JP5600400B2 - 研磨装置及び研磨パッドの固定方法 - Google Patents

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本発明は、研磨パッドが固定された研磨装置及び研磨装置の定盤への研磨パッドの固定方法に関する。
近年、半導体集積回路の高密度化による配線の微細化や多層配線化が進んでおり、これに伴い、半導体製造工程においてウェハ表面の平坦化を目的とするCMP(Chemical Mechanical Polishing)法が一般的に採用されるようになった。CMP法は、必要により砥粒を分散するなどして調製したスラリー状の研磨液(研磨スラリー)を用いて、ウェハ等の被研磨物の被研磨面を研磨パッドに押し付けた状態で当該被研磨物を研磨する技術である。
CMP法に用いる研磨装置の多くは、研磨パッドを支持する定盤(プラテン)、ウェハ等の被研磨物を支持する支持台(キャリアヘッド)、および研磨スラリーの供給機構を備えており、対向するように配置された研磨パッドと被研磨物のそれぞれが回転しながら研磨スラリーの存在下に被研磨物が研磨パッドに押し付けられて研磨される機構を有している。
研磨工程において摩耗した研磨パッドは交換する必要があるため、研磨パッドは定盤に対して脱着可能に支持されている。研磨パッドは研磨工程中に発生する応力に耐えうる十分な強度で定盤に固定される必要があるが、一方で作業効率を高める観点からは研磨パッドの交換は簡便に行えることが好ましい。
従来より、研磨パッドは両面粘着テープによって定盤に固定されてきたが、両面粘着テープを用いた場合には研磨パッドを定盤から剥す時に粘着剤の一部が定盤表面に残存する問題が発生する。この状態で新たに別の研磨パッドを装着すると、研磨パッドの表面平坦性が損なわれるため、研磨精度が低下する。そのため、新たに研磨パッドを装着する前に定盤に残った粘着剤をあらかじめ完全に除去する作業が必要となるが、その作業は煩雑である。つまり、研磨パッドを従来のように両面粘着テープによって固定した場合には、研磨パッドの脱離操作を効率的に行うことができず、結果としてCMPの作業効率も低下する。定盤表面に粘着剤が残らないようにするために粘着剤の粘着力を低下させることが考えられるが、単純に低粘着性の粘着剤を使用すると研磨パッドが使用中に定盤から剥離してしまい、研磨パッドの使用寿命が短くなると共に、場合によっては研磨パッドの剥離により研磨中の被研磨物が飛散して崩壊し、研磨装置系内が汚染される恐れがある。
また、従来のように両面粘着テープにより研磨パッドを固定した場合には、一度定盤から研磨パッドを剥離するとその両面粘着テープの層は通常再利用できない。そのため、研磨前に新しい研磨パッドを定盤に固定する際に気泡が混入したり位置がずれたりして再度固定し直す必要性が生じても、剥がして修正することができず、研磨パッドが無駄になったり、CMPの作業効率が悪化したりする要因となる。
このような問題に関して、これまでに次のような研磨パッドが開発されている。例えば、粘着力を変動させ剥離し易くすることを利用した研磨パッドが知られている。すなわち、特定の温度範囲よりも狭い温度範囲にわたって起こる第1次溶融転移を有するポリマーや特定の側鎖結晶化可能ポリマーを含有した感圧接着剤層を使用した研磨布が知られている(特許文献1及び2参照)。これらの研磨布は、温度の降下や上昇により接着剤層の接着力が変化する現象を利用したものである。
また、定盤との接着面に使用される粘着剤に特定の化合物を配合しておき、加熱、超音波照射あるいは紫外線照射により気体を発生させたり、架橋を生じさせたりして接着力が低下するようにした研磨パッドが知られている(特許文献3参照)。
一方、被接着部同士を剥離可能に接着させる手段として面ファスナーが知られている。多くの面ファスナーは、ループ状係合素子を布帛等の基材の一面に立設した雌側面ファスナー部材と、当該ループ状係合素子に係合することができる鈎形状、矢じり状、きのこ状等のフック状係合素子を布帛等の基材の一面に立設した雄側面ファスナー部材とからなる。そして、この両者を面圧接することによって両部材を接合し、該各部材を取付けた両被着部を一体的に接合固定することができる。このような面ファスナーは、着脱容易な点で衣料や靴、鞄等の開閉部の止め具として、また列車や飛行機等を代表例とする座席等のシートカバーあるいは寝具シートカバー等の取付け具として、広く利用されている。
そして、このような面ファスナーを研磨パッド固定手段とすることも知られており、例えば、車両表面の仕上げに使用される研磨装置などにおいて研磨パッドを保持部に保持する手段として面ファスナーを用いる技術が開示されている(特許文献4参照)。また、ガラス面に付着した水垢等を除去するためのバイブレーションサンダーやダブルアクションサンダーなどに使用されるパッド、自動車の板金部分のエクボ補修作業において使用されるシングル回転式のサンダー用研磨パッド、あるいはエアサンダー等の動力研磨装置に使用される研磨パッドのそれぞれにおいて、面ファスナーを研磨パッドの固定手段とすることが知られている(特許文献5〜7参照)。
特開平8−293477号公報 特開2000−77366号公報 特開2005−34940号公報 特開平11−28656号公報 特開2003−300169号公報 特開2004−148480号公報 特開2004−188004号公報
しかしながら、粘着力を変動させる前記方法では、研磨布(研磨パッド)を定盤から取り外す際に温度を変化させたり、超音波や紫外線を照射する必要があり、時間がかかる上、操作性や設備導入コストが悪化するという欠点を有している。また、何れの研磨パッドも一度剥離すると再利用は不可能となる。
一方、研磨パッドの固定手段として面ファスナーを単に用いる前記方法では、例えば、半導体ウェハ基板や、半導体ウェハ基板上に形成された酸化膜や微細なパターン(回路)における微小な凹凸をCMP法などを利用して平坦化する際など、より精密な平坦化が要求される場合において、研磨速度等の研磨性能が劣ることがあった。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、半導体ウェハ基板や、半導体ウェハ基板上に形成された酸化膜や微細なパターン(回路)における微小な凹凸を平坦化する研磨工程(例えば、CMP法による研磨工程等)などにおいて好適に使用することのできる研磨装置であって、研磨パッドの定盤への係合力が大きいにも関わらず繰り返し脱着が可能なため研磨パッドの交換や固定のやり直しが容易で取り扱い性に優れ、しかも研磨速度等の研磨性能にも優れた研磨装置を提供することを目的とする。
また、大きな係合力で研磨パッドを定盤へ固定することができるとともに、研磨パッドを繰り返し脱着することができ研磨パッドの交換や固定のやり直しが容易で取り扱い性に優れ、しかも研磨パッドの固定後に優れた研磨性能を発揮することのできる研磨パッドの固定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく本発明者らが検討を重ねた結果、研磨パッドの定盤への固定手段として特定の面ファスナーを用いることにより、研磨速度等の研磨性能を損なうことなく研磨パッドを大きな係合力で定盤に固定することができ、しかも、研磨パッドの貼り位置の修正や貼り替えを容易にすることができることを見出し、当該知見に基いてさらに検討を重ねて、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
<1> 定盤と、該定盤に面ファスナーを介して固定された研磨パッドとを有し、
前記面ファスナーが、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のフック状係合素子を有する面ファスナー部材(a)と、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のループ状係合素子を有する面ファスナー部材(b)とからなり、
面ファスナー部材(a)における前記複数のフック状係合素子のフック密度が15個/cm2以上300個/cm2以下であり、面ファスナー部材(b)における前記複数のループ状係合素子のループ高さが0.5mm以上3.0mm以下であり、面ファスナー部材(b)の目付け量が50g/m2以上600g/m2以下であり、面ファスナー部材(a)における前記複数のフック状係合素子のフック高さに対する面ファスナー部材(b)における前記ループ高さの割合(ループ高さ/フック高さ)が0.5以上である研磨装置である。
<2> 前記面ファスナー部材(a)におけるフック高さに対する面ファスナー部材(b)におけるループ高さの割合(ループ高さ/フック高さ)が、0.5以上3.0以下である<1>に記載の研磨装置である。
<3> 前記面ファスナー部材(a)におけるフック高さが、0.3mm以上2.0mm以下である<1>または<2>に記載の研磨装置である。
<4> 前記面ファスナー部材(b)の目付け量を前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さで除した値(目付け量/ループ高さ)が、50(g/m2)/mm以上300(g/m2)/mm以下である<1>〜<3>のいずれかに記載の研磨装置である。
<5> 前記面ファスナー部材(b)の目付け量と前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さとの積が、50(g/m2)・mm以上1,500(g/m2)・mm以下である<1>〜<4>のいずれかに記載の研磨装置である。
<6> 半導体ウェハ研磨用装置である<1>〜<5>のいずれかに記載の研磨装置である。
<7> 基材及び該基材の係合させる側の面に複数のフック状係合素子を有する面ファスナー部材(a)と、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のループ状係合素子を有する面ファスナー部材(b)とから構成される面ファスナーにより、研磨装置の定盤に研磨パッドを固定する研磨パッドの固定方法であって、
前記複数のフック状係合素子のフック密度が15個/cm2以上300個/cm2以下である面ファスナー部材(a)、及び、前記複数のループ状係合素子のループ高さが0.5mm以上3.0mm以下であり、目付け量が50g/m2以上600g/m2以下であり、面ファスナー部材(a)における前記複数のフック状係合素子のフック高さに対する前記ループ高さの割合(ループ高さ/フック高さ)が0.5以上である面ファスナー部材(b)のいずれかを、前記定盤における研磨パッドの固定位置に基材の係合させる側と反対側の面で固定し、
前記面ファスナー部材(a)及び面ファスナー部材(b)のうち、前記定盤に固定しなかった面ファスナー部材を、前記研磨パッドに基材の係合させる側と反対側の面で固定し、
前記面ファスナー部材(a)及び面ファスナー部材(b)を係合面で圧接し接合させることにより、前記定盤に研磨パッドを固定する研磨パッドの固定方法である。
<8> 前記面ファスナー部材(a)におけるフック高さに対する面ファスナー部材(b)におけるループ高さの割合(ループ高さ/フック高さ)が、0.5以上3.0以下である<7>に記載の研磨パッドの固定方法である。
<9> 前記面ファスナー部材(a)におけるフック高さが、0.3mm以上2.0mm以下である<7>または<8>に記載の研磨パッドの固定方法である。
<10> 前記面ファスナー部材(b)の目付け量を前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さで除した値(目付け量/ループ高さ)が、50(g/m2)/mm以上300(g/m2)/mm以下である<7>〜<9>のいずれかに記載の研磨パッドの固定方法である。
<11> 前記面ファスナー部材(b)の目付け量と前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さとの積が、50(g/m2)・mm以上1,500(g/m2)・mm以下である<7>〜<10>のいずれかに記載の研磨パッドの固定方法である。
<12> 前記研磨装置が半導体ウェハ研磨用装置である<7>〜<11>のいずれかに記載の研磨パッドの固定方法である。
本発明の研磨装置は、研磨パッドの定盤への係合力が大きく、かつ繰り返し脱着が可能であることにより研磨パッドの交換や固定のやり直しが容易で取り扱い性に優れ、しかも研磨速度等の研磨性能にも優れる。また、本発明の研磨パッドの固定方法によれば、大きな係合力で研磨パッドを定盤へ固定することができるとともに、研磨パッドを繰り返し脱着することができ、研磨パッドの交換や固定のやり直しが容易で取り扱い性に優れ、しかも研磨パッドの固定後に優れた研磨性能を発揮することが可能となる。
実施形態の研磨装置の一例を示す概略構成図である。 面ファスナー部材を固定した研磨パッド及び定盤の接合前の状態の例を示す模式的拡大図である。
以下、本発明を実施形態により説明する。
本実施形態の研磨装置は、定盤と、該定盤に面ファスナーを介して固定された研磨パッドとを有し、前記面ファスナーが、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のフック状係合素子を有する面ファスナー部材(a)と、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のループ状係合素子を有する面ファスナー部材(b)とからなる。
図1は、本実施形態の研磨装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す研磨装置は、CMP法による半導体ウェハの研磨工程などにおいて好適に使用される研磨装置である。図1において、定盤回転軸12により回転駆動される定盤(プラテン)14上に研磨パッド16が取り付けられている。研磨パッド16に対向するようにウェハ10をセットしたキャリアヘッド20がキャリアヘッド回転軸22に取り付けられている。そして、研磨パッド16上にスラリー供給ノズル26から研磨剤(研磨粒子を含む)を含む研磨液(研磨スラリー)28を供給し、研磨圧力調整器24により研磨圧力を調整するように構成されている。
そして、研磨パッド16は定盤14上に前記構成の面ファスナー(図示せず)により固定されている。
(面ファスナー)
本実施形態で用いることのできる面ファスナーとしては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリ塩化ビニル系繊維等の繊維を製編織して得た編製または織製面ファスナー;ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体、塩化ビニル系重合体、ポリウレタン、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーン系樹脂、その他の熱可塑性重合体、熱硬化性重合体等の合成樹脂を成形して得た成形面ファスナー;などが挙げられる。
上記面ファスナーとしては、製編織基材、シート状基材などの基材の一表面に、例えば、鈎状、矢じり状、きのこ状等のフック状係合素子や、後述する繊維素材をループ状にする、あるいは繊維素材をアーチ状にして基材とともにループを構成させるなどして形成したループ状係合素子を、多数配設することにより係合機能を持たせた面ファスナー部材からなるものが挙げられる。
本実施形態に用いる面ファスナー部材における基材の厚みとしては、0.3〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。面ファスナー部材における基材の裏面(フック状係合素子やループ状係合素子が配設されていない面)には、ホットメルト系接着剤(例えば、溶融温度が100℃以上のもの)が部分的にまたは全体に塗布されていてもよい。この場合、面ファスナー部材の基材に対してホットメルト系接着剤からなる層が部分的または全体に積層されることになる。
本実施形態の研磨装置に使用される面ファスナーを構成する面ファスナー部材(a)は、基材の係合させる側の面に複数のフック状係合素子を有する。該フック状係合素子は、例えば、合成繊維のモノフィラメントから形成することができる。該合成繊維のモノフィラメントの太さとしては、100〜900dtexの範囲内であることが好ましく、200〜600dtexの範囲内であることがより好ましい。また、前記合成繊維のモノフィラメントを構成する素材としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン等が挙げられるが、場合によっては、より剛性の高い全芳香族ポリエステル、パラ系アラミド等のハイパフォーマンス素材であってもよい。
面ファスナー部材(a)における複数のフック状係合素子のフック高さは0.3mm以上2.0mm以下であることが好ましく、0.4mm以上1.6mm以下であることがより好ましい。フック高さが0.3mm以上2.0mm以下であると、より高い係合力が得られるとともに、研磨時の横ブレや被研磨物(ウェハ等)の研磨ヘッドからの飛び出しをより確実に抑制することができる。なお、前記フック高さは実施例の項目において後述する方法により測定することができる。
また、面ファスナー部材(a)における前記複数のフック状係合素子のフック密度は15個/cm2以上300個/cm2以下であることが必要である。フック密度が15個/cm2未満の場合は係合力が乏しく、研磨中に面ファスナー部材間のズレが生じ易くなり、しかも研磨速度が低下する。一方、面ファスナー部材(a)におけるフック密度が300個/cm2を超えると、フック状係合素子が、面ファスナー部材(b)が有するループ状係合素子に食い込み難くなり、係合力が大幅に低下するため研磨圧力に耐えられなくなるとともに、研磨速度が低下する。
係合力や研磨速度の観点から、面ファスナー部材(a)におけるフック密度は15個/cm2以上260個/cm2以下であることが好ましく、20個/cm2以上100個/cm2以下であることがより好ましい。なお、前記フック密度は実施例の項目において後述する方法により測定することができる。
一方、本実施形態の研磨装置に使用される面ファスナーを構成する面ファスナー部材(b)は、基材の係合させる側の面に複数のループ状係合素子を有する。該ループ状係合素子は、例えば、合成繊維のマルチフィラメントから形成することができる。該合成繊維のマルチフィラメントの太さ(単繊維繊度)としては、2〜60dtexの範囲内であることが好ましく、10〜30dtexの範囲内であることがより好ましい。また、合成繊維のマルチフィラメントとしては合成繊維の単糸を2〜50本まとめたものを使用することができる。上記合成繊維のマルチフィラメントを構成する素材としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン等が挙げられる。
面ファスナー部材(b)における前記複数のループ状係合素子のループ高さは、0.5mm以上3.0mm以下であることが必要である。ループ高さが0.5mmより小さいと係合力が乏しくて研磨パッドを定盤に固定することが困難となり、一方、ループ高さが3.0mmより大きいと面ファスナー部材間のズレが生じ易くなったり、また縦方向の柔軟性が大きくなりすぎて、研磨速度が過度に低下する。
係合力や研磨速度の観点から、面ファスナー部材(b)におけるループ高さは、0.8mm以上2.5mm以下であることが好ましく、1.2mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。なお、前記ループ高さは実施例の項目において後述する方法により測定することができる。
また、面ファスナー部材(b)の目付け量は50g/m2以上600g/m2以下であることが必要である。目付け量が50g/m2より小さいと係合力が乏しくて研磨パッドを定盤に固定することが困難となり、一方、目付け量が600g/m2より大きいと良好な研磨速度が得られない。
係合力や研磨速度の観点から、面ファスナー部材(b)の目付け量は75g/m2以上550g/m2以下であることが好ましく、100g/m2以上300g/m2以下であることがより好ましい。なお、前記目付け量は、面ファスナー部材(b)の質量を測定し、これを面ファスナー部材(b)の基材の係合させる側の面の面積で除すことにより求めることができる。
さらに面ファスナー部材(b)において、前記目付け量を前記ループ高さで除した値(目付け量/ループ高さ)は50(g・m2)/mm以上300(g・m2)/mm以下であることが好ましい。当該値が上記範囲にあることにより、面ファスナー部材(b)におけるループ状係合素子の密度が適度な範囲となり、フック状係合素子がループ状係合素子間に良好に挿入され、より高い係合力を得ることができる。
また、面ファスナー部材(b)において、前記目付け量と前記ループ高さとの積は50(g/m2)・mm以上1,500(g/m2)・mm以下であることが好ましい。当該積がこの範囲にあると、ループ高さが適度な値となり、より高い係合力を得ることができるとともに、研磨時におけるループ状係合素子のヘタリによる研磨速度の低下をより確実に抑制することができる。
さらに、面ファスナー部材(a)における前記フック高さに対する面ファスナー部材(b)における前記ループ高さの割合、すなわちループ高さをフック高さで除した値(ループ高さ/フック高さ)は0.5以上である必要がある。当該割合が0.5未満の場合には研磨速度が低下する。また当該割合があまりに大きすぎると、面ファスナー部材(b)が有するループ状係合素子の上部に面ファスナー部材(a)が有するフック状係合素子が乗った形になるなどして係合部が柔軟になり研磨速度が低下する傾向がある。
より大きな研磨速度が得られることから、上記割合は0.5以上3.0以下であることが好ましく、0.8以上2.5以下であることがより好ましい。
本実施形態の研磨装置においては、研磨パッドが前記面ファスナーを介して研磨装置の定盤に固定されている。
図2に、面ファスナー部材を固定した研磨パッド及び定盤の接合前の状態の例を示す模式的拡大図を示す。本実施形態において、研磨パッド36と定盤34との間に介在する前記面ファスナーの向きには特に制限はなく、面ファスナー部材(a)30及び面ファスナー部材(b)32のいずれを研磨パッド36あるいは定盤34に固定してもよい。
すなわち、図2(A)に示すように、面ファスナー部材(a)30における基材30aの裏面(複数のフック状係合素子30bを有しない側の面)に研磨パッド36が位置し、面ファスナー部材(b)32における基材32aの裏面(複数のループ状係合素子32bを有しない側の面)に定盤34が位置する態様でも、反対に図2(B)に示すように、面ファスナー部材(a)30における基材30aの裏面に定盤34が位置し、面ファスナー部材(b)32における基材32aの裏面に研磨パッド36が位置する態様でもどちらでもよい。
また研磨パッド36は、一対の面ファスナー部材からなる1つの面ファスナーを介して定盤34に固定されていても、二対以上の面ファスナー部材からなる2つ以上の面ファスナーを介して定盤34に固定されていてもどちらでもよい。研磨パッド36が2つ以上の面ファスナーを介して定盤34に固定されている場合には、個々の面ファスナーの向きは互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、研磨パッド36と定盤34との間に介在する前記面ファスナーは、研磨パッド36の定盤側の面の全面に配置されていても当該面の一部に部分的に配置されていてもよいが、より均一な研磨を達成する観点から、全面に配置されていることが好ましい。
個々の面ファスナー部材と研磨パッド36または定盤34とは、面ファスナー部材の基材に対して積層されたホットメルト接着剤からなる層により固定されていても、感圧接着剤(感圧粘着剤を含む)により固定されていてもよい。また上記ホットメルト接着剤からなる層と研磨パッドまたは定盤との間に感圧接着剤を介することにより面ファスナー部材と研磨パッド36または定盤34とを固定することもできる。
前記ホットメルト接着剤としては、公知の物を特に制限なく使用できる。例えば、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリウレタン樹脂系、及びポリオレフィン樹脂系などが挙げられる。
前記感圧接着剤としては、例えば、アクリレート系重合体;メタクリレート系重合体;ポリイソプレン系、ポリブタジエン系、クロロプレン系等の合成または天然ゴム;などを基剤重合体とし、該基剤重合体に粘着付与剤、粘着調整剤、架橋剤、安定剤等を配合して得られたものなどを用いることができる。
また、上記のホットメルト接着剤や感圧接着剤以外にも、2液硬化タイプのエポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル重合系接着剤、シリコーン系接着剤などにより個々の面ファスナー部材と研磨パッドまたは定盤とを固定することもできる。
前記感圧接着剤は面ファスナー部材の基材面またはホットメルト接着剤からなる層上に、公知の塗布方法により点状、線状または面状に付与することができる。また、感圧接着剤は研磨パッドまたは定盤の側に、公知の塗布方法により点状、線状または面状に付与することもできる。感圧接着剤の付与量は個々の面ファスナー部材と研磨パッドまたは定盤とを固定することができる範囲内でなるべく少ない量であることが好ましく、具体的な塗布量としては、塗布厚みとして10〜100μmの範囲内であることが好ましく、また塗布面積として、個々の面ファスナー部材における基材の固定側の面の面積の50%以下であることが好ましく、5〜30%の範囲内であることがより好ましい。
(研磨パッド)
本実施形態において使用される研磨パッドに特に制限はなく、研磨層1層のみからなる単層型研磨パッドや研磨層とクッション層とが積層された複層型研磨パッドを使用することができる。研磨パッドの形状としては研磨装置の種類などにもよるが、円盤状であることが好ましい。
前記の研磨層を構成する素材に特に制限はなく、例えば、公知の合成または天然の高分子を1種単独で使用してまたは2種類以上を併用して、当該研磨層を構成することができる。研磨層の素材として使用される高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。これらの中でも、得られる研磨パッドの引張物性、耐摩耗性、耐薬品性の観点から、ポリウレタンが好ましい。研磨層は発泡構造を有していても無発泡構造を有していてもよいが、長寿命であることから無発泡構造であることが好ましい。
前記の研磨層は、上記高分子からなるシートから製造することができる。当該シートは上記高分子を押出機により押出して製造することができ、具体的には、例えば、T−ダイを装着した押出機を使用して、上記高分子を溶融押出する方法を採用することができる。押出機としては、単軸押出機、二軸押出機等を使用することができる。また上記シートは、上記高分子からなるブロックを予め製造しておき、これをスライスして製造することもできる。
上記シートの厚さとしては、目的とする研磨層の厚さに応じて適宜設定することができるが、1.0〜4.0mmの範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0mmの範囲内であることがより好ましく、2.0〜2.5mmの範囲内であることがさらに好ましい。
得られたシートは、必要に応じて、裁断、打ち抜き、切削等により所望の寸法、形状に加工したり、研削等により所望の厚さに加工して研磨層とすることができる。また研磨層には、必要に応じて、格子状、同心円状、螺旋状、三角格子状又は放射状等のパターンを有する溝や、貫通孔等の穴を形成してもよい。
研磨層の厚さとしては、研磨パッドが単層型研磨パッドである場合には、0.8〜4.0mmの範囲内であることが好ましく、0.8〜3.0mmの範囲内であることがより好ましい。一方、研磨パッドがクッション層を有する複層型研磨パッドである場合には、0.3〜2.0mmの範囲内であることが好ましく、0.5〜1.8mmの範囲内であることがより好ましい。研磨層の厚さがあまりに薄いと、研磨層の硬度の効果が十分に得られにくく研磨均一性が低下する場合がある。また特にクッション層を有する場合において、研磨層の厚さがあまりに厚いと、被研磨物全体の反りやうねりに対するクッション層の追従効果が低下する場合がある。
前記クッション層を構成する素材に特に制限はなく、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布等の繊維不織布;ポリウレタンを含浸させた繊維不織布(例えば、ニッタ・ハース株式会社製「Suba400」等)のような樹脂含浸不織布;ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等の高分子発泡体;天然ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等のゴム;ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリウレタン;感光性樹脂;などが挙げられるが、クッション層に必要な柔軟性を有することから、高分子発泡体や熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリウレタンフォーム、熱可塑性ポリウレタンエラストマーがより好ましい。
前記クッション層の厚さは0.5〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。クッション層の厚さが0.5mm未満の場合には、被研磨物全体の反りやうねりに対する追従効果が低下する場合があり、一方、3.0mmを超える場合には、研磨パッド全体が柔らかくなりすぎるため、研磨パッドを定盤に貼り付けて研磨を行う際に定盤の回転を研磨層に十分に伝えることができず研磨の安定性が低下する場合がある。クッション層の厚さとしては1〜2.5mmの範囲内であることがより好ましい。
なお、前記の複層型研磨パッドは、研磨層とクッション層とが直接接合しているものの他、接着剤や両面粘着テープ等により両層が接着されたものや、両層の間にさらに別の層が存在するものも含む。
(定盤)
本実施形態の研磨装置が有する定盤に特に制限はないが、面ファスナーを介して固定される研磨パッドを回転させることができることから、回転定盤であることが好ましい。当該回転は定盤駆動モーターにより行うことができる。
本実施形態の研磨装置には、上記定盤、面ファスナーおよび研磨パッド以外に、所望により、被研磨物を支持するためのキャリアヘッド、該キャリアヘッドを回転させるための駆動モーター、研磨スラリーを供給するためのスラリー供給機構、研磨圧力を調整するための研磨圧力調整器、研磨終点を把握するための研磨終点検出装置等をさらに有していてもよい。
本実施形態の研磨装置は、公知の研磨スラリーと共に、CMP法による研磨に使用することができる。研磨スラリーが含有することのできる成分としては、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素等の研磨剤;塩基、酸、酸化剤、界面活性剤、キレート剤などが挙げられる。また、CMP法による研磨を行うに際し、必要に応じ、研磨スラリーとともに、潤滑油、冷却剤等を併用してもよい。
CMP法による研磨は、研磨スラリーを介して被研磨物と研磨パッドとを、加圧下、一定速度で、一定時間接触させることによって実施することができる。研磨前や研磨中には、ダイヤモンドドレッサー等のドレッサーを使用して研磨パッドをコンディショニングすることが好ましい。
被研磨物となる物品に特に制限はなく、例えば、水晶、シリコン、ガラス、光学基板、電子回路基板、多層配線基板、ハードディスク、半導体ウェハ基板(ベアシリコンウェハ基板や化合物半導体ウェハ基板等)などが挙げられるが、本実施形態における研磨パッドは、半導体ウェハを研磨する用途、特に半導体ウェハ基板そのものや、半導体ウェハ基板上に形成された酸化膜や微細なパターン(回路)を研磨する用途に好ましく使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
<各測定・評価方法>
以下に、実施例または比較例において採用した、面ファスナー部材におけるフック高さ、ループ高さ及びフック密度、面ファスナー部材の目付け量、さらに研磨装置の研磨性能および係合力の各測定または評価方法を示す。
(面ファスナー部材におけるフック高さまたはループ高さの測定方法)
松浪硝子工業(株)製スライドガラス「Matsunami Micro Slide Glass S1127 白切放 No.2」(サイズ:76mm×26mm×1.0mm)2枚を両面粘着テープにより重ねてガラス製圧縮板(サイズ:76mm×26mm×2.0mm)を作製した。この際に76mm×2.0mmの面が平坦になるように注意した。このようなガラス製圧縮板を2つ用意した。また、面ファスナー部材より幅2mm、長さ20mmの短冊状のサンプルを切り出した。
次に、(株)科学共栄社製実体顕微鏡「KENIS Stereoscopic Microscope Model DAL」のガラス製のステージ上に、上記短冊状のサンプルを断面方向が上下方向(観察光軸方向)となるように配置し、さらに、上記2つのガラス製圧縮板をステージ上に配置した。この際、2つのガラス製圧縮板のそれぞれが有する一方の76mm×2.0mmの面2つにより、上記サンプルの基材面に対し垂直方向の荷重を当該サンプルにかけることができるようにした。続いて、手で2つのガラス製圧縮板を約1秒ほど押し付けることにより、上記サンプルの基材面に対し垂直方向の荷重を当該サンプルにかけ、その後、手を離した。サンプルの反発力でガラス製圧縮板が移動した後の2つの76mm×2.0mmの面間の距離を測定し、当該距離からサンプルの基材の厚さを差し引いた値を、各々フック高さまたはループ高さとした。
(面ファスナー部材におけるフック密度の測定方法)
面ファスナー部材におけるフック密度は、面ファスナー部材の係合させる側の面から1cm四方の区画を任意に選び、当該区画内に存在するフック状係合素子の数を数えることにより求めた。
(面ファスナー部材の目付け量の測定方法)
面ファスナー部材の目付け量は、電子天秤(日本シイベルヘグナー(株)製「PB602」)により面ファスナー部材の質量を測定し、当該質量を面ファスナー部材の面積(基材の係合させる側の面の面積)で除すことにより求めた。
(研磨装置の研磨性能の評価方法)
以下の実施例または比較例において記載されるように、エム・エー・ティー社製研磨装置「MAT−BC15」上に固定された研磨パッドを、(株)アライドマテリアルズ製ダイヤモンドドレッサー(#100−被覆率80%、直径10cm、質量1kg)を用い、蒸留水を150mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数40rpmにて1時間研磨パッド表面を研削した(以下、「シーズニング」と称する)。
次に、定盤回転数100rpm、キャリアヘッド回転数99rpm、研磨圧力2.4×10-2MPa(3.5psi)または3.4×10-2MPa(5.0psi)の条件において、キャボット社製研磨スラリー「SS25」を蒸留水で2倍に希釈した液を120mL/分の速度で供給しつつ、酸化膜表面を有する直径10cm(4インチ)の酸化膜シリコンウェハを60秒間研磨し、次いで、再びシーズニングを前記条件で30秒間行った。研磨前および研磨後の酸化膜シリコンウェハの質量を計量し、研磨前質量から研磨後質量を差し引いた値を、二酸化ケイ素の比重および酸化膜シリコンウェハの被研磨面の面積で除すことにより、一分間当りの研磨速度を算出した。
(係合力の評価方法)
上記研磨装置の研磨性能の評価中における研磨パッド端部の剥がれや反り状態を目視で観察し、面ファスナー部材間の係合力を以下の基準により評価した。
○:研磨後も研磨前の係合状態が維持されていた。
△:端部の面ファスナー部材間に剥離が認められたものの研磨はできた。
×:研磨中に面ファスナー部材間が大きくずれ研磨を継続することができなかった。
<研磨パッドの製造>
数平均分子量2000のポリ(テトラメチレングリコール)[略号:PTMG2000]、数平均分子量2000のポリ(2−メチル−1,8−オクタメチレン−co−ノナメチレンアジペート)[略号:PNOA、ノナメチレン単位と2−メチル−1,8−オクタメチレン単位とのモル比:7対3]、1,4−シクロヘキサンジメタノール[略号:CHDM]、1,4−ブタンジオール[略号:BD]、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG2000:PNOA:CHDM:BD:MDIの質量比が20.1:8.4:5.7:14.2:51.6となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機(シリンダー径(単径):30mm、シリンダー長/シリンダー径(単径)=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行った。次いで、生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物を、ストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、熱可塑性ポリウレタンを製造した。
得られた熱可塑性ポリウレタンを単軸押出成形機(シリンダー径:90mm)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にてT−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。得られたシートの表面を研削し厚さ1.5mmの均一なシートとした後、その片方の面に幅2.2mm、深さ1.2mmの溝を15.0mm間隔で格子状に形成し、直径38cmの円盤状の研磨パッドを作製した。
<実施例1〜7、参考例1〜2および比較例1〜7>
以下の表1、表2に記載した面ファスナー部材(a)(基材の片面に係合素子として多数のフック状係合素子のみを有する雄側面ファスナー部材)の基材の裏面(フック状係合素子を有しない側の面)に、両面テープ(積水化学工業(株)製:ダブルタックテープ#5605HG)を貼り合わせ、次いで当該両面テープを介して各面ファスナー部材(a)を、前記製造した円盤状研磨パッドの裏面(溝が形成されていない側の面)の全面に接着した。
一方、表1、表2に記載した面ファスナー部材(b)(基材の片面に係合素子として多数のループ状係合素子のみを有する雌側面ファスナー部材)の基材の裏面(ループ状係合素子を有しない側の面)に両面テープ(積水化学工業(株)製:ダブルタックテープ#5605HG)を貼り合わせ、次いで当該両面テープを介して各面ファスナー部材(b)をエム・エー・ティー社製研磨装置「MAT−BC15」の回転定盤上における研磨パッドが固定される部分の全面に固定した。
次に、上記の面ファスナー部材(a)の係合面と面ファスナー部材(b)の係合面とを合わせることにより、研磨パッドをこれらの面ファスナー部材からなる面ファスナーを介して研磨装置の回転定盤に固定した。
この研磨装置を用いて、上記の方法により研磨装置の研磨性能を評価するとともに、係合力の評価を行った。結果を表1、表2に示した。
Figure 0005600400
Figure 0005600400
上記の実施例1〜7、参考例1〜2の結果から、本発明の規定を満たす研磨装置は、研磨パッドの定盤への係合力が大きく、しかも研磨速度にも優れることが分かる。特に実施例1〜7の研磨装置においては、研磨速度がより向上していた。
これに対して、比較例1〜7においては、研磨速度が実用レベル以下であって研磨性能に劣った。また、比較例1、2および4においては係合力も十分ではなかった。なお、比較例3および5においては、研磨圧力を加えた初期段階で研磨パッドのズレが生じ、異音がしたため、試験を中止した。
本発明の研磨装置および研磨パッドの固定方法は、半導体ウェハ基板や、半導体ウェハ基板上に形成された酸化膜や微細なパターン(回路)における微小な凹凸を平坦化する研磨工程(例えば、CMP法による研磨工程等)などにおいて好適に使用することができる。
10:ウェハ
12:定盤回転軸
14、34:定盤(プラテン)
16、36:研磨パッド
20:キャリアヘッド
22:キャリアヘッド回転軸
24:研磨圧力調整器
26:スラリー供給ノズル
28:研磨液(研磨スラリー)
30:面ファスナー部材(a)
32:面ファスナー部材(b)

Claims (8)

  1. 定盤と、該定盤に面ファスナーを介して固定された研磨パッドとを有し、
    前記面ファスナーが、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のフック状係合素子を有する面ファスナー部材(a)と、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のループ状係合素子を有する面ファスナー部材(b)とからなり、
    面ファスナー部材(a)における前記複数のフック状係合素子のフック密度が15個/cm2以上300個/cm2以下であり、面ファスナー部材(b)における前記複数のループ状係合素子のループ高さが0.5mm以上3.0mm以下であり、面ファスナー部材(b)の目付け量が50g/m2以上600g/m2以下であり、面ファスナー部材(a)における前記複数のフック状係合素子のフック高さに対する面ファスナー部材(b)における前記ループ高さの割合(ループ高さ/フック高さ)が0.5以上2.5以下である、半導体ウェハ及び半導体ウェハ基板を研磨するための研磨装置。
  2. 前記面ファスナー部材(a)におけるフック高さが、0.3mm以上2.0mm以下である請求項1に記載の研磨装置。
  3. 前記面ファスナー部材(b)の目付け量を前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さで除した値(目付け量/ループ高さ)が、50(g/m2)/mm以上300(g/m2)/mm以下である請求項1又は2に記載の研磨装置。
  4. 前記面ファスナー部材(b)の目付け量と前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さとの積が、50(g/m2)・mm以上1,500(g/m2)・mm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨装置。
  5. 基材及び該基材の係合させる側の面に複数のフック状係合素子を有する面ファスナー部材(a)と、基材及び該基材の係合させる側の面に複数のループ状係合素子を有する面ファスナー部材(b)とから構成される面ファスナーにより、半導体ウェハ及び半導体ウェハ基板を研磨するための研磨装置の定盤に研磨パッドを固定する研磨パッドの固定方法であって、
    前記複数のフック状係合素子のフック密度が15個/cm2以上300個/cm2以下である面ファスナー部材(a)、及び、前記複数のループ状係合素子のループ高さが0.5mm以上3.0mm以下であり、目付け量が50g/m2以上600g/m2以下であり、面ファスナー部材(a)における前記複数のフック状係合素子のフック高さに対する前記ループ高さの割合(ループ高さ/フック高さ)が0.5以上2.5以下である面ファスナー部材(b)のいずれかを、前記定盤における研磨パッドの固定位置に基材の係合させる側と反対側の面で固定し、
    前記面ファスナー部材(a)及び面ファスナー部材(b)のうち、前記定盤に固定しなかった面ファスナー部材を、前記研磨パッドに基材の係合させる側と反対側の面で固定し、
    前記面ファスナー部材(a)及び面ファスナー部材(b)を係合面で圧接し接合させることにより、前記定盤に研磨パッドを固定する研磨パッドの固定方法。
  6. 前記面ファスナー部材(a)におけるフック高さが、0.3mm以上2.0mm以下である請求項に記載の研磨パッドの固定方法。
  7. 前記面ファスナー部材(b)の目付け量を前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さで除した値(目付け量/ループ高さ)が、50(g/m2)/mm以上300(g/m2)/mm以下である請求項又はに記載の研磨パッドの固定方法。
  8. 前記面ファスナー部材(b)の目付け量と前記面ファスナー部材(b)におけるループ高さとの積が、50(g/m2)・mm以上1,500(g/m2)・mm以下である請求項のいずれか1項に記載の研磨パッドの固定方法。
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