JP5601085B2 - 広角レンズ系 - Google Patents

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Description

本発明は、広角レンズ系、特に中判一眼レフカメラに用いて好適な広角レンズ系に関する。
近年、一眼レフカメラのデジタル化が進んでいるが、従来フィルムサイズよりやや小さい撮像素子が使われることが多い。いわゆる「中判」と呼ばれる画面サイズの一眼レフカメラにおいても同様で、やや小さい画面サイズで従来どおりの画角を得るためには、より焦点距離の短いレンズが望まれる。
中判用の広角レンズ系においては、従来は100度程度の画角をカバーするレンズはあるが(特許文献1、2)、それ以上の画角を有するレンズは未だ存在しない。また、ライカ判カメラ用として画角110度程度の広角レンズ系も提案されているが(特許文献3)、中判一眼レフカメラ用の広角レンズ系としてはバックフォーカスも最大像高も不十分で、流用は困難である。
特開2006−201526号公報 特開2006−300972号公報 特開平11−326756号公報
本発明は、中判カメラに用いて好適な広角レンズ系であって、画角が110度程度で、一眼レフカメラでも使用可能な十分なバックフォーカスを確保し、さらに近距離物体撮影時でも高性能な広角レンズ系を得ることを目的とする。
本発明の広角レンズ系は、第1の態様では、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、前記第1Aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、及び物体側に凸面を向けた正レンズからなり、前記第1Bレンズ群は、物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズからなり、次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴としている。
(1)0.4<Dab/|f1A|<1.0
(2)1.3<|f1A|/f<5.0
但し、
Dab;第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔、
f1A;第1Aレンズ群の焦点距離、
f;全系の焦点距離、
である。
本発明の広角レンズ系は、第2の態様では、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、前記第1Aレンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを有しており、前記第1Bレンズ群は、物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズからなり、次の条件式(1)、(2)及び(3)を満足することを特徴としている。
(1)0.4<Dab/|f1A|<1.0
(2)1.3<|f1A|/f<5.0
(3)ν1APmin>ν1BPmin
但し、
Dab;第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔、
f1A;第1Aレンズ群の焦点距離、
f;全系の焦点距離、
ν1APmin;第1Aレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数のうち最も小さいd線に対するアッベ数、
ν1BPmin;第1Bレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数、
である。
本発明の広角レンズ系は、第3の態様では、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、前記第1Aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、及び物体側に凸面を向けた正レンズからなり、前記第1Bレンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを有しており、次の条件式(1)、(2)及び(3)を満足することを特徴としている。
(1)0.4<Dab/|f1A|<1.0
(2)1.3<|f1A|/f<5.0
(3)ν1APmin>ν1BPmin
但し、
Dab;第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔、
f1A;第1Aレンズ群の焦点距離、
f;全系の焦点距離、
ν1APmin;第1Aレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数、
ν1BPmin;第1Bレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数のうち最も小さいd線に対するアッベ数、
である。
第1レンズ群は、その一態様では、第1レンズ群中の最大空気間隔を境にして、それより物体側が第1Aレンズ群、像側が第1Bレンズ群となるように、第1Aレンズ群と第1Bレンズ群に分けられる。この場合、条件式(1)中の「Dab」は、第1レンズ群中の最大空気間隔を意味することになる。
上記条件式(1)が規定する条件範囲の中でも、次の条件式(1')で規定される条件範囲を満足することが好ましい。
(1')0.4<Dab/|f1A|<0.8
上記条件式(2)が規定する条件範囲の中でも、次の条件式(2')で規定される条件範囲を満足することが好ましい。
(2')1.3<|f1A|/f<3.5
第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群と負の屈折力の第2Bレンズ群から構成することができ、この第2Bレンズ群は、物体側から順に位置する負レンズと正レンズの接合レンズから構成することができる。また、第2Aレンズ群は、物体側から順に位置する正レンズ、負レンズ及び正レンズの接合レンズから構成することができる。
本発明の広角レンズ系は、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは前記第2レンズ群を物体側に移動させて行い、さらに次の条件式(4)を満足することが好ましい。
(4)0.1<m2<0.4
但し、
m2;無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率、
である。
本発明の広角レンズ系は、第4の態様では、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、前記第1Aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、負レンズ、及び正レンズからなり、前記第1Bレンズ群は、正レンズと負レンズの接合レンズからなり、前記第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群と負の屈折力の第2Bレンズ群からなり、前記第2Bレンズ群は、負レンズと正レンズの接合レンズからなることを特徴としている。
第2Aレンズ群は、正レンズ、負レンズ及び正レンズの接合レンズから構成することができる。
本発明によれば、中判カメラに用いて好適な広角レンズ系であって、画角が110度程度で、一眼レフカメラでも使用可能な十分なバックフォーカスを確保し、さらに近距離物体撮影時でも高性能な広角レンズ系を得ることができる。
本発明による広角レンズ系の数値実施例1の無限遠物体合焦時のレンズ構成図である。 図1の構成における諸収差図である。 図1の構成における横収差図である。 本発明による広角レンズ系の数値実施例2の無限遠物体合焦時のレンズ構成図である。 図4の構成における諸収差図である。 図4の構成における横収差図である。 本発明による広角レンズ系の数値実施例3の無限遠物体合焦時のレンズ構成図である。 図7の構成における諸収差図である。 図7の構成における横収差図である。 本発明による広角レンズ系の数値実施例4の無限遠物体合焦時のレンズ構成図である。 図10の構成における諸収差図である。 図10の構成における横収差図である。 本発明による広角レンズ系の数値実施例5の無限遠物体合焦時のレンズ構成図である。 図13の構成における諸収差図である。 図13の構成における横収差図である。
本実施の形態の広角レンズ系は、図1、図4、図7、図10、及び図13の各実施例に示すように、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1、開口絞りS、及び正の屈折力の第2レンズ群G2から構成される。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う(第2レンズ群G2でフォーカシングを行う)。Iは像面である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群G1Aと正の屈折力の第1Bレンズ群G1Bからなり、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群G2Aと負の屈折力の第2Bレンズ群G2Bからなる。この広角レンズ系は、負の屈折力の第1Aレンズ群G1A(前群)が物体側に位置し、正の屈折力の第1Bレンズ群G1Bと第2レンズ群G2(後群)が像側に位置するレトロフォーカス系である。
第1Aレンズ群G1Aは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズ10、像側に凹面を向けた負レンズ11、像側に凹面を向けた負レンズ12、及び物体側に凸面を向けた正レンズ13からなっている。負レンズ10は、全実施例1−5を通じて、物体側に凸の負メニスカスレンズである。負レンズ11は、全実施例1−5を通じて、物体側に凸の負メニスカスレンズであり、その両面が非球面の非球面レンズである。負レンズ12は、実施例1では物体側に凸の負メニスカスレンズであり、実施例2−5では両凹負レンズである。正レンズ13は、全実施例1−5を通じて、両凸正レンズである。
第1Bレンズ群G1Bは、物体側から順に位置する正レンズ14と負レンズ15の接合レンズ16からなる。全実施例1−5を通じて、正レンズ14は両凸正レンズであり、負レンズ15は像側に凸の負メニスカスレンズである。
第2Aレンズ群G2Aは、物体側から順に位置する正レンズ20、負レンズ21及び正レンズ22の接合レンズ23からなる。実施例1、3、5では、正レンズ20は両凸正レンズであり、負レンズ21は両凹負レンズであり、正レンズ22は両凸正レンズである。実施例2、4では、正レンズ20は物体側に凸の正メニスカスレンズであり、負レンズ21は物体側に凸の負メニスカスレンズであり、正レンズ22は両凸正レンズである。
第2Bレンズ群G2Bは、物体側から順に位置する負レンズ24と正レンズ25の接合レンズ26からなる。負レンズ24は、全実施例1−5を通じて、両凹負レンズである。正レンズ25は、全実施例1−5を通じて、両凸正レンズであり、その像側の面が非球面の非球面レンズである。
広角レンズ系において、十分なバックフォーカスを確保するためには、負の屈折力の前群と正の屈折力の後群からなるレトロフォーカスの構成とすることが望ましい。また、広角レンズ系においては、その画角の広さから、前群のレンズ径が大きいため、レンズ径の小さい後群によるフォーカシング(所謂リアフォーカス)とすることで、フォーカス群の軽量化が達成できる。
しかし、負の前群で発散した光束がフォーカス群(後群)に入射する場合、フォーカシングによる性能変化が大きくなりやすい。
そこで、固定の第1レンズ群を正の屈折力とすることで、フォーカシングによる性能変化を小さくするとともに、第1レンズ群を物体側から順に負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群とから構成することで、レンズ系全体として負の前群と正の後群からなるレトロフォーカスの構成(第1Aレンズ群が負の前群、第1Bレンズ群と第2レンズ群が正の後群)となり、所定のバックフォーカスを確保できる。
本実施形態の広角レンズ系は、画角が非常に広いため、歪曲収差・非点収差の補正が重要である。そこで、最も物体側に、物体側から順に3枚の負レンズを配置して徐々に光線を屈折させることで、これらの収差発生を最小限に抑えることができる。また、負の屈折力の第1Aレンズ群中の正レンズによって、これらの収差を補正する(打ち消す)方法が知られているが、この正レンズが物体側に近い位置に配置された場合、その後ろ(像側)ではより画角の広い光線が入射することになるとともに、発散と収束を繰り返すため、レンズ径の増大を招く。
一方、第1Bレンズ群は開口絞りに近い位置にあるため、球面収差・コマ収差が発生しやすい。この第1Bレンズ群を正レンズと負レンズの接合レンズとすることで、球面収差・コマ収差の発生を抑制することができる。
条件式(1)は、第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔と、第1Aレンズ群の焦点距離の絶対値との比に関する条件式である。
条件式(1)の上限を超えると、第1Aレンズ群の発散力に対し、第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔が広すぎるため、第1Bレンズ群への入射光束が大きく広がりすぎる。これにより、第1Bレンズ群での球面収差・コマ収差が大きく発生してしまう。
条件式(1)の下限を超えると、第1Aレンズ群による発散の効果が小さすぎるため、十分なバックフォーカスの確保が困難となる。これを回避するためには、第1Bレンズ群以降のレンズ系において、さらにレトロフォーカスの配置をとらなければならず、フォーカス群の大型化により迅速なフォーカシングができなくなる。
条件式(2)は、第1Aレンズ群の焦点距離の絶対値と、全系の焦点距離との比に関する条件式である。
条件式(2)の上限を超えると、第1Aレンズ群による発散の効果が小さすぎるため、十分なバックフォーカスの確保が困難となる。これを回避するためには、第1Aレンズ群とそれ以降のレンズ群との間隔を大きくする必要があるが、それによって第1Aレンズ群のレンズ径が増大し、歪曲収差の補正が困難となる。
条件式(2)の下限を超えると、第1Aレンズ群による発散の効果が強すぎるため、それ以降のレンズ群で球面収差が発生しやすい。
条件式(3)は、第1Aレンズ群と第1Bレンズ群がそれぞれ少なくとも1枚の正レンズを含む場合に、第1Aレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数のうち最も小さいd線に対するアッベ数が、第1Bレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数のうち最も小さいd線に対するアッベ数よりも大きいことを規定する条件式である。
広角レンズ系では、倍率色収差の補正が重要である。負の前群と正の後群からなる通常のレトロフォーカスの構成においては、負の前群中の正レンズにd線に対するアッベ数の小さい硝材を用いることによって倍率色収差を補正できることが知られている。しかし、負の第1Aレンズ群はレンズ径が大きいため、必然的にレンズが厚くなる。一般に、d線に対するアッベ数の小さい硝材は特に短波長域での透過率が低く、レンズが厚くなるほどその影響が顕著となる。したがって、厚いレンズには透過率の高い硝材を選び、倍率色収差の補正の機能を正の第1Bレンズ群に持たせることが好ましい。
条件式(3)を満たすことにより、倍率色収差を良好に補正しつつ、短波長域の透過率の高い広角レンズ系を得ることが可能となる。
条件式(4)は、第2レンズ群を物体側に移動させて無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングを行う場合の無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率に関する条件式である。
条件式(4)の上限を超えると、フォーカシングに必要な移動量が大きくなるため、開口絞りとフォーカス群(第2レンズ群)との間隔変化が大きく、これによりフォーカス時の像面湾曲・非点収差の変動が大きくなりやすい。
条件式(4)の下限を超えると、近距離物体撮影時に、フォーカス群(第2レンズ群)に入射する光束が発散状態となる。このため、球面収差・コマ収差の補正が困難となる。
第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群と負の屈折力の第2Bレンズ群からなることが好ましく、第2Bレンズ群は、物体側から順に位置する負レンズと正レンズの接合レンズからなることが好ましい。これにより、第1レンズ群G1(第1Aレンズ群、第1Bレンズ群)と第2レンズ群G2(第2Aレンズ群、第2Bレンズ群)が開口絞りSを介して対称に配置されることになり、歪曲収差の発生を低減できる。
広角レンズ系において、十分なバックフォーカスを確保するためには、負の屈折力の前群と正の屈折力の後群からなることが望ましい。しかし、対称性のくずれにより、歪曲収差が発生しやすい。そこで、正の後群を正の第2Aレンズ群と負の第2Bレンズ群に分け、最も像側(絞りSより遠い位置)に負のパワーを配置することで、全体としての対称性を改善し、歪曲収差を低減する効果が得られる。負の第2Bレンズ群は、負の単レンズではコマ収差・非点収差が発生しやすいことから、負レンズと正レンズとの接合レンズとすることが好ましい。
次に具体的な数値実施例を示す。諸収差図及び横収差図並びに表中において、d線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Mは横倍率、Wは半画角(゜)、Yは像高、fB はバックフォーカス、Lはレンズ全長、Rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、N(d)はd線に対する屈折率、ν(d)はd線に対するアッベ数を示す。
回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy2/[1+[1-(1+K)c2y2]1/2]+A4y4+A6y6+A8y8 +A10y10+A12y12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数)
[数値実施例1]
図1〜図3と表1〜表3は、本発明による広角レンズ系の数値実施例1を示している。図1は無限遠物体合焦時のレンズ構成図、図2はその諸収差図、図3はその横収差図である。表1はその面データ、表2はその非球面データ、表3はその各種データである。
本数値実施例1の広角レンズ系は、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1(面番号1から11)、開口絞りS、及び正の屈折力の第2レンズ群G2(面番号13から19)から構成される。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う(第2レンズ群G2でフォーカシングを行う)。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群G1Aと正の屈折力の第1Bレンズ群G1Bからなり、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群G2Aと負の屈折力の第2Bレンズ群G2Bからなる。この広角レンズ系は、負の屈折力の第1Aレンズ群G1A(前群)が物体側に位置し、正の屈折力の第1Bレンズ群G1Bと第2レンズ群G2(後群)が像側に位置するレトロフォーカス系である。
第1Aレンズ群G1Aは、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ10、物体側に凸の負メニスカスレンズ11、物体側に凸の負メニスカスレンズ12、及び両凸正レンズ13からなっている。負メニスカスレンズ11は、その両面が非球面の非球面レンズである。
第1Bレンズ群G1Bは、物体側から順に位置する両凸正レンズ14と像側に凸の負メニスカスレンズ15の接合レンズ16からなる。
第2Aレンズ群G2Aは、物体側から順に位置する両凸正レンズ20、両凹負レンズ21及び両凸正レンズ22の接合レンズ23からなる。
第2Bレンズ群G2Bは、物体側から順に位置する両凹負レンズ24と両凸正レンズ25の接合レンズ26からなる。両凸正レンズ25は、その像側の面が非球面の非球面レンズである。
(表1)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 82.957 3.000 1.83481 42.7
2 30.873 9.150
3* 52.507 7.000 1.80610 40.7
4* 26.605 16.670
5 871.426 3.000 1.61800 63.4
6 56.183 15.450
7 71.271 8.000 1.56732 42.8
8 -426.496 16.323
9 52.948 5.800 1.59270 35.5
10 -30.524 1.400 1.77250 49.6
11 -112.596 6.886
12絞 ∞ 12.662
13 30.638 6.000 1.49700 81.6
14 -152.184 1.200 1.80610 33.3
15 23.666 8.000 1.48749 70.4
16 -42.654 0.200
17 -395.350 1.200 1.83481 42.7
18 35.983 6.140 1.58913 61.2
19* -92.937 -
*は回転対称非球面である。
(表2)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 0.1324×10-4 -0.4575×10-8 -0.1234×10-12
4 0.000 0.1249×10-4 0.5231×10-8 -0.4927×10-10
19 0.000 0.5757×10-5 0.3147×10-8
(表3)
各種データ
FNO. 4.1
f 25.60
M 0.00
W 54.8
Y 34.85
fB 62.32
L 190.40
M D12 fB
0.00 12.662 62.32
-0.03 11.813 63.17
[数値実施例2]
図4〜図6と表4〜表6は、本発明による広角レンズ系の数値実施例2を示している。図4は無限遠物体合焦時のレンズ構成図、図5はその諸収差図、図6はその横収差図である。表4はその面データ、表5はその非球面データ、表6はその各種データである。
この数値実施例2のレンズ構成は、以下の点を除いて数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第1Aレンズ群G1Aの負レンズ12を両凹負レンズとしたこと。
(2)第2Aレンズ群G2Aの接合レンズ23を、物体側から順に位置する物体側に凸の正メニスカスレンズ20、物体側に凸の負メニスカスレンズ21及び両凸正レンズ22の接合レンズとしたこと。
(表4)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 114.770 3.000 1.88300 40.8
2 32.273 8.210
3* 59.959 7.500 1.80610 40.7
4* 29.560 17.680
5 -93.351 2.500 1.59282 68.6
6 100.595 11.470
7 76.980 10.700 1.65066 57.8
8 -74.455 33.035
9 52.591 7.000 1.59270 35.5
10 -30.157 1.200 1.77250 49.6
11 -998.440 16.341
12絞 ∞ 5.020
13 26.525 4.400 1.49700 81.6
14 96.980 1.200 1.83401 35.3
15 21.698 7.110 1.49700 81.6
16 -42.666 0.200
17 -101.046 1.200 1.80420 46.5
18 22.450 7.080 1.61800 63.4
19* -73.811 -
*は回転対称非球面である。
(表5)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 0.1026×10-4 -0.2254×10-8 -0.3450×10-12
4 0.000 0.8383×10-5 0.3228×10-8 -0.2356×10-10
19 0.000 0.4527×10-5 0.2491×10-8
(表6)
各種データ
FNO. 4.1
f 25.75
M 0.00
W 54.7
Y 34.85
fB 62.40
L 207.25
M D11 fB
0.00 5.020 62.40
-0.03 4.178 63.24
[数値実施例3]
図7〜図9と表7〜表9は、本発明による広角レンズ系の数値実施例3を示している。図7は無限遠物体合焦時のレンズ構成図、図8はその諸収差図、図9はその横収差図である。表7はその面データ、表8はその非球面データ、表9はその各種データである。
この数値実施例3のレンズ構成は、第1Aレンズ群G1Aの負レンズ12を両凹負レンズとした点を除いて、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(表7)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 91.611 3.000 1.83481 42.7
2 30.651 8.210
3* 51.409 7.000 1.80610 40.7
4* 27.190 17.190
5 -194.349 3.000 1.61800 63.4
6 47.929 6.520
7 59.262 7.860 1.61942 49.1
8 -131.358 26.900
9 54.721 5.800 1.59270 35.5
10 -28.504 1.600 1.77250 49.6
11 -102.175 6.987
12絞 ∞ 11.889
13 29.860 5.500 1.49700 81.6
14 -756.010 1.500 1.80610 33.3
15 23.173 7.700 1.48749 70.4
16 -42.317 0.200
17 -269.215 1.200 1.83481 42.7
18 31.067 6.480 1.58913 61.2
19* -87.160 -
*は回転対称非球面である。
(表8)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 0.1383×10-4 -0.4108×10-8 0.5022×10-12
4 0.000 0.1280×10-4 0.5357×10-8 -0.4457×10-10
19 0.000 0.5692×10-5 0.3521×10-8
(表9)
各種データ
FNO. 4.1
f 25.70
M 0.00
W 54.7
Y 34.85
fB 62.30
L 190.84
M D12 fB
0.00 11.889 62.30
-0.03 11.043 63.15
[数値実施例4]
図10〜図12と表10〜表12は、本発明による広角レンズ系の数値実施例4を示している。図10は無限遠物体合焦時のレンズ構成図、図11はその諸収差図、図12はその横収差図である。表10はその面データ、表11はその非球面データ、表12はその各種データである。この数値実施例4のレンズ構成は、数値実施例2のレンズ構成と同様である。
(表10)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 110.492 3.500 1.88300 40.8
2 31.135 6.110
3* 49.200 7.500 1.83400 37.3
4* 27.814 17.850
5 -98.522 3.000 1.61800 63.4
6 85.909 10.940
7 81.829 8.950 1.62421 47.5
8 -73.479 29.964
9 53.869 6.000 1.59270 35.5
10 -31.638 1.200 1.80402 46.4
11 -200.647 10.705
12絞 ∞ 7.937
13 27.998 4.890 1.49700 81.6
14 91.191 1.200 1.81464 36.2
15 21.764 7.860 1.49700 81.6
16 -44.392 0.200
17 -103.694 1.200 1.83481 42.7
18 23.950 7.170 1.58913 61.2
19* -58.592 -
*は回転対称非球面である。
(表11)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 0.1166×10-4 -0.1309×10-8 -0.8734×10-12
4 0.000 0.9959×10-5 0.7123×10-8 -0.3706×10-10
19 0.000 0.4724×10-5 0.7670×10-9
(表12)
各種データ
FNO. 4.1
f 25.70
M 0.00
W 54.7
Y 34.85
fB 62.00
L 198.18
M D12 fB
0.00 7.937 62.00
-0.03 7.085 62.85
[数値実施例5]
図13〜図15と表13〜表15は、本発明による広角レンズ系の数値実施例5を示している。図13は無限遠物体合焦時のレンズ構成図、図14はその諸収差図、図15はその横収差図である。表13はその面データ、表14はその非球面データ、表15はその各種データである。この数値実施例5のレンズ構成は、数値実施例3のレンズ構成と同様である。
(表13)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 94.279 3.000 1.83481 42.7
2 30.594 10.240
3* 58.752 7.000 1.73077 40.5
4* 27.984 17.530
5 -85.593 2.500 1.60311 60.7
6 85.593 7.500
7 84.555 13.000 1.65844 50.8
8 -84.554 27.000
9 46.667 6.000 1.59270 35.5
10 -31.866 1.200 1.77250 49.6
11 -259.332 3.200
12絞 ∞ 16.220
13 27.648 6.000 1.48749 70.4
14 -858.635 1.200 1.80610 33.3
15 21.801 7.000 1.48749 70.4
16 -47.523 0.230
17 -269.059 1.200 1.83481 42.7
18 26.694 7.180 1.58313 59.4
19* -66.736 -
*は回転対称非球面である。
(表14)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 0.1266×10-4 -0.6694×10-8 0.1992×10-11
4 0.000 0.1050×10-4 -0.6700×10-8 -0.2564×10-10
19 0.000 0.4624×10-5 0.3098×10-8
(表15)
各種データ
FNO. 4.1
f 25.71
M 0.00
W 54.7
Y 34.85
fB 62.05
L 199.25
M D12 fB
0.00 16.220 62.05
-0.03 15.351 62.92
各数値実施例の各条件式に対する値を表16に示す。
(表16)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) Dab/|f1A| 0.450 0.410 0.750
条件式(2) |f1A|/f 1.416 3.129 1.396
条件式(3) ν1APmin 42.84 57.79 49.12
ν1BPmin 35.45 35.45 35.45
条件式(4) m2 0.276 0.192 0.255

実施例4 実施例5
条件式(1) Dab/|f1A| 0.510 0.582
条件式(2) |f1A|/f 2.286 1.805
条件式(3) ν1APmin 47.50 50.85
ν1BPmin 35.45 35.45
条件式(4) m2 0.248 0.283
表16から明らかなように、数値実施例1〜数値実施例5は、条件式(1)〜(4)を満足しており、また諸収差図から明らかなように諸収差は比較的よく補正されている。
G1 正の屈折力の第1レンズ群
G1A 負の屈折力の第1Aレンズ群
10 負レンズ
11 負レンズ
12 負レンズ
13 正レンズ
G1B 正の屈折力の第1Bレンズ群
14 正レンズ
15 負レンズ
16 接合レンズ
G2 正の屈折力の第2レンズ群
G2A 正の屈折力の第2Aレンズ群
20 正レンズ
21 負レンズ
22 正レンズ
23 接合レンズ
G2B 負の屈折力の第2Bレンズ群
24 負レンズ
25 正レンズ
26 接合レンズ
S 開口絞り
I 像面

Claims (9)

  1. 物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、
    前記第1Aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、及び物体側に凸面を向けた正レンズからなり、
    前記第1Bレンズ群は、物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズからなり、
    次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    (1)0.4<Dab/|f1A|<1.0
    (2)1.3<|f1A|/f<5.0
    但し、
    Dab;第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔、
    f1A;第1Aレンズ群の焦点距離、
    f;全系の焦点距離。
  2. 物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、
    前記第1Aレンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを有しており、
    前記第1Bレンズ群は、物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズからなり、
    次の条件式(1)、(2)及び(3)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    (1)0.4<Dab/|f1A|<1.0
    (2)1.3<|f1A|/f<5.0
    (3)ν1APmin>ν1BPmin
    但し、
    Dab;第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔、
    f1A;第1Aレンズ群の焦点距離、
    f;全系の焦点距離、
    ν1APmin;第1Aレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数のうち最も小さいd線に対するアッベ数、
    ν1BPmin;第1Bレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数。
  3. 物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、
    前記第1Aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、及び物体側に凸面を向けた正レンズからなり、
    前記第1Bレンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを有しており、
    次の条件式(1)、(2)及び(3)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    (1)0.4<Dab/|f1A|<1.0
    (2)1.3<|f1A|/f<5.0
    (3)ν1APmin>ν1BPmin
    但し、
    Dab;第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の空気間隔、
    f1A;第1Aレンズ群の焦点距離、
    f;全系の焦点距離、
    ν1APmin;第1Aレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数、
    ν1BPmin;第1Bレンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数のうち最も小さいd線に対するアッベ数。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の広角レンズ系において、前記第1レンズ群は、該第1レンズ群中の最大空気間隔を境に前記第1Aレンズ群と第1Bレンズ群に分けられる広角レンズ系。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の広角レンズ系において、前記第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群と負の屈折力の第2Bレンズ群からなり、前記第2Bレンズ群は、物体側から順に位置する負レンズと正レンズの接合レンズからなる広角レンズ系。
  6. 請求項5記載の広角レンズ系において、前記第2Aレンズ群は、物体側から順に位置する正レンズ、負レンズ及び正レンズの接合レンズからなる広角レンズ系。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の広角レンズ系において、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは前記第2レンズ群を物体側に移動させて行い、次の条件式(4)を満足する広角レンズ系。
    (4)0.1<m2<0.4
    但し、
    m2;無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率。
  8. 物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、及び正の屈折力の第2レンズ群から構成される広角レンズ系において、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1Aレンズ群と正の屈折力の第1Bレンズ群からなり、
    前記第1Aレンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、負レンズ、及び正レンズからなり、前記第1Bレンズ群は、正レンズと負レンズの接合レンズからなり、
    前記第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群と負の屈折力の第2Bレンズ群からなり、
    前記第2Bレンズ群は、負レンズと正レンズの接合レンズからなることを特徴とする広角レンズ系。
  9. 請求項8記載の広角レンズ系において、前記第2Aレンズ群は、正レンズ、負レンズ及び正レンズの接合レンズからなる広角レンズ系。
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