて得らる脈波間隔Mrrに関する情報を表示してもよい。
そして、本実施形態では、ピークデータP1を構成する複数のサンプルとピークデータP2を構成する複数のサンプルとを時系列に整列した後に、ピークデータP1に属するサンプルの連続回数Cを検知し、連続回数Cに基づいて、当該サンプルが「真」のピークである可能性の高さを示す信頼度Dxを生成し、ピークデータP1を構成する複数のサンプルの各々に対して信頼度Dxを付与することでピークデータP3を生成し、ピークデータP3に基づいて脈波間隔Mrrを演算する。
このようなピークデータP2のサンプルと、ピークデータP1のサンプルとを時系列に整列した場合、ピークデータP1が偽ピークPnを含まなければ、ピークデータP1のサンプルと、ピークデータP2のサンプルとは、1対1に対応し、等しい個数存在する。
しかし、ピークデータP1のサンプルに偽ピークPnが含まれる場合には、ピークデータP2のサンプルと、ピークデータP1のサンプルとは、1対1には対応しない。例えば、時系列に整列された複数のサンプルにおいて、ピークデータP2のサンプル1個に対して、ピークデータP1のサンプルが連続して複数個存在する場合には、当該連続する複数のサンプルに偽ピークPnが含まれる可能性が高い。また、当該連続する複数のサンプルが偽ピークPnである可能性は、当該連続回数に応じて高くなる。
なお、脈波に比べて周期が長い基線揺れノイズは、デジタル平滑化多項式フィルターで微分データを生成する過程で抑圧される。これは、心拍の計測の精度向上に寄与する。
(1)上述した実施形態では、脈波データMDから微分データB1及びB2を生成する第1及び第2の微分データ生成部として第1及び第2のデジタル平滑化多項式フィルター210及び230を採用したが、デジタル平滑化多項式フィルターに代えて、脈波データMDを微分すると共に平滑化することが可能な他の手段を採用してもよい。
例えば、ピークデータP1に連続回数Cが所定回数以上となるサンプルを除去することで、ピークデータP3を生成しても良い。具体的には、ピークデータP1を構成するサンプルの連続回数Cが1回〜3回の場合に、それぞれサンプルの信頼度Dx「3」〜「1」を付与し、連続回数Cが4回以上の場合には、当該複数のサンプルに対しては信頼度Dxを付与せずに、削除する。この場合、ピークデータP1を構成する複数のサンプルのうち、偽ピークPnの影響を受けていない「真」のピークである可能性の高いサンプルのみを被験者に対して表示することが可能となると共に、信頼度Dxが高い値を有する2つのサンプルに基づいた正確な脈波間隔Mrrを算出することが可能となる。
さらに、連続回数Cが所定数以上である場合に、当該連続するC個のサンプルの全てを、脈波間隔演算処理の対象外とせずに、C個のうちの一部を脈波間隔演算処理の対象外としても良い。
図14に示す通り、連続回数Cが「3」のサンプルP1(4)〜P1(6)は、信頼度Dxが「1」であり、信頼性が低い値である。特に、中央に位置するサンプルP1(5)は、偽ピークPnである可能性が存在する。ピークデータP1が偽ピークPnを含まない場合は、ピークデータP1と、ピークデータP2とは、各々のサンプルが1対1に対応するはずであるが、サンプルP1(5)は、サンプルP2(1)〜P2(5)の何れにも対応しないデータであると思われるからである。
そこで、そこで、連続回数Cが「3」の場合、信頼度Dx「1」を有する3つのサンプルのうちの両端に位置する2つのサンプルのみを脈波間隔Mrrの算出対象とし、中央に位置するサンプルを脈波間隔演算処理の対象外としても良い。これにより、より正確な脈波間隔Mrrを算出することが可能となる。
また、逆に連続回数Cの最大値がK回である場合、信頼度Dxの指標をK段階で表示しても良い。この場合、被験者に対してより詳細な情報を提供することが可能となる。
さらに、上述した実施形態では、脈波計測装置1は、手首に装着される装置本体10と、人指し指の根元から第2指関節までの間の部分に装着される脈波検出部30とを備え、これらはケーブル20を介して接続される構造を有しているが、脈波検出部30と装置本体10とが一体として構成され、共にリストバンド12により被験者の手首に装着する構造にしても良い。この場合、ケーブル20が不要となり、装置本体10と脈波検出部30とが一体となった腕時計構造を有するため、脈波計測装置1の使い勝手の向上が可能となる。
また、上述した実施形態では、装置本体10を腕時計構造とし、リストバンド12により被験者の手首に巻き付ける構造を有しているが、装置本体10を携帯電話等の外部の機器上に設け、装置本体10が設けられた携帯電話等と脈波検出部30との間で無線通信を実行してもよい。この場合、脈波検出部30は、手首、上腕部あるいは前腕部に巻きつけるカフ(腕帯)としてもよい。あるいは、耳朶に装着する構成としてもよい。装置本体10は、携帯電話の有する表示機能、入力機能、及びCPUを利用できるため、脈波計測装置1の低コスト化が可能となる。
Claims (8)
- 脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する第1の微分データ生成部と、
前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第2の微分データを生成し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データ生成部より大きい第2の微分データ生成部と、
前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する第1のピーク検出部と、
前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する第2のピーク検出部と、
前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成する各サンプルとを時系列に並べ替え、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、連続する回数が所定数以上となったサンプルを前記第1のピークデータを構成する複数のサンプルから除いて、第3のピークデータを生成するノイズ判断部と、
前記第3のピークデータに基づいて、隣り合うサンプルの時間差を脈波間隔として演算する脈波間隔演算部と、
を備える脈波計測装置。 - 脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する第1の微分データ生成部と、
前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第2の微分データを生成し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データ生成部より大きい第2の微分データ生成部と、
前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する第1のピーク検出部と、
前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する第2のピーク検出部と、
前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成する各サンプルとを時系列に並べ替え、前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知し、前記連続する回数に基づいて前記第1のピークデータのサンプルの各々が真のピークである可能性の程度を示す信頼度を生成し、前記第1のピークデータのサンプルの各々に対して前記信頼度を付与した第3のピークデータを生成するノイズ判断部と、
前記第3のピークデータから、前記信頼度の示す値に基づいて2つのサンプルの組み合わせを複数選択し、前記2つのサンプルの時間差を脈波間隔として演算する脈波間隔演算部と、
を備える脈波計測装置。 - 前記脈波間隔に関する情報を前記信頼度と関係づけて表示する表示部を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の脈波計測装置。 - 前記脈波間隔演算部は、前記脈波間隔を算出するために用いる2つのサンプルの前記信頼度に基づいて、当該脈波間隔がどれだけ正確であるかを示す正確性指標を生成し、
前記脈波間隔に関する情報を前記正確性指標と関係づけて表示する表示部を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の脈波計測装置。 - 前記第1の微分データ生成部は第1のデジタル平滑化多項式フィルターで構成され、
前記第2の微分データ生成部は第2のデジタル平滑化多項式フィルターで構成され、
前記第1のデジタル平滑化多項式フィルターは第2のデジタル平滑化多項式フィルターよりフレームサイズが小さい、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の脈波計測装置。 - 前記第1のピーク検出部は、前記第1の微分データを構成する複数のサンプルのうち、閾値を超えるサンプルから、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出し、
前記第2のピーク検出部は、前記第2の微分データを構成する複数のサンプルのうち、閾値を超えるサンプルから、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の脈波計測装置。 - コンピューターに、
脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する処理と、
前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データより大きい第2の微分データを生成する処理と、
前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する処理と、
前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する処理と、
前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成するサンプルとを時系列に並べ替える処理と、
前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知する処理と、
連続する回数が所定数以上となったサンプルを前記第1のピークデータを構成する複数のサンプルから除いて、第3のピークデータを生成する処理と、
前記第3のピークデータに基づいて、隣り合うサンプルの時間差を脈波間隔として演算する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。 - コンピューターに、
脈波波形を示す脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示す第1の微分データを生成する処理と、
前記脈波データから、前記脈波波形を微分すると共に平滑化した微分脈波波形を示し、且つ、平滑化の程度が、前記第1の微分データより大きい第2の微分データを生成する処理と、
前記第1の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第1のピークデータを検出する処理と、
前記第2の微分データに基づいて、前記微分脈波波形のピークの発生時刻を示す第2のピークデータを検出する処理と、
前記第1のピークデータを構成する各サンプルと前記第2のピークデータを構成するサンプルとを時系列に並べ替える処理と、
前記第1のピークデータのサンプルが連続する回数を検知する処理と、
前記連続する回数に基づいて前記第1のピークデータのサンプルの各々が真のピークである可能性の程度を示す信頼度を生成する処理と、
前記第1のピークデータのサンプルの各々に対して前記信頼度を付与した第3のピークデータを生成する処理と、
前記第3のピークデータから、前記信頼度の示す値に基づいて2つのサンプルの組み合わせを複数選択し、前記2つのサンプルの時間差を脈波間隔として演算する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
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