JP5625416B2 - 液晶装置及び投射型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶装置及び投射型表示装置に関する。
近年、正面から観察したときのコントラストに優れているとして、VA(Vertical Alignment)モードの液晶装置が注目されている。VAモードの液晶装置は、一対の基板間に液晶分子を略垂直に配向させた液晶層を備えたものである。
しかし、このようなVAモードの液晶装置でも、斜め方向から観察する場合には、コントラストの低下が起こり、表示特性が悪化してしまう。
そこで、従来では、例えば素子表面に対して垂直な唯一の光学軸を有する位相差補償素子、いわゆるCプレートを用いて、液晶層を斜めに通過する光の位相差を補償することが行われている。その際、液晶分子のプレチルト方向に対してCプレートの光軸が平行となるようにCプレートを傾けることにより、液晶の正面位相差をCプレートで補償するようにしている。なお、このような構成は、透過型だけでなく、反射型の液晶装置にも適用可能である。
ところで、反射型の液晶装置を投射型表示装置における光変調装置として用いる場合、例えばワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(以下、WG−PBSと記す)を用いて光源からの光を液晶装置(光変調装置)に入射させ、ここで反射した光を前記WG−PBSによって反射させ、偏光検光子に入射させている。その場合に、前記したようにWG−PBSと液晶装置(光変調装置)との間に位相差補償素子を配置して、液晶パネルを反射してきた光の液晶による位相差を光学補償するようにしている。
ところが、位相差補償素子を通り、さらにWG−PBSを反射した光は完全な直線偏光ではなく、S偏光とP偏光との間にわずかな位相差を生じるため、楕円偏光となる。したがって、この楕円偏光が出射側の偏光検光子に入射することにより、黒表示を行いたい場合でも一部の光が透過し、コントラストが低下してしまう。
そこで、WG−PBSと偏光検光子との間に第2の位相差補償板を配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、WG−PBSと偏光検光子との間に、第2の位相差補償板としてAプレートとCプレートとをそれぞれ配置している。
特開2003−262831号公報
しかしながら、このように2種類のプレート(位相差補償板)を別々に配置するためには、WG−PBSと偏光検光子との間に十分なスペースが必要になり、したがって液晶装置の小型化や、これを備えた投射型表示装置の小型化を妨げる一因になってしまう。
また、Aプレートを独立して1枚用いた場合には、正面方向の位相差しか光学補償できず、斜め方向の位相差を光学補償することができないといった課題がある。逆に、Cプレートを傾けることなく独立して1枚用いた場合には、斜め方向の位相差しか光学補償できず、正面方向の位相差を光学補償することができないといった課題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、装置の小型化を損なうことなく、正面方向の位相差と斜め方向の位相差とを共に光学補償して高コントラストが達成できようにした、液晶装置及びこれを備えた投射型表示装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため本発明の液晶装置は、偏光ビームスプリッターと、第1基板と第2基板との間に、誘電率異方性が負の液晶を有した液晶層が挟持され、該液晶層の液晶分子が前記第1基板の内面及び第2基板の内面に対して所定の向きに傾いており、前記第2基板には前記第1基板から入射した光を第1基板側に反射させる反射層が備えられた液晶パネルと、偏光検光子と、を有し、前記液晶パネルは、前記偏光ビームスプリッターを透過した光の第1の光路上に配置され、前記偏光検光子は、前記偏光ビームスプリッターに対して前記液晶パネルと同じ面側で、かつ、前記液晶パネルで反射し、その後前記偏光ビームスプリッターで反射した光の第2の光路上に配置され、前記偏光ビームスプリッターと前記液晶パネルとの間には、前記第1の光路上に第1の位相差補償板が設けられ、前記偏光ビームスプリッターと前記偏光検光子との間には、前記第2の光路上に第2の位相差補償板が設けられ、前記第1の位相差補償板は、一方の面に設けられたCプレートと、他方の面に設けられたOプレートとを備え、前記第2の位相差補償板は、前記液晶パネルの一方の面から見た前記液晶分子のチルト方向を第1の方向とした場合に、前記偏光ビームスプリッター側から見て、当該第1の方向と交差する第2の方向を回転軸とするCプレートからなり、前記第2方向を前記回転軸として前記Cプレートを前記偏光ビームスプリッターで反射した光の位相差を消滅させる方向に傾けることを特徴としている。
また、前記第1の位相差補償板のOプレートは、前記液晶パネルとは反対側の面に設けられており、無機材料が斜方蒸着されて形成されてなるとともに、前記第1の位相差補償板の他方の面から見て、無機材料からなるカラムの傾き方向と、前記液晶分子の傾き方向とのなす角度が121.5度以上148.5度以下となるように設けられていることを特徴としている。
また、前記第1の位相差補償板のOプレートは、前記液晶パネル側の面に設けられており、無機材料が斜方蒸着されて形成されてなるとともに、前記第1の位相差補償板の他方の面から見て、無機材料からなるカラムの傾き方向と、前記液晶分子の傾き方向とのなす角度が40.5度以上49.5度以下となるように設けられていることを特徴としている。
この液晶装置によれば、偏光ビームスプリッターと偏光検光子との間に、第2の位相差補償板としてCプレートを傾けて配置したので、液晶パネルを反射し、さらに偏光ビームスプリッターを反射した光の斜め方向の位相差、正面方向の位相差を共に光学補償することができる。したがって、1枚の位相差補償板で装置の小型化を損なうことなく、高コントラストを達成することが可能になる。
また、本件の参考発明に係る液晶装置は、偏光ビームスプリッターと、第1基板と第2基板との間に、誘電率異方性が負の液晶を有した液晶層が挟持され、該液晶層の液晶分子が前記第1基板の内面及び第2基板の内面に対して所定の向きに傾いており、前記第2基板には前記第1基板から入射した光を第1基板側に反射させる反射層が備えられた液晶パネルと、偏光検光子と、を有し、前記液晶パネルは、前記偏光ビームスプリッターを透過した光の第1の光路上に配置され、前記偏光検光子は、前記偏光ビームスプリッターに対して前記液晶パネルと同じ面側で、かつ、前記液晶パネルで反射し、その後前記偏光ビームスプリッターで反射した光の第2の光路上に配置され、前記偏光ビームスプリッターと前記液晶パネルとの間には、前記第1の光路上に第1の位相差補償板が設けられ、前記偏光ビームスプリッターと前記偏光検光子との間には、前記第2の光路上に第2の位相差補償板が設けられ、前記第2の位相差補償板は、前記偏光ビームスプリッターで反射した光の位相差を消滅させる方向に配置された2軸位相差補償板からなることを特徴としている。
この液晶装置によれば、偏光ビームスプリッターと偏光検光子との間に、第2の位相差補償板として2軸位相差補償板を配置したので、液晶パネルを反射し、さらに偏光ビームスプリッターを反射した光の斜め方向の位相差、正面方向の位相差を共に光学補償することができる。したがって、1枚の位相差補償板で装置の小型化を損なうことなく、高コントラストを達成することが可能になる。
また、本件の参考発明に係る液晶装置は、偏光ビームスプリッターと、第1基板と第2基板との間に、誘電率異方性が負の液晶を有した液晶層が挟持され、該液晶層の液晶分子が前記第1基板の内面及び第2基板の内面に対して所定の向きに傾いており、前記第2基板には前記第1基板から入射した光を第1基板側に反射させる反射層が備えられた液晶パネルと、偏光検光子と、を有し、前記液晶パネルは、前記偏光ビームスプリッターを透過した光の第1の光路上に配置され、前記偏光検光子は、前記偏光ビームスプリッターに対して前記液晶パネルと同じ面側で、かつ、前記液晶パネルで反射し、その後前記偏光ビームスプリッターで反射した光の第2の光路上に配置され、前記偏光ビームスプリッターと前記液晶パネルとの間には、前記第1の光路上に第1の位相差補償板が設けられ、前記偏光ビームスプリッターと前記偏光検光子との間には、前記第2の光路上に第2の位相差補償板が設けられ、前記第2の位相差補償板は、前記偏光ビームスプリッターで反射した光の位相差を消滅させる方向に配置された、CプレートとOプレートとが一体化されてなる複合位相差補償板からなることを特徴としている。

この液晶装置によれば、偏光ビームスプリッターと偏光検光子との間に、第2の位相差補償板としてCプレートとOプレートとが一体化されてなる複合位相差補償板を配置したので、液晶パネルを反射し、さらに偏光ビームスプリッターを反射した光の斜め方向の位相差、正面方向の位相差を共に光学補償することができる。したがって、1枚の位相差補償板で装置の小型化を損なうことなく、高コントラストを達成することが可能になる。
本発明の投射型表示装置は、前記の液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴としている。
この投射型表示装置によれば、前記したように小型化を損なうことなく、高コントラストを達成できる液晶装置を光変調手段として備えているので、この投射型表示装置自体も、小型化を損なうことなく、高コントラストを達成することが可能になる。
本発明に係る液晶プロジェクターの概略構成を示す斜視図である。 画像形成系の概略構成を示す図である。 (a)(b)は反射型光変調装置の概略構成を説明するための模式図である。 液晶分子の傾き方向とOプレートのカラムの傾き方向の関係を示す図である。 (a)、(b)は、第1の位相差補償板の概略構成を示す側面図である。 (a)、(b)は各プレートの光学異方性を説明するための模式図である。 Oプレートの微視的構造を説明するための模式図である。 実験例1におけるコントラストの実測結果を示すグラフである。 実験例2におけるコントラストの実測結果を示すグラフである。 液晶パネルと位相差補償板との配置関係を示す模式図である。 実験例3におけるコントラストの実測結果を示すグラフである。 画像形成系の第1実施形態を示す模式図である。 (a)、(b)はCプレートの傾き方向を説明するための模式図である。 コントラストの実測結果を示すグラフである。 画像形成系の第1実施形態、第2実施形態を示す模式図である。 コントラストの実測結果を示すグラフである。 コントラストの実測結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の液晶装置とこれを備えた投射型表示装置について説明する。図1は、本発明の液晶装置を光変調手段として備えた投射型表示装置の一例としての、液晶プロジェクター1の概略構成を示す模式図である。
液晶プロジェクター1は、光源装置2、インテグレーター光学系3、色分離光学系4、3系統の画像形成系5、色合成素子6、投射光学系7を有している。3系統の画像形成系5として、第1の画像形成系5a、第2の画像形成系5b、および第3の画像形成系5cが設けられている。
光源装置2から射出された光束は、インテグレーター光学系3に入射する。インテグレーター光学系3に入射した光束は、照度が均一化されるとともに偏光状態が揃えられる。インテグレーター光学系3から射出された光束は、色分離光学系4により複数の色光束に分離され、色光束ごとに異なる系統の画像形成系5に入射する。3系統の画像形成系5の各々に入射した色光束は、表示すべき画像の画像データに基づいて変調されて変調光束となる。3系統の画像形成系5から出射された3色の変調光束は、色合成素子6により合成されて多色光束となり、第1のレンズ部71及び第2のレンズ部72を含む投射光学系7に入射する。そして、スクリーン等の被投射面(図示略)に投射される。これにより、被投射面にフルカラーの画像が表示される。
次に、プロジェクター1の構成要素について詳しく説明する。
光源装置2は、光源ランプ21および放物面リフレクター22を有している。光源ランプ21から放射された光は、放物面リフレクター22により一方向に反射されて略平行な光束となり、インテグレーター光学系3に入射する。光源ランプ21は、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ等によって構成されている。また、放物面リフレクター22の代わりに楕円リフレクター、球面リフレクター等によってリフレクターを構成してもよい。リフレクターの形状に応じて、リフレクターから射出された光を平行化する平行化レンズが用いられることもある。
インテグレーター光学系3は、第1のレンズアレイ31、第2のレンズアレイ32、偏光変換素子34、および重畳レンズ35を有している。インテグレーター光学系3の光軸30は、光源2の光軸20と略一致しており、前記のインテグレーター光学系3の構成要素の各々は、中心位置がインテグレーター光学系3の光軸30上に並ぶように配置されている。
第1のレンズアレイ31は、光源2の光軸20に略直交する面に配列された複数のレンズ要素311を有している。第2のレンズアレイ32は、レンズ要素311と同様に複数のレンズ要素321を有している。レンズ要素311、321は、例えばマトリックス状に配列されている。
偏光変換素子34は、複数の偏光変換ユニット341を有している。偏光変換ユニット341は、その詳細な構造を図示しないが、偏光ビームスプリッター膜(以下、PBS膜という)、1/2位相板および反射ミラーを有して構成されている。
第1のレンズアレイ31のレンズ要素311は、第2のレンズアレイ32のレンズ要素321と1対1で対応しており、第2のレンズアレイ32のレンズ要素321は、偏光変換素子34の偏光変換ユニット341と1対1で対応している。互いに対応関係にあるレンズ要素311、321および偏光変換ユニット341は、光軸30と略平行な軸に沿って並んで配置されている。
インテグレーター光学系3に入射した光束は、第1のレンズアレイ31の複数のレンズ要素311に空間的に分かれて入射し、レンズ要素311に入射した光束ごとに集光される。レンズ要素311により集光された光束は、レンズ要素311と対応するレンズ要素321に結像する。すなわち、第2のレンズアレイ32の複数のレンズ要素321の各々に二次光源像が形成される。レンズ要素321に形成された二次光源像からの光束は、このレンズ要素321に対応する偏光変換ユニット341に入射する。
偏光変換ユニット341に入射した光束は、PBS膜に対するP偏光光束とS偏光光束とに分離される。分離された一方の偏光光束は、反射ミラーで反射した後に1/2位相板を通り、他方の偏光光束と偏光状態が揃えられる。ここでは、偏光変換ユニット341を通った光束の偏光状態が、P偏光光束に揃えられるようになっている。複数の偏光変換ユニット341の各々から出射された光束は、重畳レンズ35に入射して屈折し、反射型光変調装置(光変調手段)8の被照明領域に重畳される。
このように第1のレンズアレイ31により空間的に分割された複数の光束の各々が、被照明領域の略全域を照明することにより、複数の光束で照度分布が平均化され、被照明領域での照度が均一化されるようになっている。
色分離光学系4は、波長選択面を有する第1〜第3のダイクロイックミラー41〜43、および第1、第2の反射ミラー44、45を有して構成されている。第1のダイクロイックミラー41は、赤色光束を反射させるとともに、緑色光束および青色光束を透過させる特性を有している。第2のダイクロイックミラー42は、赤色光束を透過させるとともに、緑色光束および青色光束を反射させる特性を有している。第3のダイクロイックミラー43は、緑色光束を反射させるとともに、青色光束を透過させる特性を有している。第1、第2のダイクロイックミラー41、42は、各々の波長選択面を互いに略直交するように、かつ各々の波長選択面がインテグレーター光学系3の光軸30と略45°の角度をなすように配置されている。
色分離光学系4に入射した光束に含まれる赤色光束L10、緑色光束L20および青色光束L30は、以下のようにして分離され、分離された色光束ごとに対応する画像形成系5に入射する。光束L10は、第2のダイクロイックミラー42を透過するとともに第1のダイクロイックミラー41で反射した後に、第1の反射ミラー44で反射して、第1の画像形成系5aに入射する。光束L20は、第1のダイクロイックミラー41を透過するとともに第2のダイクロイックミラー42で反射した後に、第2の反射ミラー45で反射し、次いで第3のダイクロイックミラー43で反射して、第2の画像形成系5bに入射する。光束L30は、第1のダイクロイックミラー41を透過するとともに第2のダイクロイックミラー42で反射した後に、第2の反射ミラー45で反射し、次いで第3のダイクロイックミラー43を透過して、第3の画像形成系5cに入射する。
第1〜第3の画像形成系5a〜5cは、同様の構成になっている。そして、これら第1〜第3の画像形成系5a〜5cは、本発明の液晶装置の一実施形態を構成するものとなっている。ここでは、第1〜第3の画像形成系5a〜5cを代表して、第1の画像形成系5aの構成について説明する。
図2は、第1の画像形成系5aの概略構成を示す図である。図2に示すように第1の画像形成系5aは、入射側偏光板91a、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(以下、WG−PBSと記す)93a、第1の位相差補償板60a(60)、液晶パネル80a(80)、および第2の位相差補償板65a(65)、出射側偏光板(偏光検光子)92aを有して構成されている。なお、位相差補償板60a(60)と液晶パネル80a(80)とによって反射型光変調装置8a(8)が構成されている。
液晶パネル80aは、WG−PBS93aを透過した光の第1の光路P1上に配置されており、第1の位相差補償板60aは、WG−PBS93aと液晶パネル80aとの間において、第1の光路P1上に設けられている。
出射側偏光板92aは、WG−PBS93aに対して液晶パネル80aと同じ面側で、かつ、液晶パネル80aで反射し、その後WG−PBS93aで反射した光の第2の光路P2上に配置されている。そして、第2の位相差補償板P2は、WG−PBS93aと出射側偏光板92aとの間において、前記第2の光路P2上に設けられている。
図1に示すように色分離光学系4から射出される光束の一部である赤色光束L10は、入射側偏光板91aに入射する。入射側偏光板91aは、直線偏光を通すものであり、WG−PBS93aの偏光分離面に対するP偏光光束を通すように、透過軸が設定されている。以下、WG−PBS93aの偏光分離面に対するP偏光光束を単にP偏光光束と称し、WG−PBS93aの偏光分離面に対するS偏光光束を単にS偏光光束と称する。前述のように、インテグレーター光学系3を通った光束は、偏光状態がP偏光光束に揃えられており、光束L10のほとんどが入射側偏光板91aを通り、WG−PBS93aに入射する。
ここで、WG−PBS93aは、その透過軸が後述する液晶パネル80の液晶層の遅相軸に対して、概ね45度又は135度の角度で交差するように、液晶パネル80に対して配置されている。なお、これらの角は、2本の直線が交差することによってなす角の、隣り合う角のうちの一方と他方となり、したがって実質的には同じ関係を意味している。
また、概ね45度又は135度とは、45度±10%、すなわち40.5度以上49.5度以下の範囲、又は135度±10%、すなわち121.5度以上148.5度以下の範囲を意味している。このように所定の角度配置に対して10%の範囲内でずれていても、WG−PBS93aは、液晶パネル80を反射してきた光に対して、面内回転による良好な位相差補償をなすようになる。
WG−PBS93aの偏光分離面に入射した光束L10のうちで、偏光方向が反射軸方向であるS偏光光束は偏光分離面で反射し、偏光方向が透過軸方向であるP偏光光束は偏光分離面を透過して第1の光路P1に向かう。インテグレーター光学系3から出射された赤色光束L10は、概ねP偏光光束になっており、偏光分離面を通って第1の光路上に配置された反射型光変調装置8aに入射する。反射型光変調装置8aに入射した光束L20は第1の光路P1上に配置された第1の位相差補償板60aを透過し、液晶パネル80aで変調された後、反射されて再度第1の位相差補償板60aに入射する。
第1の位相差補償板60aに入射した光束L10(変調光)は、第1の位相差補償板60aによって光学補償がなされた後、WG−PBS93bに再度入射する。そして、偏光状態が変更された光束L10はWG−PBS93aで反射され、第2の光路P2を通って第2の位相差補償板65aに入射する。その際、この第2の位相差補償板65aに入射する前の光は、十分な直線偏光になっておらず、楕円偏光になっている。
そして、第2の位相差補償板65aに入射した光束L10(変調光)は、第2の位相差補償板65aによってさらに光学補償がなされ、良好な直線偏光にされた後、第2の光路P2上を通って出射側偏光板92bに向かう。その後、出射側偏光板92bを選択的に透過し、色合成素子6に入射する。同様にして、緑色光束L20、青色光束L30もそれぞれ光学補償等がなされた後、色合成素子6に入射する。
そして、色合成素子6に入射した光はここで合成されて多色光束となり、前述したように投射光学系7に入射し、さらにスクリーン等の被投射面(図示略)に投射される。
次に、反射型光変調装置8(8a、8b、8c)を構成する液晶パネル80(80a、80b、80c)、および第1の位相差補償板60(60a、60b、60c)について詳述する。
液晶パネル80は、図3(a)、(b)に示すように対向基板(第1基板)81とTFT基板(第2基板)82とがシール材83で貼り合わされ、これら基板81、82間に液晶層84が挟持・封入された反射型VAモードのものである。
TFT基板82は、ガラス基板82A上にゲート線(図示せず)とソース線(図示せず)とを縦横に配し、その交点部に薄膜トランジスタ(TFT)(図示せず)を介して画素電極(反射層)85を形成したものである。画素電極85は、鏡面反射層を兼ねた金属製のもので、AlやAg、またはその合金が好適に用いられている。また、画素電極85上には配向膜86が設けられている。なお、フリッカーや焼き付きを防止するため画素電極85と配向膜86との間に絶縁膜を設けてもよい。
対向基板81には、ガラス基板81A上にITOからなる共通電極(透明電極)87が設けられており、さらに共通電極87上に配向膜88が設けられている。
配向膜86、88は、本実施形態では真空蒸着法によってSiOが斜方蒸着されて形成されている。具体的には、蒸着開始時の真空度が5×10−3Pa、基板温度が100℃の条件で形成されている。斜方蒸着については、基板面から45度傾いた方向から蒸着を行うことにより、蒸着と同じ方位に70度傾いた方向にSiOのカラムを成長させ、これによって配向膜86、88に異方性を付与している。なお、対向基板81側の配向膜88とTFT基板82側の配向膜86とでは、それぞれのカラムの傾き方向が非平行となるようにしている。
これら対向基板81、TFT基板82が、例えば1.8μmのギャップに保持されて貼り合わされ、その間に誘電率異方性が負の液晶(Δn=0.12)が注入されたことにより、液晶セルが形成されている。液晶分子89は、配向膜86、88間において、これら配向膜86、88のカラムの傾き方向(チルト方向)と同じ方向で基板面から85度傾くように、すなわちプレチルト角θpが85度に、配向させられている。このようにプレチルト角が付与されることにより、液晶分子87は光学的な異方性を有し、液晶分子89からなる液晶層88は遅相軸を有したものとなっている。
液晶層88の遅相軸は、液晶分子89を対向基板81、TFT基板82の法線方向から見て、対向基板81上あるいはTFT基板82上に投影された楕円形状の液晶分子57の、長軸の長さ方向に一致する。また、液晶分子87は、付与されたプレチルト角により、長軸の一端側に対し他端側が傾いている。この傾き方向(チルト方向)、すなわちTFT基板82側から対向基板81側に向かうに連れて、TFT基板82の法線から傾く方向が、本実施形態では図4中矢印LCで示すように、液晶パネル80の中央から左下側に向かうように、傾いた方向となっている。つまり、液晶パネル80の対向基板81の外側に配置される偏光板の偏光軸(図4中破線で示す)に対して45度(135度)傾いている。
位相差補償板60は、図3(a)に示すように、液晶パネル80の対向基板81の外側、すなわち液晶パネル80の前方に配設されたものである。本実施形態では、図5(a)に示すように、石英ガラス製の基板61の一方の面にCプレート(負のCプレート)62が形成され、他方の面にOプレート63が形成されたことにより、位相差補償板60が形成されている。そして、このような構成からなる位相差補償板60は、本実施形態では液晶パネル80側にCプレート62が位置し、該Cプレート62の、前記液晶パネル80と反対の側にOプレート63が位置するようにして、液晶パネル80の前方に、該液晶パネル80と平行に配置されている。
Cプレート62は、スパッタ法等によって基板61上に高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されて形成された多層膜からなる1軸性複屈折率体であり、Cプレート62の表面に対して垂直な光学軸を有し、液晶パネル80から出射してきた斜めの光の位相差を補償するようになっている。なお、高屈折率層は例えば高屈折率の誘電体であるTiOやZrOからなり、低屈折率層は例えば低屈折率の誘電体であるSiOやMgFからなっている。このような構成からなるCプレート62は、これを透過する光が各層間で反射して干渉するのを防ぐため、各屈折率層の厚さは薄いことが好ましい。
図6(a)は、Cプレート62の光学異方性を説明するための模式図である。図6(a)に示すようにCプレートは、nx=ny>nzであり、したがってこのCプレートに対してその光学軸に平行に入射する光に対しては等方的であることから、位相差を補償することができない。すなわち、液晶パネル80からCプレート62に垂直に入射した光に対しては、位相差を補償することができない。一方、液晶パネル80から出射した光のうち、斜め成分の光、つまりVAモードの液晶の斜め成分については、その位相差を光学補償するようになっている。なお、このCプレート62については、nx=nyを完全に満たすことなく、わずかに位相差を有していてもよく。具体的には、正面位相差が0から3nm程度であってもよい。
このようなCプレート62としては、厚み方向の位相差Rthが100nm以上300nm以下であるのが好ましく、240nmであるのがより好ましい。ここで、厚み方向の位相差Rthは、以下の式によって定義される。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
ただし、nx、nyは、図6(a)に示したCプレートにおける、面方向の主屈折率を示し、nzは、同じく厚さ方向の主屈折率を示している。また、dはCプレートの厚さを示している。
Oプレート63は、図5(a)に示したように石英ガラス製の基板61の他方の面に、Ta等の無機材料が斜方蒸着されて形成されたものである。このOプレート63は、図7に示すように微視的に見て、無機材料が斜め方向Dに沿って成長したカラム63aを有する膜構造を有している。すなわち、このOプレート63の無機膜(蒸着膜)63bは、断面上、微視的には、基板61上において、無機材料が斜方蒸着される斜め方向Dに沿って延びた、カラム(柱状部分)63aを有している。このような構造からなる無機膜63bは、その微細構造に起因して、大なり小なり位相差を生じさせるようになっている。
図6(b)は、Oプレート63の光学異方性を説明するための模式図である。図6(b)に示すようにOプレートは、nx<ny<nzである2軸の位相差補償板である。そして、このOプレート63は、前記のカラム63aを形成した無機膜63bにより、遅相軸63cを有したものとなっている。
Oプレート63の遅相軸63cは、図6(b)に示した楕円球を、基板61の法線方向から見て基板61上(基板面)に投影した楕円形の、長軸の長さ方向に一致する。また、前記無機膜63bは、これを形成するカラム63aが傾いて形成されている。すなわち、カラム63aは、前記長軸(遅相軸)の一端側に対し、他端側が傾いている。この傾き方向(チルト方向)、すなわち基板61側からその反対側に向かうに連れて、基板61の法線から傾く方向が、本実施形態では、図4中矢印T4で示す方向となっている。
矢印T4で示す方向は、前記液晶分子89の傾き方向LCに対して、時計回りで概ね135度となる位置となっている。すなわち、本実施形態では、液晶パネル80に対して位相差補償板60を、そのOプレート63のカラム63aの傾き方向(チルト方向)T4が、液晶パネ780における液晶分子89の傾き方向LCに対して、時計回りで概ね135度となるように配置している。
ここで、概ね135度とは、135度±10%、すなわち121.5度以上148.5度以下の範囲を意味している。このように135度に対して10%の範囲内でずれていても、Oプレート63(位相差補償板60)は、液晶パネル80を反射してきた光に対して、面内回転による良好な位相差補償をなすようになる。
このようなOプレート63としては、正面位相差Reが20nm以下であるのが好ましく、10nmであるのがより好ましい。また、位相差比が1を超え3以下であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。
ここで、正面位相差Reは、以下の式によって定義される。
Re=(nx−ny)×d
ただし、nx、nyは、図6(b)に示したOプレートにおける、面方向の主屈折率を示している。また、dはOプレートの厚さを示している。
また、位相差比は、基板61に対する極角30度方向からの位相差[Re(30)]と極角−30度方向からの位相差[Re(−30)]との比{Re(30)/Re(−30)}で定義される。Re(30)は、Oプレート63の、前記カラム63aの傾き方向(チルト方向)とする。なお、極角とは、Oプレート63を真正面から見た場合を0度とした際の、視線の角度を示す。
また、位相差補償板60としての他の実施形態として、図3(b)に示すように、液晶パネル80側にOプレート63が位置し、該Oプレート63の、前記液晶パネル80と反対の側にCプレート62が位置するようにして、液晶パネル80の前方に、該液晶パネル80と平行に配置してもよい。すなわち、図5(a)に示した位相差補償板60を、その液晶パネル80に対する向きを逆にして配置してもよい。
ただし、その場合には、Oプレート63のカラム63aの傾き方向(チルト方向)を、図4中矢印T6で示す方向にする。
矢印T6で示す方向は、前記液晶分子89の傾き方向LCに対して、反時計回りで概ね45度となる位置となっている。すなわち、本実施形態では、液晶パネル80に対して位相差補償板60を、そのOプレート63のカラム63aの傾き方向(チルト方向)が、液晶パネル80における液晶分子89の傾き方向に対して、反時計回りで概ね45度となるように配置している。
ここで、概ね45度とは、45度±10%、すなわち40.5度以上49.5度以下の範囲を意味している。このように45度に対して10%の範囲内でずれていても、Oプレート63(位相差補償板60)は、液晶パネル80を反射してきた光に対して、面内回転による良好な位相差補償をなすようになる。
(実験例1)
図3(a)に示した構成の反射型光変調装置8について、そのコントラストを実測した。ただし、位相差補償板60におけるCプレート62としては、100nm≦Rth≦300nm以下のものを用い、Oプレート63としては、Re≦20nm、1<位相差比≦3以下のものを用いた。また、液晶パネル80は、セルギャプが1.8μm、液晶分子89のプレチルト角が85度のものとした。
また、比較のため、液晶パネル80に対してCプレートを傾けて配置した位相差補償板を用い、光学補償を行った。なお、このCプレートとしては、前記液晶パネル80に対する最適なものとして、Rth=240nmのものを用いた。
コントラストの実測結果を図8に示す。
図8に示す結果より、「C+O」として示した本実施形態に係る反射型光変調装置8は、「C傾け」として示した従来のものに比べて、コントラストが向上していることが確認された。
(実験例2)
次に、図3(a)に示した構成の反射型光変調装置8として、条件が最適な位相差補償板60を用いて、実験例1と同様にしてコントラストを実測した。ただし、位相差補償板60におけるCプレート62として、Rth=240nmのものを用い、Oプレート63として、Re=10nm、位相差比=2のものを用いた。
なお、比較例としては、実験例1と同様のものを用いた。
また、この実験例2では、同一構成の液晶パネル80を5枚用意し、それぞれについてコントラストを調べた。
コントラストの実測結果を図9に示す。
図9に示す結果より、「C+O」として示した本実施形態に係る反射型光変調装置8は、「C傾け」として示した従来のものに比べて、5枚の液晶パネル全てに対して、コントラストが向上していることが確認された。
(実験例3)
次に、液晶パネル80に対するCプレート62、Oプレート63の配置、及びそのときのOプレート63におけるカラム63aについての傾き方向(チルト方向)の関係について調べた。
まず、液晶パネル80と位相差補償板60との配置関係について、図10に示すように8種類の関係を用意した。
配置1〜配置4では、液晶パネル80の前方(対向基板81の外側)にCプレート62が位置し、その前方(液晶パネル80と反対の側)にOプレート63が位置するようにして配置した。
また、液晶パネル80については、液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が、図10中の実線矢印LCで示す方向となるように配置した。
これに対して位相差補償板60におけるOプレート63については、カラム63aの傾き方向(チルト方向)が、該位相差補償板60の外面側(液晶パネル80と反対の側)から見て、図10中の破線矢印T1〜T4で示す方向となるように配置した。すなわち、配置1では、液晶分子89の傾き方向(矢印LC)に対して、Oプレート63のカラム63aの傾き方向(矢印T1)が、反時計回りに135度になるようにした。同様に、配置2では時計回りに45度になるようにし、配置3では反時計回りに45度になるようにし、配置4では時計回りに135度になるようにした。
配置5〜配置8では、液晶パネル80の前方(対向基板81の外側)にOプレート63が位置し、その前方(液晶パネル80と反対の側)にCプレート62が位置するようにして配置した。
また、液晶パネル80については、配置1〜配置4の場合と同様に、液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が、図10中の実線矢印LCで示す方向となるように配置した。
これに対して位相差補償板60におけるOプレート63については、カラム63aの傾き方向(チルト方向)が、該位相差補償板60の外面側(液晶パネル80と反対の側)から見て、図10中の破線矢印T5〜T8で示す方向となるように配置した。すなわち、配置5では、液晶分子89の傾き方向(矢印LC)に対して、Oプレート63のカラム63aの傾き方向(矢印T5)が、時計回りに135度になるようにした。同様に、配置6では反時計回りに45度になるようにし、配置7では時計回りに45度になるようにし、配置8では反時計回りに135度になるようにした。
このような各配置のもとで、反射型光変調装置のコントラストを調べた。
コントラストの実測結果を図11に示す。
図11に示す結果より、配置4と配置6が、他の配置に比べてコントラストが高いことが確認された。したがって、本実施形態では、このような配置4と配置6とを採用し、液晶装置を構成している。
なお、液晶の遅相軸が90度異なる場合、すなわちL液晶とR液晶においても、図10に示した配置4、配置6が、他の配置に比べて高いコントラストが得られることが確認された。
このような反射型光変調装置を備えた液晶装置にあっては、Cプレートを傾けることなく、液晶パネル80に対して平行に配置したCプレート62及びOプレート63からなる位相差補償板60によって、十分な補償効果を得ることができ、したがって黒表示時の明るさを十分に小さくすることで、高コントラストを達成することができる。
また、前記反射型光変調装置にWG−PBS93(93a、93b、93c)を加えてなる液晶装置にあっては、液晶パネル80を反射し位相差補償板60を透過してきた光に対して、WG−PBS93(93a)でも面内回転による位相差補償がなされるようになる。
次に、第2の位相差補償板65(65a、65b、65c)について詳述する。
第2の位相差補償板65としては、以下の3通りの形態が採用可能である。
(第1実施形態)
液晶パネル80で反射し、さらにWG−PBS93で反射した光の正面位相差を消滅させる方向に、Cプレートを傾けて配置する形態。
(第2実施形態)
液晶パネル80で反射し、さらにWG−PBS93で反射した光の正面位相差を消滅させる方向に、2軸位相差補償板を配置する形態。
(第3実施形態)
液晶パネル80で反射し、さらにWG−PBS93で反射した光の正面位相差を消滅させる方向に、CプレートとOプレートとが一体化されてなる複合位相差補償板を配置する形態。
まず、Cプレートを傾けて配置する形態では、図12に示すように、傾けたCプレート651を第2の位相差補償板65としている。Cプレート651としては、Rth≦300のものが好適に用いられる。そして、主に液晶パネル80における液晶分子89のプレチルト角によって生じる位相差や、さらにはWG−PBS93によって生じる位相差を消滅させる方向に傾けて、Cプレート651を配置している。
Cプレート651の傾けとして具体的には、以下に示す通りである。
入射側偏光板91の側から見た液晶パネル80を示す図13(a)において、液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が、図13(a)中1で示す方向の場合には、WG−PBS93側から見たCプレート651を示す図13(b)において、3−7を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
同様に、液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が2で示す方向の場合には、4−8を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が3で示す方向の場合には、1−5を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が4で示す方向の場合には、2−6を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が5で示す方向の場合には、3−7を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が6で示す方向の場合には、4−8を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が7で示す方向の場合には、1−5を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
液晶分子89の傾き方向(チルト方向)が8で示す方向の場合には、2−6を結ぶ直線を回転軸として、Cプレート651を傾ける。
このようにCプレート651を傾けて配置し、第2の位相差補償板65とすることで、第1の位相差補償板60で光学補償しきれなかった位相差や、WG−PBS93での反射によって発生した位相差を第2の位相差補償板65で光学補償し、WG−PBS93を反射した光の斜め方向の位相差、正面方向の位相差を共に光学補償することにより、楕円偏光を直線偏光に変調することができる。したがって、1枚の位相差補償板65で装置の小型化を損なうことなく、黒表示時の明るさを十分に小さくすることで、高コントラストを達成することができる。
図14は、第1の位相差補償板60のみを用いた場合と、第1の位相差補償板60、第2の位相差補償板65(ただし、Cプレート651を傾けた形態)を共に用いた場合との、それぞれのコントラストを調べた結果を示すグラフである。図14に示すように、第2の位相差補償板65を用いることにより、コントラストがより高くなることが分かる。
次に、2軸位相差補償板を配置する形態では、図15に示すように2軸位相差補償板652を出射側偏光板92と平行に配置し、第2の位相差補償板65としている。2軸位相差補償板652は、図15に示すように面内回転を有し、その遅相軸が基板面内にある。このような2軸位相差補償板652としては、例えば主屈折率nx、ny及びnzが、nx>ny>nzなる関係を満たす光学フィルムである、延伸セルロースエステル(例えば延伸セルロースアセテートプロピオネート(延伸CAP)、トリアセチルセルロース(延伸TAC)等)等を用いて作製することができる。また、蒸着法やスパッタ法等の真空成膜法によって作製することもできる。また、このような2軸位相差補償板652としては、正面位相差≦20nm、Rth≦300nmのものが好適に用いられる。
このような2軸位相差補償板652からなる第2の位相差補償板65を用いた場合にも、第1の位相差補償板60で光学補償しきれなかった位相差や、WG−PBS93での反射によって発生した位相差を第2の位相差補償板65で光学補償し、WG−PBS93を反射した光の斜め方向の位相差、正面方向の位相差を共に光学補償することにより、楕円偏光を直線偏光に変調することができる。したがって、1枚の位相差補償板65で装置の小型化を損なうことなく、黒表示時の明るさを十分に小さくすることで、高コントラストを達成することができる。
図16は、第1の位相差補償板60のみを用いた場合と、第1の位相差補償板60、第2の位相差補償板65(ただし、2軸位相差補償板652を用いた形態)を共に用いた場合との、それぞれのコントラストを調べた結果を示すグラフである。図16に示すように、第2の位相差補償板65を用いることにより、コントラストがより高くなることが分かる。
次に、複合位相差補償板を配置する形態では、図15に示す2軸位相差補償板652に代えて、複合位相差補償板653を出射側偏光板92と平行に配置し、第2の位相差補償板65としている。複合位相差補償板653は、CプレートとOプレートとが一体化されてなるもので、図15に示すように面内回転を有し、その遅相軸が基板面内にある。このような複合位相差補償板653としては、図5(a)に示した構成のもの、すなわち、基板61の一方の面にCプレート62を形成し、他方の面にOプレート63を形成したものが用いられる。または、図5(b)に示した構成のものや、図5(b)に示した構成において、CプレートとOプレートとを入れ替えたものなどが使用可能である。
その場合に、この複合位相差補償板653としては、Oプレートが、Re≦20nm、1<位相差比≦3であり、Cプレートが、100≦Rth≦300であるものが好適に用いられる。なお、前記の位相差比とは、基板に対する極角30度方向からの位相差[Re(30)]と極角−30度方向からの位相差[Re(−30)]との比{Re(30)/Re(−30)}で定義される。Re(30)は、Oプレートの、前記カラム63aの傾き方向(チルト方向)とする。なお、極角とは、Oプレート63を真正面から見た場合を0度とした際の、視線の角度を示す。
このような複合位相差補償板653からなる第2の位相差補償板65を用いた場合にも、第1の位相差補償板60で光学補償しきれなかった位相差や、WG−PBS93での反射によって発生した位相差を第2の位相差補償板65で光学補償し、WG−PBS93を反射した光の斜め方向の位相差、正面方向の位相差を共に光学補償することにより、楕円偏光を直線偏光に変調することができる。したがって、1枚の位相差補償板65で装置の小型化を損なうことなく、黒表示時の明るさを十分に小さくすることで、高コントラストを達成することができる。
図17は、第1の位相差補償板60のみを用いた場合と、第1の位相差補償板60、第2の位相差補償板65(ただし、複合位相差補償板653を用いた形態)を共に用いた場合との、それぞれのコントラストを調べた結果を示すグラフである。図17に示すように、第2の位相差補償板65を用いることにより、コントラストがより高くなることが分かる。
したがって、第2の位相差補償板65として傾けたCプレート651や、2軸位相差補償板652、複合位相差補償板653を用いることにより、1枚の位相差補償板65で装置の小型化を損なうことなく、黒表示時の明るさを十分に小さくすることで、高コントラストを達成することができる。
また、この液晶装置を備えた液晶プロジャクター1(投射型表示装置)、液晶装置が高コントラストを達成できることから、この液晶プロジャクター1自体も高コントラストが図られたものとなる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、設計要求等に基づき種々変更が可能である。例えば、前記実施形態では、第1の位相差補償板60として、図5(a)に示す構成のものを用いたが、図5(b)に示すように、基板61の一方の面にCプレート(負のCプレート)62Aを形成し、他方の面にCプレート(負のCプレート)62BとOプレート63とをこの順に積層して形成したものを用いてもよい。
その場合に、Cプレート(負のCプレート)62AとCプレート(負のCプレート)62Bとを合わせた光学特性が、図5(a)に示したCプレート62と同じになるように、基板61に対してCプレート62A、Cプレート62Bをそれぞれ形成する。これにより、Cプレート62A、Cプレート62Bによって1枚のCプレート62とみなすことができる。したがって、液晶パネル80に対して、このCプレート62(Cプレート62A、Cプレート62B)とOプレート63とを前記した所定の順序で配置し、かつ、液晶分子89の傾き方向LCに対してOプレート63のカラム63aの傾き方向を前記した所定方向(T4、T6)とする。
また、図示しないものの、図5(b)においてCプレートとOプレートとを入れ替え、基板61の一方の面にCプレートとOプレートとをこの順に積層して形成し、他方の面にOプレートを形成した位相差補償板60を用いてもよい。その場合にも、基板61を挟んだ二つのOプレートを合わせた光学特性が、図5(a)に示したOプレート63と同じになるようにする。
また、このようにCプレートとOプレートとを組み合わせて第1の位相差補償板60を構成するのに代えて、他の位相差補償板を第1の位相差補償板60として用いることもできる。
例えば、CプレートとAプレートを組み合わせた位相差補償板や2軸位相差補償板を用いてもよく、さらに、傾けた状態のCプレートを用いてもよい。ただし、Cプレートは、100nm≦Rth≦300nm。なお、Aプレートとしては、3次元屈折率がnx=nz<nyのもので、正面位相差がRe=(nx−ny)・d≦20nmのものが好適に用いられる。
また、前記実施形態では、偏光ビームスプリッターとして、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(WG−PBS)を用いたが、これに代えて、例えば直角プリズムの斜面に誘電体多層膜をコーティングした2つのプリズムを、互いの斜面で接着して形成した偏光ビームスプリッターを用いてもよい。
また、前記実施形態では、本発明に係る液晶装置の一例として、液晶プロジェクター1における反射型光変調装置に適用した例について説明したが、本発明の液晶装置はこれに限定されない。例えば、他の液晶装置であるヘッドマウントディスプレイ(HMD)やビューファインダ(EVF)に、本発明の液晶装置を適用することも可能である。また、携帯情報端末の表示画面のような直視型のディスプレイに本発明を適用してもよい。
1…液晶プロジェクター(投射型表示装置)、8(8a、8b、8c)…反射型光変調装置、60(60a、60b、60c)…第1の位相差補償板、62、62A、62B…Cプレート、63…Oプレート、63a…カラム、63b…無機膜(蒸着膜)、63c…遅相軸、65(60a、60b、60c)…第2の位相差補償板、80…液晶パネル、81…対向基板(第1基板)、82…TFT基板(第2基板)、84…液晶層、85…画素電極(反射層)、89…液晶分子、92(92a、92b、92c)…出射側偏光板(偏光検光子)、93(93a、93b、93c)…ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(偏光ビームスプリッター;WG−PBS)、651…傾けたCプレート、652…2軸位相差補償板、653…複合位相差補償板、P1…第1の光路、P2…第2の光路

Claims (4)

  1. 偏光ビームスプリッターと、
    第1基板と第2基板との間に、誘電率異方性が負の液晶を有した液晶層が挟持され、該液晶層の液晶分子が前記第1基板の内面及び第2基板の内面に対して所定の向きに傾いており、前記第2基板には前記第1基板から入射した光を第1基板側に反射させる反射層が備えられた液晶パネルと、
    偏光検光子と、を有し、
    前記液晶パネルは、前記偏光ビームスプリッターを透過した光の第1の光路上に配置され、
    前記偏光検光子は、前記偏光ビームスプリッターに対して前記液晶パネルと同じ面側で、かつ、前記液晶パネルで反射し、その後前記偏光ビームスプリッターで反射した光の第2の光路上に配置され、
    前記偏光ビームスプリッターと前記液晶パネルとの間には、前記第1の光路上に第1の位相差補償板が設けられ、
    前記偏光ビームスプリッターと前記偏光検光子との間には、前記第2の光路上に第2の位相差補償板が設けられ、
    前記第1の位相差補償板は、一方の面に設けられたCプレートと、他方の面に設けられたOプレートとを備え、
    前記第2の位相差補償板は、前記液晶パネルの一方の面から見た前記液晶分子のチルト方向を第1の方向とした場合に、前記偏光ビームスプリッター側から見て、当該第1の方向と交差する第2の方向を回転軸とするCプレートからなり、前記第2方向を前記回転軸として前記Cプレートを前記偏光ビームスプリッターで反射した光の位相差を消滅させる方向に傾けることを特徴とする液晶装置。
  2. 前記第1の位相差補償板のOプレートは、前記液晶パネルとは反対側の面に設けられており、無機材料が斜方蒸着されて形成されてなるとともに、前記第1の位相差補償板の他方の面から見て、無機材料からなるカラムの傾き方向と、前記液晶分子の傾き方向とのなす角度が121.5度以上148.5度以下となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記第1の位相差補償板のOプレートは、前記液晶パネル側の面に設けられており、無機材料が斜方蒸着されて形成されてなるとともに、前記第1の位相差補償板の他方の面から見て、無機材料からなるカラムの傾き方向と、前記液晶分子の傾き方向とのなす角度が40.5度以上49.5度以下となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴とする、投射型表示装置。
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