JP5598695B2 - 薄型カートン - Google Patents

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Description

本発明は、板紙で構成された包装容器であるカートンの技術分野に属し、詳しくは、前面パネルの上半部分を大きく開けるタイプの薄型カートンに関する。
従来より、棒状のチョコレート、板ガムなどのスティック包装物を収納して販売するための包装容器として、前面パネルの略上半部分覆っている開閉パネルの先端を摘んで持ち上げ、上半部分を大きく開けた状態で中身を取り出すようになった薄型カートンが広く用いられている。このような薄型カートンとしては、前面パネルの上部に大きな開口があり、それを開閉パネルが覆っているタイプと、前面パネルに形成されている切れ目線で区画された開口部分が前面パネルから切り離されて開閉パネルの裏側に貼着して持ち去られ、前面パネルに大きな開口が形成されるタイプとがあり、いずれのタイプでも開閉パネル先端の突起部分を前面パネルのスリットに差し込んでリクローズするようになっている。また、後者はバージン性があるためカバーフィルムが覆う必要はないが、前者は全体をフィルム包装するか或いは開閉パネル先端をラベル貼りする必要がある。
特開平10−35654号公報
上記のような薄型カートンは、開閉パネル先端の突起部分を前面パネルのスリットに差し込んでリクローズするようになっており、その差込み操作が面倒なことから、中身を少量取り出して蓋をする際の操作が煩わしいという問題がある。また、開閉パネルは後面パネルの上端をヒンジとして天面パネルとともに回動するため、開閉パネル全体を撓ませつつ先端の突起部分をスリットに上手く差し込む必要があり、特に高齢者にとっては蓋が閉じにくいという問題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内容物を取り出した後のリクローズを簡単に行えるようにした薄型カートンを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の薄型カートンは、前面パネルの上部に取出し用の開口が形成され、後面パネルに連設する天面パネルに連設された開閉パネルにより前面パネルの開口を覆うように蓋がされる薄型カートンであって、後面パネルには、上辺から下がったところで且つ両側辺から内側の範囲で横方向の折線からなるヒンジ部が設けられ、そのヒンジ部の両端からそれぞれ斜め上方に向かうミシン目が設けられており、それらのミシン目の先端は、それぞれ後面パネルと天面パネルの境界にある折罫の両端部分に形成された切線に繋がっており、前面パネルの開口は、前面パネルの上辺両サイド付近から中ほどに渡ってU字型にくり抜いた形状で、その開口の下側端縁は内向きに湾曲した凸形状になっており、開閉パネルにはその先端に、前面パネルの開口における凸形状の下側端縁に背面から係止可能な突起部分とその突起部分を囲む帯状の摘み部分を設けられており、摘み部分を摘んで引き上げて開閉パネルを開けると、開閉パネルは天面パネルとともに回動し、その動きに伴って後面パネルにおける斜めのミシン目の部分が破断され、後面パネルにおいて横方向のヒンジ部と斜めのミシン目とで囲まれた部分が天面パネル及び開閉パネルとともにヒンジ部のところで後側に回動することで上部が大きく開いた状態で開封されることを特徴とする。
本発明の薄型カートンは、後面パネルの上辺から下がったところに横方向の折線からなるヒンジ部を設けたことにより、開閉パネルを大きく撓ませなくても先端の突起部分を前面パネルの開口端縁に係止することができるようになり、しかも、開閉パネルの突起部分を前面パネルの開口端縁に係止するに際しては、開閉パネル先端の摘み部分を持ちながら突起部分を前面パネルの開口端縁に背面から差し込めばよいことから、高齢者を始めとして誰がやっても簡単な操作でリクローズすることができる。
本発明に係る薄型カートンの一例を示す示す斜視図である。 図1の薄型カートンを形成するブランクの展開図である。 図1の薄型カートンを開けた状態で示す斜視図である。 開けた薄型カートンをリクローズする様子を示す説明図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示す薄型カートンCは、紙器用の板紙を打ち抜いて形成された図2に示す1枚ブランクBを組み立てて形成される。
ブランクBは、図2に示すように、互いに平行な折罫a,b,c,dを介して、前面パネル11、側面パネル12、後面パネル13、側面パネル14、糊代片15がこの順で連設されており、前面パネルの下辺には、折罫c,dを介して底面パネル16、差込みパネル17が順次連設され、後面パネル13の上辺には、折罫e,fを介して天面パネル18、開閉パネル19が順次連設されている。また、側面パネル12の上下には、折罫g,hを介してそれぞれ上側折込みフラップ20、下側折込みフラップ21が連設され、側面パネル14の上下には、折罫i,jを介してそれぞれ上側折込みフラップ22、下側折込みフラップ23が連設されている。
前面パネル11には、上部に取出し用の大きな開口11aが形成されている。この例では、前面パネル11の上辺両サイド付近から中ほどに渡ってU字型にくり抜いた形状で開口11aを形成しており、その開口11aの下側端縁は図示の如く内向きに僅かに湾曲した凸形状としている。
後面パネル13には、その上辺から若干下がったところで且つ両側辺から若干内側の範囲で横方向に形成され、その両端からそれぞれ斜め上方に向かう、全体がU字状のミシン目αが設けられており、このミシン目αの両方の先端は、それぞれ折eの両端部分に形成された切線βに繋がっている。
開閉パネル19は、前面パネル11の開口11aを覆うサイズである。そして、その開閉パネル19の先端には、折罫kを介して半円状の突起部分19aとそれを囲む状態で半リング状の帯状の摘み部分19bが形成されている。この開閉パネル19の突起部分19aは、開閉パネル19を前面パネル11に被せたときに、前面パネル11の開口11aにおける凸形状の下側端縁に背面から係止可能な位置に設けられている。
このブランクBは、サック貼りしたものを充填工程に送り、そこで内容物を充填しつつ組み立てる。その手順は次のようである。
まず第一に、折罫a,c或いは折罫b,dのところで、ブランクBを畳むようにして折り曲げ、糊を塗布してある糊代片15を前面パネル11における側端部分の裏側に貼り合わせてサック貼りし、このようにサック貼りしたブランクBを複数枚まとめて充填工程に送る。
充填工程では、サック貼りしたブランクBを偏平な角筒状に起こしてから、両サイドの下側折込みフラップ21,23を内側に折り曲げた状態で差込みパネル17と底面パネル16を順次折り曲げつつ、差込みパネル17を後面パネル13の裏側に押し込むことで底部を閉鎖する。このように底部を閉鎖した後、上部から内容物を入れ、両サイドの上側折込みフラップ20,22を内側に折り曲げた状態で開閉パネル19と天面パネル18を順次折り曲げつつ、開閉パネル19の摘み片19bを持ち上げるように把持して突起部分19aを前面パネル11における開口11aの下側端縁の裏側に差し込んで蓋をする。これにより、図1に示す薄型カートンCが組み立てられる。そして、バージン性を持たせて店頭販売に供するため、カートン全体をフィルム包装するか、開閉パネル19の先端に被さるようにラベル貼りする。
なお、図1の薄型カートンCでは、開閉パネル19の突起部分19aを前面パネル11の裏側に差し込んで引っ掛けた状態としたが、店頭販売に供するためには、上記のようにフィルム包装するかラベル貼りした状態とするので、必ずしも開閉パネル19の突起部分19aを引っ掛ける必要はない。
この薄型カートンCは、店頭で購入した後、内容物を取り出すに際しては、まずフィルム包装を剥がすかバージンラベルを取り除く。そして、摘み部分19aを指先で摘んで引き上げることで開閉パネル19を開け、所定量の内容物を取り出す。このとき、開閉パネル19は天面パネル18とともに回動するが、その動きに伴って後面パネル13のミシン目αにおける斜め上方に向かう左右の部分が破断され、後面パネル13においてU字状のミシン目αで囲まれた部分が天面パネル18及び開閉パネル19とともに、当該ミシン目αの横方向の部分をヒンジとして後側に大きく回動し、図3に示すように、薄型カートンCは上部が大きく開いた状態で開封される。なお、図3では簡略化のため内容物を図示していない。
上記のように薄型カートンCを開封し、その上部から内容物を必要なだけ取り出した後、リクローズするに際しては、突起部分19aを囲むようにして設けられた摘み部分19bを指先で摘んで折罫kで折り曲げつつ持ち上げながら、開閉パネル19を手前に回動させて前面パネル11の上に重ねるようにする。このとき、薄型カートンCは、後面パネル13の上辺から下がったところにあるミシン目αの横方向の部分が折線としてヒンジ部となるので、開閉パネル19を大きく撓ませなくても先端の突起部分19aを前面パネル11の開口11aの下側端縁に近づけることができ、摘み部分19bを持ったままで、図4に示すように、突起部分19aを前面パネル11の開口端縁に対して背面から簡単に差し込むことができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳細に説明してきたが、本発明による薄型カートンは、上記の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
例えば、上記の例では、前面パネルの上部に大きな開口があり、それを開閉パネルが覆っているタイプの薄型カートンを例に挙げたが、別の形態としては、特開平10−35654号公報に記載のような、前面パネルに形成されている切れ目線で区画された開口部分が前面パネルから切り離されて開閉パネルの裏側に貼着して持ち去られ、前面パネルに大きな開口が形成されるタイプの薄型カートンにも適用可能である。
また、前面パネルの上部に設ける取出し用の開口は、内容物が取り出せさえすればその形状は任意であり、上記の例で示したような形状のほか、機能を考慮した種々のデザインのものが適用可能である。
また、開閉パネルは、前面パネルの開口を覆うサイズであればその形状は種々のデザインのものが適用可能であり、また、開閉パネルの先端に設ける突起部分とそれを囲む帯状の摘み部分は、突起部分が前面パネルの開口端縁に差込み可能で、摘み部分が指先で把持できさえすれば、角形、三角形等を始めとして任意の形状が可能である。
また、後面パネルに形成する横方向の折線からなるヒンジは、開閉パネルを回動した際に容易に折れ曲がりさえすればよく、ミシン目の他に、単なる折罫や、折罫の途中にミシン目を入れたリード罫のようなもので構成してもよい。
本発明の薄型カートンは、棒状のチョコレート、板ガムなどのスティック包装物を収納して販売するための包装容器に適用できる。特に、高齢者向けの商品を販売する際の包装容器として好適に利用することができる。
C 薄型カートン
B ブランク
11 前面パネル
11a 開口
12 側面パネル
13 後面パネル
14 側面パネル
15 糊代片
16 底面パネル
17 差込みパネル
18 天面パネル
19 開閉パネル
19a 突起部分
19b 摘み部分
20 上側折込みフラップ
21 下側折込みフラップ
22 上側折込みフラップ
23 下側折込みフラップ
α ミシン目
β 切線
a〜k 折罫

Claims (1)

  1. 前面パネルの上部に取出し用の開口が形成され、後面パネルに連設する天面パネルに連設された開閉パネルにより前面パネルの開口を覆うように蓋がされる薄型カートンであって、後面パネルには、上辺から下がったところで且つ両側辺から内側の範囲で横方向の折線からなるヒンジ部が設けられ、そのヒンジ部の両端からそれぞれ斜め上方に向かうミシン目が設けられており、それらのミシン目の先端は、それぞれ後面パネルと天面パネルの境界にある折罫の両端部分に形成された切線に繋がっており、前面パネルの開口は、前面パネルの上辺両サイド付近から中ほどに渡ってU字型にくり抜いた形状で、その開口の下側端縁は内向きに湾曲した凸形状になっており、開閉パネルにはその先端に、前面パネルの開口における凸形状の下側端縁に背面から係止可能な突起部分とその突起部分を囲む帯状の摘み部分を設けられており、摘み部分を摘んで引き上げて開閉パネルを開けると、開閉パネルは天面パネルとともに回動し、その動きに伴って後面パネルにおける斜めのミシン目の部分が破断され、後面パネルにおいて横方向のヒンジ部と斜めのミシン目とで囲まれた部分が天面パネル及び開閉パネルとともにヒンジ部のところで後側に回動することで上部が大きく開いた状態で開封されることを特徴とする薄型カートン。
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