JP5400244B1 - 匂い呈示装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンピュータ制御によって複数種の匂い物質を逐次放出して匂いを制御するタイプの匂い呈示装置において、嗅覚への応答性を高めることである。
【解決手段】匂い呈示装置は、少なくとも鼻孔を被覆し、ガス排出口6が設けられており、所定容積の空間3を形成するマスク1、複数個の匂い物質貯蔵部13A〜13C、各匂い物質貯蔵部にそれぞれ設けられ、匂い物質を放出する放出手段14、放出手段から放出された匂い物質をマスクへと導くための導管5、導管5へとキャリアガスを供給する供給手段11、および各放出手段14からの匂い物質の放出時間と放出量とを制御する制御手段12を備える。導管5を通して匂い物質およびキャリアガスをマスク1の空間3へと供給し、排出口6から排出させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、コンピュータを用いて、画像や商品やゲームイベントなどに応じた所定の匂いを嗅覚によって応答性良く知覚可能とした匂い呈示装置および方法に関するものである。
近年、立体映像技術や三次元音響の発達と共に臨場感を与える環境提供のニーズが高まり、より一層の臨場感を提供する手段として、映像や音響の変化に対応する嗅覚情報の呈示が注目されている。
特許文献1(特表2010−532515)には、移動端末機を利用したモバイル広告において匂いを利用することが記載されている。特許文献2(特開2010−157126)、特許文献3(特開2009−217641)には、インターネットを利用して取得した配合情報に従い、匂いを発生させる端末が記載されている。また、特許文献4(特開2007−079620)には、バーチャル・リアリティ空間を利用する者に匂い呈示によってこの空間の構成物に関する情報を与えることが提案されている。
また、特許文献5(特開2001−096171)は、情報通信研究機構による興味深いバーチャルリアリティ研究であるが、ユーザの触覚に対する反発力に加えて、音や匂いをユーザに対して与えることによって、いくつもの感覚情報を同時にユーザに与えることで、高度のリアリティを与えることを提案している。
特許文献6(特開2007−289385)は、ゲーム機分野の発明であるが、射撃ゲームにおいて、銃を発射したときに硝煙の匂いを生じさせることを提案している。
また、音声付き動画を再生するときに、画面と同期して、所定の匂いを発生させる装置が種々提案されている。例えば、特許文献7(特開2013−013653)、特許文献8(特開2012−198694)では、香料を輸送管を通して運び、鼻孔の近くで空気中に香料を放出することが提案されている。特許文献9(特開2009−212891)では、動画を鑑賞する使用者の使用状況に応じて、コンテンツ提供側の意図する種々の香りを発生させることが記載されている。
しかしながら、従来の技術においては、香りの呈示は、呈示する香料の種類を変える、あるいは、香料の呈示をオン/オフする程度であり、香りの連続射出による嗅覚神経の順応の問題や、残り香の影響が避けられなかった。
コンピュータ制御された香り発生装置の中で、特に、学校法人慶応義塾大学が香料発生装置の研究を行い、興味深い提案をおこなっている。すなわち、特許文献10(特開2009−082273)、特許文献11(特開2011−019592)、特許文献12(特開2011−215462)では、コンピュータに接続した香り発生装置から、流動する大気中に向かって、香料を微小時間で短い時間感覚でパルス射出することによって、香りに対する順応を抑制し、香料の使用料を低減することが記載されている。これは、短時間のパルス状の香料射出という方法を採用することで、複数の香料を、互いに混じり合うことなく、識別可能な状態で、しかも短時間に多種類放射し、嗅覚を刺激するものである。
特表2010−532515 特開2010−157126 特開2009−217641 特開2007−079620 特開2001−096171 特開2007−289385 特開2013−013653 特開2012−198694 特開2009−212891 特開2009−082273 特開2011−019592 特開2011−215462
特許文献10〜12記載のような装置では、仮想空間内のユーザーの分身であるキャラクタ(アバター)の移動・動作に伴って、複数の香りの呈示をきめ細かく変化させて、視聴覚情報と対応した香りの遠近感や強弱変化を演出できるとされている。また、動画に合わせて、複数の香りの呈示をきめ細かく変化させ、香りの遠近感や強弱変化を演出することを試みている。
特に特許文献12の技術は、視聴覚映像情報等に対応させて、香りの遠近感(遠近表現)や強弱変化を簡単に演出することができる、嗅覚情報制御装置、嗅覚情報制御方法及び香り発生システムを提供することを試みている。この目的で、流動する空気中に複数種類の香料を微小時間、香料毎に所定のパルス間隔で別々にパルス射出する香り発生装置に香りのパルス射出制御情報を送信する。香りのパルス射出制御情報は、視聴覚情報データと、仮想空間における香り発生源との関係に基づいて形成された、香りの種類、香りの射出量及び香りの種類の射出順を定めた香り配列に基づくものである。
しかし、こうした装置では、送風機から風を送りつつ、香料タンクを詰めたボックスから大気中に香料を放出するものである。この際、香料のパルス放出を採用することで残り香の影響を最小限としているが、しかし香料は微量でも感覚に残るものである。このため、ある程度以上香料の放出間隔を短くしたり、放出頻度を多くすると、香りの混合が起こりやすくなる。また、香料が大気中に拡散し、時間経過による濃度制御が難しいことから、複数種の香りのハーモニーを作り出すことが難しい。
本発明の課題は、コンピュータ制御によって複数種の匂い物質を逐次放出して匂いを制御するタイプの匂い呈示装置において、匂いの応答性を高くすることである。
本発明に係る匂い呈示装置は、少なくとも鼻孔を被覆し、ガス排出口が設けられており、左側の鼻孔に対応する所定容積の第一の嗅覚刺激空間と、右側の鼻孔に対応する所定容積の第二の嗅覚刺激空間とを形成するマスク、
複数の匂い物質貯蔵部、
各匂い物質貯蔵部にそれぞれ取り付けられ、匂い物質を放出する放出手段、
第一の嗅覚刺激空間および第二の嗅覚刺激空間にそれぞれ接続されており、放出手段から放出された匂い物質を第一の嗅覚刺激空間および第二の嗅覚刺激空間に導くための導管、
導管へとキャリアガスを供給する供給手段、および
各放出手段からの匂い物質の放出時間と放出量とを制御する制御手段を備えており、
導管を通して匂い物質および前記キャリアガスを第一の嗅覚刺激空間および第二の嗅覚刺激空間にそれぞれ供給し、排出口から排出させることを特徴とする。
また、本発明に係る匂い呈示方法は、少なくとも鼻孔を被覆し、ガス排出口が設けられており、左側の鼻孔に対応する所定容積の第一の嗅覚刺激空間および右側の鼻孔に対応する第二の嗅覚刺激空間を形成するマスク、
複数の匂い物質貯蔵部、
各匂い物質貯蔵部にそれぞれ設けられ、匂い物質を放出する放出手段、
第一の嗅覚刺激空間および第二の嗅覚刺激空間にそれぞれ接続されており、放出手段から放出された匂い物質を第一の嗅覚刺激空間および第二の嗅覚刺激空間へと導くための導管、
導管へとキャリアガスを供給する供給手段、および
各放出手段からの匂い物質の放出時間と放出量とを制御する制御手段を使用し、
導管を通して匂い物質およびキャリアガスをそれぞれ第一の嗅覚刺激空間および第二の嗅覚刺激空間へと供給し、排出口から排出させることを特徴とする。
本発明によれば、匂い物質を放出する放出手段から導管へと匂い物質を集めるとともに、この導管内にキャリアガスを供給する。この際、匂い物質の放出時間と放出量、キャリアガスの供給量は、コンピュータを通して制御できる。
その上で、導管にマスクを連結し、嗅覚刺激のための空間をマスク内に設け,鼻孔を被覆し、匂い物質とキャリアガスとを嗅覚刺激空間内に導入し、排出口から排出する。このとき、導管の容積、マスクの嗅覚刺激空間の容積、排出口の面積は設定されており、また各ガスの放出時間と供給量も設定されているので、所望の時間だけ所望濃度の匂い物質を嗅覚刺激空間に導入することが可能である。また、匂い物質はキャリアガスによって嗅覚刺激空間から排出する構造なので、時間経過による濃度制御が容易であり、残り香も抑制しやすい。匂い物質の放出間隔を短くしたり、複数種の匂いのハーモニーを作り出すことも容易になる。そして、左右の鼻孔に対して、独立して異なる匂い制御が可能になる。
例えば医療用途の酸素マスクは周知である。しかし、これは酸素をボンベから患者の鼻孔に送り込むことが目的であり、匂い物質をキャリアガスに載せて間欠的に所定のスケジュールにしたがって嗅覚刺激空間に供給するという思想には至らないものである。
マスク1および導管5を示す正面図である。 マスク1および導管5を示す側面図である。 マスク1および導管5を示す斜視図である。 マスク1を装着した状態を示す模式的側面図である。 マスク1、導管5および匂い物質供給装置31を示す模式図である。 匂い物質発生の制御装置を示す模式的ブロック図である。 匂い物質およびキャリアガスの供給パターン図である。 他の実施形態で使用するマスク1Aおよび導管5A、5Bを示す正面図である。 マスク1、導管5A、5Bおよび匂い物質発生装置31A、31Bを示す模式図である。 図9の装置を用いた、匂い物質およびキャリアガスの供給パターン図である。 図9の装置を用いた、他の匂い物質およびキャリアガスの供給パターン図である。
本発明で使用するマスクは、少なくとも鼻孔を被覆し、ガス排出口が設けられており、顔への装着時に人体とともに所定容積の空間を形成するものである。また、本発明で使用する導管は、匂い物質の放出手段から放出された匂い物質を嗅覚刺激空間へと導くためのものである。
マスクは、少なくとも一つの鼻孔を被覆すればよいが、左右の鼻孔をともに被覆することが好ましい。また、マスクは、鼻孔とともに鼻の全体を被覆することが好ましい。
更に、マスクは、身体装着型の画像表示装置および/または身体装着型の発音装置と一体化することが好ましい。これによって、拡張現実的な画像や音を鑑賞しつつ、それに同期して匂いを楽しむことができる。
図1〜図4に示すマスク1は、鼻を被覆するカバー部2を備えており、カバー部2の内側に、嗅覚刺激空間3を形成する。空間3の容積は、マスク2の形態によってほぼ決定される。カバー部2の上部には放出口6が形成されている。本例では、放出口6は大気に開放されている。あるいは、放出口6に対して他の導管を接続し、この他の導管から内部のキャリアガスと匂い物質とを吸引して排気を促進することも可能である。
マスクの材質は特に限定されないが、嗅覚刺激空間の容積を一定に保持することが必要である。この観点からは、カバー部2の形状を保持できる程度の形状記憶性を有する繊維や樹脂が好ましい。
マスク1の下には、ジョイント4を介して導管5が接合されている。本例では、導管5の下にもジョイント9を取り付けてあるが、ジョイントは適宜設ければよいものである。
図4は、頭部にマスク1を取り付けた状態を示している。本例では、パッド8およびテープ7によってマスク1を頭部に取り付けているが、この取り付け方法も適宜選択すればよい。また、上述のように、ヘッドマウントセットのような身体装着型画像表示装置や発音装置に対してマスクを一体化することが特に好ましく、これによってマスク独自の装着機構が不要となる。
次に、匂い物質による嗅覚刺激について、図5、図6を参照しつつ説明する。
図5に示すように、マスクに接続された導管5に対して、匂い物質発生装置31の導管10を接続し、制御をおこなう。導管10に対して、本例では匂い物質貯蔵部13A、13B、13Cが接続されており、各貯蔵部内に、対応する匂い物質が貯蔵されている。各貯蔵部には放出手段14が取り付けられており、貯蔵部内の匂い物質を導管15へと向かって放出可能となっている。
また、導管10には、キャリアガス供給手段11が接続されており、教習手段11から矢印Cのようにキャリアガスを導管10内に供給可能となっている。そして、各貯蔵部から放出された各匂い物質を、導管10内でキャリアガスによって運搬し、矢印Aのように導管5を通してマスク1内の嗅覚刺激空間3に流す。マスク1内に入った匂い物質およびキャリアガスは、排出口6から矢印Bのようにマスク外に排出される。
図6は、匂い物質放出およびキャリアガス供給をおこなう制御装置12の構成例である。
制御装置12は、PC(パーソナルコンピューター)やサーバなどの情報処理装置であり、視聴覚情報データと連動或いは同期させるための嗅覚情報データの制御を行うことができる。
視聴覚情報記憶部21には、画像を構成する情報(仮想空間の大きさ、構造、仮想オブジェクトの形状、テクスチャ、位置など)データや動画データが記憶されている。匂い情報入力部22には、仮想空間の香り発生源或いは動画の香り発生源と関係づけられた香りの情報データ、例えば、香りの種類、香りの強さ等の香りの演出のための情報データが記憶されている。
視聴覚情報記憶部21から制御部25に情報を送り、映像表示部23に仮想空間データや動画データを提供し、仮想空間や動画を表示する。また、匂い情報入力部22からの情報を制御部に送り、匂い発生装置31を前述のように駆動する制御信号を送る。入力手段28、出力手段29は、ユーザインターフェース27を通じて各種情報をやりとりするためのものである。また、視聴覚情報、匂い情報の処理は、メモリ26を用いて、プログラム記憶装置30に記憶されたプログラムに基づいておこなう。このプログラムによって匂い制御信号を生成する。
匂い物質およびキャリアガスの放出制御は、動画の内容に同期する匂い制御情報に基づいておこなうことができる。こうした動画内容としては、動画に出演するアバターないしキャラクターの行動や周囲環境に応じて匂いを決定することができる。また、ゲームの場合には、ゲーム中に発生するイベントに同期しておこなうことができる。こうしたイベントとしては、画像内の環境、キャラクターの登場、特定のゲーム操作(パンチ、キック、発砲など)があげられる。
なお、視聴覚情報データや匂い情報データは、特定のPC内に存在する必要はなく、インターネット等のネットワークを通じて外部サーバから取得することもできる。
キャリアガスとしては、自然状態の大気が用いられるが、例えば、酸素濃度を高めた大気でも良い。また、空気の湿度や温度を調整しても良い。
匂い物質も特に限定されず、嗅覚を刺激するような、あらゆる物質を使用可能である。また、匂い物質が気体である場合にはそのまま導管に放出できるし、匂い物質が液体である場合には、いったん加熱して気化させることもできる。
後述するようにパルス状に匂い物質を放出する際には、パルス幅(射出時間)は、キャリアガスの流量、パルス間隔とも関係するが、0.01〜0.5秒とすることができる。
匂い物質を射出させる手段としては、インクジェットプリンタで用いられているオンデマンド方式のバブルジェット(登録商標)方式のヘッドが好ましい。バブルジェット(登録商標)方式のヘッドは、匂い物質をヘッドユニット内の香料室に導き、ヘッド壁面のヒータを加熱してヘッド内の匂い物質を沸騰させて気泡(バブル)を発生させ、気泡の生成により生じるヘッド内の圧力の急上昇を利用して、香料を液滴の状態で空気中に吐出(射出)する。吐出される香料の液滴は極めて微細なため、100%気化する。このバブルジェット(登録商標)方式のヘッドは、吐出される香料の量を数ピコリットル単位で制御することができるので、吐出される香料の量を調整することにより、容易に香りの濃度を調節することができる。また、パルス間隔も0.1秒の単位で調整できるので、制御が容易となる。
なお、匂い物質を吐出させる手段としては、加熱手段に代えて、圧電素子を用いたインクジェットヘッドを用いても良い。また、インクジェット手段以外の匂い物質を気体中に噴霧する手段でもよい。
キャリアガス供給手段は、例えば送風機(ファン)である。
例えば図7に示すような匂い物質の制御パターンでは、常時キャリアガス供給部11からキャリアガスを流し続ける。しかし、匂い物質を放出していないときには供給速度をC1とし、匂い物質を放出しているときには供給速度をC2に上昇させる。これによって、匂い物質の噴射開始から嗅覚刺激空間への到達に至る遅延を少なくし、応答性を良くすることができる。
例えば、本例では、匂い物質貯蔵部13AからはPAのパルスで放出し(時間t1からt2)、このとき他の貯蔵部からは放出しない。また、匂い物質貯蔵部13CからはPCのパルスで放出し(時間t3からt4)、このとき他の貯蔵部からは放出しない。更に、匂い物質貯蔵部13BからはPBのパルスで放出し(時間t5からt7)、匂い物質貯蔵部13CからはPCのパルスで放出している(時間t6からt8)。このとき、時間t6とt7との間では二種類の匂い物質が放出されることになる。
参考形態では、導管にマスクを連結し、嗅覚刺激のための空間をマスク内に設け,鼻孔を被覆し、匂い物質とキャリアガスとを嗅覚刺激空間内に導入し、排出口から排出する。このとき、導管の容積、マスクの嗅覚刺激空間の容積、排出口の面積は設定されているので、所望の時間だけ所望濃度の匂い物質を嗅覚刺激空間に導入することが可能である。また、匂い物質はキャリアガスによってマスクの空間から排出する構造なので、時間経過による濃度制御が容易であり、キャリアガスを嗅覚刺激空間に通貨させることによって残り香も抑制しやすい。匂い物質の放出間隔を短くしたり、複数種の匂いのハーモニーを作り出すことも容易になる。
図8〜図10は、本発明の実施形態に係るものである。
図8に示すマスク1Aは、鼻を被覆するカバー部2を備えている。マスク1Aの外形はマスク1と同様である。本例では、カバー部2の内側に隔壁部10が形成されており、隔壁部10によって、左右の嗅覚刺激空間3A、3Bが分離されている。各空間3A、3Bの各容積は、マスク2の形態および隔壁部10の位置によってほぼ決定される。カバー部2の上部には、一対の排出口6A、6Bが形成されており、各排出口6A、6Bは、それぞれ、空間3A、3Bに連通している。各空間3A、3Bの下にはそれぞれジョイント4A、4Bが取り付けられており、各ジョイントにはそれぞれ導管5A、5Bが連結されている。
本実施形態では、左右の嗅覚刺激空間3A、3Bについて、別々に、匂い制御をおこなうことが可能である。例えば図9に示すように、マスクに接続された導管5A、5Bに対して、匂い物質発生装置31A、31Bの導管10A、10Bをそれぞれ接続し、制御をおこなう。
導管10Aに対して、本例では匂い物質貯蔵部13A、13B、13Cが接続されており、各貯蔵部内に、対応する匂い物質が貯蔵されている。各貯蔵部には放出手段14が取り付けられており、貯蔵部内の匂い物質を導管15へと向かって放出可能となっている。また、導管10Aには、キャリアガス供給手段11Aが接続されており、供給手段11Aから矢印CAのようにキャリアガスを導管10A内に供給可能となっている。そして、各貯蔵部から放出された各匂い物質を、導管10A内でキャリアガスによって運搬し、導管5Aを通して矢印AAのようにマスク1内の嗅覚刺激空間3Aに流す。空間3A内に入った匂い物質およびキャリアガスは、排出口6Aから矢印BAのようにマスク外に排出される。
また、導管10Bに対して、本例では匂い物質貯蔵部13D、13E、13Fが接続されており、各貯蔵部内に、対応する匂い物質が貯蔵されている。各貯蔵部には放出手段14が取り付けられており、貯蔵部内の匂い物質を導管15へと向かって放出可能となっている。また、導管10Bは、キャリアガス供給手段11Bが接続されており、供給手段11Bから矢印CBのようにキャリアガスを導管10B内に供給可能となっている。そして、各貯蔵部から放出された各匂い物質を、導管10B内でキャリアガスによって運搬し、導管5Bを通して矢印ABのようにマスク1内の嗅覚刺激空間3Bに流す。空間3B内に入った匂い物質およびキャリアガスは、排出口6Bから矢印BBのようにマスク外に排出される。
本実施形態では、左右の鼻孔に対して、独立して異なる匂い制御が可能になる。左右の耳に対して異なる音源を与えることで立体音強効果を付与できることは知られているが、これまで匂い制御によって同様の効果を実現した例はない。
例えば、図10(a)には左側の嗅覚刺激空間への供給スケジュールを示し、図10(b)には、右側の嗅覚刺激空間への供給スケジュールを示す。左側の空間では、図7と同様の制御をおこなう。すなわち、匂い物質貯蔵部13AからはPAのパルスで放出し(時間t1からt2)、このとき他の貯蔵部からは放出しない。また、匂い物質貯蔵部13BからはPBのパルスで放出し(時間t3からt4)、このとき他の貯蔵部からは放出しない。更に、匂い物質貯蔵部13CからはPCのパルスで放出し(時間t5からt7)、匂い物質貯蔵部13AからはPAのパルスで放出している(時間t6からt8)。このとき、時間t6とt7との間では二種類の匂い物質が放出されることになる。
一方、右側の空間では、匂い物質貯蔵部13EからはPEのパルスで放出し(時間t2からt3)、このとき他の貯蔵部からは放出しない。パルスPEの開始時点で左側の空間への匂い物質の供給PAを停止し、キャリアガスのみを流す。また、匂い物質貯蔵部13DからはPDのパルスで放出し(時間t4からt5)、このとき他の貯蔵部からは放出しない。パルスPDの開始時点で左側の空間への匂い物質の供給PBを停止し、キャリアガスのみを流す。こうして、異種の匂いが左右の鼻孔間で交互に供給されることで、これまでにない新しい嗅覚体験を実施することができる。
更に、以下のような実施形態が可能になる。
(a) 左右の嗅覚刺激空間に対して同種の匂い物質を供給し、この際左右の嗅覚刺激空間に対して供給される匂い物質の供給時間に時間差を設けることによって、匂いが右側または左側から流れてくる状態を表現できる。
例えば、図11(a)、(b)に示す例では、左側の空間にはパルスPAのように貯蔵部13Aから匂い物質およびキャリアガスを供給する(時間t1〜t3)。一方、右側の空間にはパルスPDのように貯蔵部13Dから匂い物質およびキャリアガスを供給する(時間t2〜t4)。ここで、時間t2をt1よりも少し遅延させ、t4をt3よりも少し遅延させる。これとともに、貯蔵部13Aと13Dとの匂い物質を同じにするか、あるいは類似の匂いとする。これによって、匂いが左側から右側へと流れてくる状態を再現できる。
(b) 左右の嗅覚刺激空間に対して同種の匂い物質を供給し、この際左右の嗅覚刺激空間に対して供給される匂い物質の供給量に差を設けることによって、匂い源の遠近感を表現できる。
例えば、図11(a)、(b)に示す例では、左側の空間にはパルスPAのように貯蔵部13Aから匂い物質およびキャリアガスを供給する(時間t5〜t6)。同時に、右側の空間にはパルスPDのように貯蔵部13Dから匂い物質およびキャリアガスを供給する(時間t5〜t6)。ここで、パルスPAにおける匂い物質の供給量と、パルスPDにおける匂い物質の供給量とに差を設ける。これとともに、貯蔵部13Aと13Dとの匂い物質を同じにするか、あるいは類似の匂いとする。これによって、匂い源が左側または右側に存在する状態を再現できる。
むろん、左右の空間における匂い制御には特に制限はなく、各種の制御方法を採用できることは当然である。
また、マスク1の下方において、各鼻孔に対応する分岐部分を設け、各分域部分にそれぞれ導管との接続穴を設けることもできる。更に、マスク内を二つの嗅覚刺激空間に分けた場合にも、排出口は一つであってよく、この場合には一つの排出口から複数の嗅覚刺激空間内のガスを排出する。また、二つの嗅覚刺激空間の間には、必ずしも隔壁までは必須ではなく、両方の空間を輪郭づけるような袋状部をそれぞれ形成した場合も含まれる。

Claims (10)

  1. 少なくとも鼻孔を被覆し、ガス排出口が設けられており、左側の鼻孔に対応する所定容積の第一の嗅覚刺激空間と、右側の鼻孔に対応する所定容積の第二の嗅覚刺激空間とを形成するマスク、
    複数の匂い物質貯蔵部、
    前記各匂い物質貯蔵部にそれぞれ取り付けられ、匂い物質を放出する放出手段、
    前記第一の嗅覚刺激空間および前記第二の嗅覚刺激空間にそれぞれ接続されており、前記放出手段から放出された前記匂い物質を前記第一の嗅覚刺激空間および前記第二の嗅覚刺激空間に導くための導管、
    前記導管へとキャリアガスを供給する供給手段、および
    前記各放出手段からの前記匂い物質の放出時間と放出量とを制御する制御手段を備えており、
    前記導管を通して前記匂い物質および前記キャリアガスを前記第一の嗅覚刺激空間および前記第二の嗅覚刺激空間にそれぞれ供給し、前記排出口から排出させることを特徴とする、匂い呈示装置。
  2. 前記第一の嗅覚刺激空間と前記第二の嗅覚刺激空間との間に隔壁が設けられていることを特徴とする、請求項記載の装置。
  3. 前記匂い物質および前記キャリアガスを前記導管へと供給する供給期間の前に、前記キャリアガスを前記導管に供給しかつ前記匂い物質を前記導管に供給しない休止期間を設けることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
  4. 前記放出手段から前記匂い物質をパルス状に放出させることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  5. 前記マスクが取り付けられている身体装着型画像表示装置を備えていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  6. 少なくとも鼻孔を被覆し、ガス排出口が設けられており、左側の鼻孔に対応する所定容積の第一の嗅覚刺激空間および右側の鼻孔に対応する第二の嗅覚刺激空間を形成するマスク、
    複数の匂い物質貯蔵部、
    前記各匂い物質貯蔵部にそれぞれ設けられ、匂い物質を放出する放出手段、
    前記第一の嗅覚刺激空間および前記第二の嗅覚刺激空間にそれぞれ接続されており、前記放出手段から放出された前記匂い物質を前記第一の嗅覚刺激空間および前記第二の嗅覚刺激空間へと導くための導管、
    前記導管へとキャリアガスを供給する供給手段、および
    前記各放出手段からの前記匂い物質の放出時間と放出量とを制御する制御手段を使用し、
    前記導管を通して前記匂い物質および前記キャリアガスをそれぞれ前記第一の嗅覚刺激空間および前記第二の嗅覚刺激空間へと供給し、前記排出口から排出させることを特徴とする、匂い呈示方法。
  7. 前記第一の嗅覚刺激空間と前記第二の嗅覚刺激空間との間に隔壁が設けられていることを特徴とする、請求項記載の方法。
  8. 前記匂い物質および前記キャリアガスを前記導管へと供給する供給期間の前に、前記キャリアガスを前記導管に供給しかつ前記匂い物質を前記導管に供給しない休止期間を設けることを特徴とする、請求項6または7記載の方法。
  9. 前記放出手段から前記匂い物質をパルス状に放出させることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  10. 前記マスクが取り付けられている身体装着型画像表示装置を用いることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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