JP5597157B2 - 車両 - Google Patents
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Description
エンジンと,
このエンジンの回転数を増減すべく,運転者によって回動操作される操作部と,
前記エンジンの回転数に応じて,変速比を切り替えて前記エンジンの動力を駆動輪に伝達する無段変速機構と,
前記エンジンへ新気を導入する吸気通路として,前記エンジンの回転数が所定回転数より低いとき用の低回転時用吸気通路と,前記エンジンの回転数が前記所定回転数以上のとき用の高回転時用吸気通路とを有し,前記エンジンの回転数に応じて前記低回転時用吸気通路と高回転時用吸気通路との切り換えを行う可変吸気機構と,
を備えた車両において,
前記操作部の操作角度を検出して,検出された操作角度に基づいてスロットルアクチュエータを駆動し,前記吸気通路の通路面積を変更するスロットルバルブの開度であるバルブ開度を制御するバルブ開度制御手段を備え,
このバルブ開度制御手段は,前記エンジンの回転数が前記可変吸気機構の切替えタイミングとなる前記所定回転数または当該所定回転数以下の所定範囲の回転数であり,かつ,前記バルブ開度が所定角度以下の場合に,上記操作部の操作角度が急増されたことを検出したときには,前記バルブ開度の上昇を制限する開度制限手段を備えていることを特徴とする。
また,可変吸気機構により,エンジンの回転数が所定回転数より低いときには低回転時用吸気通路に切り替えられ,エンジンの回転数が所定回転数以上のときには高回転時用吸気通路に切り替えられて,それぞれの吸気通路に応じたエンジン出力が得られる。
そして,エンジンの回転数が前記可変吸気機構の切替えタイミングとなる前記所定回転数または当該所定回転数以下の所定範囲の回転数であるときに,運転者によって上記操作部が急開操作され,その操作角度が急増されたことが検出されると,変速比がLow側すなわちエンジン回転数が上昇する側に切り換わるとともに,吸気通路も低回転時用吸気通路から高回転時用吸気通路へと切り替わることとなる。
したがって,ショックが発生しにくくなる。
また,高性能モータやデバイスを追加することなく,ショックの発生を防止することができる。
すなわち,この車両によれば,エンジンの回転数が可変吸気機構の切替えタイミングとなる所定回転数または当該所定回転数以下の所定範囲の回転数であるときに,運転者によって操作部の急開操作がなされた場合でも,コスト増を招くことなく,ショックを低減することができる。
このように構成すると,簡単な構成でバルブ開度の上昇を制限することができる。
前記開度制限手段は,前記操作部の操作角度を検出するとともに,当該操作部の単位時間当たりの操作角度(Δθg)を検知し,当該単位時間当たりの操作角度(Δθg)が所定角度以上であるときに,上記操作部の操作角度が急増されたと判断して,前記操作角度,要求トルク,要求バルブ開度,および目標バルブ開度のうちの少なくとも一つに対し,前記バルブ開度の上昇を制限するための係数である制限係数を掛けることにより,前記バルブ開度の上昇を制限する構成とすることができる。
このように構成すると,前記操作角度,要求トルク,要求バルブ開度,および目標バルブ開度のうちの少なくとも一つに対し,前記バルブ開度の上昇を制限するための係数である制限係数を掛けるという簡単な構成でバルブ開度の上昇を制限することができる。
このように構成すると,単一の吸気管を用いながら,その中途部の開口部を開閉するという簡単な構成で吸気通路長を可変とすることができる。
このシャッタを作動させるダイヤフラムと,
このダイヤフラムを作動させる圧力変化室と,
この圧力変化室と,前記吸気通路における前記スロットルバルブの配置位置よりもエンジン側の位置とを連通していて前記圧力変化室へ吸入負圧を導入し得る吸入負圧導入路と,
この吸入負圧導入路に設けられていて,前記圧力変化室へ吸入負圧を導入するか大気を導入するかを切り換えるソレノイドバルブと,
を備えている構成とすることができる。
このように構成すると,簡単な構造で前記開口部を開閉することができる。
このように構成すると,前記圧力変化室へ吸入負圧を速やかに導入して前記開口部を速やかに開閉することができる。
図示の自動二輪車10は,車体フレーム11の後部に,ピボット軸12とリアクッションユニット13とでパワーユニット20をピボット軸12回りに揺動自在に懸架した車両である。ヘッドパイプ11hに操舵自在にフロントフォーク14を取り付け,このフロントフォーク14の下端に前輪15Fを取り付けてある。フロントフォーク14の上部にはステアリングハンドル15を取り付けてある。
車体フレーム11は後部に左右一対のシートフレーム11s(一方のみ図示)を有している。このシートフレーム11s上に乗員が跨って座るシート16が設けられている。
図示の無段変速機構22は,Vベルト式無段変速機であり,公知の機構を採用することができる。図示の無段変速機構22は,エンジン21のクランク軸21cに支持された駆動プーリ23と,従動軸24aに支持された従動プーリ24と,これら駆動プーリ23と従動プーリ24との間に掛け渡されたVベルト25と,駆動プーリ23,従動プーリ24,およびVベルト25を収容する変速機ケース22cとを有している。
エンジン21と変速機ケース22c(無段変速機構22)は上記パワーユニット20として一体に構成されている。従動軸24aの動力はパワーユニット20に組み込まれた図示しないギヤ列を介して駆動輪15Rに伝達される。
従動プーリ24は,従動軸24aに固定された固定側と,従動軸24a上にスライド可能に設けられた可動側とを有しており,可動側がスライドすることで,従動プーリ24の溝幅が変更される。
開口部34が閉じられると通路長の長い低回転時用吸気通路31Lが形成され(図5参照),開口部34が開かれると通路長の短い高回転時用吸気通路31Hが形成される(図6参照)。
スロットルボディ50には,吸気通路31の通路面積を変更するスロットルバルブ51が内蔵されている。
なお,図3に示すFr,Rr,U,D,R,Lは,車両の前方向,後方向,上方向,下方向,右方向,左方向を示している。
吸入負圧導入路36には,ソレノイドバルブ37よりも上流側において,チェックバルブ38を介してサージタンク39が設けられている。
第1入力ポート37aは大気に開放され,第2入力ポート37bは前述した負圧取り入れ位置P1に接続され,出力ポート37cは圧力変化室35cに接続されている。
ソレノイド37sの励磁(通電のON/OFF)はコントローラ19(図2)によって制御される。
ソレノイドバルブ37への通電がOFFのとき,弁体37dは第1入力ポート37aと出力ポート37cとを接続し,第2ポート37bを閉じる。これにより,圧力変化室35cには大気PAが導入される(図5参照)。
一方,ソレノイドバルブ37への通電がONのとき,弁体37dは第2入力ポート37bと出力ポート37cとを接続し,第1ポート37aを閉じる。これにより,圧力変化室35cには吸入負圧PBが導入される(図6参照)。
エンジン21の回転数NEが所定回転数(6500rpm)に達するまでは,ソレノイドバルブ37はOFFであり,図5に示すように,圧力変化室35cには大気PAが導入される。この状態では,スプリング35sによってダイヤフラム35dを介してロッド35rが押され,シャッタ34sで開口部34が閉じられて低回転時用吸気通路31Lが形成される。低回転時用吸気通路31Lの吸気通路長さは,吸気管33のエア取り入れ口33iからエンジン21の吸気ポート21iまでの長さである。また,この状態では,ソレノイドバルブ37の第2ポート37bは閉じられているから,吸入負圧PBによってサージタンク39内に吸入負圧PBが蓄積される。
すなわち,可変吸気機構30は所定回転数を境(切り替えタイミング)として低回転時用吸気通路31Lと高回転時用吸気通路31Hとを切り替える。
コントローラ19は,ステップST1で,エンジン回転数NEを取得し,ステップST2でスロットルグリップ15gの操作角度θgを取得する。この取得サイクルは少なくとも1秒間に1回とする。
ここで,回転数NEが6000〜6500rpmの範囲以内にあるということは,まもなく可変吸気機構30による吸気通路31の切り替えが低回転時用吸気通路31Lから高回転時用吸気通路31Hへとなされることを意味する。
別言すれば,ステップST3で差Δθgが20degを超えていると判断され,かつステップST4でスロットルバルブ51の開度θvが50deg以下であると判断され,さらにステップST5でエンジン回転数NEが6000〜6500rpmの範囲以内にあると判断されたということは,エンジン回転数NEの急上昇および,吸気通路31の低回転時用吸気通路31Lから高回転時用吸気通路31Hへの切り替えが予測されると言うことを意味する。
図9は開度制限手段65を用いない場合のエンジン回転数NEとエンジン出力との関係の一例を示すエンジン性能曲線図で,図中,実線は,吸気通路31が低回転時用吸気通路31Lに切り替えられている場合のエンジン回転数NEとエンジン出力との関係を示す曲線であり,破線は,吸気通路31が高回転時用吸気通路31Hに切り替えられている場合のエンジン回転数NEとエンジン出力との関係を示す曲線である。
図9は開度制限手段65が適用されない状態において,エンジン回転数NEが6000〜6500rpmの間において,スロットルバルブ51の開度θvが50deg以下の場合に,操作部15gが急開され(操作角度θgが急増して)シフトダウン(Low側への切り替え)によりエンジン回転数NEが急上昇し,その結果,吸気通路31の切り替えが遅れ,エンジン回転数NEが7000rpmの時点で,吸気通路31が低回転時用吸気通路31Lから高回転時用吸気通路31Hへ切り替わった様子を示している。
このような出力Pw1からPw2への瞬間的な急増は,車両10にショックを発生させる。
すなわち,ステップST3からST5の判断がすべてYESと判断された場合において,仮に何らの方策も講じないとしたならば,上述したショックが発生する可能性がある。
(a)この車両10によれば,運転者が操作部15を回動操作することでエンジン21の回転数NEを増減でき,無段変速機構22により,エンジン21の回転数NEに応じて,変速比が自動的に切り替えられてエンジン21の動力が駆動輪15Rに伝達される。
また,可変吸気機構30により,エンジン21の回転数NEが所定回転数NE1より低いときには低回転時用吸気通路31Lに切り替えられ,エンジン21の回転数NEが所定回転数NE1以上のときには高回転時用吸気通路31Hに切り替えられて,それぞれの吸気通路に応じたエンジン出力が得られる。
そして,エンジン21の回転数NEが前記可変吸気機構30の切替えタイミングとなる前記所定回転数NE1または当該所定回転数NE1以下の所定範囲の回転数であるときに,運転者によって上記操作部15が急開操作され,その操作角度θgが急増されたことが検出されると,変速比がLow側すなわちエンジン回転数NEが上昇する側に切り換わるとともに,吸気通路も低回転時用吸気通路31Lから高回転時用吸気通路31Hへと切り替わることとなる。
したがって,ショックが発生しにくくなる。
また,高性能モータやデバイスを追加することなく,ショックの発生を防止することができる。
すなわち,この車両10によれば,エンジン21の回転数NEが可変吸気機構30の切替えタイミングとなる所定回転数NE1または当該所定回転数NE1以下の所定範囲の回転数であるときに,運転者によって操作部15の急開操作がなされた場合でも,コスト増を招くことなく,ショックを低減することができる。
開度制限手段65は,操作部15の操作角度θgを検出するとともに,当該操作部15の単位時間当たりの操作角度Δθgを検知し,当該単位時間当たりの操作角度Δθgが所定角度以上であるときに,上記操作部15の操作角度θgが急増されたと判断して,操作角度θg,要求トルクTr,要求バルブ開度θvr,および目標バルブ開度(θvr)のうちの少なくとも一つに対し,バルブ開度θvの上昇を制限するための係数である制限係数を掛けることにより,バルブ開度θvの上昇を制限する構成としたので,操作角度θg,要求トルクTr,要求バルブ開度θvr,および目標バルブ開度(θvr)のうちの少なくとも一つに対し,バルブ開度θvの上昇を制限するための係数である制限係数を掛けるという簡単な構成でバルブ開度θvの上昇を制限することができる。
このシャッタ34sを作動させるダイヤフラム35dと,
このダイヤフラム35dを作動させる圧力変化室35cと,
この圧力変化室35cと,前記吸気通路31におけるスロットルバルブ51の配置位置よりもエンジン21側の位置P1とを連通していて前記圧力変化室35cへ吸入負圧PBを導入し得る吸入負圧導入路36と,
この吸入負圧導入路36に設けられていて,前記圧力変化室35cへ吸入負圧PBを導入するか大気PAを導入するかを切り換えるソレノイドバルブ37と,
を備えた構成であるので,簡単な構造で前記開口部34を開閉することができる。
Claims (6)
- エンジン(21)と,
このエンジン(21)の回転数(NE)を増減すべく,運転者によって回動操作される操作部(15)と,
前記エンジン(21)の回転数(NE)に応じて,変速比を切り替えて前記エンジン(21)の動力を駆動輪(15R)に伝達する無段変速機構(22)と,
前記エンジン(21)へ新気を導入する吸気通路(31)として,前記エンジン(21)の回転数(NE)が所定回転数より低いとき用の低回転時用吸気通路(31L)と,前記エンジン(21)の回転数(NE)が前記所定回転数以上のとき用の高回転時用吸気通路(31H)とを有し,前記エンジン(21)の回転数(NE)に応じて前記低回転時用吸気通路(31L)と高回転時用吸気通路(31H)との切り換えを行う可変吸気機構(30)と,
を備えた車両(10)において,
前記操作部(15)の操作角度(θg)を検出して,検出された操作角度(θg)に基づいてスロットルアクチュエータ(61)を駆動し,前記吸気通路(31)の通路面積を変更するスロットルバルブ(51)の開度であるバルブ開度(θv)を制御するバルブ開度制御手段(60)を備え,
このバルブ開度制御手段(60)は,前記エンジン(21)の回転数(NE)が前記可変吸気機構(30)の切替えタイミングとなる前記所定回転数または当該所定回転数以下の所定範囲の回転数であり,かつ,前記バルブ開度(θv)が所定角度以下の場合に,上記操作部(15)の操作角度(θg)が急増されたことを検出したときには,前記バルブ開度(θv)の上昇を制限する開度制限手段(65)を備えていることを特徴とする車両。 - 請求項1において,
前記開度制限手段(65)は前記バルブ開度(θv)を前記操作部(15)の操作角度(θg)に対応したバルブ開度(θv)よりも小さくすることを特徴とする車両。 - 請求項1または2において,
前記バルブ開度制御手段(60)は,前記エンジン(21)の回転数(NE)と,前記操作部(15)の操作角度(θg)とに基づいて前記エンジン(21)に要求される要求トルク(Tr)を算出し,その要求トルク(Tr)を得るために必要なバルブ開度(θv)である要求バルブ開度(θvr)を算出し,該要求バルブ開度(θvr)を,バルブ開度(θv)の目標値である目標バルブ開度(θvr)として設定し,該目標バルブ開度(θvr)に向けて前記スロットルアクチュエータ(61)を駆動するものであり,
前記開度制限手段(65)は,前記操作部(15)の操作角度(θg)を検出するとともに,当該操作部(15)の単位時間当たりの操作角度(Δθg)を検知し,当該単位時間当たりの操作角度(Δθg)が所定角度以上であるときに,上記操作部(15)の操作角度(θg)が急増されたと判断して,前記操作角度(θg),要求トルク(Tr),要求バルブ開度(θvr),および目標バルブ開度(θvr)のうちの少なくとも一つに対し,前記バルブ開度(θv)の上昇を制限するための係数である制限係数を掛けることにより,前記バルブ開度(θv)の上昇を制限することを特徴とする車両。 - 請求項1〜3のうちいずれか一項において,
前記可変吸気機構(30)は,単一の吸気管(33)を有しており,該単一の吸気管(33)の中途部(33m)に設けられた開口部(34)を開閉することで前記低回転時用吸気通路(31L)と高回転時用吸気通路(31H)との切り換えを行うことを特徴とする車両。 - 請求項4において,
前記可変吸気機構(30)は,前記開口部(34)を開閉するシャッタ(34s)と,
このシャッタ(34s)を作動させるダイヤフラム(35d)と,
このダイヤフラム(35d)を作動させる圧力変化室(35c)と,
この圧力変化室(35c)と,前記吸気通路(31)における前記スロットルバルブ(51)の配置位置よりもエンジン(21)側の位置(P1)とを連通していて前記圧力変化室(35c)へ吸入負圧(PB)を導入し得る吸入負圧導入路(36)と,
この吸入負圧導入路(36)に設けられていて,前記圧力変化室(35c)へ吸入負圧(PB)を導入するか大気(PA)を導入するかを切り換えるソレノイドバルブ(37)と,
を備えていることを特徴とする車両。 - 請求項5において,
前記吸入負圧導入路(36)には,前記ソレノイドバルブ(37)よりも上流側において,チェックバルブ(38)を介してサージタンク(39)を設けたことを特徴とする車両。
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