JP5599492B1 - スタッドボルト接続部材及び工業炉の内面改修方法 - Google Patents

スタッドボルト接続部材及び工業炉の内面改修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 炉壁の内面に設けられたスタッドボルトに内張り材を貫通させて装着された工業炉の内面を改修させるにあたり、スタッドボルトに接続させるスタッドボルト接続部材を用い、工業炉内面の改修作業が、短時間で簡単且つ適切に行えるようにする。
【解決手段】 炉壁1の内面に設けられたスタッドボルト3に、少なくとも断熱材を含む内張り材2を貫通させて、炉壁の内面に内張り材を装着させた工業炉の内面を改修するにあたり、スタッドボルトの先端部を挿入させる連結用筒部11と、この連結用筒部の先端から突出するボルト部12とを有し、前記の連結用筒部に、スタッドボルトをこの連結用筒部に溶接させる溶接用の開口部13が設けられたスタッドボルト接続部材10を用いた。
【選択図】 図5

Description

本発明は、スタッドボルトに接続させるスタッドボルト接続部材及び炉壁の内面に設けられたスタッドボルトに内張り材を貫通させ、この内張り材から突出されたスタッドボルトの先端にナット等の締結具を取り付けて、炉壁の内面に内張り材を装着させた工業炉の内面改修方法に関するものである。特に、スタッドボルトに接続させるスタッドボルト接続部材を用いて、前記のような工業炉の内面を改修する作業が、短時間で簡単且つ適切に行えるようにした点に特徴を有するものである。
従来から、加熱炉や焼鈍炉等の工業炉においては、特許文献1〜4等に示されるように、炉壁の内面に設けられたスタッドボルトに、断熱材やそれを覆う金属板等の内張り材を貫通させ、この内張り材から突出されたスタッドボルトの先端にナット等の締結具を取り付けて、炉壁の内面に内張り材を装着させることが行われている。
ここで、前記のスタッドボルトやナット等の締結具として、ステンレス等の鋼材で構成されたものを使用した場合、炉内の熱等により、スタッドボルトやナット等の締結具が酸化されて劣化し、前記の内張り材を十分に保持することができなくなったり、内張り材を交換しようとする際に、締結具が外れなくなるという問題があった。
そして、従来においては、炉内の熱等により、スタッドボルトやナット等の締結具が酸化されて劣化するのを抑制するため、特許文献1、2等においては、前記の内張り材から突出されるスタッドボルトの先端部やナット等の締結具にセラミック材を用いるようにしたものが提案されている。
しかし、スタッドボルトやナット等の締結具にセラミック材を用いるようにした場合、これらのコストが高く付くと共に、セラミック材は一般に脆く、セラミック材を用いたスタッドボルトやナット等の締結具が振動等によって破損し、前記の内張り材を十分に保持することができなくなるという問題があった。
また、従来においては、前記のようにスタッドボルトやナット等の締結具が酸化されて劣化した場合において、内張り材を十分に保持させるようにするため、特許文献3においては、既存のスタッドボルトから一定距離ずらした位置にスタッドボルトの直径の数倍の開孔部を開孔し、新規なスタッドボルトを上記の開孔部に挿入し、その一端を炉殻に溶接して立設させると共に、新規なスタッドボルトのまわりの開孔部に、断熱材のセラミックファイバーを充填して補修することが提案されている。
しかし、このように既存のスタッドボルトから一定距離ずらした位置にスタッドボルトの直径の数倍の開孔部を開孔し、この開孔部に新規なスタッドボルトを挿入して、このスタッドボルトの一端を炉殻に溶接する等の作業は非常に面倒で時間を要するという問題があった。また、このように既存のスタッドボルトの近くに新規なスタッドボルトを設けるようにした場合、スタッドボルトの数が増加し、各スタッドボルトを通して炉内の熱が炉壁に伝わり、断熱材等の内張り材による断熱効果が著しく低下するという問題があった。
また、前記のような工業炉においては、老朽化した内張り材の修復や耐久性を向上させるため、内張り材に使用する断熱材や金属板等を交換したり、内張り材の厚みを大きくしたりすることも行われている。
そして、図1(A)に示すように、炉壁1の内面に設けられたスタッドボルト3に、断熱材等の内張り材2を貫通させ、この内張り材2から突出されたスタッドボルト3の先端にナット等の締結具4を取り付けて、炉壁1の内面に内張り材2を装着させた工業炉において、前記のように内張り材2に使用する断熱材や内板を交換したり、内張り材2の厚みを大きくしたりするにあたり、従来においては、スタッドボルト3やナット等の締結具4が酸化されて劣化し、締結具4の取り外しが困難になっている場合には、図1(B)に示すように、ナット等の締結具4が取り付けられたスタッドボルト3の先端部を切断した後、図1(C)に示すように、老朽化した内張り材2の表層部分2aを除去するようにしている。そして、このように内張り材2の表層部分2aを除去した後、図1(D)に示すように、切断されたスタッドボルト3の先端面に、スタッドボルト3と中心線を合わせてスタッドボルト3と同径のボルト5を接合させ、この状態でスタッドボルト3と前記のボルト5との全周を溶接し、或いは、図1(E)に示すように、切断されたスタッドボルト3の先端部から前方に突出するようにしてボルト5を、スタッドボルト3の横に平行に沿わせてスタッドボルト3の外周と接触させ、この状態で、ボルト5とスタッドボルト3との接触部分を溶接することが行われている。
しかし、前記のようにスタッドボルト3の先端面に、同径のボルト5をスタッドボルト3の中心線を合わせ、このボルト5とスタッドボルト3とが接合する部分を全周にわたって溶接したり、ボルト5をスタッドボルト3の先端部の横に平行に沿わせて、スタッドボルト3の外周と接触させた状態でスタッドボルト3に溶接したりする作業は非常に困難であり、これらの溶接作業に多くの時間を要すると共に、ボルト5とスタッドボルト3との間に溶接不良が発生しやすくなるという問題があった。特に、工業炉においては、スタッドボルト3が多数設けられているため、各スタッドボルト3に対して、このような溶接作業を行うようにした場合には、非常に長い時間が必要になるという問題があった。
特に、図1(E)に示すように、切断されたスタッドボルト3の先端部の横に沿わせて、ボルト5をスタッドボルト3に溶接するようにした場合、このボルト5の位置が元のスタッドボルト3の位置からずれてしまい、新しい内張り材(図示せず)を装着させる場合、この新しい内張り材に設ける穴の位置を変更したり、穴を大きくしたりする必要が生じるという問題があった。
実公平3‐22714号公報 特許第2728833号公報 実開平5−10995号公報 特開昭64−49886号公報
本発明は、炉壁の内面に設けられたスタッドボルトに内張り材を貫通させ、この内張り材から突出されたスタッドボルトの先端にナット等の締結具を取り付けて、炉壁の内面に内張り材を装着させた工業炉の内面を改修する場合における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、本発明においては、スタッドボルトに接続させるスタッドボルト接続部材を用い、スタッドボルトの先端部にスタッドボルト接続部材が簡単且つ適切に取り付けられるようにし、前記のような工業炉の内面を改修する作業が短時間で簡単且つ適切に行えるようにすることを課題とするものである。
本発明に係るスタッドボルト接続部材においては、上記のような課題を解決するため、スタッドボルトの先端部を挿入させる連結用筒部と、この連結用筒部の先端から突出するボルト部とを有するようにし、前記の連結用筒部に、スタッドボルトをこの連結用筒部に溶接させる溶接用の開口部を設けるようにした。
そして、このスタッドボルト接続部材においては、前記の連結用筒部内にスタッドボルトを挿入させ、この状態で、前記の溶接用の開口部において、スタッドボルトをこの連結用筒部に溶接させて、このスタッドボルト接続部材をスタッドボルトの先端部に取り付けることにより、スタッドボルト接続部材をスタッドボルトと中心線を合わせた状態で取り付けることができるようになる。
ここで、前記のスタッドボルト接続部材において、連結用筒部に溶接用の開口部を設けるにあたっては、この開口部が連結用筒部におけるスタッドボルトの挿入側端部に至らないように、この開口部を連結用筒部内に設けることが好ましい。このようにすると、スタッドボルトをこの開口部において連結用筒部に溶接させた場合、スタッドボルトと連結用筒部との溶接部分が開口部の口縁に当て止めされて保持されるようになり、スタッドボルトがスタッドボルト接続部材の連結用筒部から抜けるのが防止され、スタッドボルトにスタッドボルト接続部材が強固に取り付けられるようになる。
また、前記のスタッドボルト接続部材においては、スタッドボルトの先端部を挿入させる前記の連結用筒部を、前記の開口部におけるスタッドボルトの挿入方向先端部を超えて設け、スタッドボルトの先端部が前記の開口部を超えて連結用筒部内に挿入されるようにすることが好ましい。このようにすると、連結用筒部内に挿入されたスタッドボルトの先端部が、開口部を超えた位置においても連結用筒部に保持されて規制され、スタッドボルト接続部材をスタッドボルトと中心線を合わせた状態で取り付けることが簡単に行えるようになると共に、スタッドボルトの先端部に取り付けられたスタッドボルト接続部材ががたつくのも抑制される。
そして、本発明に係る工業炉の内面改修方法においては、炉壁の内面に設けられたスタッドボルトに、少なくとも断熱材を含む内張り材を貫通させ、この内張り材から突出されたスタッドボルトの先端に締結具を取り付けて、炉壁の内面に内張り材を装着させた工業炉の内面を改修するにあたり、前記のスタッドボルト接続部材を使用し、前記の締結具が取り付けられたスタッドボルトの先端部を切断した後、切断されたスタッドボルトの先端部を、前記のスタッドボルト接続部材における連結用筒部内に挿入させ、この連結用筒部に設けられた前記の開口部において、スタッドボルトをこの連結用筒部に溶接させて、前記のスタッドボルトの先端部に前記のスタッドボルト接続部材を取り付けるようにする。
ここで、このように連結用筒部に設けられた開口部において、スタッドボルトを連結用筒部に溶接させて、スタッドボルトの先端部にスタッドボルト接続部材を取り付ける場合、切断されたスタッドボルトの先端部を、連結用筒部に設けられた開口部を超えて連結用筒部内に挿入させ、この状態で、スタッドボルトを連結用筒部に溶接させるようにすることが好ましい。
そして、本発明に係る工業炉の内面改修方法においては、切断されたスタッドボルトの先端部に取り付けられた前記のスタッドボルト接続部材におけるボルト部を貫通するようにして、新たな内張り材をスタッドボルト接続部材に挿通させ、この内張り材から突出されたスタッドボルト接続部材のボルト部に締結具を取り付けて、新たな内張り材をスタッドボルト接続部材を介して装着させるようにすることができる。
本発明におけるスタッドボルト接続部材においては、前記のように連結用筒部内にスタッドボルトの先端部を挿入させ、この状態で、スタッドボルトを溶接用の開口部において、スタッドボルトを連結用筒部に溶接させることにより、このスタッドボルト接続部材をスタッドボルトの先端部に簡単且つ強固に取り付けることができる。
そして、本発明に係る工業炉の内面改修方法のように、締結具が取り付けられたスタッドボルトの先端部を切断し、切断されたスタッドボルトの先端部を前記のスタッドボルト接続部材の連結用筒部内に挿入させ、この連結用筒部に設けられた開口部において、スタッドボルトをこの連結用筒部に溶接させると、このスタッドボルト接続部材におけるボルト部の位置がスタッドボルトの位置からずれるということがなく、切断されたスタッドボルトの先端部にスタッドボルト接続部材を簡単且つ強固に取り付けることができるようになる。
この結果、スタッドボルトが多数設けられている工業炉において、内張り材に使用する断熱材や内板を交換したり、内張り材の厚みを大きくしたりして、工業炉の内面を改修する作業も、従来に比べて短時間で簡単且つ適切に行えるようになる。
工業炉の内面を改修する従来の工程を示し、(A)は炉壁の内面に設けられたスタッドボルトに内張り材を貫通させて、炉壁の内面に内張り材を装着させた状態を示した断面説明図、(B)は内張り材を貫通させたスタッドボルトの先端部を切断した状態を示した断面説明図、(C)は内張り材の表層部分を除去した状態を示した断面説明図、(D)は切断されたスタッドボルトの先端面にボルトを溶接した状態を示した断面説明図、(E)は切断されたスタッドボルトの先端部の横に沿わせてボルトを溶接した状態を示した断面説明図である。 本発明の実施形態に係るスタッドボルト接続部材を示した概略説明図である。 前記の実施形態に係るスタッドボルト接続部材をスタッドボルトの先端部に取り付ける状態を示し、(A)はスタッドボルト接続部材の連結用筒部にスタッドボルトの先端部を挿入させる前の状態を示した概略平面図、(B)はスタッドボルトの先端部を、スタッドボルト接続部材の連結用筒部における開口部を超えて連結用筒部内に挿入させた状態を示した概略平面図、(C)及び(D)は連結用筒部における開口部を超えて連結用筒部内に挿入されたスタッドボルトを、開口部において連結用筒部に溶接させる状態を示した概略平面図及び概略側面図である。 前記の実施形態に係るスタッドボルト接続部材を用いて工業炉の内面を改修するにあたり、スタッドボルト接続部材を炉壁の内面に設けられた内張り材に押し込むのに使用する押込み治具の概略平面図である。 前記の実施形態に係るスタッドボルト接続部材を用いて工業炉の内面を改修する工程を示し、(A)は押込み治具によりスタッドボルト接続部材における連結用筒部の端部を、切断されたスタッドボルトの先端部に導いた状態を示した断面説明図、(B)は押込み治具によりスタッドボルト接続部材の連結用筒部内に切断されたスタッドボルトの先端部を挿入し、このスタッドボルトの先端部を、スタッドボルト接続部材における連結用筒部の開口部を超えて連結用筒部内に導いた状態を示した断面説明図、(C)は(B)に示した状態で、連結用筒部の開口部において、スタッドボルトを連結用筒部に溶接する状態を示した断面説明図、(D)は(C)に示した状態から押込み治具をスタッドボルト接続部材から離れる方向に移動させて、スタッドボルト接続部材のボルト部を露出させた状態を示した断面説明図である。 前記の実施形態に係るスタッドボルト接続部材を用いて工業炉の内面を改修するにあたり、切断されたスタッドボルトの先端部に取り付けられたスタッドボルト接続部材のボルト部に、厚みが大きくなった新たな内張り材を貫通させて、先に設けられていた内張り材の上に新たな内張り材を装着させた状態を示した断面説明図である。
以下、本発明の実施形態に係るスタッドボルト接続部材及びこのスタッドボルト接続部材を用いた工業炉の内面改修方法を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るスタッドボルト接続部材及びこのスタッドボルト接続部材を用いた工業炉の内面改修方法は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
この実施形態に係るスタッドボルト接続部材10においては、図2に示すように、スタッドボルト3の先端部を挿入させる筒状の連結用筒部11の先端部からボルト部12を突出させると共に、この連結用筒部11に、スタッドボルト3を連結用筒部11に溶接させる溶接用の開口部13を設けている。
ここで、この実施形態に係るスタッドボルト接続部材10においては、ボルト部12の一部を、前記の連結用筒部11の先端側から前記の開口部13に達しない図2に示すAの範囲の位置まで連結用筒部11内に挿入させ、ボルト部12と開口部13との間に、図2に示すCの隙間を有するようにし、この状態で、ボルト部12の周囲を連結用筒部11に溶接させて取り付けている。なお、この実施形態においては、ボルト部12を連結用筒部11に溶接させて取り付けるようにしたが、スタッドボルト接続部材10はこのようなものに限定されない。例えば、図示していないが、連結用筒部11とボルト部12とを一体に形成したスタッドボルト接続部材10や、連結用筒部11の内周側にねじ溝を設け、このねじ溝にボルト部12をねじ込んで取り付けたスタッドボルト接続部材10を用いることも可能である。
また、このスタッドボルト接続部材10においては、前記の開口部13が連結用筒部11におけるスタッドボルト3の挿入側端部に貫通しないように、すなわち図2に示すBの部分を残すようにして、開口部13を連結用筒部11の周方向に沿って連結用筒部11内に設けている。
そして、このスタッドボルト接続部材10を、切断されたスタッドボルト3の先端部に取り付けるにあたっては、図3(A)に示すように、前記のボルト部12と反対側における連結用筒部11の端部をスタッドボルト3の先端部に導き、図3(B)に示すように、ボルト部12と反対側における連結用筒部11内に、スタッドボルト3の先端部を導入させて、このスタッドボルト3の先端部を、前記の開口部13を超えて、図2に示すCの部分に至るように連結用筒部11内に挿入させるようにする。そして、この状態で、図3(C),(D)に示すように、前記の開口部13において、溶接棒23を用いてスタッドボルト3を連結用筒部11に溶接し、スタッドボルト接続部材10をスタッドボルト3の先端部に取り付けるようにする。
このようにしてスタッドボルト接続部材10をスタッドボルト3の先端部に取り付けると、連結用筒部11内に挿入されたスタッドボルト3の先端部が、前記の開口部13のスタッドボルト3の挿入方向両側の部分、すなわち図2に示すBの部分とCの部分において連結用筒部11内に保持されるので、スタッドボルト接続部材10とスタッドボルト3とががたつかずに、真直度を保った状態で溶接できるようになる。また、前記の開口部13におけるスタッドボルト3の挿入方向の長さを長くしておくと、図3(C),(D)に示すように、黒塗りした溶接部分を長くすることができると共に、この溶接部分がスタッドボルト3における開口部13の口縁部分に当て止めされ、スタッドボルト接続部材10がスタッドボルト3に強固に取り付けられるようになる。
次に、前記の図1(A)に示すように、炉壁1の内面に設けられたスタッドボルト3に断熱材等の内張り材2を貫通させ、この内張り材2から突出されたスタッドボルト3の先端にナット等の締結具4を取り付けて、炉壁1の内面に内張り材2を装着させた工業炉の内面を、前記のスタッドボルト接続部材10を用いて改修する場合について説明する。
ここで、この実施形態においても、スタッドボルト3やナット等の締結具4が酸化されて劣化し、締結具4の取り外しが困難になっている場合には、従来の場合と同様に、図1(B)に示すように、ナット等の締結具4が取り付けられたスタッドボルト3の先端部を切断した後、図1(C)に示すように、老朽化した内張り材2の表層部分2aを除去させるようにする。
そして、この実施形態においては、このように内張り材2の表層部分2aを除去させた状態で、前記のように切断されたスタッドボルト3の先端部に、前記のスタッドボルト接続部材10を取り付け、厚みが大きくなった新たな内張り材2cを取り付けるようにしている。
ここで、前記のように切断されたスタッドボルト3の先端部にスタッドボルト接続部材10を取り付けるにあたり、この実施形態においては、図4に示すように、押込み治具20として、スタッドボルト接続部材10におけるボルト部12を挿入させる筒部21の一端側に、押込み用のアーム22を設けたものを用いるようにしている。
そして、前記のように切断されたスタッドボルト3の先端部に、前記のスタッドボルト接続部材10を取り付けるにあたっては、図5(A)に示すように、この押込み治具20の筒部21内にスタッドボルト接続部材10におけるボルト部12を挿入させて、スタッドボルト接続部材10を押込み治具20に保持させた状態で、この押込み治具20によりスタッドボルト接続部材10における連結用筒部11の端部を、前記のように切断されたスタッドボルト3の先端部に導くようにする。
次いで、前記のように押込み治具20にスタッドボルト接続部材10を保持させた状態で、図5(B)に示すように、前記のスタッドボルト接続部材10の連結用筒部11内に、切断されたスタッドボルト3の先端部を挿入させて、このスタッドボルト3の先端部を、連結用筒部11に設けた前記の開口部13を超えて連結用筒部11内に導くようにする。
そして、このようにスタッドボルト3の先端部を、連結用筒部11の開口部13を超えて連結用筒部11内に保持させた状態で、押込み治具20を作業者が片手や腹部等で押さえ付けながら、図5(C)に示すように、溶接棒23を用い、前記の開口部13において、スタッドボルト3を連結用筒部11に溶接し、スタッドボルト接続部材10をスタッドボルト3の先端部に取り付けようにする。その後は、図5(D)に示すように、前記の押込み治具20をスタッドボルト接続部材10から離れる方向に移動させて、押込み治具20の筒部21内に挿入されていたスタッドボルト接続部材10のボルト部12を露出させるようにする。
このようにすると、スタッドボルト接続部材10におけるボルト部12の位置がスタッドボルト3の位置からずれるということがなく、スタッドボルト接続部材10を、切断されたスタッドボルト3の先端部に簡単且つ強固に取り付けることができるようになる。
また、前記の押込み治具20を利用すると、工業炉の側壁面や天井面等のように部品が落下する可能性のある向きに設けられたスタッドボルト3に対して前記のような施工を行う場合、手袋や他の工具を用いてスタッドボルト接続部材10を押え付けるよりも、前記の押込み治具20によりスタッドボルト接続部材10を確実に押さえ付けることができ、作業効率が向上する。
そして、前記のようにして切断されたスタッドボルト3の先端部に、スタッドボルト接続部材10を取り付けた後、例えば、内張り材2の厚みを大きくするにあたっては、図6に示すように、このスタッドボルト接続部材10のボルト部12に厚みが大きくなった新たな内張り材2bを貫通させて、先に設けられていた内張り材2の上に新たな内張り材2bを配置させ、この新たな内張り材2bから突出されたスタッドボルト接続部材10におけるボルト部12の先端にナット等の締結具4を取り付けて、新たな内張り材2bを先に設けられていた内張り材2の上に装着させるようにする。
なお、新たな内張り材2bについては、スタッドボルト接続部材10を挿通させる部分の穴を大きくする必要があるが、新たな内張り材2bに柔軟な断熱材を用いる場合には大きな問題はなく、またスタッドボルト接続部材10の外径、すなわち図2に示すDの寸法を小さくすることにより、新たな内張り材2bに設ける穴の径を大きくする量を小さくすることができる。
また、老朽化して除去させた内張り材2の表層部分2aと同じ厚さの新たな内張り材2bを取り付ける場合には、スタッドボルト3を切断する長さ等を調整することにより、除去させた内張り材2の表層部分2aと同じ厚さの新たな内張り材2bを取り付けることができるようになる。
1 炉壁
2 内張り材、2a 表層部分、2b 新たな内張り材
3 スタッドボルト
4 締結具
5 ボルト
10 スタッドボルト接続部材
11 連結用筒部
12 ボルト部
13 開口部
20 押込み治具
21 筒部
22 アーム
23 溶接棒

Claims (6)

  1. スタッドボルトの先端部を挿入させる連結用筒部と、この連結用筒部の先端から突出するボルト部とを有し、前記の連結用筒部に、スタッドボルトをこの連結用筒部に溶接させる溶接用の開口部が設けられていることを特徴とするスタッドボルト接続部材。
  2. 請求項1に記載のスタッドボルト接続部材において、前記の開口部が、前記の連結用筒部内に設けられていることを特徴とするスタッドボルト接続部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスタッドボルト接続部材において、スタッドボルトの先端部を挿入させる前記の連結用筒部が、前記の開口部におけるスタッドボルトの挿入方向先端部を超えて設けられ、スタッドボルトの先端部が前記の開口部を超えて連結用筒部内に挿入されることを特徴とするスタッドボルト接続部材。
  4. 炉壁の内面に設けられたスタッドボルトに、少なくとも断熱材を含む内張り材を貫通させ、この内張り材から突出されたスタッドボルトの先端に締結具を取り付けて、炉壁の内面に内張り材を装着させた工業炉の内面改修方法において、前記の請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスタッドボルト接続部材を使用し、前記の締結具が取り付けられたスタッドボルトの先端部を切断した後、切断されたスタッドボルトの先端部を、前記のスタッドボルト接続部材における連結用筒部内に挿入させ、この連結用筒部に設けられた前記の開口部において、スタッドボルトをこの連結用筒部に溶接させて、前記のスタッドボルトの先端部に前記のスタッドボルト接続部材を取り付けることを特徴とする工業炉の内面改修方法。
  5. 請求項4に記載の工業炉の内面改修方法において、切断されたスタッドボルトの先端部を、前記の連結用筒部に設けられた開口部を超えて連結用筒部内に挿入させた状態で、スタッドボルトを連結用筒部に溶接させることを特徴とする工業炉の内面改修方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の工業炉の内面改修方法において、切断されたスタッドボルトの先端部に取り付けられた前記のスタッドボルト接続部材に、新たな内張り材を貫通させ、この内張り材から突出されたスタッドボルト接続部材のボルト部に締結具を取り付けて、新たな内張り材を装着させることを特徴とする工業炉の内面改修方法。
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