JP5605144B2 - 色合成ユニットおよび投射型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、波長が異なる3種類の光を合成する色合成ユニットおよび、色合成ユニットを用いた投射型表示装置に関する。
データプロジェクタあるいは背面投射型テレビジョン受像機のように、スクリーンに投影画像を表示する投射型表示装置において、異なる3つの波長帯の光として、互いに異なる光路で進行する、赤色の光、緑色の光および青色の光を同一光路に合成する色合成手段が用いられている。
この色合成手段としては、例えば、波長選択性のある2つの反射面を有する立方体形状の合成プリズムを用いて、3方向から入射する各色の光の出射方向を一致させる光学作用を与えることが報告されている(特許文献1)。
図11は、この合成プリズム200およびその光学作用を示す模式図であり、合成プリズム200は、反射面201と反射面202とが直角に交差するように配置されて構成される。ここで、合成プリズム200に対して、赤色光205Rは、Z方向で入射し、緑色光205Gは、X方向で入射し、さらに、青色光205Bは、−Z方向で入射する。ここで、反射面201は、赤色光205Rを反射し、緑色光205Gおよび青色光205Bを透過する。また、反射面202は、青色光205Bを反射し、赤色光205Rおよび緑色光205Gを透過する。これより、赤色光205R、緑色光205Gおよび青色光205Bは、いずれもX方向に進行するように合成されて出射される。
また、この他の色合成手段としては、3個の3角プリズムを用いて波長合成プリズムを構成し、このうち2つの3角プリズムに波長選択的に反射特性を有する誘電体多層膜が形成され、3方向から入射する各色の光の出射方向を一致させる光学作用を与えることが報告されている(特許文献2)。
図12は、この波長合成プリズム210およびその光学作用を示す模式図であり、波長合成プリズム210は、3角プリズム211、212、213から構成されている。また、3角プリズム211には誘電体多層膜211aが形成され、3角プリズム212には誘電体多層膜212aが形成されている。ここで、誘電体多層膜211aは、青色光215Bを反射し、赤色光215Rおよび緑色光215Gを透過する。また、誘電体多層膜212aは、赤色光215Rを反射し、緑色光215Gを透過する。これより、赤色光215R、緑色光215Gおよび青色光215Bは、いずれもX方向に進行するように合成されて出射される。
特開平10−269802号公報 特開2004−70018号公報
しかし、特許文献1の合成プリズム200は、反射面201、202を構成する光学多層膜を施した各プリズムの接合により、接合位置のずれが生じるなどばらつきが生じると、光が光学多層膜に2度入射したり、1度も入射しない領域ができたりすることで、安定した特性を得ることが困難であった。また、各プリズムの接合部分はいずれも直角に加工するため、とくにこの部分にわずかな機械的な損傷が生じた場合でも、安定した光学特性が得られないという問題もあった。
また、特許文献2の波長合成プリズム210は、3つの3角プリズムのうち、3角プリズム211、212は、光学多層膜211a、212aの面以外に、光が入射する角度に依存して反射させる面を有する。そのため、少なくとも3角プリズム211、212の加工のばらつきや、光軸の調整のずれが生じると、入射角度のずれが生じ、安定した光学特性が得られないという問題があった。
本発明は、従来技術のかかる問題を解決するためになされたものであり、異なる3つの波長帯の光を合成する色合成ユニットを、安定した光学特性が得られる構成で実現するとともに、この色合成ユニットを用いることで、信頼性の高い投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであって、互いに異なる第1の波長帯λの光、第2の波長帯λの光および第3の波長帯λの光が、それぞれ異なる方向から入射して、同一方向に出射する色合成ユニットであって、前記色合成ユニットは、波長選択型変調素子と、波長選択性を有する偏光ビームスプリッタと、を備え、前記波長選択型変調素子は、第1の波長板と、ダイクロイックミラーと、第2の波長板と、がこの順番に備えられ、前記第1の波長板および前記第2の波長板は、前記第1の波長帯λの光に対して1/4波長板として機能する特性を有し、前記ダイクロイックミラーは、前記第1の波長帯λの光を反射するとともに、前記第2の波長帯λの光を透過し、前記波長選択性を有する偏光ビームスプリッタは、前記第1の波長帯λの光のうち、第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第1の直線偏光の光と直交する第2の直線偏光の光を透過し、かつ、前記第2の波長帯λの光のうち少なくとも前記第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第3の波長帯λの光のうち少なくとも前記第1の直線偏光の光を透過するかまたは、前記第2の波長帯λの光のうち少なくとも前記第2の直線偏光の光を透過するとともに、前記第3の波長帯λの光のうち少なくとも前記第2の直線偏光の光を反射する、色合成ユニットを提供する。
また、前記波長選択性を有する偏光ビームスプリッタは、前記第3の波長帯λ の光をその偏光状態に係わらず透過または反射する上記の色合成ユニットを提供する。
また、同一方向に出射する前記第1の波長帯λの光、前記第2の波長帯λの光および前記第3の波長帯λの光が、いずれも前記第1の直線偏光の光であるかまたは、いずれも前記第2の直線偏光の光である上記の色合成ユニットを提供する。
また、前記第1の波長板および前記第2の波長板は、同一の複屈折性材料からなるとともに同じ厚さを有し、前記第1の波長板の遅相軸方向と、前記第2の波長板の遅相軸方向とが、略直交するように配置される上記の色合成ユニットを提供する。
また、少なくとも青色光、緑色光および赤色光を発射する光源と、表示する画像に応じて前記青色光、前記緑色光、前記赤色光を変調する複数のライトバルブと、画像を投射する投射レンズ部と、前記複数のライトバルブと、前記投射レンズ部との間の光路中に、上記の色合成ユニットと、を備えた投射型表示装置を提供する。
さらに、少なくとも青色光、緑色光および赤色光を発射する光源と、表示する画像に応じて前記青色光、前記緑色光、前記赤色光を変調する反射型液晶素子と、画像を投射する投射レンズ部と、前記光源と、前記反射型液晶素子との間の光路中に、上記の色合成ユニットと、を備えた投射型表示装置を提供する。
また、少なくとも青色光、緑色光および赤色光を発射する光源と、表示する画像に応じて前記青色光、前記緑色光、前記赤色光を変調する複数のライトバルブと、画像を投射する投射レンズ部と、前記複数のライトバルブと、前記投射レンズ部との間の光路中に、互いに異なる第1の波長帯λ の光、第2の波長帯λ の光および第3の波長帯λ の光が、それぞれ異なる方向から入射して、同一方向に出射する色合成ユニットと、を備え、前記色合成ユニットは、波長選択型変調素子と、偏光ビームスプリッタと、を含み前記波長選択型変調素子は、第1の波長板と、ダイクロイックミラーと、第2の波長板と、がこの順番に備えられ、前記第1の波長板および前記第2の波長板は、前記第1の波長帯λ の光に対して1/4波長板として機能する特性を有し、前記ダイクロイックミラーは、前記第1の波長帯λ の光を反射するとともに、前記第2の波長帯λ の光を透過し、前記偏光ビームスプリッタは、前記第1の波長帯λ の光のうち、第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第1の直線偏光の光と直交する第2の直線偏光の光を透過し、かつ、前記第2の波長帯λ の光のうち少なくとも前記第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第3の波長帯λ の光を透過するかまたは、前記第2の波長帯λ の光のうち少なくとも前記第2の直線偏光の光を透過するとともに、前記第3の波長帯λ の光を反射する投射型表示装置を提供する。
本発明は、進行方向および波長が異なって入射する3種の光を合成して出射する色合成ユニットにおいて、その構成により、安定した光学特性が得られる効果を実現できる。また、色合成ユニットを用いた本発明の投射型表示装置においても、安定した画像表示の特性が得られる効果を実現できる。
色合成ユニットの断面模式図(第1の実施形態) (a)色合成ユニットにおける赤色の光および緑色の光に対する光学特性(b)色合成ユニットにおける青色の光に対する光学特性 色合成ユニットの断面模式図(第2の実施形態) (a)色合成ユニットにおける赤色の光および緑色の光に対する光学特性(b)色合成ユニットにおける青色の光に対する光学特性 投射型表示装置の構成例1 投射型表示装置の構成例2 投射型表示装置の構成例3 投射型表示装置の構成例4 ダイクロイックミラーの光学特性 偏光ビームスプリッタの光学特性 従来の合成プリズム 従来の波長合成プリズム
(色合成ユニットの第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る色合成ユニット10の構成を示す模式図であり、波長選択型変調素子20と偏光ビームスプリッタ30と、を有する。図1において、色合成ユニット10は、波長選択型変調素子20と偏光ビームスプリッタ30と、を分離して示しているが、これらが一体化されて構成されていてもよい。波長選択型変調素子20は、透明基板21a上に、第1の波長板22、ダイクロイックミラー23、第2の波長板24、透明基板21bがこの順に、そして、透明基板21aの面と平行に配置されている。なお、透明基板21aを第1の透明基板、透明基板21bを第2の透明基板と表現する場合もある。また、波長選択型変調素子20は、透明基板21a、透明基板21bのいずれか一方、または両方を含まなくてもよい。さらに、第1の波長板22とダイクロイックミラー23との間、ダイクロイックミラー23と第2の波長板24との間に、図示しない透明基板や接着剤等の透明材料を有してもよい。
透明基板21a、21bは、入射する光に対して透明であれば、樹脂板、樹脂フィルムなど種々の材料を用いることができるが、ガラスや石英ガラスなどの光学的等方性材料を用いると、透過光に複屈折性の影響を与えないため好ましい。また、透明基板21a、21bなどは、例えば、空気との界面に、多層膜による反射防止膜を備えると、フレネル反射による光反射損失を低減できる。第1の波長板22、第2の波長板24は、複屈折性材料からなり、入射する光の偏光状態を変える変調機能を有する。第1の波長板22、第2の波長板24は、例えば、光が入射する方向と直交する面と平行に光学軸を有し、光学軸が厚さ方向に揃った複屈折性材料からなり、また、光学軸が交差するように複数枚重ねて構成されるものであってもよい。その他に、光学軸方向が厚さ方向を軸に螺旋している波長板を1枚または、複数枚重ねるように構成されるものであってもよい。第1の波長板22、第2の波長板の材料としては例えば、水晶、LiNbOなどの無機材料や樹脂や液晶、高分子液晶などの有機材料から構成される。なお、第1の波長板22と第2の波長板24とは、後述するように、入射する光を変調する機能を相殺させる光学特性となる組み合わせであることが好ましい。
ダイクロイックミラー23は、第1の波長板22の面に対して平行に光学多層膜が形成されてなり、入射する光のうち、互いに波長が異なる2つの光のうち、一方の波長の光を透過し、他方の波長の光を反射する、波長選択反射機能を有する。とくに、ここでは入射する光は、ダイクロイックミラー23の面に対して略垂直方向から入射する場合について考える。本実施形態に係る色合成ユニット10におけるダイクロイックミラー23は、青色光となる450nm波長帯の光を反射し、緑色光となる510nm波長帯の光を透過する。なお、450nm波長帯は、420〜470nmの波長範囲または、435〜465nmの波長範囲、510nm波長帯は、480〜560nmの波長範囲または、495〜525nmの波長範囲である。光学多層膜の材料としては、SiO、SiON、ZrO、Ta、Nb、TiO、Al、MgFなどの無機材料や有機材料を用いることができる。
次に、偏光ビームスプリッタ30について説明する。偏光ビームスプリッタ30は、2つの三角プリズムが、光学多層膜31を挟持するように接合され、とくに、光学多層膜31の面は、透明基板21aの平面に対して約45°の角度をなすように配置される。また、光学多層膜31の材料としては、SiO、SiON、ZrO、Ta、Nb、TiO、Al、MgFなどの無機材料や有機材料を用いることができる。また、偏光ビームスプリッタ30は、後述するように、偏光状態によって透過率/反射率が異なるとともに、入射する光の波長によって透過率/反射率が異なる機能も有する。
次に、色合成ユニット10の光学作用について説明する。本実施形態に係る色合成ユニット10は、青色光となる450nm波長帯の光、緑色光となる510nm波長帯の光、そして、赤色光となる630nm波長帯の光を使用する。なお、630nm波長帯は、610〜670nmの波長範囲または、615〜645nmの波長範囲である。図2(a)、図2(b)は、色合成ユニット10に青色光、緑色光、赤色光が入射したときの光学作用を示す模式図であり、図2(a)は、青色光35B、36Bの光学作用、図2(b)は緑色光35Gおよび赤色光35Rの光学作用を示す模式図である。ここで、青色光35Bは、偏光ビームスプリッタ30から波長選択型変調素子20に向かって+Z方向で入射し、緑色光35Gは、波長選択型変調素子20から偏光ビームスプリッタ30に向かって−Z方向で入射する。そして、赤色光35Rは、偏光ビームスプリッタ30に+X方向で入射する。
また、これらの3つの波長帯の光の組み合わせとして任意に、第1の波長帯λの光、第2の波長帯λの光、第3の波長帯λの光として表すこともある。例えば、第1の波長帯をλの光を、波長選択型変調素子20で反射する光とし、第2の波長帯をλの光を、波長選択型変調素子20を透過する光とする。そして、第3の波長帯をλの光を、波長選択型変調素子20に入射しない光、つまり偏光ビームスプリッタ30のみに入射する光とする。このとき、第1の波長帯λの光は青色光35Bおよび36B、第2の波長帯λの光は緑色光35G、そして、第3の波長帯λの光は赤色光35Rに相当する。
次に、各色の光に対する色合成ユニット10の光学作用について説明する。まず、青色光35Bは、前述のように、偏光ビームスプリッタ30から波長選択型変調素子20に向かって+Z方向で入射する。このとき、青色光35Bは、X方向の直線偏光の光として入射する。つまり、青色光35Bは、光の入射面内に振動する直線偏光の光であってP偏光の光として考えることができる。ここで、偏光ビームスプリッタ30は、特定の波長帯において、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する特性を有し、ここでは、少なくとも450nm波長帯の光に対してこのように作用するものとするが、510nm波長帯の光に対しても同様に作用してもよい。なお、S偏光の光は、光の入射面に対して垂直に振動する直線偏光の光であって、P偏光の光と直交する。また、S偏光の光とP偏光の光のように互いに直交している直線偏光の光の組み合わせとしては、第1の直線偏光の光、第2の直線偏光の光、としても定義でき、第1の直線偏光の光がS偏光の光であるとき、第2の直線偏光の光がP偏光の光として、第1の直線偏光の光がP偏光の光であるとき、第2の直線偏光の光がS偏光の光として考えることができる。
偏光ビームスプリッタ30を透過したP偏光の青色光35Bは、まず、波長選択型変調素子20の第1の波長板22に入射する。ここで、第1の波長板22は、例えば、青色光35Bに対して1/4波長板としての機能を有する。つまり、第1の波長板22が複屈折性材料からなり、X−Y平面において、例えば、第1の波長板22の遅相軸の方向が、X方向に対して45°をなす方向に揃っているものとする。このとき、第1の波長板22の厚さdは、mを自然数として、(4m−3)λ/(4×Δn)または(4m−1)λ/(4×Δn)に略等しい値に設定し、1/4波長板として機能させるとよい。なお、Δnは、第1の波長板22を構成する複屈折性材料の屈折率異方性、つまり、異常光屈折率nと常光屈折率nとの差、に相当する。
第1の波長板22を透過した青色光35Bは、例えば、右回りの円偏光の光となってダイクロイックミラー23に入射する。そして、ダイクロイックミラー23は、前述のように青色光を反射し、緑色光を透過するので、青色光35Bは反射して、再び第1の波長板22に入射する。このとき、ダイクロイックミラー23で反射された光は左回りの円偏光の光となって第1の波長板22でY方向の直線偏光の光、つまりS偏光の光となって偏光ビームスプリッタ30に入射する。そして、S偏光の光となった青色光36Bは、光学多層膜31で反射され、X方向に進行する。
次に、緑色光35Gについて説明する。緑色光35Gは、図2(b)に示すように、Y方向の直線偏光の光、つまりS偏光の光として、波長選択型変調素子20から偏光ビームスプリッタ30に向かって−Z方向で入射する。また、第2の波長板24は、第1の波長板22における変調機能を相殺する特性を有する。つまり、第1の波長板22および第2の波長板24に光がこの順に入射する場合、第2の波長板24を透過する光の偏光状態は、第1の波長板22に入射する光の偏光状態と略同一となるように構成されればよい。例えば、この場合、第2の波長板24は、第1の波長板22と同じ複屈折性材料でかつ、同じ厚さdで構成され、第1の波長板22の遅相軸の方向が、X方向に対して45°をなす方向に揃っており、第2の波長板24の遅相軸の方向が、X方向に対して−45°をなす方向に揃っているものとする。つまり、第2の波長板24は、第1の波長板22と同じものを、第1の波長板22の位置に対して、光軸と直交する平面(X−Y面)に沿って90°回転した位置に合わせることで実現することができる。
第2の波長板24に入射した緑色光35Gは、Y方向の直線偏光の光、つまりS偏光の光に対して変調された偏光状態の光となる。とくに、第1の波長板22は、青色光である450nm波長帯の光に対して1/4波長板として機能するので、第2の波長板24も、同じ450nm波長帯の光に対して1/4波長板として機能させるものであるとよい。なお、第1の波長板22、第2の波長板24は、緑色光35Gに対して1/4波長板として機能しなくてもよく、第2の波長板24を透過した緑色光35Gは、楕円偏光の光となってもよい。そして、緑色光35Gは、ダイクロイックミラー23を透過して第1の波長板22に入射する。
前述のように、第1の波長板22は、第2の波長板24で変調された光の偏光状態を、第2の波長板24に入射する前の光の偏光状態に戻す関係であるので、波長選択型変調素子20を透過する緑色光35Gは、再び、S偏光の光となって偏光ビームスプリッタ30に入射する。すると、S偏光の光となった緑色光35Gは、光学多層膜31で反射され、X方向に進行する。また、偏光ビームスプリッタ30は、緑色光35Gに対して偏光状態に係わらず高い反射率で反射させるものであってもよい。つまり、緑色光がP偏光の光の成分を含む場合でも、S偏光の光の成分と同様に反射させてもよい。
次に、赤色光35Rについて説明する。赤色光35Rは、図2(b)に示すように、Y方向の直線偏光の光、つまりS偏光の光として、偏光ビームスプリッタ30に向かってX方向に入射する。また、偏光ビームスプリッタ30は、少なくとも450nm波長帯の光について、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する特性を有するが、630nm波長帯の光に対しては偏光状態に係わらず透過する特性を有するものとする。そのため、赤色光35Rは、偏光状態に係わらず高い透過率を示し、偏光ビームスプリッタ30よりそのまま、X方向に出射する。また、偏光ビームスプリッタ30は、赤色光35Rに対してS偏光の光を透過して、P偏光の光を反射させるものであってもよい。
このように、互いに波長が異なる、第1の波長λの光、第2の波長λの光および、第3の波長λの光に対して、それぞれ異なる方向から入射した光を、同一方向に進行するように合成することができる。また、波長選択型変調素子20は、透明基板21a、21b面に平行に第1の波長板22、ダイクロイックミラー23、第2の波長板23を形成したものであり、また、偏光ビームスプリッタ30は、2つの三角プリズムの境界面のみに光学多層膜を形成した構成である。このように、複雑な構成とせずに、入射する光を合成することができ、安定した光学特性を得ることができる。また、図2(a)、図2(b)に示すように、入射する各波長帯の光の偏光状態をそれぞれ、特定の直線偏光の光として設定したり、入射する光の波長および偏光状態に対する偏光ビームスプリッタ30の透過、反射特性を調整したりすることで、色合成ユニットを出射する各波長帯の光の偏光状態を一致させることもできる。
(色合成ユニットの第2の実施形態)
図3は、本実施形態に係る色合成ユニット40の構成を示す模式図であり、波長選択型変調素子20と偏光ビームスプリッタ50と、を有する。図3において、色合成ユニット40は、波長選択型変調素子20と偏光ビームスプリッタ50と、を分離して示しているが、これらが一体化されて構成されていてもよい。波長選択型変調素子20は、第1の実施形態と同じ構成を有し、説明の重複を避ける。偏光ビームスプリッタ50は、2つの三角プリズムが、光学多層膜51を挟持するように接合され、とくに、光学多層膜51の面は、透明基板21aの平面に対して約45°の角度をなすように配置される。また、光学多層膜51の材料としては、SiO、SiON、ZrO、Ta、Nb、TiO、Al、MgFなどの無機材料や有機材料を用いることができる。また、偏光ビームスプリッタ50は、後述するように、偏光状態によって透過率/反射率が異なるとともに、入射する光の波長によって透過率/反射率が異なる機能も有する。
次に、色合成ユニット40の光学作用について説明する。本実施形態に係る色合成ユニット40は、青色光となる450nm波長帯の光、緑色光となる510nm波長帯の光、そして、赤色光となる630nm波長帯の光を使用する。図4(a)、図4(b)は、色合成ユニット40に青色光、緑色光、赤色光が入射したときの光学作用を示す模式図であり、図4(a)は、青色光55Bの光学作用、図4(b)は緑色光55Gおよび赤色光55Rの光学作用を示す模式図である。ここで、青色光55Bは、偏光ビームスプリッタ50に向かって−X方向で入射し、緑色光55Gは、波長選択型変調素子20から偏光ビームスプリッタ50に向かって−Z方向で入射する。そして、赤色光55Rは、偏光ビームスプリッタ50に+X方向で入射する。
また、これらの3つの波長帯の光の組み合わせとして、第1の実施形態と同様に、第1の波長帯λの光、第2の波長帯λの光、第3の波長帯λの光として表す場合を考える。このとき、第1の波長帯λの光は青色光55Bおよび56B、第2の波長帯λの光は緑色光55G、そして、第3の波長帯λの光は赤色光55Rに相当する。
次に、各色の光に対する色合成ユニット40の光学作用について説明する。まず、青色光55Bは、前述のように、偏光ビームスプリッタ50から波長選択型変調素子20に向かって+Z方向で入射する。このとき、青色光55Bは、Y方向の直線偏光の光として入射する。つまり、青色光55Bは、光の入射面と直交する方向に振動する直線偏光の光であってS偏光の光として考えることができる。ここで、偏光ビームスプリッタ50は、特定の波長帯において、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する特性を有し、ここでは、少なくとも450nm波長帯の光に対してこのように作用するものとするが、510nm波長帯の光に対しても同様に作用してもよい。
偏光ビームスプリッタ50に入射したS偏光の青色光55Bは、光学多層膜51で反射され、波長選択型変調素子20の第1の波長板22に入射する。ここで、第1の波長板22は、例えば、第1の実施形態と同様に、青色光55Bに対して1/4波長板としての機能を有する。第1の波長板22を透過した青色光55Bは、例えば、右回りの円偏光の光となってダイクロイックミラー23に入射する。そして、ダイクロイックミラー23は、青色光を反射し、緑色光を透過するので、青色光55Bは反射して、再び第1の波長板22に入射する。このとき、ダイクロイックミラー23で反射された光は左回りの円偏光の光となって第1の波長板22でX方向の直線偏光の光、つまりP偏光の光となって偏光ビームスプリッタ50に入射する。すると、P偏光の光となった青色光56Bは、光学多層膜51を透過し、−Z方向に進行する。
次に、緑色光55Gについて説明する。緑色光55Gは、図4(b)に示すように、X方向の直線偏光の光、つまりP偏光の光として、波長選択型変調素子20から偏光ビームスプリッタ50に向かって−Z方向で入射する。また、第1の実施形態と同様の構成を有し、第2の波長板24は、第1の波長板22における変調機能を相殺する特性を有する。第2の波長板24、ダイクロイックミラー23、第1の波長板22の順に入射した緑色光55Gは、第1の波長板22を透過すると、第2の波長板24の入射する緑色光55Gと同じ偏光状態、つまり、X方向の直線偏光の光で偏光ビームスプリッタ50に入射する。そして、P偏光の緑色光35Gは、光学多層膜51を透過し、−Z方向に進行する。
次に、赤色光55Rについて説明する。赤色光55Rは、図4(b)に示すように、Z方向の直線偏光の光、つまりP偏光の光として、偏光ビームスプリッタ50に向かってX方向で入射する。また、偏光ビームスプリッタ50は、少なくとも450nm波長帯の光について、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する特性を有するが、630nm波長帯の光に対しては偏光状態に係わらず反射する特性を有するものとする。そのため、赤色光55Rは、偏光状態に係わらず高い反射率を示し、偏光ビームスプリッタ50の光学多層膜51で反射して、−Z方向に出射する。また、偏光ビームスプリッタ50は、赤色光55Rに対してS偏光の光を透過して、P偏光の光を反射させるものであってもよい。
このように、互いに波長が異なる、第1の波長λの光、第2の波長λの光および、第3の波長λの光に対して、それぞれ異なる方向から入射した光を、同一方向に進行するように合成することができる。また、図4(a)、図4(b)に示すように、入射する各波長帯の光の偏光状態をそれぞれ、特定の直線偏光の光として設定したり、入射する光の波長および偏光状態に対する偏光ビームスプリッタ50の透過、反射特性を調整したりすることで、色合成ユニットを出射する各波長帯の光の偏光状態を一致させることもできる。
(投射型表示装置の第1の実施形態)
次に、本発明に係る色合成ユニットを用いた投射型表示装置について説明する。図5は、色合成ユニット10を用いた、本実施形態に係る投射型表示装置100を示す模式図である。投射型表示装置100は、白色光を発射する光源101を備え、光源101から発射した光が、偏光変換素子102に入射して特定の偏光方向、例えば直線偏光の光に変換されて、ダイクロイックプリズム103に入射する。なお、光源101から発射する白色光は、青色光、緑色光、赤色光を含む。ダイクロイックプリズム103は、青色光を透過し、緑色光および赤色光を反射する特性を有し、青色光は反射ミラー105で反射してライトバルブ108Bの方向へ進行し、緑色光および赤色光はダイクロイックプリズム104の方向へ進行する。ダイクロイックプリズム104は、緑色光を透過して赤色光を反射する特性を有し、緑色光は反射ミラー106、107で反射してライトバルブ108Gの方向へ進行し、赤色光はライトバルブ108Rの方向へ進行する。なお、ダイクロイックプリズム103とダイクロイックプリズム104と、を合わせて、色分離部ともいう。
ライトバルブ108B、108G、108Rは、それぞれ、青色、緑色、赤色の画像を生成する透過型の液晶パネル等からなる。そして、ライトバルブ108B、108G、108Rを透過した各色の画像データは、偏光子109B、109G、109Rを透過して、特定の直線偏光の光となって、色合成ユニット10に入射する。ここで、偏光子109Bは、P偏光の光のみを透過してS偏光の光を反射または吸収し、偏光子109G、109Rは、S偏光の光のみを透過し、P偏光の光を反射または吸収する。そして、色合成ユニット10に入射した各色の光は、合成されて画像を生成し、投射レンズ部110に入射して、スクリーン111に投影される。
また、投射型表示装置100は、光源101として、白色光を用いるものとして説明したが、青色光、緑色光、赤色光を発光するランプや半導体レーザ等が集積されたものを用いてもよい。さらには、ダイクロイックプリズム103、104や、反射ミラー105、106、107を用いずに、各色の光源をそれぞれ、各色用のライトバルブに直接、入射するようにしてもよい。この場合も、これら各色の光源をまとめて、光源として定義する。また、白色光の光路中、各色の光の光路中にレンズを備えてもよい。
次に、他の構成を有する投射型表示装置について説明する。図6は、色合成ユニット40を用いた、本実施形態に係る投射型表示装置130を示す模式図である。また、投射型表示装置130を構成する光学部品のうち、投射型表示装置100と同じものについては同じ番号を付して説明の重複を避ける。まず、光源101から発射した光は、偏光変換素子102に入射して特定の偏光方向、例えば直線偏光の光に変換されて、ダイクロイックプリズム133に入射する。ダイクロイックプリズム133は、赤色光を透過し、緑色光および青色光を反射する特性を有し、赤色光は反射ミラー105で反射してライトバルブ138Rの方向へ進行し、緑色光および青色光はダイクロイックプリズム134の方向へ進行する。ダイクロイックプリズム134は、緑色光を反射して青色光を透過する特性を有し、緑色光はライトバルブ138Gの方向へ進行し、青色光は反射ミラー106、107で反射してライトバルブ138Bの方向へ進行する。
ライトバルブ138B、138G、138Rは、それぞれ、青色、緑色、赤色の画像を生成する透過型の液晶パネル等からなる。そして、ライトバルブ138B、138G、138Rを透過した各色の画像データは、偏光子139B、139G、139Rを透過して、特定の直線偏光の光となって、色合成ユニット40に入射する。ここで、偏光子139R、139Gは、P偏光の光のみを透過してS偏光の光を反射または吸収し、偏光子109BはS偏光の光のみを透過し、P偏光の光を反射または吸収する。そして、色合成ユニット40に入射した各色の光は、合成されて画像を生成し、投射レンズ部110に入射して、スクリーン111に投影される。また、投射型表示装置130も、光源101としては、白色光以外の光源を用いてもよく、ダイクロイックプリズム133、134や、反射ミラー105、106、107を用いない構成であってもよい。また、白色光の光路中、各色の光の光路中にレンズを備えてもよい。
(投射型表示装置の第2の実施形態)
投射型表示装置100、130は、各色それぞれにライトバルブを備える構成について示したが、本実施形態に係る投射型表示装置は、反射型液晶素子(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)を備える。反射型液晶素子は、ライトバルブ等の透過型の液晶素子とは異なり、光を反射させる側に、液晶を駆動するためのトランジスタ等の構造体を形成することができるので、画素密度を高くすることができる。これにより、高い解像度、高い開口率、さらに、高いコントラスト比が得られるという特徴を有する。
図7は、色合成ユニット10を用いた、本実施形態に係る投射型表示装置150を示す模式図である。投射型表示装置150は、半導体レーザ等の青色光源151B、緑色光源151G、赤色光源151Rを有し、それぞれ、レンズ152B、152G、152Rを介して色合成ユニット10に入射する。なお、この場合も、青色光源151B、緑色光源151G、赤色光源151Rをまとめて光源と定義する。また、青色光源151B、緑色光源151G、赤色光源151Rから色合成ユニット10までの光路中に偏光子を用いてもよい。
そして、色合成ユニット10によって合成されて出射した光は、いずれもS偏光の光となって偏光ビームスプリッタ153へ進行する。偏光ビームスプリッタ153は、S偏光の光を反射してP偏光の光を透過する特性を有し、S偏光の光が偏光ビームスプリッタ153で反射して反射型液晶素子154へ進行する。反射型液晶素子154で反射される光は、投影する画像に合わせて各画素に対応するように偏光状態が変換されて反射される。このとき、反射される光は、S偏光の光とP偏光の光とが混在するが、偏光ビームスプリッタ153に入射すると、S偏光の光がスクリーン156とは異なる方向に反射されるのに対し、P偏光の光が直進透過し、投射レンズ部155に入射して、スクリーン156に画像が投影される。
次に、他の構成を有する投射型表示装置について説明する。図8は、色合成ユニット40を用いた、本実施形態に係る投射型表示装置170を示す模式図である。また、投射型表示装置170を構成する光学部品のうち、投射型表示装置150と同じものについては同じ番号を付して説明の重複を避ける。投射型表示装置170は、半導体レーザ等の青色光源171B、緑色光源171G、赤色光源171Rを有し、それぞれ、レンズ172B、172G、172Rを介して色合成ユニット40に入射する。なお、この場合も、青色光源171B、緑色光源171G、赤色光源171Rをまとめて光源と定義する。また、青色光源171B、緑色光源171G、赤色光源171Rから色合成ユニット40までの光路中に偏光子を用いてもよい。
そして、色合成ユニット40によって合成されて出射した光は、いずれもP偏光の光となって偏光ビームスプリッタ173へ進行する。偏光ビームスプリッタ173は、P偏光の光を透過してS偏光の光を反射する特性を有し、P偏光の光が偏光ビームスプリッタ173を透過して反射型液晶素子174へ進行する。反射型液晶素子174で反射される光は、投影する画像に合わせて各画素に対応するように偏光状態が変換されて反射される。このとき、反射される光は、S偏光の光とP偏光の光とが混在するが、偏光ビームスプリッタ173に入射すると、P偏光の光がスクリーン156とは異なる方向に進行するのに対し、S偏光の光が反射し、投射レンズ部155に入射して、スクリーン156に画像が投影される。
本実施形態に係る投射型表示装置150、170は、とくに、偏光ビームスプリッタ153、173、反射型液晶素子154、174を用いて画像を生成する。そのため、色合成ユニット10、40を出射した各色の光の偏光状態が、同一方向の直線偏光であると、色合成ユニット10と偏光ビームスプリッタ153との間の光路中または、色合成ユニット40と偏光ビームスプリッタ173との間の光路中に、各色の光の偏光状態を揃えるための偏光変換素子を配置しなくてもよく、装置の小型化が実現できる。
本実施例では、色合成ユニット10の具体的な設計例について図1を参照しながら説明するが、まず、波長選択型変調素子20について説明する。透明基板21a、21bとして白板ガラス基板を用いて、これらを洗浄、乾燥し、一方の面に真空蒸着法を用いて反射防止膜を形成する。次に、白板ガラスの、反射防止膜を形成した面とは反対側の面に、ポリイミドを塗布してできたポリイミド膜をラビングして配向膜を形成する。そして、配向膜上に複屈折性を有する液晶モノマーを均一に塗布し、UV光を照射することによって、液晶分子の長軸方向が均一で厚さ方向に揃った高分子液晶からなる厚さ3.75μmの第1の波長板22および第2の波長板24を形成する。このとき、第1の波長板22および第2の波長板24で発生する位相差は、波長450nmの光に対して90°(=π/2)であり、波長510nmの光に対して78°である。なお、この液晶分子の長軸方向が遅相軸方向に相当する。
次に、図示しない透明基板として白板ガラス基板を用いて、これらを洗浄、乾燥し、この白板ガラス基板面に、Taの層とSiOの層を交互に積層して光学多層膜を形成し、図示しないもう1枚の白板ガラス基板で光学多層膜を挟持する。光学多層膜は、具体的には、表1に示す構造とし、この光学多層膜がダイクロイックミラー23に相当する。なお、表1には510nmの光に対するTaとSiOの屈折率を示すとともに、各層の膜厚を示す。
Figure 0005605144
図9は、表1に基づくダイクロイックミラー23において、光がダイクロイックミラー23面の法線方向から入射したときの、透過率および反射率の波長依存性を示したものである。また、表1の構成は、入射光の偏光依存性がなく、偏光状態に関わらず同様の利用効率の特性が得られる。ここで、図9において、反射率を実線で示し、透過率を破線で示すが、表1に基づく光学多層膜の構成より、435〜465nmの波長範囲を450nm波長帯とするとき、450nm波長帯の光の反射率は、略100%であるのに対して、495〜525nmの波長範囲を510nm波長帯とするとき、510nm波長帯の光の反射率は略0%、つまり510nm波長帯の光の透過率は略100%である。したがって、表1に基づく光学多層膜において、光学多層膜面の法線方向に沿って青色光と緑色光が入射すると、選択的に青色光がほぼ全反射されるのに対し、緑色光はほぼ全透過する。
その後、第1の透明基板21a上に形成した、高分子液晶からなる第1の波長板22と、第2の透明基板21b上に形成した、高分子液晶からなる第2の波長板24と、によって、ダイクロイックミラー23を挟持するように、両側から透明な接着剤で接着して波長選択型変調素子20を得る。このとき、透明基板21a、21bに形成した反射防止膜が最表面となるとともに、第1の波長板22の遅相軸と、第2の波長板24の遅相軸とが直交するように重ね合わせる。
次に、偏光ビームスプリッタ30について説明する。透明基板として白板ガラスを洗浄、乾燥し、白板ガラス基板面に、Taの層とSiOの層を交互に積層して光学多層膜を形成し、もう1枚の白板ガラス基板で光学多層膜を挟持する。光学多層膜31は、具体的には、表2に示す構造とし、表2には510nmの光に対するTaとSiOの屈折率を示すとともに、各層の膜厚を示す。
Figure 0005605144
そして、2つの白板ガラス基板について、基板の表面が、光学多層膜31の面に対して45°の角度をなすように加工して、偏光ビームスプリッタ30を得る。図10は、表2に基づく光学多層膜31を有する偏光ビームスプリッタ30において、光が光学多層膜31面に対して45°の角度をなす方向から入射したときの、透過率および反射率の波長依存性を示したものである。ここで、図10において、青色光近傍の特性を細実線、緑色光近傍の特性を破線、赤色光近傍の特性を太実線で示す。また、横軸には利用効率を示しているが、これは、青色光近傍に対しては、P偏光の光の透過率とS偏光の光の反射率との積を表したものである。ここで、青色光において利用効率が略100%であることから、青色光におけるP偏光の光の透過率、S偏光の光の反射率が略100%であることを示している。
また、図10において、緑色光近傍に対しては、S偏光の光の反射率を利用効率として示し、赤色光近傍に対しては、S偏光の光の透過率を利用効率として示したものである。これより、510nm波長帯の光のうちS偏光の光の反射率は、略100%であり、615〜645nmの波長範囲を630nm波長帯とするとき、630nm波長帯の光のうちS偏光の光の透過率は、略100%である。したがって、表2に基づく光学多層膜31において、光学多層膜31面に対して45°の角度をなす方向からそれぞれ、所定の偏光状態の光が入射すると、偏光状態や波長に応じて選択的に透過したり反射したりする。
本実施例で作製した波長選択型変調素子20と、偏光ビームスプリッタ30と、を色合成ユニット30としてユニット化し、図2(a)、図2(b)に示す方向より、青色光35B、緑色光35G、赤色光35Rを、それぞれの偏光方向の光として入射する。そうすると、P偏光の光として入射する青色光35Bは、偏光ビームスプリッタ30を、ほぼ100%の透過率で透過して、波長選択型変調素子20のダイクロイックミラー23でほぼ100%の反射率で反射される。そして、S偏光の光となった青色光36Bは、偏光ビームスプリッタ30で、ほぼ100%の反射率で反射する。
また、S偏光の光として入射する緑色光35Gは、波長選択型変調素子20のダイクロイックミラー23でほぼ100%の透過率で透過するとともに、波長選択型変調素子20をS偏光の光として透過する。そして、緑色光35Gは、偏光ビームスプリッタ30で、ほぼ100%の反射率で反射する。さらに、S偏光の光として入射する赤色光35Rは、偏光ビームスプリッタ30を、ほぼ100%の透過率で透過する。これより、色合成ユニット10(偏光ビームスプリッタ30)を出射する各色の光は、高い光利用効率でかつ、同じ偏光状態の直線偏光の光として合成される。
以上のように、本発明は、進行方向および波長が異なって入射する3種の光を安定した光学特性で合成して出射する色合成ユニットおよび投射型表示装置を提供することができる。
10、40 色合成ユニット
20 波長選択型変調素子
21a 第1の透明基板
21b 第2の透明基板
22 第1の波長板
23 ダイクロイックミラー
24 第2の波長板
30、50、153、173 偏光ビームスプリッタ
31、51 光学多層膜
35R、55R、205R、215R 赤色光
35G、55G、205G、215G 緑色光
35B、36B、55B、56B、205B、215B 青色光
100、130、150 投射型表示装置
101 光源
102 偏光変換素子
103、104、133、134 ダイクロイックプリズム
105、106、107 反射ミラー
108R、108G、108B、138R、138G、138B ライトバルブ
109R、109G、109B、139R、139G、139B 偏光子
110、155 投射レンズ部
111、156 スクリーン
151R、171R 赤色光源
151G、171G 緑色光源
151B、171B 青色光源
152R、152G、152B、172R、172G、172B レンズ
154、174 反射型液晶素子
200 合成プリズム
201、202 反射面
211、212、213 3角プリズム
211a、212a 誘電体多層膜

Claims (7)

  1. 互いに異なる第1の波長帯λの光、第2の波長帯λの光および第3の波長帯λの光が、それぞれ異なる方向から入射して、同一方向に出射する色合成ユニットであって、
    前記色合成ユニットは、波長選択型変調素子と、波長選択性を有する偏光ビームスプリッタと、を備え、
    前記波長選択型変調素子は、第1の波長板と、ダイクロイックミラーと、第2の波長板と、がこの順番に備えられ、
    前記第1の波長板および前記第2の波長板は、前記第1の波長帯λの光に対して1/4波長板として機能する特性を有し、
    前記ダイクロイックミラーは、前記第1の波長帯λの光を反射するとともに、前記第2の波長帯λの光を透過し、
    前記波長選択性を有する偏光ビームスプリッタは、前記第1の波長帯λの光のうち、第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第1の直線偏光の光と直交する第2の直線偏光の光を透過し、かつ、
    前記第2の波長帯λの光のうち少なくとも前記第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第3の波長帯λの光のうち少なくとも前記第1の直線偏光の光を透過するかまたは、前記第2の波長帯λの光のうち少なくとも前記第2の直線偏光の光を透過するとともに、前記第3の波長帯λの光のうち少なくとも前記第2の直線偏光の光を反射する、色合成ユニット。
  2. 前記波長選択性を有する偏光ビームスプリッタは、前記第3の波長帯λ の光をその偏光状態に係わらず透過または反射する請求項1に記載の色合成ユニット。
  3. 同一方向に出射する前記第1の波長帯λの光、前記第2の波長帯λの光および前記第3の波長帯λの光が、いずれも前記第1の直線偏光の光であるかまたは、いずれも前記第2の直線偏光の光である請求項1または請求項2に記載の色合成ユニット。
  4. 前記第1の波長板および前記第2の波長板は、同一の複屈折性材料からなるとともに同じ厚さを有し、前記第1の波長板の遅相軸方向と、前記第2の波長板の遅相軸方向とが、交するように配置される請求項1〜3いずれか1項に記載に色合成ユニット。
  5. 少なくとも青色光、緑色光および赤色光を発射する光源と、表示する画像に応じて前記青色光、前記緑色光、前記赤色光を変調する複数のライトバルブと、画像を投射する投射レンズ部と、
    前記複数のライトバルブと、前記投射レンズ部との間の光路中に、請求項1〜いずれか1項に記載の色合成ユニットと、を備えた投射型表示装置。
  6. 少なくとも青色光、緑色光および赤色光を発射する光源と、表示する画像に応じて前記青色光、前記緑色光、前記赤色光を変調する反射型液晶素子と、画像を投射する投射レンズ部と、
    前記光源と、前記反射型液晶素子との間の光路中に、請求項1〜いずれか1項に記載の色合成ユニットと、を備えた投射型表示装置。
  7. 少なくとも青色光、緑色光および赤色光を発射する光源と、表示する画像に応じて前記青色光、前記緑色光、前記赤色光を変調する複数のライトバルブと、画像を投射する投射レンズ部と、
    前記複数のライトバルブと、前記投射レンズ部との間の光路中に、互いに異なる第1の波長帯λ の光、第2の波長帯λ の光および第3の波長帯λ の光が、それぞれ異なる方向から入射して、同一方向に出射する色合成ユニットと、を備え、
    前記色合成ユニットは、波長選択型変調素子と、偏光ビームスプリッタと、を含み
    前記波長選択型変調素子は、第1の波長板と、ダイクロイックミラーと、第2の波長板と、がこの順番に備えられ、
    前記第1の波長板および前記第2の波長板は、前記第1の波長帯λ の光に対して1/4波長板として機能する特性を有し、
    前記ダイクロイックミラーは、前記第1の波長帯λ の光を反射するとともに、前記第2の波長帯λ の光を透過し、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記第1の波長帯λ の光のうち、第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第1の直線偏光の光と直交する第2の直線偏光の光を透過し、かつ、
    前記第2の波長帯λ の光のうち少なくとも前記第1の直線偏光の光を反射するとともに、前記第3の波長帯λ の光を透過するかまたは、前記第2の波長帯λ の光のうち少なくとも前記第2の直線偏光の光を透過するとともに、前記第3の波長帯λ の光を反射する投射型表示装置。
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