JP5604749B2 - 電解アルカリイオン水を用いたウェットシート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人間或いは愛玩動物の皮膚の清拭、或いは、床、台所周り、家具、その他各種物品の清掃等に用いられるウェットシート及びその製造方法に関し、特に、電解アルカリイオン水を含浸させることにより、消臭、抗菌、殺菌効果を期待できるウェットシート及びその製造方法に関する。
ウェットシートは、液体を含浸させた複数枚の保水性シートを密閉包装してなるものである。ウェットシートに使用される液体には様々な種類のものがあり、用途に応じて適切なものが選択されている。例えば、メイク落とし用のウェットシートには、クレンジング液が使用され、手拭き用のウェットシートには、香料類やアルコールを添加した水等が使用されている。また、フローリング掃除用のウェットシートには、流動パラフィンなどが用いられている。
また、ウェットシートの保水性シートとしては、主に不織布が用いられており、より具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル等の合成繊維を主原料とする不織布などが用いられている。
ウェットシートの包装材は、必要な分を取り出した後、再びシールできるようになっており、開封後所定の期間内であれば、最後の一枚まで、保湿状態で使用できるように工夫されている。
特開平8−24865号公報 特開2009−78828号公報 特開2007−244568号公報 特開2006−174873号公報
ところで、消臭、抗菌、殺菌等の機能を有する液体の一つとして、水を電気分解することによって製造される電解アルカリイオン水が知られているが、この電解アルカリイオン水をシートに含浸させることにより、消臭、抗菌、殺菌効果を期待できるウェットシートを製造することができると考えられる。
しかしながら、一般的な電解アルカリイオン水は、比較的短期間(数週間)で機能が低下してしまうものが多いため、そのような電解アルカリイオン水をウェットシートに適用しても、十分な期間にわたってその機能を発揮させることができないという問題がある。
また、不織布によって構成した保水性シートに電解アルカリイオン水を含浸させると、電解アルカリイオン水が、不織布の製造時に使用される加工処理剤の残留薬剤や、不織布を構成する繊維間の酸素と化学的に反応して、電解アルカリイオン水の機能が10〜20%程度にまで低下してしまうことがあるほか、異臭が発生してしまうことがあり、電解アルカリイオン水をウェットシートに単純に適用しただけでは、その機能を十分に発揮させることができないという問題がある。
本発明は、かかる問題を解決するものであって、異臭の問題を好適に回避し、含浸させた電解アルカリイオン水の機能を長期間にわたって十分に発揮させることができるウェットシート、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明のウェットシートの製造方法は、不織布によって構成した保水性シートに、電解アルカリイオン水を含浸させた後、その電解アルカリイオン水を10%以上搾り取り、次いで、電解アルカリイオン水を新たに追加して含浸させ、密閉包装し、保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水を密閉包装後においてpH9.0以上(好ましくはpH10.0以上)とすることを特徴としている。尚、保水性シートに最初に含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対して300〜700重量%とすることが好ましい。
また、本発明の他のウェットシートの製造方法は、不織布によって構成した保水性シートに、100重量%以上の電解アルカリイオン水を含浸させた後、その保水性シートに対して乾燥処理を行って電解アルカリイオン水を蒸発させ、次いで、保水性シートに再度電解アルカリイオン水を含浸させ、密閉包装し、保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水を密閉包装後においてpH9.0以上(好ましくはpH10.0以上)とすることを特徴としている。尚、保水性シートに再度含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対して200重量%以上(好ましくは200〜600重量%)とすることが好ましい。
また、本発明の他のウェットシートの製造方法は、電解アルカリイオン水を用いて洗浄した後、乾燥させた原材料を用いて製造した不織布によって構成した保水性シートに、電解アルカリイオン水を含浸させ、密閉包装し、保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水を密閉包装後においてpH9.0以上(好ましくはpH10.0以上)とすることを特徴としている。尚、保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対して200重量%以上(好ましくは200〜600重量%)とすることが好ましい。
また、保水性シートを構成する不織布としては、コットン、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリル、ナイロン若しくはパルプの繊維、又は、極細PP繊維、極細アクリル繊維、極細ポリエステル繊維、極細ナイロン繊維、PE・PET複合芯鞘繊維、PE・PP複合芯鞘繊維、PE・ナイロン複合芯鞘繊維等によって形成された繊維不織布であれば、どのようなものでも用いることができるが、コットン、レーヨン、又は、ポリエステルのうちいずれか一種を50重量%以上使用した繊維不織布を使用することが好ましい。
また、保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水としては、化学的なアルカリ剤を用いることなく、原料水に対し電気分解処理を行い、物理的に水酸イオンを多くすることによって、水素イオン濃度でいうところのアルカリ性を呈する水であれば、どのようなものでも用いることができるが、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したpH11.5以上の電解アルカリイオン水を用いることが好ましい。また、保水性シートを密閉包装する際には、包装材内部を減圧することによってエアー抜き処理を行うことが好ましい。
また、本発明に係るウェットシートは、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したpH11.5以上の電解アルカリイオン水を、不織布(好ましくは、コットン、レーヨン、又は、ポリエステルのうちいずれか一種を50重量%以上使用した不織布)によって構成した保水性シートに含浸させたことを特徴としている。
尚、保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水としては、電解アルカリイオン水に、30〜80重量%のアルコールを配合したもの、或いは、塩素系殺菌剤を配合したものを用いることもできる。
本発明のウェットシートの製造方法によれば、1年以上の長期間にわたって電解アルカリイオン水の機能が所定のレベルに維持され、抗菌、殺菌、消臭、保湿効果を期待できるウェットシートを製造することができる。また、保水性シートとしてコットン、レーヨン、又は、ポリエステルを使用した場合には、加工処理剤の残留量を少量に抑えることができ、化学反応による電解アルカリイオン水の機能劣化や異臭の発生という問題を低減できる。
また、仮に、不織布の製造時に使用される何らかの薬剤或いは化学物質が保水性シートに残留していたとしても、最初に含浸させた電解アルカリイオン水を、保水性シートから搾り取り(或いは、蒸発させ)、電解アルカリイオン水を新たに含浸させる工程が実施されるため、化学反応による電解アルカリイオン水の機能の劣化や異臭の発生という問題を最小限に抑えることができ、また、不織布の繊維間の酸素との反応による機能劣化の問題も、好適に回避することができる。また、電解アルカリイオン水を用いて洗浄した後、乾燥させた原材料を用いて製造した保水性シートに、電解アルカリイオン水を含浸させるようにした場合も、同様の効果を期待することができる。
更に、保水性シートを密閉包装する際、包装材内部を減圧し、エアー抜き処理を行うことにより、酸化を防止することができ、電解アルカリイオン水のpH及び機能を、より長期間にわたって安定的に維持させることができる。
ここで、本発明を実施するための形態(第1〜3実施形態)について説明する。本発明の第1の実施形態「電解アルカリイオン水を用いたウェットシートの製造方法」においては、まず、第1のステップとして、保水性シートに電解アルカリイオン水を含浸させる工程が実施される。尚、本実施形態においては、保水性シートとして、コットン製不織布(原材料:天然コットン繊維100%)を四つ折りにしたものを用いる。ここで含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対して500重量%とする。
また、電解アルカリイオン水としては、化学的なアルカリ剤を用いることなく、原料水に対し電気分解処理を行い、物理的に水酸イオンを多くすることによって、水素イオン濃度でいうところのアルカリ性を呈する水であれば、どのようなものでも用いることができるが、本実施形態においては、特開平8−24865号公報に記載されている方法によって製造したpH11.5以上の電解アルカリイオン水、より具体的には、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したpH11.5以上(より好ましくはpH12.5以上)の電解アルカリイオン水を用いる。この方法によって製造した電解アルカリイオン水は、熱的、時間的に安定しており、他の方法によって製造した電解アルカリイオン水と異なり、容器内に収容した状態で一年間室温で放置した場合でもpH値は初期の値に保持されるという点で、非常に優れている。
次に、第2のステップとして、保水性シートに含浸させた電解アルカリイオン水の搾り取りを行う。搾り取り作業は、保水性シートに所望の圧搾力を与えることにより行う。例えば、ゴムローラーと押さえ板との間隔寸法を調整できるように構成したロール圧縮装置を使用し、含浸状態の保水性シートを、ゴムローラーの隙間に供給して圧搾する。尚、この作業によって保水性シートから搾り出された液体は、廃棄する。
続いて、第3のステップとして、新しい電解アルカリイオン水の補充を行う。つまり、搾り取りを行った保水性シートに、電解アルカリイオン水を新たに追加して含浸させる。ここで保水性シートに新たに追加し、含浸させる電解アルカリイオン水の量は、第2のステップにおいて搾り出した液体と同量とする。
そして最後に、第4のステップとして、保水性シートを密閉包装する。尚、密閉包装を行う際、包装材内部を減圧し、エアー抜き処理を行う。
以上に説明した第1〜第4のステップを経て製造されたウェットシートは、1年以上の長期間にわたって電解アルカリイオン水の機能が所定のレベルに維持され、抗菌、殺菌、消臭、保湿効果を期待することができる。より詳細に説明すると、本実施形態において使用されている電解アルカリイオン水は、イソ吉草菌などをはじめとして、特定の菌に対する抗菌、殺菌効果が認められているほか、消臭効果、皮膚の保湿効果なども期待できることが判っており、また、他の一般的な電解アルカリイオン水と比べ、長期間にわたってpH及び諸機能が低下せず、上記効果を安定的、継続的に期待できることが判っている。尚、本実施形態においては、pH11.5以上の電解アルカリイオン水が使用されているが、上記のようなステップを経た後、保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水が、最終的にpH9.0(基準値)以上に維持されていれば有効に機能し、上記のような効果を期待できる。
また、本実施形態において保水性シートとして使用されるコットン繊維100%の不織布には、加工処理剤は使用されていないため、化学反応による電解アルカリイオン水の機能劣化や異臭の発生という問題は、基本的には生じない。尚、保水性シートは、必ずしも天然コットン繊維100%の不織布には限定されず、原材料としてコットン繊維、レーヨン繊維、或いは、ポリエステルが90%以上使用されている不織布であれば、100%の場合とほぼ同等の効果を期待でき、また、コットン繊維、レーヨン繊維、或いは、ポリエステルが50%以上使用されている不織布であれば、加工処理剤等の残留量を少量に抑えることができ、電解アルカリイオン水の機能劣化や異臭の発生という問題を低減できる。
また、仮に、不織布の製造時に使用される何らかの薬剤或いは化学物質が保水性シートに残留していたとしても、本実施形態においては、最初に含浸させた電解アルカリイオン水を、保水性シートから搾り取り、電解アルカリイオン水を新たに含浸させる工程が実施されるため、化学反応による電解アルカリイオン水の機能の劣化や異臭の発生という問題を最小限に抑えることができ、また、不織布の繊維間の酸素との反応による機能劣化の問題も、好適に回避することができる。
更に、保水性シートを密閉包装する際、包装材内部を減圧し、エアー抜き処理を行うことにより、酸化を防止することができ、電解アルカリイオン水のpH及び機能を、より長期間にわたって安定的に維持させることができる。
尚、保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水としては、特開平8−24865号公報に記載されている方法によって製造した電解アルカリイオン水に、30〜80重量%のアルコールを配合したものを用いることもでき、この場合、電解アルカリイオン水の浸透性と、アルコールの抗菌、消毒、殺菌性との相乗効果により、より効果的に機能を発揮させることができる。また、清掃用のウェットシートを製造する場合には、電解アルカリイオン水に塩素系殺菌剤を配合したものを、保水性シートに含浸させるようにしてもよい。
続いて、本発明の第2の実施形態「電解アルカリイオン水を用いたウェットシートの製造方法」について説明する。まず、保水性シートに電解アルカリイオン水を含浸させる工程を実施する。ここで含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対し100重量%以上とする。
次に、保水性シートに対して乾燥処理を行い、含浸させた電解アルカリイオン水を蒸発させる。乾燥処理の具体的な方法は特に限定されず、自然乾燥でもよいし、温風を連続的に供給することによって強制的に乾燥させるようにしてもよい。
そして、保水性シートに再度電解アルカリイオン水を含浸させ、密閉包装する。ここで再度含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対して200重量%以上とする。また、密閉包装を行う際には、包装材内部を減圧し、エアー抜き処理を行う。尚、本実施形態においても、第1の実施形態において説明した保水性シート、及び、電解アルカリイオン水を使用する。
以上に説明した方法によって製造されたウェットシートは、第1の実施形態として説明した方法によって製造されたウェットシートと同様の効果を期待することができる。
続いて、本発明の第3の実施形態「電解アルカリイオン水を用いたウェットシートの製造方法」について説明する。本実施形態においては、電解アルカリイオン水を含浸させる保水性シートとして、電解アルカリイオン水を用いて洗浄した後、乾燥させた原材料を用いて製造した保水性シートを使用し、この保水性シートに、電解アルカリイオン水を含浸させ、密閉包装する。尚、保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対して200重量%以上とする。また、本実施形態においても、第1の実施形態において説明した保水性シート、及び、電解アルカリイオン水を使用する。
この方法によって製造されたウェットシートにおいても、第1の実施形態として説明した方法によって製造されたウェットシートと同様の効果を期待することができる。
ここで、第1の実施形態として説明した方法によって製造したウェットシートの特性について、本発明の発明者らが行った試験の結果を、本発明の実施例1として説明する。
(準備)
試験に使用する電解アルカリイオン水として、2種類のもの(pH12.5の電解アルカリイオン水と、pH11.5の電解アルカリイオン水)を用意した。尚、これらはいずれも、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したものである。
また、試験に使用する保水性シートとして、下記の4種類のものを用意した。
1.コットン不織布製保水性シート
重量:10.2g、
サイズ:160×160mm、
目付量:40g/m
(重量1.02gのコットン製不織布を10枚重ねて構成した。)
2.レーヨン不織布製保水性シート
重量:10.2g、
サイズ:160×160mm、
目付量:40g/m
(重量1.02gのレーヨン製不織布を10枚重ねて構成した。)
3.ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布製保水性シート
重量:10.2g、
サイズ:160×160mm、
目付量:40g/m
(重量1.02gのPET製不織布を10枚重ねて構成した。)
4.レーヨンとPETからなる不織布によって構成した保水性シート
重量:10.2g、
サイズ:160×160mm、
目付量:40g/m
構成割合:レーヨン70重量%、PET30重量%、
(重量1.02gのレーヨン・PET不織布を10枚重ねて構成した。)
(試験要領)
上記4種類の保水性シートに対し、pH12.5の電解アルカリイオン水、又は、pH11.5の電解アルカリイオン水のいずれかを含浸させ、ロール圧縮装置を用いて、含浸させた電解アルカリイオン水の搾り取りを行い、搾り出された液体(搾り取り液A2〜J2)のpHを測定し、各保水性シートに電解アルカリイオン水を新たに追加して含浸させた後、各保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水(最終アルカリイオン水A3〜J3)のpHを測定した。その結果を表1に示す。
尚、最初に含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対し300重量%、又は、700重量%とした。また、電解アルカリイオン水の搾り取り量は、最初に含浸させた電解アルカリイオン水の量の10%、40%、又は、60%とし、搾り取り後に新たに追加して含浸させる電解アルカリイオン水の量(追加補充量)は、搾り取り量と同量とした。
(試験結果)
Figure 0005604749
(評価)
上述の通り、保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水が、最終的にpH9.0(基準値)以上に維持されていれば有効に機能し、抗菌、殺菌、消臭、保湿効果を期待できると考えられるところ、上記測定結果より、コットン不織布製保水性シート、レーヨン不織布製保水性シート、PET不織布製保水性シート、及び、レーヨン・PET不織布製保水性シートを用いた場合、最初に含浸させた電解アルカリイオン水を、保水性シートから搾り取り、電解アルカリイオン水を新たに含浸させることにより、電解アルカリイオン水の機能の劣化を最小限に抑えることができ、上記基準値をクリアすることができるということが確認された。また、いずれの場合も異臭は発生せず、問題なく実施できることが確認された。
保水性シートに最初に含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートの300重量%とした場合でも、また、700重量%とした場合でも、最終的なpHに差はなく、かかる範囲内で含浸させることにより、十分な効果が期待できることが確認された。また、搾り取り量、及び、追加補充量についても、最初に含浸させた電解アルカリイオン水の10%を搾り取るとともに、それと同量を追加補充することにより、十分な効果が期待できることが確認された。
尚、保水性シートの表面に触れた場合に、標準的な人間の皮膚の感覚で湿潤性が感じられるために必要な最小限の水分量(最小水分量)と、最大保水量は、保水性シートの材質により異なり、本発明の発明者らが確認したところによると、コットン不織布製保水性シートの最小水分量は250重量%、最大保水量は700重量%、レーヨン不織布製保水性シートの最小水分量は200重量%、最大保水量は600重量%、レーヨンとPETからなる不織布によって構成した保水性シートの最小水分量は200重量%、最大保水量は550重量%であった。また、各保水性シートの少なくとも3倍重量の水分を与えて含浸させれば、簡単に搾り取ることができることが確認されている。
従って、保水性シートに最初に含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートの300重量%以上とすることが好適である。また、保水性シートの最大保水量を超える量の電解アルカリイオン水に含浸させても、それ以上の効果は期待できないと考えられるため、最大保水量の最大値(コットン不織布製保水性シートの最大保水量700重量%)から、保水性シートに最初に含浸させる電解アルカリイオン水の量は、700重量%以下とすることが好適である。
続いて、第2の実施形態として説明した方法によって製造したウェットシートの特性について、本発明の発明者らが行った試験の結果を、本発明の実施例2として説明する。
(準備)
試験に使用する電解アルカリイオン水として、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したpH12.5の電解アルカリイオン水を用意した。また、試験に使用する保水性シートとして、実施例1において使用したものと同じコットン不織布製保水性シート、レーヨン不織布製保水性シート、PET不織布製保水性シート、及び、レーヨン・PET不織布製保水性シートとを用意した。
(試験要領)
上記4種類の保水性シートに対し、100重量%の電解アルカリイオン水をそれぞれ含浸させ、次に、各保水性シートに対して乾燥処理を行い、含浸させた電解アルカリイオン水を蒸発させ、保水性シートに再度電解アルカリイオン水を含浸させ、密閉包装した。尚、再度含浸させる電解アルカリイオン水の量は、保水性シートに対して200重量%とした。そして、各保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水のpHを測定した。その結果を次に示す。
(試験結果)
1.コットン不織布製保水性シート: pH11.2
2.レーヨン不織布製保水性シート: pH11.1
3.PET不織布製保水性シート: pH11.2
4.レーヨン・PET不織布製保水性シート: pH11.4
(評価)
上記測定結果より、コットン不織布製保水性シート、レーヨン不織布製保水性シート、PET不織布製保水性シート、及び、レーヨン・PET不織布製保水性シートを用いた場合、最初に含浸させた電解アルカリイオン水を乾燥、蒸発させ、保水性シートに再度電解アルカリイオン水を含浸させることにより、電解アルカリイオン水の機能の劣化を最小限に抑えることができ、上記基準値をクリアすることができるということが確認された。また、いずれの場合も異臭は発生せず、問題なく実施できることが確認された。
また、保水性シートに最初に含浸させる電解アルカリイオン水の量を、保水性シートの100重量%とし、再度含浸させる電解アルカリイオン水の量を、保水性シートの200重量%とすることにより、十分な効果が期待できることが確認された。

Claims (10)

  1. 不織布によって構成した保水性シートに、電解アルカリイオン水を含浸させた後、その電解アルカリイオン水を10%以上搾り取り、次いで、電解アルカリイオン水を新たに追加して含浸させ、密閉包装し、前記保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水を密閉包装後においてpH9.0以上とし、
    前記電解アルカリイオン水として、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したpH11.5以上の電解アルカリイオン水を用いることを特徴とするウェットシートの製造方法。
  2. 前記保水性シートに最初に含浸させる電解アルカリイオン水の量を、保水性シートに対して300〜700重量%とすることを特徴とする、請求項1に記載のウェットシートの製造方法。
  3. 不織布によって構成した保水性シートに、100重量%以上の電解アルカリイオン水を含浸させた後、その保水性シートに対して乾燥処理を行って前記電解アルカリイオン水を蒸発させ、次いで、前記保水性シートに再度電解アルカリイオン水を含浸させ、密閉包装し、前記保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水を密閉包装後においてpH9.0以上とし、
    前記電解アルカリイオン水として、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したpH11.5以上の電解アルカリイオン水を用いることを特徴とするウェットシートの製造方法。
  4. 前記保水性シートに再度含浸させる電解アルカリイオン水の量を、保水性シートに対して200重量%以上とすることを特徴とする、請求項3に記載のウェットシートの製造方法。
  5. 電解アルカリイオン水を用いて洗浄した後、乾燥させた原材料を用いて製造した不織布によって構成した保水性シートに、電解アルカリイオン水を含浸させ、密閉包装し、前記保水性シートに含浸された状態の電解アルカリイオン水を密閉包装後においてpH9.0以上とし、
    前記電解アルカリイオン水として、結晶性粘土鉱物が溶解した原料水を電気分解処理して得られたアルカリ性および酸性の各イオン水に、結晶性粘土鉱物をさらに溶解させるとともに、各イオン水を所定の電極側に供給して電気分解処理することにより生成したpH11.5以上の電解アルカリイオン水を用いることを特徴とするウェットシートの製造方法。
  6. 前記保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水の量を、保水性シートに対して200重量%以上とすることを特徴とする、請求項5に記載のウェットシートの製造方法。
  7. 前記保水性シートを構成する不織布として、コットン、レーヨン、又は、ポリエステルのうちいずれか一種を50重量%以上使用した不織布を使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のウェットシートの製造方法。
  8. 前記保水性シートを密閉包装する際に、包装材内部を減圧することによってエアー抜き処理を行うことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のウェットシートの製造方法。
  9. 前記保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水として、電解アルカリイオン水に、30〜80重量%のアルコールを配合したものを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のウェットシートの製造方法。
  10. 前記保水性シートに含浸させる電解アルカリイオン水として、電解アルカリイオン水に、塩素系殺菌剤を配合したものを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のウェットシートの製造方法。
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