JP5598991B2 - 香味発生装置 - Google Patents
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Description
ここで、味覚刺激感覚と嗅覚刺激感覚とは、その感覚間になんらかの相互作用があることが知られてはいるものの、未だ研究の途上にある。このような研究や、ユーザの要求を考慮すると、ユーザの味覚刺激と嗅覚刺激とを個別に調整できる香味発生装置が望ましい。
しかしながら、上記のように、従来の香味発生装置では味覚刺激と嗅覚刺激とを個別に制御することを考えていない。すなわち、特許文献1における香味物質は、口から入ってユーザの味覚を刺激しつつ、鼻に回り込んで嗅覚を刺激するような物質を想定しており、味覚刺激物質と嗅覚刺激物質とを区別することまでの配慮がない。
前記第1分配セクションからの前記嗅覚刺激成分の放出開始を、前記第2分配セクションからの前記味覚刺激成分の放出開始よりも早い時期にずらす第1の時期シフト制御を実行すると共に、前記味覚刺激成分と前記嗅覚刺激成分との放出を個別に制御する制御部とを具備し、前記制御部は、更に、前記第1分配セクションからの前記嗅覚刺激成分の放出停止を、前記第2分配セクションからの前記味覚刺激成分の放出停止よりも遅い時期にずらす第2の時期シフト制御を実行する(請求項1)。
図1は、本発明に係る香味発生装置の主要構成を示したブロック図で、この香味発生装置1は嗅覚刺激成分を放出可能な第1分配セクション2と、味覚刺激成分を放出可能な第2分配セクション3とを具備している。そして、これらの分配セクション2、3は、制御部4により各刺激成分の放出が個別に制御されるように構成されている。
最上段の図2(a)は、制御部4によって実行される嗅覚刺激成分Aと味覚刺激成分Bとの放出の時期がシフトされる様子を示したタイムチャートである。そして、中段の図2(b)はこのタイムチャートで香味発生装置のユーザが受ける嗅覚刺激強度を、下段の図2(c)はこのタイムチャートでユーザが受ける味覚刺激強度を示している。
なお、図2では、嗅覚刺激成分をA、味覚刺激成分をBとしている。そして、嗅覚刺激成分AについてはA−1、A−2の2種類、また味覚刺激成分BについてはB−1、B−2の2種類を用いている。そして、先ず嗅覚刺激成分A−1と味覚刺激成分B−1との組合せによる(第1の香味)を発生させてユーザを刺激し、その後に切り替えて、次の嗅覚刺激成分A−2と味覚刺激成分B−2との組合せによる(第2の香味)を発生させてユーザを刺激する場合を示している。
このように、嗅覚刺激成分(香気成分)A−1を前にずらして放出すると、次に提示される味覚成分B−1の「予知感覚」をユーザに与えることができる(図2(c)参照)。よって、より少ない味覚刺激成分B−1の使用量(提示量)で、ユーザに十分な強度の味覚を知覚させることができる。
このように、味覚刺激成分B−1の停止後においても、それを補う嗅覚刺激成分A−1を一定時間継続することで、ユーザに味覚刺激成分が提示され続けているような「残感覚」を与えることができる(図2(c)参照)。
本発明に係る香味発生装置1は、上記のように、制御部4が刺激成分の放出時期をシフトする制御を実行するので、味覚刺激成分の使用量を抑制できる。
この残留味覚成分を減らす技術としては、マスキング剤が種々開発されていた。また、うがいによって残留味覚成分を物理的に洗い流すことや、一定時間休憩を取って残留味覚成分の影響を軽減する試みがされている。ただし、多くの既存マスキング剤やうがい剤は液体であり、口中に液体を入れる行為は、香味発生装置を使用中であるユーザの感覚に影響を与える場合が多いため、これらの方法は利用できる範囲が限定される。そのため、新たな味覚刺激成分を提示する前に、一定時間の休憩を取るという対処が最も多く採用されている。そのため、従来の香味発生装置では、特に、味覚刺激成分を切り替える際に一定時間の休憩を取るので作業効率が悪いものとなっていた。
本発明の香味発生装置1は、上記のような切替え時における問題にも対処が可能である。この点を、更に、図2を参照して以下で説明する。
図2(a)のタイムチャートで示すように、制御部4は嗅覚刺激成分A−1の放出停止(off)後、短い切替時間PTの後、先と同様の制御を開始している。
すなわち第1分配セクション2からの嗅覚刺激成分A−2の放出開始を、第2分配セクション3からの味覚刺激成分B−2の放出開始よりも早い時期にずらす放出制御(第1の時期シフト制御)を実行している(矢印(X−3)参照)。
ここで、上記の切替時間PTは短いものでよく、先の嗅覚刺激成分A−1の停止後、速やかに次の嗅覚刺激成分A−2の放出を開始できる。
これは、図2(a)から明らかなように、先の味覚刺激成分B−1は早めに放出停止され、切り替え後に放出される次の味覚刺激成分B−2は遅い放出開始となるので、新たな味覚刺激成分B−2を提示する前にユーザの味覚器を十分に休憩させる時間を確保できるからである。
なお、図2(a)で示す嗅覚刺激成分A−1からA−2への切り替えに際して、マスキング剤(マスキング香料)や、オゾン発生装置、送風装置などの既存技術を利用すると、嗅覚刺激のための休憩時間(切替時間PT)も確保せずに、次の組合せによる刺激成分をユーザに提示することができる。よって、更に、切り替えの迅速化を図ることができる。
図3(a)を参照すると、好適な実施形態の香味発生装置1は、嗅覚刺激成分を放出可能な第1分配セクションと味覚刺激成分を放出可能な第2分配セクションとを具備しているマスク型の嗅覚・味覚刺激器10、この嗅覚・味覚刺激器10からの味覚刺激成分と嗅覚刺激成分との放出を個別に制御する制御部として機能する制御装置20を含んで構成されている。
図3で示すように、嗅覚・味覚刺激器10のマスク本体11は、その上側に嗅覚刺激成分を放出可能な第1分配セクション13、下側には味覚刺激成分を放出可能な第2分配セクション14が設けられている。
隔離部材15はユーザの上唇と鼻孔との間の位置を想定して設定する。隔離部材15は、ユーザの皮膚に接触したときに柔軟に形状変化するゴム部材、樹脂部材などを採用するのが望ましい。
なお、上記のようにマスク本体の素材としては、織布、不織布などの柔軟な素材で形成してあり、シート状の素材を複数に積層してある形態、或いは、袋状であるときは、上記隔離部材15を素材間に配置してもよい。
また、嗅覚・味覚刺激器10では、図3(b)で示すように、成分が外部に吐出する部分に活性炭シート16を具備していることが好ましい。成分が外部に吐出する部分に活性炭シート16を設けることで、刺激成分提示時の余剰な香気成分やユーザの吐出成分が活性炭に吸着されるので外部に漏出するのを防止できる。
このマスク型の嗅覚・味覚刺激器10では、刺激香味成分の吸入は、装着した状態で呼吸の吸気によって行うようにすればよい。また、味覚刺激成分については、提示部に突起等を設けて成分を塗布し、それを舐めることによって成分を吸収するようにしてもよい。または、吸口を設け、吸口を吸引することによって味覚刺激成分を吸引するようにしてもよい。
図3(a)では、それぞれの分配セクション13、14に(2行×5列)のマトリクス状にして合計10個ずつのカプセル17を配置した場合を示している。このように複数の独立したカプセル17の集合体で分配セクション13、14を構成しておけば、カプセル17内に封入する刺激成分を互いに異なるもの(成分が異なる場合や、成分濃度が異なる場合)とすることができる。これにより、各分配セクション13、14から必要に応じて、異なる刺激成分を放出させることができる。よって、例えば、嗅覚刺激成分を放出する上側の第1分配セクション13から、異なる香気の刺激成分を放出することができる。なお、切り替え時の残留香気を速やかに除くため、嗅覚刺激成分を放出する第1分配セクション13内のカプセル17の1つにマスキング剤を封入しておいてもよい。
ここで、マスク型の嗅覚・味覚刺激器10内に配備する発熱体は適宜に選択すればよいが、各分配セクション13、14で採用する刺激成分に応じて、加温温度や時間設定を微調整可能であるのが望ましい。更には、マスク型の嗅覚・味覚刺激器10は、ユーザの顔に装着されるので、用いる発熱体は、小型でかつ軽量である必要がある。特に、図3で示す例はカプセル毎に加熱するタイプである。このような観点から、電気で発熱するタイプの小型の電熱器(図3(b)で示すようなヒータ18)を採用するのが望ましい。
嗅覚・味覚刺激器10における各分配セクション13、14にはマトリクス状に配置した、ヒータ18毎にて温度制御が可能としてあり、これにより同じ分配セクションから異なる刺激成分を放出できるようになっている。このような構成であれば、後述の制御装置により、各刺激成分の放出開始、停止の時期のシフトや放出量の制御などを適宜に行えるので好ましい。
ただし、嗅覚・味覚刺激器10は、マスク内に微細で高精度な構成を設けることが必須ではない。ここでの図示は省略するが、マスク本体11の外側に各分配セクション13、14で使用する刺激成分を個別に貯留できる貯留部を設置して、必要に応じてこの貯留部から刺激成分を各分配セクション13、14へ供給できる構成してもよい。その際には、貯留部とマスク本体11側の各分配セクション13、14との間に、各刺激成分の放出開始、停止の時期のシフトや放出量を調整できる電磁弁などを配備しておき、後述の制御装置で同様に制御できるようにしておけばよい。
制御装置20は、全体を制御するコントローラ21を中心に構成してある。そして、制御装置20は前述したマスク型の嗅覚・味覚刺激器10のヒータへ供給する電気的な構成として、温度調節器23を含んでいる。各分配セクション13、14の各ヒータ18は温度調節器23に接続してある。そして、それぞれの刺激成分をどのような温度、時間で加熱して放出をするかを定めてプログラムをコントローラ21内のメモリ(不図示)に予め格納しておき、このプログラムに基づいて温度調節器23の制御を実行すればよい。
ここで、コントローラ21が、前述したように刺激成分の放出開始時期において前述した第1の時期シフト制御を実行すること、また、刺激成分の放出停止時期において前述した第2の時期シフト制御を実行するので、特に味覚刺激成分の使用量を抑制できる。
そして、嗅覚刺激成分と味覚刺激成分との組合せを替えた、切り替え時において、先の第2時期シフト制御に、続けて、後の組合せでの第1の時期シフト制御することができるので、切り替えを迅速に行える。
図4(a)は、一般的なシガレットと同様の形態であり、嗅覚・味覚刺激器30は棒状に形成してある本体部31とユーザが刺激成分を吸引するための吸口部32とを備えている。本体部31内には、図3に示すマスク型の嗅覚・味覚刺激器10の場合と同様に構成される、嗅覚刺激成分を放出可能な第1分配セクション33および味覚刺激成分を放出可能な第2分配セクション34が設けてある。
図3で示す嗅覚・味覚刺激器10では柔軟なマスク素材を用いる場合を説明したが、図5による嗅覚・味覚刺激器40では、カップ型のマスク41を備え、このマスク41はプラスチックから形成され、その形状を一定に保持可能である。
マスク41は円筒状の分配容器42の上部に接続され、この分配容器42の外周面から突出された状態にある。図5に示されるように、分配容器42はその内部に中間底43が設けられている。この中間底43は分配容器42内を横断し、分配容器42内をアッパ室44及びロア室に区画している。このロア室は更に仕切り壁45によって区画され、この仕切り壁45は中間底43から分配容器42の底壁まで分配容器44の軸線方向に沿って延び、ロア室を左右の第1貯留室52と第2貯留室54とに区画している。
同様に、上記第2貯留室54は、第2の分配セクションとなり味覚刺激成分を溶解した状態で貯留する第2の貯留部となっている。より詳細には、第2貯留室54は更に分割されており、ここでは2種類の嗅覚刺激成分B−1、B−2を貯留している。
上記味覚刺激成分B−1、B−2もそれぞれの供給管を介して、アッパ室44に配置した電磁弁62を介して、ユーザの口に向けて配置してある口用放出口64から選択的に放出できるようになっている。
なお、各刺激成分の貯留状態としては、溶剤(例えば未変性エタノール)中に刺激成分を溶解した刺激液を噴射剤(例えば圧縮空気)とともに封入しておき、開閉機構となる電磁弁61、62の開閉、その開度に応じて放出がされるようにしておけばよい。
図3に示した香味発生装置1を下記のように実際に作製して、ユーザに与える感覚の効果を確認した。
〔香味発生装置の作製〕
香味発生装置のマスク型の嗅覚・味覚刺激器10は以下のように作製した。市販の木綿マスクをマスク本体として用い、マスクの袋部を利用して、上側に鼻部用の第1分配セクション、下側に口部用の第2分配セクション、そして活性炭シートを配置した。
ヒータ18として5mm角マイクロセラミックヒータ(坂口電熱株式会社製)を防水加工したものを用いた。それらを図3(a)に示すように、各分配セクションに横5個、縦2個で計10個を配置し、合計20個並べた。
上記ヒータ18の温度は、カプセルを構成する医療用ゼラチンが溶解する温度に設定されている。香味発生装置の全体の制御はコントローラ21により行われ、各ヒータ18を独立に温度制御し、カプセル内に担持した各成分を任意の時間に提示できるようにしてある。
熱に溶解するカプセルとして市販の医療用ゼラチンカプセル(松屋社製)を用い、提示成分とメタノール/水混液(50:50)を封入してヒータ18上に貼り付けた。この際、カプセル17を人肌程度の温度で膜が破れない程度に溶かし、図3(a)、(b)で示すようにヒータ18上に半球上に貼り付けた。このようにすることで、ヒータ18とカプセル17の接触面積が広くなり、より迅速にカプセルを溶解することができる。
なお、嗅覚・味覚刺激器10での送風装置24は、圧縮空気が封入された圧縮空気ボンベとした。この圧縮空気ボンベからノズル25を通じて必要に応じて空気をマスク内に導入することで瞬時に残留刺激成分を排除できるようにした。
マスク型香味発生装置において、嗅覚刺激成分(以下では、香気成分)にペパーミント、味覚刺激成分(以下では、味覚成分)にメンソールを収容したカプセルのみをヒータ上に担持させ、メンソールのみを口から提示した場合、およびメンソール提示前に5秒間ペパーミント香気成分を鼻から提示した後メンソールを口から提示した場合のメンソール味の味覚成分提示濃度−強度曲線をそれぞれ作成した。
なお、ここでは図6に示されたLMS(Labeled Magnitude Scale)の評価軸が使用され、この評価軸は、「想像でき得る限り最も強い」から「何も感じない」までの7つの段階を有する。ディスクリプタ(descriptor)の横のカッコ内の数値は、各ディスクリプタを感覚強度数値に変換したときの値である。放出(提示)するペパーミントの香気成分は、図6で示すLMS軸上で、強くも弱くもない(moderate)程度の強度を示すもので常に一定とした。
同様の試験を、香気成分を2、3−ジメチルピラジン、味覚成分を2−エチルピラジンとした組合せについても行った。
その結果を図7に示している。図7(a)は(ペパーミント、メンソール)の組合せ、図7(b)は(2、3−ジメチルピラジン、2−エチルピラジン)の組合せの場合をそれぞれ示している。いずれの場合も、予め香気成分を放出(提示)しておいた場合の方が放出しない場合と比較して、味覚の感覚強度が高くなる傾向が確認された。特に、味覚成分の提示濃度がそれほど高くない領域でその傾向が顕著であった。
マスク型香味発生装置において、香気成分にペパーミント、味覚成分にメンソールを収容したカプセルのみをヒータ上に担持させ、メンソールのみを口から15秒間提示した場合と、メンソールを口から、ペパーミント香気を鼻から15秒間提示した後ペパーミント香気のみを鼻から提示して継続させた場合のメンソール味の味覚成分提示濃度一味覚残時間曲線を作成した。なお、放出するペパーミント香気成分の濃度は上述の場合と同一とした。
味覚残時間は、パネル(ユーザ)に口の中のメンソール味覚がなくなったと感じたときを口頭で伝えてもらい、そのときの時間とメンソールの放出を停止した時間の差とした。
図7、図8の結果から、本発明の香味発生装置を用いれば、味覚刺激成分の使用量を抑制しつつ、ユーザに香味刺激(嗅覚刺激および味覚刺激)を与えることができることが確認できる。
マスク型香味発生装置において、香気成分にペパーミントおよび2、3−ジメチルピラジン、味覚成分にメンソールおよび2−エチルピラジンを収容したカプセルをヒータ上に担持させ、香気成分および味覚成分の組合せを(ペパーミント、メンソール)から(2、3−ジメチルピラジン、2−エチルピラジン)に各成分の停止時間をずらして変化させる場合と、各成分を同時に切り替えた場合で、時間t=(メンソール味覚が2−エチルピラジン味覚に変化したと被験者が感じた時間−2−エチルピラジン味覚の投与を実際に開始した時間)をパネル10名に対して計測した。
香気成分の切り替えには、送風装置を駆動してマスクに内蔵したノズルからエアを吹き込み、残留香気を排除した。
なお、本試験においては、味覚感覚の切り替わりの鋭敏さを調べることが目的であったため、予知感覚を与えるための発生開始時間をずらすことは行わず、停止時間のみをずらして試験を行った。
さらに、制御部が嗅覚刺激成分の放出停止を、味覚刺激成分の放出停止よりも遅い時期にずらし、ユーザの「残感覚」を活用する第2の時期シフト制御を実行することで、味覚刺激成分の終期の使用量を抑制して十分な味覚刺激を与えることができる。以上から、本発明の香味発生装置によれば、味覚刺激成分の使用量を抑制できる。
また、香味刺激成分への切替えにあたり、制御部が、先の第2の時期シフト制御に続けて次の第1の時期シフト制御を実行すると、その間においてユーザの味覚器の休憩が確保されているので、迅速な切替えを行える香味発生装置となる。
例えば、上記実施例ではカプセルを破壊する方法として熱で溶解するカプセル素材を用いる場合を例示したが、カプセル内を空気膨張させて破壊するような構成を採用してもよい。
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。
2 第1分配セクション
3 第2分配セクション
4 制御部
10、30、40 嗅覚・味覚刺激器
11 マスク本体
13 第1分配セクション
14 第2分配セクション
16 活性炭シート
17 カプセル
18 ヒータ
20 制御装置
52 第1の貯留部(第1分配セクション)
54 第2の貯留部(第2分配セクション)
21、60 コントローラ
61、62 電磁弁(開閉機構)
Claims (7)
- ユーザの嗅覚器を刺激する嗅覚刺激成分を蓄え、この嗅覚刺激成分を放出可能な第1分配セクションと、
ユーザの味覚器を刺激する味覚刺激成分を蓄え、この味覚刺激成分を放出可能な第2分配セクションと、
前記第1分配セクションからの前記嗅覚刺激成分の放出開始を、前記第2分配セクションからの前記味覚刺激成分の放出開始よりも早い時期にずらす第1の時期シフト制御を実行すると共に、前記味覚刺激成分と前記嗅覚刺激成分との放出を個別に制御する制御部と
を具備し、
前記制御部は、更に、前記第1分配セクションからの前記嗅覚刺激成分の放出停止を、前記第2分配セクションからの前記味覚刺激成分の放出停止よりも遅い時期にずらす第2の時期シフト制御を実行する、ことを特徴とする香味発生装置。 - 前記制御部は、前記第2の時期シフト制御を実行した後に、前記第1の時期シフト制御を実行して、前記味覚刺激成分と前記嗅覚刺激成分との放出を個別に制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の香味発生装置。
- 前記両分配セクションに熱を供給する発熱体が設けられており、前記制御部は前記発熱体の加熱制御を介して前記刺激成分の放出状態を制御する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の香味発生装置。
- 前記味覚刺激成分および前記嗅覚刺激成分は、加熱されたときに溶解する素材で形成したカプセル内に封入され、前記カプセルは前記発熱体からの熱が伝達可能な位置に配置してある、ことを特徴とする請求項3に記載の香味発生装置。
- 前記第1分配セクションと前記第2分配セクションとを含んで嗅覚・味覚刺激器が構成され、この嗅覚・味覚刺激器の形状がユーザの鼻および口を覆うように装着されるマスク型である、ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の香味発生装置。
- 前記第1分配セクションと前記第2分配セクションとを含んで嗅覚・味覚刺激器が構成され、この嗅覚・味覚刺激器の形状が吸口部を有するシガレット型である、ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の香味発生装置。
- 前記第1分配セクションと前記第2分配セクションとが、前記刺激成分それぞれを貯留する第1、第2の貯留部を含んで構成され、これら第1、第2の貯留部には前記刺激成分を個別の放出を許容し、また放出を停止する開閉機構が設けられ、
前記制御部は前記開閉機構を介して前記刺激成分の放出を制御する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の香味発生装置。
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