JP5599933B1 - パルプモールド製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パルプ原料液20の濃度変動を抑制しつつ、装置の大型化を招くことなく、成形型面11や成形型面11を覆う網110を洗浄できるようにする。
【解決手段】 成形型面11を覆う網110上にパルプ原料の成形体31を形成し、成形型1をパルプ原料液20から引き上げて前記網110上に形成された成形体31を取り出した後、当該成形型1を再びパルプ原料液20へ浸漬して吸引するパルプモールド製造装置。ノズル孔40を配列して成るシャワーノズル45から水を噴射することにより、パルプ原料液20へ浸漬される前の成形型面11及び該成形型面11を覆う網110を洗浄するシャワー装置4を有し、シャワーノズル45は、成形型1を背後で支持する支持体5の支持面に対して、前記ノズル孔40の配列平面と交差する方向へ相対的に進行するように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、パルプモールド成形品の製造装置と製造方法に関する。詳しくは、成形型面に開口する管を通してパルプ原料液を吸引することにより成形型面を覆う網上にパルプ原料の成形体を形成し、成形型をパルプ原料液から引き上げて前記網上に形成された成形体を取り出した後、当該成形型を再びパルプ原料液へ浸漬して吸引する、パルプモールド製造装置と、製造方法に関する。
果実類や鶏卵の容器として用いられている各種形状のパルプモールド成形品は、成形型をパルプ原料液に浸漬して裏面側から吸引することにより成形型面上の網にパルプ原料を付着させて成形体を形成した後、該成形体を取り出し、乾燥させることで得られる。
また、上記のように成形体が取り出された後、成形型は、再びパルプ原料液に浸漬されて、同様に処理が繰り返される。
特開平10−212700号公報(特許文献1)には、成形面を覆うメッシュ上の成形体を取り出した後、再び成形型12をパルプ原料液に浸漬して吸引するパルプモールド抄造装置に於いて、高圧シャワー水吐出管53から水を吐出して成形面12A及びメッシュ12Cを洗浄することが記載されている(同公報の段落0032,図2参照)。
特開平10−212700号公報
桃やトマト等の果実類を収容するためのパルプモールド製の容器は、桃等の表面を傷つけたりしないように、比較的、ソフトであることが要求される。
一方、鶏卵を収容するためのパルプモールド製の容器は、複数個の鶏卵を収容した状態で持ち上げたときでも鶏卵の重量によって撓むことがないように、比較的、ハードであることが要求される。即ち、撓んだ結果、鶏卵収容室の壁面から鶏卵に対して過度な圧力が鶏卵に加わって損傷したりしない程度に、ハードであることが要求される。
このため、果実類用のパルプ原料液の濃度は比較的薄く調整され、一方、鶏卵用のパルプ原料液の濃度は比較的濃く調整されるのであるが、何れの場合でも、パルプ原料液の濃度が適正範囲にあり、且つ、パルプ原料液の槽内に於いて場所的にもムラが無く均一であることが必須となる。
ここで、パルプ原料液とは、植物繊維を水に混合・攪拌した液体であり、原料として、一般的には、新聞,雑誌,ダンボール,牛乳パック等の古紙が用いられている。
特開平10−212700号公報(特許文献1)の装置では、高圧シャワー水吐出管53から噴射されて成形面12Aやメッシュ12Cを洗浄した水は、パルプ原料槽13とは異なる別の槽に落下するように構成されている。これにより、パルプ原料槽13内のパルプ原料液の濃度が変動することを防止しているものと思われる。
しかし、特開平10−212700号公報のように構成すると、パルプ原料槽13のほかにシャワー水を受けるための別の槽が必要となる。また、当該別の槽の上で成形面12Aやメッシュ12Cを洗浄する必要上から、それらを、パルプ原料槽13の上の位置から離れた位置へ移動させる機構(例えば旋回機構等)が必要となり、装置が大型化する。また、その装置を設置するための大きなスペースも必要となる。
さらに、成形型を単純に上下動させて、成形型がパルプ原料液面から現れたときに成形品を取り出して、その後、成形型を再びパルプ原料液に浸漬する方式の装置では、シャワー水を受けるための別の槽を容易に設置できないという問題がある。
本発明は、成形型面を覆う網上に形成された成形体を取り出した後、当該成形型を再びパルプ原料液へ浸漬して吸引するパルプモールド製造装置に於いて、パルプ原料液の濃度変動を抑制しつつ、且つ、装置の大型化を招くことなく、成形型面や成形型面を覆う網を良好に洗浄できるようにすることを目的とする。
本発明の構成を、下記[1]〜[6]に記す。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
[1]構成1
成形型面11に開口する管12を通してパルプ原料液槽2内のパルプ原料液20を吸引することにより成形型面11を覆う網110上にパルプ原料の成形体31を形成し、成形型1をパルプ原料液20から引き上げて前記網110上に形成された成形体31を取り出した後、当該成形型1を再びパルプ原料液20へ浸漬して吸引する、パルプモールド製造装置であって、
前記パルプ原料液槽2の上方位置に設けられたシャワーノズル45の配列されたノズル孔から面状に水を噴射する(図3(c)(c−1))ことにより、パルプ原料液20へ浸漬される前の成形型面11及び該成形型面11を覆う網110を洗浄して洗浄水を前記パルプ原料液槽2で受けるするシャワー装置4を有し、
前記シャワーノズル45は、成形型1を背後で支持する支持体5の支持面に対して、前記ノズル孔40の配列平面と交差する方向へ相対的に進行するように設けられており
前記支持体5の支持面は筒状体の周面であり、該筒状体5はパルプ原料液面上に水平に設けられた回転軸51により同軸に支持されて下側部分がパルプ原料液面下に没し、
前記シャワーノズル45は、回転する筒状体5の周面がパルプ原料液20に没する直上位置に、ノズル孔40の配列面が水平又は筒状体5側で上方を向く傾斜を成すように設けられている、
ことを特徴とするパルプモールド製造装置。
[2]構成2
構成1に於いて、
前記シャワー装置4は配列された複数個のシャワーノズル45,45,,,を有し、該シャワーノズル45,45,,,の配列平面は前記ノズル孔40の配列平面又は該配列平面と平行な平面である、
ことを特徴とするパルプモールド製造装置。
[3]構成3
構成1又は構成2に於いて、
前記パルプ原料液20を吸引するための装置は、前記シャワー装置4により水を噴射されている成形型面11に関して、当該成形型面11に開口する管12を通して空気を吐出する、
ことを特徴とするパルプモールド製造装置。
[4]構成4
構成1〜構成3の何れかに於いて、
さらに、前記シャワー装置4により噴射される水を30〜90℃に加熱する加熱装置403を有する、
ことを特徴とするパルプモールド成形品の製造装置。
[5]構成5
成形型面11に開口する管12を通してパルプ原料液槽2内のパルプ原料液20を吸引することにより成形型面11を覆う網110上にパルプ原料の成形体31を形成し、成形型1をパルプ原料液20から引き上げて前記網110上に形成された成形体31を取り出した後、当該成形型1を再びパルプ原料液20へ浸漬して吸引する、パルプモールド製造方法であって、
パルプ原料液20へ浸漬される前の成形型面11及び該成形型面11を覆う網110に対して水を噴射して洗浄する際に、前記パルプ原料液槽2の上方位置に設けられたシャワーノズル45から面状に水を噴射して洗浄水を前記パルプ原料液槽で受けるとともに、成形型1を背後で支持する支持体5の支持面に対して噴射面が相対的に進行するように噴射
前記支持体5の支持面は筒状体の周面であり、該筒状体5はパルプ原料液面上に水平に設けられた回転軸51により同軸に支持されて下側部分がパルプ原料液面下に没し、
前記シャワーノズル45は、回転する筒状体5の周面がパルプ原料液20に没する直上位置に、ノズル孔40の配列面が水平又は筒状体5側で上方を向く傾斜を成すように設けられている、
ことを特徴とするパルプモールド製造方法。
構成1は、成形型面11に開口する管12を通してパルプ原料液槽2内のパルプ原料液20を吸引することにより成形型面11を覆う網110上にパルプ原料の成形体31を形成し、成形型1をパルプ原料液20から引き上げて前記網110上に形成された成形体31を取り出した後、当該成形型1を再びパルプ原料液20へ浸漬して吸引する、パルプモールド製造装置であって、前記パルプ原料液槽2の上方位置に設けられたシャワーノズル45の配列されたノズル孔から面状に水を噴射する(図3(c)(c−1))ことにより、パルプ原料液20へ浸漬される前の成形型面11及び該成形型面11を覆う網110を洗浄して洗浄水を前記パルプ原料液槽2で受けるするシャワー装置4を有し、前記シャワーノズル45は、成形型1を背後で支持する支持体5の支持面に対して、前記ノズル孔40の配列平面と交差する方向へ相対的に進行するように設けられており前記支持体5の支持面は筒状体の周面であり、該筒状体5はパルプ原料液面上に水平に設けられた回転軸51により同軸に支持されて下側部分がパルプ原料液面下に没し、前記シャワーノズル45は、回転する筒状体5の周面がパルプ原料液20に没する直上位置に、ノズル孔40の配列面が水平又は筒状体5側で上方を向く傾斜を成すように設けられているため、比較的少量の水で成形型面11及び網110を良好に洗浄でき、洗浄水がパルプ原料液槽2に落下することによるパルプ原料液の濃度低下を、適正な濃度範囲内を維持できる程度に抑制できる。例えば、浴室用のシャワーノズルでは、ノズル孔が半球面上に略均等に配設されているため大量の水が半球面から立体的に吐出されるが、本構成では平面を成すようにして比較的少量の水が吐出される。このため、洗浄に必要な噴射圧力を保ちつつ、噴射水量を低減できる。なお、パルプ原料液槽2に対しては、常時、一定量のパルプ原料液が供給されているものとする。
構成2は、構成1に於いて、前記シャワー装置4は配列された複数個のシャワーノズル45,45,,,を有し、該シャワーノズル45,45,,,の配列平面は前記ノズル孔40の配列平面又は該配列平面と平行な平面であるため、成形型面の幅サイズに応じてシャワーノズルを並べた構成で、同様に、洗浄できる。
構成3は、構成1又は構成2に於いて、前記パルプ原料液20を吸引するための装置は、前記シャワー装置4により水を噴射されている成形型面11に関して、当該成形型面11に開口する管12を通して空気を吐出するため、成形型面11の表面側から水で洗浄するとともに、裏面側から空気を吹きつけることができ、洗浄作用を強化できる。このため、洗浄水の量を、さらに低減することができる。
構成4は、構成1〜構成3の何れかに於いて、さらに、前記シャワー装置4により噴射される水を30〜90℃に加熱する加熱装置403を有するため、洗浄作用を強化できる。このため、洗浄水の量を、さらに低減することができる。
構成5は、成形型面11に開口する管12を通してパルプ原料液槽2内のパルプ原料液20を吸引することにより成形型面11を覆う網110上にパルプ原料の成形体31を形成し、成形型1をパルプ原料液20から引き上げて前記網110上に形成された成形体31を取り出した後、当該成形型1を再びパルプ原料液20へ浸漬して吸引する、パルプモールド製造方法であって、パルプ原料液20へ浸漬される前の成形型面11及び該成形型面11を覆う網110に対して水を噴射して洗浄する際に、前記パルプ原料液槽2の上方位置に設けられたシャワーノズル45から面状に水を噴射して洗浄水を前記パルプ原料液槽で受けるとともに、成形型1を背後で支持する支持体5の支持面に対して噴射面が相対的に進行するように噴射前記支持体5の支持面は筒状体の周面であり、該筒状体5はパルプ原料液面上に水平に設けられた回転軸51により同軸に支持されて下側部分がパルプ原料液面下に没し、前記シャワーノズル45は、回転する筒状体5の周面がパルプ原料液20に没する直上位置に、ノズル孔40の配列面が水平又は筒状体5側で上方を向く傾斜を成すように設けられているため、比較的少量の水で成形型面11及び網110を良好に洗浄でき、洗浄水がパルプ原料液槽2に落下することによるパルプ原料液の濃度低下を、適正な濃度範囲内を維持できる程度に抑制できる。
実施の形態のパルプモールド製造装置の要部を示す断面模式図。 図1のパルプモールド製造装置の吸気(吸引)/排気制御及びシャワー装置制御を示す説明図。 シャワーノズルを示す説明図。(a)は成形体洗浄用のシャワーノズル41/42を集積して設けた面盤(集積機構)を示し、(a−1)は側面図、(a−2)は正面図、(a−3)は(a−2)内の矢視P−P線断面図、(a−4)は(a−2)の一部分の拡大図。(b)は金型洗浄用のシャワーノズル45を集積して設けた面盤(集積機構)を示し、(b−1)は側面図、(b−2)は正面図、(b−3)は(b−2)内の矢視Q−Q線断面図。(c)はシャワーノズル41/42/45の先端部分を示す模式図であり、(c−1)は横断面(水平方向の断面)を示し、(c−2)は縦断面(鉛直方向の断面)を示す。また、(c−3)は縦断面の変形例(シャワー噴射を噴射面が2面となるように2層で行う例)を示す。 (a)はシャワーノズル41,42,45による噴射位置を示す模式図、(b)はシャワー装置の制御を説明する説明図。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すパルプモールド製造装置は、いわゆる回転型の装置である。即ち、成形型1を支持する支持体を、回転可能に設けた断面正六角形の筒状体5によって構成した装置である。筒状体5の軸芯には回転軸51が設けられており、筒状体5を、回転(図1で時計回りの回転)可能に支持している。また、筒状体5の周面である各支持平面(支持面)上には、それぞれ成形型1が取り付けられており、各成形型1の成形型面11は、それぞれ網110で被覆されている(図2参照)。
筒状体5の回転に伴い、成形型1は、パルプ原料液槽2内に満たされているパルプ原料液20内へ没する。成形型1がパルプ原料液20内に沈んでいるとき、当該成形型1の成形型面11に開口する多数の連通細管12、及び、該多数の連通細管12が合流する合流管120を介して、吸気装置(吸引装置)125(図2参照)が吸引(負圧による吸引=真空吸引)を行う。これにより、パルプ原料液20内のパルプ繊維が、当該成形型1の成形面11上の網110に付着・堆積して、成形体31を形成する。このとき、パルプ繊維を除去された残余の水は、不図示の配管を経て排出される。なお、吸気装置125による吸引は、制御装置90が、弁121を開くように制御し、且つ、切換弁122を吸気装置125側へ設定するように制御することにより実現される。
上記のパルプ原料液20としては、新聞,雑誌,ダンボール,牛乳パック等の古紙を水に混合・攪拌した液が、定常的に不図示の供給口から槽2内へ供給されており、その濃度は、目的とする製品に応じて決まる適正範囲に保持されている。
筒状体5の回転に伴い、次に、成形型1は、パルプ原料液20から引き上げられる。成形型1が引き上げられる直ぐ上の位置には、シャワーノズル41が設けられており、該シャワーノズル41から噴射される水で、成形体31の表面が洗浄される。ノズル1個あたりの吐出量は、好ましくは0.01〜0.03m3/minの範囲である。ノズル1個あたりの吐出量が0.01m3/minより少ないと、成形体31の表面を均して成形品表面の手触り感を改善する効果や、紙粉の発生を抑制する効果が不十分となる。一方、ノズル1個あたりの吐出量が0.03m3/minを越えると、成形体31の表面を損なう恐れが高まる。噴射圧は、例えば30〜70mmHg程度である。また、各ノズル孔40の直径は、例えば1mm程度である。
上記シャワーノズル41は、図1が模式的断面図であるため、図1では1個のみが示されているが、実際には、図3(a)に示すように、複数個(図示の例では17個)のシャワーノズル41,41,,が一列に集積されて全域をカバーしている。例えば、図示の例では、面盤の幅が1360mmであり、17個のノズルが均等に配置されているため、ノズル1個あたり80mm幅程度をカバーすることになる。なお、隣接するノズルのカバー範囲の境界付近では、理想的には重複なく水が噴射されるが、当該の境界付近での洗浄を確実に行うことができ、且つ、当該の境界付近での水量を洗浄に悪影響を与えない程度に抑え得る程度の噴射範囲の重複は当然に許容される。
各シャワーノズル41は、配列方向での位置(隣接するシャワーノズル41,41間の間隔)を微小調整可能である(図3(a)内(a-4) の両矢印参照)。また、各シャワーノズル41は、図3(c)内(c-1) に示すように水平に偏平な扇形を成し、先端側の噴射部には多数のノズル孔40,40,,が同一平面内で弧状を成すように一列に配列形成されている。このため、各シャワーノズル41からは、水平に扇形に拡がる水が噴射される。なお、ノズル孔40,40,,が同一平面内で弧状を成すように配列された平面は、複数個のシャワーノズル41,41,,が一列に集積された平面と同一又は平行な平面である。このため、各シャワーノズル41,41,,からは、同一平面を成すように水が噴射されることとなる。
シャワーノズル41から噴射される水には、適宜の割合で空気が混合される。即ち、制御装置90が給水装置401と給気装置402を制御して、シャワーノズル41へ送って噴射する水に、適宜の割合の空気を混合する。このように空気を混合すると、噴射される水の総量が減るため、成形体31の表面に噴射された水が該表面を伝って流れることが抑制され、その結果、成形体31の肉が削がれる/流痕が残る等の不具合が防止される。また、噴射水に空気が混合される結果、噴射される水がミスト状となるため、被噴射面からの水の反射が生じ難くなり、その結果、反射された水(汚れを含む水)が既洗浄の表面に飛散して汚損する等の不具合も防止される。また、ソフトな果実類用容器のパルプモールド成形品を製造する場合には、比較的低濃度のパルプ原料液を用いるのであるが、その場合、噴射水量が多すぎると成形体31の各部が本体から千切れて流れ易くなる。この不具合も、ミスト状にすることによって防止できる。
シャワーノズル41から噴射される水は、また、適宜の温度に加熱される。即ち、制御装置90が加熱装置403を制御して、シャワーノズル41へ送って噴射する水を、適宜の温度に加熱する。このように加熱すると、成形体31に付着しているパルプ原料液内の油脂成分や汚れ等を良好に除去できる。また、パルプ原料液を加熱するより、噴射水を加熱する方が、熱効率が良い。また、成形体31が温められることにより脱水作用も生ずるため、後段の乾燥工程を効率化できるとともに、該乾燥工程でのパルプモールド成形品32の変形を防止できる。変形防止のためには、68〜70%程度の水分量に脱水することが特に望ましい。加熱温度としては、噴射される水の水温が30℃〜90℃の範囲、好ましくは30℃〜60℃の範囲、更に好ましくは30℃〜50℃の範囲である。なお、加熱には、後段の乾燥工程の廃熱を利用してもよい。また、脱水効率をさらに高めるために、水の噴射時に、併せて、成形型面11からの空気吸引を行ってもよい。この吸引は、パルプ原料液20内での吸引と同様に、吸気装置125を用いて行うことができる。
シャワーノズル41からは水が水平方向へ噴射されるため、該噴射水が当たる成形型面11が垂直方向を向いたとき(正確には、成形型面11を支持する筒状体5の支持平面が垂直方向を向いたとき)に、噴射水は、当該成形型面11に対して垂直に当たることとなる。この部位は、当該成形型面11の進行方向での終端側の部位である。なお、この部位に至るまで、噴射水が当たる成形型面11は、全体として下方を向いているため、噴射された水は良好に成形体31表面から除去される。その結果、成形体31の表面に水が残留して不具合を引き起こす、ということもない。
シャワーノズル41の下方に、図4(a)に示すように、シャワーノズル41と同様のシャワーノズル42を、さらに設けても良い。そのようにすると、鶏卵容器等の比較的ハードなパルプモールド成形品を製造するために高濃度のパルプ原料液20を用いる場合でも、成形体31の表面を良好に洗浄して均すことができる。
このように、成形型面11上の網110に付着・形成された成形体31の表面を噴射水により洗浄すると、該表面が成形型面11の被転写面ではなくパルプ原料液20に曝されていることに起因して生ずる該表面の微細な凹凸を良好に均すことができ、良好な手触りのパルプモールド成形品を得ることができる。また、均されているため、紙粉の発生も抑制される。
こうして表面を洗浄された成形体31は、筒状体5の回転に伴い、次に、受け装置7の受け型71に対向されて、該受け型71に渡される。このとき、成形型面11側では吐出が行われ、受け型71側では吸引が行われる。成形型面11側の吐出は、制御装置90により、切換弁122を排気装置126側へ切り換え、且つ、開閉弁121を開くことによって行われる。
受け装置7に渡された成形体31(パルプモールド成形品32)は、次に、搬送装置8へ移載され、後段の乾燥装置(不図示)へ送られる。こうして、パルプモールド成形品32が製造される。この成形品32の表面(パルプ原料液に曝された側の表面=成形型面の転写を受けずパルプ繊維が付着・堆積した表面)は、前述のように微細な凹凸が均されているため手触り感が良好であり、また、該表面から紙粉が飛散する等の不具合もない。なお、成形型面を転写された側の表面には、当然ながら、微細な凹凸は無い。
成形体31を受け型71へ渡した後、成形型1は、再び、パルプ原料液槽2内のパルプ原料液20へ浸漬される。この浸漬に先立ち、成形型面11及びその表面に被覆された網110は、シャワーノズル45によって洗浄される。このシャワーノズル45も、シャワーノズル41,42と同様に図1では1個のみ示されているが、実際には、図3(b)に示すように、複数個(図示の例では27個)のシャワーノズル45,45,,が一列に面盤に集積されて全域をカバーしている。例えば、図示の例では、面盤の幅が1770mmであり、27個のノズルが均等に配置されているため、ノズル1個あたり65.6mm幅程度をカバーすることになる。なお、隣接するノズルのカバー範囲の境界付近では、理想的には重複なく水が噴射されるが、当該の境界付近での洗浄を確実に行うことができる程度の噴射範囲の重複は当然に許容される。
ノズル1個あたりの吐出量は、好ましくは0.02〜0.05m3/minの範囲である。ノズル1個あたりの吐出量が0.02m3/minより少ないと、成形型面11や網110の洗浄効果が劣るようになる。ノズル1個あたりの吐出量が0.05m3/minを越えても成形型面11や網110の洗浄効果は0.05m3/minの場合とあまり変わらず、使用水量が無駄になるばかりでなく、パルプ原料液槽2へ落下する水量が増して、パルプ原料液20の濃度を大きく変動させてしまう。また、噴射圧は、例えば60〜100mmHg程度である。このシャワーノズル45による水噴射と併せて、成形型面11の裏面側から空気を吐出すると、成形型面11や網110の洗浄効果をさらに高めることができる。
このシャワーノズル45も、また、シャワーノズル41,42と同様に、配列方向での位置(隣接するシャワーノズル45,45間の間隔)を微小調整可能である。また、図3(c)内(c-1) に示すように水平に偏平な扇形を成し、先端側の噴射部には多数のノズル孔40,40,,が同一平面内で弧状を成すように一列に配列形成されている。このため、各シャワーノズル45からは、水平に扇形に拡がる水が噴射される。このため、洗浄に必要な噴射圧を確保しつつ、噴射水量を低減でき、洗浄後にパルプ原料液槽2へ落下する水量を低減できる。このため、パルプ原料液20の濃度変動を抑制でき、目的の製品に適した濃度範囲を維持でき、良好な固さや柔らかさの所望の製品を得ることができる。
なお、図3(c)内(c-2) は、噴射水が一層の場合を示しているが、(c-3) のように2層又はそれ以上となるように噴射してもよい。ただし、水量が多くならないようにする必要上、噴射水の層数をあまり増やすことはできない。二層以上としてよいことは、シャワーノズル41,42についても同様である。
また、図示の例ではノズル孔40,40,,が弧状を成すように配列されているが、直線状等でもよい。要は、面状に水が噴射されて比較的少ない水量で洗浄できればよい。
また、ノズル孔40,40,,が同一平面内で弧状を成すように配列された平面は、複数個のシャワーノズル45,45,,が一列に集積された平面と同一又は平行な平面である。このため、各シャワーノズル45,45,,からは、同一平面を成すように水が噴射されることとなる。
上記では断面が正六角形を成す回転型の支持体5を有する装置に即して説明したが、断面正六角形以外の多角形の支持体を有する回転型の装置や、上下動型の支持体を有する装置の場合も、略同様である。なお、上下動型の支持体を有する装置では、支持平面(支持面)は水平に設定されていて、該支持平面がパルプ原料液下に沈み/浮上する、という動作が繰り返される。また、支持平面がパルプ原料液面上に現れて静止されると、所定高さに位置されているシャワーノズル(成形品を取り出す前は成形品の表面を均すためのシャワーノズル,成形品を取り出した後は成形型面及び網を洗浄するためのシャワーノズル)が水平方向へ移動し、これにより、支持平面に対する相対的な進行が実現される。なお、上下動型の場合、水の噴射方向は常に下方向を向いており、このため、支持平面に対して常に垂直に当たる。
1 成形型
11 成形型面
110 網
12 連通細管
120 連通管
121 開閉弁
122 給排切換弁
125 給気装置
126 排気装置
2 パルプ原料液槽
20 パルプ原料液
31 成形体
32 パルプモールド成形品
4 シャワー装置
40 ノズル孔
401 給水装置
402 給気装置
403 加熱装置
41 シャワーノズル(成形体洗浄用)
42 第2のシャワーノズル(成形体洗浄用)
45 金型洗浄用シャワーノズル
5 筒状体
51 回転軸
7 受け装置
71 受け型
8 搬送装置

Claims (5)

  1. 成形型面に開口する管を通してパルプ原料液槽内のパルプ原料液を吸引することにより成形型面を覆う網上にパルプ原料の成形体を形成し、成形型をパルプ原料液から引き上げて前記網上に形成された成形体を取り出した後、当該成形型を再びパルプ原料液へ浸漬して吸引する、パルプモールド製造装置であって、
    前記パルプ原料液槽の上方位置に設けられたシャワーノズルの配列されたノズル孔から面状に水を噴射することにより、パルプ原料液へ浸漬される前の成形型面及び該成形型面を覆う網を洗浄して洗浄水を前記パルプ原料液槽で受けるシャワー装置を有し、
    前記シャワーノズルは、成形型を背後で支持する支持体の支持面に対して、前記ノズル孔の配列平面と交差する方向へ相対的に進行するように設けられており
    前記支持体の支持面は筒状体の周面であり、該筒状体はパルプ原料液面上に水平に設けられた回転軸により同軸に支持されて下側部分がパルプ原料液面下に没し、
    前記シャワーノズルは、回転する筒状体の周面がパルプ原料液に没する直上位置に、ノズル孔の配列面が水平又は筒状体側で上方を向く傾斜を成すように設けられている、
    ことを特徴とするパルプモールド製造装置。
  2. 請求項1に於いて、
    前記シャワー装置は配列された複数個のシャワーノズルを有し、該シャワーノズルの配列方向は前記ノズル孔の配列平面又は該配列平面と平行な平面である、
    ことを特徴とするパルプモールド製造装置。
  3. 請求項1又は請求項2に於いて、
    前記パルプ原料液を吸引するための装置は、前記シャワー装置により水を噴射されている成形型面に関して、当該成形型面に開口する管を通して空気を吐出する、
    ことを特徴とするパルプモールド製造装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
    さらに、前記シャワー装置により噴射される水を30〜90℃に加熱する加熱装置を有する、
    ことを特徴とするパルプモールド製造装置。
  5. 成形型面に開口する管を通してパルプ原料液槽内のパルプ原料液を吸引することにより成形型面を覆う網上にパルプ原料の成形体を形成し、成形型をパルプ原料液から引き上げて前記網上に形成された成形体を取り出した後、当該成形型を再びパルプ原料液へ浸漬して吸引する、パルプモールド製造方法であって、
    パルプ原料液へ浸漬される前の成形型面及び該成形型面を覆う網に対して水を噴射して洗浄する際に、前記パルプ原料液槽の上方位置に設けられたシャワーノズルから面状に水を噴射して洗浄水を前記パルプ原料液槽で受けるとともに、成形型を背後で支持する支持体の支持面に対して噴射面が相対的に進行するように噴射
    前記支持体の支持面は筒状体の周面であり、該筒状体はパルプ原料液面上に水平に設けられた回転軸により同軸に支持されて下側部分がパルプ原料液面下に没し、
    前記シャワーノズルは、回転する筒状体の周面がパルプ原料液に没する直上位置に、ノズル孔の配列面が水平又は筒状体側で上方を向く傾斜を成すように設けられている、
    ことを特徴とするパルプモールド製造方法。
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