以下、例示的な方法およびシステムが、その他数ある構成部分の中でも特にハードウェア上で実行されるソフトウェア及び又はファームウェアを含んだ状態で説明されているが、かかるシステムは単なる例示に過ぎず、本発明を制限するものとみなされるべきでないこともここに述べておく必要がある。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェア構成素子のいずれか又は全ては、ハードウェアにおいてのみ、またはソフトウェアにおいてのみ、或いはハードウェアとソフトウェアのいかなる組み合わせにおいて具体化できるものとして考慮されるべきである。しかるべく、以下、例示的な方法およびシステムが説明されているが、提示される各実施例は該方法およびシステムを実施する唯一の方法ではない。
現代のプロセス制御システムにおいて、入・出力(I/O)の検査(例えば、I/O検証)とは、プロセスコントローラおよびフィールド装置間の配線が検証される工程である。従来から、I/O検証は、複数のプロセス制御要員および第三者検査設備が係わる時間のかかる作業である。I/O検証を実行する工程には、プロセスコントローラからフィールド装置に物理的に配線を接続して、プロセスコントローラ内で正しいフィールド装置が指定のスロット(例えば、I/Oカード)に接続されていることを、プロセスコントローラに通信可能に連結された制御システムにおいて確認することが含まれる。
典型的に、各フィールド装置の検証プロセスは、複数の段階において実行される。まず、配線の導通状態が、絶縁抵抗計(例えば、メガー(登録商標)、オーム計、及び又はフルーク(登録商標))を使用して確認される。次に、フィールド装置およびプロセス制御システム間の接続が確認される。それから、フィールド装置からの応答が機能的に確認される。但し、このようにしてI/O検査を実行することは、各段階を異なる物理的位置で別々に行わなければならないので非能率的である。結果として、I/O検証は過剰な時間を費やし、複数のプロセス制御要員との調整が必要とされうる。例えば、配線が逆極性にインストールされているような場合には、そのエラーが配線導通チェック中に検出されず、後になって初めてフィールド装置の応答テスト中に発見される場合がある。別の例としては、複数のフィールド装置の各々が一つのI/Oカードに接続されているかもしれず、各I/Oカードにはフィールド装置の各々に接続するための何百ものスロットを含んでいるかもしれない。一つのフィールド装置が間違ったスロット及び又は間違ったI/Oカードに接続されている場合、プロセス制御要員は、エラーを発見し、正しい接続を決定するために時間を費やすかもしれない。加えて、接続エラー及び又は逆極エラーを訂正するためには、通常、プロセス制御要員がプロセス制御システムとフィールド装置との両方に配置されていなければならない。
ここに記載される例示的な方法とシステムは、I/O検証プロセスを一段階で完了し、且つ単一の物理的位置において単一のプロセス制御要員により実行できるようにする。ここに記載される実施例によって、プロセス制御要員は、各フィールド装置とプロセスコントローラに接続されているめいめいのI/Oカードとの間に検証中継ボックス(VJB(Verificaton Junction Box))を接続することによりプロセス制御システムの接続を検証できるようになる。VJBは、各フィールド装置がプロセス制御システムの中にインストールされる時にインストールされる。その後、プロセス制御要員は、プロセスコントローラがVJBおよびフィールド装置に通信可能に連結されていることを検証するべくVJBおよびプロセスコントローラと通信するために検証コントローラを使用する。加えて、検証コントローラは、誤った接続がある場合にどのI/Oカードがどの装置に接続されているかを判断することができるとともに、プロセスコントローラおよびフィールド装置間の極性がいつ逆にされたかも判断することができる。
例示的なプロセス制御システムは、制御室(例えば、図1の制御室108)、プロセスコントローラ区域(例えば、図1のプロセスコントローラ区域110)、VJB(例えば、図1のVJB 111a−cおよび115a−c)および一つ又は複数のプロセス区域(例えば、図1のプロセス区域114および118)を含んでいる。プロセス区域は、特定のプロセス(例えば、化学薬品処理工程、石油精製、製剤過程、紙・パルプ加工工程、など)を行うことに関連する動作(例えば、弁制御、モーター制御、ボイラ制御、監視、パラメータ測定など)を行う複数のフィールド装置を含んでいる。プロセスエリアの中には、過酷な環境条件(例えば、比較的高い温度、空気中に浮遊する毒素、危険な放射能レベルなど)により人間がアクセスできないエリアも幾つかある。制御室には一般に、人間が安全にアクセスできる環境内に一つ又は複数のワークステーションが含まれている。ワークステーションは、ユーザ(例えば、エンジニア、オペレータ、プロセス制御要員、など)が例えば変数値やプロセス制御機能などを変更することによりプロセス制御システムの動作を制御するためにアクセスすることができるユーザ・アプリケーションを含んでいる。プロセス制御区域は、制御室内のワークステーションに通信可能に連結された一つ又は複数のプロセスコントローラを含んでいる。プロセスコントローラは、ワークステーションを介して実施されるプロセス制御法を実行することにより、プロセス区域におけるフィールド装置の制御を自動化する。実施例として挙げられるプロセス実施方法には、圧力センサーフィールド装置を使用して圧力を測定し、圧力測定に基づいて流動バルブを開閉する指令をバルブポジショナに対して自動的に送信することが関与する。
加えて、プロセス制御システムは、めいめいのフィールド装置に通信可能に連結されたVJBを含んでいる。VJBは、通信可能に連結されたフィールド装置と同じプロセス区域内に備えられうるし、またはプロセス制御区域に隣接して備えうる。VJBは、めいめいのフィールド装置からの信号を、通信可能に連結されたI/Oカード(これはプロセスコントローラにも通信可能に連結されている)に経由させる。I/Oカードは、フィールド装置から受信した情報をコントローラと互換性をもつ形式に翻訳し、コントローラからの情報をフィールド装置と互換性をもつ形式に翻訳する。例示的な実装の幾つかにおいて、プロセス制御システムは、コントローラがプロセス区域においてフィールド装置と通信することを更に可能にするマーシャリング・キャビネット内に成端区域を含みうる。特に、マーシャリング・キャビネットは、フィールド装置に連結されたVJBからの信号を、コントローラに通信可能に連結された一つ又は複数のI/Oカードに対してマーシャリングしたり、編制したり、または経由させたりするのに使用される複数の成端(termination)モジュールを含みうる。
ここに記載される例示的な方法とシステムにおいて、プロセス制御システムは、プロセスコントローラおよびフィールド装置間の通信経路を検証するために例示的な検証コントローラ(例えば、図1の検証コントローラ190)を含んでいる。例示的な検証コントローラは、コマンド信号をプロセス制御システムの一部分に送って受領信号をプロセス制御システムの第2の部分から受け取ることにより通信経路を検証する。例えば、検証コントローラは、フィールド装置に連結された例示的なVJBにコマンド信号を送りうる。また、検証コントローラは、どのI/Oカードについて検証信号を監視すべきか示して、プロセスコントローラに指示を送りうる。コマンド信号を受信したことに応答して、VJBは、通信可能に連結するI/Oカードに検証信号を送信する。I/Oカードは、連結されるプロセスコントローラに検証信号を転送する。その後、プロセスコントローラは検証コントローラへと受領信号を送る。検証信号は、検証信号を受信したI/Oカードの識別子を含みうる。受領信号を受信の際、検証コントローラは、検証信号を受信したI/Oカードの識別子を、指定されたI/Oカードと比較する。I/Oカード識別子が一致する場合、通信経路が検証済みとして分類される。
但し、検証コントローラがプロセスコントローラから受領信号を受信しない場合、検証コントローラは、コマンド信号を再送信して、検証信号の位置を突き止められるまでその他のI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを監視するようプロセスコントローラを指示する。その後、検証コントローラは、どのI/OカードがVJB及び又はフィールド装置に正しくない状態で通信可能に連結されているのかをプロセス制御要員に示す。これにより、プロセス制御要員は、問題のある区域に直接行き、問題を訂正することができる。検証コントローラがそれでも受領信号を受信しない場合、検証コントローラは、検証信号の極性を逆にするようVJBに指示しうる、または検証コントローラは、プロセスコントローラにコマンド信号を送信することにより検証信号の方向を変更しうる(その後プロセスコントローラは、VJBに通信経路を介して検証信号を送信する)。検証コントローラが依然として受領信号を受信していなければ、検証コントローラはVJBおよびプロセスコントローラ間の通信経路が接続されていないことを示しうる。
検証コントローラは、プロセス制御システムと無線方式で通信する電子装置でありうる。電子装置は、プロセス制御I/O検証用に特別に設計されたハンドヘルド型プロセス制御プロセッサを含みうる。またその代わりとして、電子装置は、I/O検証アプリケーションを含む携帯電話、ラップトップ、及び又は個人用デジタル情報処理端末(PDA)を含みうる。その他の実施例において、検証コントローラはプロセス制御システムの中に配線接続されており、且つワークステーション内に表示されうる。検証コントローラは、プロセスコントローラと直接通信しうる、或いは、その代わりとしてプロセスコントローラが、検証コントローラへの接続を含むワークステーションを通して検証コントローラと通信するようにしても良い。
プロセス制御システム内のフィールド装置をコントローラに通信可能に連結するのに使用される技法には、各フィールド装置とコントローラ(例えば、プロセスコントローラ、プログラム可能論理制御装置、など)に通信可能に連結されるめいめいのI/Oカードとの間に別のバス(例えば、ワイヤ配線、ケーブルまたは回路)を使用することが含まれる。コントローラおよびフィールド装置の間で通信される情報を翻訳または変換することにより異なるデータタイプまたは信号タイプ(例えば、アナログ入力(AI)データタイプ、アナログ出力(AO)データタイプ、離散的出力(DI)データタイプ、離散的入力(DO)データタイプ、デジタル入力データタイプおよびデジタル出力データタイプ)および異なるフィールド装置通信プロトコルと関連付けられている複数のフィールド装置へとコントローラを通信可能に連結することが、I/Oカードによって可能になる。単一のI/Oカード上の複数のI/Oスロット及び又はI/O通信路によって、I/Oカードを複数のフィールド装置に通信可能に連結することが可能になる。
例えば、I/Oカードは、当該のフィールド装置と関連付けられているフィールド装置通信プロトコルを使用してそのフィールド装置と情報を交換するように構成された一つ又は複数のフィールド装置インターフェースを具備しうる。異なるフィールド装置インターフェースが、異なる通信路タイプ(例えば、AI通信路タイプ、AO通信路タイプ、DI通信路タイプ、DO通信路タイプ、デジタル入力通信路タイプおよびデジタル出力通信路タイプ)を介して通信する。加えて、I/Oカードは、フィールド装置から受け取った情報(例えば、電圧レベル)を、コントローラがフィールド装置の制御に関連する動作を行うために使用できる情報(例えば、圧力測定値)に変換することができる。この技法は、複数のフィールド装置をI/Oカードへと通信可能に連結するための一束のワイヤまたはバス(例えば、複芯ケーブル)を必要とする。
各フィールド装置をI/Oカードに通信可能に連結するのに別のバスを使用しても良く、またはその代わりに、成端パネル(例えば、マーシャリング・キャビネット)にて複数のフィールド装置を終端処理することにより、且つフィールド装置をI/Oカードに通信可能に連結するために成端パネルとI/Oカード間で通信可能に連結された1つのバス(例えば、導電性通信媒質、光通信媒体、無線通信媒体)を使用して、フィールド装置をI/Oカードに通信可能に連結しても良い。その他の実施例では、単一のI/Oスロットを有するI/Oカードが単一のフィールド装置にのみ連結されるようにしても良い。
例示的なユニバーサルI/Oバス(例えば、共通のまたは共有される通信バス)は、一つ又は複数の成端モジュールを、コントローラに通信可能に連結された一つ又は複数のI/Oカードに通信可能に連結するのに使用されうる。各成端モジュールは、めいめいのフィールド装置バス(例えば、アナログ・バスまたはデジタル・バス)を使用してめいめいのフィールド装置に通信可能に連結される一つ又は複数のめいめいのVJBに通信可能に連結される。VJBは、フィールド装置からフィールド装置情報を受信してフィールド装置バスを介してめいめいの成端モジュールへと該フィールド装置情報を転送し、例えばフィールド装置情報のパケット化してユニバーサルI/Oバスを介してそのパケット化された情報をI/Oカードへと通信することによりユニバーサルI/Oバスを介してI/Oカードへと該フィールド装置情報を通信するように構成される。またその代わりとして、VJBは、直接めいめいのI/Oカードに通信可能に連結され、I/Oカードへとフィールド装置情報を転送しうる。
フィールド装置情報には、例えば、フィールド装置識別情報(例えば、装置タグ、電子シリアル番号など)、フィールド装置状態情報(例えば、通信状態、健全性診断情報<開ループ、短絡など>)、フィールド装置活動情報(例えば、プロセス変量(PV)値)、フィールド装置記述情報(例えば、バルブ作動装置、温度センサ、圧力センサ、流動センサなどを例とするフィールド装置のタイプまたは機能など)、フィールド装置接続構成情報(例えば、マルチドロップ・バス接続、二地点間接続など)、フィールド装置バスまたはセグメント識別情報(例えば、介してフィールド装置及び又はVJBが成端モジュールに通信可能に連結されるフィールド装置バスまたはフィールド装置セグメント)及び又はフィールド装置データタイプ情報(例えば、特定のフィールド装置により使用されるデータタイプを示すデータタイプ記述子)が含まれうる。I/Oカードは、ユニバーサルI/Oバスを介して受信したフィールド装置情報を抽出してコントローラにフィールド装置情報を通信でき、よってその後、それ以降に行う分析のために該情報のうちの幾つかまたは全てを一つ又は複数のワークステーション端末に通信できる。
フィールド装置情報(例えば、指令、指示、クエリー、閾値活性値(例えば、閾値PV値)、など)をワークステーション端末からフィールド装置に通信するために、I/Oカードはフィールド装置情報をパケット化し、そのパケット化されたフィールド装置情報を複数のVJBへと通信することができる。その後、VJBの各々は、めいめいのI/Oカードより受け取ったパケット化通信からめいめいのフィールド装置情報を抽出または非パケット化して、めいめいのフィールド装置へとフィールド装置情報を通信することができる。
図1において、例示的なプロセス制御システム100は、一般にアプリケーション制御ネットワーク(ACN)と呼ばれるローカルエリアネットワーク(LAN)またはバス106を介してプロセスコントローラ104に通信可能に連結されるワークステーション102を含んでいる。LAN106は所望の如何なる通信媒体およびプロトコルを使用して実施されうる。例えば、LAN106は、配線接続式または無線イーサネット(登録商標)通信プロトコルに基づきうる。しかしながら、その他の適切な有線または無線通信媒体およびプロトコルも使用しうる。ワークステーション102は、一つ又は複数の情報技術(IT)アプリケーション、ユーザ対話型アプリケーション、及び又は通信アプリケーションに関連した操作を行うように構成しうる。例えば、ワークステーション102は、ワークステーション102およびプロセスコントローラ104が如何なる所望の通信媒体(例えば、無線、配線接続式、など)およびプロトコル(例えば、HTTP、SOAP、など)を使用してその他の装置またはシステムと通信することを可能にするプロセス制御関連アプリケーションおよび通信アプリケーションと関連する動作を行うように構成されうる。
加えて、ワークステーション102は、例示的な検証コントローラ190およびワークステーション102及び又はワークステーション102に連結される如何なるプロセスコントローラ104の間で無線通信を可能にするための送受信機103を含んでいる。送受信機103は、無線通信媒体(例えば、無線イーサネット(登録商標)、IEEE−802.11、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、など)を介して検証コントローラと通信する無線送受信機でありうる。
例えばワークステーション102またはその他如何なるワークステーションを使用してシステムエンジニアまたはその他のシステムオペレータにより生成され且つプロセスコントローラ104にダウンロードされてインスタンス化された一つ又は複数のプロセス制御ルーチンまたは機能を行うようにプロセスコントローラ104を構成しうる。図示される実施例において、ワークステーション102は制御室108の中にあり、プロセスコントローラ104は制御室108と別のプロセスコントローラ区域110にある。
図示される実施例において、実施例プロセス制御システム100は、第1のプロセス区域114の中にフィールド装置112a−cを含んでおり、第2のプロセス制御区域118の中にフィールド装置116a−cを含んでいる。実施例プロセス制御システム100には、VJB 111a−cが直接I/Oカード132a−bに通信可能に連結されうること、またはその代わりにVJB 115a−cが、マーシャリング・キャビネット122内で成端モジュール126a−cに連結されるフィールド中継ボックス(FJB)120aに通信可能に連結されうることが示されている。ここに記載される例示的な方法は接続設定または構成のいずれかと機能する。FJB 120aは、めいめいのフィールド装置116a−cに連結されるVJB 115a−cからの信号をマーシャリング・キャビネット122へと経由させる。一方、マーシャリング・キャビネット122は、VJB 115a−cから受け取った情報をマーシャリング(例えば、整理、グループ化、など)して、フィールド装置情報をプロセスコントローラ104のめいめいのI/Oカード(例えば、I/Oカード134a−b)へと経由させる。
図示される実施例においてプロセスコントローラ104とフィールド装置116a−c間の通信は双方向となっているので、マーシャリング・キャビネット122も、プロセスコントローラ104のI/Oカード134a−bから受け取った情報をフィールド中継ボックス120aを介してフィールド装置116a−cのめいめいの一つに経由させるのに使用される。更に、プロセス区域114は、中間のFJB及び又はマーシャリング・キャビネットなしにI/Oカード132a−bに直接通信可能に連結される。結果として、フィールド装置112a−cはめいめいのVJB 111a−cに通信可能に連結され、VJB 111a−cは、直接I/Oカード132a−bに通信可能に連結される。フィールド装置112a−cおよび116a−cは、導電性の無線及び又は光学通信媒体を介して、VJB 111a−cおよび115a−cのめいめいの一つに通信可能に連結されうる。例えば、VJB 115a−115bは、フィールド装置116a−cの電気的な無線及び又は光学送信機と通信するために一つ又は複数の電気的な無線及び又は光学データ送受信機を具備しうる。図示される実施例において、フィールド中継ボックス120aは、フィールド装置116cに無線方式で通信可能に連結される。
フィールド装置112a−cおよび116a−cはフィールドバス適合バルブ、アクチュエータ、センサなどでありうるが、この場合、フィールド装置112a−cおよび116a−cは、周知のフィールドバス通信プロトコルを使用してデジタルデータバスを介して通信する。もちろん、その他のタイプのフィールド装置および通信プロトコルを代りに使用されうる。例えば、フィールド装置112a−cおよび116a−cの代わりとして、周知のプロフィバスおよびHART通信プロトコルを用いてデータ・バスを介して通信するプロフィバス、HARTまたはASi適合装置も使用しうる。実施例として挙げられる実装の幾つかにおいて、フィールド装置112a−cおよび116a−cは、デジタル通信の代わりに、アナログ通信または離散的通信を使用して情報を通信できる。加えて、通信プロトコルは異なるデータタイプに関連付けられた情報を通信するためにも使用しうる。
フィールド装置112a−cおよび116a−cのそれぞれは、フィールド装置識別情報を格納するように構成される。フィールド装置識別情報は、物理的装置タグ(PDT)値、装置タグ名、電子シリアル番号などでありえ、独自にフィールド装置112a−cおよび116a−cのそれぞれを識別する。図1に示される実施例では、フィールド装置112a−cが、フィールド装置識別情報を物理的装置タグ値PDT0−PDT2の形で格納し、フィールド装置116a−cが、フィールド装置識別情報を物理的装置タグ値PDT3−PDT5の形で格納する。フィールド装置識別情報は、フィールド装置112a−cおよび116a−cのフィールド装置製造メーカにより及び又は同装置の設置に関与したオペレータまたはエンジニアにより、フィールド装置112a−cおよび116a−cに格納またはプログラムしうる。例示的な別の実装において、フィールド装置112a−cおよび116a−cの一つ又は複数は、フィールド装置識別情報を格納するための機能を備えていないかもしれない。これらの実施例において、フィールド装置112a−cおよび116a−cのインストールに関与するオペレータまたはエンジニアは、フィールド装置識別情報をめいめいのVJB 111a−cおよび115a−cに格納しうる。
マーシャリング・キャビネット122におけるフィールド装置116a−cと関連する情報を経由させるために、マーシャリング・キャビネット122は複数の成端モジュール126a−cを具備する。成端モジュール126a−cは、第2のプロセス区域118におけるフィールド装置116a−cに関連する情報をマーシャリングするように構成される。図示される如く、成端モジュール126a−cは、多芯ケーブル128b(例えば、マルチバスケーブル)を介してフィールド中継ボックス120aに通信可能に連結される。マーシャリング・キャビネット122が省略される代替的な例示的実装では、成端モジュール126a−cをフィールド中継ボックス120aの中にインストールすることができる。
図1に示される実施例は、多芯ケーブル128a−b内の各導線または一対の導線(例えば、バス、撚線対通信媒体、二線式通信媒体、など)がVJB 111a−cおよび115a−cのめいめいの一つを介してフィールド装置112a−cおよび116a−cのめいめいの一つと一意的に関連する情報を通信する二地点間構成を描く図である。マルチドロップの配線引き回し構成を使用する例示的な別の実装では、成端モジュール126a−cの各々を一つ又は複数のVJBと通信可能に連結できる。例えば、マルチドロップ(分岐)構成において、第1の導線を介して、VJB 115a、および別のVJB(図示せず)に成端モジュール126aを通信可能に連結することができる。例示的な実装の幾つかにおいて、成端モジュールは、無線の網目状ネットワークを使用して、複数のフィールド装置と無線方式で通信するように構成できる。
成端モジュール126a−cの各々は、異なるデータタイプを使用してフィールド装置116a−cのめいめいの一つと通信するように構成されうる。例えば、成端モジュール126aは、デジタルデータを使用してフィールド装置116aと通信するためにデジタル・フィールド装置インターフェースを含みうる間、成端モジュール126bは、アナログ・データを使用してフィールド装置116bと通信するためにアナログ・フィールド装置インターフェースを含みうる。
プロセスコントローラ104(及び又はワークステーション102)とフィールド装置112a−cおよび116a−c間のI/O通信を制御するために、プロセスコントローラ104は複数のI/Oカードと132a−bおよび134a−bを具備する。図示される実施例において、I/Oカード132a−bは、プロセスコントローラ104(及び又はワークステーション102)と第1のプロセス区域114におけるフィールド装置112a−c間のI/O通信を制御するように構成され、I/Oカード134a−bは、プロセスコントローラ104(及び又はワークステーション102)および第2のプロセス区域118におけるフィールド装置116a−c間のI/O通信を制御するように構成される。
図1に示される実施例では、I/Oカード132a−bおよび134a−bがプロセスコントローラ104の中に存在する。フィールド装置112a−cおよび116a−cからワークステーション102(I/Oカード)へと情報を通信するために、I/Oカード132a−bおよび134a−bはプロセスコントローラ104へと情報を通信し、プロセスコントローラ104はワークステーション102へと情報を通信する。同様に、ワークステーション102からフィールド装置112a−cおよび116a−cに情報を通信するために、ワークステーション102は、プロセスコントローラ104へと情報を通信する。その後、プロセスコントローラ104は、I/Oカード132a−bおよび134a−bへと情報を通信する。I/Oカード132a−bがVJB 111a−cを介してフィールド装置112a−cへと情報を通信する間、I/Oカード134a−bは、成端モジュール126a−cおよびVJB 115a−cを介してフィールド装置116a−cへと情報を通信する。
I/Oカード132a又は134aのいずれかが障害を起こした場合に向けてフォールト・トレラント(耐障害性を有する)動作を提供するために、I/Oカード132b及び134bは冗長I/Oカードとして構成される。即ち、I/Oカード132aが障害を起こした場合、冗長I/Oカード132bは制御を引継ぎ、他の場合にI/Oカード132aが行うのと同じ動作を行う。同様に、I/Oカード134aが障害を起こすと、冗長I/Oカード134bが制御を引き受ける。
成端モジュール126a−cおよびI/Oカード134a−b間の通信を可能にするために、成端モジュール126a−cが第1のユニバーサルI/Oバス136aを介してI/Oカード134a−bに通信可能に連結される。フィールド装置112a−cおよび116a−cの各々に対して別々の導線または通信媒体を使用する多芯ケーブル128a−bと異なり、ユニバーサルI/Oバス136aは、同じ通信媒体を使用して複数のフィールド装置(例えば、フィールド装置116a−c)に対応する情報を通信するように構成される。例えば、通信媒体は、シリアルバス、二線式通信媒体(例えば、ツイストペア)、光ファイバ、パラレルバスなどでありえ、それを介して二つ以上のフィールド装置に関連した情報を(例えば)パケットに基づいた通信技法、多重化通信技法などを使用して通信できるものである。
図1は、VJBがフィールド装置情報を直接I/Oカードに転送しうるように、またはVJBがFJB及び又は成端モジュールにフィールド装置情報を送り渡しうるようにプロセス制御システム100を構成しうることを示す。図1に示される実施例では、VJB 111a−cが、めいめいのフィールド装置112a−cからフィールド装置情報を受け取り、多芯ケーブル128aを介してI/Oカード132a−bへとフィールド装置情報を転送する。VJB 115a−cは、多芯ケーブル128bを介してマーシャリング・キャビネット122におけるめいめいの成端モジュール126a−cへとめいめいのフィールド装置116a−cからのフィールド装置情報をFJB 120aを通して転送する。成端モジュール126a−cは、ユニバーサルI/Oバス136aを介してI/Oカードと134a−bを通信するために、フィールド装置情報をデジタルパケットベースのプロトコルに変換する。
例示的な実装において、ユニバーサルI/Oバス136aはRS−485シリアル通信標準を使用して実施される。RS−485シリアル通信標準は、その他の概知の通信標準標準(例えば、Ethernet(登録商標))よりも通信制御オーバーヘッドが少なくなるように(例えば、ヘッダー情報がより少なくなるように)構成できる。但し、その他の例示的な実装において、ユニバーサルI/Oバス136aは、イーサネット(登録商標)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、IEEE 1394などを含むその他如何なる適切な通信標準を使用して実施することができる。なお、ユニバーサルI/Oバス136aは、配線式の通信媒体として上述されているが、例示的な別の実装において、ユニバーサルI/Oバス136aは、無線通信媒体(例えば、無線イーサネット(登録商標)、IEEE−802.11、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、など)を使用して実施することもできる。
図示される実施例において、I/Oバス136aはI/Oカード134a−bおよび成端モジュール126a−c間で情報を通信するように構成される。I/Oカード134a−bおよび成端モジュール126a−cは、アドレス指定方式を使用して、どの情報が成端モジュール126a−cのうちどの一つに対応するかをI/Oカード134a−bが識別できるようにし、また、どの情報がフィールド装置116a−cのうちのどれに対応するかを成端モジュール126a−cの各々が決定できるようにする。成端モジュール126a−cがI/Oカード134a−bの一つに接続されている場合、当該のI/Oカードは、成端モジュールと情報を交換するために、成端モジュールのアドレスを(例えば成端モジュールから)自動的に取得する。このようにすれば、成端モジュール・アドレスをI/Oカード134a−bにマニュアル操作で供給する必要なく、また、成端モジュール126a−cの各々をI/Oカード134a−bに対して個々に配線接続する必要なく、成端モジュール126a−cを、めいめいのバス136a上のいかなる場所にでも通信可能に連結できる。
図1の例示的なプロセス制御システム100は、VJB 111a−cと115a−cおよびプロセスコントローラ104間の通信経路を検証するための検証コントローラ190を含んでいる。通信経路は、プロセスコントローラ104にVJBを接続しているユニバーサルI/Oバス136a、多芯ケーブル128a−b、I/Oカード132a−bおよび134a−b、成端モジュール126a−126c、FJB 120a、及び又はその他如何なる通信媒体または装置を含む。
検証コントローラ190は、プロセス制御システム100と無線方式で通信する電子装置でありうる。電子装置は、プロセス制御I/O検証用に特別に設計されたハンドヘルド型プロセス制御プロセッサを含みうる。またその代わりとして、電子装置は、I/O検証アプリケーションを含む携帯電話、ラップトップ、及び又は個人用デジタル情報処理端末(PDA)を含みうる。その他の実施例において、検証コントローラ190はプロセス制御システム100の中へと配線接続され、ワークステーション102内に表示されうる。
図1の例示的なVJB 111a−cおよび115a−cは、フィールド装置112a−cおよび116a−cをプロセスコントローラ104へと通信可能に連結する中継ボックスである。VJB 111a−cおよび115a−cは、めいめいのフィールド装置112a−cおよび116a−cのすぐ近くに備え付けうる。またその代わりとして、VJB 111a−cおよび115a−cは、プロセスコントローラ104およびフィールド装置112a−cと116a−cの通信経路間にあるプロセス制御システム100の如何なる区域内に備え付けうる。これはマーシャリング・キャビネット122内、FJB 120aの内、及び又はプロセスコントローラ区域110内を含みうる。例示的なVJB 111a−cおよび115a−cは、既存するプロセス制御システム据付けを図1の例示的なプロセス制御システム100の構成と実質的に類似する構成に容易に移行できるようにし、且つ、プロセス制御システム内に既に備え付けられている既存のフィールド装置112a−cおよび116a−cに通信可能に連結されるように構成することができる。
例示的なVJB 111a−cおよび115a−cは、検証コントローラ190と通信するための送受信機を含んでいる。図1の実施例には、VJB 111a−cおよび115a−cが送受信機103に類似する無線送受信機と共に示されている。その他の実施例において、VJB 111a−cおよび115a−cは検証コントローラ190に配線接続されうる。例示的なVJB 111a−cおよび115a−cは、VJB 111a−cおよび115a−cをそれぞれ同定するのに使用される電子識別番号を含みうる。加えて、VJB 111a−cおよび115a−cはそれぞれ、めいめいのフィールド装置112a−cおよび116a−cから識別情報(例えば、PDT値)を取得しうる。VJB識別情報は、通信経路を検証するために検証コントローラ190により使用される各VJB 111a−cおよび115a−cにより送信される検証信号及び又は指令信号の中に含まれている。加えて、識別情報は、どの指令信号に応答するかを判断するために各VJB 111a−cおよび115a−cにより使用されうる。例えば、VJB 111aは、VJB 111aの識別情報を含んでいる指令信号にのみ応答しうる。
検証信号及び又は指令信号を受け取った時点で、VJB 111a−cおよび115a−cは、フィールド装置112a−cおよび116a−cがめいめいのVJB 111a−cおよび115a−cに正しく通信可能に連結されていることを検証するべく、めいめいのフィールド装置112a−cおよび116a−cにプロトコル信号を送信しうる。但し、幾つかのプロセス制御システムにおいては、VJB 111a−cおよび115a−cをめいめいのフィールド装置112a−cおよび116a−cのすぐ近くに備え付けることができる。このような場合、VJB 111a−cおよび115a−cは、フィールド装置112a−cおよび116a−cへの適切な接続を検証するためにプロトコル信号を送信する必要がないかもしれない。その他の実施例において、VJB 111a−cおよび115a−cは、めいめいのフィールド装置112a−cおよび116a−cがVJB 111a−cおよび116a−cに通信可能に連結される前にプロセスコントローラ104への通信経路を検証しうる。
例示的なVJB 111a−cと115a−cおよびプロセスコントローラ104間の通信経路を検証するべく、例示的な検証コントローラ190は、VJB 111a−cおよび115a−cに接続されているフィールド装置112a−cおよび116a−cのタイプによってVJB 111a−cおよび115a−cの一つ内の送受信機または送受信機103のいずれかに指令信号を送る。例えば、フィールド装置112aが入力フィールド装置(例えば、プロセスを測定してプロセスコントローラ104に信号を送る装置)である場合、検証コントローラ190は、フィールド装置112aに通信可能に連結されたVJB 111aに指令信号を送る。但し、フィールド装置112aが出力フィールド装置(例えば、プロセスコントローラ104からの指令に基づいて処置を行う装置)である場合、検証コントローラ190は送受信機103に指令信号を送る。送受信機103は、検証コントローラ190およびワークステーション102及び又はプロセスコントローラ104の間で取り交わされた信号を処理(コンディショニング)する送信機増幅部および受信機増幅部を使用して実施されうる。その他の実施例において、送受信機103は、プロセスコントローラ104内に含まれるようにしても良いし、または直接プロセスコントローラ104に通信可能に連結されるようにしても良い。
検証コントローラ190は、フィールド装置112a−cおよび116a−cの各々に関する情報(例えば装置のタイプ(例えば、入力または出力)、装置識別情報、装置信号タイプ(例えば、アナログ、離散型、デジタル)、プロセス制御システム100における位置、及び又はどのI/Oカードにフィールド装置が接続されるように指定されているかを含む)を伴ってプログラムされる。加えて、検証コントローラ190は、どのVJBがどのフィールド装置接続されているか指定するようにVJB識別子情報を伴ってプログラムされうる。検証コントローラ190のプログラミングは、プロセス制御システム100のオペレータにより行われるようにしても良いし、且つ又はプロセス制御システム100を記述する製品仕様または設計図書から定義されるようにしても良い。
検証コントローラ190から送信された指令信号は、VJB 111a−cおよび115a−cの識別子、フィールド装置112a−cおよび116a−cの識別子、及び又はI/Oカード132a−bおよび134a−bの識別子を含みうる。例えば、検証コントローラ190は、VJB 111aの識別子を含む指令信号を無線方式で送信しうる。VJB 111a−cおよび115a−cの全てが無線信号を受信するかもしれないが、VJB 111aだけが検証信号を送信する。類似した様態において、検証コントローラ190は、I/Oカード132a−bに対応する識別子と共に指令信号を送信してうる。指令信号を受信したことに応答して、プロセスコントローラ104はI/Oカード132a−bを通じて検証信号を送信する。
検証コントローラ190がVJBに指令信号を送信した場合、検証コントローラ190も、検証信号についてどのI/Oカードを監視すべきであるか示してプロセスコントローラ104に指示を送信してもよい。例えば、検証コントローラ190が、I/Oカード132a−bに通信可能に連結されると指定されているVJB 111aに指令信号を送った場合、検証コントローラ190は、検証信号についてI/Oカード132a−bを監視するようプロセスコントローラ104に指示を送る。その他の実施例において、プロセスコントローラ104は、検証信号についてI/Oカードを全て監視しうる。加えて、検証コントローラ190は、I/Oカード内のI/Oスロット及び又はI/O通信路を、それを通じて検証信号を送信するため、または検証信号について監視を行うためにプロセスコントローラ104に指定しうる。
指令信号を受信したことに応答して、VJB 111a−cおよび115a−cは、通信可能に連結されるI/Oカード132a−bおよび134a−bに検証信号を送信する。検証信号は、フィールド装置と同じ信号タイプ(例えば、アナログ、離散、デジタル、など)でありうる、且つ又はその他いかなるタイプのプロセス制御プロトコルを基盤とする信号でありうる。VJB 111a−cは、多芯ケーブル128aを介して直接I/Oカード132a−bに検証信号を送信する一方、VJB 115a−cは、多芯ケーブル128bを介して成端モジュール126a−cに検証信号を転送するFJB 120aへと検証信号を送信する。成端モジュール126a−cは、検証信号をパケット化されたデジタル形式に変換して、I/Oカード134a−bに変換された検証信号を送信する。その後、I/Oカード132a−bおよび134a−bの両方はプロセスコントローラ104に検証信号を転送する。類似した様態において、プロセスコントローラ104により送信された検証信号が、プロセス制御システム100を通じてVJB 111a−cおよび115a−cへと伝播される。
検証信号を受信したことに応答して、VJB 111a−cおよび115a−cは検証コントローラ190に受領信号を送信する。該受領信号には、受領信号を送信するVJB 111a−cおよび115a−cの識別情報を含みうる。同様に、プロセスコントローラ104は検証信号を受信すると受領信号を送信する。受領信号は、検証信号を受け取ったI/Oカード132a−bおよび134a−bの識別情報を含みうる。受領信号は、VJB 111a−cおよび115a−c及び又はプロセスコントローラ104から無線方式で送受信機(例えば、送受信機103)を介して検証コントローラ190へと送信されうる。
受領信号を受信したことに応答して、例示的な検証コントローラ190は受信した受領信号を以前送信された指令信号に照合する。その後、検証コントローラ190は、VJB 111a−cおよび115a−cの識別子がI/Oカード132a−bおよび134a−bの識別子に相互参照するかどうか判断する。識別子が相互参照する場合、検証コントローラ190は通信経路が検証されたことを示す。加えて、通信経路の検証に際して、VJB 111a−cおよび115a−cが無効に設定され、I/Oカード132a−bと134a−bおよびめいめいのフィールド装置112a−cと116a−cの間で直接通信を行うことが可能になりうる。識別子が相互参照しない場合、検証コントローラ190は、通信経路が間違って配線されていることを示し、且つどのVJBがどのI/Oカードに間違って配線されているのかを示す。
例えば、検証コントローラ190は、VJB 111aに指令信号を送信し、I/Oカード132aの識別子と共にプロセスコントローラ104から受領信号を受け取る。検証コントローラ190は、VJB 111aの識別子をI/Oカード132aの識別子へと相互参照し、二つの識別子が通信可能に連結されるように指定されていると判断する。別の実施例において、検証コントローラ190はVJB 111aに指令信号を送信し、I/Oカード134aの識別子と共にプロセスコントローラ104から受領信号を受け取る。検証コントローラ190は、VJB 111aの識別子をI/Oカード134aの識別子へと相互参照し、二つの識別子が通信可能に連結されるように指定されていないと判断する。結果として、検証コントローラ190は不適切な接続を示し、I/Oカード134aに通信可能に連結されたVJB 111aを表示する。その後、プロセス制御要員は、直接I/Oカード134aに行き、配線接続をI/Oカード132aに変更しうる。
図1の例示的な検証コントローラ190は、どのように通信経路が間違って配線されているのかを判断する機能性を含む。例えば、検証コントローラ190が指令信号を送った後に受領信号を受信しないと、検証コントローラ190は、その他のI/Oカード及び又はI/O通信路を監視するようプロセスコントローラ104を指示することができる、且つ又は同じI/Oカードを監視するようプロセスコントローラ104を指示する間その他のVJBに指令信号を送ることができる、且つ又は検証信号の極性を逆にするようにVJB 111a−cと115a−c及び又はプロセスコントローラ104を指示することができる、且つ又はフィールド装置(例えば、入力または出力装置)のタイプを変更してプロセス制御システム100を通る信号伝播の方向を逆にすることができる。例えば、検証コントローラ190は、VJB 111a−cおよび115a−cの代わりにプロセスコントローラ104に指令信号を送ることにより(装置が実際に出力装置かどうかテストするために)入力フィールド装置の信号を逆転しうる。どのように通信経路が間違って配線されているかを判断した時点で、検証コントローラ190は、指定された通信経路、現在間違って配線されている通信経路、そして、指定された通信経路と間違って配線接続された通信経路の間の相違を示す。
図2は、図1の例示的なVJB 111aを示す図である。例示的なVJB 111aは、図1のVJB 111b−cおよび115a−cの代表例である。例示的なVJB 111aは、単一のフィールド装置(例えば、フィールド装置112a)に通信可能に連結され且つ電源端子202、第1の端子204、第2の端子206、第3の端子208および送受信機210を含んだ状態で示されている。端子202−208は、外部電気回路及び又は通信経路にVJB 111a内の電気回路を結合するための如何なるタイプの端子及び又は接続子を含みうる。例えば、端子 202−208としては、ねじ端子、接合部、卵ラグ、ツメ部加締め、タレット、ポゴ端子、止金、タブ端子、及び又はバナナ端子(例えば、圧着端子)などが挙げられる。その他の実施例では、二つ以上のフィールド装置に接続するために更に別の端子、及び又は無線フィールド装置と通信するための第2の送受信機がVJB 111aに含まれうる。
図2の例示的なVJB 111aは、フィールド装置をプロセスコントローラ104へと通信可能に連結するための中継ボックスである。VJB 111aを、めいめいのフィールド装置112aのすぐ近くに備え付けうる。または、その代わりに、VJB 111aを、フィールド装置112aとプロセスコントローラ104の通信経路の間にある図1のプロセス制御システム100の如何なる区域内に備え付けうる。
VJB 111aおよび送受信機210内の回路構成への電力は、電源に接続する電源端子202を通って供給される。図示される実施例において、VJB 111aは、電源からの電力を使用して、フィールド装置(例えば、図1のフィールド装置112a)と通信するのに使用される通信路または通信インターフェースに電力を供給する、且つ又は、実稼動に向けてフィールド装置に電力を提供する。
プロセスコントローラ104に通信可能に連結するために、VJB 111aは例示的な第1の端子204を含んでいる。第1の端子204は、I/Oカード132a−bに直接連結することを目的として図1の多芯ケーブル128aに通信可能に連結する。その他の実施例において、第1の端子204は、多芯ケーブルを介してFJBに及び又は成端モジュールに通信可能に連結しうる、または、その代わりにユニバーサルI/Oバス(例えば、ユニバーサルI/Oバス136a)を使用して/Oにカードに通信可能に連結するようにしても良い。
例示的なVJB 111aをフィールド装置112aへと通信可能に連結するために、VJB 111aは第2の端子206および第3の端子208を含んでいる。図2の実施例において、第2の端子206は電気的にフィールド装置112aの陽極側に連結されるが、第3の端子208はにフィールド装置112aの電気的に陰性の側(例えば、アース)に連結される。端子206および208はアナログ、離散及び又はデジタル通信およびフィールド装置112aをVJB 111a間で機能できるようにする。加えて、VJB 111aは、端子206および208を通じてフィールド装置112aに電力を供給しうる。
VJB 111aは、I/Oカード132aおよびフィールド装置112a間でパススルー通信を可能にする。例えば、プロセス制御システムが定常運転モードにある場合、VJB 111aは中継ボックスの役割をし、フィールド装置112aをI/Oカード132aに直接リンクする。I/Oカード132aおよびフィールド装置112aが二線式通信による場合、I/Oカードの陽端子は、電気的信号のパススルーを可能にする第2の端子206に内部で連結される第1の端子204に接続される。I/Oカード132aからの陰端子は、第3の端子208にてフィールド装置112aの陰極に直接連結される。この構成により、フィールド装置112aとVJB 111aおよびI/Oカード132a間の共通接地平面が作成される。
フィールド装置112aが単線式装置である実施例において、VJB 111aは第2の端子206を通じてフィールド装置112aに接続しうる。その他の実施例において、フィールド装置112aが3つ以上の通信配線に対して構成される場合、VJB 111aは更に別の端末を含みうる。
フィールド装置112aおよびプロセスコントローラ104間の通信経路を検証するために、図2の例示的なVJB 111aは、I/Oカード132aからフィールド装置112aを電気的に絶縁しうる。電気的絶縁はリレーまたはマイクロコントローラにより制御されうる。絶縁によって、VJB 111aは、フィールド装置112aの動作に影響することなく検証信号を送信したり、または検証信号を受信したりできるようになる。例えば、指令信号を受信することに応答してフィールド装置112aが正しく通信可能に連結されていることを確認するために、VJB 111aは第2の端子206に連結される通信経路を介してフィールド装置112aへとプロトコル信号を送りうる。その後、フィールド装置112aからの信号に応答して、VJB 111aは通信経路128aを介してI/Oカード132aに検証信号を送信しうる。検証信号は、フィールド装置112aに送られたプロトコル信号とは異なるプロトコルでありうる。これら信号の絶縁によって、フィールド装置112a及び又はI/Oカード132aが検証工程中に破損しないことを保証できる。
通信可能に検証コントローラ190に連結するために、図2の例示的なVJB 111aは送受信機210を含んでいる。例示的な送受信機210は、如何なるタイプのアンテナ、無線送信機、無線受信機及び又は如何なる有線接続を含みうる。例示的な送受信機210は、無線通信媒体(例えば、無線イーサネット(登録商標)、IEEE−802.11、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、など)を使用して実施することができる。その他の例示的な実装において、送受信機210は配線式通信経路を介して検証コントローラ190に通信可能に連結されうる。配線式通信経路は、如何なるプロトコルを含むイーサネット(登録商標)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、IEEE 1394などを通じて作動しうる。
図3は、図1および図2の例示的なVJB 111aのブロック図を示す。例示的なVJB 111aは検証機能を容易に実施するための回路構成ブロック300を含んでいる。I/Oカード132a−bとの通信を可能にするために、例示的なVJB 111aはI/Oバスインターフェース302を含んでいる。例示的なI/Oバスインターフェース302は、図1の多芯ケーブル128aにおける撚線対通信媒体及び又は二線式通信媒体、または、その代わりに、I/Oの直列のバスインターフェース136aにおけるイーサネット(登録商標)、RS−485シリアル通信標準を使用して実施されうる。
図1のフィールド装置112aのアドレス及び又はI/Oカード132aのアドレスを同定するために、VJB 111aはアドレス識別子304を含んでいる。アドレス識別子304は、VJB 111aがアクティブ化された時に識別子(例えば、ネットワーク・アドレス)についてI/Oカード132aに問い合わせ(クエリー)を行うように構成されうる。同様に、例示的なアドレス識別子304は、フィールド装置識別情報(例えば、PDT値)についてフィールド装置112aに問い合わせ(クエリー)を行う。加えて、例示的なアドレス識別子304は、VJB 111aに割り当てられた識別値を格納しうる。このように、検証信号を送信する時、及び又はI/Oカード132aへと情報を通信する時、VJB 111aは送信元アドレスとしてI/Oカード識別子を使用する。同様に、I/Oカード132aは、検証信号を転送する時、及び又はVJB 111aへと情報を通信する時に、VJB識別子及び又はフィールド装置識別情報を宛先アドレスとして使用する。その他の実施例において、アドレス識別子304はフィールド装置識別情報を格納しうる。プロセス制御要員は、フィールド装置112aをVJB 111aへと通信可能に連結した際にアドレス識別子304の中にフィールド装置識別情報を格納しうる。
VJB 111aの様々な動作を制御するために、VJB 111aは動作コントローラ306を含んでいる。動作コントローラ306は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特殊用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサなどを使用して実施することができる。動作コントローラ306は、例示的なVJB 111aのその他の部分に対して、当該部分の動作を制御するべく指示または指令を通信する。例えば、VJB 111aが指令信号を受信したことに応答して、動作コントローラ306は、検証信号を生成するように検証プロセッサ信号313を指示し、そして生成された検証信号を送信するようにI/Oバス通信プロセッサ308を指示しうる。
例示的なVJB 111aは、多芯ケーブル128aを介してI/Oカード132aと情報を交換するためのI/Oバス通信プロセッサ308を含んでいる。図3に示される実施例において、I/Oバス通信プロセッサ308は、I/Oカード132aと通信するための如何なるアナログ、離散及び又はデジタル信号を生成且つ又は処理できる。加えて、例示的なI/Oバス通信プロセッサ308は、如何なるプロセス制御またはプロプライエタリの(独自の仕様による)プロトコルに従って信号タイプ(例えば、アナログ、離散、デジタル、など)の如何なるものを生成しうる。例えば、デジタル信号については、I/Oバス通信プロセッサ308が、I/Oカード132aへと伝送するために情報をパケット化し、I/Oカード132aから受信された情報を非パケット化する。加えて、I/Oバス通信プロセッサ308は、各パケットが送信されるべきヘッダー情報を生成し、受け取ったパケットからヘッダー情報を読み取る。例示的なヘッダー情報には、宛先アドレス(例えば、I/Oカード132aのネットワーク・アドレス)、送信元アドレス(例えば、VJB 111aのネットワーク・アドレス)、パケット・タイプまたは、データタイプ(例えば、アナログ・フィールド装置情報、フィールド装置情報、コマンド情報、温度情報、実時間データ値、など)、検証情報、及び又はエラー検査情報(例えば、巡回冗長検査(CRC)情報)が含まれる。実施例として挙げられる実装の幾つかにおいて、I/Oバス通信プロセッサ308およびオペレーション・コントローラ306は同一のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを使用して実施されるかもしれない。
図1の検証コントローラ190とのデータ通信を処理するために、例示的なVJB 111aは送受信機回路310を含んでいる。例示的な送受信機回路310は、図2の送受信機210から電気的信号を受信し、動作コントローラ306による処理に向けて該電気的信号をアナログ、離散及び又はデジタル情報に変換する。加えて、例示的な送受信機回路310は、アナログ、離散及び又はデジタル情報を受領信号生成機構312から受信して、送受信機210を介して検証コントローラ190に伝送するべく信号変換する。送受信機回路310は、図2の例示的な送受信機210に通信可能に連結され、無線通信媒体(例えば、無線イーサネット(登録商標)、IEEE−802.11、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、など)を使用して実施することができる。その他の例示的な実装において、送受信機回路310は、配線式通信経路を通じて検証コントローラ190に送受信機210を介して通信可能に連結されるかもしれない。配線式通信経路は、イーサネット(登録商標)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、IEEE 1394などを含む如何なるプロトコルに基づき作動しうる。
受領信号を生成するために、例示的なVJB 111aは例示的な受領信号生成機構312を含んでいる。受領信号生成機構312は、受領信号を生成するべく動作コントローラ306から指示を受け取る。動作コントローラ306受領信号を生成するようにとの指示におけるアドレス識別子304からのVJB識別子及び又はフィールド装置112a識別情報を含みうる。動作コントローラ306からの指示に応答して、例示的な受領信号生成機構312は、VJB識別子及び又はフィールド装置112a識別情報を含む受領信号を生成する。例示的な受領信号生成機構312は、検証コントローラ190へと伝送するために、生成された受領信号を送受信機回路310へと転送する。
検証信号の作成と受領を管理するために、図3のVJB 111aは検証信号プロセッサ313を含んでいる。例示的な検証信号プロセッサ313は、例示的な動作コントローラ306からの指示を受け取ったことに応答して検証信号を生成する。例示的な検証信号プロセッサ313は、アドレス識別子304にアクセスしうる、且つ検証信号内にVJB識別子及び又はフィールド装置識別情報を含みうる。検証信号の生成に際して、例示的な検証信号プロセッサ313は、多芯ケーブル128a上の処理および伝送に向けてI/Oバス通信プロセッサ308に検証信号を転送する。加えて、例示的な検証信号プロセッサ313は、I/Oバスインターフェース302がI/Oカード132aから受け取ったI/Oバス通信プロセッサ308からの検証信号を受信しうる。検証信号を受け取ったことに応答して、例示的な検証信号プロセッサ313は、受領信号を生成するようにとの指示を動作コントローラ306へと送る。
例示的な実施形態の幾つかにおいて、検証信号プロセッサ313は、フィールド装置112aがVJB 111aに通信可能に連結されていることを検証するようフィールド装置通信プロセッサ324に指示しうる。フィールド装置通信プロセッサ324が、フィールド装置112aの状態(例えば、検証済み、または未接続状態)を示して例示的な検証信号プロセッサ313に応答信号を送るようにしても良い。それに応えて、例示的な検証信号プロセッサ313は、動作コントローラ306のもとに送られた受領信号指令の中に、またはI/Oバス通信プロセッサ308に送られた生成された検証信号内にフィールド装置112aの状態を含みうる。
検証コントローラ190から指令信号を受け取るために、図3の例示的なVJB 111aは指令信号受信機314を含んでいる。図3の例示的な指令信号受信機314は、受信指令信号を処理して、検証信号を生成するよう動作コントローラ306に指示を送る。例えば、検証コントローラ190は、例示的な送受信機310により受け取られる無線指令信号を生成してもよい。送受信機310は指令信号を検出し、例示的な指令信号受信機314に指令信号を転送する。例示的な指令信号受信機314は、アドレス識別子304にアクセスし、指令信号内の識別子がVJB識別子及び又はフィールド装置112aの識別情報を含んでいるかどうか判断する。指令信号の中の識別子がVJB識別子またはフィールド装置112aの識別情報のいずれかと一致する場合、例示的な指令信号受信機314は、検証信号を生成するよう動作コントローラ306に指示を送る。その後、動作コントローラ306は、検証信号を生成するよう検証信号プロセッサ313を指示する。但し、指令信号の中の識別子がVJB識別子またはフィールド装置112aの識別情報のいずれとも一致しない場合、例示的な指令信号受信機314は指令信号を廃棄する。
図1のフィールド装置112a(またはその他如何なるフィールド装置)に供給される電力の量を制御するために、VJB 111aはフィールド電力変換装置316を含んでいる。図示される実施例において、図2の電源端子202は、フィールド装置112aと通信するべき通信路インターフェースに電力を供給するためにVJB 111aへと電力を供給する。例えば、フィールド装置の中には12ボルトを使用して通信するものも、24ボルトを使用して通信するものもある。図示される実施例において、フィールド電力変換装置316は、電源端子202によりVJB 111aに供給される電力を処理(コンディショニング)、調整、および昇圧及び又は降圧するように構成される。例示的な実施形態の幾つかにおいて、フィールド電力変換装置316は、可燃性または燃焼性の環境において発火の危険を実質的に削減するかゼロにするために、フィールド装置と通信するのに使用される及び又はフィールド装置に配送される電力の量を制限するように構成される。
加えて、例示的なフィールド電力変換装置316は、電源端子202から受け取られた電力をVJB 111a及び又はフィールド装置112a用の電力に変換する。図示される実施例において、VJB 111aを実施するのに使用される回路構成は、フィールド装置112aにより必要とされる電圧レベルとは異なる一つ又は複数の電圧レベル(例えば、3.3ボルト)を使用する。例示的なフィールド電力変換装置316は、電源端子202を通じて受け取られた電力を使用してVJB 111aおよびフィールド装置112aに対して異なる電圧レベルを供給するように構成される。図示される実施例においてフィールド電力変換装置316により生成された電源出力は、VJB 111aおよびフィールド装置112aに電力を供給するため、且つVJB 111aとフィールド装置112a間で情報を通信するために使用される。加えて、例示的なフィールド電力変換装置316は、受領信号を送信するために送受信機回路310に電力を供給するため、且つ、検証信号を送信するためにI/Oバス通信プロセッサ308に電力を供給するために使用される。幾つかのフィールド装置通信プロトコルは、その他の通信プロトコルよりも比較的高いまたは低い電圧レベル及び又は電流レベルを必要とする。図示される実施例においてフィールド電力変換装置316は、フィールド装置112aに電力を供給し、かつフィールド装置112aと通信するための電圧レベルを供給する。但し、その他の例示的な実装において、フィールド電力変換装置316により生成された電源出力は、別の電源がフィールド装置112aに電力を供給するのに使用される間、VJB 111aに電力を供給するのに使用されうる。
VJB 111aの回路構成をI/Oカード132aから電気的に絶縁するために、VJB 111aは一つ又は複数の絶縁(アイソレーション)装置318を含んでいる。絶縁(アイソレーション)装置318は、流電アイソレータ及び又は光アイソレータを使用して実施されうる。回路構成ブロック300を電源端子202から絶縁することにより、フィールド装置112aに関連する如何なる電力変動(例えば、電力サージ、電流スパイク、など)がフィールド電力変換装置316に対して危害をもたらすことがなくなる。また、VJB 111aにおける如何なる電力変動が、フィールド装置112aの動作に対して危害をもたらしたり、または影響を及ぼしたりすることがなくなる。加えて、回路構成ブロック300をフィールド電力変換装置316から絶縁することにより、I/Oカード132aに関連する如何なる電力変動(例えば、電力サージ、電流スパイク、など)が回路構成ブロック300及び又はフィールド電力変換装置316に対して危害をもたらすことがなくなる。また、VJB 111aにおける如何なる電力変動が、I/Oカード132aの動作に対して危害をもたらしたり、または影響を及ぼしたりすることがなくなる。
アナログとデジタル信号間の変換を行うために、VJB 111aはデジタル/アナログ変換器320とアナログ/デジタル変換器322を含んでいる。デジタル/アナログ変換器320は、受け取られたデジタル表現のアナログ値を、I/Oカード132aから図1のフィールド装置112aに通信することができるアナログ値に変換するように構成される。アナログ/デジタル変換器322は、フィールド装置112aから受け取ったアナログ値(例えば、測定値)を、I/Oカード132aに通信できるデジタル表現値へと変換するように構成される。VJB 111aがフィールド装置112aとデジタル形式で通信するように構成される代替的な例示的実装においては、デジタル/アナログ変換器320およびアナログ/デジタル変換器322を、成端モジュール124aから省略することができる。加えて、VJB 111aにより受け取られた如何なるアナログ指令信号またはアナログ検証信号は、動作コントローラ306による処理に向けて、アナログ/デジタル変換器322を使用してデジタル信号に変換しうる。
フィールド装置112aとの通信を制御するために、VJB 111aはフィールド装置通信プロセッサ324を含んでいる。フィールド装置通信プロセッサ324は、I/Oカード132aから受け取った情報がフィールド装置112aに通信するのに正確な形式および電圧タイプ(例えば、アナログまたはデジタル)であることを保証する。フィールド装置112aがデジタル情報を使用して通信するように構成される場合、フィールド装置通信プロセッサ324は、情報をパケット化または非パケット化するようにも構成される。それに加えて、フィールド装置通信プロセッサ324は、フィールド装置112aから受け取った情報を抽出し、且つそれ以後のI/Oカード132aへの通信に向けてアナログ/デジタル変換器322及び又はI/Oバス通信プロセッサ308に対してその情報を通信するように構成される。ここに示される実施例において、フィールド装置通信プロセッサ324は、フィールド装置112aから受け取られた情報にタイムスタンプを生成するようにも構成される。VJB 111aでタイムスタンプを生成することにより、ミリセカンド未満のタイムスタンプ精度を利用してシークエンスオブイベンツ(SOE)動作を実施することが容易になる。例えば、タイムスタンプおよびめいめいの情報は、プロセスコントローラ104及び又はワークステーション102に通信することができる。その後、例えばワークステーション102(図1)(またはその他如何なるプロセッサシステム)により行われるシークエンスオブイベンツの動作は、何が原因で特定の作動状態(例えば、故障モード)が発生したのか判断するために特定の作動状態が発生する前、発生中、及び又は発生後に何が起こったのかを分析するのに使用されうる。ミリセカンド未満の範囲内でタイムスタンプを生成することにより、比較的より高い細分性でイベント(事象)を捕らえることが可能になる。例示的な実施形態の幾つかにおいて、フィールド装置通信プロセッサ324および動作コントローラ306は。同じマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを使用して実施することができる。
一般に、フィールド装置通信コントローラ324に類似するフィールド装置通信コントローラは、当該通信するように構成されるフィールド装置のタイプに対応する通信プロトコル機能またはその他の通信機能(例えば、フィールドバス通信プロトコル機能、HART通信プロトコル機能、など)を具備している。例えば、フィールド装置112aがHART装置を使用して実施されるならば、VJB 111aのフィールド装置通信コントローラ324はHART通信プロトコル機能を具備している。VJB 111aがフィールド装置112aを対象とするI/Oカード132aからの情報を受け取ると、フィールド装置通信コントローラ324は、HART通信プロトコルに準じて情報をフォーマットして、フィールド装置112aに情報を配信する。
図3に示される実施例では、フィールド装置通信コントローラ324がパススルー・メッセージを処理するように構成される。パススルー・メッセージは、ワークステーション(例えば、図1のワークステーション102)から発信され、フィールド装置(例えば、フィールド装置112a)への配信に向けてコントローラ(例えば、図1のプロセスコントローラ104)を介して、VJB(例えば、図1のVJB 111a)へと、ペイロード(例えば、通信パケットのデータ部分)として通信される。例えば、ワークステーション102から発信し、フィールド装置112aに配信されることになっているメッセージは、通信プロトコル記述子(例えば、HARTプロトコル記述子)を伴ってワークステーション102にてタグ付けされる、且つ又はフィールド装置112aの通信プロトコルに準じてフォーマットされる。その後、ワークステーション102は、メッセージをワークステーション102から(I/O処理コントローラ104を介して)VJB 111aへとパススルー・メッセージとして配信するために、一つ又は複数の通信パケットのペイロードの中にメッセージをラップする(包含して保存する)。メッセージをラップする(包含して保存する)ことには、例えば、フィールド装置と通信するのに使用されている通信プロトコル(例えば、フィールドバス・プロトコル、HARTプロトコル、など)に準じてヘッダー情報内にメッセージをパケット化することが関与する。VJB 111aがパススルー・メッセージを含んでいる通信パケットをI/Oカード132aから受け取ると、図3のI/Oバス通信プロセッサ308は受け取った通信パケットからペイロードを抽出する。その後、図3のフィールド装置通信コントローラ324は、ペイロードからパススルー・メッセージをアンラップし(包含して保存されているメッセージを開き)、(ワークステーション102にてフォーマット済でない場合)ワークステーション102により生成された通信プロトコル記述子に準じてメッセージをフォーマットして、フィールド装置112aへとメッセージを通信する。
またフィールド装置通信コントローラ324も同様にパススルー・メッセージをワークステーション102へと通信するように構成されている。例えば、フィールド装置112aが、ワークステーション102に配達されることになっているメッセージ(例えば、ワークステーション・メッセージまたはその他如何なるメッセージへの応答)を生成すると、フィールド装置通信コントローラ324は、フィールド装置112aから一つ又は複数の通信パケットのペイロードの中にメッセージをラップし(包含して保存する)し、I/Oバス通信プロセッサ308は、ラップされているメッセージを含む一つ又は複数のパケットをI/Oカード132aへと通信する。ワークステーション102が、ラップされているメッセージを含んでいるプロセスコントローラ104からのパケットを受け取ると、ワークステーション102はラップされているメッセージを開いて処理することができる。
VJB 111aは、VJB 111aをフィールド装置(例えば、図1のフィールド装置112a)へと通信可能に連結するように構成されたフィールド装置インターフェース326を含んでいる。例えば、フィールド装置インターフェース326は、図2の端子206および208に通信可能に連結されうる。
VJB 111aを実施する例示的な様態が図3において描かれているが、図3に示されるインターフェース、データ構造、要素、工程及び又は装置の一つ又は複数を組み合わせても、分割しても、並び換えても、省略しても、取り除いても、及び又は如何なる別の方法によって実施しても良い。例えば、図3に示される例示的なI/Oバスインターフェース302、例示的なアドレス識別子304、例示的な動作コントローラ306、例示的なI/Oバス通信プロセッサ308、例示的な送受信機回路310、例示的な受領信号生成機構312、例示的な検証信号プロセッサ313、例示的な指令信号受信機314、例示的なフィールド電力変換装置316、例示的な絶縁(アイソレーション)装置318、例示的なデジタル/アナログ変換器320、例示的なアナログ/デジタル変換器322、例示的なフィールド装置通信プロセッサ324、及び又は例示的なフィールド装置インターフェース326は、例えば、一つ又は複数のコンピューティング装置及び又はコンピューティング・プラットフォーム(例えば、図10の例示的な処理プラットホーム1010)により実行される機械アクセス可能なまたは読取り可能な指示を使用して別々に及び又は如何なる組み合わせにおいて実施されうる。
更に、例示的なI/Oバスインターフェース302、例示的なアドレス識別子304、例示的な動作コントローラ306、例示的なI/Oバス通信プロセッサ308、例示的な送受信機回路310、例示的な受領信号生成機構312、例示的な検証信号プロセッサ313、例示的な指令信号受信機314、例示的なフィールド電力変換装置316、例示的な絶縁(アイソレーション)装置318、例示的なデジタル/アナログ変換器320、例示的なアナログ/デジタル変換器322、例示的なフィールド装置通信プロセッサ324、例示的なフィールド装置インターフェース326、及び又は、更に概してVJB 111aは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアにより、及び又はハードウェア、ソフトウェア及び又はファームウェアのいかなる組み合わせにより実施しうる。よって、例えば、例示的なI/Oバスインターフェース302、例示的なアドレス識別子304、例示的な動作コントローラ306、例示的なI/Oバス通信プロセッサ308、例示的な送受信機回路310、例示的な受領信号生成機構312、例示的な検証信号プロセッサ313、例示的な指令信号受信機314、例示的なフィールド電力変換装置316、例示的なアイソレーション(絶縁)装置318、例示的なデジタル/アナログ変換器320、例示的なアナログ/デジタル変換器322、例示的なフィールド装置通信プロセッサ324、例示的なフィールド装置インターフェース326、及び又は更に概してVJB 111aのいずれも、一つ又は複数の回路(複数可)、プログラム可能なプロセッサ(複数可)、特殊用途向け集積回路(ASIC)(複数可)、プログラム可能論理回路(PLD)(複数可)及び又はフィールド・プログラム可能論理回路(FPLD)(複数可)などにより実施することができる。
図4は、図1の例示的な検証コントローラ190を示す図である。例示的な検証コントローラ190は、図1のプロセス制御システム100と無線方式で通信する電子装置でありうる。電子装置は、プロセス制御I/O検証用に特別に設計されたハンドヘルド型プロセス制御プロセッサを含みうる。またその代わりとして、電子装置は、I/O検証アプリケーションを含む携帯電話、ラップトップ、及び又は個人用デジタル情報処理端末(PDA)を含みうる。他の実施例において、図4の例示的な検証コントローラ190はプロセス制御システム100の中に有線接続され、ワークステーション102内に表示されるかもしれない。検証コントローラは、図1のプロセスコントローラ104と直接通信しうる、または、その代わりに、プロセスコントローラが検証コントローラへの接続を含むワークステーションを通して検証コントローラと通信しうる。
例示的な検証コントローラ190は、表示ディスプレイ402、第1の機能ボタン404、第2の機能ボタン406、フロントパネル408および送受信機410を含む。他の実施例において、検証コントローラ190は、更に追加された別の機能ボタン、更に追加された別のパネル、及び又はその他のタイプのI/O装置を接続するための受け口(ソケット)(例えば、キーボード、マウス、トラックボール、メモリーカード、など)を含みうる。
検証情報およびプロセス制御情報を表示するために、例示的な検証コントローラ190は表示ディスプレイ402を含んでいる。例示的な表示ディスプレイ402は、スクロール・バー412、第1のフィールド装置アイコン420および第2のフィールド装置アイコン421を表示する。表示ディスプレイ402は、プロセス制御要員が表示ディスプレイ402内の項目を選択するためにペンまたはロックフィンガーを使用しうるようにタッチスクリーン・ディスプレイを含みうる。或いは、プロセス制御要員が、第1および第2の機能ボタン404および406を使用することにより表示ディスプレイ402内の項目を選択するようにしても良い。更に、表示ディスプレイ402は、液晶ディスプレイ(LCD)を使用して実施されうる。但し、他の実施例実装において、その他如何なる適切な表示技術を使用して表示ディスプレイ402を実施することもできる。
例示的な第1および第2の機能ボタン404と406は、表示領域内で項目を移動、操作、且つ又は選択するために如何なる数またはタイプのボタンを含みうる。例えば、第1の機能ボタン404はスクロールホイールを含みうる。加えて、第1および第2の機能ボタン404と406は、検証コントローラ190の設計者及び又は製造業者により決定される如く、例示的な検証コントローラ190の如何なる場所に配置しうる。
例示的な第1のフィールド装置アイコン420は、図1のフィールド装置112aに対応し、第2のフィールド装置アイコン421はフィールド装置112bに対応する。図4において、第1のフィールド装置アイコン420は、下側の丸の塗潰しにより、検証コントローラ190が図1のフィールド装置112aからI/Oカード132aへの通信経路を検証したことを示している。第2のフィールド装置アイコン421は、下側の丸の塗潰しにより、検証コントローラ190がフィールド装置112bとI/Oカード132aとの間の通信経路を現在確認中であることを示している。プロセス制御要員が、第1のフィールド装置アイコン420または第2のフィールド装置アイコン421のいずれか一つを選択してから、新規ウィンドウ画面を開いて該選択されたプロセス制御アイコンに関する情報を表示しうる。例えば、第1のフィールド装置アイコン420が選択されると、フィールド装置112aのタイプ、フィールド装置112aに通信可能に連結されたVJB 111aの識別子、I/Oカード123aの識別子、フィールド装置112aからプロセスコントローラ104及び又はI/Oカード132aへの通信経路が検証された日時、及び又はその他如何なるフィールド装置プロセス制御情報を表示してウィンドウ画面が開く。
プロセス制御要員は、表示ディスプレイ402内の「VERIFYING(検証中)」の文字列を選択して検証プロセスに関するより多くの情報を表示するようにウィンドウ画面を開くようにしても良い。例えば、プロセス制御システム100内における指令信号が送られた位置や、指令信号が送られた時間、受領信号が受信されたかどうか、及び又はフィールド装置112bが別のI/Oカードに間違って連結されているかを検証コントローラ190が判断しようとしているかどうかなどの情報をウィンドウ画面に含みうる。プロセス制御要員は、表示ディスプレイ402内のキャンセル・ボタンを選択することにより点検プロセスを停止しうる。
プロセス制御要員は、フロントパネル408上の「SETUP(設定)」ボタンを選択することにより、検証工程を設定するために表示ディスプレイ402に新規ウィンドウを開けるように検証コントローラ190を設定しうる。プロセス制御要員は、ウィンドウ画面内で、フィールド装置の一覧リストから選択することにより、フィールド装置のディレクトリを閲覧(照合検索)することにより、且つ又はプロセス制御システムの構成図においてフィールド装置を選択することにより、一つ又は複数のフィールド装置を選択しうる。またその代わりとして、プロセス制御要員は、通信経路を検証するためにVJBの識別子及び又はI/Oカードの識別子を選択しうる。フィールド装置の選択に際して、検証コントローラ190は、例えば識別情報やフィールド装置のタイプなどを含む当該フィールド装置に関する情報を表示する。プロセス制御要員は、フロントパネル408上で「ANALOG OUTPUT(アナログ出力)」ボタン、「ANALOG INPUT(アナログ入力)」ボタン、「DIGITAL INPUT(デジタル入力)」ボタン、及び又は「DIGITAL OUTPUT(デジタル出力)」ボタンのいずれか一つを選択することにより、プロセス制御システムを通して送信する検証信号のタイプをマニュアル操作で選択しうる。
フロントパネル408は、更に追加された別の検証信号タイプ及び又は検証信号プロトコルを含みうる。検証用にフィールド装置を設定した上で、プロセス制御要員は、フロントパネル408内の「VERIFY(検証)」のボタンを選択することにより検証工程を開始しうる。
図1のプロセス制御システム100とのデータ通信を処理するために、例示的な検証コントローラ190は送受信機410を含んでいる。例示的な送受信機410は、如何なるタイプのアンテナ、無線送信機、無線受信機、及び又は如何なる有線接続を含みうる。例示的な送受信機410は、図1の送受信機103または図2の送受信機210から電気的信号(例えば、受領信号)を受け取り、検証コントローラ190による処理に向けてアナログ、離散及び又はデジタル情報に該電気的信号を変換する。加えて、図4の例示的な送受信機410は、アナログ、離散及び又はデジタル情報(例えば、指令信号)を検証コントローラ190から受け取り、送受信機103または送受信機210に伝送するべく電気的信号に変換する。送受信機回路410は、無線通信媒体(例えば、無線イーサネット(登録商標)、IEEE−802.11、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、など)を使用して実施することができる。他の実施例実装において、送受信機410は配線式通信経路を介してプロセス制御システム100に通信可能に連結されうる。配線式通信経路は、イーサネット(登録商標)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、IEEE 1394などを含む如何なるプロトコルにて作動しうる。
図5は、図1および図4の例示的な検証コントローラ190のブロック図である。プロセス制御要員が検証コントローラ190と交信すること及び又は検証コントローラ190にアクセスすることを可能にするために、例示的な検証コントローラ190は一つ又は複数のユーザーインタフェース・ポート502を含んでいる。図示される実施例において、ユーザーインタフェース・ポート502は第1の機能ボタン404、第2の機能ボタン406)を含んでおり、図4のフロントパネル408のボタンから入力するものである。加えて、表示ディスプレイ402にタッチスクリーンが含まれている場合、図5のユーザーインタフェース・ポート502には、表示ディスプレイ402とのインターフェースが含まれうる。ユーザーインタフェース・ポート502は、ボタン 404−408のいずれかから入力を受け取り、動作プロセッサ506に入力を転送する。
図5の例示的な動作プロセッサ506は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特殊用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサなどを使用して実施することができる。動作プロセッサ506は、例示的な検証コントローラ190のその他の部分に対して当該部分の動作を制御するべく指示または指令を通信する。例えば、検証コントローラ190が受領信号を受信するのに応答して、検証コントローラ190は、通信経路が検証されたかどうか判断するように検証プロセッサ515を指示しうる。
指令信号を生成するために、例示的な検証コントローラ190は指令信号生成機構508を含む。図5の例示的な指令信号生成機構508は、動作プロセッサ506からの指示に応答して指令信号を生成する。指令信号生成機構508は、指令信号を受け取ることになっているVJBの識別子を指令信号の中に含むべく、VJB識別子キャッシュ520にアクセスしうる。またその代わりとして、指令信号が、図1の送受信機103に送信されるべきものである場合、指令信号生成機構508は、図1のプロセスコントローラ104が検証信号を伝送する宛先であるI/Oカードの識別子を指令信号の中に含むべく、I/Oカード識別子キャッシュ522にアクセスしうる。指令信号の生成に際して、例示的な指令信号生成機構508は、伝送用にI/O通信インターフェース512へと指令信号を転送しうる。加えて、指令信号生成機構508がVJBの指令信号を生成すると、指令信号生成機構508は、VJBに通信可能に連結されるように指定されているI/Oカードを監視するようプロセスコントローラ104への指示を生成しうる。
VJB及び又は送受信機103から受領信号を受け取るために、図5の例示的な検証コントローラ190は受領信号プロセッサ510を含む。図5の例示的な受領信号プロセッサ510は、受け取った受領信号を処理して、受領信号を受信したことを示して動作プロセッサ506に指示を送る。加えて、如何なるVJB識別子、フィールド装置識別情報(I/Oカード識別子)、及び又は受領信号の中に含まれるその他如何なる信号識別情報を、該指示は含みうる。
例示的な検証コントローラ190は、通信経路を介してVJBと及び又はプロセスコントローラ104と情報を交換するべきためのI/O通信インターフェース512を含む。図5に示される実施例では、I/O通信インターフェース512が、如何なるアナログ、離散及び又はデジタル信号を生成且つ又は処理することができる。加えて、例示的なI/O通信インターフェース512は、如何なるプロセス制御またはプロプライエタリの(独自の仕様による)プロトコルに従って如何なる信号タイプ(例えば、アナログ、離散、デジタル、など)を生成しうる。
検証情報及び又はその他のフィールド装置情報を図4の表示ディスプレイ402内に表示するために、検証コントローラ190は表示インターフェース514を含む。図示される実施例において表示インターフェース514は液晶ディスプレイ(LCD)を駆動し制御するように構成される。例えば、表示インターフェース514は、検証コントローラ190に取り付けられた表示ディスプレイ402を制御するように構成されうる。しかしながら、その他の実施例として挙げられる実施形態においては、代りにその他の表示画面タイプを駆動するように表示画面インターフェース514を構成してもよい。
通信経路を検証するために、例示的な検証コントローラ190は検証プロセッサ515を含む。例示的な検証プロセッサ515は、通信経路を検証するよう動作プロセッサ506から指示を受け取る。検証プロセッサ515は、以前に送信された指令信号と関連する情報および受領信号からの情報をプロセス制御システムの第1の部分およびプロセス制御システムの第2の部分に関する指定された識別子と比較することにより通信経路が検証されたかどうか判断する。
例えば、指令信号生成機構508がVJB 111aの識別子およびフィールド装置112aに関する識別情報を含む指令信号を生成する場合、検証プロセッサ515は、該指令信号のコピーを識別子と共に格納する。その後、受領信号が検証コントローラ190により受信されると、動作プロセッサ506は検証プロセッサ515に受領信号と関連する情報を送る。例示的な検証プロセッサ515は、受領信号が指令信号に対応するかどうか判断する。受領信号が指令信号に起因する場合、検証プロセッサ515は、動作プロセッサ506からの指示内の識別子を確認する。図1の実施例において、受領信号は、I/Oカード132aの識別子を含んでいる。その後、検証プロセッサ515は、フィールド装置112aがI/Oカード132aに通信可能に連結されるように指定されているかどうか判断するために、指定された識別子のリストにアクセスする。通信可能に連結されるように指定されている場合、検証プロセッサ515は、図1の通信経路128aが検証されたことを示すよう状態表示器518に指示を送る。別の実施例において、受領信号と関連する識別子がI/Oカード134a用である場合、検証プロセッサ515は、I/Oカード134aがフィールド装置112aに通信可能に連結されるように指定されていないと判断する。結果として、検証プロセッサ515は、通信経路128aが検証されていないこと、且つ、I/Oカード134aがフィールド装置112aに間違って連通されていることを示すよう状態表示器518に指示を送る。
別の実施例において、検証プロセッサ515は、受領信号が受け取られたことを示し、指示を動作プロセッサ506から受け取らないかもしれない。この場合、検証プロセッサ515が受領信号の指標をある期間待つようにしても良い。この期間が経過した後に、検証プロセッサ515は、どのI/OカードがVJB 111aに通信可能に連結されるかを判断するための別の方法を決定するよう通信経路プロセッサ516に指示を送りうる。
通信経路を検証できない場合、図5の例示的な通信経路プロセッサ516はテスト方針を追跡する。これには、どのI/Oカード、I/Oスロット及び又はどのI/O通信路がテストされたか、逆極性がテストされたか、そして装置のタイプがテストされたかを追跡することが含まれる。例えば、例示的な通信経路プロセッサ516が、通信経路128aが間違って配線接続されることを示して検証プロセッサ515から指示を受け取ると、通信経路プロセッサ516は、通信経路を決定するべく異なるI/Oカード、I/Oカード上の異なるI/Oスロット、及び又はI/Oカード上の異なるI/O通信路を選択しうる。その後、例示的な通信経路プロセッサ516は、指令信号およびどのI/Oカード、I/Oスロット及び又はI/O通信路を検証信号について監視するかを変更するようにとの指示をプロセスコントローラ104に再送信するよう指令信号生成機構508を指示する。検証コントローラ190が出力フィールド装置について通信経路を検証する場合において、通信経路プロセッサ516は、どのI/Oカード、I/Oスロット及び又はI/O通信路を通して検証信号が送られるかを変更するようプロセスコントローラ104に対して指示を送りうる。
存在しうるあらゆるI/Oカード、I/Oスロット及び又はI/O通信路がテストされたと通信経路プロセッサ516が判断すると、通信経路プロセッサ516が、検証信号の極性を逆転するようにとの指示と共に指令信号を再送するようにとの指示を指令信号生成機構508に送る。加えて、通信経路プロセッサ516は、逆極性をテスト中であることを示すよう状態表示器518に指示を送り、逆極性がテストされたことを示すフラグを設定する。
存在しうるあらゆるI/Oカード、I/Oスロット及び又はI/O通信路が逆極性についてテストされたと通信経路プロセッサ516が判断すると、通信経路プロセッサ516は、プロセス制御システム100の反対側へと指令信号を再送するようにとの指示を指令信号生成機構508に送る。例えば、検証コントローラ190が、フィールド装置112aが入力装置として指定されたが故に通信経路128aを検証するためにVJB 111aに指令信号を送信していたとすると、通信経路プロセッサ516は、フィールド装置112aが出力装置かどうか判断するべくプロセスコントローラ104用に指令信号を生成するよう指令信号生成機構508を指示するだろう。加えて、通信経路プロセッサ516は、装置のタイプをテスト中であることを示すよう状態表示器518に指示を送り、装置のタイプがテストされたことを示すフラグを設定する。
存在しうるあらゆるI/Oカード、I/Oスロット及び又はI/O通信路が逆極性および装置のタイプについてテストされたと通信経路プロセッサ516が判断すると、通信経路プロセッサ516は、VJB 111aからの通信経路128aがプロセスコントローラ104に接続されていないことを示して状態表示器518に指示を送りうる。
VJB識別子及び又はフィールド装置識別情報を格納するために、例示的な検証コントローラ190はVJB識別子キャッシュ520を含む。図5の例示的なVJB識別子キャッシュ520は、EEPROM、RAM、ROM及び又はその他いかなるタイプの記憶装置により実施されうる。VJB識別子キャッシュ520は、フィールド装置に対して指定されたVJB識別子および識別情報のリストを格納する。加えて、VJB識別子キャッシュ520は、どのVJBがどのフィールド装置に通信可能に連結されるかを定義するリストを含みうる。更に、VJB識別子キャッシュ520は、どのVJBがどのI/Oカードに連通されるように指定されているかを定義するリストを含みうる。プロセス制御要員は、入力404−408の如何なるものにより、及び又は識別子を検証コントローラ190にダウンロードするためのポートを通じて、VJB識別子キャッシュ520内に識別子およびリストを格納しうる。
I/Oカード識別子を格納するために、例示的な検証コントローラ190はI/Oカード識別子キャッシュ522を含む。図5の例示的なI/Oカード識別子キャッシュ522は、EEPROM、RAM、ROM及び又はその他いかなるタイプの記憶装置により実施されうる。例示的なI/Oカード識別子キャッシュ522は、指定されたI/Oカード識別子のリストを格納する。加えて、I/Oカード識別子キャッシュ522は、どのI/OカードがどのVJBに通信可能に連結されるかを定義するリストを含みうる。プロセス制御要員は、入力404−408の如何なるものにより、且つ又は検証コントローラ190に識別子をダウンロードするためのポートを通じて、I/Oカード識別子キャッシュ522内に識別子およびリストを格納しうる。
図1のプロセスコントローラ104及び又はVJBとのデータ通信を処理するために、例示的な検証コントローラ190は送受信機回路524を含む。例示的な送受信機回路524は、図1の送受信機103及び又は図2の送受信機210から電気的信号を受け取り、動作コントローラ506による処理に向けて該電気的信号をアナログ、離散及び又はデジタル情報に変換する。加えて、図5の例示的な送受信機回路524は、アナログ、離散及び又はデジタル情報を指令信号生成機構508から受け取り、送受信機410を介した送受信機103及び又は送受信機210への伝送用の信号に変換する。送受信機回路524は、図4の例示的な送受信機410に通信可能に連結され、無線通信媒体(例えば、無線イーサネット(登録商標)、IEEE−802.11、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、など)を使用して実施することができる。他の実施例実装において、送受信機回路524は、送受信機410を介してプロセスコントローラ104に、及び又は配線式通信経路を介してVJBに通信可能に連結されうる。配線式通信経路は、イーサネット(登録商標)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、IEEE 1394などを含む如何なるプロトコルにて作動しうる。
図5には検証コントローラ190を実施する例示的な様態が示されているが、図5に示されるインターフェース、データ構造、要素、工程及び又は装置の一つ又は複数を組み合わせても、分割しても、並び換えても、省略しても、取り除いても、及び又は如何なる別の方法によって実施しても良い。例えば、図5に示される例示的なユーザーインタフェース・ポート502、例示的な動作プロセッサ506、例示的な指令信号生成機構508、例示的な受領信号プロセッサ510、例示的なI/O通信インターフェース512、例示的な表示インターフェース514、例示的な検証プロセッサ515、例示的な通信経路プロセッサ516、例示的な状態表示器518、例示的なVJB識別子キャッシュ520、例示的なI/Oカード識別子キャッシュ522、及び又は例示的な送受信機524は、一つ又は複数のコンピューティング装置及び又はコンピューティング・プラットフォーム(例えば、図10の例示的な処理プラットホーム1010)により実行される機械アクセス可能なまたは読取り可能な指示を使用して別々に及び又は如何なる組み合わせにおいて実施されうる。
更に、例示的なユーザーインタフェース・ポート502、例示的な動作プロセッサ506、例示的な指令信号生成機構508、例示的な受領信号プロセッサ510、例示的なI/O通信インターフェース512、例示的な表示インターフェース514、例示的な検証プロセッサ515、例示的な通信経路プロセッサ516、例示的な状態表示器518、例示的なVJB識別子キャッシュ520、例示的なI/Oカード識別子キャッシュ522、例示的な送受信機524、及び又は、更に概して検証コントローラ190は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアにより、及び又はハードウェア、ソフトウェア及び又はファームウェアのいかなる組み合わせにより実施しうる。よって、例えば、例示的なユーザーインタフェース・ポート502、例示的な動作プロセッサ506、例示的な指令信号生成機構508、例示的な受領信号プロセッサ510、例示的なI/O通信インターフェース512、例示的な表示インターフェース514、例示的な検証プロセッサ515、例示的な通信経路プロセッサ516、例示的な状態表示器518、例示的なVJB識別子キャッシュ520、例示的なI/Oカード識別子キャッシュ522、例示的な送受信機524、及び又は、更に概して検証コントローラ190のいずれも、一つ又は複数の回路(複数可)、プログラム可能なプロセッサ(複数可)、特殊用途向け集積回路(ASIC)(複数可)、プログラム可能論理回路(PLD)(複数可)及び又はフィールド・プログラム可能論理回路(FPLD)(複数可)などにより実施することができる。
図6は、図1の例示的なプロセス制御システム100の部分を、図1、図2、図3、図4および図5の例示的な通信経路128a、検証コントローラ190、検証中継ボックス111a−b、プロセスコントローラ104及び又はワークステーション102を含んだ状態で示すブロック図である。プロセス制御システム100は、プロセス制御システム100の第1の部分601およびプロセス制御システム100の第2の部分602を含んでいる。第1の部分601は、図1に記載されるプロセスコントローラ104、I/Oカード132a、送受信機103、ワークステーション102、LAN 106、および多芯ケーブル128aを含む。加えて、I/Oカード132aはI/Oスロット612およびI/Oスロット614を含んでいる。図4の実施例において、多芯ケーブル128aは二つの通信経路に分割され、それぞれがI/Oカード132a上の異なるI/Oスロットに接続される。
第2の部分602はめいめいのフィールド装置112a−bに接続されているVJB 111a−bを含んでいる。各VJB 111a−bの第2の端子206は、めいめいのフィールド装置112a−bの陽端子に接続されており、各VJB 111a−bの第3の端子208(例えば、アース)は、めいめいのフィールド装置112a−bの陰端子に接続されている。加えて、VJB 111a内の第3の端子208は、多芯ケーブル128aを介してI/Oカード132aへとアース線620bを連通する。同様に、VJB 111b内の第3の端子208は、多芯ケーブル128aを介してI/Oカード132aへとアース線622bを連通する。
VJB 111a−bには電源610を介して電力が供給される。電源610は如何なる概知のタイプの電源を含みうる。電源は、図2の電源端子202(図6には図示せず)を介してVJB 111a−bへと電力を供給する。めいめいの絶縁(アイソレーション)装置318bおよび318dを通って電力が流れる。絶縁(アイソレーション)装置318bおよび318dは流電アイソレータを使用して実施されうる。回路構成ブロック300a−bを電源610から絶縁することにより、電源610からの如何なる電力変動(例えば、電力サージ、電流スパイク、など)が回路構成ブロック300a−b、I/Oカード132a、及び又はフィールド装置112a−bに影響することがなくなる。
加えて、VJBはめいめいの通信配線620aおよび622aを介してI/Oカード132aに通信可能に連結される。通信配線620aおよび622aはめいめいのVJB 111a−bの第1の端子204に連結され、該めいめいのVJB 111a−bの第1の端子204はそれから絶縁(アイソレーション)装置318aおよび318cに連結される。絶縁(アイソレーション)装置318aおよび318cは、多芯ケーブル128a、I/Oカード132a及び又はプロセスコントローラ104からの如何なる電力変動、電磁放射及び又は静電パルスによってめいめいのVJB回路構成300a−bまたはフィールド装置112a−bが破損しない(または影響を受けない)ことを保証するために、流電または光アイソレータを含みうる。
例示的な検証コントローラ190は、プロセス制御システム100の第1の部分601または第2の部分602のいずれかに検証信号を送信することにより、フィールド装置112a−bがI/Oカード132a上のめいめいのスロット612および614に通信可能に連結されていることを検証する。フィールド装置112aが入力装置である場合、検証コントローラ190はVJB 111aに指令信号を送る。指令信号を受け取ったことに応答して、フィールド装置112aが通信可能に連結されているかどうか判断するために、VJB 111aは端子206を介してフィールド装置112aにプロトコル信号を送信しうる。フィールド装置112aがVJB 111aに通信可能に連結されていることを検証した上で、VJB 111aは、第1の端子204、通信配線620aおよび多芯ケーブル128a(例えば、配線式通信経路)を介してI/Oカード132a内のI/Oスロット612に検証信号を送信する。検証信号を受け取ったことに応答して、I/Oカード132aはプロセスコントローラ104に検証信号を転送する。その後、プロセスコントローラ104はワークステーションおよび送受信機103を介して検証コントローラ190に受領信号を送信する。プロセスコントローラ104は、I/Oカード132aおよびI/Oスロットの識別子、および検証信号を受け取ったI/Oカード・スロットの識別子を含んでいる。受領信号を受け取った上で、検証コントローラ190は、I/Oカード132a、I/Oスロット612、VJB 111a及び又はフィールド装置112aの識別子を比較し、装置が一緒に通信可能に連結されるように指定されていることを判断する。
図6の実施例において、フィールド装置112bは出力装置であり、検証コントローラ190は送受信機103およびワークステーション102を介してプロセスコントローラ104に指令信号を送る。指令信号は、I/Oカード132aおよびI/Oスロット614の識別子を含みうる。指令信号を受け取ったことに応答して、プロセスコントローラ104は、I/Oカード132aに検証信号を送信し、該I/Oカード132aは、多芯ケーブル128a、通信配線622aおよび第1の端子204を介してVJB 111bに検証信号を転送する。検証信号を受け取ったことに応答して、VJB 111bは、フィールド装置112bが通信可能に連結されているかどうか判断するために端子206を介してフィールド装置112bにプロトコル信号を送信しうる。フィールド装置112bがVJB 111bに通信可能に連結されていることを検証した上で、VJB 111bは検証コントローラ190に受領信号を送信する。受領信号には、VJB 111b及び又はフィールド装置112bの識別子が含まれうる。受領信号を受け取った際に、検証コントローラ190は、I/Oカード132a、I/Oスロット614、VJB 111b及び又はフィールド装置112bの識別子を比較して、装置が一緒に通信可能に連結されるように指定されていることを判断する。
別の実施例において、通信配線620aがI/Oスロット614に間違って連結されており、検証コントローラ190が通信経路を検証しようと試みる場合に、プロセスコントローラ104が検証信号についてI/Oスロット612を監視しているので検証コントローラ190は受領信号を受信しないかもしれない。受領信号を受信しないと、その結果として、検証コントローラ190は再び指令信号をVJB 111aに送信しうるが、検証信号についてI/Oスロット614を監視するようプロセスコントローラを指示する。I/Oスロット614を介して検証信号を受け取ったことに応答して、プロセスコントローラ104は、I/Oスロット614の識別子を含む受領信号を検証コントローラ190のもとに送る。受領信号に応答して、検証コントローラ190は、通信経路が間違って連結されていると判断し、I/Oカード・スロット614に間違って連通されるVJB 111aの識別子を表示する。
別の実施例では、通信配線620aが第3の端子208に連結され、アース線620は第1の端子204に連結されるように、通信配線620aをアース線620bと逆にしうる。
結果として、検証コントローラ190は、それが検証信号の極性を逆にするようVJB 111aを指示するまで受領信号を受け取らない。結果として、検証コントローラ190がプロセスコントローラ104から受領信号を受け取ると、検証コントローラ190は、通信経路が逆転された極性を有することを示す。
図7A、図7B、図7C、図8および図9は、図1、図4、図5及び又は図6の例示的な検証コントローラ190、図1、図2、図3及び又は図6の例示的なVJB 111、及び又は図1及び又は図6の例示的なプロセス制御システムを実施するために実行されうる例示的な方法のフローチャートである。図7A、図7B、図7C、図8及び又は図9の例示的な方法は、プロセッサ、コントローラ及び又はその他如何なる適切な処理装置により実行されうる。例えば、図7A、図7B、図7C、図8及び又は図9の例示的な方法は、フラッシュメモリ、CD、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、ROM、RAM、プログラム可能読出し専用メモリ(PROM))、電子的にプログラム可能な読出し専用メモリ(EPROM)、電子的に消去可能なPROM(EEPROM))、光学的記憶ディスク、光学的記憶装置、磁気記憶ディスク、磁気記憶装置、及び又はプロセッサ、汎用または専用コンピュータ、またはプロセッサを備えるその他の機械(例えば、図10に関連して後述される例示的なプロセッサ・プラットホーム1010)によりアクセス可能な方法またはデータ構造の形式においてプログラム・コード及び又は指示を運搬または格納するのに使用されうるその他如何なる媒体など、如何なる有形コンピュータ可読媒体に格納されたコード化指令において具現化されうる。上記のものの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。例えばプロセッサ、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは専用処理機に特定の方法の一つ又は複数を実施させる指示及び又はデータなどが方法として挙げられる。
またその代わりとして、ASIC(複数可)、PLD(複数可)、FPLD(複数可)、離散論理、ハードウェア、ファームウェアなどの如何なる組み合わせ(複数可)を使用しても図7A、図7B、図7C、図8、及び又は図9の例示的な方法の幾つかまたは全てを実施しうる。また、図7A、図7B、図7C、図8、及び又は図9の例示的な方法の幾つかまたは全ては、その代りに、マニュアル操作でも実施しうるし、または前述の技法の如何なるものの如何なる組み合わせ(例えばファームウェア、ソフトウェア、離散論理及び又はハードウェアの如何なる組み合わせ)としても実施しうる。更に、図7A、図7B、図7C、図8、及び又は図9の例示的な動作を実施するその他の多くの方法を採用しうる。例えば、ブロックの実行順序を変更しても良いし、且つ又は、記載されるブロックの一つ又は複数を変更しても、取り除いても、再分割しても、または組み合わせても良い。加えて、図7A、図7B、図7C、図8、及び又は図9の例示的な方法のいずれかまたは全てを例えば、別々の処理スレッド、プロセッサ、装置、離散論理、回路などによって並行して実行しても良いし、且つ又は順次に実行しても良い。
図7Aの例示的な方法700は、フィールド装置がI/Oカードに通信可能に連結されているかどうか判断する検証工程を説明する。フィールド装置が検証コントローラにおいて選択された時点で、例示的な方法700が開始する(ブロック702)。装置タグ番号及び又は電子シリアル番号を含む識別情報によりフィールド装置を選択しうる。更に、フィールド装置のリストを照合検索することによりフィールド装置を選択しても良い。またその代わりとして、フィールド装置に接続されるように指定されている図1及び又は図4のプロセスコントローラ104内のI/Oカード及び又はI/Oカード・スロットを選択することによりフィールド装置を選択しても良い。
選択されたフィールド装置が入力装置かどうかを検証コントローラ190が判断すると例示的な方法700は継続する(ブロック704)。検証コントローラ190は、選択されたフィールド装置内に含まれる如何なる装置情報を用いて、及び又はフィールド装置の識別情報内の情報により、フィールド装置が入力装置かどうか判断する。フィールド装置が入力装置である場合、検証コントローラは、フィールド装置に通信可能に連結された図1、図2、図3及び又は図6のVJB 111に指令信号を送信する(図7Bにおけるブロック732)。指令信号は、無線通信回線または配線式通信リンクを介して送信されうる。またその代わりとして、検証コントローラ190は、フィールド装置に指令信号を直接送信しうる。
フィールド装置が入力装置ではない(例えば、フィールド装置が出力装置である)と検証コントローラ190が判断すると(ブロック704)、検証コントローラ190はプロセスコントローラ104に指令信号を送信する(ブロック706)。指令信号は、無線通信経路を介して、プロセスコントローラ104に指令信号を転送するワークステーション102内に含まれる送受信機103へと送信されうる。或いは、指令信号が、プロセスコントローラ104に直接送信されうる。指令信号を受け取ったことに応答して、プロセスコントローラ104は、プロセス制御システムの位置部分を通じて検証信号を送信する(ブロック708)。プロセスコントローラ104は、指令信号に含まれているI/Oカード識別子を使用してプロセス制御システムの適した部分を選択する。I/Oカード識別子は、どのI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを通じて検証信号を送るべきかをプロセスコントローラ104に指示する。
送信された指令信号に対応する受領信号を検証コントローラ190が受け取ったかどうかを検証コントローラ190が判断すると例示的な方法700は継続する(ブロック710)。検証コントローラ190が受領信号を受け取ると(ブロック710)、検証コントローラ190は、受領信号に含まれたVJB 111の識別子が対応する指令信号におけるI/Oカードの指定された識別子に相互参照するかを判断する(ブロック712)。どのI/Oカード及び又はスロットがどのフィールド装置に連通するように定義されているかを示す規格表に識別子を比較することによって、検証コントローラ190は識別子が相互参照するかどうか判断する。VJB識別子がI/Oカードの識別子に相互参照する(ブロック712)場合、検証コントローラ190がフィールド装置とプロセスコントローラ104間の通信経路が検証されたことを示し(ブロック718)、例示的な方法700が終了する。
VJB識別子がI/Oカードの識別子に相互参照しない(ブロック712)場合、検証コントローラ190はVJB識別子およびI/Oカード識別子を表示する(ブロック714)。加えて、検証コントローラ190は、規格表にのっとって通信経路が配線されていないことを示し、受領信号を送り返してきたフィールド装置及び又はVJB 111に通信可能に連結された(例えば、有線接続された)I/Oカードを表示する。その後、例示的な方法700が終了する。
但し、検証コントローラ190が受領信号を受け取らない場合には(ブロック710)、検証コントローラは、存在しうるあらゆるI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットがプロセスコントローラ104内でテストされたかどうか判断する(ブロック720)。I/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットの全てがテストされていない場合、検証コントローラ190は別のI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを選択する(ブロック722)。別のI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを選択することにより、検証コントローラ190は、フィールド装置が指定されていないI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットに接続されているかどうかを判断しようと試みる。その後、検証コントローラ190は、選択されたI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを通じて検証信号を送るようにとの指示と共に指令信号をプロセスコントローラ104へと送る(ブロック706)。検証コントローラ190が意図するVJB 111から受領信号を受け取ると(ブロック710)、検証コントローラ190は、どのI/Oカード、I/O通信路及び又はI/OスロットがVJB 111及び又はフィールド装置に間違って連通されているのかを示し(ブロック716)、例示的な方法700が終了する。
I/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットの全てがテストされている場合は、例示的な方法700が継続する(ブロック720)。その後、検証コントローラ190は、逆極性がテストされたかどうか判断する(ブロック724)。検証コントローラ190は、逆極性フラグがVJB 111の識別子に設定されたかどうか確認することにより逆極性がテストされたかどうか判断する。逆極性がテストされていない場合、検証コントローラ190は、VJB 111の識別子に逆極性フラグを設定し(ブロック726)、検証信号の極性を逆にする指示を含む指令信号をプロセスコントローラ104に送る(ブロック706)。指令信号を受け取ったことに応答して、プロセスコントローラ104は、逆極性で検証信号を送信する。
但し、逆極性がテストされている(ブロック724)場合、検証コントローラ190は、信号方向が変更されたかどうか判断する(図7Bにおけるブロック728)。検証コントローラ190は、信号方向フラグがVJB 111の識別子に設定されたかどうか確認することにより、信号方向が既にテストされたかどうか判断する。信号方向の変更は、指定された入力フィールド装置がプロセス制御システムにおいて出力装置として実施されるかどうかを判断する際に重要である。信号方向が変更されている場合、検証コントローラ190は通信経路の不具合があることを示す(ブロック732)。通信経路の不具合は、フィールド装置がVJB 111に不適当に接続されている(且つ又は指定されていないVJB 111に接続されている)結果生じたものでありうる。加えて、通信経路の不具合は、VJB 111と指定されたI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットの間の不適切な接続の結果として生じうる。通信経路の不具合を示下上で(ブロック732)、例示的な方法700が終了する。
信号方向が変更されていないと検証コントローラ190が判断した場合、例示的な方法700は継続する(ブロック728)。その後、検証コントローラ190は、フィールド装置の状態を出力装置から入力装置に変更する(ブロック730)。加えて、フィールド装置の状態の変更により、フィールド装置の状態の変化を示す指標が表示されるようにしても良い。次に、検証コントローラ190は、フィールド装置に通信可能に連結されるように指定されているVJB 111に指令信号を送る(ブロック732)。加えて、検証コントローラ190は、どのI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを検証信号に関して確認するべきかについてプロセスコントローラ104を指示しうる。指令信号を受け取ったことに応答して、VJB 111は、プロセス制御システムの一部分を通じて検証信号を送信する(ブロック734)。
検証コントローラ190は、それがプロセスコントローラ104及び又はワークステーション102からVJB 111へと送信された指令信号に対応する受領信号を受け取ったかどうか判断する(ブロック736)。検証コントローラ190が受領信号を受け取ると(ブロック736)、検証コントローラ190は、受領信号の中に含まれたI/Oカードの識別子が対応する指令信号におけるVJB 111及び又はフィールド装置の指定された識別子に相互参照するかどうか判断する(ブロック738)。VJB 111識別子がI/Oカードの識別子に相互参照する場合、検証コントローラ190は、フィールド装置間の通信経路およびプロセスコントローラ104が検証されたことを示し(ブロック744)、例示的な方法700が終了する。
VJB 111識別子がI/Oカードの識別子に相互参照しない(ブロック738)場合、検証コントローラ190はVJB 111識別子およびI/Oカード識別子を表示する(ブロック740)。加えて、検証コントローラ190は、通信経路が規格表にのっとって配線されていないことを示し、検証を受けたI/Oカードに通信可能に連結された(例えば、有線接続された)フィールド装置及び又はVJB 111を表示する(ブロック742)。その後、例示的な方法700が終了する。
但し、検証コントローラ190が受領信号を受け取らないと(ブロック736)、検証コントローラは、プロセスコントローラ104内で存在しうるあらゆるI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットがテストされたかどうか判断する(ブロック746)。I/Oカードの、I/O通信路及び又はI/Oスロットの全てがテストされていない場合、検証コントローラ190は、検証信号を確認するために別のI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを選択するようプロセスコントローラ104を指示する(ブロック748)。別のI/Oカード、I/O通信路、及び又はI/Oスロットを選択することにより、検証コントローラ190は、指定されていないI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットにフィールド装置が接続されているかどうか判断しようと試みる。その後、検証コントローラ190はVJB 111に指令信号を送る(ブロック732)。検証コントローラ190がプロセスコントローラ104から受領信号を受け取ると(ブロック736)、検証コントローラ190は、どのI/Oカード、I/O通信路及び又はI/OスロットがVJB 111及び又はフィールド装置に間違って連通されているかを示し(ブロック742)、そして例示的な方法700が終了する。
I/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットの全てがテストされている場合、例示的な方法700は継続する(ブロック746)。その後、検証コントローラ190は逆極性がテストされたかどうか判断する(ブロック750)。逆極性がテストされていない場合、検証コントローラ190は、VJB 111の識別子に逆極性フラグを設定し(ブロック752)、検証信号の極性を逆にするようにとの指示を含む指令信号をVJB 111に送る(ブロック732)。指令信号を受け取ったことに応答して、VJB 111は、逆極で検証信号を送信する。
逆極性がテストされている(ブロック750)場合、検証コントローラ190は、信号方向が変更されたかどうか判断する(図7Cにけるブロック754)。信号方向が変更されていないと検証コントローラ190が判断すると検証コントローラ190は、フィールド装置の状態を入力装置から出力装置に変更する(ブロック756)。加えて、フィールド装置の状態の変更により、フィールド装置の状態における変化を示す指標を表示されうる。次に、検証コントローラ190は、フィールド装置に通信可能に連結されるように指定されているプロセスコントローラ104に指令信号を送る(図7Aにおけるブロック706)。但し、信号方向が変更されている場合、検証コントローラ190は通信経路の不具合が存在することを示し(ブロック758)、そして例示的な方法700が終了する。
図8の例示的な方法800は、フィールド装置がI/Oカードに通信可能に連結されているかどうか判断するために、プロセス制御システムの一部分を通して検証信号を送る。例示的な方法800は、図1、図4、図5及び又は図6の検証コントローラ190がVJB 111に指令信号を送信する時に開始する(ブロック732)。例示的な検証コントローラ190は、無線通信経路、またはその代わりに配線式通信経路を介して指令信号を送信しうる。指令信号を受け取ったことに応答して(ブロック802)、VJB 111は、プロセス制御システムの一部分を通じて検証信号を送信する(ブロック734)。
VJB 111は、I/Oカードに通信可能に連結された通信経路を介して検証信号を送信することによりプロセス制御システムの一部分を通じて検証信号を送信する(ブロック804)。検証信号は、如何なるプロセス制御プロトコルにより指定される如何なるアナログ、離散及び又はデジタル信号でありうる。またその代わりとして、検証信号は、通信経路を介して、通信可能に連結されるI/O通信路及び又はI/Oスロットへと送信されうる。別の例示的な方法において、VJB 111がマーシャリング・キャビネットの中の成端モジュールに検証信号を送信するようにしても良く、その場合該マーシャリング・キャビネットの中の成端モジュールは、その後I/Oカードに検証信号を転送する。通信経路を介して検証信号を受け取ったことに応答して(ブロック806)、I/Oカードは、図1及び又は図4の例示的なプロセスコントローラ104に検証信号を転送する(ブロック808)。
プロセスコントローラ104がI/Oカードから検証信号を受け取ると、例示的な方法800が継続する(ブロック810)。検証信号を受け取ったことに応答して、プロセスコントローラ104は検証コントローラ190に受領信号を送信する(ブロック812)。受領信号は、検証信号を受け取ったI/Oカードの識別子、指令信号を受け取ったVJB 111の識別子、及び又はVJB 111に接続されているフィールド装置の識別子を含みうる。またその代わりとして、プロセスコントローラ104が図1及び又は図4のワークステーション102に受領信号を転送するようにしても良く、その場合該ワークステーション102はその後、検証コントローラ190に受領信号を送信する。検証コントローラ190は受領信号を受け取り(ブロック736)、例示的な方法800が終了する。
図9の例示的な方法900は、フィールド装置がI/Oカードに通信可能に連結されているかどうか判断するために、プロセス制御システムの一部分を通して検証信号を送る。図1、図4、図5及び又は図6の検証コントローラ190が図1及び又は図4の例示的なプロセスコントローラ104に指令信号を送信する時に、例示的な方法900が開始する(ブロック706)。例示的な検証コントローラ190は、無線通信経路またはその代わりに配線式通信経路を介して指令信号を送信しうる。またその代わりとして、検証コントローラ190が、図1及び又は図4のワークステーション102に指令信号を送信するようにしても良く、その場合ワークステーション102がその後プロセスコントローラ104に指令信号を送信する。指令信号は、どのI/Oカード、I/O通信路及び又はI/Oスロットを通じて検証信号を送信するべきかをプロセスコントローラ104に指示する識別子を含んでいる。
指令信号を受け取ったことに応答して(ブロック902)、プロセスコントローラ104は、プロセス制御システムの一部分を通じて検証信号を送信する(ブロック734)。プロセスコントローラ104は、示されている通信可能に連結したI/Oカードへと検証信号を送信することによりプロセス制御システムの一部分を通じて検証信号を送信する(ブロック904)。検証信号は、如何なるプロセス制御プロトコルにより指定される如何なるアナログ、離散及び又はデジタル信号でありうる。或いは、検証信号は、通信可能に連結されるI/O通信路及び又はI/Oスロットに送信されうる。I/Oカードが検証信号を受け取ったことに応答して(ブロック906)、I/Oカードは、通信可能に連結されるVJB 111へと通信経路を介して検証を転送する(ブロック908)。別の例示的な方法において、I/Oカードが、マーシャリング・キャビネットの中の成端モジュールに検証信号を送信するようにしても良く、その場合マーシャリング・キャビネットの中の成端モジュールは、その後、VJB 111に検証信号を転送する。更に別の実施例において、成端モジュールがフィールド中継ボックスに検証信号を転送するようにしても良く、その場合該フィールド中継ボックスその後VJB 111に検証を転送する。
VJB 111がI/Oカードから検証信号を受け取ると、実施例方法900が継続する(ブロック910)。検証信号を受け取ったことに応答して、VJB 111は検証コントローラ190に受領信号を送信する(ブロック912)。受領信号は、検証信号、VJB 111の識別子、及び又はVJB 111に接続されているフィールド装置の識別子を送信したI/Oカードの識別子を含みうる。検証コントローラ190は受領信号を受け取り(ブロック710)、例示的な方法900が終了する。
図10は、ここに記載される例示的な方法とシステムを実施するのに使用されうる例示的なプロセッサシステム1010のブロック図である。例えば、図1のワークステーション102、プロセスコントローラ104、VJB 111−111cおよび115a−115c及び又は検証コントローラ190を実施するために、例示的なプロセッサシステム1010に類似するか同一であるプロセッサシステムを使用しうる。例示的なプロセッサシステム1010が、複数の周辺機器、インターフェース、チップ、記憶装置などを含んだ状態で後述されているが、当該要素の一つ又は複数は、ワークステーション102、プロセスコントローラ104、VJB 111−111cと115a−115c、及び又は検証コントローラ190の一つ又は複数のを実施するのに使用される他の例示的なプロセッサシステムから省略しうる。
図10に示されるように、プロセッサシステム1010は相互接続バス1014に連結されるプロセッサ1012を含んでいる。プロセッサ1012には、レジスタ・セットまたはレジスタ領域1016が含まれている。レジスタ・セット1016は、図10では全部分がオンチップ状態(基板上に実装した状態)で描写されているが、その代わりとして、全部分又はその一部分をオフチップ状態(基板外に実装した状態)に設置し、専用の電気的接続を介して及び又は相互接続バス1014を介して直接プロセッサ1012に連結されるようにも構成しえる。プロセッサ1012には、適切なプロセッサ、処理装置またはマイクロプロセッサであれば如何なるものでも使用しえる。図10には図示されていないが、システム1010は、マルチプロセッサシステムでありえ、よってプロセッサ1012と同一であるまたは類似する及び相互接続バス1014に通信可能に連結される一つ又は複数の更に追加された別のプロセッサを含みうる。
図10のプロセッサ1012は、メモリーコントローラー1020および周辺入出力(I/O)コントローラ1022を含むチップセット1018に連結される。周知の如く、チップセットは一般に、チップセット1018に連結される一つ又は複数のプロセッサによりアクセス可能または使用される複数の汎用及び又は専用レジスタやタイマーなどに加え、入出力および記憶管理機能を備える。メモリ制御器1020は、プロセッサ1012(または、複数のプロセッサが備えられている場合は「複数のプロセッサ」)がシステムメモリ1024および大容量記憶メモリ1025にアクセスできるようにする機能を果たす。
システムメモリ1024は、例えば静的ランダムアクセス記憶装置(SRAM)、動的ランダムアクセス記憶装置(DRAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリなど(ROM)など所望のあらゆるタイプの持久性及び又は揮発性記憶装置を含みうる。大容量記憶メモリ1025は、所望のあらゆるタイプの大容量記憶装置を含みうる。例えば、例示的なプロセッサシステム1010がワークステーション102(図1)を実施するのに使用される場合、大容量記憶メモリ1025はハードディスク・ドライブ、オプティカルドライブ、テープ記憶装置などを含みうる。またその代わりとして、プロセスコントローラ104、VJB 111−111cおよび115a−115c、及び又は検証コントローラ190を実施するのに例示的なプロセッサシステム1010が使用される場合、大容量記憶装置記憶装置1025は、固体状態記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、RAMメモリ、など)、磁気記憶装置(例えば、ハードドライブ)、またはプロセスコントローラ104、VJB 111−111cおよび115a−115c及び又は検証コントローラ190における大容量記憶装置に適しているその他如何なる記憶装置を含みうる。
周辺I/Oコントローラ1022は、周辺I/Oバス1032を介して、周辺入出力(I/O)装置1026と1028、ならびにネットワーク・インターフェース1030とプロセッサ1012が通信することを可能にする機能を行う。I/O装置1026および1028は、例えばキーボード、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)ディスプレイおよびなど)、ナビゲーション装置(例えば、マウス、トラックボール、容量性のタッチパッド、ジョイスティック、など)など、如何なる所望のタイプのI/O装置でありうる。ネットワーク・インターフェース1030は、例えば、プロセッサシステム1010が別のプロセッサシステムと通信することを可能にするような、イーサネット(登録商標)装置、非同期転送モード(ATM)装置、802.11装置、DSLモデム、ケーブル・モデム、セルラーモデムなどでありうる。
メモリ制御器1020とI/Oコントローラ1022は、図10においてチップセット1018内の別々の機能ブロックとして表されているが、これらのブロックにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合しても、個別の集積回路を二つ以上用いても実施しえるものである。
上述される例示的な方法及び又はシステムの少なくとも幾つかは、コンピュータ・プロセッサ上で作動する一つ又は複数のソフトウェア及び又はファームウェアプログラムにより実施される。しかしながら、特定用途向け集積回路、プログラム可能論理アレイ、およびその他のハードウェアデバイスを含む(但しこれに限定されるものではない)専用ハードウェア実施システムも同様に、ここに実施例として記載される方法及び又は機器のうちの幾つかまたは全てを実施するように、全体または部分的のいずれかによって、構築できる。更に、これらに限定されないが分散型処理または構成部分/オブジェクト分散型処理並行処理または仮想機械処理を含む代替的なソフトウェア実装は、ここに記載される例示的な方法及び又はシステムを実施するようにも構築することができる。
なお、ここに記載される例示的なソフトウェア及び又はファームウェアの実装は、磁気媒体(例えば、磁気ディスクまたはカセットテープ)、光ディスクなどの光磁気または光学媒体、若しくは、メモリーカードまたは一つ又は複数の読み取り専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリまたはその他の書き換え可能(揮発性)メモリを収容するその他のパッケージなどのソリッドステート媒体、などの有形記憶媒体に格納される。しかるべく、ここに記載される例示的なソフトウェア及び又はファームウェアは、上述されたものまたは後継記憶媒体などの有形記憶媒体に格納することができる。上記明細には例示的な構成部分および機能が特定の標準およびプロトコルに関連して可能な範囲で説明されているとはいえども、当然のことながら、本特許の適用範囲はかかる標準およびプロトコルに限られないという共通認識のもとに説明されている。例えば、インターネットおよびその他のパケット交換方式ネットワーク伝送のための各標準(例えば、転送制御プロトコル(TCP)/インターネット・プロトコル(IP))、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)/インターネット・プロトコル、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)は、本発明の属する技術分野の現状の代表例である。このような標準は周期的に、同じ一般機能を備え、より高速で、より効率的な均等物に取って変わられる。よって、同機能を有する置換標準およびプロトコルは、この特許に熟慮されており、付随の特許請求の範囲に含まれるように意図される均等物である。
加えて、本特許は、ハードウェア上で実行されるソフトウェアまたはファームウェアを含んだ状態で例示的な方法およびシステムを開示するが、かかるシステムは単なる例示に過ぎず、本発明を制限するものと見なされるべきでないこともここに述べておく。例えば、これらのハードウェアおよびソフトウェア構成素子のいずれか又は全ては、ハードウェアにおいてのみ、又はソフトウェアにおいてのみ、ファームウェアにおいてのみ、またはハードウェア、ファームウェア及び又はソフトウェアの何らかの組み合わせにおいて具体化できるものとして意図される。よって、実施例として挙げられるシステム、方法および製造品が上記説明されているが、ここに提示される実施例がこれらのシステム、方法および製造品を実施する唯一の手段ではない。実施例として挙げられる特定の方法、システムおよび製造品がここにおいて記載されているが、この特許の適用領域の範囲はそれに限定されるものではない。そればかりでなく、本特許は、字義的に若しくは均等論に基づいて添付の特許請求の範囲内に公正に含まれるとされる方法、システムおよび製造品の全てを網羅するものである。