JP5597211B2 - 撹拌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撹拌装置、特に液に増粘剤を分散させる際に使用される撹拌装置に関する。
従来から、化粧品や医薬品、化学品、食品等、製品の使用感、質感等を向上させるために、増粘剤を原料とする製品が数多く製造されている。このような増粘剤を原料とする製品は、粘度を上昇させるために、増粘剤を水に分散させ膨潤させる。この分散膨潤工程においては、増粘剤は塊状となっているため、水と接触すると瞬間的にダマ(増粘剤が塊のまま水と接触することにより、増粘剤の表面のみに水が付着してできる構造物)を形成する。したがって、生成したダマをできるだけ微細化させ、ダマ内部の増粘剤を順次水に分散させ膨潤させることにより、効率的に水との構造物を形成することが望ましい。
従来、この分散膨潤工程においては、増粘剤を撹拌するために、いわゆるディスパーミキサーと呼ばれる、回転軸と、回転軸の周りで回転する、円盤状の部材の外周に複数の歯がのこぎり状に形成されてなるディスパー羽根とを有する撹拌装置が用いられている。このディスパーミキサーは、強力な剪断力により、生成したダマを微細化するものである。
一方、増粘剤を液体に分散して液(増粘剤と液体との混合物)を増粘させるためには、増粘剤を膨潤させ、この膨潤により形成される液体と増粘剤の構造物の形成を維持する必要がある。このように、液を増粘剤により増粘させる場合、増粘剤の膨潤を主目的としているため、撹拌による強力な剪断力を必要としない。
上述のディスパーミキサーを用いて増粘剤を液体に分散する場合、ディスパー羽根の先端部分で強い剪断力が局部的に発生するため、増粘剤の膨潤により形成された増粘剤と液体との構造物を破壊してしまう場合が多い。また、一つの渦による規則的な対流が引き起こされるため、特定の増粘剤のみが水と接触しやすい。そのため、液全体で粘度が不均一になり、製品粘度の上昇という目的を達成するのが困難であり、製品の質の均質化が難しくなるという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、生成したダマをできるだけ微細化して液体に分散させることにより、効率的に液体と増粘剤との構造物を形成して、液の粘度上昇を従来よりも促進させることでき、かつ製品の質の均質化を図ることが可能な撹拌装置を提供することを目的とする。
本発明の撹拌装置は、撹拌槽と、該撹拌槽内に、上下動可能かつ垂直方向に配設されたロッドと、該ロッドを上下に駆動する駆動部と、該ロッドに固定され、前記ロッドの軸心に対して垂直な面上に形成されるディスパー羽根とを備える撹拌装置であって、前記ディスパー羽根が、前記ディスパー羽根の外周に沿って、前記ディスパー羽根の上方および/または下方に向かって突出し、前記ロッドの上下動により、羽根真上領域および羽根中央真下領域において前記ロッド周りに旋回流を発生させる傾斜部を有したエッジ部を有し、前記ディスパー羽根に、上下方向に貫通し、前記ロッドの上下動により、前記ロッドの移動方向に生じる、前記旋回流に衝突する渦を発生させる複数の貫通孔が形成され、前記ロッドの上下動のみにより、前記旋回流と渦とを衝突させることが可能であることを特徴とする
さらに、本願発明の撹拌装置は、前記エッジ部が、上下交互に形成されているのが好ましい。
さらに、本願発明の撹拌装置は、複数の貫通孔の開口面積の合計が、前記ディスパー羽根の面積に対して、2.2〜8.6%であるのが好ましい。
さらに、本願発明の撹拌装置は、ディスパー羽根に複数の貫通孔を備える場合、前記複数の貫通孔は、前記ディスパー羽根の中心から等しい距離にある仮想円上に等間隔に配置されているのが好ましい。また、この場合、前記ディスパー羽根の中心からの距離が異なる複数の仮想円上に配置するとさらに好ましい。
さらに、本願発明の撹拌装置は、ディスパー羽根のエッジ部が、前記ディスパー羽根の外周に沿った仮想円の接線に対して、15〜30°傾斜して配設されているのが好ましい。
以上のように、本発明の撹拌装置によれば、撹拌槽内の増粘剤と液体を撹拌する際、撹拌槽の内部で、エッジ部による旋回流により増粘剤を含む液を流動させて、液の粘度上昇を促進させることができると共に、製品の質を均質化することができる。さらに、ディスパー羽根に、上下方向に貫通する複数の貫通孔を形成するため、液(増粘剤と液体の混合物)が複数の貫通孔を通過することによる渦が生じ、エッジ部による旋回流と貫通孔の渦との衝突、あるいは貫通孔の渦同士の衝突により、撹拌槽内に複雑な流れが引き起こされる。この結果、増粘剤を含む液が不規則に流動して増粘剤の液体への分散が促進され、液の粘度上昇をさらに促進させることができるとともに、製品の質をさらに均質化することができる。
さらに、エッジ部は、上下交互に形成すると、前記ディスパー羽根の上下で均等に旋回流を発生させることができるので、増粘剤の液体への分散を効率よく促進させることができる。
さらに、複数の貫通孔の開口面積の合計を、前記ディスパー羽根の面積に対して、2.2〜8.6%にすることで、ディスパー羽根の強度を確保したまま、増粘剤の液体への分散を確実に促進することが可能な渦を発生させることができる。
さらに、前記ディスパー羽根に貫通孔を備える場合、複数の貫通孔を、前記ディスパー羽根の中心から等しい距離にある仮想円上に等間隔に配置するようにすると、撹拌層内に貫通孔による渦を満遍なく発生させることができるので、増粘剤の液体への分散の促進に貢献できる。また、この場合、複数の貫通孔は、前記ディスパー羽根の中心からの距離が異なる複数の仮想円上に配置するようにすると、乱流発生箇所が撹拌槽内で偏るのを確実に回避することができるため、増粘剤の液体への分散性の促進に大きく貢献できる。
さらに、ディスパー羽根のエッジ部を、前記ディスパー羽根の外周に沿った仮想円の接線に対して、15〜30°傾斜させると、ディスパー羽根の上部あるいは下部に旋回流を効率良く発生させることができるため、増粘剤の液体への分散性を向上させて、製品の質の均質化を確実に行なうことができる。
本発明の撹拌装置を示す正面図である。 図1のディスパー羽根の拡大図である。 図1に示すディスパー羽根のエッジ部を説明するための平面図である。 図1に示す撹拌装置で撹拌槽内の液を撹拌した際(ロッドを上から下に下ろした時)の撹拌槽内の液の流れを示した概念図である。 図1に示す撹拌装置で撹拌槽内の液を撹拌した際(ロッドを下から上に上げた時)の撹拌槽内の液の流れを示した概念図である。 図1に示す撹拌装置で撹拌槽内の液の撹拌を続けて液を増粘させた際の撹拌槽内の液の流れを示した概念図である。 本発明の他の実施形態であり、ディスパー羽根を示す概念図である。 図1に示すディスパー羽根のエッジ部の高さを説明する斜視図である。
以下に本発明の実施の形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1に本発明の撹拌装置を示す。この撹拌装置1は、撹拌槽2と、撹拌槽2内に、上下動可能かつ垂直方向に配設されたロッド3と、このロッド3を上下に駆動する駆動部4と、ロッド3に固定され、このロッド3の軸心に対して垂直な面上に形成されるディスパー羽根5(以下、単に羽根5という)とで主要部が構成されている。
駆動部4は、ロッド3を介して羽根5を上下動させることができるものであれば、公知の駆動機構を採用することができ、特に限定されることはないが、たとえば、図1においては、公知のクランク機構によりロッド3を上下動させている。具体的には、駆動部4は、支持台6の上面部6Aに載置されており、側面部4Aに、軸状の回転バー7と、この回転バー7の軸方向に沿って形成された溝7Aに嵌合してねじ止めされている動力伝達軸8とを備える。動力伝達軸8はロッド3に連結されているため、駆動部4を作動させて回転バー7を回転させると、この回転力が動力伝達軸8を介して垂直方向の動力に変換されて、ロッド3が上下動する。また、撹拌槽2は、支持台6の図示しない底面部に載置されている。なお、図1では、説明をわかりやすくするために撹拌装置1の撹拌部分(撹拌槽2や羽根5)を斜視図で示した。
ロッド3の上下方向の振幅回数(上下方向の往復回数)は、撹拌する液の性質によって適宜変更が可能であり、ロッド3の上下方向のストロークは、撹拌槽の大きさにより適宜変更することが可能である。また、ロッド3の上下移動は、液面内で上下移動を繰り返すようにしてもよいし、液面の高さを超えて上下移動させるようにすることもできる。
ロッド3の駆動部4側の部位は、半円筒状の支持部材9で覆われている。この支持部材9が支持台6の鉛直方向フレーム6Bにネジ止めされることにより、ロッド3が支持台6に固定されている。
図2aに図1に示した羽根5の拡大図を示す。羽根5は、図2aにおいては、外周に上下に交互に突出する複数のエッジ部10が連続して形成されている。エッジ部10は、図2bに示すように、ロッド3が取り付けられる中心孔5Aから等しい距離にあり、かつ、羽根5の外周に沿った仮想円P1(図中一点鎖線で示す)に対して、やや傾斜した角度で羽根5から立ち上がっている。エッジ部10を羽根5の外周に沿って傾斜させることにより、ロッド3を上下動させ、羽根5を上下動させるだけで、撹拌槽2内部の液に旋回流を生じさせることができる。なお、エッジ部10は、羽根5を上下動させることにより、撹拌槽2内で旋回流を生じさせることができるものであれば、図2aに示す態様に限られるものではなく、上下の一方側にエッジ部10を形成することもできるし、上方および下方の両方に連続したエッジ部10を形成してもよいし、また必ずしも上下交互にエッジ部10を設けなくともよいが、上下交互にエッジ部10を設けることにより、旋回流を効率よく発生させることができる。このエッジ部10の傾斜角度θは、特に限定されるものではないが、当該仮想円P1の接線に対して、15〜30°であることが好ましい。傾斜角度が15°より小さいと、液が撹拌槽の内壁面へ流れにくいという理由でエッジ部10による旋回流が生じにくく、傾斜角度度が30°よりも大きいと、液が撹拌層の内壁面へ激しく衝突するという理由により、エッジ部10による旋回流が生じにくい。
また、羽根5は、図2aに示すように、ロッド3が取り付けられる中心孔5Aから等しい距離にある仮想円P2(図中一点鎖線で示す)上に、複数(6個)の貫通孔11が等間隔に形成されている。貫通孔11の形状は、図2aにおいては円形であり、後述する渦流を発生させるうえでは円形であることが好ましいが、特にその形状は限定されるものではなく、ロッドを上下させることにより渦を発生させるできるものであれば、楕円、多角形状であってもよい。また、貫通孔11の大きさ(円形の場合は径)は、特に限定されるものではなく、撹拌槽2や羽根5の大きさによって適宜変更可能であるが、ダマが貫通孔11を通過できる大きさとすることが好ましい。
次に、本実施形態の撹拌装置1を用いて水に増粘剤を分散させる際の撹拌槽2内部の様子について、図3および図4を参照して説明する。なお、図3および図4において、羽根5の形状は、図面を見やすくするために簡略化して示している。
(ロッド3を上から下に下ろした時)
図3に示すように、ロッド3を矢印αで示すように上から下に下ろした時、羽根5の中央真下領域(A領域)では、撹拌槽2内の液(増粘剤と水との混合液)は、羽根5と撹拌槽2の底面部とで挟まれて強い圧力が加えられるため、液の大半は、矢印a1で示すように貫通孔11を通過して渦を発生させるが、液の一部は、矢印a2で示すように羽根円周側真下領域(B領域)へ移動する。B領域に移動した液は、羽根5の下方側のエッジ部10に衝突し、衝突した液の流れは、エッジ部10の傾斜部により、旋回流を発生させる。発生した旋回流は、矢印bで示すように羽根5と撹拌槽2との間の隙間12から流れる。エッジ部10に衝突しない液であっても、既に生じている旋回流と一体となって、矢印bで示すように羽根5と撹拌槽2との間の隙間12から流れるが、大半は、矢印a1で示すように貫通孔11を通過して、渦を発生させる。このように、貫通孔11で多数の渦を発生させることができるため、増粘剤の水への分散性を向上させることができる。また、貫通孔11による多数の渦に加え、エッジ部10で旋回流を発生させることができるため、増粘剤と水とが接触する回数が増加して、水中における増粘剤の偏りが解消されることから、増粘剤の水への分散性の向上に貢献することができる。
羽根円周側真下領域(B領域)では、液は、羽根5と撹拌槽2の底面部とで挟まれて強い圧力が加えられるため、矢印a1で示すように貫通孔11を通過する。しかし、貫通孔11の開口径よりも、羽根5と撹拌槽2との間の隙間12の開口径の方が大きいことから、貫通孔11よりも隙間12からの方が矢印bに示すように液が通過しやすい。
羽根真上領域(C領域)では、上側に突出するエッジ部10により、矢印cで示す1つの大きな旋回流が発生しているため、増粘剤は水に分散されやすい。また、ロッド3の下降動作により、貫通孔11で発生した渦とC領域で既に生じている旋回流cとが衝突するので、増粘剤の水への分散性をより向上させることができる。
(ロッド3を下から上に上げたとき)
図4に示すように、ロッド3を矢印βで示すように下から上に上げた時、羽根中央上部領域(D領域)では、液は、羽根5の上部が解放されていることから圧力がほとんど加えられないため、一部は矢印d1で示すように貫通孔11を通過して渦を発生させるが、大半は矢印d2で示すように羽根円周側真上領域(E領域)へ移動する。E領域に移動した液は、羽根5の上方側のエッジ部10に衝突し、衝突した液の流れは、エッジ部10の傾斜により旋回流を発生させる。発生した旋回流は、矢印eで示すように、羽根5と撹拌槽2との間の隙間12から流れる。エッジ部10に衝突しない液であっても、既に生じている旋回流と一体となって、矢印eで示すように、羽根5と撹拌槽2との間の隙間12を通過する。
羽根円周側真上領域(E領域)では、液は、羽根5の上部が解放されて圧力がほとんど生じないため、矢印eで示すように、羽根5と撹拌槽2との間の隙間12を通過しやすい。
羽根中央真下領域(F領域)では、羽根5の下側に突出するエッジ部10の作用により、矢印fで示すように1つの大きな旋回流fが発生するため、水中における増粘剤の偏りが解消されることから、増粘剤の水への分散性の向上に貢献することができる。
(ロッド3の上下動の繰り返しにより液が増粘したとき)
図5に示すように、図3および図4に示すようなロッド3の上下動を繰り返して液の撹拌を進めると、液は増粘して、貫通孔11を通過し難くなる。そのため、羽根真上領域(G領域)および羽根真下領域(I領域)の液の大部分は、矢印g、iで示すように撹拌槽2の内壁面側へ移動して、矢印hで示すように、撹拌槽2と羽根5との間の隙間領域(H領域)を通過する。ここで、羽根5と撹拌槽2の内壁は、液内物(ダマ)の微細化可能に、隙間12を介して近接させているので、増粘した液は、領域Hにおいて、羽根5と撹拌槽2の内壁面との間で、ダマのすり潰しや引き伸ばしがなされてダマが微細化される。この結果、増粘剤の水への分散が効率よく行われる。なお、図5では、H領域をわかりやすくするために、撹拌槽2内の構造を図3、4よりも拡大して示している。
以上のように、本実施形態の撹拌装置1によれば、エッジ部10が上下方向に形成された羽根5を上下動させることにより、液が羽根5に形成された貫通孔11を通過して生じる複数の渦、エッジ部10により生じる旋回流c,f、および、貫通孔11で生じる渦と旋回流c,fとの衝突により、撹拌槽2内に液の複雑な流れを形成することができるため、増粘剤の水への分散性を向上させることができる。
貫通孔11の直径や個数や面積については適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態では、図1、図2a、および図2bに示すように、6個の貫通孔11を図示しているが、これに限られるものではない。しかし、増粘剤の水への分散性は、貫通孔11の条件に大きく左右され、例えば、貫通孔11が小さすぎると、貫通孔11を液が通過しにくくなったり、最適な勢いの渦が発生しにくくなったりして、貫通孔11で渦が生じにくくなり、増粘剤の水への分散性を促進させるのが困難になる。また、貫通孔11の数が少なすぎると、貫通孔11により生じる渦の数が少なすぎて増粘剤の水への分散性を向上させるのが困難になる。
本発明の撹拌装置1において、貫通孔11により、ロッド3を上下させたときに、渦を効率よく発生させるために、複数の貫通孔11の面積の合計は、羽根5の面積に対して2.2〜8.6%とするのが好ましい。貫通孔11の面積が羽根5の面積の合計が2.2%よりも小さいと、貫通孔11が小さすぎて液が通過しにくくなって、渦が生じにくくなったり、十分な勢いの渦が生じにくくなる。その結果、増粘剤の水への分散性を十分に向上させることが困難になる。一方、貫通孔11の面積が羽根5の面積の8.6%よりも大きいと、羽根5に対する貫通孔11の面積比が大きくなって、十分な勢いの渦が生じにくくなり、羽根5の強度を十分に確保することが困難になる。
また、撹拌槽2内での渦の発生箇所を撹拌槽2内で均等にするために、貫通孔11は、羽根5の全体に均等に形成して、特定箇所に偏らないようにすることが好ましく、貫通孔11の大きさ(貫通孔11が円形の場合は直径)や互いの貫通孔11の間隔を等しくすることが好ましい。
本実施形態では、上述のように羽根5に貫通孔11を均等に形成するための一手段として、貫通孔11は、羽根5の中心から等距離にある仮想円P2上に等間隔に配置している。そのため、撹拌層内に貫通孔による渦を満遍なく発生させることができるので、増粘剤の液体への分散性の促進に貢献できる。
一方で、貫通孔11の配置方法は、本実施形態に限られるものではない。例えば、貫通孔11を本実施形態のように6個とする場合、図6に示す他の実施形態のように、6個の貫通孔11のうち4つを羽根5の中心Oから等しい距離にある内側仮想円Q(一点鎖線で示す)上に等間隔で配置し、残りの2個の貫通孔11を、羽根5の中心Oから等しい距離にあり、かつ、中心Oからの距離が、中心Oから仮想円Qまでの距離よりも長い外側仮想円R(一点鎖線で示す)上に等間隔で配置することもできる。この場合、貫通孔11による渦が撹拌槽2内で偏って発生するのを確実に防止することができるため、増粘剤の液体への分散性の促進に大きく貢献できる。特に、図6に示すように、貫通孔11を外側仮想円Rよりも、内側仮想円Q側に集中させる、たとえば、内側仮想円Q上の貫通孔11の個数を、外側仮想円R上の貫通孔11の個数に対して1.5倍〜4倍とすることにより、さらに分散性を促進させることができる。なお、貫通孔11は、貫通孔11に発生する渦が互いに干渉して各渦の勢いが低下しないように配置するのが好ましい。また、複数の仮想円上に貫通孔11を形成する場合、特定の仮想円上に貫通孔11が偏らないように考慮するとともに、羽根5の回転時の条件等を考慮して、各仮想円上に配置する貫通孔11の個数を決定するのが望ましい。また、貫通孔11を形成する仮想円は、内側仮想円Qと外側仮想円Rの2つの場合に限らず、3つ以上であってもよい。
本実施形態では、エッジ部10は、上下交互に形成しているため、羽根5の上下で均等に旋回流を発生させることができるので、増粘剤の液体への分散を効率よく促進させることができる。
また、エッジ部10の突出長さは、特に限定されるものではないが、羽根5の直径の5〜12.5%にすると、増粘剤の水への分散性を向上させて、液の粘度をさらに高めることができる。ここで、エッジ部10の突出長さとは、上方に突出するエッジ部10の場合、図7に矢印lで示した長さを意味し、下方に突出するエッジ部10の場合、図7に矢印mで示した長さを意味する。
また、エッジ部10は、羽根5の外周に沿った仮想円P1(図2b)の接線n1,n2に対して15〜30°傾斜させるのが好ましい。傾斜角度が15°よりも小さいと、液が撹拌槽2の内壁面へ流れにくいことによりエッジ部10で十分な旋回流を発生させることができず、傾斜角度が30°よりも大きい場合にも、液が撹拌槽2の内壁面へ激しく衝突することによりエッジ部10で十分な旋回流を発生させることが困難になる。
また、撹拌槽2の底に皿形鏡板等を採用して、撹拌槽2の底を平らにしないようにすると、ロッド3を上から下に下ろした時、増粘剤が撹拌槽2の内壁面方向へ流れやすくなって、羽根5の裏面に増粘剤が付着しにくくなるため、好ましい。
以下、実施例により本発明の撹拌装置をより詳細に説明するが、本発明の撹拌装置は、これらになんら限定されるものではない。
まず、ディスパー羽根5(以下、単に羽根5とする)の条件が異なる本発明の実施例1〜13と、実施例の効果を比較検討するための次の比較例1〜3を準備した。
実施例1〜4は、撹拌槽2の内径が270mm、撹拌槽2内に配設されるディスパー羽根5の径が200mm、孔数を6個として均等に配置し(同一の円弧上に等間隔で配置)、エッジ部10の傾斜角度を15.0°、エッジ部10の高さを上下とも10mmとして孔面積、孔径のみを変えた。実施例1〜4のそれぞれの羽根面積に対する貫通孔の面積の比率は、2.2、4.3、8.6、13.0であった。
実施例5〜7は、羽根の中心から等距離にある2つの仮想円(羽根の中心からの距離が近い方の内側仮想円と遠い方の外側仮想円)のそれぞれの仮想円上に配置する貫通孔の個数を実施例2から表1に示すように変更(内側仮想円および外側仮想円に3個、内側仮想円:4個、外側仮想円:2個、内側仮想円:2個、外側仮想円:4個)したほかは実施例2と同様とした。
実施例8〜10は、羽根のエッジ部10の突出長さを表1に示すように変更(エッジ部10の突出長さが羽根径に対して上下の一方が5%(10mm)、他方が12.5%(25mm)の場合、上下共に12.5%(25mm)の場合)したほかは実施例6と同様とした。
実施例11、12は、羽根5のエッジ部10の傾斜角度を変更(30°、45°)したほかは実施例8と同様とした。
実施例13は、撹拌槽2の内径が116mm、撹拌槽2内に配設されるディスパー羽根5の径が100mm、孔数を6個として内側仮想円:4個、外側仮想円:2個に配置し、羽根面積に対する貫通孔の面積の比率を4.3とし、エッジ部10の傾斜角度を15.0°、エッジ部10の高さを上下とも12.5mmとした。つまり、ディスパー羽根5の径、貫通孔の径、およびエッジ部10の上下の高さを実施例8の半分とし、他の条件を実施例8と同じにした。
つぎに、比較例について説明する。比較例1は、羽根直径が200mm、エッジ部がなく、貫通孔を設けなかった。比較例2は、羽根直径が200mm、エッジ部がなく、貫通孔を、孔面積合計/羽根面積が実施例8と同じ条件で設けた(孔数:6個、羽根面積に対する孔面積の比率:4.3、貫通孔11の配置方法:内側仮想円:4個、外側仮想円:2個)。比較例3は、羽根5にエッジ部10のみを設け、貫通孔11を設けなかった。羽根5の他の条件は実施例1と同様である。
つぎに、実施例および比較例の撹拌装置の撹拌条件および評価方法を説明する。
実施例1〜12および比較例1〜3は、液の全量は5000mLとし、増粘剤として、和光純薬工業(株)製のハイビスワコー104(登録商標)を使用し、増粘剤の条件は、1.0重量%、2.0重量%、3.0重量%の3パターンとした。また、ストローク条件を、振幅幅115mm、振幅回数110回/minとし、撹拌時間を、10分、20分、30分の3パターン(但し、増粘剤が1.0重量%の場合は、実施例2、3については10分の場合のみ、他の実施例については10分および20分の場合のみ)で撹拌し、攪拌中における液が流動する様子、撹拌後の増粘剤のダマの状態を、目視により観察した。また、実施例13は、液の全量は600mLとし、上述した条件で撹拌および評価を行った。
また、評価基準は、強い旋回流と十分な勢いの渦が発生することで増粘剤が水に均一分散されるために、液中のダマが最も微細かつ微量であったものを◎とし、◎には及ばないが、液中のダマが微細かつ微量であったものを○とし、旋回流や渦の勢いが弱いために液中のダマが大きく、分散されない増粘剤による羽根および容器への付着量が多いものを△とし、一部の増粘剤が滞留したままであり、さらに羽根および容器への付着量が多いために効率的な増粘剤の分散が期待できなかったものを×とした。この結果を表1に示す。
Figure 0005597211
上記の実験の結果では、実施例1〜13はいずれも比較例1〜3より増粘剤の水への分散性に優れていた。
特に、貫通孔11だけを設けた比較例2、エッジ部10だけを設けた比較例3は、いずれも液の流動性が低く、増粘剤の水へ分散性が悪かったが、実施例1〜13の実験結果では、エッジ部10と貫通孔11とを両方設けることにより、増粘剤の水への分散性が向上することがわかった。また、実施例1〜4から、羽根面積に対する貫通孔の面積の比率が、2.2〜8.6%の範囲にある場合、特に、4.3%の場合(実施例2)に、増粘剤の水への分散性がさらに良いことが判明した。
また、実施例5〜7の実験結果より、実施例6が特に液の流動性が良く、増粘剤の水への分散性が向上し、貫通孔11は、複数の異なる仮想円上に分散させて配置するのが好ましく、特に貫通孔11を撹拌羽根5の中央側の内側仮想円上の貫通孔11を外側仮想円上の貫通孔11よりも多く設けたもの(実施例6)は、増粘剤の水への分散性が向上することがわかった。
また、実施例8〜10の実験結果により、実施例8がエッジ部10の突出長さの効果が特によく現れ、液の流動性が良かったことから、エッジ部10の突出長さは上方および下方の両方の長さが同じであり、かつ長さが長い(羽根5の直径の12.5%)方が分散性が良いことがわかった。
また、実施例8、11、12の実験結果より、エッジ部10の傾斜角度が15〜30°の場合、特にエッジ部10の傾斜角度が15°の場合(実施例8)に、液の流動性および増粘剤の水への分散性に優れていることが判明した。
また、実施例8、13の実験結果より、撹拌槽の大きさが変わっても、羽根径、貫通孔の孔径、エッジ部の高さ等の比率が同じであれば、同等の効果が得られることがわかった。
1 撹拌装置
2 撹拌槽
3 ロッド
4 駆動部
4A 側面部
5 羽根
5A 中心孔
6 支持台
6A 上面部
6B 鉛直方向フレーム
7 回転バー
8 動力伝達軸
9 支持部材
10 エッジ
11 貫通孔
12 隙間

Claims (6)

  1. 撹拌槽と、
    該撹拌槽内に、上下動可能かつ垂直方向に配設されたロッドと、
    該ロッドを上下に駆動する駆動部と、
    該ロッドに固定され、前記ロッドの軸心に対して垂直な面上に形成されるディスパー羽根と
    を備える撹拌装置であって、
    前記ディスパー羽根が、
    前記ディスパー羽根の外周に沿って、前記ディスパー羽根の上方および/または下方に向かって突出し、前記ロッドの上下動により、羽根真上領域および羽根中央真下領域において前記ロッド周りに旋回流を発生させる傾斜部を有したエッジ部を有し、
    前記ディスパー羽根に、上下方向に貫通し、前記ロッドの上下動により、前記ロッドの移動方向に生じる、前記旋回流に衝突する渦を発生させる複数の貫通孔が形成され、前記ロッドの上下動のみにより、前記旋回流と渦とを衝突させることが可能であることを特徴とする
    撹拌装置。
  2. 前記エッジ部は、上下交互に形成されている請求項1記載の撹拌装置。
  3. 前記複数の貫通孔の開口面積の合計が、前記ディスパー羽根の面積に対して、2.2〜8.6%である請求項1または2記載の撹拌装置。
  4. 前記複数の貫通孔は、前記ディスパー羽根の中心から等しい距離にある仮想円上に等間隔に配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の撹拌装置。
  5. 前記複数の貫通孔は、前記ディスパー羽根の中心からの距離が異なる複数の仮想円上に配置されている請求項4記載の撹拌装置。
  6. 前記ディスパー羽根のエッジ部が、前記ディスパー羽根の外周に沿った仮想円の接線に対して、15〜30°傾斜して配設されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の撹拌装置。
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