JP5601932B2 - スラグ排出システム - Google Patents

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Description

本発明は、生成されたスラグを回収し、排出するスラグ排出システムに関する。
石炭をガス化して得られた石炭ガスによりガスタービンを駆動して発電する技術がある。石炭をガス化するためには、石炭ガス化炉が使用される。石炭をガス化すると、石炭ガス化炉には燃え滓としてスラグが残る。このようなスラグは、石炭ガス化炉から排出される必要がある。スラグは充分に高温であれば流動性を有するため、一般に、石炭ガス化炉の下部に設けられたスラグホールから連続的に排出される。スラグホールの下方には、冷却水を満たしたスラグ排出筒が設けられ、スラグは、冷却水によって冷却されて固化された後、スラグ排出筒から排出される。
スラグを排出するシステムとしては、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されているような装置がある。特許文献1または特許文献2に記載されている装置は、いずれも、固化したスラグをベルトコンベアにより、貯蔵タンク等に搬送している。また、特許文献3に記載の装置は、ハウジング内に配置され、複数のフライトが装着された軸を回転させることで、スラグをコンテナに搬送する機構が記載されている。
特開2002−122319号公報 特表2003−518157号公報 特開2003−88832号公報
ここで、特許文献1から特許文献3に記載されている排出システムは、ベルトコンベアや、スクリューでスラグを搬送する構成である。そのため、コンベアの傾斜角度に限界があったり、コンベア、スクリューを直線上に配置する必要があったりして、装置構成の自由度が低いという問題がある。また、スクレイパや、掻き爪によりスラグを搬送することで、確実に搬送することができるが、1つのスクレイパや、掻き爪による搬送は、搬送量に限界があり、また、搬送が間欠搬送となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より簡単かつ好適にスラグを排出することができるスラグ排出システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、スラグ排出システムであって、排出されたスラグを冷却するスラグ冷却部と、前記スラグ冷却部から排出されたスラグと液体とを貯留するスラリータンクと、前記スラリータンクに貯留されたスラグを液体によりスラリー化して搬送するスラグスラリー搬送部と、スラグスラリー搬送部から搬送されたスラグスラリーから、液体を排出しスラグを貯留するスラグ貯蔵タンクと、前記スラグ貯蔵タンクから排出された液体を回収し、スラリータンクに供給する回収部と、を有することを特徴とする。
これにより、スラグ排出システムは、スラグをスラリー状にし、かつスラグと共にスラグ搬送した液体をスラグ貯蔵タンクから回収することで、効率よくスラグを搬送することができる。また、スラグをスラリー状にして搬送することで、スラグの搬送経路の設計自由度を高くすることができ、装置構成の設計自由度を高くすることができる。
ここで、前記スラグ貯蔵タンクは、液体を選択的に通過させるフィルタが壁面に配置されていることが好ましい。これにより、スラリーを構成する液体を適切に排出することができる。
また、前記スラリータンクに貯留されている液体の液位を検出する液位検出部、前記スラリータンクに液体を供給する液体供給部、前記液位検出部で検出した液位に基づいて前記液体供給部の動作を制御する制御部を備える液位調整手段をさらに有し、前記制御部は、前記液位検出部で検出した液位が設定した液位の下限値である場合は、前記液体供給部から前記スラリータンクに液体を供給することが好ましい。これにより、スラリータンク内のスラグ濃度を一定範囲に維持することができ、スラグをより適切に搬送することができる。
また、前記液位調整手段は、前記スラリータンクの一定以上の液位を超える液体を前記液体供給部に排出するオーバーフロー管をさらに備えることが好ましい。これにより、より簡単に液位を調整することができる。
また、前記制御部は、前記液位検出部で検出した液位が設定した液位の上限値である場合は、前記液体供給部から前記スラリータンクへの液体の供給を停止することが好ましい。これにより、スラグの排出により使用するエネルギーを効率よく使用することができる。
本発明にかかるスラグ排出システムは、スラグを簡単かつ好適に排出することができるという効果を奏する。
図1は、スラグ排出システムの一実施形態の概略構成を示す模式図である。 図2は、図1に示すスラグ貯蔵タンクの概略構成を示す側面図である。 図3は、図2のA−A線断面図である。 図4は、スラグ排出システムの動作を説明するフロー図である。 図5は、スラグ排出システムの他の実施形態の概略構成を示す模式図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下に、本発明にかかるスラグ排出システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、スラグ排出システムの一実施形態の概略構成を示す模式図である。まず、図1に示すスラグ排出システム20の周囲に配置されている、ガス化炉12、スラグホッパ14、開閉弁16、搬送車両18について説明する。ガス化炉12は、石炭等の燃焼物質をガス化し、生成したガスを燃焼炉等に供給する。また、ガス化炉12は、燃焼物質をガス化した際に生成されるスラグを下部に配置されたスラグホッパ14に貯留する。スラグホッパ14は、ガス化炉12の下部に配置され、ガス化炉12で生成されたスラグを収集し、スラグを貯留する貯留機構である。なお、スラグホッパ14は、鉛直方向下側に向かうに従って径が小さくなる漏斗形状であり、ガス化炉12で生成されたスラグを鉛直方向下側に移動させることで、生成されたスラグを1箇所に収集する。開閉弁16は、スラグホッパ14のスラグの通過経路の鉛直方向下側の端部に配置されている。開閉弁16は、開閉を切り換えることで、スラグホッパ14に貯留されているスラグのスラグ排出システム20への排出の開始、停止を切り換える。なお、開閉弁16から排出されるスラグは、固体であっても、流体であってもよい。また、開閉弁16から排出されるスラグは、基本的に、高温のスラグであり、冷却する必要がある。
搬送車両18は、スラグ排出システム20から排出されたスラグを所定の位置まで運ぶ車両である。搬送車両18としては、トラックを用いることができる。なお、本実施形態では、搬送車両18に排出する構成としたが、本発明はこれに限定されず、種々の対象に排出することができる。
次に、スラグ排出システム20について説明する。スラグ排出システム20は、ガス化炉12で生成され、スラグホッパ14の開閉弁16から排出されたスラグを搬送車両18に排出するシステムである。スラグ排出システム20は、スラグロックホッパ22と、スラグ冷却部26と、スラグ搬送部(スラグスラリー搬送部)28と、スラグ貯蔵タンク30と、排出口32とを有する。
スラグロックホッパ22は、スラグを一時的に貯留する貯留部であり、開閉弁16の直下に配置されている。スラグロックホッパ22は、開閉弁16から排出されたスラグを一時的に貯留し、その後、スラグ冷却部26に供給する。
スラグ冷却部26は、冷却タンク26aと、搬送コンベア26bとを有し、スラグロックホッパ22から排出されたスラグを冷却した後、スラグ搬送部28に供給する。冷却タンク26aは、水等のスラグを冷却する液体が貯留されたタンクであり、スラグロックホッパ22の直下に配置されている。スラグロックホッパ22から排出されたスラグは、冷却タンク26aに貯留された液体中に落下し、液体により冷却される。搬送コンベア26bは、冷却タンク26a中に落下され、冷却されたスラグを搬送する搬送機構である。搬送コンベア26bは、一部が冷却タンク26a内に配置されており、冷却タンク26a内のスラグを保持し、移動させて、スラグ搬送部28に排出する。
スラグ搬送部(スラグスラリー搬送部)28は、スラグ冷却部26から排出されたスラグをスラグ貯蔵タンク30に搬送する搬送機構であり、スラリータンク40と、輸送管42と、スラリーポンプ43と、液位調整手段44と、回収管62と、水受け部63a、63bとを有する。スラリータンク40は、スラグ冷却部26から供給されたスラグと、水とを貯留するタンクである。スラリータンク40は、水にスラグを分散させた状態で貯留している。輸送管42は、スラリータンク40と、スラグ貯蔵タンク30とを接続する配管である。また、スラリーポンプ43は、輸送管42に配置され、輸送管42に、スラリータンク40内のスラグが分散された水がスラグ貯蔵タンク30に流れる流れを形成する。このように、スラグ搬送部28は、スラリータンク40内の水に分散されたスラグを、スラリー状にして輸送管42とスラリーポンプ43によりスラグ貯蔵タンク30まで搬送する。
次に、液位調整手段44は、スラリータンク40への水の供給を制御し、スラリータンク40の液位を調整する。液位調整手段44は、貯水槽50と、供給配管51と、給水ポンプ52と、循環配管53と、オーバーフロー管54と、開閉弁56と、レベル計58と、制御部60と、を有する。貯水槽50は、水を貯留するタンクである。供給配管51は、貯水槽50とスラリータンク40とを接続する配管である。給水ポンプ52は、供給配管51に配置され、供給配管51に、貯水槽50に貯留されている水がスラリータンク40に向けて流れる流れを形成する。つまり、給水ポンプ52は、貯水槽50に貯留されている水をスラリータンク40に向けて流す。循環配管53は、供給配管51の給水ポンプ52よりもスラリータンク40側の部分と、スラリータンク40とを接続する配管である。次に、オーバーフロー管54は、スラリータンク40の所定の液位の壁面と、貯水槽50とを接続する配管である。オーバーフロー管54は、スラリータンク40の液位が接続している部分を越えたら、スラリータンク40内の水が流れ込む向きで配置されている。オーバーフロー管54は、スラリータンク40から排出された水を貯水槽50に排出する。
次に、開閉弁56は、供給配管51の循環配管53が設けられている部分よりもスラリータンク40側に配置されており、供給配管51の管路の開閉を切り換える。液位調整手段44は、開閉弁56が開状態となることで、供給配管51を流れる水がスラリータンク40に供給され、開閉弁56が閉状態となることで、供給配管51を流れる水がスラリータンク40に供給されない。なお、開閉弁56が閉状態のときは、給水ポンプ52により供給配管51を流れている水は、循環配管53により貯水槽50に戻される。これにより、給水ポンプ52を常に駆動させた状態とすることができ、応答性が高い制御が可能となる。
レベル計58は、スラリータンク40の液位(本実施形態では、水位)を検出するセンサである。なお、レベル計58としては、スラリータンク40に貯留されている水(水とスラグが混合されたスラリー)の液面(水面)の位置を検出できる種々のセンサを用いることができる。
制御部60は、レベル計58で検出した液位に基づいて、開閉弁56の開閉動作を制御する。つまり、制御部60は、レベル計58で検出した液位に基づいて、貯水槽50に貯留されている水をスラリータンク40に供給するか否かを切り換える。なお、制御部60による制御動作は、後ほど説明する。また、制御部60は、開閉弁56以外にも必要に応じて各部の動作を制御するようにしてもよい。また、制御部60に加え、別途各部を制御する制御部を設けてもよい。
回収管62は、スラグ貯蔵タンク30から排出される水を回収する管路であり、水受け部63aとスラリータンク40とを接続させ、水受け部63bとスラリータンク40とを接続させる。水受け部63a、63bは、スラグ貯蔵タンク30の水の排出部分の下方に配置されており、スラグ貯蔵タンク30から排出された水を回収する。水受け部63a、63bは、回収した水を回収管62に流す。なお、水受け部63aは、スラグ貯蔵タンク30の傾斜部分の下方に配置されており、水受け部63bは、スラグ貯蔵タンク30の垂直部分の下方に配置されている。
スラグ貯蔵タンク30は、スラグ搬送部28により搬送されたスラグを貯蔵するタンクである。図2は、図1に示すスラグ貯蔵タンクの概略構成を示す側面図であり、図3は、図2のA−A線断面図である。スラグ貯蔵タンク30は、図1から図3に示すように、本体101と、フィルタ106と、補強部112とを有する。本体101は、中空の塔、本実施形態では、断面(水平方向の面)が四角形となる筒形状であり、鉛直方向下側に、径が徐々に小さくなる端部が設けられている。フィルタ106は、スラグは通過させず、水は通過させる部材であり、本体101の側面(壁面)に複数、配置されている。複数のフィルタ106は、本体101の1つの面の鉛直方向の各位置に配置されている。なお、フィルタ106としては、スラグは通過できず、水は通過できる径の穴が複数形成された部材を用いることができる。補強部112は、本体101の周方向に一周して配置された棒状の部材であり、本体101の外周面に複数配置されている。なお、補強部112は、本体101の周方向に一周連結していればよく、その配置位置は、限定されない。なお、補強部112は、フィルタ106が設けられていない領域に配置されている。スラグ貯蔵タンク30は、以上のような構成であり、スラグ搬送部28からスラグ及び水が供給されたら、フィルタ106から水のみを排出し、内部にスラグを貯蔵する。
排出口32は、スラグ貯蔵タンク30の下方の端部に配置されており、スラグ貯蔵タンク30に貯蔵されているスラグの排出の実行、停止を制御する。排出口32から排出されたスラグは、直下に待機している搬送車両18に排出される。
スラグ排出システム20は、以上のような構成であり、ガス化炉12で生成され、スラグホッパ14で回収され、開閉弁16から排出されたスラグをスラグロックホッパ22に一時的に貯留する。スラグ排出システム20は、スラグロックホッパ22に貯留したスラグをスラグ冷却部26の冷却タンク26aに搬送し、冷却タンク26aで冷却した後、搬送コンベア26bでスラリータンク40に搬送する。
スラグ排出システム20は、輸送管42とスラリーポンプ43により、スラリータンク40に貯留されたスラグを水と共にスラグ貯蔵タンク30に搬送する。また、スラグ貯蔵タンク30にスラグとともに搬送された水は、フィルタ106から排出され、水受け部63a、63bに落下する。水受け部63a、63bに落下した水は、回収管62を介してスラリータンク40に搬送される。また、液位調整手段44は、スラリータンク40の液位の液位を一定範囲に維持する。
スラグ排出システム20は、上述したスラグの搬送を継続し、スラグ貯蔵タンク30に所定のスラグを搬送したら、スラグの搬送を停止する。その後、スラグ排出システム20は、スラグ貯蔵タンク30内の水が、フィルタ106から排出され、スラグ貯蔵タンク30内のスラグが乾燥したら、排出口32から搬送車両18にスラグを排出する。搬送車両18は、スラグを積載し、所定の地点までスラグを搬送する。なお、搬送車両18は、順次、排出口32の直下に移動し、スラグを積載したら、所定の地点まで移動する。このように、搬送車両18は、スラグの搬送を繰り返す。
次に図4を用いて、スラグ排出システム20、特に液位調整手段44の動作について説明する。図4は、スラグ排出システムの動作を説明するフロー図である。
スラグ排出システム20の液位調整手段44の制御部60は、まず、ステップS12として水位を計測(検出)する。制御部60は、ステップS12で水位を計測したら、ステップS14として、計測された水位が下限値以下かを判定する。制御部60は、ステップS14で計測された水位が下限値以下である(Yes)と判定したら、ステップS16として、現状設定されている水の供給量を一定量増加させる。つまり、開閉弁56の開度を大きくし、スラリータンク40に供給する水の量を一定量多くする。その後、制御部60は、ステップS24に進む。
また、制御部60は、ステップS14で、計測された水位が下限値より大きい(No)と判定したら、ステップS18として、計測された水位が上限値以上であるかを判定する。制御部60は、ステップS18で、計測された水位が上限値以上である(Yes)と判定したら、ステップS22として、現状設定されている水の供給量を一定量減少させる。つまり、開閉弁56の開度を小さくし、スラリータンク40に供給する水の量を一定量少なくする。その後、制御部60は、ステップS24に進む。また、制御部60は、ステップS18で、計測された水位が上限値より小さい(No)と判定したら、ステップS24に進む。
制御部60は、ステップS24で、終了(処理終了)かを判定する。制御部60は、ステップS24で、処理終了ではない(No)と判定したらステップS12に進み、上述した処理を繰り返す。他方、制御部60は、ステップS24で、処理終了である(Yes)と判定したら処理を終了する。
スラグ排出システム20の液位調整手段44は、このようにして、貯水槽50からスラリータンク40に供給する水の量を制御する。なお、上記制御では、水の供給量を一定量増加、減少させたが、これに限定されない。例えば、水位が上限値以上の場合は、空気供給量を0としてもよく、水位が下限値以下の場合は、水の供給量を最大とするようにしてもよい。つまり、開閉弁56を制御し、スラリータンク40に水を供給するかしないかを切り換えるようにしてもよい。すなわち、ON/OFFの制御を行うようにしてもよい。
また、水の供給量は、開閉弁56の開閉回数で調整しても、開閉弁56の開閉開度で調整してもよい。また、給水ポンプ52で送液する水の量で調整してもよい。また、水位の上限値と下限値とは、異なる値とすることが好ましいが、同じ値としてもよい。つまり、ステップS14で使用される下限値とステップS18で使用される上限値を同じ値としてもよい。
スラグ排出システム20は、以上のような構成であり、スラグを水に混入し、スラリー状にしてスラグ貯蔵タンク30に供給することで、スラグをスラグ貯蔵タンク30に搬送することができる。スラグ排出システム20は、スラリー状にしてスラグを搬送するため、配管の経路の自由度を高くすることができる。つまり、搬送経路が直線状でなくても、また、搬送経路の傾斜角が任意の角度であっても、スラグを搬送することができる。これにより、装置をコンパクトに配置することができる。
また、スラグ貯蔵タンク30の側面にフィルタ106を設け、水(液体)を排出する構成とすることで、スラグ貯蔵タンク30から、スラグの搬送に利用した水を効率よく、かつ、簡単に排出することができる。また、スラグ貯蔵タンク30のフィルタ106から排出した水を回収し、スラリータンク40に戻すことで、搬送に使用する水を効率よく利用することができる。また、フィルタ106から一部のスラグが排出されてしまった場合も、再びスラグ貯蔵タンク30にスラリーとして供給することができ、スラグをより無駄なく、搬送することができる。
さらに、スラグ排出システム20は、液位調整手段44によりスラリータンク40の液位(水位)を一定範囲に維持する。これにより、スラリータンク40で保持する水を一定範囲にすることができ、スラリータンク40からスラグ貯蔵タンク30に送るスラリーのスラグの濃度を一定濃度範囲内とすることができる。つまり、スラグ貯蔵タンク30から排出され、スラリータンク40へ回収される水の量が変化しても、スラリータンク40の液位を一定範囲にすることができる。例えば、スラグ貯蔵タンク30のスラグの貯蔵が変化し、液位が変化したことで、スラグ貯蔵タンク30からの水の排出量が変化し、回収する水の量が変化した場合でも、その変動に応じて、液位調整手段44がスラリータンク40への水の供給を調整することで、スラリータンクの液位を一定範囲に維持することができる。
このように、スラグ排出システム20は、スラリー内のスラグの濃度を一定濃度範囲内にできることで、スラグの濃度が高くなり、スラリーを搬送できなくなることを抑制することができる。例えば、スラリー内のスラグの濃度を40%以下に維持することができ、スラリータンク40からスラグ貯蔵タンク30に適切にスラグを搬送することができる。また、スラグ排出システム20は、スラリー内のスラグの濃度を一定濃度範囲内にできることで、スラグを効率よく搬送することができる。つまり、スラリーに含まれるスラグの量が少なくなり、搬送効率が低下することを抑制することができる。なお、スラリー内のスラグの濃度の範囲は、装置の構成や、ポンプの性能等によって種々の値となるため、特に限定されないが、例えば、5%から40%にすることが好ましい。
スラグ排出システム20は、スラグ冷却部26の搬送コンベア26bの駆動を制御することで、スラリータンク40へのスラグの供給を制御してもよい。また、スラリータンク40へのスラグの供給は一定として制御を行ってもよい。
また、液位調整手段44は、オーバーフロー管54を設けることで、スラリータンク40の液位をより確実に一定液位以下とすることができる。また、液位調整手段44は、循環配管53を設けることで、給水ポンプ52を常に稼動させた状態とすることができる。これにより、応答性を高くすることができる。なお、液位調整手段44で循環させている水、貯水槽50に貯水している水は、他の用途に使用してもよい。
また、本実施形態の液位調整手段44は、液位を一定範囲とするように制御したが、本発明はこれに限定されず、液位が一定以上に維持されるように制御してもよい。つまり、スラリータンク40の液位が一定液位(下限値)よりも低くなったことを検出したら、スラリータンク40に水を供給するようにしてもよい。また、常に水を供給し、上限値を超える水は、オーバーフロー管54で回収するようにしてもよい。つまり、液位をオーバーフロー管54で液体が回収される液位で維持するようにしてもよい。なお、このように、常に水を供給する構成は、水を過剰に供給することになり、エネルギー効率は低下する。
なお、本実施形態では、スラグをスラリー状にするための液体として、水を用いたが、液体であればよく、水以外の液体も用いることができる。
次に、図5は、スラグ排出システムの他の実施形態の概略構成を示す模式図である。なお、図5に示すスラグ排出システム220は、スラグ搬送部228が液位調整手段44を備えていない点を除いて、他の構成は、スラグ排出システム20と同様の構成である。スラグ排出システム20と同様の構成となる部分には、同様の符号を付して、詳細な説明を省略し、以下、スラグ排出システム220に特有の点を説明する。
図5に示すスラグ排出システム220も、ガス化炉12で生成され、スラグホッパ14の開閉弁16から排出されたスラグを搬送車両18に排出するシステムである。スラグ排出システム220は、スラグロックホッパ22と、スラグ冷却部26と、スラグ搬送部228と、スラグ貯蔵タンク30と、排出口32とを有する。スラグ搬送部228は、スラグ冷却部26から排出されたスラグをスラグ貯蔵タンク30に搬送する搬送機構であり、スラリータンク40と、輸送管42と、スラリーポンプ43と、回収管62と、水受け部63a、63bとを有する。
スラグ排出システム220、及び、スラグ搬送部228は、以上のような構成であり、スラリータンク40、輸送管42、スラグ貯蔵タンク30、回収管62を流れる液体(水)の総量が基本的に変わらない。このように、液位調整手段44により、スラリータンク40の液位を調整しない場合は、スラリータンク40の液位が変動するが、この場合であっても、スラグ貯蔵タンク30に供給された水を、フィルタ106により外部に排出し、水受け部63a、63b及び回収管62によりスラリータンク40に回収することで、水を効率よく使用することができる。
以上のように、本発明にかかるスラグ排出システムは、スラグを排出するのに有用であり、特に、燃焼炉で生成されたスラグを冷却し、所定の位置に排出するのに適している。
12 ガス化炉
14 スラグホッパ
16 開閉弁
18 搬送車両
20 スラグ排出システム
22 スラグロックホッパ
26 スラグ冷却部
26a 冷却タンク
26b 搬送コンベア
28 スラグ搬送部
30 スラグ貯蔵タンク
32 排出口
40 スラリータンク
42 輸送管
43 スラリーポンプ
44 液位調整手段
50 貯水槽
51 供給配管
52 給水ポンプ
53 循環配管
54 オーバーフロー管
56 開閉弁
58 レベル計
60 制御部
62 回収管
63a、63b 水受け部
101 本体
106 フィルタ

Claims (6)

  1. 排出されたスラグを冷却するスラグ冷却部と、
    前記スラグ冷却部から排出されたスラグと液体とを貯留するスラリータンクと、
    前記スラリータンクに貯留されたスラグを液体によりスラリー化して搬送するスラグスラリー搬送部と、
    スラグスラリー搬送部から搬送されたスラグスラリーから、液体を排出しスラグを貯蔵するスラグ貯蔵タンクと、
    前記スラグ貯蔵タンクから排出された液体を回収し、スラリータンクに供給する回収部と、を有し、
    前記回収部は、前記スラグ貯蔵タンクの液体の排出部分の下方に配置され、前記スラグ貯蔵タンクから排出された液体を回収する受け部と、前記受け部が回収した液体を前記スラリータンクに直接搬送する回収管と、を備えることを特徴とするスラグ排出システム。
  2. 前記スラグ貯蔵タンクは、液体を選択的に通過させるフィルタが壁面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスラグ排出システム。
  3. 前記スラリータンクに貯留されている液体の液位を検出する液位検出部、
    前記スラリータンクに液体を供給する液体供給部、
    前記液位検出部で検出した液位に基づいて前記液体供給部の動作を制御する制御部を備える液位調整手段をさらに有し、
    前記制御部は、前記液位検出部で検出した液位が設定した液位の下限値である場合は、前記液体供給部から前記スラリータンクに液体を供給することを特徴とする請求項1または2に記載のスラグ排出システム。
  4. 前記液位調整手段は、前記スラリータンクの一定以上の液位を超える液体を前記液体供給部に排出するオーバーフロー管をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のスラグ排出システム。
  5. 前記制御部は、前記液位検出部で検出した液位が設定した液位の上限値である場合は、前記液体供給部から前記スラリータンクへの液体の供給を停止することを特徴とする請求項3または4に記載のスラグ排出システム。
  6. 前記液体供給部は、液体を貯留するタンクと、前記タンクと前記スラリータンクを接続する供給配管と、前記供給配管に配置され、前記供給配管に前記タンクから前記スラリータンクに向けた液体の流れを形成するポンプと、前記供給配管の前記ポンプよりも前記スラリータンク側と前記スラリータンクとを接続する循環配管と、前記供給配管の前記循環配管よりも前記スラリータンク側に配置された開閉弁と、を有し、
    前記制御部は、前記開閉弁の開閉を制御し、前記スラリータンクへの液体の供給を制御することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のスラグ排出システム。
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