JP5603555B2 - 被熱処理物の熱処理方法 - Google Patents

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本発明は、セラミックグリーンシートに接着用ペーストが塗布されてなる被熱処理物の熱処理方法に関する。
従来より、NOxセンサや酸素センサ等の作製方法として、ジルコニア(ZrO2)等をセラミックスの主成分とする複数枚のセラミックグリーンシートに、種々の電極パターン等を印刷形成した後、これら複数枚のシートを積層して積層体を形成し、該積層体を焼成する方法が公知である。また、積層体を形成する場合には、各々のセラミックグリーンシートに接着用ペーストを塗布してこれを乾燥させた後、セラミックグリーンシート同士を密着させて一体化させる方法が、一般的に用いられる。
セラミックグリーンシートに塗布された接着用ペーストの乾燥は、熱処理によって行われるのが一般的である。係る熱処理に用いられる装置として、セラミックグリーンシートを搬送手段によって搬送しつつ加熱および冷却を行う連続式熱処理装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−319893号公報
熱処理による接着用ペーストの乾燥は、セラミックグリーンシート同士を密着させて積層体を形成するときに、十分な接着力が得られるような条件で行う必要がある。また、積層体を形成しようとする場合、積層対象となる複数のセラミックグリーンシート間で熱処理による収縮の度合にばらつきが生じると、積層時にずれを生じる原因となる。さらには、製造効率向上の観点から、できるだけ短時間で熱処理による乾燥を行いたいという要望もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、セラミックグリーンシートの収縮ばらつきを抑制しつつ、より確実かつ効率的に接着用ペーストの乾燥を行うことができる熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、セラミックグリーンシートに、他のセラミックグリーンシートと接着させるための接着用ペーストであって、含有するバインダー中の溶剤の重量減少率が80%以上90%以下となる乾燥処理が施されたうえで前記他のセラミックグリーンシートとの接着に供されるものが塗布されてなる被熱処理物を、前記乾燥処理のために熱処理する方法であって、50℃以上70℃以下の中間保持温度にまで前記被熱処理物を昇温する第1昇温工程と、前記中間保持温度にて前記被熱処理物の温度を維持する中間維持工程と、75℃以上100℃以下の最終保持温度にまで前記被熱処理物を昇温する第2昇温工程と、前記最終保持温度にて前記被熱処理物の温度を維持する最終維持工程と、をこの順に行うことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1に記載の熱処理方法であって、前記中間保持温度より、前記最終保持温度のほうが大きいことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載の熱処理方法であって、前記中間保持温度が55℃以上65℃以下であり、前記最終保持温度が80℃以上90℃以下であることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の熱処理方法であって、前記第1昇温工程における昇温速度より、前記第2昇温工程における昇温速度のほうが大きいことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の熱処理方法であって、独立に雰囲気温度を制御可能な複数の加熱室の間で順次に前記被熱処理物を搬送させつつ前記複数の加熱室のそれぞれにおいて前記被熱処理物に対する雰囲気加熱が可能な熱処理装置を用いて、前記第1昇温工程、前記中間維持工程、前記第2昇温工程、および前記最終維持工程を行うことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載の熱処理方法であって、前記雰囲気加熱の際に、前記複数の加熱室のそれぞれの内部空間において上方から前記被熱処理物の搬送位置に向かう水平方向について略均一な流速を有する雰囲気流れを生じさせる、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載の熱処理方法であって、所定の循環手段によって前記内部空間の雰囲気を循環させることによって前記雰囲気流れを形成し、前記搬送位置の上方に整流手段を設けることにより、前記雰囲気流れの流速を水平方向について略均一化させる、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項の発明によれば、熱処理に際して2つの異なる温度領域で被熱処理物を保持するようにすることにより、セラミックグリーンシートへの熱的な負荷を低減されるとともに、接着用ペーストを高い均一性にて乾燥することができる熱処理を、効率的に実現することができる。具体的には、セラミックグリーンシートにおけるクラック等の発生の抑制や、セラミックシートの収縮のばらつきの低減、接着用ペースト中の溶剤の重量減少率の安定化などが実現される。これにより、同一のセラミックグリーンシート内や異なるセラミックグリーンシート間における乾燥状態のばらつきが少ない、良好な接着用ペーストの乾燥処理が、安定的に実現される。
また、請求項の発明によれば、第1昇温工程において被熱処理物にかかる熱的な負荷を抑制しつつ、熱処理時間の増大を抑制することができる。
また、請求項ないし請求項の発明によれば、熱処理雰囲気が均一に保たれた加熱室に複数の被熱処理物を連続的に搬送することにより、複数の被熱処理物を、同じ条件で熱処理することができる。よって、セラミックグリーンシートの収縮ばらつきや乾燥ムラなどが生じない良好な接着ペーストの乾燥処理を、確実にかつ多数のシートに対して効率的に行うことができる。
また、請求項および請求項の発明によれば、同一のセラミックグリーンシート内や異なるセラミックグリーンシート間における乾燥状態のばらつきがより低減された、良好な接着用ペーストの乾燥処理が、安定的に実現される。
本発明に係る方法で用いる熱処理ロファイルP1を示す図である。 連続式熱処理装置100の全体構成を概略的に示す側面模式図である。 加熱室3の構成を概略的に示す断面模式図である。 比較例に係る熱処理プロファイルP3、P4を示す図である。
<熱処理方法>
本実施の形態においては、例えばセラミックス製のガスセンサなどの製造プロセスにおいて、複数のセラミックグリーンシートを接着・積層して積層体を形成するのに先立って行う、セラミックグリーンシートに塗布された接着用ペーストの熱処理による乾燥(以下、単に熱処理、あるいは乾燥とも称する)処理について説明する。具体的には、ジルコニア(ZrO2)をセラミックス主成分とするセラミックグリーンシートに、同じくジルコニアを主成分とするセラミックスとバインダー(有機物)と溶剤(有機物)、及び可塑剤、分散剤、焼結補助剤とを含む混合物である接着用ペーストが塗布されたもの(以下、これを単にシートとも称する)が被熱処理物となる熱処理について説明する。セラミックグリーンシートの大きさは例えば150mm×114mm程度であり、厚みは例えば数百μm程度である。
接着用ペーストの乾燥は、その後に行われるセラミックグリーンシートの接着・積層が良好なものとなるように、セラミックグリーンシートに塗布された接着用ペーストの状態を調整する目的で行うものである。
グリーンシートを接着し積層する際に、接着用ペーストの乾燥が十分でない場合、シート同士を積層する際に十分な接着力を得ることができないことになる。ここで、乾燥が十分ではないとは、接着用ペースト中の溶剤の飛散量が少ないこと、すなわち、乾燥時における溶剤の重量減少率が小さいことに相当する。一方、溶剤の飛散量が多過ぎると、すなわち、溶剤の重量減少率が大き過ぎると、グリーンシート同士を密着させる際にバインダーが溶剤に溶解にくくなるため、グリーンシート同士の接着が弱くってしまうことになる。
表1は、接着用ペーストの溶剤の重量減少率を種々に違えて積層体を作製した場合の積層状態の良否について示している。なお、積層時の温度は90℃、圧力(ゲージ圧)は85kgf/cm2とした。これらの条件は、上述のシートによりシートを接着・積層するうえで通常使用される範囲内の条件である。
Figure 0005603555
表1に示した結果から、接着用ペースト中のバインダーの溶剤の重量減少率は、80%以上90%以下であることが好ましいといえる。さらに好ましくは85%である。
また、係る重量減少率の範囲での溶剤の減少を確実にかつ効率的に実現させるには、シートの温度が80℃〜90℃程度(85℃前後)で保持されるプロセスを有するように熱処理を行うのが好ましいことが、本発明の発明者によって確認されている。仮に、係る温度領域までシートが昇温されない場合には、乾燥が不十分なものとなり、積層の際に十分な接着力が得られないことや、乾燥に時間がかかってしまい効率が悪いといった問題が生じることになる。
図1は、以上の点を考慮して定められた、本実施の形態に係る熱処理における、熱処理開始からの経過時間とシート温度との関係を表す熱処理プロファイルP1を示す図である。図1において、縦軸は、室温T0(23±3℃程度)を原点位置としたときのシートの温度を示す。横軸は、シートの昇温開始時刻を原点(t=0)としたときの時刻t(昇温開始時刻からの経過時間)を示す。なお、図1に示したのは理想的なプロファイルであり、シート温度を実測してプロファイルを作製した場合には、多少の温度変動やオーバーシュートなどが生じ得る。ただし、本発明を説明する上で許容される範囲であれば、そのように温度が変化するとしても差し支えはない。シートの温度は、例えば熱電対等によって測定することができる。
まず、t=0からt=t1までの時間Δt1の間に、シートを室温T0から中間保持温度T1まで昇温させる(第1昇温工程)。例えば、時間Δt1は1.5分以上2.5分以下であるのが好ましい。また、中間保持温度T1は50℃〜70℃の範囲の温度であるのが好ましく、55℃〜65℃が更に好適である。
次に、t=t1からt=t2までの時間Δt2の間、シートを中間保持温度T1にて保持する(第1保持工程)。時間Δt2は2.5分以上3.5分以下であるのが好ましい。
続いて、t=t2からt=t3までの時間Δt3の間に、シートを中間保持温度T1から最終保持温度T2まで昇温させる(第2昇温工程)。時間Δt3は0.5分以上1.5分以下であるのが好ましい。また、最終保持温度T2は75℃〜100℃の範囲の温度であるのが好ましく、80℃〜90℃が更に好適である。
さらに、t=t3からt=t4までの時間Δt4の間、シートを最終保持温度T2に維持する(第2保持工程)。時間Δt4は2.5分以上3.5分以下であるのが好ましい。
最後に、t=t4からt=t5までの時間Δt5の間に、シートを最終保持温度T2から室温T0まで降温させる(降温工程)。時間Δt5は0.5分以上1.5分以下であるのが好ましい。以上により、シートを乾燥させるための熱処理が終了する。
図1に示すように、本実施形態に係る熱処理プロファイルP1においては、シートをいきなり最終保持温度T2まで昇温して保持するのではなく、昇温工程を2段階に分け、いったん中間保持温度T1まで昇温し、当該温度でしばらく保持した後、最終保持温度T2まで昇温して当該温度での保持を行うようにしている。以下、本実施の形態における熱処理プロファイルP1を2段階プロファイルとも称する。
単にシートの温度を最終保持温度T2にて維持する工程が備わっていればよいのであれば、例えば、シートを室温付近から最終保持温度まで直接に昇温させた後、当該最終保持温度で一定時間維持し、室温まで降温させる、という最も単純なプロファイル(以下、単純プロファイルと称する)を採用する態様も考えられる。
一定の温度にまで昇温され当該温度で保持されることで、シートは均熱化され、シートの乾燥状態の均一性が高くなるが、単純プロファイルの場合、シートが均熱化される機会が最終保持温度での保持工程のみとなるため、均熱化さらにはシートの乾燥が好適に実現されるためのプロファイルの設定は、必ずしも容易ではない。例えば、十分な均熱化がなされることを意図して最終保持温度での保持時間を長くすると、溶剤が減少しすぎてしまうことになる。一方、最終保持温度での保持時間が短すぎると、同一のシート内や異なるシート間で温度ばらつきが生じやすく、乾燥の程度にムラが生じてしまうので、これも避けなければならない。しかも、多数のシートを連続的に乾燥させるような場合の工程条件として保持時間を設定する場合、係る設定された保持時間での保持により大多数のシート(望ましくは全てのシート)の乾燥が良好に行われるようにその設定を行う必要があるが、個々のシートあるいはロット間でのシート組成や収縮率や乾燥状態などのばらつき、あるいは塗布されている接着ペーストの粘度、塗布厚などのばらつきの程度によっては、最適な保持時間がシートによって様々で、そのような設定自体を好適に行うことが難しい場合も起こりえる。
これに対し、本実施の形態においては、上述の2段階プロファイルを採用することにより、いったん最終保持温度T2よりも低温の中間保持温度T1での保持を行って、乾燥の程度(溶剤の重量減少の程度)は不十分ではあるもののある程度の均熱化が実現されるようにした後、最終保持温度T2での保持を行うようにしているので、シートの良好な乾燥が、より確実に実現されるようになっている。
なお、単純プロファイルにおいて、最終保持温度T2での維持を乾燥ムラが生じない程度にできるだけ短くする一方で、昇温速度を小さくすることでできるだけ温度ばらつきを抑制しつつ昇温を行う態様も考えられるが、係る態様は、熱処理時間を増大させることになるため、処理効率の面で好ましい態様とはいえない。
また、熱処理時間の短縮を目的として、最初の昇温速度を大きくすることは、シートへの熱的負荷が大きくなってシート表面にクラック等が発生する原因となるほか、シートの収縮ばらつきを増大させることになり、その結果、乾燥後の積層が良好に行えないことになるため、やはり好ましくない。
結局のところ、単純プロファイルでの熱処理は、均一な乾燥を安定的かつ効率的に実現するうえで必ずしも十分なものではないということになる。
一方、本実施形態のように2段階プロファイルを採用する場合、シートにかかる熱的な負荷を低減する目的で、第1昇温工程における昇温速度を小さくしたとしても、第2昇温工程における昇温速度をこれよりも大きく設定することが可能である。室温からの昇温ではなく中間保持温度T1からの昇温であるので、係る場合、第2昇温工程における昇温速度を、室温からの昇温の際に適用した場合であればシートにクラックが発生するような速度に設定したとしても、クラックが発生することない。従って、全体の処理時間の増大を最小限のものとしつつ、クラック等の発生を抑制することができる。
すなわち、本実施の形態に係る、2段階プロファイルでの熱処理方法によれば、単純プロファイルに比して、シートへの熱的な負荷を低減されるとともに、接着用ペーストを高い均一性にて乾燥することができる熱処理を、効率的に実現することができる。具体的には、シートにおけるクラック等の発生の抑制や収縮のばらつきの低減、接着用ペースト中の溶剤の重量減少率の安定化などが実現される。これにより、同一のシート内や異なるシート間における乾燥状態のばらつきが少ない、良好な接着用ペーストの乾燥処理が実現される。
<連続式熱処理装置>
次に、上述した本実施の形態に係る熱処理方法を実施するうえで好適な熱処理装置について説明する。図2は、係る熱処理装置の一例である、連続式熱処理装置100の全体構成を概略的に示す側面模式図である。連続式熱処理装置100は、被熱処理物1を搬送する搬送手段2と、被熱処理物1の加熱および保温を行う4つの加熱室3(3a〜3d)と、被熱処理物1の冷却を行う冷却室4とを主として備えている。また、各加熱室3a〜3dは隔壁14によって区画されており、各加熱室3a〜3dの上部にはそれぞれ、ダンパー5(5a〜5d)および排気路11(11a〜11d)が備わっている。なお、加熱室3aを第1加熱室3a、加熱室3bを第2加熱室3b、加熱室3cを第3加熱室3c、加熱室3dを第4加熱室3dとも称することとする。
連続式熱処理装置100は、被熱処理物1を、搬送手段2により保持しつつ、加熱室3a〜3dおよび冷却室4へこの順に搬送することで、被熱処理物1に対して加熱および冷却を行う。すなわち、連続式熱処理装置100では、加熱室3a側(図2において図面視右側)が被熱処理物1の搬送方向上流側となり、冷却室4側(図2において図面視左側)が搬送方向下流側となっている。
搬送手段2は、テフロン(登録商標)等の材質からなるメッシュ式ベルトコンベアである。搬送手段2は、被熱処理物1を保持しつつ、各加熱室3a〜3dおよび冷却室4へ搬送する。なお、搬送手段2としては、メッシュ式ベルトコンベアのほか、ローラーコンベアやウォーキングビーム等を用いても構わない。連続式熱処理装置100においては、係る搬送手段2が複数の被熱処理物1を順次に搬送する、いわゆる連続送り方式による搬送が実現される。
加熱室3の詳細な構成については後述するが、隣り合う加熱室3および冷却室4の間には、搬送方向に垂直に隔壁14が設けられている。すなわち、隔壁14により各加熱室3a〜3dは区画されている。ただし、それぞれの隔壁14には搬送手段2による被熱処理物1の搬送が可能な程度の貫通部が設けられている。隔壁14が備わることにより、各加熱室3a〜3d内の雰囲気は、他の加熱室3の雰囲気温度の影響をほとんど受けることなく、所望の雰囲気温度に保持され得るようになっている。
冷却室4は、搬送手段2により加熱室3から搬送されてきた被熱処理物1を冷却する冷却手段を備える。冷却手段としては、送風機等の空冷手段を用いるのが好適な一例であるが、他の冷却手段を備える態様であってもよい。
<加熱室の詳細構成>
次に、加熱室3(3a〜3d)の構成についてより詳細に説明する。図3は、加熱室3を被熱処理物1の搬送方向下流側(図2において図面視左側)から見た場合の断面模式図である。加熱室3の内部は、加熱空間15と、該加熱空間15の側部(図3においては図面視左側部)に備わる側部流通路13aと、加熱空間15の上部に備わる上部流通路13bとに区画されている。
加熱空間15は、被熱処理物1の雰囲気加熱が行われる空間である。加熱空間15においては、図面奥から手前の方向に横断する搬送手段2によって被熱処理物1が搬送される。搬送手段2の下方(すなわち、被熱処理物1の搬送位置の下方)に、加熱手段としてのヒータ6が配設されてなる。ヒータ6としては、温度制御が容易な電気ヒータを用いるのが好適である。本実施の形態に係る熱処理方法においては、乾燥に必要とされる加熱室内の雰囲気温度が約60〜90℃の範囲内にあるので、ヒータ6としては、加熱室の雰囲気温度が当該温度領域に保持される程度の加熱能があるものを用いればよい。
ヒータ6による加熱の制御は、加熱空間15の外部に設けられた温度制御部8によって行われる。温度制御部8は、加熱空間15に設けられた温度センサ7によって得られる測定値を参照しつつ、あらかじめ設定された加熱条件に基づいてヒータ6の加熱制御を行う。好ましくは、温度センサ7は、被熱処理物1の搬送位置近傍(すなわち、搬送手段2の近傍)に設けられる。加熱制御の方法としては、例えば、PID制御等が用いられる。
側部流通路13aは、加熱室3の側部に加熱空間15と隣接する態様にて設けられる。側部流通路13aは、その最下端部においてのみ加熱空間15と連通している。また、加熱室3内であって側部流通路13aの下方には、外部雰囲気を吸気して加熱室3内に取り入れつつ側部流通路13aの下方から上方に向かう気流を発生させるファン9が設けられている。なお、図3においては図示を省略しているが、ファン9の動作についても、温度制御部8によって併せて制御される態様であってもよい。さらに、側部流通路13aの上方には、ダンパー5が備わっている。
上部流通路13bは、加熱室3の上端部に加熱空間15と隣接する態様にて設けられる。上部流通路13bは、その一方端部にて側部流通路13aと連通している。換言すれば、側部流通路13aと上部流通路13bとは、図面視L字型の一の流通路をなしているともいえる。また、上部流通路13bは、フィルタ12を介して、加熱空間15とも連通している。フィルタ12は、加熱空間15へ導入される雰囲気中に混入しているパーティクル等の不純物を除去する目的で設けられてなる。
一方、加熱空間15の上端かつフィルタ12の下方には、整流板10が設けられてなる。整流板10は、フィルタの上方から流れてくる雰囲気の流れを調節し、加熱空間15内の雰囲気温度や搬送手段2の近傍(すなわち、搬送される被熱処理物1の近傍)における雰囲気の流速を均一化させる目的で設けられてなる。具体的には、整流板10が設けられることにより、整流板10が設けられていない状態であれば加熱空間15の水平方向中心部において鉛直下方に向かうはずの雰囲気は、いったん側部流通路13aの方に向かうことになる。このように整流板10を設けることの効果については後述する。
以上のような構成を有する加熱室3においては、ヒータ6による雰囲気加熱の際、併せてファン9が作動されるようになっている。これにより、側部流通部13aに、矢印AR1に示すような鉛直上方への雰囲気の流れが生じる。その際には、矢印AR2に示すように、ヒータ6によって加熱された内部空間15下方の雰囲気も併せて取り込まれて、上方へと運ばれる。
そして、側部流通部13aの上端へと到達した雰囲気は、その一部は矢印AR3aに示すようにダンパー5を介して排気路11から外部へ排気されるものの、残りは、矢印AR3bに示すように、上部流通部13bへと流れていく。
さらに、上部流通部13bに到達した雰囲気は、フィルタ12を介して加熱空間15へと流れていくことになる。
すなわち、連続式熱処理装置100においては、ヒータ6で加熱される雰囲気をこのような態様にて加熱室3内にて循環させつつ、被熱処理物1を加熱するようになっている。
ただし、本実施の形態においては、このような態様にて雰囲気の加熱および循環を行う上において、フィルタ12を通過する雰囲気が、整流板10による整流作用を受けることになる点で特徴的である。
上部流通部3bにおいては、矢印AR4a〜AR4cに示すように側部流通路13aから遠くなるほど流速が小さくなるために、整流板10が設けられていない場合、被熱処理物1に向かう雰囲気の流速が図面視右側ほど小さくなってしまうことになる。このような不均一があると、被熱処理物1において乾燥ムラが生じることになってしまい好ましくない。
しかしながら、連続式熱処理装置100においては、上述のような態様にて整流板10を備えることにより、側部流通路13aと整流板10との間の空間においてフィルタ12を下方へと通過する雰囲気を矢印AR5a〜AR5cに示すようにいったん収束させたうえで、搬送手段2が存在する(つまりは被熱処理物1が存在する)加熱空間15への下方へと供給するようになっている。これにより、整流板10よりも下方においては、整流板10がない場合と比べて、雰囲気の流速の水平方向の不均一性が抑制された状態が実現される。なお、加熱空間15の右端側においては、矢印AR7に示すように整流版10による整流作用を受けることなくフィルタ12を通過する流れが合流する。その結果、矢印AR6a〜AR6cに示すように、被熱処理物1の表面近傍においては、雰囲気の流速の水平方向についての不均一性が抑制された状態が実現される。
これにより、連続式熱処理装置100の加熱室3においては、鉛直下向きに略均一な雰囲気の流れのもとで、搬送手段2によって搬送される被熱処理物1が加熱されることになる。すなわち、被熱処理物1を均一に加熱することができる。
例えば、ファン9が作動することにより、側部流通路13aに2.0m/sなる流速の雰囲気の流れが形成される場合、加熱空間15の中央部左側、中央部中央、および中央部右側における雰囲気の流速は、それぞれ、0.52m/s、0.45m/s、0.55m/s程度となる。
<連続式熱処理装置による2段階プロファイル熱処理の実行>
次に、連続式熱処理装置100において、連続的にシートを搬送させつつ、各シートに対し、図1に示した熱処理プロファイルP1(2段階プロファイル)に従う接着用ペーストの熱処理乾燥を行う場合について説明する。なお、上述のように被熱処理物1を均一に加熱することができる連続式熱処理装置100は、多数のシートを同一条件(熱処理プロファイルP1)で熱処理乾燥させるのに適した装置であるといえる。
図1には、係る熱処理プロファイルP1でシートを熱処理しようとする場合に連続式熱処理装置100において設定される設定温度プロファイルP2を、熱処理プロファイルP1と併せて示している。なお、搬送手段2は、被熱処理物1たるシートを等速で搬送するものとし、シートは時間τごとに1つの加熱室3を通過するものとする。係る場合、搬送手段2が駆動されている間であれば、どのようなタイミングでシートが搬送手段2の上に載置されたとしても、同じ条件で乾燥処理が施されることになる。ただし、熱処理プロファイルP1をみたすためには以下の関係をみたすことが必要である。
τ>t1、τ<t2/2、τ>t3/3、τ≦t4 (式1)
さらに、加熱室3a、加熱室3b、加熱室3c、および加熱室3dにおける雰囲気設定温度をそれぞれZ1、Z2、Z3、Z4とする。上述のように、熱処理プロファイルP1においては中間保持温度T1が55℃〜65℃の範囲で設定され、最終保持温度T2が80℃〜90℃の範囲で設定される。雰囲気設定温度Z1〜Z4は、少なくとも以下の関係をみたすように設定する。
T1≦Z2<Z1<T2<Z3<Z4 (式2)
以下、連続式熱処理装置100による熱処理の進行について具体的に説明する。
まず、搬送手段2によって第1加熱室3aへのシートの搬送が開始される時点が、時刻t=0となる。第1加熱室3a内を搬送される間、シートの温度は第1加熱室3aの雰囲気設定温度Z1を目指して熱処理プロファイルP1に従い上昇する。雰囲気設定温度Z1は、中間保持温度T1よりも数℃程度高く設定される。
ただし、シートの温度上昇は、シートが第1加熱室3aを出る少し前のt=t1の時点で、中間保持温度T1の近傍で鈍化する。そして、t=t1よりも後においては、事実上、シート温度は中間保持温度T1で一定となる。
その後、t=τになると、シートは第2加熱室3bに搬送されていく。第2加熱室3bの雰囲気設定温度Z2は、式2をみたすように、第1加熱室3aの雰囲気設定温度Z1よりも低いものの中間保持温度T1よりもわずかに高く(せいぜい1〜2℃程度高く)設定されるので、第2加熱室3bを通過する間、シートは実質的に中間保持温度T1で保持される。
そして、t=2τになると、シートは第3加熱室3cに搬送されていく。第3加熱室3cの雰囲気設定温度Z3は、最終保持温度T2よりも数℃程度高く(これにより第2加熱室3bの雰囲気設定温度Z2よりも20℃前後高く)設定されているので、第3加熱室3cに搬送されて間もないt=t2の時点で、シートの温度は再び上昇し始める。
ただし、シートの温度上昇は、シートが第3加熱室3cを搬送されている間のt=t3の時点で、最終保持温度T2の近傍で鈍化する。そして、t=t3よりも後においては、事実上、シート温度は最終保持温度T3で一定となる。あるいは、係る状態が実現されるように、雰囲気設定温度Z1が設定されるともいえる。
その後、t=3τになると、シートは第4加熱室3dに搬送されていく。第4加熱室3dの雰囲気設定温度Z4は、第3加熱室3cの雰囲気設定温度Z3よりもわずかに高く((せいぜい1〜2℃程度高く)設定されるので、第4加熱室3cを通過する間、シートは実質的に最終保持温度T4で保持される。
そして、t=4τになると、シートは冷却室4に搬送されていき、送風機等の冷却手段によって冷却される。
以上、説明したように、連続式熱処理装置100の各加熱室3における雰囲気設定温度Z1〜Z4を設定温度プロファイルP2に示すように適宜に調整することで、熱処理プロファイルP1に従ったシートの熱処理乾燥が実現できる。しかも、連続式熱処理装置100を用いることで、熱処理雰囲気が均一に保たれた加熱室に連続的にシートを搬送して熱処理することができる。よって、シート収縮ばらつきや乾燥ムラなどが生じない良好なシート乾燥処理を確実にかつ多数のシートに対して効率的に行うことができる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、接着用ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートの熱処理を例として説明したが、本発明の適用はこれに限られるものではない。例えば、セラミックグリーンシートに対してスクリーン印刷等で印刷形成した電極パターンの熱処理等にも適用可能である。
また、上述の実施の形態においては、搬送手段2が被熱処理物1を常に移動させながら各加熱室3および冷却室4へ搬送する、いわゆる連続送り方式である場合について説明している。しかしながら、所望の熱処理プロファイルが実現されるよう、各加熱室3における加熱条件が設定されるのであれば、例えば、加熱室3a内の所定の位置に被熱処理物1を静止させ、所定時間熱処理を行った後、当該被熱処理物1を速やかに次の加熱室3bに移動させて所定の位置で静止させ熱処理を行うと行った操作を繰り返す、いわゆる間欠送り方式を用いる態様であってもよい。
また、例えば、ある加熱室内での搬送には連続送り方式を用いて被熱処理物1の搬送を行い、ほかの加熱室での搬送には間欠送り方式を用いて搬送を行うといったように、両者を使い分けて使用してもよい。
また、上述の実施の形態においては、4つの加熱室を備える連続式熱処理装置を用いる場合について説明しているが、熱処理プロファイルP1に従った熱処理を行って均一な乾燥を実現できるのであれば、連続式熱処理装置の構成態様はこれに限られるものではなく、さらに多くの加熱室を備えるものを用いてもよい。
あるいは、上述のような連続式熱処理装置のようにシートを搬送させつつ熱処理を行う態様は必須ではなく、熱処理プロファイルP1に従った熱処理を行って均一な乾燥を実現できるのであれば、どのような加熱装置を用いる態様であってもよい。
(実施例)
ジルコニアを主成分とするセラミックグリーンシートに、接着用ペーストとして(ジルコニア+バインダー)が塗布されたものを100枚用意し、これらを被熱処理物1たるシートとして、連続式熱処理装置100により、熱処理プロファイルP1に従う熱処理を行った。なお、セラミックグリーンシートとしては、大きさが150mm×114mmであり、厚みが200μmであるものを用いた。また、熱処理は、連続送りにより行った。
熱処理プロファイルP1は、中間保持温度T1=約60℃、最終保持温度T2=約85℃、Δt1=2分、Δt2=3分、Δt3=1分、Δt4=3分、Δt5=1分とした。そして、係ると熱処理プロファイルP1が実現されるように、設定プロファイルP2を定めた。具体的には、τ=10分、Z1=66℃、Z2=60℃、Z3=88℃、Z4=92℃とした。
それぞれのシートについて、接着用ペーストの乾燥状態およびセラミックグリーンシートの状態を、以下の4つの項目によって評価した。
評価項目(1)溶剤の重量減少率の測定:セラミックグリーンシートへの接着剤塗布前、接着剤塗布後かつ熱処理前、熱処理後のそれぞれにおいて電子天秤により測定した重量w1、w2、w3を用いて、下記の式により、熱処理に伴う溶剤の重量減少率Δを求めた。
Δ=(w2−w3)/(w2−w1)×100 (式3)
得られた重量減少率Δが80%以上90%以下であるシートについては、乾燥が良好になされたものと判定した。重量減少率Δが当該範囲外であるものについては、後工程での他のシートとの積層時十分な接着力が得られないので、乾燥不良と判定した。
評価項目(2)表面の乾燥度判定:熱処理後のシートにおいて、接着用ペーストの表面の乾燥の程度を判定した。表面の状態の確認は顕微鏡を用いて行い、ウエット状である場合には積層時に他のシートとの密着性が確保できる程度に表面の乾燥状態が十分ではないものとして乾燥不良と判定した。
評価項目(3)クラック検査:接着用ペーストを印刷したセラミックグリーンシートの表面にクラックが生じていないか否かを確認した。表面の状態の確認は顕微鏡を用いて行い、シート表面にクラックが生じていた場合は当該シートを乾燥不良と判定した。
評価項目(4)シートの収縮量の測定:熱処理の前後において、セラミックグリーンシート端部近傍にあらかじめ形成しておいた孔部間の距離を顕微鏡を用いて測定し、両者の差を乾燥によるシートの収縮量として求めた。同様に測定した他のシートの収縮量との差が0.24mmを越える場合に、乾燥不良と判定した。
(比較例1および比較例2)
比較例1および比較例2として、実施例と同様の条件で作製されたそれぞれ100枚のシートに対して、連続式熱処理装置100を用い、最終保持温度が異なる2通りの単純プロファイルでの熱処理を行った。図4は、比較例1に係る熱処理プロファイルP3と、比較例2に係る熱処理プロファイルP4とを示す図である。
図4に示すように、比較例1に係る熱処理プロファイルP3では、最終保持温度を、実施例の最終保持温度同じ約85℃とした。比較例2に係る熱処理プロファイルP4では、最終保持温度を、実施例の中間保持温度と同じ約60℃とした。また、比較例1および比較例2のいずれにおいても、熱処理開始後1分で、シート温度が最終保持温度に到達し、該最終保持温度で8分間の保持を行い、保持終了後、1分で室温にまで降温されるように、連続式熱処理装置100の各加熱室3における加熱条件および搬送速度を設定した。
具体的には、比較例1においては、Z1=86℃、Z2=85℃、Z3=85℃、Z4=85℃とし、τ=10分とした。
また、比較例2においては、Z1=66℃、Z2=60℃、Z3=60℃、Z4=60℃とし、τ=10分とした。
熱処理後のシートについて、実施例と同様の評価を行った。
(実施例と比較例の比較)
実施例、比較例1、および比較例2において行った評価結果を表2に示す。表2においては、各評価項目について、不良と判定されたシートの枚数の割合を百分率で示している。
Figure 0005603555
表2に示すように、実施例においては不良と判定されるシートが無かったのに対して、比較例1および比較例2においては、いずれかの項目において不良と判定されるシートが存在した。
表2の結果においては直接に現れていないが、比較例1においては、評価項目(1)について不良と判定されたシートにおいてはいずれも、溶剤の重量減少率が90%を越えていた。すなわち、溶剤が減少し過ぎる場合が多く発生した。一方、比較例2においては、逆に評価項目(1)について不良と判定されたシートにおいてはいずれも、溶剤の重量減少率が80%に達しなかった。また、比較例2においてのみ、評価項目(2)についても不良が発生した。これらの結果は、比較例1のように85℃での保持が長いと乾燥が進みすぎ、比較例2のように保持温度が60℃と低い場合には同じ時間だけ保持を行っても十分に乾燥が進まないのに対して、実施例のように60℃を中間保持温度とし、85℃を最終保持温度とする2段階熱処理を行った場合には、良好な乾燥が行えることを指し示している。
また、比較例1においてのみ、評価項目(3)、(4)での不良が発生している。これは、85℃という最終保持温度への昇温を1分で行うという、早い昇温速度に起因するものと考えられる。係る結果は、熱処理開始後に急激にシート温度を高めることは、クラックの発生や収縮ばらつきの増大など、シートの状態を劣化させることになり好ましくないということを意味すると考えられる。
これに対して、実施例においては、いずれの評価項目においても不良を生じなかったことから、セラミックグリーンシート上に塗布された接着ペーストを乾燥させる場合には、実施例に係る熱処理プロファイルでシートの熱処理を行うことが、好ましいといえる。
1 被熱処理物
2 搬送手段
3(3a〜3d) 加熱室
4 冷却室
5(5a〜5d) ダンパー
6 ヒータ
7 温度センサ
8 温度制御部
9 ファン
10 整流版
11(11a〜11d) 排気路
12 フィルター
13a 側部流通路
13b 上部流通路
14 隔壁
15 加熱空間
100 連続式熱処理装置

Claims (7)

  1. セラミックグリーンシートに、他のセラミックグリーンシートと接着させるための接着用ペーストであって、含有するバインダー中の溶剤の重量減少率が80%以上90%以下となる乾燥処理が施されたうえで前記他のセラミックグリーンシートとの接着に供されるものが塗布されてなる被熱処理物を、前記乾燥処理のために熱処理する方法であって、
    50℃以上70℃以下の中間保持温度にまで前記被熱処理物を昇温する第1昇温工程と、
    前記中間保持温度にて前記被熱処理物の温度を維持する中間維持工程と、
    75℃以上100℃以下の最終保持温度にまで前記被熱処理物を昇温する第2昇温工程と、
    前記最終保持温度にて前記被熱処理物の温度を維持する最終維持工程と、
    をこの順に行うことを特徴とする被熱処理物の熱処理方法。
  2. 請求項1に記載の熱処理方法であって、
    前記中間保持温度より、前記最終保持温度のほうが大きいことを特徴とする被熱処理物の熱処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱処理方法であって、
    前記中間保持温度が55℃以上65℃以下であり、
    前記最終保持温度が80℃以上90℃以下であることを特徴とする被熱処理物の熱処理方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱処理方法であって、
    前記第1昇温工程における昇温速度より、前記第2昇温工程における昇温速度のほうが大きいことを特徴とする被熱処理物の熱処理方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱処理方法であって、
    独立に雰囲気温度を制御可能な複数の加熱室の間で順次に前記被熱処理物を搬送させつつ前記複数の加熱室のそれぞれにおいて前記被熱処理物に対する雰囲気加熱が可能な熱処理装置を用いて、前記第1昇温工程、前記中間維持工程、前記第2昇温工程、および前記最終維持工程を行うことを特徴とする被熱処理物の熱処理方法。
  6. 請求項に記載の熱処理方法であって、
    前記雰囲気加熱の際に、前記複数の加熱室のそれぞれの内部空間において上方から前記被熱処理物の搬送位置に向かう、水平方向について略均一な流速を有する雰囲気流れを生じさせる、
    ことを特徴とする被熱処理物の熱処理方法。
  7. 請求項に記載の熱処理方法であって、
    所定の循環手段によって前記内部空間の雰囲気を循環させることによって前記雰囲気流れを形成し、前記搬送位置の上方に整流手段を設けることにより、前記雰囲気流れの流速を水平方向について略均一化させる、
    ことを特徴とする被熱処理物の熱処理方法。
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