JP5599580B2 - 太陽電池モジュール用粘着シートおよび太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用粘着シートおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池モジュール用粘着シートおよび太陽電池モジュール、詳しくは、太陽電池モジュール用粘着シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールに関する。
従来より、結晶シリコン系の太陽電池素子、それを封止する封止樹脂層、および、それを被覆する被覆層を備える太陽電池モジュールが知られている。この太陽電池モジュールでは、光(太陽光)の光エネルギーを電気エネルギーに変換(光電変換)している。
このような太陽電池モジュールにおいて、結晶シリコン系の太陽電池素子の分光感度に注目すると、太陽電池素子の分光感度は、太陽光の放射スペクトルのピーク波長領域に対して長波長側にずれた波長領域において、高くなっている。そのため、太陽光の波長を長波長側に波長変換させることによって、太陽電池素子の分光感度を高め、これにより、太陽電池モジュールの光電変換効率を向上させることが提案されている。
具体的には、ガラス(被覆層)の表面に蛍光物質の膜を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、膜における蛍光物質が短波長の光を励起光として吸収し、長波長の蛍光として放射する波長変換によって、太陽電池モジュールの光電変換効率を向上させている。
また、上記と同様に蛍光物質を用いて波長変換する技術として、例えば、樹脂を主成分とする封止剤(封止樹脂層)に、蛍光体を添加することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、太陽電池素子における透明電極層、電極保護層や反射防止層に、蛍光物質を添加することが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2001−7377号公報 特開平7−202243号公報 特開2003−243682号公報
しかるに、特許文献1の蛍光物質の膜は、ガラスの表面に設けられていることから、屋外環境で使用されると、劣化し易く、そのため、耐久性が不十分となる。
また、封止樹脂層の樹脂は、一般に、波長が短波長側に向かうに従って、光を吸収し易くなる。そのため、蛍光体によって波長変換したい短波長の光は、上記した樹脂によって吸収され易いので、特許文献2のように、封止樹脂層に蛍光体を添加すると、蛍光体が光を効率よく波長変換することができず、その結果、太陽電池モジュールの光電変換効率を十分に向上させることができないという不具合がある。
また、特許文献3のように、蛍光物質を、太陽電池素子の透明電極などに添加しても、蛍光物質によって波長変換したい短波長の光は、上記した封止樹脂層の樹脂によって吸収され易いので、蛍光物質が光を効率よく波長変換することができず、その結果、太陽電池モジュールの光電変換効率を十分に向上させることができないという不具合がある。
本発明の目的は、太陽電池素子に入射する光の波長を効率よく波長変換できながら、耐久性に優れる太陽電池モジュール用粘着シートを提供すること、および、優れた光電変換効率を有する太陽電池モジュールを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の太陽電池モジュール用粘着シートは、結晶シリコン系の太陽電池素子を封止する封止樹脂層と、前記封止樹脂層を被覆する被覆層との間に介在され、前記太陽電池素子に入射する光の波長を変換可能であることを特徴としている。
また、本発明の太陽電池モジュール用粘着シートでは、ポリマーと、前記光の波長を波長側に変換するための波長変換材料とを含有することが好適である。
また、本発明の太陽電池モジュール用粘着シートでは、前記波長変換材料の励起スペクトルは、350〜550nmにピーク波長を有し、前記波長変換材料の蛍光スペクトルは、400〜700nmにピーク波長を有することが好適である。
また、本発明の太陽電池モジュール用粘着シートでは、前記波長変換材料の含有割合は、前記ポリマー100重量部に対して、0.001〜1重量部であることが好適である。
また、本発明の太陽電池モジュール用粘着シートでは、紫外線吸収剤および光安定剤をさらに含有することが好適である。
また、本発明の太陽電池モジュールでは、結晶シリコン系の太陽電池素子と、前記太陽電池素子を封止する封止樹脂層と、前記封止樹脂層の上に、前記封止樹脂層を被覆するように形成される被覆層と、前記封止樹脂層と、前記被覆層との間に介在される上記した太陽電池モジュール用粘着シートとを備えていることを特徴としている。
また、本発明の太陽電池モジュールでは、前記太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率は、前記封止樹脂層の屈折率に比べて低いかあるいは同一であることが好適である。
本発明の太陽電池モジュールによれば、封止樹脂層と被覆層とに介在される本発明の太陽電池モジュール用粘着シートによって、封止樹脂層と被覆層との密着性を向上させることができる。そのため、優れた信頼性を確保することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールでは、本発明の太陽電池モジュール用粘着シートが封止樹脂層と被覆層との間に介在されているので、被覆層を通過した後、封止樹脂層に吸収される前の光の波長を変換することができる。
すなわち、太陽電池モジュール用粘着シートは、封止樹脂層に吸収される前において、相対的に封止樹脂層に吸収され易い短波長の光を、相対的に封止樹脂層に吸収されにくい長波長の光に、効率的に波長変換することができる。そのため、波長変換された光が、その後、封止樹脂層を通過しても、樹脂による吸収を受けにくく、結晶シリコン系の太陽電池素子において、波長変換された光を効率よく光電変換することができ、本発明の太陽電池モジュールの光電変換効率を向上させることができる。
さらに、本発明の太陽電池モジュールでは、本発明の太陽電池モジュール用粘着シートが封止樹脂層と被覆層との間に介在されているので、優れた耐久性を確保することができる。
本発明の太陽電池モジュール用粘着シートの一実施形態の断面図である。 図1に示す太陽電池モジュール用粘着シートが用いられる、本発明の太陽電池モジュールの一実施形態の断面図を示す。 実施例1の太陽電池モジュール用粘着シートの励起スペクトルおよび蛍光スペクトルを示す。 実施例5の太陽電池モジュール用粘着シートの励起スペクトルおよび蛍光スペクトルを示す。
本発明の太陽電池モジュール用粘着シートは、結晶シリコン系の太陽電池素子を有する太陽電池モジュール(後述)に用いられる。
太陽電池モジュール用粘着シートは、例えば、ポリマーと、波長変換材料とを含有している。
ポリマーとしては、太陽電池モジュール用粘着シートに用いられるポリマー(ベースポリマー)であれば特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマーなどが用いられる。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー成分を、重合させることにより、得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルであって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1−20の直鎖または分岐アルキル)エステルなどが挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステルは、単独または2種類以上併用することができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル以外に、凝集力の向上や耐熱性の改質などの目的に応じて、適宜、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な共重合性モノマーを、モノマー成分として任意的に用いることができる。
このような共重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有不飽和モノマー、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有不飽和モノマー、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノ系不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシル基含有不飽和モノマー、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系不飽和モノマー、例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系不飽和モノマー、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系不飽和モノマー、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのエーテル系アクリルエステルモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどのビニル基含有複素環化合物、例えば、フッ素(メタ)アクリレートなどのハロゲン原子を含有するアクリル酸エステル系モノマー、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリメトキシシランなどのシリコーン(メタ)アクリレート、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどの多官能性モノマー、例えば、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー、例えば、ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマーなどが用いられる。
モノマー成分における(メタ)アクリル酸エステルの配合割合は、モノマー成分100重量部に対して、例えば、50重量部以上である。
そして、ポリマーを調製するには、モノマー成分を、例えば、溶液重合、塊状重合または乳化重合などの、公知の重合方法により重合する。
波長変換材料は、上記したポリマー中に均一に分散されている。波長変換材料は、光、より具体的には、太陽電池素子(後述)に入射する光を波長側に変換するための材料であって、また、相対的に封止樹脂層(後述)の樹脂によって吸収され易い(あるいは、太陽電池素子によって効率的に発電されにくい)波長の光を、相対的に封止樹脂層の樹脂によって吸収されにくい(あるいは、太陽電池素子によって効率的に発電され易い)波長の光に変換する。
波長変換材料としては、例えば、蛍光染料などが用いられる。
蛍光染料としては、例えば、有機蛍光染料、無機蛍光染料などが用いられる。
有機蛍光染料としては、例えば、ナフタルイミド系(Naphtalimid)染料、ペリレン系(Perylene)染料などが用いられる。
無機蛍光染料としては、例えば、赤色発光無機蛍光体、緑色発光無機蛍光体、青色発光無機蛍光体などが用いられる。
赤色発光無機蛍光体としては、例えば、Y:Eu、YVO:Eu、Y:Eu、3.5MgO・0.5MgF、GeO:Mn、(Y・Cd)BO:Euなどが用いられる。
緑色発光無機蛍光体としては、例えば、ZnS:Cu・Al、(Zn・Cd)S:Cu・Al、ZnS:Cu・Au・Al、ZnSiO:Mn、ZnSiO:Mn、ZnS:Ag・Cu、(Zn・Cd)S:Cu、ZnS:Cu、GdOS:Tb、LaOS:Tb、YSiO:Ce・Tb、ZnGeO:Mn、GeMgAlO:Tb、SrGaS:Eu2+、ZnS:Cu・Co、MgO・nB:Ge・Tb、LaOBr:Tb・Tm、LaS:Tbなどが用いられる。
青色発光無機蛍光体としては、例えば、ZnS:Ag、GaWO、YSiO:Ce、ZnS:Ag・Ga・Cl、CaOCl:Eu2+、BaMgAl:Eu2+などが用いられる。
また、蛍光染料としては、一般に市販されているものを用いることができ、例えば、有機蛍光染料として、ルモゲン(Lumogen)Fシリーズ(ASF社製)などが用いられる。ルモゲンFシリーズでは、具体的には、Lumogen F Violet570、Lumogen F Blue650、Lumogen F Green850、Lumogen F Yellow083、Lumogen F Yellow170などが用いられる。
これら波長変換材料の励起スペクトルは、例えば、350〜550nmにピーク波長を有し、好ましくは、370〜500nmにピーク波長を有している。
また、波長変換材料の蛍光スペクトルは、例えば、400〜700nmにピーク波長を有し、好ましくは、420〜600nmにピーク波長を有している。
波長変換材料の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルは、波長変換材料をポリマー中に混練することにより試料を調製し、これを、公知の分光蛍光光度計を用いることにより得られる。
波長変換材料の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルが上記した範囲内にあれば、光の波長(例えば、300nm以上350nm未満の短波長)を、より高波長側の波長(例えば、350nm以上500nm未満の長波長)に、効率よく波長変換することができる。
これら蛍光染料のうち、好ましくは、有機蛍光染料が用いられる。
波長変換材料の含有割合は、ポリマー100重量部に対して、例えば、0.001〜1重量部、好ましくは、0.01〜0.1重量部、さらに好ましくは、0.01〜0.07重量部である。
波長変換材料の含有割合が上記した範囲を超える場合には、太陽電池モジュール用粘着シートの透明性が低下する場合がある。また、波長変換材料の含有割合が上記した範囲に満たない場合には、波長変換の効果を得ることが困難となる場合がある。
また、太陽電池モジュール用粘着シートには、紫外線吸収剤や光安定剤などを含有させることもできる。紫外線吸収剤や光安定剤は、波長変換材料の波長変換機能を、長期間にわたって維持するために、必要により配合される。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤などが用いられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(TINUVIN PS、チバ・ジャパン社製)、ベンゼンプロパン酸および3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ(C7−9側鎖および直鎖アルキル)のエステル化合物(TINUVIN384−2、チバ・ジャパン社製)、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートおよび2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物(TINUVIN109、チバ・ジャパン社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(TINUVIN900、チバ・ジャパン社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(TINUVIN928、チバ・ジャパン社製)、メチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物(TINUVIN1130、チバ・ジャパン社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール(TINUVIN P、チバ・ジャパン社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(TINUVIN234、チバ・ジャパン社製)、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(TINUVIN326、チバ・ジャパン社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(TINUVIN328、チバ・ジャパン社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(TINUVIN329、チバ・ジャパン社製)、2−2’−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)フェノール〕(TINUVIN360、チバ・ジャパン社製)、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300との反応生成物(TINUVIN213、チバ・ジャパン社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール(TINUVIN571、チバ・ジャパン社製)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3、4、5,6−テトラヒドロフタルイミドーメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(Sumisorb250、住友化学工業社製)、2,2’−メチレンビス[6−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール](ADK STAB LA31、ADEKA社製)などが用いられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(4、6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルと[(C10−C16(主としてC12−C13)アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(TINUVIN400、チバ・ジャパン社製)、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(TINUVIN405、チバ・ジャパン社製)、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン(TINUVIN460、チバ・ジャパン社製)、2−(4,6−ジフェニルー1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(TINUVIN1577、チバ・ジャパン社製)、2−(4,6−ジフェニルー1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]−フェノール(ADK STAB LA46、ADEKA社製)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4、6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(TINUVIN479、チバ・ジャパン社製)などが用いられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン(ADK STAB 1413、ADEKA社製)などが用いられる。
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(TINUVIN120、チバ・ジャパン社製)などが用いられる。
これら紫外線吸収剤は、単独または2種類以上併用することができる。
紫外線吸収剤の配合割合は、ポリマー100重量部に対して、例えば、5重量部以下、好ましくは、4重量部以下、通常、1重量部以上である。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤などが用いられ、具体的には、コハク酸ジメチルおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物(TINUVIN622、チバ・ジャパン社製)、コハク酸ジメチルおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物とN,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンとの1対1の反応生成物(TINUVIN119、チバ・ジャパン社製)、ジブチルアミン・1,3−トリアジン・N、N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルー1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(TINUVIN2020、チバ・ジャパン社製)、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1、3、5−トリアジン−2−4−ジイル}{2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ]ヘキサメチレン{(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ})(TINUVIN944、チバ・ジャパン社製)、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(TINUVIN765、チバ・ジャパン社製)、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(TINUVIN770、チバ・ジャパン社製)、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル(1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシド)およびオクタンの反応生成物(TINUVIN123、チバ・ジャパン社製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(TINUVIN144、チバ・ジャパン社製)、シクロヘキサンおよび過酸化N−ブチル2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン−2,4,6−トリクロロ1,3,5−トリアジンの反応生成物と2−アミノエタノールとの反応生成物(TINUVIN152、チバ・ジャパン社製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(TINUVIN292、チバ・ジャパン社製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物(ADK STAB LA63P、ADEKA社製)などが用いられる。
これら光安定剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
光安定剤の配合割合は、ポリマー100重量部に対して、例えば、0.5重量部以下、好ましくは、0.4重量部以下、通常、0.1重量部以上である。
紫外線吸収剤および光安定剤のうち、いずれか一方のみを用いることができ、また、両方を併用することもできる。
好ましくは、紫外線吸収剤と光安定剤との両方を併用する。これにより、波長変換材料の波長変換機能の低減を有効に防止することができる。
また、太陽電池モジュール用粘着シートには、上記した各成分の他に、架橋剤、増粘剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、劣化防止剤などの公知の添加剤を適宜の割合で添加することもできる。
架橋剤としては、例えば、ポリグリシジル(エポキシ)化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリアジリジン化合物、ポリオキサゾリン化合物などの、反応性基を2個以上有する化合物が用いられる。
図1において、太陽電池モジュール用粘着シート1を得るには、まず、上記した各成分を配合する。具体的には、ポリマーと、波長変換材料と、紫外線吸収剤と、光安定剤とを、溶媒に投入して、均一に混合して、塗布液を調製する。有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、例えば、アセトンなどのケトン系溶媒などが用いられる。
次いで、調製した塗布液を、例えば、離型シート2の表面に、例えば、ロールコーティング法、ナイフコーティング法などの公知のコーティング方法により塗布する。
離型シート2としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデンなどの剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙などの基材シート、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素系ポリマーからなる低接着性基材シート、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの無極性ポリマーからなる低接着性基材シートなどが用いられる。
塗布液の塗布後、これを加熱して、乾燥する。これにより、裏面(一方面のみ)に離型シート2が設けられた太陽電池モジュール用粘着シート1を得る。
その後、必要により、太陽電池モジュール用粘着シート1の表面(離型シート2がすでに設けられた裏面の反対側面)に離型シート2をさらに積層する。
このようにして得られる太陽電池モジュール用粘着シート1は、光、具体的には、太陽電池モジュール3(後述)に用いられるときに、太陽電池素子4(後述)に入射する光の波長を変換可能である。
つまり、この太陽電池モジュール用粘着シート1の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルは、蛍光染料の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルと略同一であるので、上記した波長変換を実施することができる。
太陽電池モジュール用粘着シート1の厚みは、例えば、5〜100μmである。太陽電池モジュール用粘着シート1の厚みが5μmに満たない場合には、波長変換の効果を得ることが困難となる場合がある。また、太陽電池モジュール用粘着シートの厚みが100μmを超える場合には、太陽電池モジュール用粘着シート1の透明性が低下する場合がある。
また、太陽電池モジュール用粘着シート1の厚みは、光をより良好に波長変換する観点から、好ましくは、5〜70μm、さらに好ましくは、15〜50μmにすることもできる。
また、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率R1は、例えば、1.400〜1.480、好ましくは、1.450〜1.480である。
次に、上記した太陽電池モジュール用粘着シート1を用いた太陽電池モジュール3について、図2を参照して説明する。
この太陽電池モジュール3は、シート形状に形成されており、太陽電池素子4と、封止樹脂層5と、被覆層6と、太陽電池モジュール用粘着シート1とを備えている。
太陽電池素子4は、結晶シリコン系であって、具体的には、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどの結晶シリコンからなる半導体層11と、その表面および裏面に積層される電極12を備えている。太陽電池素子4の厚みは、例えば、0.15〜0.20mmである。
封止樹脂層5は、太陽電池素子4を封止している。より具体的には、封止樹脂層5は、太陽電池素子4が封止樹脂層5の厚み方向中央に埋設されるように、設けられている。
封止樹脂層5を形成する樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリフッ化ビニリデンなどが用いられる。なお、これら樹脂には、一般に、紫外線吸収剤などが添加されているので、短波長(例えば、200nm以上350nm未満の短波長)の光を吸収し易い。
封止樹脂層5の屈折率R2は、例えば、1.420〜1.500、好ましくは、1.480〜1.490であって、上記した太陽電池モジュール用粘着シート1の屈折率R1に比べて高いかあるいは同一である。
太陽電池モジュール用粘着シート1の屈折率R1と封止樹脂層5の屈折率R2とが上記の関係を満たすことにより、太陽電池モジュール用粘着シート1によって波長変換した光を、封止樹脂層5に効率よく入射させて、太陽電池素子4に効率的に入射させることができる。
また、封止樹脂層5の厚みは、太陽電池素子4より厚く、例えば、0.2〜2mmである。
被覆層6は、太陽電池モジュール3の最表面(厚み方向最一方側面)に設けられており、具体的には、封止樹脂層5の上に、封止樹脂層5を被覆するように、上記した太陽電池モジュール用粘着シート1を介して積層されている。被覆層6を形成する材料としては、例えば、透明材料、通常、太陽電池素子4に入射する光を実質的に吸収しない透明材料が用いられ、具体的には、ガラスが用いられる。
被覆層6の厚みは、例えば、3〜12mmである。
太陽電池モジュール用粘着シート1は、厚み方向において、上記した封止樹脂層5と被覆層6との間に介在されている。
また、この太陽電池モジュール3には、支持層7をさらに設けることもできる。
支持層7は、太陽電池モジュール3の最裏面(厚み方向最他方側面)に設けられており、封止樹脂層5の裏面(下面)に積層されている。支持層7の厚みは、例えば、0.05〜0.3mmである。
そして、この太陽電池モジュール3を得るには、まず、被覆層6を用意する。
また、図1の仮想線で示すように、太陽電池モジュール用粘着シート1に積層された一方(表面側)の離型シート2を太陽電池モジュール用粘着シート1の表面から引き剥がす。
次いで、太陽電池モジュール用粘着シート1の表面を、被覆層6の裏面に貼着する。
次いで、図2において図示しないが、他方(裏面側)の離型シート2を太陽電池モジュール用粘着シート1の裏面から引き剥がす。
別途、支持層7に、封止樹脂層5および太陽電池素子4が積層された積層体を用意する。
その後、太陽電池モジュール用粘着シート1の裏面を、積層体の封止樹脂層5の表面に積層して、太陽電池モジュール用粘着シート1によって、被覆層6と封止樹脂層5とを接着する。
被覆層6と封止樹脂層5との接着では、太陽電池モジュール用粘着シート1を封止樹脂層5に積層した後、必要により、加熱により脱気し、その後、圧着させる。
これにより、太陽電池モジュール3を得ることができる。
そして、この太陽電池モジュール3によれば、封止樹脂層5と被覆層6とに介在される太陽電池モジュール用粘着シート1によって、封止樹脂層5と被覆層6との密着性を向上させることができる。そのため、優れた信頼性を確保することができる。
また、太陽電池モジュール3では、太陽電池モジュール用粘着シート1が封止樹脂層5と被覆層6との間に介在されているので、被覆層6を通過した後、封止樹脂層5に吸収される前の光(太陽光)の波長を変換することができる。
すなわち、太陽電池モジュール用粘着シート1は、封止樹脂層5に吸収される前において、相対的に封止樹脂層5に吸収され易い短波長の光(例えば、波長が350nm未満の光)を、相対的に封止樹脂層に吸収されにくい長波長の光(例えば、波長が350nm以上の光)に、効率的に波長変換することができる。
そのため、波長変換された光が、その後、封止樹脂層5を通過しても、樹脂による吸収を受けにくく、結晶シリコン系の太陽電池素子4において、波長変換された光を効率よく光電変換することができ、太陽電池モジュール3の光電変換効率を向上させることができる。
さらに、太陽電池モジュール3では、太陽電池モジュール用粘着シート1が封止樹脂層5と被覆層6との間に介在されているので、優れた耐久性を確保することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
(アクリル系ポリマーの調製)
アクリル酸ブチル95重量部およびアクリル酸5重量部からなるモノマー成分を重合することにより、アクリル系ポリマーを調製した。
(太陽電池モジュール用粘着シートの作製)
アクリル系ポリマー100重量部、蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)0.04重量部、架橋剤(商品名:テトラッドC、ポリグリシジル化合物、三菱瓦斯化学製)0.075重量部、紫外線吸収剤(ADK STAB LA46、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ADEKA社製)3重量部、光安定剤(ADK STAB LA63P、ヒンダードアミン系光安定剤、ADEKA社製)0.3重量部を、トルエンに混合して、固形分濃度19重量%の塗布液を調製した。
次いで、調製した塗布液を、離型シートの表面に塗布し、加熱により乾燥して、厚さ20μmの太陽電池モジュール用粘着シートを作製した。その後、太陽電池モジュール用粘着シートの表面に離型シートをさらに積層した。
この太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であった。屈折率は、多波長アッベ屈折計(アタゴ社製)により測定した。
(太陽電池モジュールの作製)
ガラスからなる被覆層(厚み3mm)を用意し、太陽電池モジュール用粘着シートの表面側の離型フィルムを引き剥がし、太陽電池モジュール用粘着シートを、被覆層の裏面に貼着した。
次いで、太陽電池モジュール用粘着シートの裏面側の離型シートを、太陽電池モジュール用粘着シートから引き剥がした。
また、別途、支持層に、EVAからなる封止樹脂層(厚み250μm、屈折率(R2)1.480)と、太陽電池モジュール(厚み150μm)が積層された積層体を用意した。なお、太陽電池モジュールは、結晶シリコンからなる半導体層および電極を備えていた。
その後、太陽電池モジュール用粘着シートの裏面を、積層体の封止樹脂層の表面に積層して、太陽電池モジュール用粘着シートによって、被覆層と封止樹脂層とを接着した。この接着では、150℃で3分間加熱することにより脱気した後、30分間、圧力10kPaで圧着した。
これにより、太陽電池モジュールを作製した。
実施例2
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)の配合割合を0.01重量部に変更した以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製し、続いて、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であった。
実施例3
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)の配合割合を0.07重量部に変更した以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製し、続いて、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は、1.478であった。
実施例4
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)の配合割合を0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製し、続いて、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であった。
実施例5
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)0.04重量部に代えて、蛍光染料(BASF社製、商品名 Lumogen F Yellow170)0.01重量部を用いた以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製し、続いて、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であった。
実施例6
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)0.04重量部に代えて、蛍光染料(BASF社製、商品名 Lumogen F Yellow170)0.04重量部を用いた以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製し、続いて、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であった。
実施例7
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)0.04重量部に代えて、蛍光染料(BASF社製、商品名 Lumogen F Yellow170)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製し、続いて、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であった。
実施例8
(太陽電池モジュールの作製)
EVAからなる封止樹脂層に代えて、ポリフッ化ビニリデンからなる封止樹脂層を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、太陽電池モジュールを作製した。
なお、封止樹脂層の屈折率(R2)は、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率R1に比べて低く、1.420であった。
比較例1
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)を用いなかった以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製し、続いて、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であった。
比較例2
(太陽電池モジュール用粘着シートの作製)
蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)を用いなかった以外は、実施例1と同様に処方して、太陽電池モジュール用粘着シートを作製した。
(太陽電池モジュールの作製)
上記により作製した太陽電池モジュール用粘着シートを用い、さらに、EVAからなる封止樹脂層に代えて、EVA100重量部に対して、蛍光染料(Lumogen F Blue650、BASF社製)0.04重量部が均一に分散された封止樹脂層を設けた以外は、実施例1と同様に処理して、太陽電池モジュールを作製した。
なお、太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率(R1)は1.478であり、封止樹脂層の屈折率(R2)は1.480であった。
[評価]
(太陽電池モジュール用粘着シートの波長変換特性の評価)
実施例1および5で作製した太陽電池モジュール用粘着シートについて、励起スペクトルおよび蛍光スペクトルを、分光蛍光光度計を用いて測定した。
分光蛍光光度計の種類および測定条件を以下に示す。
分光蛍光光度計 :JASCO FP−6500(日本分光社製)
測定条件
(実施例1)
励起スペクトル測定範囲:300〜400nm
蛍光スペクトル測定範囲:400〜600nm
(実施例5)
励起スペクトル測定範囲:300〜515nm
蛍光スペクトル測定範囲:515〜700nm
実施例1および実施例5の結果を、それぞれ、図3および図4に示す。
(太陽電池モジュールの発電量評価)
各実施例および各比較例の太陽電池モジュールをソーラーシミュレーターに設置して、最大発電量を測定した。
ソーラーシミュレーターの種類および測定条件を以下に示す。
ソーラーシミュレーター:YSS−50(山下電装社製)
光源 :高圧キセノンランプ
光量 :100mW/cm
時間 : 30分間
その結果を、表1に示す。
Figure 0005599580
1 太陽電池モジュール用粘着シート
3 太陽電池モジュール
4 太陽電池素子
5 封止樹脂層
6 被覆層

Claims (7)

  1. 結晶シリコン系の太陽電池素子と、
    前記太陽電池素子を封止する封止樹脂層と、
    前記封止樹脂層の上に、前記封止樹脂層を被覆するように形成される被覆層と、
    前記封止樹脂層と、前記被覆層との間に介在され、300nm以上350nm未満の短波長の光を、350nm以上500nm未満の長波長の光に変換するための有機蛍光染料を含有する太陽電池モジュール用粘着シートと
    を備え、
    前記有機蛍光染料は、ナフタルイミド系(Naphtalimid)染料および/またはペリレン系(Perylene)染料であり、
    前記太陽電池モジュール用粘着シートは、前記封止樹脂層に吸収される前において、相対的に前記封止樹脂層に吸収され易い前記短波長の光を、相対的に前記封止樹脂層に吸収されにくい前記長波長の光に変換するように構成されていることを特徴とする、太陽電池モジュール。
  2. 前記太陽電池モジュール用粘着シートの屈折率は、前記封止樹脂層の屈折率に比べて低いかあるいは同一であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記太陽電池モジュール用粘着シートは、ポリマーをさらに含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記有機蛍光染料の励起スペクトルは、350〜550nmにピーク波長を有し、
    前記有機蛍光染料の蛍光スペクトルは、400〜700nmにピーク波長を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記有機蛍光染料の含有割合は、前記ポリマー100重量部に対して、0.001〜1重量部であることを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記太陽電池モジュール用粘着シートは、紫外線吸収剤および光安定剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 結晶シリコン系の太陽電池素子と、前記太陽電池素子を封止する封止樹脂層と、前記封止樹脂層の上に、前記封止樹脂層を被覆するように形成される被覆層とを備える太陽電池モジュールの使用のために用いられ、
    前記封止樹脂層と、前記被覆層との間に介在され、300nm以上350nm未満の短波長を、350nm以上500nm未満の長波長に変換するための有機蛍光染料を含有し、
    前記有機蛍光染料は、ナフタルイミド系(Naphtalimid)染料および/またはペリレン系(Perylene)染料であり、
    前記封止樹脂層に吸収される前において、相対的に前記封止樹脂層に吸収され易い前記短波長の光を、相対的に前記封止樹脂層に吸収されにくい前記長波長の光に変換するように構成されていることを特徴とする、太陽電池モジュール用粘着シート。
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