JP2005296079A - 清拭用材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 肌触りが良好で、耐久性のある、抗菌性を有する清拭用材を提供することである。
【解決手段】 清拭用シート1は、基材と、この基材に含浸させられた、抗菌性を有する銀イオンを含む銀イオン水とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、清拭用材に関し、特に抗菌性を有する清拭用シート等の清拭用材に関するものである。
従来の清拭用シートとしては、保水性の織布、不織布、紙等の基材に洗浄剤、保湿剤、消毒剤、香料等の薬液を含浸させたものが知られている。これらの清拭用シートは、家庭、オフィス、工場等で手指や身体をふいたり、家具や機器等の清掃に使用されている。
ところが、上記の清拭用シートは湿潤状態で貯蔵されるため、バクテリアやカビ等の微生物による腐敗が起こりやすい。このため、上記の清拭用シートには抗菌剤、防腐剤が添加されている。また、医療機関等では、病原性微生物を殺菌、除菌するために、抗菌剤、殺菌剤を添加した清拭用シートが使用されている。
清拭用シートに添加される抗菌剤、防腐剤、殺菌剤としては、たとえば、エタノールやイソプロパノール等のアルコール類、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩類、安息香酸またはその塩類、パラヒドロキシ安息香酸エステル類等が広く一般的に使用されている。
しかしながら、アルコール類が添加された清拭用シートを用いる場合には、アルコール類の濃度によっては肌荒れを起こすことがある。また、アルコール類の高い揮発性に起因する冷感が人によっては不快感を与えることもある。さらに、アルコール類が添加された清拭用シートを長期間にわたって保存する場合には清拭用シートの抗菌効果が低下することもある。
第4級アンモニウム塩類が添加された清拭用シートを用いる場合には、第4級アンモニウム塩類に毒性があるものがあり、人体に危害が加えられることもある。また、安息香酸またはその塩類、パラヒドロキシ安息香酸エステル類が添加された清拭用シートを用いる場合には、皮膚に対して刺激性があるため、その使用濃度によっては皮膚の弱い乳幼児やアレルギー体質の人々に対して皮膚障害を起こすことがある。
これらの問題を解決するために、清拭用シートに無機系抗菌剤を添加することが試みられている。特に無機系抗菌剤は耐久性に優れたものとして注目されている。大半の無機系抗菌剤は、抗菌性を発揮させるために、銀イオンを種々の方法で無機化合物に担持させたものである。銀イオンを担持する無機化合物としては、たとえば、活性炭、アパタイト、ゼオライト、各種リン酸塩等がある。銀イオンを担持させた銀系無機抗菌剤の各種用途の中でも、各種の化学繊維に銀系無機抗菌剤を担持させることにより抗菌性繊維を得る試みが精力的になされている。
特開昭63−175117号公報(特許文献1)には、高融点成分と低融点成分から成り、低融点成分が繊維横断面外周の少なくとも一部を占めるところの複合繊維の低融点成分中に、抗菌作用を有する金属イオンを保持しているゼオライト系固体粒子が含有される抗菌性繊維構造物素材が記載されており、たとえば、抗菌性ゼオライト(銀ゼオライト)を溶融紡糸前にポリエステルに混合し、溶融紡糸して得られた抗菌性繊維が開示されている。
また、安全性の高い清拭用シートを得る試みとして、特開平7−204148号公報(特許文献2)には、外観、感触、柔軟性が布製タオルに近く、安全で優れた抗菌性を発揮し、使い捨てに好適な拭き紙として、水に不溶、あるいは溶解度が低く実質的に水に不溶な抗菌性を有する銀化合物を担持させた繊維からなる紙シートが水柱流処理され、且つ該シートが銀化合物を絶乾全重量当りAgとして0.01〜0.15重量%含有しているものが提案されている。
なお、水に難溶な銀ゼオライト化合物を担持させた不織布より形成される抗菌性拭き紙が市販されている。
特開昭63−175117号公報 特開平7−204148号公報
上記の特開昭63−175117号公報に開示された抗菌性繊維構造物素材、または、市販されている抗菌性拭き紙には、銀ゼオライトに代表される銀化合物が使用されている。しかしながら、銀ゼオライトを含浸させたものの場合、実質的な銀含有比率が低いので、体積的に多量の銀ゼオライトを基材に含有させる必要があること、また、銀ゼオライトが水に溶け難い材料であるので、肌触りが悪いこと等の問題があった。
また、特開平7−204148号公報で提案されているように銀化合物を担持させた抗菌性拭き紙は、銀含有量が多くなると、条件によっては変色を起こしやすく、商品価値を損ねるという欠点があった。
そこで、この発明の目的は、上述した問題点を解消するとともに、肌触りが良好で、耐久性のある、抗菌性を有する清拭用材を提供することである。
この発明に従った清拭用材は、基材と、この基材に含浸させられた、抗菌性を有する金属を含む金属含有液体とを備える。
この発明の清拭用材においては、抗菌性を有する金属を含む金属含有液体を基材に含浸させるだけで簡易な装置で手間なく、肌触りが良好で耐久性のある、抗菌性を有する清拭用材を製造することができる。特に、抗菌性を有する金属は、化合物の形態ではなく、イオンの形態で水分中に分散して基材に付着しているので、抗菌性を有する金属の実質的な含有比率を容易に高めることができるとともに、肌触りが良好な清拭用材を提供することができる。
この発明の清拭用材において、金属含有液体は、金属を水中で電気分解することにより生成した金属イオンを含む水であるのが好ましい。この場合、金属を電気分解するだけで金属含有液体を生成することができるので、より小さな空間で清拭用材を製造することができる。
また、この発明の清拭用材において、金属イオンは銀イオンであるのが好ましい。この場合、金属含有液体が人体に対して、特に皮膚に対して安全性の高い清拭用材を得ることができる。
さらに、この発明の清拭用材においては、銀イオンの濃度は50ppb以上1ppm以下であるのが好ましい。銀イオンの濃度が50ppb未満であれば、黄色ブドウ球菌に対する抗菌性を得ることができないので好ましくなく、銀イオンの濃度が1ppmを越えれば、健常者に対する皮膚刺激性が社会的に高いレベルとなるので皮膚アレルギー等の点で問題となるので好ましくない。したがって、この濃度範囲であれば、基材の変色を抑制することができるとともに抗菌性を発揮することができ、清拭用材が人体に接触しても過剰な反応が見られない。
この発明の清拭用材においては、基材は、親水性を有する繊維と疎水性を有する繊維とを含む繊維構造材であるのが好ましい。この場合、親水性を有する繊維においては金属含有液体を吸収しやすくなるとともに、疎水性を有する繊維においては撥水性を示し、基材の強度を高めることができる。
なお、この発明の清拭用材においては、当該清拭用材は包装体に収納されているのが好ましい。この場合、金属含有液体を蒸発させないように基材を包装し、遮光性のある包装体に収納することにより、光による酸化を防止することができ、清拭用材を安定的に湿潤状態に保存することが可能となる。また、より小さい体積になるように清拭用材を包装体に収納すれば、携帯することができ、場所を選ばず使用可能となる。
以上のようにこの発明によれば、湿潤状態に置かれた基材に抗菌性を有する金属含有液体を含浸させることにより、肌触りのよい抗菌性を有する清拭用材を提供することができ、また基材を長期的に菌に侵されない状態で保存することができる。
本発明の清拭用材として清拭用シートに用いられる基材は、特に限定されないが、パルプ、コットン、麻等の天然セルロース繊維、絹、羊毛等の天然タンパク繊維、キュプラ、ベンベルグ、レーヨン、アセテート等の再生セルロース繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレン繊維、ビニロン繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリ-L-乳酸繊維等の合成繊維からなる群より選ばれた一種類以上の繊維を使用して形成された、織布、不織布、紙等の繊維構造体であればよい。
天然セルロース繊維や再生セルロース繊維等のセルロース系繊維は、親水性や保水性が高いので、セルロース系繊維を含有する織布、不織布または紙等の形態で繊維構造体を構成することにより、清拭用シートの基材として使用することができる。
また、親水性の高い上記繊維と撥水性の高い繊維とを併用することにより、基材の強度を高めることも可能である。
なお、親水性の繊維としてはパルプ、コットン、麻などの天然セルロース繊維、絹、羊毛等の天然タンパク繊維、キュプラ、ベンベルグ、レーヨン、アセテート等の再生セルロース繊維が挙げられる。疎水性(撥水性)の繊維としてはアクリル繊維、ポリパラフェニレン繊維、ビニロン繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリ-L-乳酸繊維等の合成繊維が挙げられる。
これらの繊維の中で、親水性の高い繊維と疎水性(撥水性)の高い繊維との好ましい組み合わせとしては、たとえば、コットン(親水性)とポリプロピレン(疎水性)、ポリエステル(疎水性)との組み合わせ、レーヨン(親水性)とポリプロピレン(疎水性)、ポリエチレン(疎水性)との組み合わせ、コットン(親水性)とポリウレタン(疎水性)との組み合わせ等が挙げられる。
本発明の清拭用シートの基材の製造方法は、特に限定されないが、一重織、二重織、多重織等の公知の方法で上述の繊維を用いて織ることにより織布を製造してもよく、乾式法、湿式法、ウォータージェット法、スパンボンド法、エアレイド法、ニードルパンチ法、フェルト法等の公知の方法で上述の繊維を用いて不織布を製造してもよく、漉網式抄紙法等の公知の方法で紙を製造してもよい。
本発明の清拭用シートは、抗菌性を有する金属を含む金属含有液体を浸漬法や展着法等の公知の方法で基材に含浸させることにより、製造することができる。この金属含有液体は、抗菌性を有する金属の板を水中で電気分解することにより生成した金属イオンを含む水として簡単に作製することができる。
抗菌性を有する金属の種類としては、銀、銅、亜鉛等を挙げることができるが、人体に対する安全性を考慮すると、銀を用いるのが好ましい。抗菌性を有する2種類の金属を組み合わせて用いてもよい。この場合、2種類の金属を組み合わせた金属板を水中で電気分解することによって2種類の金属イオンを含む水を作製してもよい。
基材に含浸させる際の金属イオン水の量は、特に限定されるものではないが、本発明においては、金属イオンを含む水溶液と基材との比率が重量比で0.5〜5の範囲であることが好ましく、特に好ましくは1〜3の範囲である。水溶液と基材との比が前述の範囲内であれば、清拭用シートにおいて充分な清拭効果と良好な使用感とを達成することができる。
上記の比率が0.5以下になれば、基材があまり湿ってない状態(水分を含有しているが、ほとんど水分を含有しているとは感じられない程度)になり、皮膚上の細菌等をうまく拭き取ることができなくなり、乾布で拭き取るのと同じ程度になる。このため、基材が乾燥に近い状態になり、余計な力を加えて拭き取る作業を行なうので、皮膚に刺激を与えてしまい、拭き取ることにより皮膚を損傷してしまうという問題がある。また、上記の比率が逆に5以上になると、たとえば、基材の大部分が親水性の繊維から構成されていても水溶液が滴るような状態になるので、清拭用シートの周辺を水浸しにしてしまい、かなり使い勝手が悪くなる。
金属イオン水として、銀板を水中で電気分解することによって生成される水溶液を使用することにより、清拭用シートを製造する方法の一つの実施の形態について説明する。
図1はこの発明の一つの実施の形態に従った清拭用材として清拭用シートを製造するための装置構成の一例を模式的に示す図、図2は図1における銀イオン水生成ユニットを概略的に示す上方断面図、図3は図1における銀イオン水生成ユニットの電極に電圧を印加するための電気回路を示す図である。
図1に示すように、清拭用シートを製造するための装置は、基材1を浸漬するための浴2と、浴2への給水経路中に配設した銀イオン水生成ユニット10とを備えている。銀イオン水生成ユニット10は、図1と図2に示すように電極である銀板31、32を平行に配設し、銀板31、32の一部から電極線41、42を引き出し、銀板31、32が水を通過させることが可能な容器11で囲まれた構成を有する。銀板31、32から引き出した電極線41、42は回路5につながっており、通水中は任意の電流値を銀板31、32に与えることが可能である。図3に示すように回路5において、交流電源51からの電圧は定電流回路52を通じて電極線41、42に印加される。
図1に示すように、銀イオン水生成ユニット10は給水管6と吐出管7の間に配設されている。給水管6から水道水等の水が矢印Pで示すように給水されると、回路5が駆動し、銀板31、32の電気分解が行なわれ、吐出管7から銀イオンを含む水が矢印Qで示すように浴2内に吐出される。銀イオンを含む水は浴2に貯水され、浴2内に予め入れられた基材1を浸漬する。図示していないが、浴2には基材1を攪拌するための攪拌翼を取り付けて、または、浴槽自体を回転させて、銀イオンを含む水溶液と基材1とが充分に接触するようにして、充分な量の銀イオンを基材に付着させるのが好ましい。
たとえば、銀イオン水生成ユニット10には50mm×16mmの矩形の銀板31、32を5.5mmの電極間距離L(図2)で配置する。通水中の電流値を29mAにする定電流制御を行なうようにすると、20L/分の通水量で銀イオン濃度が約90ppbの銀イオン水を生成することができる。このようにして1分間に20Lの銀イオン水を製造することができるので、20kg分の基材に銀イオン水を含浸させることができる。
ここで用いる水は日本国内の水道水でもよいが、好ましくは低硬度(硬度が100以下)で導電率が高い水を用いることにより、長期間にわたって安定的に銀イオン水を供給することができる。また、水温は常温(20℃前後)であるのが望ましい。
生成された銀イオン水に基材を約10分間程度浸漬させた後、基材に含まれる水分量が適切な量になるまで脱水処理を行なえばよい。この場合、基材に含浸させた銀イオン水の脱水方法は、遠心力を用いた方法やローラーを用いて基材を圧縮させる方法等、公知の脱水方法でよい。
使用される基材は予め扱いやすい大きさにした後、銀イオン水に浸漬させてもよい。たとえば、清拭用シートをおしり拭きに利用する場合には基材を20cm四方に裁断した後、銀イオン水を基材に含浸させてもよく、大きなシートの状態で銀イオン水を基材に含浸させた後、適当な大きさに基材を切断してもよい。
使いやすい大きさに切断された状態の銀イオン水を含む清拭用シートは直ちに包装体で包装する。包装に使用する素材は、たとえば、ピローフィルムのような水分を蒸発させない素材であることが望ましく、また光による劣化を防ぐために遮光性を有するのが好ましい。銀イオン水を含む清拭用シートは、包装体からの取り出しが容易な形に折りたたんで、携帯に便利な程度の束にして全体を包装・密閉すればよい。ピローフィルム等で包装することにより、光による酸化を防ぐことができ、長期間にわたって衛生的に使用可能である。
図4は、この発明の一つの実施例として清拭用シートを使用して手のひらを拭いた場合(使用)と使用していない場合(未使用)の菌数の変化を示す。本実験で使用する清拭用シートは、銀イオン濃度が450ppbの銀イオン水に、基材としてコットンとポリウレタンの混紡布を浸漬させた後、脱水したものである。縦軸はてのひらあたりの一般好気性細菌数、横軸は生活時間を示す。図4の縦軸において「CFU」は細菌をカウントするときに使う単位(colony forming units)の略であり、コロニー形成単位細菌検査の結果に使われる単位で、培地で培養した菌がつくる集団(コロニー)の数を表わす。たとえば「60 CFU/てのひら」は、手のひら型の培地の中に60個コロニー(目で見て確認できる斑点の数)の細菌が存在することを示している。
図4から理解されるように、清拭用シートを使用しない場合には、手のひらに存在する菌の数は減少しないが、清拭用シートを使用した場合には、初期に60個以上の菌に汚染されていた手も生活時間の経過とともに菌数が減少すること(10個以下)を確認することができる。また、継続して菌の増殖を抑えることも可能であることがわかる。
以上に開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
この発明の一つの実施の形態に従った清拭用材として清拭用シートを製造するための装置構成の一例を模式的に示す図である。 図1における銀イオン水生成ユニットを概略的に示す断面図である。 図1における銀イオン水生成ユニットの電極に電圧を印加するための電気回路を示す図である。 この発明の一つの実施の形態として清拭用シートを使用した場合の菌数の変化を示す図である。
符号の説明
1:基材、2:浴、10:銀イオン水生成ユニット、31,32:銀板、41,42:電極線。

Claims (6)

  1. 基材と、この基材に含浸させられた、抗菌性を有する金属を含む金属含有液体とを備えた、清拭用材。
  2. 前記金属含有液体は、金属を水中で電気分解することにより生成した金属イオンを含む水である、請求項1に記載の清拭用材。
  3. 前記金属イオンは銀イオンである、請求項2に記載の清拭用材。
  4. 前記銀イオンの濃度は50ppb以上1ppm以下である、請求項3に記載の清拭用材。
  5. 前記基材は、親水性を有する繊維と疎水性を有する繊維とを含む繊維構造材である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の清拭用材。
  6. 当該清拭用材は包装体に収納されている、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の清拭用材。
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