JP5603028B2 - 濃色しょうゆ - Google Patents

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本発明はカラメル色素等の従来の着色料を使用することなく、色度調整を要する加工食品、特に醤油やつゆ、たれ等の食品に添加することで、食品本来の味を損なうことなく、色度を調整することができる濃色しょうゆに関するものである。
従来、加工食品、特に醤油やつゆ、たれ等の食品の色度を調整するには、カラメル色素等の従来の着色料を添加する方法が広く知られているが、近年に見られる消費者の健康志向や安全志向から着色料等の添加物は好まれず、着色料を使わずに色度を調整する手法が求められていた。
着色料を使わずに色度を調整する方法としては、醤油を含む調味料にみりんや甘味糖類を加えて加熱するそばつゆ等に用いられる一般的なかえしの手法や醤油に糖類及び有機酸もしくはその塩を添加した後、加熱処理を行った濃色醤油を加える手法(特許文献1)がある。
特公昭62−104565号
しかし、一般的なかえしの手法は工場スケールで製造する場合、製造する食品毎に極めて長時間の加熱工程を要するために非効率であり、さらに加熱により好ましい香気や風味が失われたり、マスクされてしまうなど食品本来の味に好ましくない変化も生じてしまう。
また、上記の特許文献1のように醤油に糖類及び有機酸もしくはその塩を添加して加熱処理を行った濃色しょうゆを加える手法では、有機酸もしくはその塩の独特な風味のために、色度調整を行った食品に異質な風味を付与してしまい、本来の味を損なってしまうという問題がある。また、特許文献1にある120℃付近の高温で加熱する場合は、加圧加熱に対応する特別な製造装置が必要となる上に、得られた濃色しょうゆは強い苦味を感じる。
本発明の目的は上記に述べた問題を鑑みて、カラメル色素等の着色料を使用せずに、色度調整をした加工食品、特に醤油やつゆ、たれ等の食品について本来の味を損なうことなく、容易に目的とする色度に調整することを可能にする濃色しょうゆを提供することにある。
そこで上記課題を解決するために本発明者が鋭意研究を重ねた結果、醤油を加熱することにより色度を濃化させた濃色しょうゆにおいて、特に所定の特徴を有する濃色しょうゆを使用した場合、色度調整をした加工食品、特に醤油やつゆ、たれ等の食品の本来の味を損うことなく、容易に目的とする色度に調整可能であることを見出し、本発明を完成させたのである。
すなわち本発明の請求項1に記載の発明は、醤油を主原料とし、加熱することにより得られる、JAS分析法による色度が8×)3〜8×)23、全窒素分が1.4〜1.8%(w/v)であり、加熱前に有機酸もしくはその塩を添加しないことを特徴とする、濃色しょうゆをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は加熱温度が50〜95℃である請求項1の濃色しょうゆをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、加熱期間が1〜30日間である請求項1の濃色しょうゆをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の濃色しょうゆを配合してなる食品をその要旨とする。
本発明の濃色しょうゆによると色度調整を要する加工食品、特に醤油やつゆ、たれ等の食品について、カラメル等の従来の着色料を使用せずに、かつ本来の味を損なうことなく、容易に目的とする色度に調整をすることができる。
本発明に主原料として用いられる醤油は特に種類に限定されることはなく、生醤油、火入れ醤油いずれでもよく、例えば濃口醤油、淡口醤油、再仕込み醤油、たまり醤油などの通常の醤油であって、1種または2種以上を用いることができる。また醤油製造原料としては、大豆、小麦だけでなく、米、とうもろこし、小麦グルテン、α化米、小麦ふすま等も用いることができる。
本発明における加熱時の配合は醤油を主原料とする以外は特に限定されることはなく、醤油単独による加熱の他に有機酸もしくはその塩を除く他の原料を加えてもよく、例えば色の濃化を促進するために、ぶどう糖、果糖、乳糖、蔗糖、水あめ等の糖類、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ性物質、グリシンやアラニン等のアミノ酸、醤油製造原料を化学的に加水分解をしたアミノ酸液等を加えて加熱してもよい。ただしこれらの原料は、出来上がった濃色しょうゆを色度調整のために使用した場合、色度調整を行った食品の本来の味を損なわない程度の添加量に抑える事が好ましい。また、濃色しょうゆ製造時における加熱の際に、酸化による色の濃化をすすめるために、酸素または空気を吹き込んだり、撹拌しながら加熱を行っても良い。
濃色しょうゆの色度はJAS分析法による色度が8×)3〜8×)23であることが好ましい。色度が薄すぎると色度調整を行った食品への色度調整効果が弱いため添加量を増やさざるを得ず、それによって過剰なコク味や苦味を付与してしまう。一方、色度が濃すぎると苦味やこげ臭が付与され、色度調整を行った食品本来の味を損なってしまう。なお、JAS分析法による色度は財団法人日本醤油技術センターが作製する「しょうゆ比色用標準液」と比色した際の色度を示す。
また、この濃色しょうゆの全窒素分は、1.4〜1.8%(w/v)が好ましく、色度調整をする食品に配合されている醤油の一部分と濃色しょうゆを同量置換した場合、低すぎると濃厚感に乏しくなり、高すぎると濃厚感が強くなりすぎ、色度調整を行った食品本来の味を損なってしまう。
本発明においての加熱温度は、50〜95℃が好ましく、低すぎると色度調整効果が得られる色度となるまでに非常に長期間を要するため、工業スケールにおいては非効率的であり、高すぎると色度調整をする食品に配合されている醤油の一部分と濃色しょうゆを同量置換した場合、コクやこげ臭がつき過ぎてしまい、色度調整を行った食品本来の味を損なってしまう。
本発明においての加熱期間は1〜30日間が好ましく、加熱期間が短すぎると色度調整効果が得られる色度までに着色することが困難であり、加熱期間が長すぎると工業スケールにおいては非効率となってしまうために好ましくない。
本発明の濃色しょうゆを色度調整の目的で使用する食品の種類は特に限定されず、醤油やそばつゆ、そうめんつゆ等のめんつゆ類、やきとりのたれ、天丼のたれ、蒲焼のたれ、焼肉のたれ等のたれ類、濃縮ラーメンスープ、濃縮つゆ、ポン酢など元来醤油を主成分として配合する食品や大学いものたれ、あんかけのたれ、ドレッシング、洋食用のソース等、あまり醤油を含まないような食品であってもよい。
以上に述べた条件で得られた濃色しょうゆを色度調整の目的で添加すると、色度調整を行った食品本来の味を損なうことなく、容易に目的とする色度に調整することができる。以下、本発明の濃色しょうゆをより具体化したいくつかの試験例を紹介するが、勿論これら試験例に限定されるものではない。
[試験例1]濃色しょうゆの色度の範囲設定
濃口醤油に対してぶどう糖5%(w/w)添加した後、80℃にて加熱処理を行い、各色度の濃色しょうゆを得た。得られた濃色しょうゆの色度と色沢を測定した結果を表1に示した。なお、色沢は各試料を蒸留水で50倍希釈した後、ベックマン社製分光光度計DU520にて550nmの吸光度を測定し、そのOD値で示した。色度については、JAS分析法による色度で示した。
表1で得られた濃色しょうゆ実施例A〜Gを使用し、食品の色度調整を行った。醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同様の色度となるように配合されている醤油の一部を表1の濃色しょうゆ実施例A〜Gに同量置換し色度の調整を行ったものを実施例とした。大学いものたれについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同等の色度となるように表1の濃色しょうゆ実施例A〜Gを添加し色度の調整を行ったものを実施例とした。
めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの配合を表2〜5に示した。
[表2]
めんつゆの配合
[表3]
やきとりのたれの配合
[表4]
濃縮ラーメンスープの配合
[表5]
大学いものたれ配合
評価方法については、比較例と色度調整した各実施例について比較評価を実施した。評価については、◎(比較例と同等の品質)、○(比較例とほぼ同等の品質)、△(比較例と若干の差は感じるが許容範囲内)、×(比較例と異なる品質)の4段階で評価した。そして、◎、○、△であれば、色度調整を行った食品本来の味を損うことなく、色度調整効果が得られたものとみなした。
濃口醤油をカラメル色素で色度調整したものを比較例1とし、比較例1と同様の色度となるように濃口醤油の一部分を表1の濃色しょうゆ実施例A〜Gに同量置換し調整したものを実施例A−1〜G−1とし、比較評価を行った結果を表6に示した。
表6に示すように実施例A−1〜G−1つまり、JAS分析法による色度8×)1〜8×)33の濃色しょうゆにより、醤油の本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
めんつゆをカラメル色素で色度調整したものを比較例2とし、比較例2と同様の色度となるようにめんつゆに配合される醤油の一部分を表1の濃色しょうゆ実施例A〜Gに同量置換して色度調整したものを実施例A−2〜G−2とし、比較評価を行った結果を表7に示した。
表7に示すように実施例B−2〜G−2、つまりJAS分析法による色度8×)3〜8×)33の濃色しょうゆにより、めんつゆの本来の味を損なうことなく色度調節効果を得ることができた。
やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについても同様の評価を行ったが、めんつゆと同様の評価結果となった。
大学いものたれをカラメル色素で色度調整したものを比較例3とし、比較例3と同様の色度となるように表1の濃色しょうゆ実施例A〜Gを添加して色度調整したものを実施例A−3〜G−3とし、比較評価を行った結果を表8に示した。
表8に示すように実施例A−3〜F−3まで、つまりJAS分析法による色度が8×)1〜8×)23の濃色しょうゆにより、大学いものたれ本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
以上のように、醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの全てにおいて、色度調整を行った食品本来の味を損なうことなく色度調整効果が得ることができたのは、濃色しょうゆ実施例B〜F、つまりJAS分析法による色度が8×)3〜8×)23であった。
[試験例2]濃色しょうゆの全窒素分の範囲設定
醤油に対してぶどう糖6%(w/w)添加し、全窒素分を1.35〜1.85%(w/v)に調整した後、80℃にて加熱処理を行い、JAS分析法による色度が同等となるような濃色しょうゆを得た。得られた濃色しょうゆの全窒素分は表9に示した。
表9の濃色しょうゆ実施例H〜Nを使用し、食品の色度調整を行った。醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同様の色度となるように配合されている醤油の一部を表9の濃色しょうゆ実施例H〜Nに同量置換し色度の調整を行ったものを実施例とした。大学いものたれについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同等の色度となるように表9の濃色しょうゆ実施例H〜Nを添加し色度の調整を行ったものを実施例とした。なお、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの配合は試験例1の表2〜5と同様のものを使用した。
評価方法については、比較例と色度調整した各実施例について比較評価を実施した。評価については、◎(比較例と同等の品質)、○(比較例とほぼ同等の品質)、△(比較例と若干の差は感じるが許容範囲内)、×(比較例と異なる品質)の4段階で評価した。そして、◎、○、△であれば、色度調整を行った食品本来の味を損うことなく、色度調整効果が得られたものとみなした。
濃口醤油をカラメル色素で色度調整したものを比較例4とし、比較例4と同様の色度となるように濃口醤油の一部分を表9の濃色しょうゆ実施例H〜Nに同量置換し調整したものを実施例H−1〜N−1とし、比較評価を行った結果を表10に示した。
表10に示すように実施例I−1〜N−1、つまりTN1.4〜1.85%(w/v)の濃色しょうゆにより、醤油の本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
めんつゆをカラメル色素で色度調整したものを比較例5とし、比較例5と同様の色度となるようにめんつゆに配合される醤油の一部分を表9の濃色しょうゆ実施例H〜Nに同量置換して色度調整したものを実施例H−2〜N−2とし、比較評価を行った結果を表11に示した。
表11に示すように実施例I−2〜M−2、つまりTN1.4〜1.8%(w/v)の濃色しょうゆにより、めんつゆの本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについても同様の評価を行ったが、めんつゆと同様の評価結果となった。
大学いものたれをカラメル色素で色度調整したものを比較例6とし、比較例6と同様の色度となるように表9の濃色しょうゆ実施例H〜Nを添加して色度調整したものを実施例H−3〜N−3とし、比較評価を行った結果を表12に示した。
表12に示すように実施例H−3〜N−3まで、つまりTN1.35〜1.85%(w/v)の濃色しょうゆにより、大学いものたれ本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
以上のように、醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの全てにおいて、色度調整を行った食品本来の味を損なうことなく色度調整効果を得る事ができたのは、濃色しょうゆ実施例I〜M、つまりTN1.4〜1.8%(w/v)であった。
[試験例3]濃色しょうゆ加熱処理前における有機酸およびその塩の使用効果検討
醤油に対してぶどう糖30%(w/v)、酢酸ナトリウム20%(w/v)を添加した後、120℃15分にて加熱処理を行ったものを比較例8とした。
上記で得られた比較例8と試験例1で得られた表1の実施例Cの濃色しょうゆを用いて、醤油、めんつゆの色度調整を行った。カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例7とし、比較例7と同様の色度となるように濃口醤油の一部またはめんつゆに配合される醤油の一部を比較例8または実施例Cに同量置換し調整したものについて比較評価を行った結果を表13に示した。なお、めんつゆの配合は試験例1の表2と同様のものを使用した。
評価方法については、比較例7と比較例8、実施例Cにより色度調整した食品について比較評価を実施した。評価については、◎(比較例7と同等の品質)、○(比較例7とほぼ同等の品質)、△(比較例7と若干の差は感じるが許容範囲内)、×(比較例7と異なる品質)の4段階で評価した。そして、◎、○、△であれば、色度調整を行った食品本来の味を損うことなく、色度調整効果が得られたものとみなした。
表13から濃色しょうゆ製造時の加熱前に有機酸もしくはその塩を添加することにより、色度調整を行った食品本来の味を損なってしまうため、有機酸もしくはその塩を添加しない方が好ましい。
[試験例4]濃色しょうゆの加熱処理温度と加熱期間の範囲設定
醤油に対してぶどう糖7%(w/w)添加した後、40〜105℃にて加熱処理を行った。得られた濃色しょうゆと加熱期間については、表14に示した。なお、加熱処理温度を40℃した場合、加熱期間が1ヶ月経過しても目的の色度まで到達しなかったため、工業的に非効率であり好ましくない。
表14の濃色しょうゆ実施例P〜Uを使用し、食品の色度調整を行った。醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同様の色度となるように配合されている醤油の一部を表14の濃色しょうゆ実施例P〜Uに同量置換し色度の調整を行ったものを実施例とした。大学いものたれについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同等の色度となるように表14の濃色しょうゆ実施例P〜Uを添加し色度の調整を行ったものを実施例とした。なお、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの配合は試験例1の表2〜5と同様のものを使用した。
評価方法については、比較例と色度調整した各実施例について比較評価を実施した。評価については、◎(比較例と同等の品質)、○(比較例とほぼ同等の品質)、△(比較例と若干の差は感じるが許容範囲内)、×(比較例と異なる品質)の4段階で評価した。そして、◎、○、△であれば、色度調整を行った食品本来の味を損うことなく、色度調整効果が得られたものとみなした。
濃口醤油をカラメル色素で色度調整したものを比較例9とし、比較例9と同様の色度となるように濃口醤油の一部分を表14の濃色しょうゆ実施例P〜Uに同量置換し調整したものを実施例P−1〜U―1とし、比較評価を行った結果を表15に示した。
表15に示すように実施例P−1〜T−1、つまり50〜95℃の加熱処理温度にて得られた濃色しょうゆにより、醤油の本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
めんつゆをカラメル色素で色度調整したものを比較例10とし、比較例10と同様の色度となるようにめんつゆに配合される醤油の一部分を表14の濃色しょうゆ実施例P〜Uに同量置換して色度調整したものを実施例P−2〜U−2とし、比較評価を行った結果を表16に示した。
表16に示すように実施例P−2〜T−2、つまり50〜95℃の加熱処理温度にて得られた濃色しょうゆにより、めんつゆの本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについても同様の評価を行ったが、めんつゆと同様の評価結果となった。
大学いものたれをカラメル色素で色度調整したものを比較例11とし、比較例11と同様の色度となるように表14の濃色しょうゆ実施例P〜Uを添加して色度調整したものを実施例P−3〜U−3とし、比較評価を行った結果を表17に示した。
表17に示すように実施例P−3〜U−3、つまり50〜105℃全ての加熱処理温度にて得られた濃色しょうゆにより、大学いものたれ本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
以上のように、醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの全てにおいて、色度調整を行った食品本来の味を損なうことなく色度調整効果を得る事ができたのは、濃色しょうゆの加熱処理温度が実施例P〜T、つまり50〜95℃であった。
[試験例5]濃色しょうゆの加熱処理時における糖添加量の範囲設定
醤油に対して添加するぶどう糖を0〜12%(w/w)を添加した後、80℃にて加熱処理を行った。得られた濃色しょうゆについては、表18に示した。
表18の濃色しょうゆ実施例V〜aを使用し、食品の色度調整を行った。醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同様の色度となるように配合されている醤油の一部を表18の濃色しょうゆ実施例V〜aに同量置換し色度の調整を行ったものを実施例とした。大学いものたれについては、カラメル色素を色度調整のために使用したものを比較例とし、比較例と同等の色度となるように表18の濃色しょうゆ実施例V〜aを添加し色度の調整を行ったものを実施例とした。なお、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの配合は試験例1の表2〜5と同様のものを使用した。
評価方法については、比較例と色度調整した各実施例について比較評価を実施した。評価については、◎(比較例と同等の品質)、○(比較例とほぼ同等の品質)、△(比較例と若干の差は感じるが許容範囲内)、×(比較例と異なる品質)の4段階で評価した。そして、◎、○、△であれば、色度調整を行った食品本来の味を損うことなく、色度調整効果が得られたものとみなした。
濃口醤油をカラメル色素で色度調整したものを比較例12とし、比較例12と同様の色度となるように濃口醤油の一部分を表18の濃色しょうゆ実施例V〜aに同量置換し調整したものを実施例V−1〜a−1とし、比較評価を行った結果を表19に示した。
表19に示すように実施例V−1〜Z−1、つまり糖添加量0〜9.5%(w/w)の濃色しょうゆにより、醤油の本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
めんつゆをカラメル色素で色度調整したものを比較例13とし、比較例13と同様の色度となるようにめんつゆに配合される醤油の一部分を表18の濃色しょうゆ実施例V〜aに同量置換して色度調整したものを実施例V−2〜a−2とし、比較評価を行った結果を表20に示した。
表20に示すように実施例V−2〜Z−2、つまり糖添加量0〜9.5%(w/w)の濃色しょうゆにより、めんつゆの本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープについても同様の評価を行ったが、めんつゆと同様の評価結果となった。
大学いものたれをカラメル色素で色度調整したものを比較例14とし、比較例14と同様の色度となるように表18の濃色しょうゆ実施例V〜aを添加して色度調整したものを実施例V−3〜a−3とし、比較評価を行った結果を表21に示した。

表21に示すように実施例V−3〜a−3、つまり糖添加量0〜12%(w/w)の全てにおいて大学いものたれ本来の味を損なうことなく色度調整効果を得ることができた。
以上のように、醤油、めんつゆ、やきとりのたれ、濃縮ラーメンスープ、大学いものたれの全てにおいて、色度調整を行った食品本来の味を損なうことなく色度調整効果を得る事ができたのは、濃色しょうゆの加熱処理時における糖添加量の範囲が実施例V〜Z、つまり醤油に対して0〜9.5%(w/w)の時である。
[実用性試験]
本発明の濃色しょうゆにより色度調整を行った食品を作製し、実用性を確認したところ、いずれにおいてもその実用性に問題はなく、好ましい食品が得られた。
(ポン酢の評価)
醤油25%、酢4%、液糖11%、柑橘果汁5%、調味料1%、試験例1の濃色しょうゆ実施例D2.4%を混合し、常法によりポン酢を作製した。濃色しょうゆにより色度を調整したポン酢は、濃色しょうゆを使用せずに醤油のみ(醤油配合量は27.4%)を配合し、カラメル色素により色度調整したポン酢と比べて、本来の味を損なうことなく色度調整をすることができた。
(蒲焼のたれの評価)
醤油20%、砂糖28%、水あめ13%、みりん9%、酒4%、酵母エキス0.5%、試験例1の濃色しょうゆ実施例D15%を混合し、常法により蒲焼のたれを作製した。濃色しょうゆにより色度を調整した蒲焼のたれは、濃色しょうゆを使用せずに醤油のみ(醤油配合量は35%)を配合し、カラメル色素により色度調整した蒲焼のたれと比べて、本来の味を損なうことなく色度調整をすることができた。
(冷し中華スープの評価)
醤油36%、糖類31%、酢10%、レモン果汁0.8%、調味料0.4%、酸味料0.5%、香味油2.6%、試験例1の濃色しょうゆ実施例D0.9%を混合し、常法により冷し中華スープを作製した。濃色しょうゆにより色度を調整した冷し中華スープは、濃色しょうゆを使用せずに醤油のみ(醤油配合量は36.9%)を配合し、カラメル色素により色度調整した冷し中華スープと比べて、本来の味を損なうことなく色度調整をすることができた。
(濃縮つゆの評価)
醤油35%、塩5.5%、砂糖17%、調味料2.8%、酸味料0.3%、魚介エキス1.2%、試験例1の濃色しょうゆ実施例D1.8%を混合し、常法により濃縮つゆを作製した。濃色しょうゆにより色度を調整した濃縮つゆは、濃色しょうゆを使用せずに醤油のみ(醤油配合量は36.8%)を配合し、カラメル色素により色度調整した濃縮つゆと比べて、本来の味を損なうことなく色度調整をすることができた。

Claims (2)

  1. 醤油を主原料とし、加熱することにより得られる濃色しょうゆの製造方法であって、
    その製造時には、加熱前に有機酸もしくはその塩を添加せず、糖添加量が4%〜9.5%、加熱温度が50℃〜60℃、加熱期間が25日間〜30日間であり、製造される濃色しょうゆは、(A)JAS分析法による色度が8×)3〜8×)23、(B)全窒素分が1.4〜1.8%(w/v)であることを特徴とする濃色しょうゆの製造方法。
  2. 請求項1の製造方法によって製造された濃色しょうゆを配合してなる食品。
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